以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
まず、幾つかの実施形態に係る仮設通路システムの全体構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る仮設通路システムの概略正面図である。図2は、図1に示す仮設通路システムの概略平面図である。
図1、2に示されるように、本発明の一実施形態にかかる仮設通路システム1は、高層構造物10の外周部10aに工事関係者がアクセスするためのものであって、高層構造物10に設けられる吊下支持装置2と、高層構造物10の外周面10bに沿って昇降可能に構成されている少なくとも一つのゴンドラ3と、高層構造物10の外周面10bに沿って昇降可能に構成されている乗客搬送部43を有する乗客搬送装置4と、ゴンドラ3と乗客搬送装置4の乗客搬送部43との間の工事関係者の往来を可能とするための仮設通路装置5と、を備えている。
高層構造物10は、地面9からの高さ寸法が15m以上の構造物、好ましくは30m以上1000m以下の構造物、さらに好ましくは60m以上500m以下の構造物からなるものである。
吊下支持装置2(クレーン、ウインチ)は、図1、2に示されるように、地面9上に立設する高層構造物10の上方に設けられ、ゴンドラ3を高層構造物10の外周面10bに沿って吊り下げた状態で支持するものであって、ゴンドラ3を高層構造物10の外周面10bに沿って昇降可能に構成されている。
ゴンドラ3は、図1、2に示されるように、高層構造物10の外周面10bに沿って設けられるとともに、水平な方向に沿って延在するゴンドラ足場31と、ゴンドラ足場31を支持するとともに吊下支持装置2のワイヤー21に吊り下げられるゴンドラ枠体32と、を有している。ゴンドラ3のゴンドラ足場31に乗った作業員は、高層構造物10の外周面10bのメンテナンス作業や検査作業等を行うことができる。
乗客搬送装置4(エレベータ)は、図1、2に示されるように、高層構造物10の外周面10bに沿って立設する支柱41(マスト)と、支柱41に沿って昇降可能に構成されている乗客搬送部43(かご)と、を有している。乗客搬送部43は、図1、2に示されるような、内部に乗客を載せて搬送可能な直方体状の箱状に形成されている。乗客搬送装置4は、乗客搬送部43内に乗り込んだ乗客を地面9や仮設通路装置5に運ぶようになっている。
乗客搬送装置4は、ゴンドラ3の昇降速度より速い昇降速度を有している。例えば、ゴンドラ3の昇降速度が10m/分などの低速度であるのに対して、乗客搬送装置4の昇降速度は、例えば50m/分程度の速度かそれ以上の速度を有している。乗客搬送装置4の昇降速度が速いほど、作業員の移動時間を短縮することができる。
図1、2に示される幾つかの実施形態では、仮設通路システム1は、高層構造物10に設けられる仮設通路吊下装置7(クレーン、ウインチ)をさらに備えている。仮設通路吊下装置7は、高層構造物10の上方に設けられ、仮設通路装置5を高層構造物10の外周面10bに沿って吊り下げた状態で支持するものである。
仮設通路装置5は、ゴンドラ3と乗客搬送装置4の乗客搬送部43との間の工事関係者の往来を可能とするためのものである。また、仮設通路装置5は、高層構造物10に吊り下げられた状態でゴンドラ3の昇降方向に沿って移設可能に構成されている。図1に示される実施形態では、仮設通路装置5は、水平な方向に沿って延在する仮設通路足場51と、仮設通路足場51を支持するとともに仮設通路吊下装置7のワイヤー71に吊り下げられる仮設通路枠体52と、を有している。工事関係者は、仮設通路装置5の仮設通路足場51を通り、ゴンドラ3のゴンドラ足場31や乗客搬送装置4の乗客搬送部43に移動することができる。
このように構成される本発明の一実施形態にかかる仮設通路システム1は、上述したように、高層構造物10の外周部に工事関係者がアクセスするためのものであって、吊下支持装置2と、上述した少なくとも一つのゴンドラ3と、支柱41と乗客搬送部43とを有する上述した乗客搬送装置4と、上述した仮設通路装置5と、を備えている。
このような構成によれば、仮設通路システム1は、ゴンドラ3と、乗客搬送装置4と、ゴンドラ3と乗客搬送装置4の乗客搬送部43との間の工事関係者の往来を可能とするための仮設通路装置5と、を備えている。このような仮設通路システム1は、乗客搬送装置4の乗客搬送部43と仮設通路装置5とを経由させることで、高層構造物10の通路や既設エレベータを用いることなく、高層構造物10の外部に位置する地上(地面9)と、吊り下げられた状態のゴンドラ3との間の工事関係者の往来ができるようになっている。このため、高層構造物10にゴンドラ3に乗降できる場所がない場合でも、吊り下げられた状態のゴンドラ3の乗降が可能になっている。また、仮設通路システム1は、高層構造物10の通路や既設エレベータを用いないので、作業員の動線が高層構造物10の利用者の動線に重ならないため、作業性の向上を図ることができる。
また、仮設通路システム1は、仮設通路装置5を設けることで、仮にゴンドラ3と乗客搬送装置4とを直接乗降可能に接続した際に生じる虞のある、ゴンドラ3や乗客搬送装置4の大型化や複雑化を回避することができる。また、仮設通路装置5は、高層構造物10に吊り下げられた状態でゴンドラ3の昇降方向に沿って移設可能に構成されているので、枠組み足場で構成されているような場合に比べて、構造の大型化や複雑化、強度不足、及び設置費用の高額化を防止することができる。
したがって、上記の構成によれば、高層構造物10の外部と吊り下げられた状態のゴンドラ3との間の工事関係者の往来を可能とするとともに、作業性の向上を図ることができる。
幾つかの実施形態では、仮設通路装置5は、ゴンドラ3に対して高層構造物10の外周面10bに沿うように水平な方向に隣接して配置されている。
図2に示される幾つかの実施形態では、ゴンドラ3は、高層構造物10の外周面10bに沿うように、平面視において長方形状に形成されている。なお、ゴンドラ3は、高層構造物の外周面に沿うような形状であればよく、長方形以外の形状であってもよい。例えば、ゴンドラ3が図2に示される高層構造物10の角部に配置される場合には、高層構造物10の角部の直角形状に沿うような、平面視においてL字状に形成されていてもよい。
仮設通路装置5は、図1、2に示されるように、高層構造物10の外周面10bに沿って吊り下げられているので、仮設通路装置5の仮設通路足場51に乗った工事関係者は、高層構造物10の外周面10bのメンテナンス作業や検査作業等を行うことができる。
このように構成される本発明の一実施形態にかかる仮設通路システム1は、上述したように、仮設通路装置5が、図1、2に示されるように、ゴンドラ3に対して高層構造物10の外周面10bに沿うように水平な方向に隣接して配置されている。
このような構成によれば、仮設通路システム1は、ゴンドラ3や仮設通路装置5を互いに隣接して配置したり、ゴンドラ3や仮設通路装置5を高層構造物10の近傍に配置したりすることで、ゴンドラ3や仮設通路装置5の大型化や複雑化を防止することができる。また、仮設通路装置5は、ゴンドラ3に対して高層構造物10の外周面10bに沿うように水平な方向に隣接して配置されているので、ゴンドラ3と同様に高層構造物10の修繕作業を行う際の作業足場として利用することができる。また、仮設通路装置5は、ゴンドラ3に対して高層構造物10の外周面10bに沿うように水平な方向に隣接して配置されているので、ゴンドラ3を吊り下げるワイヤー21と仮設通路装置5を吊り下げるワイヤー71との干渉を防止することができる。
なお、上述した幾つかの実施形態では、仮設通路装置5は、ゴンドラ3に対して高層構造物10の外周面10bに沿うように水平な方向に隣接して配置されていたが、他の幾つかの実施形態では、仮設通路装置5は、ゴンドラ3を挟んで高層構造物10とは反対側に配置されてもよく、ゴンドラ3に対して鉛直な方向に配置されてもよい。
幾つかの実施形態では、仮設通路装置5は、下段足場57と、下段足場57よりも上方に位置する上段足場58と、下段足場57と上段足場58との間の工事関係者の往来を可能とするための昇降手段56と、を少なくとも含んでいる。
図3は、図1に示す仮設通路システムにおけるゴンドラを説明するための概略断面図である。図4は、図1に示す仮設通路システムにおける乗客搬送装置及び仮設通路装置を説明するための概略断面図である。図5は、図1に示す仮設通路装置近傍を拡大して示す概略部分拡大正面図である。図6は、図1に示す仮設通路装置近傍を拡大して示す概略部分拡大平面図である。図7は、本発明の一実施形態における仮設通路装置の一例を示す斜視図である。
図3に示されるように、吊下支持装置2は、ゴンドラ3を吊り下げるワイヤー21と、ワイヤー21を支持する支持アーム22と、ワイヤー21の垂れ下がる長さ寸法を調整可能な巻上機23と、を有している。このため、吊下支持装置2は、巻上機23によりワイヤー21の垂れ下がる長さ寸法を調整することで、ゴンドラ3を高層構造物10の外周面10bに沿って昇降させることができる。
ゴンドラ3のゴンドラ枠体32は、図3に示されるように、水平な方向に沿って延在する鋼管32aと、垂直な方向に沿って延在する鋼管32bと、が複数組合されて構成されている。なお、図示してはいないが、ゴンドラ枠体32は、鋼管32aや鋼管32bを繋ぐ筋交いを有してもよく、ゴンドラ枠体32を覆うような、例えば養生シートによる養生が施されていてもよい。
ゴンドラ3は、図1、3、5に示されるような、2つのゴンドラ30のゴンドラ枠体32が鉛直方向に沿って連結されたような2層構造を有している。2層構造のゴンドラ3のゴンドラ足場31は、図1、3、5に示されるような、下段ゴンドラ足場33と、下段ゴンドラ足場33よりも上方に位置する上段ゴンドラ足場34と、を含んでいる。
図3に示される幾つかの実施形態では、ゴンドラ3は、下段ゴンドラ足場33と上段ゴンドラ足場34との間の工事関係者の往来を可能とするための昇降手段37をさらに有している。昇降手段37は、例えば階段や梯子などからなる。この場合には、作業員はゴンドラ3の異なる層に移動できるので、作業性の向上を図ることができる。
支柱41は、各々縦横斜め方向に沿って延在する複数の鋼管が組合されて、平面の外形形状が図2に示される四角形状に形成されている。なお、支柱41の平面の外形形状は四角形状以外の多角形状や円形状などであってもよい。
支柱41は、長手方向(鉛直方向)において複数の支柱部材に分割可能であり、直列に連結される支柱部材の数を増減させることで、自身の長さ寸法を大小させることができるようになっている。また、支柱41は、図4〜6に示されるように、長手方向に沿ってラック42が敷設されている。
乗客搬送部43は、支柱41に沿って昇降可能に構成されている。より詳細には、乗客搬送装置4は、図6に示されるような、乗客搬送部43の上部に支柱41のラック42に噛合されるピニオン44と、該ピニオン44を回転駆動させるためのモータなどの駆動源45と、をさらに有している。このため、乗客搬送部43は、駆動源45がピニオン44を回転させることで、支柱41に沿って昇降可能になっている。
乗客搬送部43は、図6に示されるような、側面に乗客を乗降させる際に開く扉43aが少なくとも一つ設けられている。扉43aは、図6に示されるように、高層構造物10の外周面10bに沿うような方向の一方(図中左側)に設けられている。なお、扉43aは、高層構造物10の外周面10bに沿うような方向の他方(図6中右側)や、高層構造物10の外周面10bに対向する側(図6中上側)や対向する側とは反対側(図6中下側)に設けられていてもよい。また、扉43aは複数の方向に設けられていてもよい。
仮設通路装置5の仮設通路枠体52は、図4に示されるように、水平な方向に沿って延在する鋼管52aと、垂直な方向に沿って延在する鋼管52bと、が複数組合されて構成されている。なお、図示してはいないが、仮設通路枠体52は、鋼管52aや鋼管52bを繋ぐ筋交いを有してもよく、仮設通路枠体52を覆うような、例えば養生シートによる養生が施されていてもよい。
仮設通路吊下装置7は、図4に示されるように、仮設通路装置5を吊り下げるワイヤー71と、ワイヤー71を支持する支持アーム72と、ワイヤー71の垂れ下がる長さ寸法を調整可能な巻上機73と、を有している。仮設通路吊下装置7は、巻上機73によりワイヤー71の垂れ下がる長さ寸法を調整することで、仮設通路装置5をゴンドラ3の昇降方向に沿って昇降させる(移設させる)ことができる。なお、仮設通路装置5は、仮設通路足場51や仮設通路枠体52をゴンドラ3の昇降方向に沿って付け替えることにより、移設されるようになっていてもよい。
仮設通路装置5は、図1、4、5、7に示されるように、ゴンドラ3より1層多い3層構造を有している。3層構造の仮設通路装置5の仮設通路足場51は、図4〜7に示されるような、下段仮設通路足場53(下段足場57)と、下段仮設通路足場53よりも上方に位置する中段仮設通路足場54(下段足場57、上段足場58)と、中段仮設通路足場54よりも上方に位置する上段仮設通路足場55(上段足場58)と、を含んでいる。
仮設通路装置5は、図5、7に示されるような、下段仮設通路足場53と中段仮設通路足場54と上段仮設通路足場55との内少なくともいずれか二つの間の工事関係者の往来を可能とするための昇降手段56と、含んでいる。昇降手段56は、例えば階段や梯子などからなる。この場合には、作業員は仮設通路足場の異なる層に移動できるので、作業性の向上を図ることができる。
このように構成される本発明の一実施形態にかかる仮設通路システム1は、上述したように、仮設通路装置5が、上述した下段足場57と、上述した上段足場58と、上述した昇降手段56と、を少なくとも含んでいる。
このような構成によれば、仮設通路装置5は、上述した下段足場57と、上述した上段足場58と、上述した下段足場57と上述した上段足場58との間の工事関係者の往来を可能とするための昇降手段56と、を含んでいる。また、仮設通路装置5は、ゴンドラ3に水平な方向に隣接して配置されている。このような仮設通路装置5は、ゴンドラ3の仮設通路装置5に対する高さ位置に応じて、下段足場57と上段足場58とをゴンドラ乗降用足場として使い分けることができる。
例えば、高層構造物10の修繕を行う際には上段足場58をゴンドラ乗降用足場として利用し、盛替え時にゴンドラ3を下方に下げた際には下段足場57をゴンドラ乗降用足場として利用することができる。換言すると、仮設通路装置5は、ゴンドラ3を盛替える前と盛替えた後の両方の場合において、ゴンドラ3と仮設通路装置5との間の工事関係者の往来を可能とすることができる。仮設通路装置5は、ゴンドラ3の盛替え前後においてゴンドラ3と仮設通路装置5との間の工事関係者の往来が可能であるので、作業員の効率的な移動を可能とするとともに、作業性を向上させることができる。
なお、他の幾つかの実施形態では、ゴンドラ3は、1層構造又は3層以上の複数層の構造を有している。複数層構造のゴンドラ3は、層の数だけのゴンドラ足場(下段ゴンドラ足場33、上段ゴンドラ足場34など)を有し、ゴンドラ3の各層は当該層のゴンドラ足場より上方に少なくとも人が立った状態で歩行できるような高さを有している。
ゴンドラ3は、層の数を増やした分だけゴンドラ足場31の数や作業員が修繕できる高層構造物10の外周面10bの面積が増えるので、作業性を向上させることができるが、ゴンドラ3の大型化や高重量化、ゴンドラ3を支持する吊下支持装置2の必要数の増加や大型化を招くので、2層構造又は3層構造が望ましい。
他の幾つかの実施形態では、仮設通路装置5は、1層構造又は3層構造以外の多層構造を有している。仮設通路装置5は、ゴンドラ3の降下(盛替え)に対応させて移設(盛替え)可能にするためには、ゴンドラ3より少なくとも1層多い構造にすることが望ましい。複数層の仮設通路装置5は、層の数だけの仮設通路足場(下段仮設通路足場53、中段仮設通路足場54など)を有し、仮設通路装置5の各層は、当該層の仮設通路足場より上方に少なくとも人が立った状態で歩行できるような高さを有している。
幾つかの実施形態では、上述した少なくとも一つのゴンドラ3は、図1、2、5、6に示されるような、仮設通路装置5の一方側に隣接して配置される第1ゴンドラ30Aと、第1ゴンドラ30Aが隣接して配置される仮設通路装置5の他方側に隣接して配置される第2ゴンドラ30Bと、を含んでいる。
図2に示される幾つかの実施形態では、ゴンドラ3は、複数のゴンドラ30が高層構造物10の外周を囲むように、互いのゴンドラ枠体32同士を水平方向に沿って連結することにより構成されている連結型ゴンドラであり、工事関係者は、ゴンドラ30のゴンドラ枠体32同士が連結されることにより互いに隣接して配置されたゴンドラ足場31間を移動できるようになっている。
図2に示される幾つかの実施形態では、第1ゴンドラ30Aと第2ゴンドラ30Bは、他のゴンドラ30を介して互いに連結されており、仮設通路装置5とともに高層構造物10の全周を囲むようになっている。なお、他の幾つかの実施形態では、第1ゴンドラ30Aと第2ゴンドラ30Bは、他のゴンドラ30に連結されずに、各々単独で吊下支持装置2に支持されている。
このように構成される本発明の一実施形態にかかる仮設通路システム1は、上述した少なくとも一つのゴンドラ3が、上述した第1ゴンドラ30Aと、上述した第2ゴンドラ30Bと、を含んでいる。
このような構成によれば、仮設通路システム1は、工事関係者が仮設通路装置5から第1ゴンドラ30Aや第2ゴンドラ30Bに乗り込むことや、第1ゴンドラ30Aや第2ゴンドラ30Bから仮設通路装置5に乗り移ることを可能とするので、作業員の効率的な移動を可能とするとともに、作業性を向上させることができる。
幾つかの実施形態では、上述した仮設通路装置5の下段仮設通路足場53(下段足場57)は、第1ゴンドラ30Aに近接する第1ゴンドラ用足場53Aと、第2ゴンドラ30Bに近接する第2ゴンドラ用足場53Bと、第1ゴンドラ用足場53Aと第2ゴンドラ用足場53Bとを接続する接続足場53Cと、を含んでいる。上述した乗客搬送装置4の乗客搬送部43は、第1ゴンドラ用足場53Aと第2ゴンドラ用足場53Bとの間を昇降するように構成されている。
図5〜7に示される幾つかの実施形態では、下段仮設通路足場53は、第1ゴンドラ30Aに近接する第1ゴンドラ用足場53Aと、第2ゴンドラ30Bに近接する第2ゴンドラ用足場53Bと、第1ゴンドラ用足場53Aと第2ゴンドラ用足場53Bとを接続する接続足場53Cと、を含んでいる。乗客搬送装置4の乗客搬送部43は、図5、6に示されるように、第1ゴンドラ用足場53Aと第2ゴンドラ用足場53Bとの間を昇降するように構成されている。
図5〜7に示される幾つかの実施形態では、中段仮設通路足場54は、第1ゴンドラ30Aに近接する第1ゴンドラ用足場54Aと、第2ゴンドラ30Bに近接する第2ゴンドラ用足場54Bと、第1ゴンドラ用足場54Aと第2ゴンドラ用足場54Bとを接続する接続足場54Cと、を含んでいる。なお、乗客搬送装置4の乗客搬送部43は、第1ゴンドラ用足場54Aと第2ゴンドラ用足場54Bとの間を昇降するように構成してもよい。
図5〜7に示される幾つかの実施形態では、上段仮設通路足場55は、第1ゴンドラ30Aに近接する第1ゴンドラ用足場55Aと、第2ゴンドラ30Bに近接する第2ゴンドラ用足場55Bと、第1ゴンドラ用足場55Aと第2ゴンドラ用足場55Bとを接続する接続足場55Cと、を含んでいる。
このように構成される本発明の一実施形態にかかる仮設通路システム1は、下段仮設通路足場53(下段足場57)が、上述した第1ゴンドラ用足場53Aと、上述した第2ゴンドラ用足場53Bと、上述した接続足場53Cと、を含んでいる。上述した乗客搬送装置4の乗客搬送部43は、第1ゴンドラ用足場53Aと第2ゴンドラ用足場53Bとの間を昇降するように構成されている。
このような構成によれば、下段仮設通路足場53(下段足場57)は、第1ゴンドラ用足場53Aと、第2ゴンドラ用足場53Bと、第1ゴンドラ用足場53Aと第2ゴンドラ用足場53Bとを接続する接続足場53Cと、を含んでいる。このような仮設通路システム1は、第1ゴンドラ用足場53Aと第2ゴンドラ用足場53Bとを接続する接続足場53Cにより、第1ゴンドラ30Aと第2ゴンドラ30Bとの間の工事関係者の往来を容易なものとすることができるので、作業員の効率的な移動を可能とするとともに、作業性を向上させることができる。
また、上記の構成によれば、乗客搬送装置4の乗客搬送部43は、第1ゴンドラ用足場53Aと第2ゴンドラ用足場53Bとの間を昇降するように構成されている。このような仮設通路システム1は、第1ゴンドラ30Aや第2ゴンドラ30Bと乗客搬送装置4の乗客搬送部43との道のりを短くできるので、第1ゴンドラ30Aや第2ゴンドラ30Bと乗客搬送装置4の乗客搬送部43との間の工事関係者の往来を容易なものとすることができる。このため、仮設通路システム1は、作業員の効率的な移動を可能とするとともに、作業性を向上させることができる。
また、このような仮設通路システム1は、第1ゴンドラ30Aや第2ゴンドラ30Bと乗客搬送装置4の乗客搬送部43との道のりを短くできるので、仮設通路装置5の大型化を防止することができる。
幾つかの実施形態では、上述した乗客搬送装置4の支柱41は、高層構造物10の外周面10bと乗客搬送部43との間に配置されているとともに、高層構造物10の外周面10bに固定される控え部材6によって支持されている。
支柱41は、図6に示されるように、平面視において、高層構造物10の外周面10bと乗客搬送部43との間に配置されている。支柱41は、高層構造物10に側方から支持されている。より詳細には、図4、6に示されるように、仮設通路システム1は、支柱41と高層構造物10の外周面10bとを接続するとともに、支柱41を高層構造物10に側方から支持させるように構成されている少なくとも一つの控え部材6を備えている。
控え部材6は、図4に示されるように、水平方向に沿って延在する長尺状に形成され、一端部が高層構造物10の外周面10bに埋め込まれて固定されるとともに、他端部が支柱41にボルトやナットなどの不図示の締結手段により固定されている。控え部材6は壁つなぎ金具を含んでいる。複数の控え部材6は、図4に示すように、高層構造物10の外周面10bに固定される高さがそれぞれ異なっている。
このような構成によれば、上述した乗客搬送装置4の支柱41は、高層構造物10の外周面10bと乗客搬送部43との間に配置されているとともに、高層構造物10の外周面10bに固定される控え部材6によって支持されている。
このような構成によれば、支柱41は、高層構造物10の外周面10bに固定される控え部材6によって支持されているので、支柱41の大型化や高価格化を防止することができる。また、乗客搬送装置4の支柱41は、乗客搬送部43と、高層構造物10の外周面10bと、の間に配置されるので、控え部材6の長尺化を防止することができる。特に、仮設通路装置5が、平面視において、例えば第1ゴンドラ用足場53Aや第2ゴンドラ用足場53Bのような、支柱41に隣接して配置された仮設通路足場51を有する場合には、該仮設通路足場51の上段足場58や下段足場57を作業足場として、乗客搬送装置4の支柱41の組立て作業や撤去作業、及び支柱41と高層構造物10との連結作業や連結解除作業を行うことができる。このため、乗客搬送装置4の支柱41の組立て作業などのために、別途枠組み足場や吊り足場を組んだり、解体したりする必要がないので、その分だけ作業量を少なく抑えることができるとともに、乗客搬送装置4の設置費用の高額化を防止することができる。
幾つかの実施形態では、接続足場53C、54C、55Cは、図5〜7に示されるように、平面視において、高層構造物10の外周面10bと支柱41との間に配置されている。この場合には、接続足場53C、54C、55Cを高層構造物10の修繕作業を行う際の作業足場や、支柱41と高層構造物10との連結作業や連結解除作業を行う際の作業足場として利用できるので、これらの作業の作業性を向上させることができる。
また、接続足場53C、54C、55Cは、平面視において、高層構造物10の外周面10bと支柱41との間に配置された場合には、仮設通路装置5は、図7に示されるような、仮設通路装置5の移設時に控え部材6に接触しないような構造を有することが望ましい。幾つかの実施形態では、仮設通路枠体52は、図7に示されるように、第1ゴンドラ用足場53A、54A、55Aを支持する第1仮設通路枠体52Aと、第2ゴンドラ用足場53B、54B、55Bを支持する第2仮設通路枠体52Bと、第1仮設通路枠体52A及び第2仮設通路枠体52Bの各々の上側部分を接続する第3仮設通路枠体52Cと、を含んでいる。接続足場55Cは、第3仮設通路枠体52Cに支持され、接続足場53C、54Cは、第1仮設通路枠体52A及び第2仮設通路枠体52Bに支持されるとともに、仮設通路装置5の移送時に取外し可能に構成されている。この場合には、仮設通路装置5は、移設時において、控え部材6が第3仮設通路枠体52Cの高さ位置に上昇するまで控え部材6との接触を回避することができる。
他の幾つかの実施形態では、接続足場53C、54C、55Cは、平面視において、乗客搬送部43を挟んで支柱41とは反対側に配置されている。他の幾つかの実施形態では、接続足場53C、54C、55Cは、各々複数の足場を有し、少なくとも一つが平面視において、高層構造物10の外周面10bと支柱41との間に配置され、少なくとも一つが平面視において、乗客搬送部43を挟んで支柱41とは反対側に配置されている。
上述した幾つかの実施形態では、仮設通路システム1は、乗客搬送装置4や仮設通路装置5を一つずつ備えていたが、仮設通路システム1は、乗客搬送装置4や仮設通路装置5を複数備えていてもよい。
幾つかの実施形態では、ゴンドラ3は、図3に示されるように、一端部がゴンドラ枠体32の高層構造物10側に固定されて、他端部がゴンドラ足場31と高層構造物10との間の隙間を埋めるように、高層構造物10側が上方に傾斜するように設けられる板状の落下防止部材36をさらに有している。この場合には、ゴンドラ3は、ゴンドラ足場31と高層構造物10との間の隙間から補修道具などが落下することを防止することができる。
幾つかの実施形態では、ゴンドラ3は、図3に示されるように、一端部がゴンドラ枠体32の高層構造物10側に固定されて、他端部が高層構造物10の外周面10bより外側に突出した突出部10cに取付けられる揺れ止め部材35をさらに有している。この場合には、ゴンドラ3は、揺れ止め部材35により揺れが抑制されるので、作業性を向上させることができるとともに、ゴンドラ3と仮設通路装置5との間の乗降の効率化を図ることができる。なお、揺れ止め部材35の他端部は、高層構造物10の外周面10bに取付けられてもよい。
幾つかの実施形態では、仮設通路装置5は、図4に示されるように、一端部が仮設通路枠体52の高層構造物10側に固定されて、他端部が高層構造物10の突出部10cに取付けられる揺れ止め部材59をさらに有している。この場合には、仮設通路装置5は、揺れ止め部材59により揺れが抑制されるので、作業性を向上させることができるとともに、仮設通路装置5と、ゴンドラ3や乗客搬送装置4の乗客搬送部43との間の乗降の効率化を図ることができる。なお、揺れ止め部材59の他端部は、高層構造物10の外周面10bに取付けられてもよい。
幾つかの実施形態では、仮設通路装置5は、図4に示されるように、仮設通路揺れ止め装置8をさらに有している。仮設通路揺れ止め装置8は、図4に示されるような、一端部が仮設通路枠体52の高層構造物10とは反対側の底部に固定されて、他端部が一端部より上方に位置するとともに、揺れ止め部材59の他端部に固定される揺れ止めワイヤー81を含んでいる。この場合には、仮設通路装置5は、ゴンドラ3に比べて、揺れ止めワイヤー81により揺れが抑制されるので、作業性を向上させることができるとともに、仮設通路装置5と、ゴンドラ3や乗客搬送装置4の乗客搬送部43との間の乗降の効率化を図ることができる。
なお、ゴンドラ3は、高層構造物10の外周面10bに鉛直な方向に沿って設けられた不図示のガイドレールに沿って昇降可能に構成されているガイドレール式のゴンドラであってもよい。
次に、幾つかの実施形態に係る高層構造物の修繕方法について説明する。図8は、本発明の一実施形態に係る高層構造物の修繕方法の一例を示すフローチャートである。
幾つかの実施形態では、図8に示されるように、高層構造物の修繕方法11は、高層構造物10の外周部10aを修繕する方法であって、上述した吊下支持装置2を準備するステップS101と、上述した仮設通路装置5を設置するステップS102と、上述した乗客搬送装置4を設置するステップS103と、上述したゴンドラ3を設置するステップS104と、仮設通路装置5を介してゴンドラ3と乗客搬送装置4の乗客搬送部43との間を工事関係者が往来するステップS105と、ゴンドラ3内から高層構造物10の外周部10aを修繕するステップS106と、を備えている。
このような構成によれば、高層構造物の修繕方法11は、ゴンドラ3を設置するステップS104と、乗客搬送装置4を設置するステップS103と、仮設通路装置5を設置するステップS102と、仮設通路装置5を介してゴンドラ3と乗客搬送装置4の乗客搬送部43との間を工事関係者が往来するステップS105と、を備えている。このような高層構造物の修繕方法11は、乗客搬送装置4の乗客搬送部43と仮設通路装置5とを経由させることで、高層構造物10の通路や既設エレベータを用いることなく、高層構造物10の外部に位置する地上(地面9)と、吊り下げられた状態のゴンドラ3との間の工事関係者の往来ができるようになっている。このため、高層構造物10にゴンドラ3に乗降できる場所がない場合でも、吊り下げられた状態のゴンドラ3の乗降が可能であり、ゴンドラ3内で高層構造物10の外周部10aを修繕することができるようになっている。また、高層構造物の修繕方法11は、高層構造物10の通路や既設エレベータを用いないので、作業員の動線が高層構造物10の利用者の動線に重ならないため、作業性の向上を図ることができる。
また、高層構造物の修繕方法11は、仮設通路装置5を設置するステップS102を備えることで、仮にゴンドラ3と乗客搬送装置4とを直接乗降可能に接続した際に生じる虞のある、ゴンドラ3や乗客搬送装置4の大型化や複雑化を回避することができる。また、高層構造物の修繕方法11における仮設通路装置5は、高層構造物10に吊り下げられた状態でゴンドラ3の昇降方向に沿って移設可能に構成されているので、枠組み足場で構成されているような場合に比べて、構造の大型化や複雑化、強度不足、及び設置費用の高額化を防止することができる。
したがって、上記の構成によれば、高層構造物10の外部と吊り下げられた状態のゴンドラ3との間の工事関係者の往来を可能とするとともに、作業性の向上を図ることができる。
なお、高層構造物の修繕方法11は、図8や図9に示される順番に限定されるわけではない。例えば、ゴンドラ3を設置するステップS104が乗客搬送装置4を設置するステップS103の前になっていてもよく、複数のステップを同時に行ってもよい。また、吊下支持装置2の準備には、高層構造物10に既に設置されている吊下支持装置2を使用可能にすることや、高層構造物10に吊下支持装置2を設置することなどが含まれる。
図9は、本発明の一実施形態に係る高層構造物の修繕方法における盛替ステップの一例を示すフローチャートである。
幾つかの実施形態では、図4に示されるように、乗客搬送装置4の支柱41は、高層構造物10の外周面10bに固定される複数の控え部材6であって、固定される高さがそれぞれ異なる複数の控え部材6によって支持されるように構成されている。高層構造物の修繕方法11は、図9に示されるように、降下ステップS201と、移設ステップS202と、撤去ステップS203と、を含む盛替ステップS107をさらに備えている。
盛替ステップ107は、図8に示されるように、高層構造物10の階層毎に工区を分けて補修作業を行うことを可能とするステップであり、修繕が完了するまでの間(ステップS108にて「NO」の場合)、上述したゴンドラ3内から高層構造物10の外周部10aを修繕するステップS106と交互に行われる。盛替ステップ107は、図9に示されるように、ゴンドラ3を高層構造物10の外周面10bに沿って降下させる降下ステップS201と、降下ステップS201の後に、仮設通路装置5を下方に移設させる移設ステップS202と、移設ステップS202の後に、複数の控え部材6の内、最も高い位置に固定されている控え部材6を撤去する撤去ステップS203と、を含んでいる。
このような構成によれば、高層構造物の修繕方法11は、降下ステップS201と、移設ステップS202と、撤去ステップS203と、を含む盛替ステップS107をさらに備えているので、控え部材6を撤去しながら、ゴンドラ3や仮設通路装置5を下方に移動させることができる。このため、支柱41と高層構造物10との連結解除作業のために、別途枠組み足場や吊り足場を組んだり、解体したりする必要がないので、その分だけ作業量を少なく抑えることができるとともに、乗客搬送装置4の設置費用の高額化を防止することができる。
以下、図10〜14を用いて、盛替ステップS107についてより詳細に説明する。図10は、本発明の一実施形態における盛替ステップを説明するための図であって、盛替え前の状態を示す図である。図11は、本発明の一実施形態における盛替ステップを説明するための図であって、第1ゴンドラを降下させた状態を示す図である。図12は、本発明の一実施形態における盛替ステップを説明するための図であって、第2ゴンドラを降下させた状態を示す図である。図13は、本発明の一実施形態における盛替ステップを説明するための図であって、仮設通路装置を下方に移設した状態を示す図である。図14は、本発明の一実施形態における盛替ステップを説明するための図であって、支柱の上側部分と、控え部材の一部を撤去した状態を示す図である。ここで、図10〜図14中の二点鎖線は、支柱41を側方から支持する複数の控え部材6の各々の高さ位置Haを示すものである。
図10に示されるように、3層構造の仮設通路装置5は、2層構造のゴンドラ3(第1ゴンドラ30A、第2ゴンドラ30B)より下端部が1層分だけ下方に突出するように配置されており、作業員は、中段仮設通路足場54や上段仮設通路足場55をゴンドラ乗降用足場として利用して、第1ゴンドラ30Aや第2ゴンドラ30Bに昇降することができる。
図11に示されるように、第1ゴンドラ30Aを2層分だけ降下させると(降下ステップS201)、工事関係者は、下段仮設通路足場53の第1ゴンドラ用足場53Aをゴンドラ乗降用足場として利用して、第1ゴンドラ30Aに昇降することができる。また、図12に示されるように、第1ゴンドラ30Aの降下後に、第2ゴンドラ30Bを2層分だけ降下させると(降下ステップS201)、工事関係者は、下段仮設通路足場53の第2ゴンドラ用足場53Bをゴンドラ乗降用足場として利用して、第2ゴンドラ30Bに昇降することができる。第1ゴンドラ30Aと第2ゴンドラ30Bの降下を別々に行うことにより、一方が降下中に他方において高層構造物10の外周面10bの修繕作業を行うことができるので、作業性の向上を図ることができる。
図13に示されるように、第2ゴンドラ30Bの降下後に、仮設通路装置5を2層分だけ移設すると(移設ステップS202)、工事関係者は、中段仮設通路足場54や上段仮設通路足場55をゴンドラ乗降用足場として利用して、第1ゴンドラ30Aや第2ゴンドラ30Bに昇降することができる。
仮設通路装置5の移設後は、図13に示されるように、下段仮設通路足場53より上方に少なくとも一つの控え部材6が位置するので、工事関係者は、下段仮設通路足場53や中段仮設通路足場54を作業足場として、支柱41と高層構造物10との連結解除作業や、控え部材6の撤去作業及び検査作業を行うことができる。控え部材6の撤去作業後を図14に示す。
仮設通路装置5の移設後は、図13に示されるように、中段仮設通路足場54より上方に支柱41の上側部分が位置するので、工事関係者は、中段仮設通路足場54や上段仮設通路足場55を作業足場として、支柱41の上側部分の連結解除作業や、支柱41の上側部分の撤去作業及び検査作業を行うことができる。支柱41の上側部分の撤去作業後を図14に示す。
高層構造物の修繕方法11は、盛替ステップS107を備えることで、高層構造物10の階層毎に工区を分けて補修作業を行うことができるようになっている。
なお、上述した幾つかの実施形態での説明においては、仮設通路装置5の各階層の高さ寸法がゴンドラ3の各階層の高さ寸法と略同一であるが、仮設通路装置5の各階層の高さ寸法は、ゴンドラ3の各階層の高さ寸法と異なっていてもよい。また、高層構造物10の各階層の高さ寸法は、ゴンドラ3や仮設通路装置5の各階層の高さ寸法と異なっていてもよい。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。また、上述した幾つかの実施形態では、高層構造物10として内部にエレベータが設置されているような高層建物を挙げて説明したが、高層構造物10には、煙突などの塔状工作物などが含まれ、これらの構造物に対して本発明が適用されてもよい。