JP6897689B2 - 通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、通信装置に関する。
電波放射源(例:ホーンアンテナ)とレンズ(例:誘電体レンズ)とを組み合わせて、高指向性を実現した通信装置(例:ミリ波アンテナ)が提案されている。当該通信装置では、高指向性を実現するためには、レンズの実効開口面積を大きくする必要がある。通常、この電波放射源と誘電体レンズを用いる構成では、電波放射源としてホーンアンテナが用いられる。ホーンアンテナでは、実効開口面積を大きくするには、電波放射源とレンズ間の距離を長くとらなければいけない。また、誘電体レンズ自身もそれなりの厚みを有する。結果として、全体の厚みが厚くなり、通信装置が大型化するという問題があった。
上記問題を解決する技術として、特許文献1には、誘電体レンズを有するアンテナ装置が開示されている。当該誘電体レンズは、誘電体レンズが光軸を回転中心とする回転対称体をなし、1次放射器側とは反対側の面である表面が表面方向に膨らむ複数の同心円形状の表面側屈折面と、隣接する表面側屈折面同士の間をつなぐ段差面とからなる。当該段差面は、焦点から1次放射器に面する裏面の任意の位置に入射してレンズ内部を進む主光線に対して±20度の範囲内の角度をなし、表面側屈折面を通る主光線の裏面における位置にゾーニングによる複数の同心円形状の曲面を設けている。こうした形状を用いることにより、実効開口面分布を変えることなくゾーニングを可能とし、レンズ部分の薄型化を実現している。
特許第4079171号
しかしながら、特許文献1に記載の技術によれば、レンズ部を薄型化できるが、電波放射源とレンズ間距離は削減できない。また、レンズの加工精度が上がり、コスト増加を招く等の問題を引き起こす。
本発明は、通信装置の薄型化を実現することを課題とする。
本発明によれば、
電磁波を放射する電波放射源と、
前記電波放射源に近接して配置された位相制御板と、
前記位相制御板と略平行に置かれた偏波制御板と、を有し、
前記位相制御板は、前記位相制御板上の第1の代表点からの距離に応じて透過する電磁波の位相が異なり、
前記偏波制御板は、前記偏波制御板上の第2の代表点と前記偏波制御板の縁とを結ぶ代表線と、前記第2の代表点と前記偏波制御板上の基準点とを結ぶ基準線とのなす角度に応じて、前記基準点において透過する電磁波に対して与える偏波状態変化が異なる通信装置が提供される。
本発明によれば、通信装置の薄型化が実現される。
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
本実施形態の通信装置の全体模式図の一例である。 本実施形態の通信装置の機能を説明するための図である。 本実施形態の通信装置の機能を説明するための図である。 単位構造の並べ方の一例を説明するための図である。 単位構造の並べ方の一例を説明するための図である。 単位構造の並べ方の一例を説明するための図である。 金属パターンの一例を説明するための図である。 金属パターンの一例を説明するための図である。 金属パターンの一例を説明するための図である。 金属パターンの一例を説明するための図である。 金属パターンの一例を説明するための図である。 金属パターンの一例で実現される等価回路図である。 金属パターンの一例を説明するための図である。 金属パターンの一例で実現される等価回路図である。 金属パターンの一例で実現される等価回路図である。 金属パターンの一例を説明するための図である。 金属パターンの一例を説明するための図である。 単位構造の一例を説明するための図である。 単位構造の一例を説明するための図である。 本実施形態の通信装置の機能を説明するための図である。 本実施形態の通信装置の機能を説明するための図である。 本実施形態の通信装置の機能を説明するための図である。 金属パターンの一例を説明するための図である。 金属パターンの一例を説明するための図である。 金属パターンの一例を説明するための図である。 金属パターンの一例を説明するための図である。 本実施形態の通信装置の全体模式図の一例である。 本実施形態の通信装置の機能を説明するための図である。 本実施形態の通信装置の全体模式図の一例である。 本実施形態の通信装置の機能を説明するための図である。 本実施形態の通信装置の全体模式図の一例である。 本実施形態の通信装置の全体模式図の一例である。 単位構造の並べ方の一例を説明するための図である。 単位構造の一例を説明するための図である。 本実施形態の通信装置の全体模式図の一例である。
図1に、本実施形態の通信装置1の模式図を示す。通信装置1は、例えばアンテナ装置(例:ミリ波アンテナ)である。図示するように、通信装置1は、電波放射源10と、制御板(互いに略平行におかれた位相制御板11及び偏波制御板12)と、を有する。図中、矢印Aで電磁波の進行方向を示している。本実施形態の、電波放射源10は、位相制御板11と略平行な平面(xy平面)において等方的(無指向性)であり高い指向性を持つ。電波放射源10の持つこの指向性の特徴により、電波放射源10より放射された電波は、z方向の距離を必要とせず、大きく広がることができる。そのため、電波放射源10は近接した位相制御板11に対し、広い範囲にパワーを供給できる。
位相制御板11は電波放射源10の電波放射強度が無指向性となる面と略平行に、電波放射源10に近接して配置される。このとき、近接とは、電波放射源10の動作周波数における電磁波の波長をλとしたとき、10λ以内、より望ましくは、8λもしくは5λ以内である。
位相制御板11は、電波放射源10との距離Lに対し、径がL/2以上、より望ましくはL以上となっている。そして、電波放射源10は、位相制御板11の第1の代表点(第1の代表点の定義は後述する)からL/2離れた位置まで、パワーを供給できる指向性特徴を備える。
ここで、「パワーを供給できる」とは、電波放射源10の放射電力に対して、たとえば1/10以上のパワーを位相制御板11に供給できていることを言う。仮に、電波放射源10として、通常用いられるようなz方向に電波を放射するアンテナを用いた場合、電波放射源10と位相制御板11を近づけると、位相制御板の中心付近にしかパワーが当たらず、実効開口面積が小さくなってしまい高指向性のビームを形成することができない。本実施形態の電波放射源10は、xy面内において、等方的かつ強い指向性を有するため、電波はxy面内方向、つまり位相制御板11の面内方向に広がるため、電波放射源10と位相制御板11が近接しておかれた場合にも、位相制御板11の広い範囲にパワーを供給することができる。この特徴により、通信装置1の薄型化が達成される。高指向性のビームを形成するために、電波放射源10から放射された電磁波のうち位相制御板11に入射した電磁波の位相を、位相制御板11により揃える。位相制御板11により、図中上方向(z軸正方向)に進行する高指向性のビームを形成する。さらに、位相制御板11に入射する電磁波の偏波状態は場所により異なるため、偏波状態をそろえる必要がある、この役割は偏波制御板12により達成される。位相制御板11により位相が揃えられた電磁波のうち偏波制御板12に入射した電磁波の偏波状態は、偏波制御板12により、揃えられる。
電磁波の偏波面は電磁波の進行方向に直交するため、xy平面(位相制御板11と略平行な平面)において等方的な指向性を持つ電波放射源10は、xy面内において電場もしくは磁場がz軸を中心軸として放射状に分布するような電磁波を放射することとなる。図2、図3にxy平面内において等方的な指向性を持つアンテナの一例として、ダイポールアンテナの電場の様態を示す。例えば、電波放射源10として、位相制御板11に対して(延伸方向が)略垂直に配置されたダイポールアンテナを用いることができる。ダイポールアンテナの電場Eはダイポールアンテナを含むyz面内において、図2のように分布し、その中で、たとえばA−A´断面を抜き出すと電場Eは図3のように分布している。つまり、電場Eは放射状に分布していることがわかる。このままの偏波状態では、位相制御板11で電磁波の位相をそろえてz軸正方向へ進む高指向性のビームを形成したとしても、ビームの中心(ダイポールアンテナの直上)軸上では、動径方向に向いた電場ベクトルが重なりあうため、干渉の結果、ビームの中心に電場強度分布の穴が生じてしまう。そのため、本実施形態つまりは薄型で、高指向性のアンテナを提供するには、電磁波の偏波をそろえることが望ましく、偏波制御板12によりこの機能は達成される。つまり、電波放射源10から放射された電磁波の放射状の偏波は、位相制御板11を透過することで位相が揃えられ、偏波制御板12を透過することにより、単一の偏波に揃えられることになる。
以下、位相を揃える位相制御板11の実現方法の例、偏波を揃える偏波制御板12の実現方法の例について説明する。
まず、位相を揃える方法について説明する。電波放射源10から最も近い位相制御板11上の点を第1の代表点とする。電波放射源10からの第1の代表点に到達した電波は、最も短い光路長で、第1の位相制御板11に到達している。電波放射源10から位相制御板11に到達する電波は、地点により異なる長さの光路長をたどり到達するため、位相制御板11は当該第1の代表点からの距離に応じて異なる位相遅れを与えるように形成される。第1の代表点は、位相制御板11の表面の中心付近とするのが好ましい。
位相制御板11は、例えば、位相制御板11上の第1の代表点からの距離に応じて異なる位相遅れを与える単位構造を配列することにより構成することができる。「第1の代表点」は、位相制御板11の表面(電波放射源10と対向する面)上の点である。「第1の代表点からの距離」は、上記表面上における第1の代表点からの距離である。具体的には、位相制御板11は、第1の代表点から位相制御板の縁に向かって小さい位相の遅れ量を与えるように構成される。上記記載は、位相範囲を360度の範囲に限定しないと想定して記載している。位相遅れ量とは、位相制御板11の入射面(電波放射源10と対向する面)と出射面(電波放射源10と対向する面と逆の面)との間の位相差のことを言う。当該機能は、例えば、互いに性能が異なる複数種類の単位構造を所定の順で配列することで実現される。以下、説明する。
上記機能を実現する位相制御板11は、透過する電磁波に対して同じ位相遅れを与える単位構造群が、第1の代表点の周りを囲んでいる。そして、透過する電磁波に対して互いに異なる位相遅れ量を与える複数種類の単位構造群各々が、第1の代表点の周りを囲んでいる。なお、「同じ量」とは完全に一致するもの及び誤差(例:加工誤差、エッチング誤差等に起因する位相遅れ量のばらつき)を含む概念である。透過する電磁波の位相を同じ量だけずらす単位構造群の中の単位構造間におけるずらす位相の量の差は、例えば45度以下、より望ましくは30度もしくは15度以下である。
位相制御板11と、電波放射源10の等方的指向性を持つ面が略平行の場合、透過する電磁波に対して同じ位相遅れを与える単位構造群が、第1の代表点を中心として円状に並んでいる。そして、透過する電磁波に対して互いに異なる位相遅れを与える複数種類の単位構造群が、第1の代表点を中心として同心円状に並んでいる。
例えば、図4、図5及び図6に示すように並べられた複数の単位構造20各々に対して基準点を定め(例:単位構造20の中心)、各単位構造20に対して基準点と第1の位相制御板11の第1の代表点Cとの距離Nを算出する。そして、Nの値に応じて、複数の単位構造をグループ化する。例えば、n0≦N≦n1、n1<N≦n2、n2<N≦n3・・・の複数の数値条件各々を満たす単位構造20を同じグループとしてもよい。そして、同じグループの複数の単位構造20の構成及び特性を同じものとする。これにより、上記円状及び同心円状の並びを実現できる。
なお、n0≦N≦n1、n1<N≦n2、n2<N≦n3・・・と、Nの値が大きくなるにつれて、位相制御板11に入射する電波の位相に対して、位相制御板11を透過する電波の位相の遅れ量を減少させるように各グループの単位構造の特性を決定することができる。このとき、位相の遅れ量を第1の基準値からスタートし、Nの値が大きくなるにつれて位相の遅れ量を所定量ずつ小さくしていく。
位相制御板11は、たとえば、メタサーフェス(メタマテリアルの概念を用いて構成された人工的なシート状物質)であり、1または複数の層で構成された金属パターン層を備える。位相制御板11が複数の層で構成される場合、複数の層各々が金属パターンを有する。なお、金属パターン以外の部分は、例えば誘電体が存在する。
金属パターン層が有する金属パターンは、金属を含んで構成された複数種類の単位構造を、一定の規則を持って又はランダムに2次元に並べた構造となっている。単位構造の大きさは、電磁波の波長に比べて十分に小さい。このため、単位構造の集合は、電磁的な連続媒質として機能する。金属パターンの構造により透磁率及び誘電率を制御することで、屈折率(位相速度)及びインピーダンスを独立して制御できる。真空のインピーダンス値と位相制御板のインピーダンス値を整合させながら(つまりは、無反射条件を保ちながら)、位相定数を制御することにより、位相制御板中で遅れる位相シフト量を制御することができ、電波放射源10から放射され位相制御板11に入射した電磁波の位相を位相制御板11内で揃えることができる。
なお、本実施形態の位相制御板11は、誘電体レンズで実現してもよい。
次に偏波を揃える方法について説明する。すなわち偏波を揃える偏波制御板12の実現方法の例について説明する。電波放射源10から電波放射源10の等方的な指向性を持つ面に対して垂直方向に、電波放射源10の電波放射点から引いた垂線と、偏波制御板12の交差する点を第2の代表点とし、第2の代表点から偏波制御板12の縁に向かって引いた線を代表線とする。この様子を図21に示す。偏波制御板12は、偏波制御板12上のある地点(基準点)を点Fとしたとき、点Fと第2の代表点とを結ぶ線(基準線)が、代表線となす角度(図21中の角度θ)に応じて、異なる偏波状態制御を与えるように形成される。第2の代表点は、偏波制御板12の表面の中心付近とするのが望ましい。
偏波制御板12は、たとえば、偏波制御板12上の第2の代表点から偏波制御板12面内において異なる偏波状態制御を与える単位構造を所定の順で配列することにより実現できる。電磁波の偏波を制御するには、直交する2つの偏波成分の位相遅れ量の差を制御することができればよい。
偏波制御板12は、例えば、偏波制御板12上の代表線からの角度に応じて異なる位相遅れを与える単位構造を配列することにより構成することができる。「代表線」は、偏波制御板12の表面(電波放射源10と対向する面)上の線である。「代表線からの角度」は、上記表面上における代表線と、点F及び第2の代表点を結ぶ線(基準線)とがなす角度である。具体的には、放射状の偏波状態を一方向にそろった直線偏波状態に変換する際には、偏波制御板12は、代表線からの角度θに対して、角度θ/2方向に与える位相遅れ量と、角度(θ/2+90)度方向に与える位相遅れ量とが、180度(π/2)異なっているような特性を有する単位構造が配列されることにより構成される(図22参照)。位相遅れ量とは、偏波制御板12の入射面(電波放射源10と対向する面)と出射面(電波放射源10と対向する面と逆の面)との間の位相差のことを言う。また、放射状の偏波状態を同一の円偏波へ変換する際には、偏波制御板12は、代表線からの角度θに対して、角度(θ+45)度方向に与える位相遅れ量と、角度(θ+135)度方向に与える位相遅れ量とが、90度(π/4)もしくは−90度(−π/4)異なっているような特性を有する単位構造が配列することにより構成される。当該機能は、互いに性能が異なる複数種類の単位構造を所定の順で配列することで実現される。以下、説明する。
上記機能を実現する偏波制御板12は、透過する電磁波に対して偏波状態を制御する単位構造群が、第2の代表点の周りを囲んでいる。そして、透過する電磁波に対して互いに異なる偏波状態制御を与える複数種類の単位構造群各々が、第2の代表点の周りを囲んでいる。なお、「同じ偏波状態制御」とは完全に一致するもの及び誤差(例:加工誤差、エッチング誤差等に起因する偏波状態制御量のばらつき)を含む概念である。偏波状態の制御は、上記したとおり、偏波制御板12と略平行な平面内で直交する2軸の位相制御量が異なることによりなされる。2軸の位相制御量の差がばらつくことによって、偏波状態制御量にばらつきが生じる。なお、透過する電磁波に同じ偏波状態変化を与える単位構造群の中の単位構造間におけるずらす2軸間の位相遅れの差は、例えば45度以下、より望ましくは30度もしくは15度以下である。
偏波制御板12と、電波放射源10の等方的指向性を持つ面が略平行の場合、透過する電磁波に対して同じ偏波状態制御を与える単位構造群が、第2の代表点から、偏波制御板12の縁方向に引いた直線状に並んでいる。そして、透過する電磁波に対して互いに異なる偏波状態制御を与える複数種類の単位構造群が、第2の代表を中心として放射状に並んでいる。なお、透過する電磁波に同じ偏波状態変化を与える単位構造群の中の単位構造間におけるずらす2軸間の位相遅れの差は、例えば45度以下、より望ましくは30度もしくは15度以下である。
例えば、図33に示すように並べられた複数の単位構造30各々に対して基準点を定め(例:単位構造30の中心)、各単位構造30に対して、基準点と第2の代表点Dとを結ぶ直線(基準線)と、偏波制御板12の代表線Eとのなす角θを算出する。ここでなす角θとは、例えば、基準線と代表線Eのなす角度のうち、基準線から時計周りと反対方向にはかった角度のことである。そして、θの値に応じて、複数の単位構造をグループ化する。例えば、m0≦θ≦m1、m1<θ≦m2、m2<θ≦m3・・・の複数の数値条件各々を満たす単位構造30を同じグループとしてもよい。そして、同じグループの複数の単位構造30の構成及び特性を同じものとする。これにより、上記放射状の並びを実現できる。
なお、m0≦θ≦m1、m1<θ≦m2、m2<θ≦m3・・・と、θの値に応じて、偏波制御板12の単位構造の速軸(単位構造の異なる位相遅れを与える直交する2軸のうち、位相の遅れ量が小さいほうの軸)の方向を決定することができる。このとき、偏波制御板12を通過後の偏波状態を直線偏波に揃える際には、速軸の方向を、θに対して、θ/2とする。このとき遅軸の方向(単位構造の異なる位相遅れを与える直交する2軸のうち、位相の遅れ量が大きいほうの軸)は、θ/2+90度であり、速軸と遅軸の間の位相遅れ量の差は、180度である。偏波制御板12を通過後の偏波状態を円偏波に揃える際には、速軸の方向をθにたいして、(θ+45)度とする。このとき、遅軸の方向は、θ+135度であり、速軸と遅軸の間の位相遅れ量の差は、90度である。上記の2軸は、直交していることが望ましいが、必ずしも直交している必要はなく、ある程度の誤差を含む概念である。たとえば、速軸と遅軸がなす角度が90度±45度以内、より望ましくは90度±30度以内もしくは90度±15度以内であればよい。
偏波制御板12は、たとえば、メタサーフェス(メタマテリアルの概念を用いて構成された人工的なシート状物質)であり、1または複数の層で構成された金属パターン層を備える。偏波制御板12が複数の層で構成される場合、複数の層各々が金属パターンを有する。なお、金属パターン以外の部分は、例えば誘電体が存在する。
ここで、位相制御板11及び偏波制御板12を実現するメタサーフェスの一例を説明する。なお、以下で示す例示はあくまで一例であり、これに限定されない。
まず、図7を参照し、透磁率を制御する金属パターン層の構造の一例を説明する。図7は、いわゆるスプリットリング共振器の構造を示す図である。透磁率を制御する金属パターン層は、2つの層で構成された金属パターン層で構成される。図中のxy面に金属パターン層が延在している。図中のz方向が、2つの層の積層方向である。下側の層には、線状又は板状の金属が形成される。上側の層には、互いに分離した2つの線状又は板状の金属が形成される。そして、上側の2つの金属各々は、例えばビアを介して下側の層の同じ金属に接続される。図示するように、下側の1つの金属と、上側の2つの金属と、2本のビアとは、x方向から観察すると一部が開口した環状の金属(スプリットリング)となるように、互いに接続される。図7では、このようなスプリットリング構造がy方向に並んでいる様子が示されている。スプリットリング構造は、x方向に並んでいてもよい。
当該構造においてx方向に成分を持った磁場Binがかかると、スプリットリングに沿って、環状の電流Jindが流れる。スプリットリングは、直列LC共振器の回路モデルで記述される。環状の金属の太さ・広さおよび周方向の長さを調整することで、直列LC共振器を構成するインダクタンスLを調整できる。また、環状の金属の開口部分(図12中の波線で囲まれた部分)の幅や、金属の線幅等を調整することで、キャパシタンスCを調整できる。このL及びCを調整することで、電流Jindを調整できる。そして、電流Jindを調整することで、これにより生じる磁場を調整できる。つまり、透磁率の制御が可能となる。一方、y方向に成分を持った磁場Binがかかっても、スプリットリングに電流は流れず透磁率は制御されない。つまり、磁場の向きに応じて透磁率の制御が行われるため、偏波依存性を持って透磁率の制御ができる。そのため、図7に示す構造は、位相を制御する位相制御板11だけでなく、偏波を制御する偏波制御板12を構成する構造としても用いられることができる。
図8を参照し、透磁率を制御する金属パターン層の構造の他の一例を説明する。透磁率を制御する金属パターン層は、2枚の金属パターン層を互いに異なる層に対向して配置して構成される。図中のxy面に平行な面に2枚の金属パターン層が延在している。金属パターン層は、インピーダンス(アドミタンス)を制御するために金属パターンを備えている。2つの金属パターン層の間に、2つの金属パターン層に平行な成分を持った磁場Binがかかると、2つの金属パターン層には、互いに逆向きの電流Jindが流れる。磁場Binにより、誘起される電流は、必ず対向して流れるため、等価的に環状電流とみなせ、磁場を誘起することができる。2つの金属パターン層のアドミタンス値を調整することで、電流Jindを調整できる。そして、電流Jindを調整することで、これにより生じる磁場を調整できる。つまり、透磁率を制御できる。金属パターン層のアドミタンスの調整は、金属パターン層の金属パターンより形成されるインダクタンスLやキャパシタンスCを調整することで実現できる。
このときに、アドミタンスY1が偏波依存性(面内における方向依存性)を持っていれば、図8に示す金属パターン層は、偏波制御板12を構成する構造として用いることができる。たとえば、図8のx方向に磁場Binが印加されたときには、金属パターン層上に、磁場と直交する方向(y方向)に電流がながれ、透磁率の制御がなされる。図8のy方向に磁場Binが印加されたときには、金属パターン層上に磁場と直交する方向、x方向に電流がながれ、透磁率の制御がなされる。y方向に流れる電流とx方向に流れる電流に対して、異なるアドミタンス値を持つように、金属パターンを調整することによって、偏波依存性を持たせて透磁率を制御することができる。y方向に流れる電流とx方向に流れる電流に対して、異なるアドミタンス値を持たせることは、金属パターン層の金属パターンをx方向、y方向とで異なるパターンとすることで実現できる。そのため、二枚のアドミタンス値が制御された金属パターン層を、偏波制御板12を構成する方向依存性を持って透磁率を制御する構造として用いることができる。
次に、図9を参照し、誘電率を制御する金属パターン層の構造の一例を説明する。誘電率を制御する金属パターン層は、1枚の金属パターン層で構成される。図中のxy面に金属パターン層が延在している。金属パターン層は、インピーダンス(アドミタンス)を制御するために金属パターンを備えている。図9に示すような向きの電場Einにより、金属パターン層のアドミタンス調整面の2点間に電位差が誘起する。この電位差により流れる電流Jindを、金属パターン層のアドミタンス値を調整することで調整し、これにより生じる電場を調整できる。つまり、誘電率が制御できる。
このときに、アドミタンスY1が、偏波依存性を持っていれば、偏波制御板12の構成構造として用いることができる。たとえば、図9のy方向に電場Einが印加されたときには、上記したように、金属パターン層上に、電場と平行な方向(y方向)に電流がながれ、誘電率の制御がなされる。図9のx方向に電場Einが印加されたときには、金属パターン層上に電場と平行な方向、x方向に電流がながれ、誘電率の制御がなされる。y方向に流れる電流とx方向に流れる電流に対して、異なるアドミタンス値を持つように、金属パターンを調整することによって、偏波依存性を持たせて誘電率を制御することができる。y方向に流れる電流とx方向に流れる電流に対して、異なるアドミタンス値を持たせることは、金属パターン層の金属パターンをx方向、y方向とで異なるパターンとすることで実現できる。そのため、一枚のアドミタンス値が制御された金属パターン層を、偏波制御板12を構成する方向依存性を持って誘電率を制御する構造として用いることができる。
上記より、2層の金属パターン層により、透磁率が制御され、1層の金属パターン層により、誘電率が制御されることがわかる。また、金属パターン層の金属パターンをx方向、y方向とで異なるパターンとすることで、偏波依存性を持って透磁率、誘電率を制御できることがわかる。インピーダンス、位相定数は、誘電率、透磁率を用いて、下記式(1)及び(2)で与えられる。これより、誘電率、透磁率を制御することにより、真空のインピーダンス値と位相制御板のインピーダンス値を整合させながら(つまりは、無反射条件を保ちながら)、位相定数を制御することにより、位相制御板中で遅れる位相シフト量を制御することができる。更に、上記したように、これらの制御された誘電率(εeff)、透磁率(μeff)は、金属パターン層の面内における方向によって、異なる値を持つことができる。そのため、偏波を制御することができる。
Figure 0006897689
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ここで、アドミタンスを制御する金属パターンの一例を説明する。図10に、金属パターンの一例を示す。図示するように、1つの金属パターン層に複数の単位構造各々に対応する金属パターンが設けられている。当該単位構造の金属パターンは、x軸方向に伸びるインダクタンスL及びy軸方向に伸びるインダクタンスLの組み合わせとみなすことができる。複数の単位構造は、各々の単位構造を構成する金属の線の幅等が互いに異なっている。このように、地点ごとに異なる金属パターンを形成することにより、地点ごとに異なるアドミタンスを実現することが可能となる。
ここで、アドミタンスを制御する金属パターンの他の例を説明する。アドミタンス値をキャパシタンスからインダクタンスへと広い範囲にわたって制御するには、共振回路の利用が考えられ、図11に示すのは、直列共振回路を実現する金属パターンの一例である。図11(1)に示す金属パターンは、x軸と同一の方向に配置された直線状の金属(単位構造)を複数並べて構成される。当該直線状の金属は、その両端の線幅が、他の部分よりも広くなっており、x軸方向に隣り合うパターンとの間にキャパシタンスを形成する。なお、必ずしも両端が広くなっている必要はなく、隣り合うパターンとの間に必要なキャパシタンス値が確保できれば、直線状部と同一の太さや、直線状部よりも細くなっていてもよい。
図11(2)は、x軸と同一の方向および垂直な方向各々に一辺を備える四角の環状の金属(単位構造)を複数並べた金属パターンの構成を示す図である。図11(3)は、電場Eと同一の方向および垂直な方向各々に一辺を備える四角の島状の金属(単位構造)を複数並べた金属パターンの構成を示す図である。図11(4)は、電場Eと同一の方向および垂直な方向に一辺を備える十字形状の金属(単位構造)を複数並べた金属パターンの構成を示す図である。
なお、図11(2)乃至(4)の金属パターンは、電場Eの向きが図中xy面内の任意の方向になった場合も同様に作用する構成となっている。このときの2次元的な等価回路は図12のように示される。
ここで、アドミタンスを制御する金属パターンの他の例を説明する。図13に示すのは、並列共振回路を実現する金属パターンの一例である。図13(1)は、図11(1)に示す金属パターンにおける複数の直線状の金属の各々を、x軸及びy軸と同一の方向に一辺を備える環状の金属で囲んだ金属パターンの構成を示す図である。図13(2)は、図11(2)に示す金属パターンにおける複数の四角の環状の金属の各々を、x軸及びy軸と同一の方向に一辺を備える環状の金属で囲んだ金属パターンの構成を示す図である。図13(3)は、図11(3)に示す金属パターンにおける複数の四角の島状の金属の各々を、x軸及びy軸と同一の方向に一辺を備える環状の金属で囲んだ金属パターンの構成を示す図である。図13(4)は、図11(4)に示す金属パターンにおける複数の十字形状の金属の各々を、x軸及びy軸と同一の方向に一辺を備える環状の金属で囲んだ金属パターンの構成を示す図である。図13(1)乃至(4)において、図11(1)乃至(4)に示した内部金属を囲む複数の環状の金属は、隣り合う環状の金属と一辺を共有している。
図13(1)乃至(4)に示される金属パターンは、環状の金属により形成されるインダクタンスLと、環状の金属と環状金属の内部にある金属パターンが隣接して形成されるキャパシタンスC、環状の金属の内部にある金属パターンにより形成されるインダクタンスL、環状の金属と環状金属の内部にある金属パターンが隣接して形成されるキャパシタンスCがこの順に図中縦方向に直列に繋がった直列共振器部分と、により並列共振回路として振舞う。このうち、C、L、Cが直列につながった直列共振器部分は、直列共振器の共振周波数までは、キャパシタとして動作する。このため、図13(1)乃至(4)はいずれも、図14に示す等価回路に帰着する。すなわち、図13(1)乃至(4)の金属パターンは、いずれも図14に示す関係の等価回路、つまりは並列共振回路を実現している。
なお、図13(2)乃至(4)の金属パターンは、電場Eの向きが図中xy面内の任意の方向になった場合も同様に作用する構成となっている。このときの2次元的な等価回路は図15のように示される。
図11及び図13に示された金属パターンは、同じ形状の単位構造を複数並べて構成されているが、金属線の長さ、金属線の太さ、金属線間の間隔、金属部分の面積等が互いに異なる複数種類の単位構造を並べることができる。
上記金属パターン層を設計する際に、キャパシタ部は、例えばインターデジタルキャパシタ等としてCを大きくできる。また、インダクタ部は、例えばミアンダインダクタ、スパイラルインダクト等としてLを大きくできる。図16に、図11(4)及び図13(4)における十字形状の金属の変形例を示す。図17に、図11(4)における十字形金属の変形例を示す。図16では、直線状の金属パターンが、ミアンダ形状となることにより、Lが大きくなる効果が、図17では、対向する金属パターンがインターデジタル状になることにより、Cが大きくなる効果が期待できる。
次に、単位構造の例を図18及び図19を用いて説明する。図18および図19の単位構造は、上述のような金属パターンを有する層を複数積層して形成される。図では、3つの層を積層して形成される単位構造の一例を示している。すなわち、3つの積層された金属パターンの組み合わせにより、単位構造が形成される。なお、3層構造はあくまで一例であり、金属パターン層は4層以上で構成されてもよい。また、空気とのインピーダンス整合によるロスが増加する懸念はあるが、金属パターン層は、1層もしくは2層で構成されていてもよい。金属パターン層の単位構造は、図18および図19に示されるように、複数種類の金属パターンで構成されてもよい。
図18は、並列共振器タイプの単位構造20の一例を示す。図18(1)の単位構造20は、第1の層の金属パターン21と、第2の層の金属パターン22と、第3の層の金属パターン23とにより構成されている。第1の層の金属パターン21は、外周を囲う外周金属と、その中に位置する十字形状の内部金属とを含む。外周金属と内部金属とは絶縁している。第2の層の金属パターン22は、外周を囲う外周金属と、その中に位置する十字形状の内部金属とを含む。十字形状を形成する2本の直線金属の各先端の線幅は広がっている。また、外周金属と内部金属とは絶縁している。第3の層の金属パターン23は、外周を囲う外周金属と、その中に位置する十字形状の内部金属とを含む。外周金属と内部金属とは絶縁している。第1の層の金属パターン21乃至第3の層の金属パターン23は、互いに絶縁している。金属パターンが存在しない箇所は、例えば誘電体で埋められている。
図18(2)の単位構造20も、第1の層の金属パターン21と、第2の層の金属パターン22と、第3の層の金属パターン23とにより構成されている。第1の層の金属パターン21は、外周を囲う外周金属と、その中に位置する十字形状の内部金属とを含む。外周金属と内部金属とは絶縁している。第2の層の金属パターン22は、外周を囲う外周金属を含む。第3の層の金属パターン23は、外周を囲う外周金属と、その中に位置する十字形状の内部金属とを含む。外周金属と内部金属とは絶縁している。第1の層の金属パターン21乃至第3の層の金属パターン23は、互いに絶縁している。金属パターンが存在しない箇所は、例えば誘電体で埋められている。
図19は、直列共振器タイプの単位構造20の一例である。図19(1)の単位構造20は、第1の層の金属パターン21と、第2の層の金属パターン22と、第3の層の金属パターン23とにより構成されている。第1の層の金属パターン21は、十字形状の金属を含み、十字形状を形成する2本の直線金属の各先端の線幅が広がっている。第2の層の金属パターン22は、四角形状の環状の金属を含む。第3の層の金属パターン23は、十字形状の金属を含み、十字形状を形成する2本の直線金属の各先端の線幅が広がっている。第1の層の金属パターン21乃至第3の層の金属パターン23は、互いに絶縁している。金属パターンが存在しない箇所は、例えば誘電体で埋められている。
図19(2)の単位構造20も、第1の層の金属パターン21と、第2の層の金属パターン22と、第3の層の金属パターン23とにより構成されている。第1の層の金属パターン21、第2の層の金属パターン22、及び、第3の層の金属パターン23いずれも、四角形状の環状の金属を含む。第1の層の金属パターン21乃至第3の層の金属パターン23は、互いに絶縁している。金属パターンが存在しない箇所は、例えば誘電体で埋められている。
次に、偏波依存性を持ってアドミタンスを制御する金属パターンの一例を説明する。アドミタンス値をキャパシタンスからインダクタンスへと広い範囲にわたって制御するには、共振回路の利用が考えられ、図23に示すのは、直列共振回路を実現する金属パターンの一例である。図示する金属パターンは、x軸方向に伸びる金属およびy軸方向に伸びる金属で十字形状を形成した構造を複数並べた金属パターンを示す図である。x軸方向に伸びる金属およびy軸方向に伸びる金属各々は、インダクタンスLを形成する。また、x軸方向に伸びる金属およびy軸方向に伸びる金属各々は、両端の線幅が他の部分よりも広くなっており、x軸方向及びy軸方向に隣り合うパターンとの間にキャパシタンスCを形成する。これにより、x軸方向の直列共振器及びy軸方向の直列共振器が形成される。
なお、x軸方向の直列共振器を構成するインダクタンスL及びキャパシタンスCの値と、y軸方向の直列共振器を構成するインダクタンスL及びキャパシタンスCの値とは互いに異なるようなパターンとなっている。このため、x軸方向のアドミタンス値とy軸方向のアドミタンス値とは互いに異なる。
ここで、偏波依存性を持ってアドミタンスを制御する金属パターンの他の例を説明する。図24に示すのは、並列共振回路を実現する金属パターンの一例である。図24は、図23に示す十字形状の構造各々を、x軸及びy軸と同一の方向に一辺を備える環状の金属で囲んだ金属パターンの構成を示す図である。複数の環状の金属は、隣り合う環状の金属と一辺を共有している。
図24に示される金属パターンは、環状の金属により形成されるインダクタンスLと、環状の金属と環状金属の内部にある金属パターンが隣接して形成されるキャパシタンスC、環状の金属の内部にある金属パターンにより形成されるインダクタンスL、環状の金属と環状金属の内部にある金属パターンが隣接して形成されるキャパシタンスCがこの順に直列に繋がった直列共振器部分と、により並列共振回路として振舞う。このうち、C、L、Cが直列につながった直列共振器部分は、直列共振器の共振周波数までは、キャパシタとして動作する。このような並列共振回路が、x軸方向及びy軸方向各々の向きに対応して形成される。
なお、x軸方向の並列共振器を構成するインダクタンスL及びキャパシタンスCの値と、y軸方向の並列共振器を構成するインダクタンスL及びキャパシタンスCの値とは互いに異なるようなパターンとなっている。このため、x軸方向のアドミタンス値とy軸方向のアドミタンス値とは互いに異なる。そのため、偏波制御板12を構成する方向依存性を持ってアドミタンスを制御する金属パターンとして用いられることができる。x軸方向とy軸方向の位相遅れ量の差が、180度のときには、偏波制御板12に入射前の放射状の直線偏波を一方向にそろった直線偏波へと変換する偏波制御板を構成する構造として用いることができ、図24に示す金属パターンを含む単位構造は、例えば、その基準点と第2の代表点とを結ぶ線(基準線)と上述した代表線とのなす角度θが0度、180度の位置に配置されることが想定される。x軸方向とy軸方向の位相遅れ量の差が、90度のときには、偏波制御板12に入射前の放射状の直線偏波を円偏波へと変換する偏波制御板を構成する構造として用いることができ、以下で説明する図25に示す金属パターンを含む単位構造は、例えば、その基準点と第2の代表点とを結ぶ線(基準線)と上述した代表線とのなす角度θが45度、135度、225度、315度の位置に配置されることが想定される。
ここで、偏波依存性を持ってアドミタンスを制御する金属パターンの他の例を説明する。図25に示すのは、並列共振回路を実現する金属パターンの一例である。図25の金属パターンは、環状金属の内部に位置する十字形状の金属の向きが異なる点で、図24の金属パターンと異なる。その他の構成は同様である。
図24では、十字形状の金属の2本の線は、各々x軸方向及びy軸方向に伸びていたが、図25では、十字形状の金属の2本の線は、各々x´軸方向及びy´軸方向に伸びている。x´軸方向及びy´軸方向は、各々、x軸方向及びy軸方向をz軸周りに45度回転した方向である。このため、図24では、x軸方向及びy軸方向各々の向きに対応して並列共振回路が形成されたが、図25では、x´軸方向及びy´軸方向各々の向きに対応して並列共振回路が形成される。そのため、x´軸方向とy´軸方向に異なる位相遅れ量を生じる金属パターンとして用いることができる。x´軸方向とy´軸方向の位相遅れ量の差が、180度のときには、偏波制御板12に入射前の放射状の直線偏波を一方向にそろった直線偏波へと変換する偏波制御板を構成する構造として用いることができ、図25に示す金属パターンを含む単位構造は、例えば、その基準点と第2の代表点とを結ぶ線(基準線)と上述した代表線とのなす角度θが90度、270度の位置に配置されることが想定される。x´軸方向とy´軸方向の位相遅れ量の差が、90度のときには、偏波制御板12に入射前の放射状の直線偏波を円偏波へと変換する偏波制御板を構成する構造として用いることができ、図25に示す金属パターンを含む単位構造は、例えば、その基準点と第2の代表点とを結ぶ線(基準線)と上述した代表線とのなす角度θが0度、90度、180度、270度の位置に配置されることが想定される。
ここで、偏波依存性を持ってアドミタンスを制御する金属パターンの他の例を説明する。図26に示すのは、並列共振回路を実現する金属パターンの一例である。図26の金属パターンは、環状金属の内部に位置する十字形状の金属の向きが異なる点で、図24の金属パターンと異なる。その他の構成は同様である。
図24では、十字形状の金属の2本の線は、各々x軸方向及びy軸方向に伸びていたが、図26では、十字形状の金属の2本の線は、各々x´軸方向及びy´軸方向に伸びている。x´軸方向及びy´軸方向は、各々、x軸方向及びy軸方向をz軸周りに22.5度回転した方向である。このため、図24では、x軸方向及びy軸方向各々の向きに対応して並列共振回路が形成されたが、図26では、x´軸方向及びy´軸方向各々の向きに対応して並列共振回路が形成される。そのため、x´軸方向とy´軸方向に異なる位相遅れ量を生じる金属パターンとして用いることができる。x´軸方向とy´軸方向の位相遅れ量の差が、180度のときには、偏波制御板12に入射前の放射状の直線偏波を一方向にそろった直線偏波へと変換する偏波制御板を構成する構造として用いることができ、図26に示す金属パターンを含む単位構造は、例えば、その基準点と第2の代表点とを結ぶ線(基準線)と上述した代表線とのなす角度θが45度、135度の位置に配置されることが想定される。x´軸方向とy´軸方向の位相遅れ量の差が、90度のときには、偏波制御板12に入射前の放射状の直線偏波を円偏波へと変換する偏波制御板を構成する構造として用いることができ、図25に示す金属パターンを含む単位構造は、例えば、その基準点と第2の代表点とを結ぶ線(基準線)と上述した代表線とのなす角度θが67.5度、157.5度、247.5度、337.5度の位置に配置されることが想定される。
なお、図23乃至図26に示された金属パターンは、同じ形状の単位構造を複数並べて構成されているが、金属線の長さ、金属線の太さ、金属線間の間隔、金属部分の面積等が互いに異なる複数種類の単位構造を並べることができる。
上記金属パターン層を設計する際に、キャパシタ部は、例えばインターデジタルキャパシタ等としてCを大きくできる。また、インダクタ部は、例えばミアンダインダクタ、スパイラルインダクト等としてLを大きくできる。
次に、単位構造の例を、図34を用いて説明する。図34の単位構造は、上述のような金属パターンを有する層を複数積層して形成される。図では、3つの層を積層して形成される単位構造の一例を示している。すなわち、3つの積層された金属パターンの組み合わせにより、単位構造が形成される。なお、3層構造はあくまで一例であり、金属パターン層は4層以上で構成されてもよい。また、空気とのインピーダンス整合によるロスが増加する懸念はあるが、金属パターン層は、1層もしくは2層で構成されていてもよい。金属パターン層の単位構造は、図34に示されるように、複数種類の金属パターンで構成されてもよい。
図34は、並列共振器タイプの単位構造30の一例を示す。当該単位構造30は、第1の層の金属パターン31と、第2の層の金属パターン32と、第3の層の金属パターン33とにより構成されている。第1の層の金属パターン31乃至第3の層の金属パターン33は、いずれも、外周を囲う外周金属と、その中に位置する十字形状の内部金属とを含む。十字形状を形成する2本の直線金属の各先端の線幅は広がっている。また、外周金属と内部金属とは絶縁している。第1の層の金属パターン31及び第3の層の金属パターン33における十字形状の内部金属は、x軸方向に伸びる線状の金属よりもy軸方向に伸びる線状の金属の方が長い。これに対し、第2の層の金属パターン32における十字形状の内部金属は、y軸方向に伸びる線状の金属よりもx軸方向に伸びる線状の金属の方が長い。また、第1の層の金属パターン31及び第3の層の金属パターン33の外周金属よりも、第2の層の金属パターン32の外周金属の方が幅広である。第1の層の金属パターン31乃至第3の層の金属パターン33は、互いに絶縁している。金属パターンが存在しない箇所は、例えば誘電体で埋められている。
以上説明した本実施形態の通信装置1によれば、xy面内に等方的な指向性を持った電波放射源10を採用することができる。かかる場合、電波放射源10から短い距離に置かれた制御板に対して制御板の広い範囲に電磁波のパワーを供給することができ、高指向性のビームが形成できる。つまり、高指向性のビームを形成する通信装置1を薄型構成で実現できる。
また、金属パターン層を含む制御板(位相制御板11及び偏波制御板12)を用いて、電磁波の位相を揃えるとともに、放射状の偏波を透過後に単一の偏波にする本実施形態の通信装置1によれば、ホーンアンテナと誘電体レンズを用いる場合に比べて、通信装置1の薄型化が実現される。
なお、上記説明では、位相制御板11が偏波制御板12よりも電波放射源10側に位置する例、すなわち、電波放射源10、位相制御板11及び偏波制御板12がこの順に並ぶ例を説明した。変形例として、偏波制御板12が位相制御板11よりも電波放射源10側に位置してもよい。すなわち、電波放射源10、偏波制御板12及び位相制御板11がこの順に並んでもよい。当該前提は、以下の実施形態においても同様である。かかる場合も、同様の作用効果を実現できる。
また、上記説明では、位相制御板11及び偏波制御板12各々を別々の金属パターン層で実現する例を説明したが、位相制御板11及び偏波制御板12を同じ金属パターン層で実現してもよい。すなわち、位相制御板11と偏波制御板12は、ひとつの制御板であってもよい。これが可能であることは、偏波制御の原理が、方向依存性を持った位相制御に基づいており、基本原理は位相制御板を実現する原理と同様であることから理解できる。このように位相制御板11および偏波制御板12が同一の金属パターン層で実現される際には、通信装置1の模式図は、図35のようにあらわされる。当該前提は、以下のすべての実施形態において同様である。
また、位相制御板11及び偏波制御板12各々を別々の金属パターン層で実現する例を示す図において、位相制御板11及び偏波制御板12が離れているが、これらは一体となってもよい。当該前提は、以下の実施形態においても同様である。かかる場合も、同様の作用効果を実現できる。
また、上記説明では、電波放射源10として、直線状のダイポールアンテナを例として説明したが、変形例として、ボウタイダイポールや、メタマテリアルの概念を利用したダイポールアンテナなど、他の形状も考えられる。当該前提は、以下の実施形態においても同様である。第2の実施形態を例にとると、モノポールアンテナの線状の導体をボウタイ形状に変形した構成や、メタマテリアルの概念を利用し、線状の導体をきのこ形状に変形した形状など、他の形状も考えられる。かかる場合も同様の作用効果を実現できる。
<第2の実施形態>
図27に、本実施形態の通信装置1の模式図を示す。本実施形態の通信装置1は、電波放射源10としてモノポールアンテナ(線状導体)を採用し、線状の導体14を挟んで制御板(位相制御板11及び偏波制御板12)と反対側に金属部材(導体板)13を配置している。線状の導体14と金属部材13があわせて電波放射源10となる。線状の導体14は、制御板(位相制御板11及び偏波制御板12)と略垂直に配置される。金属部材13は、線状の導体14に近接し、位相制御板と略平行に配置される。金属部材13は、電波放射源10から放射された電磁波が制御板(位相制御板11及び偏波制御板12)と反対側に向かうのを遮る遮蔽部材としても機能する。金属部材13の平面形状、大きさ等は設計的事項である。
図28は図2に相当する図であり、本実施形態の電波放射源10(モノポールアンテナ)の電場の様態を示す。電波放射源10の電場Eは図28のように分布し、たとえば、A−A´断面を抜き出すと、電場Eは図3のように分布している。つまり、電場Eは放射状に分布していることがわかる。電場、磁場の態様は、電波放射源10(モノポールアンテナ)の鏡像面(金属部材13)より図中上側(z軸正方向)では、ダイポールアンテナと似た指向性を持つ。このため、第1の実施形態の通信装置1のダイポールアンテナ(電波放射源10)をモノポールアンテナ(電波放射源10)に置き代えても、第1の実施形態と同様の作用効果を実現できる。本実施形態の通信装置1によれば、さらに、鏡像面(金属部材13)より図中下側(制御板(位相制御板11及び偏波制御板12)が存在しない側)への電磁波放射を抑えられるため、より多くのパワーを制御板(位相制御板11及び偏波制御板12)に導入できる。
<第3の実施形態>
図29に、本実施形態の通信装置1の模式図を示す。本実施形態の通信装置1は、電波放射源10としてモノポールアンテナを採用している。線状の導体14を挟んで制御板(位相制御板11及び偏波制御板12)と反対側に金属部材13を配置している。線状の導体14と金属部材13があわせて電波放射源10となる。
本実施形態では、金属部材13の形状が、径が徐々に大きくなるカップ形状であり、その内部に線状の導体14が位置する。そして、カップ形状の開口部分に、開口を塞ぐように制御板(位相制御板11及び偏波制御板12)が位置する。なお、制御板は必ずしも上記開口を完全にふさぐ必要はなく、制御板と金属部材13は離れていてもよい。金属部材13は、電波放射源10から放射された電磁波を開口部分、すなわち制御板(位相制御板11及び偏波制御板12)の方向に導く。金属部材13の平面形状、大きさ等は設計的事項である。
図30は図2に相当する図であり、本実施形態の電波放射源10(モノポールアンテナ)の電場の様態を示す。電波放射源10の電場は図30のように分布し、たとえば、A−A´断面を抜き出すと図3のように分布している。つまりは放射状に分布していることがわかる。電場、磁場の態様は、電波放射源10(モノポールアンテナ)の金属部材13より図中上側では、ダイポールアンテナと似た指向性を持つ。このため、第1の実施形態の通信装置1のダイポールアンテナ(電波放射源10)を本実施形態のモノポールアンテナ(電波放射源10)に置き代えても、第1の実施形態と同様の作用効果を実現できる。本実施形態の通信装置1によれば、金属部材13より図中下側(制御板(位相制御板11及び偏波制御板12)が存在しない側)への電磁波放射を抑えられるため、より多くのパワーを制御板(位相制御板11及び偏波制御板12)に導入できる。
図31に、本実施形態の通信装置1の実現例を示す。破線部で囲まれた箇所が、給電部として機能する。給電部15は金属部材13と接続され、給電部16は線状の導体14と接続されている。
<第4の実施形態>
図32に、本実施形態の通信装置1の模式図を示す。本実施形態の通信装置1は、電波放射源10として微小ループアンテナを採用する。微小ループアンテナを用いた場合の電場、磁場の態様を図20に示す。これは、ダイポールアンテナの電場、磁場の態様(図2及び図3参照)の磁場−電場を入れ替えた様態となり、ダイポールアンテナと似た指向性を持つ。図20(1)及び(2)に示すように、ループアンテナは線状の金属でループを形成したアンテナである。ループアンテナに図示するような電流が流れると、図示するように磁場が生じる。磁場は、線状の金属(ループアンテナ)の周囲を囲むように形成される。つまり、本実施形態では電波放射源10の磁場Hは図20のように分布しており、たとえば、A−A´断面を抜き出すと、磁場Hは、図3の電場Eを磁場Hに置き換えたように分布している。つまり、磁場Hは放射状に分布していることがわかる。電場、磁場の様態は、ダイポールの電場、磁場の様態の磁場と電場とを入れ替えた様態となり、ダイポールと似た指向性を持つ。このため、第1の実施形態の通信装置1のダイポールアンテナ(電波放射源10)を微小ループアンテナ(電波放射源10)に置き代えても、第1の実施形態と同様の作用効果を実現できる。本実施形態の場合、電波放射源10自身の厚みが薄い(z方向の長さが短い)ため、薄型化に有利である。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 電磁波を放射する電波放射源と、
前記電波放射源に近接して配置された位相制御板と、
前記位相制御板と略平行に置かれた偏波制御板と、を有し、
前記位相制御板は、前記位相制御板上の第1の代表点からの距離に応じて透過する電磁波の位相が異なり、
前記偏波制御板は、前記偏波制御板上の第2の代表点と前記偏波制御板の縁とを結ぶ代表線と、前記第2の代表点と前記偏波制御板上の基準点とを結ぶ基準線とのなす角度に応じて、前記基準点において透過する電磁波に対して与える偏波状態変化が異なる通信装置。
2. 1に記載の通信装置において、
前記位相制御板は、前記第1の代表点から前記位相制御板の縁に向かって、前記位相制御板の入射面と出射面の間の位相の遅れ量を減少させていく通信装置。
3. 1又は2に記載の通信装置において、
前記偏波制御板は、前記代表線と前記基準線とのなす角度がθの線上にある前記基準点において、角度がθ/2方向の直線偏波の電磁波に対して与える位相遅れ量と、角度がθ/2+90度方向の直線偏波を持つ電磁波に対して与える位相遅れ量とが180度異なっている通信装置。
4. 1又は2に記載の通信装置において、
前記偏波制御板は、前記代表線と前記基準線とのなす角度がθの位置にある前記基準点において、角度がθ+45度方向の直線偏波の電磁波に対して与える位相遅れ量と、角度がθ+135度方向の直線偏波をの電磁波に対して与える位相遅れ量とが90度異なっている通信装置。
5. 1から4のいずれかに記載の通信装置において、
前記位相制御板は、金属を含んで構成された複数種類の単位構造を2次元に並べて構成され、透過する電磁波の位相を同じ量だけずらす単位構造群が、前記第1の代表点の周りを囲んでいる通信装置。
6. 1から5のいずれかに記載の通信装置において、
前記偏波制御板は、金属を含んで構成された複数種類の単位構造を2次元に並べて構成され、透過する電磁波に同じ偏波状態変化を与える単位構造群が、前記第2の代表点から放射状に配列されている通信装置。
7. 1から6のいずれかに記載の通信装置において、
前記位相制御板と前記偏波制御板は、ひとつの制御板である通信装置。
8. 1から7のいずれかに記載の通信装置において、
前記位相制御板及び前記偏波制御板は、複数の金属パターン層で構成される通信装置。
9. 8に記載の通信装置において、
前記金属パターン層は、メタサーフェスである通信装置。
10. 1から9のいずれかに記載の通信装置において、
前記電波放射源の動作周波数での波長をλとして、
前記電波放射源から距離10λ以内の位置に位相制御板が置かれている通信装置。
11. 1から10のいずれかに記載の通信装置において、
前記電波放射源は、放射電力に対して1/10以上のパワーを前記位相制御板に供給する通信装置。
12. 1から11のいずれかに記載の通信装置において、
前記電波放射源と、前記位相制御板との距離がLであり、
前記電波放射源は、前記位相制御板の前記第1の代表点からL/2離れた位置まで、パワーを供給できる通信装置。
13. 1から12のいずれかに記載の通信装置において、
前記電波放射源は、前記位相制御板と略平行な平面に等方的な指向性を有する通信装置。
14. 1から12のいずれかに記載の通信装置において、
前記電波放射源は、前記位相制御板と略垂直に配置されたダイポールアンテナであることを特徴とする通信装置。
15. 1から12のいずれかに記載の通信装置において、
前記電波放射源は、前記位相制御板と略垂直に配置された線状導体と、前記線状導体と近接して前記位相制御板とは反対側に前記位相制御板と略平行に配置された導体板と、により構成されることを特徴とする通信装置。
16. 1から12のいずれかに記載の通信装置において、
開口に向けて径が徐々に大きくなるカップ形状の金属部材をさらに有し、
前記位相制御板は、前記開口に位置することを特徴とする通信装置。
17. 1から12のいずれかに記載の通信装置において、
前記電波放射源は、ループアンテナである通信装置。
18. 5に記載の通信装置において、
透過する電磁波の位相を同じ量だけずらす単位構造群の中の単位構造間におけるずらす位相の量の差は、45度以下である通信装置。
19. 6に記載の通信装置において、
透過する電磁波に同じ偏波状態変化を与える単位構造群の中の単位構造間におけるずらす2軸間の位相遅れの差が、45度以下である通信装置。
この出願は、2016年11月25日に出願された日本出願特願2016−228680号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (19)

  1. 電磁波を放射する電波放射源と、
    前記電波放射源に近接して配置された位相制御板と、
    前記位相制御板と略平行に置かれた偏波制御板と、を有し、
    前記位相制御板は、前記位相制御板上の第1の代表点からの距離に応じて透過する電磁波の位相が異なり、
    前記偏波制御板は、前記偏波制御板上の第2の代表点と前記偏波制御板の縁とを結ぶ代表線と、前記第2の代表点と前記偏波制御板上の基準点とを結ぶ基準線とのなす角度に応じて、前記基準点において透過する電磁波に対して与える偏波状態変化が異なる通信装置。
  2. 請求項1に記載の通信装置において、
    前記位相制御板は、前記第1の代表点から前記位相制御板の縁に向かって、前記位相制御板の入射面と出射面の間の位相の遅れ量を減少させていく通信装置。
  3. 請求項1又は2に記載の通信装置において、
    前記偏波制御板は、前記代表線と前記基準線とのなす角度がθの線上にある前記基準点において、角度がθ/2方向の直線偏波の電磁波に対して与える位相遅れ量と、角度がθ/2+90度方向の直線偏波を持つ電磁波に対して与える位相遅れ量とが180度異なっている通信装置。
  4. 請求項1又は2に記載の通信装置において、
    前記偏波制御板は、前記代表線と前記基準線とのなす角度がθの位置にある前記基準点において、角度がθ+45度方向の直線偏波の電磁波に対して与える位相遅れ量と、角度がθ+135度方向の直線偏波をの電磁波に対して与える位相遅れ量とが90度異なっている通信装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の通信装置において、
    前記位相制御板は、金属を含んで構成された複数種類の単位構造を2次元に並べて構成され、透過する電磁波の位相を同じ量だけずらす単位構造群が、前記第1の代表点の周りを囲んでいる通信装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の通信装置において、
    前記偏波制御板は、金属を含んで構成された複数種類の単位構造を2次元に並べて構成され、透過する電磁波に同じ偏波状態変化を与える単位構造群が、前記第2の代表点から放射状に配列されている通信装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の通信装置において、
    前記位相制御板と前記偏波制御板は、ひとつの制御板である通信装置。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の通信装置において、
    前記位相制御板及び前記偏波制御板は、複数の金属パターン層で構成される通信装置。
  9. 請求項8に記載の通信装置において、
    前記金属パターン層は、メタサーフェスである通信装置。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の通信装置において、
    前記電波放射源の動作周波数での波長をλとして、
    前記電波放射源から距離10λ以内の位置に位相制御板が置かれている通信装置。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の通信装置において、
    前記電波放射源は、放射電力に対して1/10以上のパワーを前記位相制御板に供給する通信装置。
  12. 請求項1から11のいずれか1項に記載の通信装置において、
    前記電波放射源と、前記位相制御板との距離がLであり、
    前記電波放射源は、前記位相制御板の前記第1の代表点からL/2離れた位置まで、パワーを供給できる通信装置。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載の通信装置において、
    前記電波放射源は、前記位相制御板と略平行な平面に等方的な指向性を有する通信装置。
  14. 請求項1から12のいずれか1項に記載の通信装置において、
    前記電波放射源は、前記位相制御板と略垂直に配置されたダイポールアンテナであることを特徴とする通信装置。
  15. 請求項1から12のいずれか1項に記載の通信装置において、
    前記電波放射源は、前記位相制御板と略垂直に配置された線状導体と、前記線状導体と近接して前記位相制御板とは反対側に前記位相制御板と略平行に配置された導体板と、により構成されることを特徴とする通信装置。
  16. 請求項1から12のいずれか1項に記載の通信装置において、
    開口に向けて径が徐々に大きくなるカップ形状の金属部材をさらに有し、
    前記位相制御板は、前記開口に位置することを特徴とする通信装置。
  17. 請求項1から12のいずれか1項に記載の通信装置において、
    前記電波放射源は、ループアンテナである通信装置。
  18. 請求項5に記載の通信装置において、
    透過する電磁波の位相を同じ量だけずらす単位構造群の中の単位構造間におけるずらす位相の量の差は、45度以下である通信装置。
  19. 請求項6に記載の通信装置において、
    透過する電磁波に同じ偏波状態変化を与える単位構造群の中の単位構造間におけるずらす2軸間の位相遅れの差が、45度以下である通信装置。
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