JP6897513B2 - 熱間圧延方法 - Google Patents
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Description
しかしながらその場合でも、潤滑油供給開始以前の段階では、ロールの肌荒れが生じることを避け得ず、そのため製品板の表面品質の低下を確実に防止することは困難であった。
前記粗圧延機のワークロールにおける表面を、圧延すべき鋼板の板幅方向の一端から他端に至る部分を、前記板幅方向に5領域に区分し、
前記5領域のうち、前記板幅方向の両端側に相当するロールの両端側の端部領域および前記板幅方向の中央部に相当するロールの中央領域に、それぞれ潤滑油を供給するとともに、前記各端部領域と中央領域との間の二つの中間領域には潤滑油を供給せずに、鋼板を粗圧延することを特徴とするものである。
前記鋼板が、ステンレス鋼板であることを特徴とするものである。
鋼板の板幅方向端部において、焼き付きが発生しにくいと見積もられる上限のロール線荷重を端部焼き付き発生限界線荷重Peとして、その端部焼き付き発生限界線荷重Pe以上の線荷重が加わる区域を端部側高荷重区域とし、
鋼板の板幅方向中央部において、焼き付きが発生しにくいと見積もられる上限のロール線荷重および上限の鋼板温度を、それぞれ中央部焼き付き発生限界線荷重Pc、中央部焼き付き発生限界温度Tcとして、ロール線荷重が前記中央部焼き付き発生限界線荷重Pe以上で且つ鋼板温度が中央部焼き付き発生限界温度Tc以上となる区域を中央部側高荷重・高温区域とし、
前記端部側高荷重区域が前記端部領域内に含まれるようにその端部領域を設定し、且つ前記中央部側高荷重・高温区域が、前記中央領域内に含まれるようにその中央領域を設定して、粗圧延することを特徴とするものである。
前記二つの中間領域の、前記板幅方向に沿った方向の幅を、それぞれ板幅の15%以上とすることを特徴とするものである。
熱間粗圧延機を構成する圧延スタンド1の上下のワークロール2A、2B間には、被圧延材として板幅W、板厚みtinのステンレス鋼などからなる鋼板(鋼スラブ)3が噛み込まれて、厚みtoutまで圧延される。この際、上下のワークロール2A、2Bの表面には、ロールバイト入側において潤滑油が、複数のノズル、例えば各ロールについてそれぞれ3本のノズル4A、4B、4Cによって供給される。これらのノズル4A、4B、4Cは、板幅方向に沿って間隔を置いて配列されている。
ここで、上記のノズル4A、4B、4Cによるロール表面への潤滑油供給分布は、次のように設定される。
また各領域に供給する潤滑油の供給方法は特に限定しないが、潤滑油の原液を不燃性ガスとともに噴霧供給するガスアトマイズ方式が好ましく、また場合によっては、原液と水を混合したエマルションの状態で供給するウォーターインジェクション方式や、原液を蒸気とともに噴霧供給するスチームアトマイズ方式を適用したり、さらには原液のまま供給する方式でもよい。
また潤滑油供給量は特に限定しないが、潤滑油を供給する領域のロール表面積1m2当たり、0.01〜30ccとすることが好ましい。
さらに1基のスタンドによる圧下率は特に限定しないが、通常は10〜40%とする。なお中央領域でに焼き付きは、特に圧下率が大きい場合に発生しやすく、その意味からは、圧下率が従来の粗圧延における一般的な圧下率(17〜23%程度)より大きい圧下率、例えば25%以上の圧下率の場合に本発明法は顕著な効果を奏することができる。
また圧延温度(ロール間に噛み込まれる際の鋼板の平均的な材料温度)は特に限定しないが、ステンレス鋼の場合、900〜1200℃程度が一般的である。
本実施形態の熱間圧延方法を実施するにあたっては、無潤滑の圧延条件下において、次の3種の限界値Pe、Pc、Tcを定めておく。
Pe:端部焼き付き発生限界線荷重
Pc:中央部焼き付き発生限界線荷重
Tc:中央部焼き付き発生限界温度
これらの各限界値は、それぞれ、実機による実績データに基づいて定めたり、実験によって求めたり、あるいはシミュレーションによって決定したりすれば良い。なお中央部における焼き付き発生傾向は、荷重と温度の両者に関係するから、中央部焼き付き発生限界線荷重Pcと中央部焼き付き発生限界温度Tcは、相互の関連の下に定めることが望ましい。
端部焼き付き発生限界線荷重 Pe=1.0ton/mm
中央部焼き付き発生限界線荷重 Pc=1.3ton/mm
中央部焼き付き発生限界温度 Tc=1050℃
と定めることができる。
端部側高荷重区域B1、B2:板の両端部における、端部焼き付き発生限界線荷重Pe以上の線荷重が加わる区域。
中央部側高荷重・高温区域B3:板中央部における、ロール線荷重が中央部焼き付き発生限界線荷重Pe以上で且つ鋼板温度が中央部焼き付き発生限界温度Tc以上の板温度となる区域。
このように、端部領域A1、A5、中央領域A3を設定することによって、端部領域A1、A5、中央領域A3で焼き付きが発生することを、より確実に抑制することができる。
モデル圧延実験として、ロール径φ270mmの粗圧延機を用い、被圧延材を、板厚50mm、板幅150mm、長さ400mmのSUS430として、熱間粗圧延実験を行った。圧延条件は、圧延温度1050℃、圧下率は35%とした。潤滑装置としては、図8に示すように、板幅方向に30mmの等間隔で5本のノズルNo.1〜No.5を配置した。潤滑油は、原液を不燃性ガスとともにノズルからロール表面に噴霧供給するようにした。潤滑油の供給量は、ロール表面の潤滑油を供給する領域のロール表面積1m2当たり1.0ccとした。
実験結果を表1に示す。
したがってこのような実験から、板幅方向の両端部及び中央部に潤滑油を供給し、同時に両端部と中央部との間の中間部に潤滑油を供給せずに、圧延を行うことによって、噛み込みスリップを生じることなく、両端部及び中央部での焼き付きの発生を防止し得ることが判明した。
この実施例2は、熱間粗圧延機の実機によって、ステンレス鋼について熱間粗圧延を行った例である。
ここでは、ロール径1200mmの粗圧延機を用い、被圧延材を、板厚100mm、板幅1200mmのSUS430の長尺連続材として、熱間粗圧延を行った。圧延条件は、圧延温度1050℃、圧下率は35%とした。
また熱間圧延に先立ち、実機でのこれまでの実績データに基づき、端部焼き付き発生限界線荷重Pe=1.0ton/mm、中央部焼き付き発生限界線荷重Pc=1.3ton/mm、中央部焼き付き発生限界温度Tc=1050℃と設定し、端部側高荷重区域B1、B2が、それぞれ端部領域A1、A5に含まれ、また中央部側高荷重・高温区域B3が中央領域A3に含まれるように、さらに中間領域A2、A4の幅がそれぞれ15%以上となるように、各領域A1〜A5を設定しておいた。具体的には、実施例2では、端部領域A1、A5の幅はそれぞれ板幅Wの15%、中間領域A2、A4の幅はそれぞれ板幅Wの20%、中央領域A3の幅は板幅Wの30%とした。
実施例2と同様に実機による熱間粗圧延を行うにあたって、ロール表面の潤滑油を供給する領域の1m2当たりの潤滑油供給量を1.0ccとして、端部領域A1、A5の2領域のみに、実施例1と同様な条件で、噛み込み直前から潤滑油の供給を開始し、出側長さ30mの連続熱間粗圧延を実施した。なお中央領域A3及び中間領域A2、A4には潤滑油を供給せずに、粗圧延を実施した。
実施例2と同様に実機による熱間粗圧延を行うにあたって、ロール表面を板幅方向に区分せず、ロール表面の鋼板と接する領域の全面に、潤滑油を1m2当たりの潤滑油供給量を1.0ccとして、噛み込み直前から潤滑油の供給を開始しようとした。
3・・・鋼板(被圧延材)
4A4B、4C…ノズル
A1、A5・・・端部領域
A2、A4・・・中間領域
A3・・・中央領域
B1、B2・・・端部側高荷重区域
B3a・・・中央部側高荷重区域
B3b・・・中央部側高温区域
Pe・・・端部焼き付き発生限界線荷重
Pc・・・中央部焼き付き発生限界線荷重
Tc・・・中央部焼き付き発生限界温度
Claims (4)
- 鋼板を粗圧延機によって熱間粗圧延するにあたり、
前記粗圧延機のワークロールにおける表面を、圧延すべき鋼板の板幅方向の一端から他端に至る部分を、前記板幅方向に5領域に区分し、
前記5領域のうち、前記板幅方向の両端側に相当するロールの両端側の端部領域および前記板幅方向の中央部に相当するロールの中央領域に、それぞれ潤滑油を供給するとともに、前記各端部領域と中央領域との間の二つの中間領域には潤滑油を供給せずに、鋼板を粗圧延することを特徴とする熱間圧延方法。 - 請求項1に記載の熱間圧延方法において、
前記鋼板が、ステンレス鋼板であることを特徴とする熱間圧延方法。 - 請求項1、請求項2のいずれかの請求項に記載された熱間圧延方法において、
鋼板の板幅方向端部において、焼き付きが発生しにくいと見積もられる上限のロール線荷重を端部焼き付き発生限界線荷重Peとして、その端部焼き付き発生限界線荷重Pe以上の線荷重が加わる区域を端部側高荷重区域とし、
鋼板の板幅方向中央部において、焼き付きが発生しにくいと見積もられる上限のロール線荷重および上限の鋼板温度を、それぞれ中央部焼き付き発生限界線荷重Pc、中央部焼き付き発生限界温度Tcとして、ロール線荷重が前記中央部焼き付き発生限界線荷重Pe以上で且つ鋼板温度が中央部焼き付き発生限界温度Tc以上の板温度となる区域を中央部側高荷重・高温区域とし、
前記端部側高荷重区域が前記端部領域内に含まれるようにその端部領域を設定し、
且つ前記中央部側高荷重・高温区域が、前記中央領域内に含まれるようにその中央領域を設定して、圧延することを特徴とする熱間圧延方法。 - 請求項1〜請求項3のいずれかの請求項に記載の熱間圧延方法において、
前記二つの中間領域の、前記板幅方向に沿った方向の幅を、それぞれ板幅の15%以上とすることを特徴とする熱間圧延方法。
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