JP6897402B2 - シャッター装置 - Google Patents

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Description

本開示はシャッター装置に関する。
車両の前方側部分にあるエンジンルームには、フロントグリルから空気が導入される。当該空気は、ラジエータにおける放熱や、空調装置の凝縮器における放熱等のために用いられる。
しかしながら、例えば高速走行時や冬期においては、導入される空気によってエンジンルームが冷却され過ぎてしまい、車両の燃費効率を低下させてしまうことがある。特に、例えばプラグインハイブリッド車両のように、内燃機関からの発熱量が小さい車両においては、エンジンルームを保温しておく必要性が大きい。また、車両の空気抵抗を抑制するために、エンジンルームへの空気の導入を一時的に抑制した方が好ましい場合もある。
そこで、車両の前方側部分には、エンジンルームに導入される空気の流れを一時的に抑制するためのシャッター装置が設けられる。シャッター装置は、例えば下記特許文献1に記載されているように、空気の流れを調整するための複数のブレード(開閉部材)を備えている。それぞれのブレードが回転軸周りに回転することでブレード間の隙間が変化し、これによりシャッター装置を通過する空気の流量が変化する。
特開2016−80250号公報
ところで、車両に搭載されたシャッター装置には、フロントグリルから侵入した小石や虫などの異物が到達することがある。ブレードと、これを支持するフレームとの間に異物が入り込んでしまうと、異物によってシャッター装置の動作が妨げられてしまう可能性がある。特に、上下方向に伸びるブレードをフレームが下方側から支持する構成のシャッター装置においては、フレームの上面に異物が堆積しやすい。このため、当該上面に沿って回転するブレードの動きが、異物によって妨げられてしまう可能性が高い。
本開示は、異物によって動作が妨げられてしまうことを防止するシャッター装置、を提供することを目的とする。
本開示に係るシャッター装置(10)は、複数枚設けられた板状の部材であって、それぞれが上下方向に沿った回転軸を中心に回転することにより、空気の流れを遮断する状態と、空気の流れを遮断しない状態と、を切り換えるブレード(100)と、ブレードを、少なくとも下方側から回転自在に支持するフレーム(200)と、フレーム上に存在する異物(OB)を除去する異物除去機構(121,201,211,401,SL)と、を備える。異物除去機構には、フレームを上下方向に貫くように形成された貫通穴(211)と、ブレードのうち前記フレームの近傍となる部分から、フレームの表面に沿って突出するように形成されたワイパー部(121)と、が含まれる。
このようなシャッター装置では、フレームのうちブレードを支持している部分に存在する異物が、異物除去機構によって除去される。このため、フレームとブレードとの間に異物が入り込み、ブレードの動きが当該異物によって妨げられてしまうような事態が防止される。
本開示によれば、異物によって動作が妨げられてしまうことを防止するシャッター装置、を提供することができる。
図1は、本実施形態に係るシャッター装置の構成を示す斜視図である。 図2は、ブレードを動作させる機構を説明するための図である。 図3は、図1のIII−III断面を示す図である。 図4は、図1のIV−IV断面を示す図である。 図5は、シャッター装置が備える制御装置の構成を模式的に示す図である。 図6は、制御装置によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
本実施形態に係るシャッター装置10の構成について、主に図1を参照しながら説明する。シャッター装置10は、不図示の車両のフロントグリルの近傍に設けられるものであり、フロントグリルから流入する空気の流量を調整するための装置として構成されている。シャッター装置10は、ブレード100と、下部フレーム200と、上部フレーム300と、アクチュエータ500と、補助部材400と、を備えている。
ブレード100は、シャッター装置10を通過する空気の流量を調整するための板状の部材であって、シャッター装置10において複数枚設けられている。それぞれのブレード100は、その長手方向を上下方向に沿わせた状態で、水平方向に沿って一列に並ぶように配置されている。それぞれのブレード100は、上下方向に沿った回転軸(後述の突起111を通る軸)を中心に回転するように構成されている。このようなブレード100の回転により、空気の流れを遮断する状態と、空気の流れを遮断しない状態と、が切り換えられる。
図1に示される状態は、シャッター装置10の開度が最大(つまり全開)となっている状態である。それぞれのブレード100が回転し、互いに隣り合うブレード100の端部同士が当接している状態になると、シャッター装置10の開度が最小(つまり全閉)となる。
尚、図1においては、複数のブレード100が並ぶ方向であって、図1において左から右に向かう方向をx方向としており、同方向に沿ってx軸を設定している。また、ブレード100の長手方向に沿って下方から上方に向かう方向をz方向としており、同方向に沿ってz軸を設定している。更に、x方向及びz方向のいずれに対しても垂直な方向であって、図1において手前側から奥側に向かう方向をy方向としており、同方向に沿ってy軸を設定している。図2以降においても、同様にx軸、y軸、z軸を設定している。
図1及び図3に示されるように、ブレード100の下端部近傍には、被支持部110と被駆動部120とが設けられている。
被支持部110は、ブレード100のうち一方側(図3では左側)の表面から外方に向けて突出するように形成された板状の部分である。被支持部110は、後述の下部フレーム200によって回転自在に支持される部分となっている。被支持部110の下方側の面からは、円柱状の突起111が下方側に向けて突出している。図2に示されるように、突起111は、下部フレーム200に形成された溝212の内側に収容されている。これにより、ブレード100は、突起111の中心軸周りに回転可能な状態で支持されている。
尚、図示は省略するが、ブレード100の上端部近傍には、被支持部110と同様の構成のものが形成されており、当該部分から上方側に向けて円柱状の突起が突出している。当該突起は、上部フレーム300に形成された貫通穴310(図1)に下方側から挿通されている。また、当該突起の中心軸は、突起111の中心軸と一致している。これにより、ブレード100は、下部フレーム200のみならず上部フレーム300によっても、突起111の中心軸周りに回転可能な状態で支持されている。
被駆動部120は、ブレード100のうち、被支持部110が形成されている方の表面とは反対側(図3では右側)の表面から、外方に向けて突出するように形成された板状の部分である。被駆動部120は、後述の補助部材400からの力を受ける部分となっている。被駆動部120の下方側の面からは、円柱状の突起122が下方側に向けて突出している。図2に示されるように、突起122は、補助部材400に形成された溝410の内側に収容されている。これにより、突起122は、x軸に沿った動きが溝410の内面によって拘束されている。補助部材400等の具体的な動作については後に説明する。
被駆動部120にはワイパー部121が形成されている。ワイパー部121は、被駆動部120のうち−y方向側の端部から、x方向に伸びるように形成されている。被駆動部120に形成されたワイパー部121は、ブレード100のうち下部フレーム200の近傍となる部分から、下部フレーム200の表面に沿って突出するように形成されたもの、ということができる。
下部フレーム200は、上記のようにブレード100を下方側から回転自在に支持するものである。尚、本実施形態の下部フレーム200及び上部フレーム300は、全体が矩形の枠体として構成されたフレームの一部となっている。ただし、図1においては、当該フレームのうち、下部フレーム200の端部と上部フレームの端部とを上下に繋いでいる部分の図示が省略されている。
図1に示されるように、下部フレーム200は、第1支持部210と第2支持部220とを有している。第1支持部210は、y方向(水平方向)に沿って補助部材400と隣り合う部分である。先に説明した溝212(図2)は、この第1支持部210に形成されている。このため、第1支持部210は、ブレード100を回転自在に支持している部分ともいうことができる。溝212は、第1支持部210のうちy方向側の面から、−y方向に向けて後退するように形成された溝である。
第1支持部210には、これを上下方向に貫く貫通穴211が形成されている。貫通穴211は複数形成されており、x軸に沿って並ぶように配置されている。貫通穴211が形成されている位置は、ブレード100が回転する際において、ブレード100が上方側を通過するような位置となっている。
第1支持部210の上面のうち、補助部材400とは反対側(つまり−y方向側)となる部分には、斜面201が形成されている。斜面201は、−y方向側に行くほど下るような傾斜面となっている。下部フレーム200のうち斜面201が形成されている部分(つまり上面)は、ブレード100と対向する部分となっている。
尚、以上のような貫通穴211や斜面201が形成されていることの効果については後に説明する。
第1支持部210は、補助部材400の下端よりも、更に下方側となる位置まで伸びている。第2支持部220は、第1支持部210のうち下方側部分からy方向側に向けて伸びるように形成されている。第2支持部220の上端面は、第1支持部210の上端面よりも低くなっている。補助部材400は、この第2支持部220によって下方側から支持されている。図4に示されるように、補助部材400上端面は、第1支持部210の上端面と概ね同一の平面上に位置している。
図4に示されるように、下部フレーム200のうち第1支持部210と前記第2支持部220との間となる位置には、下部フレーム200を上下に貫くように開口SLが形成されている。開口SLは、x軸に沿って伸びるようなスリット状の開口となっている。開口SLの位置は、第1支持部210と補助部材400との間に形成された隙間の直下となる位置である。
図1に戻って説明を続ける。上部フレーム300は、ブレード100を上方側から回転自在に支持するものである。既に述べたように、上部フレーム300には、これを上下方向に貫く貫通穴310が形成されており、ブレード100に形成された不図示の突起が貫通穴310に下方側から挿通されている。これにより、ブレード100は、当該突起の中心軸周りに回転可能な状態で支持されている。
アクチュエータ500は、ブレード100を回転させるための駆動力を発生させる回転電機である。アクチュエータ500は、上部フレーム300の上面のうち、複数の貫通穴310のうちの一つの直上となる位置に配置されている。アクチュエータ500の駆動軸は、この貫通穴310を介して、その直下にあるブレード100に接続されている。このため、アクチュエータ500の駆動力は、その直下にあるブレード100に直接伝達される。また、当該駆動力は、補助部材400を介してその他のブレード100にも伝達される。アクチュエータ500の動作は、後述の制御装置600(図5)により制御される。
補助部材400は、上記のように、アクチュエータ500の駆動力をそれぞれのブレード100に伝達し、ブレード100を同時に動作させるための部材である。補助部材400は、その長手方向をx軸に沿わせた状態で、下部フレーム200のうち第2支持部220の上面に設置されている。このように、本実施形態では、補助部材400がブレード100の下方側となる位置に配置されている。
尚、溝212はy方向側において開放されているのであるが、突起111がy方向側に移動して溝212から外れてしまうことは、補助部材400によって防止されている。つまり、補助部材400は、それぞれのブレード100に駆動力を伝達して動作させる機能と、それぞれのブレード100がフレーム200から脱落してしまうことを防止する機能と、の両方を有する部材となっている。このような構成に換えて、補助部材400が上記2つの機能のうち一方のみを有しているような構成であってもよい。 補助部材400の上面には、既に述べたように、ブレード100の突起122を収容するための溝410が複数形成されている。図2に示されるように、溝410は、補助部材400の上面から下方側に向けて後退するように形成された溝であって、y軸に沿って伸びる直線状の溝として形成されている。
補助部材400の上面のうち、第1支持部210とは反対側(つまりy方向側)となる部分には、斜面401が形成されている。斜面401は、y方向側に行くほど下るような傾斜面となっている。補助部材400のうち斜面401が形成されている部分(つまり上面)は、ブレード100と対向する部分となっている。このような斜面401が形成されていることの効果については後に説明する。
図2を主に参照しながら、シャッター装置10の動作について説明する。図2は、下部フレーム200及び補助部材400を上方側から見て描いた図となっている。同図においては、ブレード100は、突起111及び122のみが実線で描かれている。また、ブレード100の本体部分は点線で描かれている。
アクチュエータ500が駆動されると、その直下にあるブレード100が突起111の中心軸周りに回転する。その際、当該ブレード100に設けられた突起122が溝410の内面に当たることにより、補助部材400はx軸に沿った方向の力を受けて、同方向に移動する。
例えば、上面視において時計回り方向にアクチュエータ500の駆動軸(及びその直下にあるブレード100)が回転した場合には、図2において矢印で示されるように、補助部材はx方向に移動することとなる。
補助部材がx方向に移動すると、それぞれのブレード100に設けられた突起111は、溝410の内面からx方向の力を受ける。当該力により、アクチュエータ500の直下にあるブレード100以外のブレード100も、上面視において時計回り方向に回転する。尚、このときの突起111は、溝410に沿って−y方向に移動することとなる。
このように、アクチュエータ500の駆動力が補助部材400によって各ブレード100に伝達されることにより、全てのブレード100が同時に且つ同方向に移動する。アクチュエータ500の駆動軸が上記とは反対方向に回転する場合でも同様である。
ところで、車両に搭載されるシャッター装置10には、フロントグリルから侵入した小石などの異物が到達することがある。ブレード100と、これを支持する下部フレーム200との間等に異物が入り込んでしまうと、異物によってシャッター装置10の動作が妨げられてしまう可能性がある。特に、本実施形態のように、上下方向に伸びるブレード100の下端部を下部フレーム200が支持する構成のシャッター装置においては、下部フレーム200に異物が堆積しやすい。このため、当該上面に沿って回転するブレード100の動きが、異物によって妨げられてしまう可能性が高い。
そこで、本実施形態に係るシャッター装置10では、複数の異物除去機構によって、下部フレーム200の上等に存在する異物を除去し得る構成となっている。このような異物除去機構について、図4を主に参照しながら説明する。図4において符号OBが付されているのは、下部フレーム200や補助部材400の上面に存在する異物である。当該異物のことを、以下では「異物OB」と表記する。尚、図4では、下部フレーム200及び補助部材400の断面のみが示されており、ワイパー部121は点線で模式的に示されている。
本実施形態では、既に述べたように、ブレード100の下端部近傍にワイパー部121が形成されている。ワイパー部121の下方側の表面は、下部フレーム200のうち第1支持部210の上面、及び補助部材400の上面のそれぞれに対して平行となっており、且つそれぞれに対して近接している。このため、ブレード100が回転し、ワイパー部121が矢印の方向に移動すると、第1支持部210や補助部材400の上面に存在する異物OBは、ワイパー部121によってy方向側に掻き出される。
また、ブレード100が逆方向に回転し、ワイパー部121が矢印とは反対の方向に移動すると、第1支持部210や補助部材400の上面に存在する異物OBは、ワイパー部121によって−y方向側に掻き出される。
このように、それぞれのブレード100に設けられたワイパー部121は、異物OBを除去するための異物除去機構の一つとして機能する。尚、本実施形態では、ブレード100の下端部が、第1支持部210の上面に近接している。このため、上記のような異物OBの掻き出しはブレード100の下端部によっても行われることがある。
ワイパー部121等によって掻き出された異物OBの一部は、y方向側に移動して斜面401の上に到達する。当該異物は、重力により斜面401に沿って落下し、シャッター装置10から排出される。このように、補助部材400に形成された斜面401も、異物OBを除去するための異物除去機構の一つとして機能する。
同様に、ワイパー部121等によって掻き出された異物OBの一部は、−方向側に移動して斜面201の上に到達する。当該異物は、重力により斜面201に沿って落下し、シャッター装置10から排出される。このように、下部フレーム200に形成された斜面201も、異物OBを除去するための異物除去機構の一つとして機能する。
ワイパー部121等によって掻き出された異物OBの一部は、第1支持部210の上面に沿って移動する際に、貫通穴211を通ってシャッター装置10から排出される。このように、下部フレーム200に形成された貫通穴211も、異物OBを除去するための異物除去機構の一つとして機能する。
また、ワイパー部121等によって掻き出された異物OBの一部は、第1支持部210の上面に沿って移動する際に、第1支持部210と補助部材400との間の隙間に入り込むことがある。ただし、当該隙間の直下となる位置には開口SLが形成されているので、上記隙間に入り込んだ異物OBは、開口SLを通ってシャッター装置10から排出される。このように、下部フレーム200に形成された開口SLも、異物OBを除去するための異物除去機構の一つとして機能する。
以上のように、本実施形態に係るシャッター装置10では、複数の異物除去機構によって異物OBの排出が促進される。異物の排出は、ブレード100が回転する度に行われるので、シャッター装置10において多量の異物OBが堆積してしまうことは無い。このため、異物OBによってシャッター装置10の動作が妨げられてしまう可能性は非常に低くなっている。
シャッター装置10が備える制御装置600について、図5を参照しながら説明する。制御装置600は、各ブレード100の動作を制御するための装置である。制御装置600は、CPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータシステムとして構成されている。制御装置600は、機能的な制御ブロックとして、制御部610と、記憶部620と、を有している。
制御部610は、アクチュエータ500の動作を制御し、これによりブレードの動作を制御する部分である。本実施形態のアクチュエータ500は、駆動軸の回転角度を検知するエンコーダや、回転トルクを測定するトルクセンサ等(いずれも不図示)を内蔵している。エンコーダによって検知された回転角度、及びトルクセンサによって測定されたトルクの値は、いずれも制御部610により取得される。制御部610は、上記の回転角度を換算することにより、現時点における各ブレード100の開度を常に把握している。制御部610は、ブレード100の開度が目標開度に一致するようにアクチュエータ500を動作させる。
記憶部620は、制御装置600に設けられた不揮発性の記憶装置である。記憶部620には、制御部610が行う処理に必要な種々の情報が記憶されている。
本実施形態に係るシャッター装置10では、上記のように異物除去機構を備えることにより、異物OBによりブレード100の動作が妨げられてしまうことを防止している。しかしながら、異物OBが噛み込んでしまう可能性を完全に0とすることは難しい。そこで、本実施形態に係る制御装置600では、異物OBが噛み込んでしまった場合には、ブレード100の動作によって異物OBの除去を試みるような制御を行うように構成されている。
当該制御の具体的な内容について、図6を参照しながら説明する。図6に示される一連の処理は、ブレード100を回転させている際において、これと並行して制御装置600により実行される処理となっている。
最初のステップS01では、ブレード100が目標開度に到達しないうちに停止してしまったか否かが判定される。当該判定は、アクチュエータ500から送信されるトルクの値や、回転角度の変化に基づいて行われる。ブレード100が動作中である場合、又は、ブレード100が目標開度に到達した場合には、図6に示される一連の処理を終了する。ブレード100が目標開度に到達しないうちに停止してしまった場合には、ステップS02に移行する。
ステップS02では、現時点における開度、すなわちブレード100の停止時における開度が、記憶部620により記憶される。
ステップS02に続くステップS03では、ブレード100を、それまでとは反対の方向に回転させる処理が行われる。「それまでとは反対の方向」とはすなわち、目標開度に近づく方向とは反対の方向のことである。ブレード100をこのように逆方向に回転させる制御のことを、以下では「第1制御」とも称する。第1制御は、ブレード100を一定の角度だけ回転させるように行われてもよく、ブレード100が停止する位置(つまり全開位置又は全閉位置)まで回転させるように行われてもよい。
ステップS03に続くステップS04では、ブレード100を、目標開度に近づく方向に回転させ始める処理が行われる。ブレード100をこのように回転させる制御、すなわち、第1制御の後に再びブレード100の開度を目標開度に近づけるような制御のことを、以下では「第2制御」とも称する。第2制御は、ブレード100の開度が目標開度に到達するまで行われる。
ステップS04において第2制御が開始されると、目標開度への到達を待つことなくステップS05に移行する。ステップS05では、ステップS01と同様に、ブレード100が目標開度に到達しないうちに停止してしまったか否かが判定される。
ブレード100が動作中である場合には、ブレード100の開度が目標開度に到達するまでの間、ステップS05の処理が繰り返し実行される。ブレード100の開度が目標開度に到達すると、図6に示される一連の処理を終了する。
ステップS05において、ブレード100が目標開度に到達しないうちに停止してしまった場合には、ステップS06に移行する。ステップS06では、現時点におけるブレード100の回転角度が、ステップS02において記憶された回転角度と同じか否かが判定される。それぞれの回転角度が互いに異なる場合には、異物OBが噛み込んでいる状態が、第1制御及び第2制御の実行により、前回から変化したということである。この場合、第1制御及び第2制御を再度実行すれば、異物OBが除去される可能性がある。そこで、この場合にはステップS02以降の処理が再度実行される。
現時点におけるブレード100の回転角度が、ステップS02において記憶された回転角度と同じであった場合には、ステップS07に移行する。この場合には、異物OBが噛み込んでいる状態が、第1制御及び第2制御を実行しても変化しなかったということである。この場合、第1制御及び第2制御を再度実行しても、異物OBが除去される可能性は低い。そこで、ステップS07では、ブレード100の動作制御が中断される。
以上に説明したように、ブレード100の開度が目標開度に到達しないうちに、ブレード100の回転が停止してしまった場合には、制御部610は、第1制御を行った後で第2制御を実行する。また、制御部610は、ブレード100の開度が目標開度に到達するまで、第1制御と第2制御とを繰り返す。これにより異物OBが除去されて、ブレード100が正常に動作し得る状態となる可能性が高められる。
制御装置600は、ブレードの回転が停止してしまった際の開度を記憶する記憶部620を備える。制御部610は、第2制御の実行中において、記憶部620に記憶された開度と同じ開度においてブレード100の回転が停止した場合には、ブレード100の制御を中断する(ステップS06)。これにより、第1制御及び第2制御が無駄に繰り返されてしまうような事態が防止される。
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
10:シャッター装置
100:ブレード
121:ワイパー部
200:下部フレーム
201,401:斜面
211:貫通穴
OB:異物
SL:開口

Claims (9)

  1. 複数枚設けられた板状の部材であって、それぞれが上下方向に沿った回転軸を中心に回転することにより、空気の流れを遮断する状態と、空気の流れを遮断しない状態と、を切り換えるブレード(100)と、
    前記ブレードを、少なくとも下方側から回転自在に支持するフレーム(200)と、
    前記フレーム上に存在する異物(OB)を除去する異物除去機構(121,201,211,401,SL)と、を備え、
    前記異物除去機構には、前記フレームを上下方向に貫くように形成された貫通穴(211)と、前記ブレードのうち前記フレームの近傍となる部分から、前記フレームの表面に沿って突出するように形成されたワイパー部(121)と、が含まれるシャッター装置。
  2. 前記異物除去機構には、前記フレームのうち前記ブレードと対向する部分に形成された斜面(201)が含まれる、請求項1に記載のシャッター装置。
  3. 前記ブレードの下方側には、それぞれの前記ブレードに駆動力を伝達して動作させる機能、もしくはそれぞれの前記ブレードが前記フレームから脱落してしまうことを防止する機能、のうち少なくとも一つを有する補助部材(400)が配置されている、請求項1に記載のシャッター装置。
  4. 記異物除去機構には、前記補助部材のうち前記ブレードと対向する部分に形成された斜面(401)が含まれる、請求項3に記載のシャッター装置。
  5. 複数枚設けられた板状の部材であって、それぞれが上下方向に沿った回転軸を中心に回転することにより、空気の流れを遮断する状態と、空気の流れを遮断しない状態と、を切り換えるブレード(100)と、
    前記ブレードを、少なくとも下方側から回転自在に支持するフレーム(200)と、
    前記フレーム上に存在する異物(OB)を除去する異物除去機構(121,201,211,401,SL)と、を備え、
    前記ブレードの下方側には、それぞれの前記ブレードに駆動力を伝達して動作させる機能、もしくはそれぞれの前記ブレードが前記フレームから脱落してしまうことを防止する機能、のうち少なくとも一つを有する補助部材(400)が配置されており、
    前記フレームは、
    水平方向に沿って前記補助部材と隣り合う部分である第1支持部(210)と、
    前記補助部材を下方側から支持する部分である第2支持部(220)と、を有しており、
    前記フレームのうち前記第1支持部と前記第2支持部との間となる位置には、前記フレームを上下に貫くようにスリット状の開口(SL)が形成されているシャッター装置。
  6. 前記ブレードの動作を制御する制御部(610)を更に備える、請求項1に記載のシャッター装置。
  7. 前記ブレードの開度が目標開度に到達しないうちに、前記ブレードの回転が停止してしまった場合には、
    前記制御部は、
    前記ブレードを、前記目標開度に近づく方向とは反対の方向に回転させる第1制御を行った後、
    前記ブレードの開度が目標開度に近づく方向に、前記ブレードを再度回転させる制御である第2制御を実行する、請求項に記載のシャッター装置。
  8. 前記制御部は、
    前記ブレードの開度が目標開度に到達するまで、前記第1制御と第2制御とを繰り返す、請求項に記載のシャッター装置。
  9. 複数枚設けられた板状の部材であって、それぞれが上下方向に沿った回転軸を中心に回転することにより、空気の流れを遮断する状態と、空気の流れを遮断しない状態と、を切り換えるブレード(100)と、
    前記ブレードを、少なくとも下方側から回転自在に支持するフレーム(200)と、
    前記フレーム上に存在する異物(OB)を除去する異物除去機構(121,201,211,401,SL)と、を備え、
    前記ブレードの動作を制御する制御部(610)を更に備え、
    前記ブレードの開度が目標開度に到達しないうちに、前記ブレードの回転が停止してしまった場合には、
    前記制御部は、
    前記ブレードを、前記目標開度に近づく方向とは反対の方向に回転させる第1制御を行った後、
    前記ブレードの開度が目標開度に近づく方向に、前記ブレードを再度回転させる制御である第2制御を実行し、
    前記制御部は、
    前記ブレードの開度が目標開度に到達するまで、前記第1制御と第2制御とを繰り返し、
    前記ブレードの回転が停止してしまった際の開度を記憶する記憶部(620)を更に備え、
    前記制御部は、
    前記第2制御の実行中において、前記記憶部に記憶された開度と同じ開度において前記ブレードの回転が停止した場合には、前記ブレードの制御を中断するシャッター装置。
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