JP6897342B2 - クロロシラン類の回収方法及びクロロシラン類回収装置 - Google Patents

クロロシラン類の回収方法及びクロロシラン類回収装置 Download PDF

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Description

本発明は、金属シリコンと塩化水素の反応により生成されたトリクロロシラン等のクロロシラン類を含むガスから塩化アルミニウムを除去し、クロロシラン類を回収するクロロシラン類の回収方法及びクロロシラン類回収装置に関する。
多結晶シリコンを製造するための原料として使用されるトリクロロシランは、例えば、反応炉内で金属シリコン粉末に塩化水素ガスを反応させることにより製造され、その後、多段階の蒸留を経て純度が高められる。この反応炉内で発生するガス中には、トリクロロシランの他に、四塩化珪素、水素および未反応ガスとして塩化水素が含まれているとともに、原料として用いた金属シリコンの微粉や金属シリコン中の不純物(Fe、Al、Ti、Ni等)が反応して生成された金属塩化物が含まれる。
この金属塩化物のうち塩化アルミニウム(AlCl)は、比較的昇華点が低く、塩化反応以降の系内がその昇華点以下の雰囲気であると固化し易く、その後の工程でタンクや配管等に堆積して閉塞や腐食の原因となる。そこで、従来では、例えば、特許文献1に記載されるように、反応炉内で発生する金属塩化物を含有するクロロシランガスを液状のクロロシランに導入し、析出した固体の金属塩化物を液状のクロロシランから分離し、除去する方法が提案されている。
この方法において、金属塩化物を含有する粗製ガスを、循環している液状のクロロシランに導入し、低沸点のトリクロロシラン液の気化により一次冷却することで、クロロシラン懸濁液(固化した金属塩化物を含む液状のクロロシラン)と、導入されたクロロシランガスとからなる3相の混合液を生成する。次に、熱交換器により間接的に冷却することにより、気体と懸濁液とを分離する。その懸濁液の一部は、粗製ガスの導入箇所に返送し、一次工程の冷却に使用される。凝縮していない気体と残りの懸濁液とは個別に排出され、懸濁液はフィルターで液体のクロロシランと固体の金属塩化物とに分離される。
すなわち、まず、クロロシラン主体のガスを液状のクロロシランと接触させ、沸点の低いクロロシラン液の気化により直接冷却し、その後、間接的な冷却を行うことで、熱交換器の冷却面上の金属塩化物の析出が生じることなく、装置の閉塞が防止できるため、連続的にクロロシランガスから金属塩化物を除去できるとされている。
特開2002−60213号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、固化した金属塩化物が循環路等で詰まり易く、懸濁液の流れを阻害するおそれがあり、長期にわたり安定してクロロシラン類を回収するには課題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、クロロシラン類を含むガスの中から塩化アルミニウムを効率的に除去するとともに、その塩化アルミニウムによる配管の閉塞を防ぎ、クロロシラン類を安定して回収することを目的とする。
本発明のクロロシラン類の回収方法は、金属シリコンと塩化水素の反応により生成されたクロロシラン類を含むガスを容器内に供給し、前記クロロシラン類を含むガスから塩化アルミニウムを除去し、クロロシラン類を回収する方法において、前記容器内に供給された前記クロロシラン類を含むガスにクロロシラン液を噴射して冷却し、冷却により生じたクロロシラン液と固化した塩化アルミニウムとの懸濁液の上澄み液を前記容器から排出し、該上澄み液と前記容器の底部から抜き出した懸濁液とを混合し、その混合液をフィルターに通過させて塩化アルミニウムを除去し、該フィルターを通過したクロロシラン液を回収する。
クロロシラン液を含むガスにシャワーノズル等によりクロロシラン液を噴射して接触させると、クロロシラン液が気化し、その気化熱で容器内の温度が下がり、ガスが凝縮するとともにガス中の塩化アルミニウムが固化する。本発明のクロロシラン類の回収方法では、クロロシラン類のガスがクロロシラン液の噴射により直接冷却されることから、塩化アルミニウムは固化すると同時にクロロシラン液によって洗い流され、クロロシラン液と固化した塩化アルミニウムとの懸濁液が生成される。そして、懸濁液の液面付近に生じた比較的、塩化アルミニウムの含有量が少ない上澄み液を容器から排出し、容器の底部から塩化アルミニウムを多く含む懸濁液を抜き出す。また、これらの上澄み液と懸濁液とを混合することで、混合液中の塩化アルミニウムの濃度を薄めてフィルターで濾過し易くできるので、懸濁液の取り扱いが容易になり、クロロシラン液を安定して回収することができる。
本発明のクロロシラン類回収装置は、金属シリコンと塩化水素の反応により生成されたクロロシラン類を含むガスを容器内に供給し、前記クロロシラン類を含むガスから塩化アルミニウムを除去し、クロロシラン類を回収する装置において、前記容器の高さ方向の中央部に、クロロシラン類を含むガスを前記容器内部に供給するガス供給口が設けられ、ガス供給口よりも上方位置に、該ガス供給口から供給されたガスにクロロシラン液を噴射するシャワーノズルを有する冷却室と、該冷却室を通過したガスを取り出すガス排出口とが設けられ、前記ガス供給口より下方位置に、冷却により生じたクロロシラン液と固化した塩化アルミニウムとの懸濁液を貯留する懸濁液貯留室が設けられ、前記懸濁液貯留室に、該懸濁液貯留室の底部を除き内部を二分する分離板が上下方向に沿って設けられ、前記懸濁液貯留室の底部に懸濁液抜き取り口が設けられ、前記分離板により二分された一方の空間部の上方を覆うようにじゃま板が設けられ、該じゃま板より下方位置に、前記一方の空間部から懸濁液の上澄み液をオーバーフローさせる排液口が設けられることを特徴とする。
本発明のクロロシラン類回収装置においては、クロロシラン類のガスがクロロシラン液の噴射により直接冷却されることから、塩化アルミニウムは固化すると同時にクロロシラン液によって洗い流され、クロロシラン液と固化した塩化アルミニウムとの懸濁液が生成される。この懸濁液は、容器内に設けられたじゃま板(一方の空間部に懸濁液が直接流れ込むのを防ぐため、空間部を覆うように設けられている)と分離板とによって、一方の空間部と反対側の他方の空間部を通じて懸濁液貯留室の底部に導かれ貯留される。この場合、一方の空間部の上方はじゃま板により覆われているので、この一方の空間部の液面付近には、比較的、塩化アルミニウムの含有量が少ない上澄み液が生じ、その上澄み液が排液口から排出される。一方、容器底部の懸濁液抜き取り口からは、塩化アルミニウムを多く含む懸濁液が排出されることとなる。したがって、その上澄み液は、塩化アルミニウムに流れを阻害されることなく円滑に排出される。このように、上澄み液と懸濁液とに分けて排出することで、一度に多くのクロロシラン含有液を取り出すことが可能になる。
また、本発明のクロロシラン類回収装置において、前記懸濁液抜き取り口から排出される懸濁液と前記排液口から排出される上澄み液とを混合状態で通過させて塩化アルミニウムを除去するフィルターと、該フィルターを通過したクロロシラン液を回収するクロロシラン回収配管とが設けられるとよい。
容器底部の懸濁液抜き取り口から排出された塩化アルミニウムを多く含む懸濁液と、排液口から排出された塩化アルミニウムの含有量が少ない上澄み液とを混合するので、混合液中の塩化アルミニウムの濃度が薄めてフィルターで濾過し易くできるので、懸濁液の取り扱いが容易になり、クロロシラン液を安定して回収することができる。
また、本発明のクロロシラン類回収装置において、前記クロロシラン回収配管に、クロロシラン液の一部をシャワーノズルに供給する循環路が接続されているとよい。
回収されるクロロシラン液の一部を使用してクロロシランガスを冷却するので、効率的にクロロシラン液を回収できる。
さらに、本発明のクロロシラン類回収装置において、前記懸濁液貯留室に、懸濁液の液面位置を検知するセンサが設けられ、前記クロロシラン回収配管に、前記センサにより検知される液面位置に応じて、回収するクロロシラン液の液量と前記循環路に供給するクロロシラン液の液量との比率を調節する調整バルブが設けられているとよい。
このように、センサにより懸濁液貯留室の懸濁液の液面位置を検知しながら、循環するクロロシラン液の液量を調整するので、懸濁液貯留室内の懸濁液の量をほぼ一定に維持して安定した操業を行うことができる。
本発明のクロロシラン類回収装置及びクロロシラン類の回収方法によれば、クロロシラン類を含むガスにクロロシラン液を噴射して冷却することにより、凝縮したクロロシラン液と固化した塩化アルミニウムとの懸濁液を容器内に貯留し、上澄み液と懸濁液とに分けて取り出し、その後、混合するようにしたので、混合液中の塩化アルミニウムの濃度を薄めてフィルターで濾過し易くでき、懸濁液の取り扱いを容易にして、クロロシラン液を安定して回収することができる。
本発明に係るクロロシラン類回収装置の一実施形態を示す縦断面図である。 図1のクロロシラン類回収装置の横断面図であり、(a)は、X−X線に沿う断面図、(b)はY−Y線に沿う断面図である。
以下、本発明のクロロシラン類の回収方法及びクロロシラン類回収装置の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
この実施形態のクロロシラン類の回収方法では、図1に示すクロロシラン類回収装置を用いる。クロロシラン類回収装置101は、クロロシラン類を含むガス(以下、一部において単にガスと称す。)と冷却媒体としてのクロロシラン液とを接触させて、ガスが凝縮して得られたクロロシラン液と固化した塩化アルミニウムとの懸濁液を生成する容器1と、容器1内で生成された懸濁液から塩化アルミニウムを除去するフィルター8と、フィルター8を介して濾過されたクロロシラン液を回収する回収配管9とを備える構成とされている。
容器1は、図1に示すように、上下方向に沿う円筒状に形成されており、高さ方向の中央部に、この容器1内にガスを供給するガス供給管2が接続されている。このガス供給管2は、供給されるガスを斜め下方に向けて噴出するように設置されている。この場合、ガス供給管2は、容器1の周方向に略90度の角度間隔で二個取り付けられており、上下方向には、垂直方向に25〜45度の角度で下向きに取り付けられている。また、両ガス供給管2の先端のガス供給口21は、容器1の同じ高さ位置に配置されている。
そして、容器1は、ガス供給口21より上方部分が小径に、ガス供給口21より下方部分が大径に形成されており、小径部が冷却室3とされ、大径部が懸濁液貯留室4とされている。また、図1に示すように、小径部の一側部(図1では右側部)は、大径部の一側部と面一に形成されているが、図2(b)に示すように、懸濁液貯留室4は冷却室3に対して偏心して配置され、懸濁液貯留室4の冷却室3から張り出す部分の上方は、円弧板45により覆われている。
冷却室3には、ガス供給管2から供給されるガスにクロロシラン液を噴射する複数のシャワーノズル31が設置されている。本実施形態のクロロシラン類回収装置101においては、シャワーノズル31は上下二段に設けられている。そして、容器1の上端部は、ドーム状に形成されており、その最頂部に冷却室3を通過したガスを取り出すガス排出口11が設けられている。
懸濁液貯留室4は、図1及び図2(a)に示すように、底部を除き内部を第一の空間部41と第二の空間部42とに二分する分離板5が上下方向に沿って設けられている。第二の空間部42の上部には、じゃま板6が設けられており、じゃま板のさらに上方に、先述したガス供給口21が位置している。じゃま板6は、図2(b)に示すように、第二の空間部42を覆うように分離板5の上方位置からガス供給口21の若干下方に向けて設けられている。じゃま板6の下端部は、冷却室3から懸濁液が第二の空間部42に直接流れ込むことを防ぐために、図1及び図2(b)に示すように、分離板5の上端部の真上か、これより僅かに第一の空間部41の上方に突出する位置に設置されている。また、このじゃま板6は、ガス供給口21から導入されるガスの流路を妨げることがないように、垂直方向に対する角度がガス供給管2の設置角度と同等、又はガス供給管2の設置角度よりも僅かに小さく設定されている。例えば、ここでは略30度の角度とされている。
懸濁液貯留室4の底部は円錐状に形成されており、その下端部には、懸濁液抜き取り口43が設けられている。第二の空間部42には、懸濁液貯留室4に貯留された懸濁液の上澄み液を排出する排液口44が設けられている。そして、懸濁液貯留室4には、懸濁液抜き取り口43に接続される抜取管46と、排液口44に接続される排液管47とが設けられており、抜取管46と排液管47とは混合配管48に連結され、この混合配管48において、懸濁液と上澄み液とが合流して混合状態で流通するようになっている。また、混合配管48はフィルター8に接続されている。このフィルター8は、塩化アルミニウムを除去するフィルターであり、並列に複数設けられている。そして、フィルター8の下流位置には、クロロシラン回収配管9が接続されており、このクロロシラン回収配管9には、回収されるクロロシラン液の一部をシャワーノズル31に供給する循環路32が調整バルブ73を介して接続されている。
また、第二の空間部42には、懸濁液の液面位置を検出するセンサ71が設けられており、調整バルブ73は、センサ71により検知される液面位置に応じて、クロロシラン回収配管9に回収されるクロロシラン液の液量と、循環路32に供給されるクロロシラン液の液量との比率を調整するように制御部72によりコントロールされる。循環路32に振り分けられたクロロシラン液は、ポンプ33でシャワーノズル31に供給され、クロロシラン類を含むガスの冷却に使用される。
このように構成したクロロシラン類回収装置において、前工程の反応炉において金属シリコンと塩化水素との反応によって発生したクロロシラン類を含むガスは、ガス供給口21から容器1内に供給される。このとき、ガス供給管2が垂直方向に25〜45度の角度で下向きに取り付けられているので、ガスは、図1の破線矢印で示すように、斜め下方に向けて容器1内に供給され、その後、半径方向に広がりながら冷却室3内を上昇する。なお、ガス供給管2の垂直方向に対する設置角度が25度より小さいと、冷却室3内に供給されたガスが冷却室3内全体に分散されにくく、クロロシラン液との接触範囲が小さくなり、ガスの冷却効率が低下する。また、ガス供給管2の垂直方向に対する設置角度が45度よりも大きいと、ガスとクロロシラン液との接触時間が長くなる反面、じゃま板6の上面や分離板5の上部に塩化アルミニウムを主体とした固形物が付着しやすくなり、固形物の付着によりガスの流れが妨げられることで、ガスの冷却効率が低下する。
冷却室3において、クロロシラン類を含む高温のガス(例えば、温度150℃〜300℃)に、シャワーノズル31から噴射されるクロロシラン液が接触すると、そのガスの熱でクロロシラン液の一部が気化し、その気化熱で冷却室3の温度が下がり、ガス中のクロロシラン類が液化するとともに、塩化アルミニウムが固化する。そして、シャワーノズル31から噴射されるクロロシラン液により洗い流され、クロロシラン液と塩化アルミニウムとの懸濁液となって流下する。この際、冷却室3に設けられた二段のシャワーノズル31により、大部分のクロロシランガスが懸濁液となって洗い流されるが、冷却室3を通過したクロロシラン類のガスは、ガス排出口11からガス処理装置(図示略)へと送られる。
次に、懸濁液は、容器1内に設けられたじゃま板6と分離板5とにより、図1の実線矢印Aで示すように、第一の空間部41を通り懸濁液貯留室4の底部に導かれ、貯留される。貯留された懸濁液は、懸濁液貯留室4の底部を経由して第二の空間部42の下部にも貯留される。この第二の空間部42においては、その上方をじゃま板6で覆われているので、上方から懸濁液が流れ落ちることがなく、このため、懸濁液は静置された状態となり、塩化アルミニウムが沈殿して、液面近くに、比較的、塩化アルミニウムの含有量が少ない上澄み液が生じる。この上澄み液は排液口44からオーバーフローされるが、塩化アルミニウムの含有量が少ないため、流れを阻害されることなく円滑に排出される。
一方、懸濁液貯留室4の底部には、沈殿した塩化アルミニウムを多く含む懸濁液が貯留され、この懸濁液は、懸濁液抜き取り口43から重力により排出される。このように、上澄み液と懸濁液とに分けて排出することにより、確実にクロロシラン含有液を取り出すことができる。
次に、排出された上澄み液と懸濁液とは混合配管48により一つに集められて混合され、混合液となってフィルター8に送られる。容器1の底部の懸濁液抜き取り口43から排出された塩化アルミニウムを多く含む懸濁液と、排液口44からオーバーフローされて排出された塩化アルミニウムの含有量が少ない上澄み液とを混合し、塩化アルミニウムの濃度が薄められた混合液とすることで、フィルター8での濾過時にフィルター8を閉塞し難くでき、懸濁液の取り扱いが容易になる。したがって、クロロシラン液を安定して回収することができる。また、このフィルター8は、並列に複数設けられ、操業時間等に応じてフィルター8を切り替えて使用するようになっており、フィルター8を交換しながら連続的に操業することができる。
そして、フィルター8を通過し、塩化アルミニウムが除去されたクロロシラン液は、クロロシラン回収配管9に回収される。回収されたクロロシラン液の一部は、調整バルブ73を介して循環路32に振り分けられ、ポンプ33で冷却室3のシャワーノズル31に供給され、冷却に使用される。センサ71により懸濁液貯留室4の液面位置を検知しながら循環するクロロシラン液の液量を調整するので、懸濁液の量をほぼ一定に維持して安定した操業を行うことが可能である。
このようにして回収されたクロロシラン液は、その後、クロロシラン類の純度を高めるため、蒸留工程等に送られるが、上述したクロロシラン類回収装置101により、塩化アルミニウムが除去されているので、配管の閉塞や腐食の発生が抑制される。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、実施形態ではクロロシラン回収配管9から一部のクロロシラン液をシャワーノズル31に循環させるようにしたが、別工程により用意したクロロシラン液を用いて冷却するようにしてもよい。
また、本実施形態では、シャワーノズル31を上下二段構成としたが、冷却効率を調整又は向上させる観点より、二段を超える複数段構成のシャワーノズルとしてもよい。
また、本実施形態のクロロシラン類回収装置101では、前述したように、容器1内でクロロシラン類を含むガスとクロロシラン液とを接触させることで、塩化アルミニウムを固化させるが、このような塩化アルミニウムの固化後において懸濁液抜き取り口43で塩化アルミニウムによる閉塞が発生することを防止するために、懸濁液貯留室4の排液口44から懸濁液抜き取り口43までの間の部分に排液口44から排出された上澄み液の一部をポンプにより懸濁液貯留室4内に導入する導入口を設けて、上澄み液の導入による懸濁液の撹拌を行う構成としてもよい。これにより、塩化アルミニウムの固化による懸濁液抜き取り口43での閉塞を生じにくくすることができる。
また、クロロシラン類を含むガスのガス供給管2の導入部は、ガス温度が他の部分よりも下がりやすいため、塩化アルミニウムが比較的析出しやすく、管内が閉塞しやすい。この閉塞による系内の圧力変動は容器1の内部流動状態を低下させる要因にもなる。このため、系内の圧力を安定化させるために、例えば、ガス供給管2に突き棒を設置しておき、閉塞時または閉塞傾向が生じた場合に、突き棒を操作して析出した塩化アルミニウム等を除去することにより、圧力変動を防止する構成としてもよい。また、この場合に、突き棒自体にも塩化アルミニウムの付着による動作不良が生じないように付着物の除去を都度行うことが望ましい。さらに、塩化アルミニウムの固化時に、固着した固形物を破壊しやすいように、突き棒の先端部を鋭利形状、凹凸形状、刃面形状等の形状により構成してもよい。なお、この場合において、ガス供給管2の側面部からクロロシラン類を含むガスを導入する構成としてもよい。
また、上述したように、閉塞防止対策として突き棒をガス供給管2に設置する構成とした場合、外部からの突き棒の挿入にあたり、突き棒の可動領域周辺空間部には、不活性ガス等でシールすることで、容器1内のクロロシラン類を含むガスの漏洩や突き棒の腐食等を防止できる。
1 容器
2 ガス供給管
3 冷却室
4 懸濁液貯留室
5 分離板
6 じゃま板
8 フィルター
9 クロロシラン回収配管
11 ガス排出口
21 ガス供給口
31 シャワーノズル
32 循環路
33 ポンプ
41 第一の空間部
42 第二の空間部
43 懸濁液抜き取り口
44 排液口
45 円弧板
46 抜取管
47 排液管
48 混合配管
71 センサ
72 制御部
73 調整バルブ
101 クロロシラン類回収装置

Claims (5)

  1. 金属シリコンと塩化水素の反応により生成されたクロロシラン類を含むガスを容器内に供給し、前記クロロシラン類を含むガスから塩化アルミニウムを除去し、クロロシラン類を回収する方法において、前記容器内に供給された前記クロロシラン類を含むガスにクロロシラン液を噴射して冷却し、冷却により生じたクロロシラン液と固化した塩化アルミニウムとの懸濁液の上澄み液を前記容器から排出し、該上澄み液と前記容器の底部から抜き出した懸濁液とを混合し、その混合液をフィルターに通過させて塩化アルミニウムを除去し、該フィルターを通過したクロロシラン液を回収することを特徴とするクロロシラン類の回収方法。
  2. ロロシラン類を含むガスを容器内に供給し、前記クロロシラン類を含むガスから塩化アルミニウムを除去し、クロロシラン類を回収する装置において、
    前記容器の高さ方向の中央部に、クロロシラン類を含むガスを前記容器内部に供給するガス供給口が設けられ、
    前記ガス供給口よりも上方位置に、該ガス供給口から供給されたガスにクロロシラン液を噴射するシャワーノズルを有する冷却室と、該冷却室を通過したガスを取り出すガス排出口とが設けられ、
    前記ガス供給口より下方位置に、冷却により生じたクロロシラン液と固化した塩化アルミニウムとの懸濁液を貯留する懸濁液貯留室が設けられ、
    前記懸濁液貯留室に、該懸濁液貯留室の底部を除き内部を二分する分離板が上下方向に沿って設けられ、
    前記懸濁液貯留室の底部に懸濁液抜き取り口が設けられ、
    前記分離板により二分された一方の空間部の上方を覆うようにじゃま板が設けられ、
    該じゃま板より下方位置に、前記一方の空間部から懸濁液の上澄み液をオーバーフローさせる排液口が設けられることを特徴とするクロロシラン類回収装置。
  3. 前記懸濁液抜き取り口から排出される懸濁液と前記排液口から排出される上澄み液とを混合状態で通過させて塩化アルミニウムを除去するフィルターと、
    該フィルターを通過したクロロシラン液を回収するクロロシラン回収配管とが設けられることを特徴とする請求項2に記載のクロロシラン類回収装置。
  4. 前記クロロシラン回収配管に、クロロシラン液の一部を前記シャワーノズルに供給する循環路が接続されていることを特徴とする請求項3に記載のクロロシラン類回収装置。
  5. 前記懸濁液貯留室に、懸濁液の液面位置を検知するセンサが設けられ、
    前記クロロシラン回収配管に、前記センサにより検知される液面位置に応じて、回収するクロロシラン液の液量と前記循環路に供給するクロロシラン液の液量との比率を調節する調整バルブが設けられていることを特徴とする請求項4に記載のクロロシラン類回収装置。
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