以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
図2および図3を用いて全体構成および画像形成プロセスについて説明する。
図2は、本発明の一実施の形態である電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置という)の画像形成装置本体(以下、装置本体Aという)及びプロセスカートリッジ(以下、カートリッジBと記載する)の断面図である。
図3は、カートリッジBの断面図である。
ここで、装置本体Aとは、電子写真画像形成装置からカートリッジBを除いた部分である。本実施例では、カートリッジBはプロセスカートリッジであるが、現像装置であってもよい。この現像装置が単独で装置本体に着脱可能(又は、挿入可能)な構成とした場合は、画像形成装置の構成から現像装置を除いた装置構成部分を装置本体とする。
<画像形成装置の全体構成>
図2に示す画像形成装置は、カートリッジBを装置本体Aに着脱可能(又は、挿入可能)とした電子写真技術を利用したレーザビームプリンタである。カートリッジBが装置本体Aに装着されたとき、カートリッジBの電子写真感光ドラム62に潜像を形成するための露光装置3(レーザスキャナユニット)が配置される。また、カートリッジBの下側に画像形成対象となる記録材(以下、シート材Pと記載する)を収納したシートトレイ4が配置されている。
更に、装置本体Aには、シート材Pの搬送方向Dに沿って、ピックアップローラ5a、給送ローラ対5b、搬送ローラ対5c、転写ガイド6、転写ローラ7、搬送ガイド8、定着装置9、排出ローラ対10、排出トレイ11等が順次配置されている。なお、定着装置9は、加熱ローラ9a及び加圧ローラ9bにより構成されている。
<画像形成プロセス>
次に、画像形成プロセスの概略を説明する。プリントスタート信号に基づいて、電子写真感光ドラム(以下、ドラム62と記載する)は矢印R方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。
バイアス電圧が印加された帯電部材である帯電ローラ66は、ドラム62の外周面に接触し、ドラム62の外周面を一様均一に帯電する。
露光装置3は、画像情報に応じたレーザ光Lを出力する。そのレーザ光LはカートリッジBのクリーニング枠体71に設けられたレーザ開口71hを通り、ドラム62の外周面を走査露光する。これにより、ドラム62の外周面には画像情報に対応した静電潜像が形成される。
一方、図3に示すように、現像装置としての現像ユニット20において、トナー室29内のトナーTは、第1搬送部材43、第2搬送部材44、第3搬送部材50の回転によって撹拌、搬送され、トナー供給室28に送り出される。搬送部材は、軸部とシート状の搬送部とを有し、シート状の搬送部が軸部に取り付けられている。軸部が回転することによりシート状の搬送部も回転し、シートに押されてトナーが搬送される。現像ローラに一番近い搬送部材の軸部は、現像ローラの長手方向から見た場合に、第1電極板と第2電極板との間の直上に位置している。
現像剤担持体側から第1から第3の搬送部材が配置されている。トナー室29とトナー供給室28とは、枠体で構成されている。本実施例では、第1枠体と第2枠体の2つの枠体を溶着してトナー室29とトナー供給室28を形成している。
現像剤であるトナーTは、マグネットローラ34(固定磁石)の磁力により、現像剤担持体である現像ローラ32の表面に担持される。
トナーTは、現像剤層規制部材である現像ブレード42によって、摩擦帯電されつつ現像ローラ32周面上での層厚が規制される。
そのトナーTは、静電像または静電潜像に応じてドラム62へ転移され、現像剤像であるトナー像として可視像化される。
また、図2に示すように、レーザ光Lの出力タイミングとあわせて、ピックアップローラ5a、給送ローラ対5b、搬送ローラ対5cによって、装置本体Aの下部に収納されたシート材Pがシートトレイ4から送り出される。そして、そのシート材Pが転写ガイド6を経由して、ドラム62と転写ローラ7との間の転写位置へ搬送される。この転写位置において、トナー像はドラム62からシート材Pに順次転写されていく。
トナー像が転写されたシート材Pは、ドラム62から分離されて搬送ガイド8に沿って定着装置9に搬送される。そしてシート材Pは、定着装置9を構成する加熱ローラ9aと加圧ローラ9bとのニップ部を通過する。このニップ部で加圧・加熱定着処理が行われてトナー像はシート材Pに定着される。トナー像の定着処理を受けたシート材Pは、排出ローラ対10まで搬送され、排出トレイ11に排出される。
一方、図3に示すように、転写後のドラム62は、クリーニング部材であるクリーニングブレード77により外周面上の残留トナーが除去されて、再び、画像形成プロセスに使用される。ドラム62から除去されたトナーはクリーニングユニット60の廃トナー室71bに貯蔵される。
本実施例においては、帯電ローラ66、現像ローラ32、転写ローラ7、クリーニングブレード77がドラム62に作用するプロセス手段である。
<カートリッジ着脱>
次に、装置本体Aに対するカートリッジBの着脱について、図4を用いて説明する。
図4(a)は、カートリッジBを着脱するために開閉扉13を開いた装置本体Aの斜視図である。図4(b)は、カートリッジBを着脱するために開閉扉13を開き、移動部材または引き出し部材であるカートリッジトレイ18を引き出した状態の装置本体AとカートリッジBの斜視図である。図4(c)は、開閉扉13を開き移動部材であるトレイ18を引き出した状態で、カートリッジBを取り出した状態の斜視図である。
移動部材であるトレイにカートリッジを装着した状態で装置本体内部にトレイを移動可能な構成になっている。
装置本体Aには開閉扉13が回動可能に取り付けられており、この開閉扉13を開くとカートリッジ挿入口17が設けられている。カートリッジ挿入口17内にはカートリッジBを装置本体Aに装着するための移動部材であるトレイ18が備えられており、トレイ18を所定の位置まで引き出すと、カートリッジBが、移動部材であるトレイ18に対して着脱方向Eに沿って着脱可能となる。そして、カートリッジBはトレイ18に載せられた状態で図4(b)の矢印C方向にガイドレール(不図示)に沿って装置本体A内に装着(又は、挿入)される。
<カートリッジ支持>
次に、装置本体AのカートリッジBの支持構成について、図1、図4、図5を用いて説明する。
図4(a)に示すように、装置本体AにはカートリッジBを支持するための駆動側板15と非駆動側板16が設けられている。また、図5に示すように、駆動側板15には駆動側第1支持部15a、駆動側第2支持部15b及びカートリッジBの回転支持部15cが設けられている。非駆動側板16には非駆動側第1支持部16a、非駆動側第2支持部16b及び回転支持部16cが設けられている。
一方、カートリッジBの被支持部として、ドラム軸受73の被支持部73b、被支持部73d、クリーニング枠体71の駆動側ボス71a、非駆動側突部71fと非駆動側ボス71gがそれぞれ設けられている。そして、被支持部73bが駆動側第1支持部1a、被支持部73dが駆動側第2支持部1bにより支持され、駆動側ボス71aが回転支持部15cにより支持される。また、非駆動側突部71fが非駆動側第1支持部16aと非駆動側第2支持部16bにより支持され、非駆動側ボス71gが回転支持部16cにより支持される。
また、図1および図5(a)で示すように、ドラム軸受73に設けられた被規制部61が、装置本体Aに設けられた規制部2に対して嵌め合うことにより、カートリッジBのドラム軸線方向の位置が決まり、カートリッジBは装置本体A内で位置決めされる。
<カートリッジ全体の構成>
次にカートリッジBの全体構成について図3、図6、図7、図8を用いて説明する。図3はカートリッジBの断面図である。図7、図8は、カートリッジBの構成を説明する斜視図である。図7(b)及び図8(b)は、図7(a)及び図8(a)の点線部内の箇所を、角度を変えて拡大した部分拡大図である。なお本実施例においては各部品を結合する際のビスに関しては省略して説明する。
図3に示すように本実施例のカートリッジBは、クリーニングユニット60と、現像ユニット20とを有する。本実施例では、クリーニングユニット60と現像ユニット20が結合したプロセスカートリッジが画像形成装置に着脱可能(又は、挿入可能)な構成について説明している。しかし、これに限定されず、クリーニングユニット60が単体のクリーニング装置としてや現像ユニット20が単体の現像装置として、画像形成装置に着脱可能(又は、挿入可能)な構成であってもよい。また、本実施例では、カートリッジBが移動可能なトレイに支持された状態で移動することで装置内に挿入されるが、ユーザ自身が直接カートリッジBを挿入する装置でもよい。
図3に示すように、クリーニングユニット60は、ドラム62と、帯電ローラ66と、クリーニング部材77と、これらを支持するクリーニング枠体71と、クリーニング枠体71に溶着等で固定された蓋部材72を有する。クリーニングユニット60において、帯電ローラ66、クリーニング部材77は、それぞれドラム62の外周面に接触して配置される。
本実施例のクリーニング部材77は、弾性材料としてのゴムで形成されたブレード状の弾性部材であるゴムブレード77aと、ゴムブレードを支持する支持部材77bと、を有する。ゴムブレード77aは、ドラム62の回転方向に対してカウンター方向にドラム62に当接している。即ち、ゴムブレード77aは、その先端部がドラム62の回転方向の上流側を向くようにドラム62に当接している。本実施例はクリーングブレードを用いてクリーニング部材を説明しているが、これに限定されるものではなく、ローラ状のクリーニング部材なども用いることが可能である。
図6(a)は、クリーニングユニット60の断面図である。図3に示すようにクリーニング部材77によってドラム62の表面から除去された廃現像剤(以下、廃トナー)は、廃トナー搬送部材86により搬送される。廃トナー搬送部材は、軸とトナーを搬送する搬送部を少なくとも有する。
本実施例では、廃トナー搬送部材がスクリューの場合について説明する。図6に示すように、クリーニングユニット60は、第1スクリュー86、第2スクリュー87、第3スクリュー88、クリーニング枠体71、スクリュー蓋74、蓋部材72を有する。現像剤収容容器としての廃トナー収容容器75は、クリーニング枠体71とスクリュー蓋74、蓋部材72を結合したものであり、廃トナーを収容する。
第1廃トナー搬送部材として第1スクリュー86があり矢印X方向にトナーを搬送した後、第2廃トナー搬送部材としての第2スクリュー87によって更にトナーを矢印Y方向に搬送する。その後、クリーニング枠体71と蓋部材74によって形成された廃トナー室71bの内部に設けられた第3廃トナー搬送部材としての第3スクリュー88によって、トナーを廃トナー室71bに溜める。本実施では、第1スクリュー86と第3スクリュー88の回転軸線はドラム62の回転軸線と平行であり第2スクリュー87の回転軸線はドラム62の回転軸線と直交している。ただし、このような配置関係にならなくても、駆動力を伝達できトナーを搬送することができればよい。例えば、第1スクリューの軸線と第2スクリューの軸線は交差していればよく、第2スクリューの回転軸線がカートリッジBの長手方向端部から内側に傾いている構成でもよい。また、第1スクリューの軸線と第3スクリューの軸線も平行でなく交差する方向でもよい。
廃トナー搬送部材であるスクリューには、トナーを搬送する現像剤搬送部が設けられている。現像剤搬送部は、廃トナーを搬送できればよく、らせん状の突起部を設けたものや複数のねじれた羽根形状を設けたものでもよい。また、スクリューに限定したものではなく、廃トナーを廃トナー搬送部材の軸方向に搬送できる構成であれば良く、例えばコイルなどで廃トナーを搬送しても良い。
また、図3に示すように、クリーニング枠体71から廃トナーが漏れることを防止するためのドラム当接シート65が、ドラム62に当接するようにクリーニング枠体71の縁部に設けられている。ドラム62は、駆動源である本体駆動モータ(不図示)から駆動力を受けることにより、画像形成動作に応じて、図中矢印R方向に回転駆動される。
帯電ローラ66は、クリーニング枠体71の長手方向(ドラム62の回転軸線方向と略平行)の両端部において、帯電ローラ軸受67を介し、クリーニングユニット60に回転可能に取り付けられている。帯電ローラ66は、帯電ローラ軸受67が付勢部材68によりドラム62に向けて加圧されることでドラム62に圧接されている。帯電ローラ66は、ドラム62の回転に従動回転する。
図3に示すように、現像ユニット20は、現像ローラ32と、現像ローラ32を支持する現像容器23と、現像ブレード42等を有する。現像ローラ32はその中心軸がドラム62の回転軸線と同方向になるように配置される。現像ローラ32内にはマグネットローラ34が設けられている。また現像ユニット20において、現像ローラ32上のトナー層を規制するための現像ブレード42が配置されている。図7(a)、図8(a)に示すように、現像ローラ32には間隔保持部材38が現像ローラ32の両端部に取り付けられており、間隔保持部材38とドラム62が当接することで、現像ローラ32はドラム62と微少隙間をもって保持される。また、図3に示すように、現像ユニット20からトナーが漏れることを防止するための現像ローラ当接シート33が、現像ローラ32に当接するように底部材22の縁部に設けられている。更に、現像剤収容容器は、第1枠体としての現像容器23と第2枠体としての底部材22との枠体によって構成され、内部にトナー室29を持つ。トナー室29には、第1搬送部材43、第2搬送部材44、第3搬送部材50が設けられている。第1搬送部材43、第2搬送部材44、第3搬送部材50は、トナー室29に収容されたトナーを撹拌すると共に、トナー供給室28へトナーを搬送する。
トナー室29とトナー供給室28の間には開口29a(破線で示す部位)が設けられており、この開口29aはカートリッジBが使用されるまではシール部材45によって封止されている。シール部材45はポリエチレンなどの材料からなるシート状の部材で、一端側が開口29aの周囲において枠体である現像容器23に溶着されており、他端側は第1搬送部材43に固定されている。そして、カートリッジBが最初に使用されるときに第1搬送部材43が回転すると、シート部材45は現像容器23との溶着部分が剥がされながら第1搬送部材43に巻き取られ、開口29aが開放される。
図7(a)、図8(a)に示すように、カートリッジBはクリーニングユニット60と現像ユニット20を合体して構成される。
クリーニングユニット60には、クリーニング枠体71、蓋部材74、ドラム62、ドラム62を回転支持するためのドラム軸受73及びドラム軸78が設けられている。図8(b)に示すように、駆動側においては、ドラム62は、駆動側に設けられた駆動側ドラムフランジ63がドラム軸受73の穴部73aにより回転可能に支持される。一方、図7(b)に示すように、非駆動側は、クリーニング枠体71に設けられた穴部71cに圧入されたドラム軸78が、非駆動側ドラムフランジ64の穴部(不図示)を回転可能に支持する構成となっている。
図3、図7(a)、図8(a)に示すように、一方、現像ユニット20は、枠体である底部材22、他の枠体である現像容器23、枠体の一部である駆動側現像サイド部材26を備える。また、現像ユニットは、現像剤層厚規制部材である現像ブレード42、現像剤担持体である現像ローラ32等からなる。また現像ローラ32は、駆動側に設けられた軸受部材27、非駆動側に設けられた軸受部材37により回転可能に現像容器23に取り付けられている。
そして、図7(b)、図8(b)に示すように、クリーニングユニット60と現像ユニット20を結合ピン69で互いに回動可能に結合することによってカートリッジBを構成する。
具体的には、現像ユニット20の長手方向の両端部には、現像容器23に現像第1支持穴23a、現像第2支持穴23bが設けられている。また、クリーニングユニット60の長手方向両端部には、クリーニング枠体71に第1吊り穴71i、第2吊り穴71jが設けられている。第1吊り穴71i、第2吊り穴71jに圧入固定された結合ピン69と現像第1支持穴23a、現像第2支持穴23bが嵌合することにより、クリーニングユニット60と現像ユニット20は互いに回動可能に連結される。
また、駆動側付勢部材46Rの第1穴部46Raはドラム軸受73のボス73cに掛けられ、第2穴部46Rbが駆動側現像サイド部材26のボス26aに掛けられている。
また非駆動側付勢部材46Fの第1穴部46Faはクリーニング枠体71のボス71kに掛けられ、第2穴部46Fbが軸受部材37のボス37aに掛けられている。
本実施例においては駆動側付勢部材46R、非駆動側付勢部材46Fは引っ張りバネで形成されている。この引っ張りバネの付勢力により現像ユニット20をクリーニングユニット60に付勢させることで現像ローラ32をドラム62の方向へ確実に押し付けるよう構成する。そして、現像ローラ32の両端部に取り付けられた間隔保持部材38によって、現像ローラ32はドラム62から所定の間隔をもって保持される。
<現像剤残量検出手段>
次に、現像剤残量検出の構成について、図1、図9、図10、図11、図12を用いて説明する。図1は、現像剤残量検出手段を説明する現像ユニット20の断面図である。図9(a)は図6をG−Gの位置で切断した現像ユニット20の断面図である。図9(b)は図9(a)をK−Kの位置で切断した現像ユニット20の非駆動側の端部付近の断面図である。図10(a)は、カートリッジBが装置本体Aに挿入された時の、現像ユニット20を図5(b)の方向Nから見たカートリッジBに、装置本体Aの現像剤残量検出手段に関わる構成を加えて示した斜視図である。図10(b)は、枠体の一部である現像ローラの軸受部材37の斜視図である。図11はカートリッジBが装置本体Aに挿入される時の、現像ユニット20と装置本体Aの現像剤残量検出手段の電気的な接続に関わる構成の側面図である。図12は装置本体Aの現像剤残量検出手段の電気的な接続に関わる部分の図である。
図1に示すように、枠体である底部材22に、枠体内に収容された現像剤量であるトナー量を検出するための検出部としての導電部材と、導電部材に接続される接点が設けられている。
本実施例では、導電部材が電極板で、接点が電極接点板の場合について説明する。本実施例では、第1導電部材として第1電極板91と第2導電部材として第2電極板92の2つの電極板が枠体に設けられている。第1導電部材と第2導電部材ともに、現像ローラの長手方向に延伸している構成である。第1電極板91は、現像スリーブである現像ローラ32に対して第2電極板92より近い位置に配置される。また図10(a)に示すように、第1接点として第1電極接点板101、第2接点として第2電極接点板102、現像接点として現像接点板103が、底部材22のトナー室29に対して外側(又は、反対側)の面に設けられている。つまり、枠体である底部材22の一方の面側に第1電極板91が設けられ、反対側の他方の面側には第1電極接点101が設けられている。本実施例では、第2電極板と第2電極接点板でも同じ関係である。
また、図1では、底部材22のトナー室29に対して外側の面(又は、反対側の面)に設けられている第1電極接点板101、第2電極接点板102、現像接点板103を点線で示す。各接点は、カートリッジBを画像形成装置に挿入する挿入方向と垂直な垂直方向において、外側から内側に、現像接点である現像接点板103、第1接点である第1電極接点板101、第2接点である第2電極接点板102の順番に配置されている。
さらに、図1に示すように、現像ローラ32は、導電体としてのスリーブ32aを持つ。また、図10(b)に示すように、枠体の一部でもある軸受部材37には、導電樹脂を2色成形した導電摺動部としての軸受部材導電樹脂部37bが設けられている。軸受部材導電樹脂部37bの一部は、現像ローラ32を回転可能に保持しかつ現像ローラ32のスリーブ32aと摺擦する。
図1に示すように、第1電極板91および第2電極板92は、枠体である底部材22に第1面91aと第2面92aが対向する位置に設けられている。また、本実施例の第1面91aと対向する第2面92aは、トナー室29の内部表面上に現像剤であるトナーと接する位置に設けられている。本実施例では、トナーと接する位置に設けられているが、保護膜が第1面や対向する第2面を覆っている構成でもよい。また、第1面91aおよび第2面92aはそれぞれ現像剤担持体の長手方向に延伸している。図9(b)は、第1電極板91と底部材22の断面の構成を示したものである。第1電極板91は、第1面91aの非駆動側の端部で底部材22に設けられた穴部22aを通ってトナー室29の外部に露出される。第1露出部91dは、第1電極板91のうち、トナー室29の外部に露出する部分である。第1電極板91は、第1露出部91dで、第1接点である第1電極接点板101に接続される。本実施例では、電極板の露出部と接続する電極接点板を別部材として設けているが、露出部がそのまま画像形成装置側の接点と電気的に接続する接点になってもよい。図9(b)では、第1電極接点板101が第1露出部91dに積層された状態になっている。なお、図9(b)では第1電極板91の構成を示すものであるが、上記の構成は第2電極板92でも同様であり、第2電極板92は、第1露出部91dに対応する第2露出部92dを備える。そして、第2露出部92dは、第2接点である第2電極接点板に接続される。この場合も第2電極接点板が第2露出部の上に積層された状態であり、第2露出部を覆っている。また、図10(b)のように、軸受部材37の軸受部材導電樹脂部37bは、現像ローラ32のスリーブ32aを回転可能に支持することで、現像ローラのスリーブ32aと電気的にも接続される。さらに、現像接点板103は軸受部材導電樹脂部37bと接続される。
図1のように、第1面91aの非駆動側の端部は、現像剤担持体の長手方向において、第1電極接点板101まで延伸されている。第2面92aの非駆動側の端部は、現像剤担持体の長手方向において、第2電極接点板102まで延伸されている。図9(b)に示すように、本実施例では第1露出部91dおよび第2露出部92dを電極板の非駆動側の端部に設けている。第1露出部91dおよび第2露出部92dを端部に設けることにより、曲げ個数を減らすなど第1露出部91dおよび第2露出部92d近傍の形状を簡略化でき、また電極接点板より非駆動側に電極板を設けないことで材料費などのコストを抑えられる場合がある。
また、図10(a)に示すように、装置本体Aにカートリッジの接点と電気的に接続可能な本体接点である第1押圧部111、第2押圧部112、現像押圧部113が設けられている。本実施例では、第1本体接点を第1押圧部111、第2本体接点を第2押圧部112、現像本体接点を現像押圧部113とし、カートリッジ側の接点と電気的に接続可能な構成となっている。第1押圧部111、第2押圧部112、現像押圧部113には、ねじりコイルばねが設けられており、ねじりコイルばねの中心に一定の角度範囲で回転可能に配置されている。そして、第1、第2電極接点板、現像接点板(101、102、103)には、第1、第2、現像被押圧部(101a、102a、103a)が、それぞれ対応している。この第1、第2、現像被押圧部(101a、102a、103a)は、それぞれ、装置本体Aの第1、第2、現像押圧部(111、112、113)と当接し、電気的に接続する。第1被押圧部101a、第2被押圧部102a、現像被押圧部103aはすべて、鉛直下方向を向く面となるように設けられている。
また、図1に示すように、第1電極接点板101と第2電極接点板102は現像剤担持体の長手方向又は現像装置を画像形成装置の内部に挿入する挿入方向と垂直な垂直方向で異なる位置に配置されている。
さらに、図12に示すように、第1と第2押圧部111、112は、カートリッジBが装置本体Aに挿入された際に、挿入方向と垂直な垂直方向M(本実施例では、現像剤担持体の長手方向と同じ方向)において、重ならないように設けられている。また、垂直方向M上に、カートリッジの外側から内側(または、カートリッジの長手方向の中央)に向かって、現像接点である現像接点板、第1接点である第1電極接点板、第2接点である第2電極接点板の順に配置されている。別の言い方をすると、第1接点は、カートリッジBを画像形成装置の内部に挿入する挿入方向と垂直な垂直方向において、現像接点より内側に配置される。また、第2接点は、カートリッジBを画像形成装置の内部に挿入する挿入方向と垂直な垂直方向において、第1接点より内側に配置される。さらに、別の観点から、第1接点は、第2接点と現像接点の間に位置する。また、第1接点は、カートリッジの長手方向の中央と現像接点との間に位置する。また、第2接点は、カートリッジの長手方向の中央と第1接点との間に位置する。また、第2接点は、カートリッジの長手方向の中央と現像接点との間に位置する。第1接点、第2接点、現像接点は、長手方向に直交する方向(トレイに載ったカートリッジが装置内部に挿入される挿入方向と同じ方向)上に重ならないように一定の間隔(一定の距離)をもって配置されている。このため、カートリッジを装置内部に挿入した際に、装置本体Aの第1本体接点がカートリッジ側の第2接点である第2電極接点板に接触することがない。また、カートリッジを装置内部に挿入する挿入方向(現像剤担持体の長手方向に直交する方向の一つ)で見た場合に、現像接点が第1接点に対して上流に位置し、第2接点が第1接点に対して下流に位置する。なお、本実施例において、各接点の位置関係は、垂直方向Mにおいて、各接点の外側の端部の位置を基準に説明している。もちろん、本体接点の当接位置を基準に考えてもよい。
カートリッジBが装置本体Aに装着(又は、挿入)される際、現像剤残量検出手段が装置本体Aと接続される流れを説明する。図4(b)に示すように、カートリッジBは装置本体Aに装着されるまでに、挿入方向であるC方向に進行する。図11(a)はカートリッジBが装置本体Aに完全に装着される前の状態であり、第1電極接点板101、第2電極接点板102、現像接点板103と、第1押圧部111、第2押圧部112、現像押圧部113がそれぞれ接触する直前の状態を示したものである。
この状態からカートリッジBがC方向にさらに進行すると、第1被押圧部101aが第1押圧部111を、第2被押圧部102aが第2押圧部112に、現像被押圧部103aが現像押圧部113を倒す。図11(b)はカートリッジBが装置本体Aに完全に装着された時の状態を示したものであり、その時カートリッジBが位置決めされる。カートリッジBが完全に装置本体Aに装着された時、第1押圧部111と第2押圧部112と現像押圧部113は、それぞれねじりコイルばねの復元力により、第1被押圧部101aと第2被押圧部102aと現像被押圧部103aを押圧する。ここで、第1電極接点板101と第2電極接点板102とをカートリッジの挿入方向の直線上に重なるように配置した設計を検討する。この位置は、垂直方向M(又は、現像剤担持体の長手方向)で一致した場所に配置したとも言える。図12とは異なる配置になる。この場合、第1押圧部111と第2押圧部112とも、カートリッジの挿入方向(カートリッジの長手方向と直交する直交方向)で重なるように配置される。この場合、矢印C方向にカートリッジBを装着する時、第1電極接点板101が第2押圧部112に乗り上げ、摺擦しながら移動し、さらに挿入されると、接触が解除されることになる。同様に、矢印C方向と逆方向にカートリッジBを取り出す時にも第1電極接点板101が第2押圧部112に乗り上げながら越えることになる。このような構成にすると、カートリッジB着脱時に乗り上げの負荷が生じるため、カートリッジBのスムーズな装置本体への着脱が損なわれる。
本件では、現像接点板103、第1電極接点板101、第2電極接点板102を垂直方向Mでずらして配置させている。また、同様に、現像押圧部113、第1押圧部111と第2押圧部112も垂直方向Mでずらして配置させている。これにより、カートリッジBがC方向に進行する際、第1電極接点板101が第2押圧部112に乗り上げない構成になる。同様に、現像接点板103は、第1押圧部111や第2押圧部112と接触することがないため、第1押圧部111や第2押圧部112に乗り上げることがなくなる。そのため、カートリッジBがC方向に進行する際の軌跡を簡略化し、装置本体Aを小型化できる。
また、図10や図11に示すようにトナー室の側面側ではなく底面側に接点を設けることにより、カートリッジBの側面の位置まで長手方向に接点を延長するための部材を追加するなどの構成をとる必要がなくなるため、構造を簡略化できる場合がある。本実施例では、底面側に各接点が露出した構成になっている。
次に、図9(a)を用いて現像剤残量検出が実施される流れを説明する。電圧印加部である現像バイアス電源130から現像ローラ32にAC電圧が印加されると、現像ローラ32と第1面91aとの間に、現像ローラ32と第1面91aとの間の静電容量に対応した電流が誘起される。
また、電圧印加部である現像バイアス電源130から第2電極板92にAC電圧が印加されると、第1面91aとその面と対向する第2面92aとの間の静電容量に対応した電流が誘起される。ここで、現像ローラ32と第1面91aとの間の静電容量は、現像ローラ32と第1面91aとの間の現像剤量であるトナー量に応じて変化する。第1面91aと第2面92aとの間の静電容量は、第1面91aと第2面92aとの間の現像剤量であるトナー量に応じて変化する。
そして、第1電極板91に流れる電流値の変化は、第1電極接点板101を介して、電圧値に変換されて装置本体A内の検出部である現像剤量検出装置131によって測定される。もちろん、電流を直接検出する構成でもよい。
さらに、カートリッジBの寿命を通した現像ユニット20内部のトナーの状態の変化を説明する。寿命初期(例えば、未使用時や新品の状態をいう)において、現像ユニット20内部は、現像剤であるトナーで大部分を満たしている。カートリッジBが使用されて寿命に近づくと、現像ユニット20内部の全体的なトナー量は減少する。一方で、現像ユニット20内部に設けられた第1、第2、第3搬送部材(43、44、50)によって、トナーは現像ローラ32に近づくように搬送されるため、現像ローラ32に近づく領域ほど、トナー量が多くなる。つまり、カートリッジB内部(又は、枠体内部)の全体の現像剤量であるトナー量は少なくなっているが、現像ローラ近傍の領域(例えば、現像ローラのから第1搬送部材までの領域)のトナー量は減少量が小さい。そのため、現像ローラ近傍領域のトナー量が他の領域と比べると多い状態になっている。したがって、現像剤量であるトナー量が残り少ないことを検出する際には、現像剤残量検出の精度は、現像ローラ32と第1面91a間を、第1面91aと第2面92bとの間よりも、高める必要がある。特に、カートリッジ内(又は、枠体内)に収容される現像剤量が大きいカートリッジにおいてはより検出精度の高さが求められる。
本実施例では、図1に示すように、カートリッジBの挿入方向に垂直な垂直方向M又は現像剤担持体の長手方向において、第2電極接点板102を第1電極接点板101と現像ローラ32の長手中心Cとに挟まれた領域Iに配置した。つまり、第2電極接点板102は、第1電極接点板101と現像ローラの長手方向の中心との間に配置される。
また、本実施例では、図1に示すように、第1接点は、カートリッジを画像形成装置の内部に挿入する挿入方向と垂直な垂直方向において、前記現像接点より内側に配置される。そして、第2接点は、現像装置を前記画像形成装置の内部に挿入する挿入方向と垂直な垂直方向において、第1接点より内側に配置される。
上記のような配置をとることで、枠体である底部材22の現像ローラの長手方向において端部近傍まで導電部材を設けることができる。そのため、現像ローラ32に近いために現像剤残量検出の精度が必要な第1面91aの長手方向における幅を、第2面92aの長手方向における幅に比べて長くすることができる。これにより、現像ローラ近傍のトナー残量を精度よく検出することができる。
本構成によって、第1露出部91dおよび第2露出部92dを底部材の底部側に設けることにより、接点をカートリッジ側面に設ける必要がなくなる。このために、電極板を非駆動側の側壁近傍まで伸ばす必要がなく、コストの低減が可能になる。また、現像ローラ32に対して第2電極板92より近い第1電極板91の幅を長く保つことにより、現像ローラ近傍領域での現像剤残量検出の十分な精度を得ることが可能となる。
次に、実施例2について説明する。実施例2では、電極板91の代わりに電極シートを用いている。シートであるため、シート単体では可撓性がある。本実施例では、この電極シートに導電性を付与した樹脂導電部材を用いている。本実施例の樹脂導電部材は、樹脂の中にカーボンブラックなどの導電材料を分散させた樹脂導電部材を用いているが、これに限定されず、樹脂自体が導電性を有するような材料を用いてもよい。
なお、実施例2では、実施例1と異なる部分について詳細に説明する。そのため、特に改めて記載しない限りは、材質、形状などは実施例1と同様である。そのような部分については、同一の番号を付与し、詳細な説明は省略する。
実施例2では、図13に示すように、第1電極板91の代わりに第1電極シート96が、第2電極板92の代わりに第2電極シート97が設けられている。第1電極シート96および第2電極シート92は、導電性を有する樹脂シートで形成される。第1電極シート96には、第1電極板91の第1面91aに相当する第1面96aが、第2電極シート97には、第2電極板92の第2面92aに相当する第2面97aが配置される。電極シートの配置は、実施例1と同様である。
実施例2では、更に、第3電極シート98と第4電極シート99が設けられている。カートリッジB内の現像剤量を逐次検出するために、現像ローラから一番離れた収容部の現像剤量も検出できるように、第3導電部材である第3電極シート98と第4導電部材である第4電極シート99を設けた。第3電極シート98のカートリッジの長手方向の端部側、枠体である底部材22の裏面に第3電極接点板98aが設けられている。同様に、第4電極シート99のカートリッジの長手方向の端部側で、枠体である底部材22の裏面に第4電極接点板99aが設けられている。なお、実施例2では、4枚の電極シートを用いているが、3枚の電極シートでもよい。
<現像剤収容容器製造方法概要>
実施例2において、底部材22が第1電極シート96と第2電極シート97をインサートして成形される製造方法を、図14、図15を用いて説明する。図14は、現像剤収容容器製造方法を説明する現像剤収容容器の斜視図である。図15は、現像剤収容容器製造方法を説明する金型断面図である。
図14に示すように、現像剤収容容器は、前述のように現像容器23と底部材22によって構成されている。第1電極シート96と第2電極シート97は、底部材22に一体的に形成される。
図15は、底部材22を成形するための金型全体の断面図の一例を示しており、図15(a)は金型が開いている状態を示しており、図15(b)は金型が閉じている状態を示した図である。
第1金型121と第2金型122が設けられ、それぞれに底部材22の表面形状に対応した形状が形成されている。第1金型121には、金型内に樹脂を注入するための注入口(ゲート)123が設けられる。
まず図15(a)の金型が開いている状態で、第1電極シート96から第4電極シート99の4枚を金型内にインサート(挿入)する。
第1電極シート96と第2電極シート97にそれぞれ、第1被吸引部96bと第2被吸引部97bが設けられる。同様に、第3電極シート98と第4電極シート99にも、それじれ第3被吸引部と第4被吸引部がある。第1被吸引部96bから第4被吸引部99bに対応する第2金型122の面に、微細な空気穴を設けられる。この空気穴を不図示の吸引装置に連結することによって、空気穴から空気を吸引し、第1電極シート96から第4電極シート99は第2金型122に吸着され固定される。
次に図15(b)のように、第1金型121と第2金型122が合わせられる(型閉)。溶融樹脂が注入口123から、第1金型121と第2金型122が合わせられることにより形成される空隙部(キャビティ)124に流し込まれる。溶融樹脂が第1電極シート96から第4電極シート99までを押し付けたまま固まることで、底部材22が第1電極シート96から第4電極シート99と一緒に一体化成形される。また成形時において空隙部124内の樹脂は、注入口123から成形する形状の端部へ向かって流れていく。このため、注入口123を上流とし、成形される形状の端部を下流と定義することができる。底部材22は、注入口123から注入された樹脂が上流から下流に向かう矢印Jに流れていくことで形状が成形される。
以上の説明は、第1電極シート96から第4電極シート97の樹脂シートを4枚、金型にインサートする説明であるが、必要に応じて同じ方法で樹脂シートを何枚インサートしても良い。
<電極シートのインサート成形>
次に、現像剤収容容器を製造する際における、第1電極シート96が金型にインサートされる挙動の詳細について、図16、図17を用いて説明する。図16は第2金型122に第1電極シート96を固定する際に固定位置を変更したときに起こりうる課題を説明する図である。
図17は底部材22が第2金型122のスライド駒125近傍で成形される時の構成を示す、第1金型121と第2金型122と第1電極シート96の断面図である。
図16(a)に示すように、第1電極シート96は、第1電極シート96の上流側端部に設けられた第1被吸引部96bが第2金型122の面に設けられた微細な空気穴(不図示)により吸着され第2金型122と固定される。
ここで第1被吸引部96bは、樹脂が矢印Jに流れる際、金型との相対位置を樹脂の矢印Jにおいて固定する役割を有している。
次に、図16(b)に示すように、第1電極シート96の上流側端部より下流側に第1被吸引部96bを設けた構成を説明する。第1電極シート96の上流側端部より下流側に第1被吸引部96bを設けると、矢印J方向の上流側から流れてきた溶融樹脂に押される場合がある。その時、第1被吸引部96bの矢印Jの上流側である第1電極シート96の上流側端部が第2金型122から離れる可能性がある。その結果、第1電極シート96のうち第1被吸引部96bの上流側の部分である領域Z1において第1電極シート96と第2金型122の間に溶融樹脂が流れ込む。これにより、成形された底部材22により領域Z1にある第1面96aの一部がトナー供給室28に露出せず樹脂に覆われる可能性がある。そして覆われた樹脂により、現像ローラ32と第1面91aとの間の静電容量、または第1面91aと第2面92aとの間の静電容量に影響を与え、現像剤残量検出の精度を低下させる可能性がある。
また、図16(c)のように、第1被吸引部96bが分断されて設置された場合について説明する。第1被吸引部96bが分断されて設置された場合において、矢印J方向にそって上流側から流れてきた溶融樹脂が第1被吸引部96bの間に設けられた領域Z2に流れ込む可能性がある。そして流れ込んだ溶融樹脂に領域Z2の第1電極シート96が押されて、領域Z2の第1電極シート96が第2金型122から離れる可能性がある。上記の結果、領域Z2で、第1電極シート96と第2金型122の間に溶融樹脂が流れ込み、成形された底部材22において、領域Z2にある第1面96aの一部がトナー供給室28に露出せず樹脂に覆われる可能性がある。その結果、覆われた樹脂が、現像ローラ32と第1面91aとの間の静電容量、または第1面91aと第2面92aとの間の静電容量に影響を与え、現像剤残量検出の精度を低下させる可能性がある。
つまり、電極シートの被吸引部を樹脂の流れの上流側に設けることにより、電極シートを枠体の設計通りの位置に正確に配置することができる。このため図16(a)に示すように、第1被吸引部96bは、上流側端部に設けられることが望ましい。
次に、第1電極シート96のうち、トナー室29の外部に露出する部分である、第1露出部96dについて、現像剤収容容器が製造される際の挙動を説明する。なお、他の第2から第4電極シート(97〜99)にも第1露出部96dに対応する第2から第4露出部(97d、98d、99d)が設けられている。
図17に示すように、第2金型122にはスライド駒125が設けられている。スライド駒125は第2金型122から第1金型121に向かう方向に、侵入位置と退去位置との間で移動可能である。
図17(a)はスライド駒125が侵入位置にある時、図17(b)はスライド駒125が退去位置にある時の構成を示したものである。
第1金型121と第2金型122が合わせられたとき(型閉)に、スライド駒125は図17(a)の侵入位置に移動されている。このとき、第1電極シート96はスライド駒125と第1金型121によって挟み込まれる。次に、溶融樹脂が注入口123から、空隙部124に流し込まれる。
その後、溶融樹脂が完全に固まる前に、スライド駒125は図17(b)の退去位置に移動(矢印K方向)する。その後、溶融樹脂は、スライド駒125の侵入位置から退去位置に移動することによって形成された領域Fに流れ込む。このような金型構成により第1電極シート96、第2電極シート97を底部材22にインサート成形することができる。
そして図9に示すように、上記のような製造方法によって製造された現像剤収容容器は、第1電極シート96が、第1面96aの非駆動側の端部で底部材22に潜り込み、第1露出部96dでトナー室29の外部に露出される構成となる。
図17に示したように、第1電極シート96は、第1面96aを有する検出部96eと、枠体内部を貫通し第1露出部に繋がる中継部96fと、第1露出部96とで構成されている。この構成は、第1電極シートだけでなく、他の第2電極シートから第4電極シートまで同じ構成を持つ。つまり、電極シートは、枠体に配置された状態で、検出部、中継部、露出部で構成されている。
なお前述したように第1電極シート96は、第1露出部96dで、第1電極接点板101に接続される。
<現像剤残量検出部としての電極>
次に、第1電極シート96および第2電極シート97の物性について詳細に説明する。
本実施例においては、厚みは0.1mmの樹脂シートを用いた。尚、本実施例で述べる導電性を有するとは、JIS K 7194で規定された測定方法による表面抵抗率が10kΩ/sq以下のものを指し、導電性を有さないとは、10kΩ/sqより大きい表面抵抗率のものを指す。
導電性を有する樹脂シートの材料として、カーボンブラックを分散させたエチレン−酢酸ビニル共重合(EVA)系の樹脂を用いた。
本実施例においては、前述した成形方法を用いて、底部材22成形時の熱と圧力により、EVA系の樹脂をPS系の樹脂に接着させることで、導電性を有する樹脂シートである電極シートと底部材22とを一体的に形成する構成とした。
しかしこれに限らず、他の樹脂シートの厚みや樹脂材料同士の組み合わせも用いても構わない。
より具体的には、本実施例においては、枠体の変形への影響や枠体形状への転写性、導電性の観点で0.1mmの樹脂シートを選択したが、適宜樹脂シートの厚みを選択しても構わない。また、樹脂シートの材料として、底部材22の材料と接着性のあるEVA系の樹脂を選択したが、底部材22の樹脂と樹脂同士が溶融し、界面なく一体化できる相溶性のある樹脂を樹脂シートの材料として用いても構わない。
また、本実施例で用いた樹脂の熱変形温度(ガラス転移温度)は、底部材22に用いた樹脂は約90℃、導電性を有する樹脂シートである現像剤残量検出部材に用いたエチレン−酢酸ビニル共重合(EVA)系の樹脂は約80℃であった。
なお、底部材22および電極シートの熱変形温度は例示であって、これに限定されるものではない。電極シートを形成する樹脂の熱変形温度が、枠体を形成する熱変形温度よりも低い関係であれば良い。
<現像剤残量検出手段>
電極シートは上記のように現像剤収容容器にインサートされて成形される。
本実施例では、図13に示すように、カートリッジの長手方向において、外側から長手中央Cに向かって、現像接点板103、第1電極接点板101、第2電極接点板102、第3電極接点板98a、第4電極接点板99aの順に配置されている。なお、上述の配置は、現像剤接点板103などの各部材のカートリッジの長手方向における外側端部の位置を比較している。第1電極接点板は、現像接点板103と第2電極接点板102の間に配置されている。また、第2電極接点板102から第4電極接点板99aは、第1電極接点板101と現像ローラ32の長手中心Cとに挟まれた領域Iに配置されている。第3電極接点板98aは、第2電極接点板102と第4電極接点板99aの間に配置されている。
上記のような配置をとることで、現像剤残量検出の精度が必要な現像ローラ32に近い第1面96aの長手方向における幅を、第2面97aの長手方向における幅に比べて長くすることができる。
同様に、長手方向における長さは、第1面96a、第2面97a、第3電極シート98の第3面98e、第4電極シート99の第4面99eの順に短くなる。つまり、本実施例では、第1面96aの長手の長さが一番長く、第4面99eが一番短くなる。
本構成は、接点をカートリッジの側面に設ける必要がなく、電極シートを側面まで伸ばす必要がなくなり、コストが低減できる。また、現像剤担持体である現像ローラに一番近い第1電極シートの幅を長くできることにより、現像剤残量検出の精度を十分得ることが可能となる。