JP6896388B2 - 3次元造形装置および3次元造形物の製造方法 - Google Patents

3次元造形装置および3次元造形物の製造方法 Download PDF

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本発明は、容器中に収容した光硬化性樹脂に光照射を行い、3次元造形物を製造する3次元造形装置および3次元造形物の製造方法に関する。
近年、未硬化状態の光硬化性樹脂を露光し、固化(硬化)させる工程を繰り返して造形物を形成する3次元造形技術の開発が進められている。この種の3次元造形装置では、造形ステージないし固化済みの造形物(ワーク)上に1層ずつ塗布ローラなどにより材料の光硬化性樹脂を塗布し、光照射を繰り返す構成が知られている。また、容器に収容した光硬化性樹脂中に造形ステージ(ないし造形物の造形済み部分)を浸漬し、下方または上方から光照射を行って層造形を行い、次層の造形のために造形ステージを上方または下方に移動させる構成も知られている。
後者の構成では、前者の構成のような塗布機構を用いないため、例えば造形装置の機械的な構成や制御が簡単である利点があるが、積層方向の造形速度が遅いことが問題とされている(特許文献1)。この造形速度を低下させる要因の1つは、造形条件によっては樹脂の容器、例えば硬化光を透過させる光透過部材の部位で光硬化性樹脂の固着(ないし粘度上昇)が起きる問題である。この場合には、例えば1層を造形した後、次層のためにステージを昇降させる場合に、固着ないし粘度上昇の起きている部位を強制的に引き剥す工程が必要となり、このために造形速度が低下する。また、造形ステージの移動装置に大きな駆動力が必要となる問題もある。また、造形速度を低下させる他の要因は、1層の造形後に造形ステージを移動させた時、これも造形条件にもよるが、次の造形層を形成する空間への光硬化性樹脂の供給が迅速に行われない問題である。
そこで、容器の特定部位、例えば硬化光を透過させる光透過部材の近傍の空間領域において、光硬化性樹脂の硬化(重合)を阻害する状態を形成する手法が提案されている(特許文献2)。この構成では、例えば容器中の光硬化性樹脂に臨む光透過部材をガス透過部材から構成し、その外側から光硬化性樹脂中に光硬化性樹脂の硬化(重合)を阻害する気体(例えば酸素原子を含むもの)を透過させる。この構成によれば、ガス透過部材を透過した気体によって光透過部材の近傍の空間において光硬化性樹脂の硬化(重合)が阻止される。従って、光透過部材に対する固着や、ステージ移動速度を低下させ、次層のための溶融樹脂の供給速度の低下が抑制される。このような構成によって、例えば動画像として硬化光を照射するとともに連続的なステージ移動を行うことなどによって、連続的かつ高速な積層造形動作を行えるようになる可能性がある。
米国特許出願公開第2015/54198号 米国特許第9216546号
ここで、光硬化性樹脂の光硬化と造形ステージの移動を繰り返す造形手法において、各種の造形条件と造形速度の関係について考える。
例えば、動画像照射のような手法により、露光画像を連続的に照射し固化層を連続的に積層する場合、固化層の厚みが0.02mm〜0.2mm程度と非常に薄くなる。そして、1フレーム(例えば1造形層に相当)照射ごとに上記の固化層の厚みに相当する量、ステージを移動させる。ステージ移動により、例えば容器の透過窓近傍との間の密度が低下した空間に樹脂が供給されるが、このような狭い(薄い)空間に対して、未硬化の光硬化性樹脂を供給には時間がかかる。
そこで、光硬化性樹脂の供給速度を上げるため、造形物の各層での断面積を小さくすることや、造形物を複数ブロックに分割して造形するような工夫が行われる。また、光硬化性樹脂に粘度の低い材料を使用する対策なども取られることがある。造形物の各層での断面積を小さくするために、例えばラティス構造のように造形層を小さくまたは小分けにすると、造形物の強度が低くなる問題が生じる。そもそも、ラティス形態のような構造は、必ずしも製造したい所期の造形物の構造に一致しない場合がある。
また、光硬化性樹脂に粘度が低い材料を使用した場合には、固化時の収縮が大きくなり造形物の変形が起きる問題や、光硬化時の重合度が上がらずに強度低下を招いたり、耐熱性が低くなる、といった問題が生じる可能性がある。
そこで、粘度の低い材料を使用し固化層への材料供給を早めるため、動画投影などにより光硬化を行う造形フェーズを急速に実行し、造形フェーズ後に後処理工程としてポストキュア法を実行する手法も考えられている。このポストキュア法では、樹脂の強度を上げるため、光や熱を加えることにより未硬化部分を硬化する工程が行われる。しかし、ポストキュアにより2次硬化を行う場合には、硬化時の寸法変化や変形などの問題が生じる可能性がある。
上記のように、光硬化性樹脂の供給速度を考慮して、造形物(固化層)を小分けにしたり、光硬化性樹脂の粘度を低下させたりすることは、本質的な解決とはいえず、しかも他の好ましくない副作用が種々生じる問題がある。そのため、光硬化性樹脂の粘度を徒らに低下させることなく、肉抜き部分の少ない、ソリッドな造形を行う場合には、従来では、ステージを移動させた後の次層のための狭い空間に精度良く未硬化の材料を充填する時間が増大しがちであった。
上記の特許文献2のように硬化阻害性の気体を透過させる手法によっても、粘度の高い樹脂や1層の照射(硬化)面積の大きな形状の造形物では、例えば25〜35μmの厚みの次層のための空間に材料を充填する時間を短縮するのはそれ程容易ではない。
本発明の課題は、上記の諸問題に鑑み、光硬化性樹脂の光硬化と造形ステージの移動を繰り返す3次元造形において、次層のための空間に未硬化の光硬化性樹脂を充填する速度を向上させることにある
上記課題を解決するため、本発明においては、光硬化性樹脂を収容する容器と、前記容器に収容された前記光硬化性樹脂に光照射を行う光照射装置と、前記容器の内部の前記光硬化性樹脂に面し、前記光照射装置の照射光を透過させるガス透過部材と、前記ガス透過部材よりも前記容器の外側に配置された前記光照射装置の照射光を透過させる部材と、前記光照射装置の光照射により硬化させた造形済み部位を前記部材から離間する方向に移動させる移動装置と、前記ガス透過部材と、前記部材と、によって画成された圧力室と、前記圧力室の内部の気体の圧力を制御する圧力制御装置と、前記光照射装置、前記移動装置、および前記圧力制御装置を制御する制御部と、を備え、前記光照射装置の光照射により光硬化性樹脂を硬化させた後、前記圧力制御装置により前記圧力室の内部を減圧することにより前記ガス透過部材を造済み部位から離間する方向に変形させ、かつ前記移動装置により前記造形済み部位を前記ガス透過部材から離間する方向に移動させることを特徴とする構成を採用した。
また、本発明においては、光硬化性樹脂を収容する容器と、前記容器に収容された前記光硬化性樹脂に光照射を行う光照射装置と、前記容器の内部の前記光硬化性樹脂に面し、前記光照射装置の照射光を透過させるガス透過部材と、前記ガス透過部材よりも前記容器の外側に配置された前記光照射装置の照射光を透過させる部材と、前記光照射装置の光照射により硬化させた造形済み部位を前記ガス透過部材から離間する方向に移動させる移動装置と、前記ガス透過部材と、前記部材と、によって画成された圧力室と、前記圧力室の内部の気体の圧力を制御する圧力制御装置と、前記光照射装置、前記移動装置、および前記圧力制御装置を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記光照射装置の光照射により前記光硬化性樹脂を硬化させた後、前記圧力制御装置により前記圧力室の内部の気体を減圧して、前記ガス透過部材を前記部材に近づく方向に変形させ、かつ前記移動装置により前記造形済み部位を前記ガス透過部材から離間する方向に移動させることを特徴とする構成を採用した。
あるいは、本発明においては、容器に収容された光硬化性樹脂の造形領域に光を照射することにより前記光硬化性樹脂を硬化させて3次元造形物を製造する3次元造形物の製造方法であって、3次元造形装置は、前記容器に収容された前記光硬化性樹脂に光照射を行う光照射装置と、前記容器の内部の前記光硬化性樹脂に面し、前記光硬化性樹脂に接し前記光を透過するガス透過部材と、前記ガス透過部材よりも前記容器の外側に配置された前記光照射装置の照射光を透過させる部材と、前記光照射装置の光照射により硬化させた造形済み部位を前記部材から離間する方向に移動させる移動装置と、前記ガス透過部材と、前記部材と、によって画成された圧力室と、前記圧力室の内部の気体の圧力を制御する圧力制御装置と、前記光照射装置、前記移動装置、および前記圧力制御装置を制御する制御部と、を有し、前記光の照射によって前記光硬化性樹脂を硬化させた後、前記圧力室の内部を減圧することにより、前記ガス透過部材を造済み部位から離れる方向に変形させ、かつ前記移動装置により前記造形済み部位を前記ガス透過部材から離間する方向に移動させることを特徴とする構成を採用した。
そして、本発明においては、容器に収容された光硬化性樹脂に光を照射することにより前記光硬化性樹脂を硬化させて3次元造形物を製造する3次元造形物の製造方法であって、3次元造形装置は、前記容器に収容された前記光硬化性樹脂に光照射を行う光照射装置と、前記容器の内部の前記光硬化性樹脂に面し、光照射装置の照射光を透過させるガス透過部材と、前記ガス透過部材よりも前記容器の外側に配置された前記光照射装置の照射光を透過させる部材と、前記光照射装置の光照射により硬化させた造形済み部位を前記ガス透過部材から離間する方向に移動させる移動装置と、前記ガス透過部材と、前記部材と、によって画成された圧力室と、前記圧力室の内部の気体の圧力を制御する圧力制御装置と、前記光照射装置、前記移動装置、および前記圧力制御装置を制御する制御部と、を有し、前記光の照射によって前記光硬化性樹脂を硬化させた後、前記圧力室の内部の気体を減圧して前記ガス透過部材を前記部材に近づく方向に変形させ、前記移動装置により前記造形済み部位を前記ガス透過部材から離間する方向に移動させることを特徴とする構成を採用した。
上記構成によれば、光照射の後、例えば造形ステージ移動を行う時、部材を造形済み部位から離間する方向に変形させ、造形領域の容積を拡大する。これにより、次層のための空間に未硬化の光硬化性樹脂を充填する速度を向上できる。以上のようにして、3次元造形速度を大きく向上させることができる。
本発明の実施形態1に係る3次元造形装置の構成を示した説明図である。 図1の装置の要部を拡大して示した説明図である。 本発明の実施形態2に係る3次元造形装置の構成を示した説明図である。 本発明に係る3次元造形制御手順を示したフローチャート図である。 本発明に係る3次元造形装置の制御系の構成例を示したブロック図である。
以下、添付図面に示す実施例を参照して本発明を実施するための形態につき説明する。なお、以下に示す実施例はあくまでも一例であり、例えば細部の構成については本発明の趣旨を逸脱しない範囲において当業者が適宜変更することができる。また、本実施形態で取り上げる数値は、参考数値であって、本発明を限定するものではない。
<実施形態1>
図1は本実施形態1において、3次元造形物を製造するための3次元造形装置の構成を断面構造として示したものである。図1において、容器5中には、溶融(未硬化)状態の光硬化性樹脂1が収容されている。
光硬化性樹脂1は、例えばラジカル重合系樹脂材料としては、アクリレート系の材料である。特にその場合、光硬化性樹脂1の材質は、オリゴマーとしてはウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、アクリルアクリレート系などから選ばれる。
本実施形態では、造形ステージ3(ベースプレート)を光硬化性樹脂1に浸漬(ないしは少なくとも接触した)状態から、容器5の底部方向より光照射を行い、1層の造形を行う。その後、次層の造形のために昇降装置4によって、図の上方に造形ステージ3を移動させて、造形ステージ3下面に生成された造形物の下方に光硬化性樹脂1を供給した後、次層の造形のための光照射を行う。
図1では昇降装置4の詳細図示は省略されているが、昇降装置4は、モータのような回転駆動源と、ラック&ピニオンのような伝達(ないし変速)系から構成することができる。昇降装置4は、後述の制御装置(例えばCPU601)の制御に基づき、造形ステージ3を図の上下方向に沿う任意の高さに移動させることができる。
本実施形態では、光硬化性樹脂1を硬化させるための光照射は容器5の底部方向から行うため、容器5の底部は、光透過性の材質から構成する。また、容器5の側壁部も、造形の進行を視認(あるいは不図示のカメラなどにより撮影)する、などの目的で光透過性の材質から構成することができる。特に本実施形態では、容器5の底部は、以下で詳述するように光透過板6(光透過部材)、およびガス透過性シート7(ガス透過部材)によって構成する。
硬化光は、例えば光源8、ミラーユニット9、レンズユニット10から成る光照射部から照射する。光源8は、例えばレーザ光源などであり、光硬化性樹脂1が例えば紫外線硬化型である場合には、光源8の照射光の波長は、例えば光硬化性樹脂1の材質などの条件に適した200〜450nm程度の範囲で選択される。この種の樹脂硬化用途に用いられる典型的な紫外線波長としては、254nm、365nm、420nmなどがある。ただし、光源8の照射光の波長は必ずしも紫外線領域に限定されるものではなく、光硬化性樹脂1の材質によっては他の波長領域の照射光を用いてもよい。ミラーユニット9は、ガルバノミラーユニットなどから構成され、レンズユニット10を介してXY方向に光源8の照射スポットを走査する。これにより、光硬化性樹脂1の造形物2の特定の高さに対応する1層分の形状に相当する部位を硬化させることができる。
なお、上記のようなレーザスポットの平面走査による光照射方式に限定されることなく、光硬化性樹脂1の材質や粘度のような特性によっては、光照射部は動画像を面照射するようなプロジェクタとして構成してもよい。ただし、動画投影方式の場合は、後述のガス透過性シート7を変形させる動作が追従できる程度のフレームレートを用いる、などの措置が必要になる。例えば、後述のガス透過性シート7の変形動作の所要時間が仮に0.5sec〜2.0secとすれば、光源8で投影する動画のフレームはこのような変形動作の所要時間に相当するフレーム投影間隔を採用する。
容器5の底部の光透過部と、造形ステージ3の下部の造形物2の下面との間の空間は、造形ステージ3を上方へ移動させつつ、造形物2の各層に対応する部位の光硬化性樹脂1を次々に硬化させていく造形領域14(造形空間)に相当する。
本実施形態では、容器5の底部の光透過部は、容器5の最外部を構成する光透過板6と、容器5内の光硬化性樹脂1に面し、かつ光透過板6と所定距離、離間してほぼ平行に配置されたガス透過性シート7から構成する。ガス透過性シート7は、硬化(重合)阻害材を含む気体(ガス)を容器5内の光硬化性樹脂1の方向に透過させる性質を有するガス透過部材である。このようなガス透過性シート7のための材質としては、PFA、PTFE、PPまたはPEのような材質が考えられる。なお、ガス透過性シート7は特に光源8の発光波長の光に対する光透過性を有している必要がある。一般には、ガス透過性シート7には上記のような材質の着色されていない透明材料を用いる。
また、ガス透過性シート7は、後述する圧力室11の減圧制御によって容易に変形させることができるように選ばれる。例えば、上記のような材質の樹脂類であれば、ガス透過性シート7の厚みは、1.0mm〜10mm程度が考えられる。
一方、光透過板6の材質には、ガラスもしくは石英板が考えられる。本実施形態では、光透過板6はむしろ高剛性である方が好ましく、このため、光透過板6の厚みとしては10mm〜30mmが考えられる。
さらに、本実施形態では、所定距離(例えばmmオーダ)離間して配置された光透過板6とガス透過性シート7とによって、これら両者の間に圧力室11を画成する。圧力室11の内部には、圧力制御装置12によって、硬化(重合)阻害材としての気体(ガス)を供給できるよう構成する。また、圧力制御装置12は、後述のように造形処理の進行に応じて圧力室11に充填した気体(ガス)の圧力を(加圧/減圧)制御することができるよう構成する。
圧力室11内からガス透過性シート7を介して容器5の内側の光硬化性樹脂1に硬化(重合)阻害材としての気体(ガス)を透過させるのは、造形領域14、特にその下方の領域において、光硬化性樹脂1の硬化を抑制するためである。これにより、光硬化性樹脂1が容器5の底部、特にガス透過性シート7に固着して造形物2の移動を困難にしたり、次層のための光硬化性樹脂1の供給がスムーズに行われなくなる問題を回避できる。
圧力室11に充填する気体としては、光硬化性樹脂1の材質によっても異なるが酸素、オゾン、空気、窒素、アルゴンなどを含む気体が考えられる。例えば、光硬化性樹脂1として一般によく用いられるラジカル重合タイプの材料を使用する際には、酸素もしくはオゾンなど、単体としての酸素を含有する気体が考えられる。この場合、圧力室11に充填する気体としては、例えば空気(大気)などの他、純酸素や、オゾン発生器などで発生したオゾンを用いてオゾン濃度を高めた空気、などを用いることができる。
圧力室11に充填する気体が空気であれば、圧力制御装置12は、加減圧のためのコンプレッサおよび真空ポンプ、制御バルブなどから構成することができる(詳細図示省略)。純酸素などの気体を用いる場合には、圧力制御装置12には、さらにその気体を貯蔵、供給するタンクなどが追加される。また、オゾンを用いる場合には、圧力制御装置12の気体流路にはオゾン発生器などを追加することができる。
図2に示すように、圧力室11の内部には、圧力室11の内圧を測定するための圧力センサ31を配置することができる。後述の圧力制御装置12による加圧ないし減圧制御において、CPU601または圧力制御部606は、圧力センサ31の出力する圧力測定値を用いて、圧力室11の内圧を目標圧力値に制御することができる。
図1に示すように、圧力制御装置12と圧力室11の間は気体流路13によって連通されており、圧力制御装置12は気体流路13を介して圧力室11の内圧を制御する。例えば、後述の造形制御において、硬化光を照射する時には、圧力制御装置12は好ましくは例えば100〜150PSI(ないし10気圧前後)程度の陽圧を発生する。これにより、光硬化性樹脂1の造形領域14のガス透過性シート7に面する部位に必要量の硬化(重合)阻害材としての気体を供給し、例えば光透過部材の付近などにおける不要な光硬化性樹脂の固化、固着や粘度低下を抑制する。
また、本実施形態では、圧力制御装置12は、圧力室11内を負圧(陰圧)に制御して、図2に示すようにガス透過性シート7を造形領域14、ないしは造形物2の造形済み部位からから避退、離間する方向に変形させる。この減圧動作によって、ガス透過性シート7を介して造形領域14の光硬化性樹脂1に陰圧を生じさせ、この陰圧の部位に、造形物2の造形済み部位の周囲から急速かつスムーズに次層のための材料となる光硬化性樹脂1を供給することができる。
図5は、図1(後述の図3の実施形態2の構成においても同様)の造形装置の制御系の構成を示している。
図5の構成は、制御装置の主体的機能を受け持つCPU601を中心にROM602、RAM603、インターフェース604、608、ネットワークインターフェース609などを配置したものである。
CPU601には、ROM602、RAM603、および各種のインターフェース604、608、609が接続される。ROM602には、BIOS等の基本プログラムが格納される。ROM602の記憶領域には、書き換え可能な例えばE(E)PROMのようなデバイスが含まれていてよい。RAM603は、CPU601の演算処理結果を一時的に記憶するワークエリアとして用いられる。CPU601は、ROM602に記録(格納)されたプログラムを実行することにより、後述の造形制御手順を実行する。
後述の造形制御手順を実行させるプログラムをROM602に記録(格納)する場合、この記録媒体は本発明を実施するための制御手順を格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を構成する。なお、後述の制御手順を実行させるプログラムは、ROM602のような固定的な記録媒体に格納する他、各種フラッシュメモリや光(磁気)ディスクのような着脱可能なコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよい。このような格納形態は、本発明を実施する制御手順を実行させるプログラムをインストールしたり更新したりする場合に利用できる。また、このような制御プログラムをインストールしたり更新したりする場合、上記のような着脱可能な記録媒体を用いる他、ネットワークインターフェース609を介してネットワーク611からプログラムをダウンロードする方式を利用できる。
CPU601は、ネットワークインターフェース609を介して、例えばTCP/IPのようなプロトコルを用いて通信を行うネットワーク611上の他の資源と通信することができる。ネットワークインターフェース609は、例えば有線接続(IEEE802.3など)、無線接続(IEEE802.xxなど)などの各種のネットワーク通信方式によって構成することができる。また、ネットワーク611に配置されたサーバから後述の造形制御プログラムをダウンロードしてROM602などのプログラムメモリにインストールしたり、あるいは既にインストールされているプログラムを新版に更新したりすることもできる。
造形物2を積層的に3次元(3D)造形するための3次元(3D)データは、例えば3DCADのようなデータ形式で、上位のホスト装置610からインターフェース608を介して送信される。インターフェース608は各種の例えば各種のシリアルないしパラレルインターフェース規格に基づき構成することができる。また、ホスト装置610は、ネットワーク端末としてネットワーク611に接続されていても同様に本造形装置に対して造形データを供給することができる。
CPU601は、インターフェース604を介して、光源8を制御する光照射制御部605、圧力センサ31の検出値を入力するとともに圧力制御装置12を制御する圧力制御部606、昇降装置4の昇降を制御するステージ制御部607と通信する。CPU601は、これらの各部を所期の造形シーケンスに応じて制御することにより、全体の造形工程を進行させる。
インターフェース604は、例えば各種のシリアルないしパラレルインターフェース規格に基づき構成できる。なお、図5では簡略化のためインターフェース604は1ブロックで示しているが、インターフェース604の右側に図示した各部の通信仕様などに応じてそれぞれ異なる通信方式を持つインターフェース回路によって構成されていてよい。
次に図1、図2、図4を参照しつつ上記構成における動作につき説明する。図4は、図1の装置における造形制御手順の流れを示している。図4の手順は例えばCPU601(制御装置:コンピュータ)が読み取り、かつ実行可能な制御プログラムとして記述され、例えばROM602(あるいは不図示の外部記憶装置)に格納しておくことができる。なお、図4の左列のフロー(S10〜S15)は造形制御の主な制御手順を、また図4の右列のフロー(S20〜S23)は、圧力制御装置12、あるいはさらに圧力センサ31を用いた圧力室11内の圧力(加圧/減圧)制御をそれぞれ示している。
造形に先立ち、容器5中に液状(未硬化)状態の光硬化性樹脂1を供給する。この手続きは作業者の手動操作によって行うか、あるいは不図示の樹脂供給装置を介して容器5に注入されるような構成でもよい。また樹脂供給装置により光硬化性樹脂1を供給する構成においては、光硬化性樹脂1の液面レベルを検出する適当な液位検出手段の出力に応じて、容器5中の光硬化性樹脂1の量が自動的に適量に制御されるような自動制御を行ってもよい。また、樹脂供給装置を配置する場合は、容器5中から光硬化性樹脂1を吸入、排出させるような樹脂回収装置を追加し、樹脂回収装置から樹脂供給装置、さらに再度、容器5へと光硬化性樹脂1を循環させるような構成を取ってもよい。
図4にステップS10〜S15として示した工程は、造形物2の1層分を造形する時の制御手順に相当する。このステップS10〜S15を繰り返し実行することにより、積層的に造形物2を造形することができる。
図4のステップS10に先立ち、ステップS20において、CPU601は、圧力制御装置12、および圧力センサ31を制御して圧力室11内の気体を加圧する制御を行う(初期加圧)。ここでは、圧力センサ31により検出した圧力室11の内圧に基づき、CPU601は圧力制御装置12による気体供給を制御する。この加圧制御による圧力室11内の目標圧力は好ましくは例えば100〜150PSI(10気圧前後)が考えられる。圧力センサ31で検出した圧力値がこの目標圧力に到達した場合は、CPU601は圧力制御装置12による気体供給を停止させ、気体流路13の上流に配置したバルブを閉じて加圧制御を完了する。この加圧制御の完了処理は、後述の加圧制御(S22)に係る加圧完了処理(S23)に相当するが、図4ではスペースの関係上、ステップS20については図示を省略している。
図4のステップS10では、CPU601は光源8を点灯させ、ミラーユニット9によって当該の造形層の形状に応じて光源8の照射光を走査させる。これにより、光源8からの硬化光はミラーユニット9、レンズユニット10から光透過板6、圧力室11、ガス透過性シート7を透過し、造形領域14付近の光硬化性樹脂1に照射され、その部位を硬化させる。なお、造形物2の3D造形データは予めホスト装置610などから送信されており、この3D造形データを例えば複数の造形層の(断面)形状データへと変換することにより、1層分の造形データが生成される。
この光照射工程の間、上記のように圧力室11内の(硬化阻害性の)気体が加圧されており、ガス透過性シート7を介して造形領域14の下方に透過(浸透)し、その部位の光硬化性樹脂1が硬化、あるいは好ましくない粘度上昇を生じるのを抑制する。なお、圧力室11を加圧する加圧期間では、容器5内の樹脂量が多い場合には圧力室11の内部の圧力を高め、ガス透過性シート7の樹脂荷重による変形を防止するような制御を行ってもよい。例えば、光硬化性樹脂1の液面レベルを検出する液位検出手段(不図示)が配置されている場合には、その検出値に応じて圧力制御装置12により圧力室11の内圧を増減させる制御を行う。
1層の造形層を硬化させる照射光走査が終了すると、ステップS11において、CPU601は光源8の光照射を停止させる(光照射停止)。その後、ステップS21において、CPU601は圧力センサ31の圧力検出値を監視しつつ、圧力制御装置12の減圧機構を作動させ、圧力室11の内を減圧する。本実施形態において、この減圧は、図2に示すようにガス透過性シート7を造形領域14、特に造形物2の造形済み部位から離間する方向に変形させるために行うものである。このため、この減圧時の圧力室11内の圧力は、ガス透過性シート7の材質、剛性、厚みなどに応じて、例えば大気圧以下の適当な値に選ばれる。この減圧時の圧力室11内の圧力値は、例えば予め容器5に適量の光硬化性樹脂1を収容した状態でガス透過性シート7が所期の凹面変形を生じる陰圧値を求めるような実験を行うことにより求めることができる。圧力センサ31を介して検出した圧力値がこの所定の陰圧値となった時、CPU601はステップS12において圧力制御装置12の減圧(吸引)機構を停止させる(ガス透過性シート位置移動完了)。
その後、ステップS13、S14において、CPU601は、昇降装置4を制御して造形ステージ3を次層の造形に必要な高さだけ上昇させる(ステージ移動およびステージ移動完了)。この時、次層の造形のために造形ステージ3を移動(上昇)させる距離は、造形物2の形状や造形仕様によっても異なるが15μm〜0.1mm程度の比較的微少な距離である。ステージ移動により生じる空間への光硬化性樹脂1の供給は、樹脂自身が持つ粘度と大気圧、自重及び引き上げに伴う負圧により行われる。しかし、上記のように樹脂が進入しようとするスペースは小さなもので、また、樹脂の進入する力はそれ程大きくない。このため、このような「薄い」空間にその周囲や下方から溶融状態の光硬化性樹脂1を供給するには、従来では10〜数10秒オーダの比較的長時間を要していた。
これに対して本実施形態では、造形ステージ3の移動制御工程(S13、S14)の間、上記減圧工程(ステップS21、S12)によって、図2のようにガス透過性シート7が凹面変形させる。即ち、ガス透過性シート7を造形領域14、特に造形物2の造形済み部位から離間する方向に変形させている。これにより、造形ステージ3の移動制御工程(S13、S14)の間、例えば造形領域14の実質的な容積が拡大されている。即ち、造形ステージ3ないしその下部の造形物2の造形済み部位の下方の空間が拡大され、その部位の光硬化性樹脂1の圧力(ないし密度)は他の部位の光硬化性樹脂1の圧力(ないし密度)よりも低下する。これにより、造形ステージ3の上方への移動に伴ない、造形領域14、特に造形物2の造形済み部位の下方の空間に、次層の造形のための溶融状態の光硬化性樹脂1をスムーズかつ急速に供給することができる。
圧力室11の減圧によってガス透過性シート7が凹面変形させるような制御を行わない従来構成では、造形物2の移動(上昇)のみによって次層の造形のための樹脂を造形領域14に供給するのみであるから、本実施形態ほどの樹脂供給速度は望めない。本実施形態によれば、上記のように圧力室11の減圧によってガス透過性シート7が凹面変形させ、造形領域14の容積を拡大する事で、光硬化性樹脂1が造形領域14へ進入し易くなり、光硬化性樹脂1は従来に比べよりスムーズかつ急速に供給される。光硬化性樹脂1の供給速度は使用される樹脂の種類、粘度や造形物2(の下面の)の形状などにより異なるが、本実施形態の減圧制御により、0.3ml/sec〜30ml/sec程度の速度を達成することができる。
ステップS14(ステージ移動完了)で、所定量、造形ステージ3を移動(本実施形態の場合、上昇)させた後、CPU601は、圧力制御装置12および圧力センサ31を用いて圧力室11内を加圧する加圧制御工程(S22、S23)を実行する。この時の制御内容は、上記の初期加圧(S20)において説明したものと同様であり、目標圧力の決め方についても上記同様である。これにより、ガス透過性シート7の位置の移動が完了(ステップS15)となり、ステップS10にループして次層の造形に移行することができる。なお、この時の加圧圧力は、主に、圧力室11からガス透過性シート7を介して容器5内に不要な固着(ないし粘度上昇)を抑制できる程度とする。この時の圧力値は例えば上記の10気圧前後が考えられるが、同時に、少なくともガス透過性シート7を図2のような凹面変形状態よりは上方に凸な形状に変形できる程度に選ぶ。このような陽圧値制御は、上記のようにガス透過性シート7をいわばダイヤフラム動作させて、造形ステージ3の移動時の減圧を効果的に行うために必要である。
以上のように、本実施形態1によれば、光照射の後、例えば造形ステージ3の移動を行う時、圧力室11を減圧することにより、ガス透過性シート7をステージないしは造形済み部位から離間する方向に変形させ、造形領域14の容積を拡大することができる。これにより、次層のための空間に未硬化の光硬化性樹脂を充填する速度を向上できる。また、例えば造形ステージ3(造形済み部位)の移動が終了し、光照射を行なう時には、圧力室内の硬化阻害性のある気体を加圧することによりガス透過部材を介して光硬化性樹脂に透過させることができる。これにより、例えば硬化光(造形光)の透過窓の付近などにおける光硬化性樹脂の固化、固着や粘度低下を抑制し、これによっても照射後の光硬化性樹脂の充填速度向上を気体でき、造形ステージをスムーズに行うことができる。以上のようにして、本実施形態1によれば、造形層間の造形制御に必要な所要時間を短縮でき、3次元造形速度を大きく向上させることができる。
また、本実施形態によれば、ガス透過性シート7の下面に圧力室11を配置して、圧力制御装置12によりその内圧を加減圧するハードウェア構成を採用している。このため、加圧期間ではガス透過性シート7のガス透過性を効率よく発揮させることができ、例えば、装置全体を収容した大きなチャンバーの圧力を高圧に制御するような大がかりな装置構成を必要としない利点がある。
<実施形態2>
実施形態1では、図1、図2などに示したように容器5の下方から光硬化性樹脂1を硬化させるための光照射を行い、層形成ごとに昇降装置4によって造形ステージ3を上方に移動させる構成を例示した。しかしながら、光硬化性樹脂1を硬化させるための光照射の方向、造形ステージ3の移動方向は必ずしも上記のような方向に限定されるものではない。
例えば、図3に示すように、容器5の上方から光硬化性樹脂1を硬化させるための光照射を行い、層形成ごとに昇降装置4によって造形ステージ3を下方に移動させるような構成においても、実施形態1と同等の作用効果を発揮する構成が考えられる。
図3に示した造形装置は、図1、図2のものと同一符号を付した各部材から構成されており、造形動作に関する実施形態1との差異は上記のように主に光照射方向と、層造形ごとに行う造形ステージ3の移動方向のみである。この図3の構成は図1の構成とはちょうど天地が逆になった構成と考えてよい。図3において、図1、図2のものと同一符号を付した各部材の材質は実施形態1と同一ないし同等であるものとする。
図3の構成では、ガス透過性シート7、光透過板6は、光硬化性樹脂1で満たされた容器5の上部を覆うように配置されている。これらは、光硬化性樹脂1側から見て、ガス透過性シート7、光透過板6の順で配置され、ガス透過性シート7および光透過板6の間の空間が圧力室11となっている。気体流路13を介して圧力制御装置12により圧力室11の内部の硬化阻害性の気体を加減圧する機能は実施形態1と同等であるものとする。
図3の造形装置の制御系は、実施形態1の図5と同様に構成でき、また、その造形制御、およびそれに伴う加減圧制御は、CPU601によって概ね図4のフローチャートに示した通り、実行することができる。ただしその場合、実施形態1における図4の説明は、例えば1層造形後の造形ステージ3の移動方向が実施形態1の「上方」ではなく「下方」である点のみ読み換える必要があるのはいうまでもない。
図3のような構成においても、主に光源8からの硬化光の照射期間においては圧力室11の内部を加圧して、ガス透過性シート7を介して容器5上部の造形領域14の上部付近に硬化阻害性の気体を透過(浸透)させることができる。また、1層硬化後の造形ステージ3の移動期間においては、圧力室11の内部を減圧して、次層のための材料となる光硬化性樹脂1を急速かつスムーズに造形領域14付近に供給することができる。
以上のようにして、造形時の硬化光の照射方向と、造形進行に伴う造形ステージの移動方向が異なる構成においても、上述の実施形態1と同様の構成を実現でき、実施形態1と同様の作用効果を期待できる。なお、造形時の硬化光の照射方向と、造形進行に伴う造形ステージの移動方向が実施形態1および本実施形態2のいずれとも異なる場合であっても、本発明は実施可能である。例えば、容器5の側方からの光照射、逆の側方へのステージ移動を行う構成においても容器5の一部をガス透過性シートとし、その外側に圧力室11を配置する構成は実施可能であるのはいうまでもない。
本発明は、上述の実施例の1以上の機能を実現するプログラムをネットワーク又は記憶媒体を介してシステムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
1…光硬化性樹脂、2…造形物、3…造形ステージ、4…昇降装置、5…容器、6…光透過板、7…ガス透過性シート、8…光源、9…ミラーユニット、10…レンズユニット、11…圧力室、12…圧力制御装置、13…気体流路、14…造形領域。

Claims (19)

  1. 光硬化性樹脂を収容する容器と、
    前記容器に収容された前記光硬化性樹脂に光照射を行う光照射装置と、
    前記容器の内部の前記光硬化性樹脂に面し、前記光照射装置の照射光を透過させるガス透過部材と、
    前記ガス透過部材よりも前記容器の外側に配置された前記光照射装置の照射光を透過させる部材と、
    前記光照射装置の光照射により硬化させた造形済み部位を前記部材から離間する方向に移動させる移動装置と、
    前記ガス透過部材と、前記部材と、によって画成された圧力室と、
    前記圧力室の内部の気体の圧力を制御する圧力制御装置と、
    前記光照射装置、前記移動装置、および前記圧力制御装置を制御する制御部と、を備え、
    前記光照射装置の光照射により光硬化性樹脂を硬化させた後、前記圧力制御装置により前記圧力室の内部を減圧することにより前記ガス透過部材を造形済み部位から離間する方向に変形させ、かつ前記移動装置により前記造形済み部位を前記ガス透過部材から離間する方向に移動させることを特徴とする3次元造形装置。
  2. 請求項1に記載の3次元造形装置において、前記造形済み部位を移動させた後、前記圧力室の内部を加圧することを特徴とする3次元造形装置。
  3. 光硬化性樹脂を収容する容器と、
    前記容器に収容された前記光硬化性樹脂に光照射を行う光照射装置と、
    前記容器の内部の前記光硬化性樹脂に面し、前記光照射装置の照射光を透過させるガス透過部材と、
    前記ガス透過部材よりも前記容器の外側に配置された前記光照射装置の照射光を透過させる部材と、
    前記光照射装置の光照射により硬化させた造形済み部位を前記ガス透過部材から離間する方向に移動させる移動装置と、
    前記ガス透過部材と、前記部材と、によって画成された圧力室と、
    前記圧力室の内部の気体の圧力を制御する圧力制御装置と、
    前記光照射装置、前記移動装置、および前記圧力制御装置を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記光照射装置の光照射により前記光硬化性樹脂を硬化させた後、前記圧力制御装置により前記圧力室の内部の気体を減圧して、前記ガス透過部材を前記部材に近づく方向に変形させ、かつ前記移動装置により前記造形済み部位を前記ガス透過部材から離間する方向に移動させることを特徴とする3次元造形装置。
  4. 請求項に記載の3次元造形装置において、前記制御部は、前記移動装置による前記造形済み部位の移動が終了した後、前記圧力制御装置によって、前記圧力室の内部の気体を加圧して前記ガス透過部材を介して前記圧力室の内部の気体を前記光硬化性樹脂へと透過させることを特徴とする3次元造形装置。
  5. 請求項3または4に記載の3次元造形装置において、前記気体が酸素またはオゾンを含むことを特徴とする3次元造形装置。
  6. 請求項からのいずれか1項に記載の3次元造形装置において、前記光硬化性樹脂がアクリレート系のラジカル重合系樹脂材料であることを特徴とする3次元造形装置。
  7. 請求項に記載の3次元造形装置において、前記アクリレート系の前記光硬化性樹脂がオリゴマーとしてはウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、またはアクリルアクリレート系、もしくはそれらの複合系であることを特徴とする3次元造形装置。
  8. 請求項からのいずれか1項に記載の3次元造形装置において、前記ガス透過部材の材質がPFA、PTFE、PPまたはPEであることを特徴とする3次元造形装置。
  9. 容器に収容された光硬化性樹脂の造形領域に光を照射することにより前記光硬化性樹脂を硬化させて3次元造形物を製造する3次元造形物の製造方法であって、
    3次元造形装置は、
    前記容器に収容された前記光硬化性樹脂に光照射を行う光照射装置と、
    前記容器の内部の前記光硬化性樹脂に面し、前記光硬化性樹脂に接し前記光を透過するガス透過部材と、
    前記ガス透過部材よりも前記容器の外側に配置された前記光照射装置の照射光を透過させる部材と、
    前記光照射装置の光照射により硬化させた造形済み部位を前記部材から離間する方向に移動させる移動装置と、
    前記ガス透過部材と、前記部材と、によって画成された圧力室と、
    前記圧力室の内部の気体の圧力を制御する圧力制御装置と、
    前記光照射装置、前記移動装置、および前記圧力制御装置を制御する制御部と、を有し、
    前記光の照射によって前記光硬化性樹脂を硬化させた後、前記圧力室の内部を減圧することにより、前記ガス透過部材を造形済み部位から離れる方向に変形させ、かつ前記移動装置により前記造形済み部位を前記ガス透過部材から離間する方向に移動させることを特徴とする3次元造形物の製造方法。
  10. 請求項に記載の3次元造形物の製造方法において、造形済み部位を移動させた後、前記圧力室の内部を加圧することを特徴とする3次元造形物の製造方法。
  11. 容器に収容された光硬化性樹脂に光を照射することにより前記光硬化性樹脂を硬化させて3次元造形物を製造する3次元造形物の製造方法であって、
    3次元造形装置は、
    前記容器に収容された前記光硬化性樹脂に光照射を行う光照射装置と、
    前記容器の内部の前記光硬化性樹脂に面し、光照射装置の照射光を透過させるガス透過部材と、
    前記ガス透過部材よりも前記容器の外側に配置された前記光照射装置の照射光を透過させる部材と、
    前記光照射装置の光照射により硬化させた造形済み部位を前記ガス透過部材から離間する方向に移動させる移動装置と、
    前記ガス透過部材と、前記部材と、によって画成された圧力室と、
    前記圧力室の内部の気体の圧力を制御する圧力制御装置と、
    前記光照射装置、前記移動装置、および前記圧力制御装置を制御する制御部と、を有し、
    前記光の照射によって前記光硬化性樹脂を硬化させた後、前記圧力室の内部の気体を減圧して前記ガス透過部材を前記部材に近づく方向に変形させ、前記移動装置により前記造形済み部位を前記ガス透過部材から離間する方向に移動させることを特徴とする3次元造形物の製造方法。
  12. 請求項11に記載の3次元造形物の製造方法において、造形済み部位の移動が終了した後、前記圧力室の内部の気体を加圧して前記ガス透過部材を介して前記圧力室の内部の気体を前記光硬化性樹脂へと透過させることを特徴とする3次元造形物の製造方法。
  13. 請求項12に記載の3次元造形物の製造方法において、前記圧力室の減圧及び加圧を繰り返し実行することにより、3次元造形物を積層的に造形することを特徴とする3次元造形物の製造方法。
  14. 請求項11から13のいずれか1項に記載の3次元造形物の製造方法において、前記気体が酸素またはオゾンを含むことを特徴とする3次元造形物の製造方法。
  15. 請求項11から14のいずれか1項に記載の3次元造形物の製造方法において、前記光硬化性樹脂がアクリレート系のラジカル重合系樹脂材料であることを特徴とする3次元造形物の製造方法。
  16. 請求項15に記載の3次元造形物の製造方法において、前記アクリレート系の前記光硬化性樹脂がオリゴマーとしてはウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、またはアクリルアクリレート系、もしくはそれらの複合系であることを特徴とする3次元造形物の製造方法。
  17. 請求項11から16のいずれか1項に記載の3次元造形物の製造方法において、前記ガス透過部材の材質がPFA、PTFE、PPまたはPEであることを特徴とする3次元造形物の製造方法。
  18. 請求項からのいずれか1項に記載の3次元造形装置の各制御を前記制御部に実行させるための制御プログラム。
  19. 請求項18に記載の制御プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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