JP6866152B2 - 三次元造形装置および三次元造形方法 - Google Patents

三次元造形装置および三次元造形方法 Download PDF

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本発明は、光硬化性の液状樹脂材料に露光画像を投射して、三次元造形物を製造する三次元造形装置に関する。
近年、所謂3Dプリンタへの期待が高まっている。中でも、光硬化性の液状樹脂材料に露光画像を投射して三次元造形物を製造する方式の装置開発が盛んである。
例えば、特許文献1には、液状の光硬化性樹脂材料を充填した容器の底を光透過性にしておき、底を通して樹脂に露光画像を投射して所望形状の樹脂硬化層を形成する装置が開示されている。かかる装置では、樹脂硬化層を1層形成すると、造形物を持ち上げて、造形物と容器の底の間に液状の光硬化性樹脂を流入させて補充し、補充が完了すると次の露光画像を投射して樹脂硬化層を積層する。こうしたプロセスを繰り返して、三次元造形物を形成していた。かかる装置の場合は、容器の底を通じて光を照射するので、樹脂の液面が変動したとしても光学的な露光条件は影響を受けないという利点がある。
また、特許文献1には、光透過性の容器底を通じて重合阻害剤を供給することにより、容器底の近傍の液状樹脂材料に重合禁止領域を形成し、容器底に硬化した樹脂が付着するのを防止する技術が提案されている。
特表2016−509962号公報
ところで、3Dプリンタには、産業界から造形速度の高速化を求める要請が高まっており、光硬化性の液状樹脂材料を原料として用いる方式も例外ではない。
一般に、光硬化性の液状樹脂材料に光を照射して形成される硬化層の厚みは、一層あたり0.02mmから0.2mm程度であり、造形物を完成するには多数の層を積層させる必要がある。そこで、三次元造形速度を高めるには、一層の硬化層を形成した後、次の硬化層を形成するための準備工程をいかに短時間で完了するかが重要である。言い換えれば、次の一層分の液状樹脂材料を、いかに高速に造形領域に補給するかが重要である。というのも、光硬化性の液状樹脂材料は、一般に粘度が高いため、流動に時間がかかるからである。
特に、大型の三次元造形物を形成する場合には、造形領域の面積が大型化するため、次の層形成のための光硬化性の液状樹脂材料の補給に要する時間が長くなる。また、積層する層数も大きくなるので、補給する回数もそれだけ増加し、三次元造形物の完成に要する時間が長くなる。
特許文献1の装置の場合は、容器底の近傍に形成される重合禁止領域の厚さは30μmから100μm程度と小さく、次の層形成の準備のため硬化層を持ち上げた際に、容器の底と硬化層の間隔が狭いためコンダクタンスが小さい。そのため、周囲から液状樹脂材料が補給されるのに時間がかかるという問題があった。
この問題を解決するため、粘度が低い液状樹脂材料を用いる試みもなされているが、固化時の収縮が大きくなり造形物の変形が起きたり、光硬化時の重合度が上がらずに十分な強度が得られなかったり、耐熱性が低下してしまう等の問題が発生していた。光硬化による造形の後処理工程として、光や熱を加えて強度を向上させるポストキュア法も試みられたが、寸法精度の低下や変形の問題が発生していた。
また、容器に充填した液状樹脂材料全体の温度を高めておき、流動性を高める試みもされたが、熱により樹脂材料が劣化したり硬化が進んでしまったり、固化後の冷却で造形物が変形してしまう問題があった。
このため、複数層を積層して三次元造形物を形成する際、造形領域に層形成のための液状樹脂材料を劣化させることなく速やかに補充する方法が求められていた。
本発明の第1の態様である三次元造形装置は、液状の光硬化性樹脂を保持する容器と、前記液状の光硬化性樹脂を光硬化させた三次元造形物を支持する基台と、前記基台を移動させるための移動部と、前記液状の光硬化性樹脂を硬化させる硬化光を発光する光源ユニットと、前記容器の一部として前記光源ユニットと前記基台の間に設けられ、前記液状の光硬化性樹脂と接する光透過窓とを備え、前記光透過窓は、硬化光と硬化阻害剤を透過する材料からなる基部と、硬化光と硬化阻害剤を透過する材料からなり前記液状の光硬化性樹脂と接する複数の凸部とを有し、前記複数の凸部の各凸部を隔てる空間は、前記光透過窓の主面と平行な面内で、光透過窓の外部と連通しており、前記複数の凸部は、隣り合う凸部の距離が60μm以上で200μm以下になるよう配置されていることを特徴とする。
また、本発明の第2の態様である三次元造形装置は、液状の光硬化性樹脂を保持する容器と、前記液状の光硬化性樹脂を光硬化させた三次元造形物を支持する基台と、前記基台を移動させるための移動部と、前記液状の光硬化性樹脂を硬化させる硬化光を発光する光源ユニットと、前記容器の一部として前記光源ユニットと前記基台の間に設けられ、前記液状の光硬化性樹脂と接する光透過窓とを備え、前記光透過窓は、硬化光と硬化阻害剤を透過する材料からなる基部と、硬化光と硬化阻害剤を透過する材料からなり前記液状の光硬化性樹脂と接する複数の凸部とを有し、前記複数の凸部の各凸部を隔てる空間は、前記光透過窓の主面と平行な面内で、光透過窓の外部と連通しており、前記光透過窓の主面に平行な断面における前記複数の凸部の断面積が、前記光透過窓の主面において前記硬化光に照射される領域の面積に対して、45%以上で80%以下である、ことを特徴とする。
また、本発明の第3の態様である三次元造形装置は、液状の光硬化性樹脂を保持する容器と、前記液状の光硬化性樹脂を光硬化させた三次元造形物を支持する基台と、前記基台を移動させるための移動部と、前記液状の光硬化性樹脂を硬化させる硬化光を発光する光源ユニットと、前記容器の一部として前記光源ユニットと前記基台の間に設けられ、前記液状の光硬化性樹脂と接する光透過窓とを備え、前記光透過窓は、硬化光と硬化阻害剤を透過する材料からなる基部と、硬化光と硬化阻害剤を透過する材料からなり前記液状の光硬化性樹脂と接する複数の凸部とを有し、前記複数の凸部の各凸部を隔てる空間は、前記光透過窓の主面と平行な面内で、光透過窓の外部と連通しており、前記凸部の高さが、50μm以上で800μm以下である、ことを特徴とする。
また、本発明の第4の態様である三次元造形装置は、液状の光硬化性樹脂を保持する容器と、前記液状の光硬化性樹脂を光硬化させた三次元造形物を支持する基台と、前記基台を移動させるための移動部と、前記液状の光硬化性樹脂を硬化させる硬化光を発光する光源ユニットと、前記容器の一部として前記光源ユニットと前記基台の間に設けられ、前記液状の光硬化性樹脂と接する光透過窓とを備え、前記光透過窓は、硬化光と硬化阻害剤を透過する材料からなる基部と、硬化光と硬化阻害剤を透過する材料からなり前記液状の光硬化性樹脂と接する複数の凸部とを有し、前記複数の凸部の各凸部を隔てる空間は、前記光透過窓の主面と平行な面内で、光透過窓の外部と連通しており、前記凸部は、前記基部よりも屈折率が前記液状の光硬化性樹脂に近い材料で形成されている、ことを特徴とする。
本発明によれば、三次元造形物を形成する際、造形領域に層形成のための液状樹脂材料を劣化させることなく速やかに補充することができる。そのため、三次元造形物の形成に要する時間を、大幅に短縮できる。
第一の実施形態にかかる三次元造形装置の模式的断面図。 第一の実施形態にかかる三次元造形装置の制御ブロック図。 (a)第一の実施形態の光透過窓の垂直方向の模式的断面図。(b)第一の実施形態の光透過窓の水平方向の模式的段面図。 第二の実施形態にかかる三次元造形装置の模式的断面図。 (a)第二の実施形態の光透過窓の垂直方向の模式的断面図。(b)第二の実施形態の光透過窓の水平方向の模式的段面図。 (a)第三の実施形態の光透過窓の垂直方向の模式的断面図。(b)第三の実施形態の光透過窓の水平方向の模式的段面図。
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
尚、以下の説明では、固化していない液状の光硬化性樹脂を、液状光硬化性樹脂と記す。また、液状光硬化性樹脂を光硬化させた固体造形物を、三次元造形物と記す。三次元造形物は、完成品に限らず、途中の層まで積層した段階における半完成品も含む。
[第一の実施形態]
図1は、本発明の第一の実施形態にかかる三次元造形装置の構造を説明するため、装置の断面を模式的に示した図である。
(装置の構成)
図1において、1は容器、2は液状光硬化性樹脂、3は樹脂供給部、4は光透過窓、5は遮光部、6は凸部形成領域、7は光源、8はミラー部、9はレンズ部、10は光源ユニット、11は基台、12は昇降アーム、13は昇降部、14は三次元造形物である。
容器1は、液状光硬化性樹脂2を保持するための容器であり、液状光硬化性樹脂を固化させる波長域の光を遮る材料で形成されている。
樹脂供給部3は、液状光硬化性樹脂を貯蔵するタンクとポンプを備え、容器1に適量の液状光硬化性樹脂2が保持されるように、液状光硬化性樹脂を供給する。
液状光硬化性樹脂2は、特定の波長域の光を照射されると、硬化(固化)する液状の樹脂である。液状光硬化性樹脂2は、光透過窓4と遮光部5を底部とする容器1内に満たされており、気泡が入り込まないように保持されている。光透過窓4と遮光部5は、容器1の底として機能する。
光透過窓4は、液状光硬化性樹脂2を固化させる波長域の光を透過させ、かつ液状光硬化性樹脂の硬化を阻害するガスを透過させる窓である。例えば、PFA,PTFE,PEなど、フルオロポリマーやシリコーンポリマー等の樹脂、あるいは多孔質ガラスを材料として形成される。
光透過窓4の近傍の液状光硬化性樹脂は、光透過窓4を透過した硬化阻害ガスの作用で、光硬化の感度が低下する。硬化阻害作用を発揮するガスは、たとえば酸素なので、光透過窓4の外には通常の大気が存在すればよい。ただし、ガスの作用をより効果的にするために、光透過窓の外気の組成や圧力を制御する機構を設けてもよい。
より詳しく説明すると、光硬化性樹脂を硬化させて硬化物を得るには、光硬化性樹脂の硬化させたい部分にエネルギー線を照射する。そうすると、まず、エネルギー線の照射によって光硬化性樹脂に含まれる重合開始剤が開裂し、ラジカルが発生する。次に、光硬化性樹脂に含まれる重合禁止剤や溶存酸素がラジカルと反応し、ラジカルと共に消費される。この状態が続くと、やがて光硬化性樹脂に含まれる重合禁止剤や溶存酸素がほとんど無い状態に至る。続いて、エネルギー線照射を続けると、発生したラジカルは光硬化性樹脂に含まれる重合性化合物と反応し、ラジカル重合反応が起きる。その後、ラジカル重合反応が連鎖して起きることにより、低分子であった重合性化合物が高分子化する。以上の化学反応を物理現象で見ると、液体状態であった光硬化性樹脂にエネルギー線を照射すると、光硬化性樹脂が硬化し固体状態に至る。
一方、酸素を含む気体中、例えば大気中で光硬化性樹脂にエネルギー線を照射すると、十分にエネルギー線を照射しても大気に触れている表面部分が硬化しないという現象が起きる。これは、エネルギー線の照射によって光硬化性樹脂に含まれる重合禁止剤や溶存酸素がラジカルと反応し、消費されると同時に、大気中の酸素が光硬化性樹脂に溶け込み続け、溶存酸素が無い状態に至らない。これにより、ラジカルが重合性化合物と反応しないためである。
光透過窓から常に光硬化性樹脂の硬化阻害剤を供給することにより、光透過窓と造形物の間に硬化阻害領域(未硬化層)を維持することができる。この現象を利用することで、連続的な三次元造形物の形成を容易に実施できる。例えば、光透過窓の材料として酸素透過係数[m・m/m・s・Pa]の高い材料を用い、透過窓の光硬化性樹脂と接触していない側に酸素を含む気体、例えば大気を充填する。これにより、光透過窓から常に酸素を供給し、光透過窓と造形物の間に硬化阻害領域を維持し、連続的に三次元造形物を造形することができる。
ここで、未硬化層の厚みは酸素の供給と酸素の消費が釣り合う位置で規定される。酸素の供給を制御する因子としては酸素分圧、光透過窓の酸素透過係数、光硬化性樹脂の酸素透過係数が主に挙げられる。酸素の消費を制御する因子としてはエネルギー線強度、重合開始剤濃度、重合開始剤の開裂エネルギーが主に挙げられる。これらの制御因子について、光透過窓として十分な酸素透過係数をもつ材質を用い、1気圧の大気を用い、一般的に光造形に用いられる光硬化性樹脂及びプロセスを用いると、およそ30μm程度の未硬化層が維持される。これに対して、1気圧の純酸素を用い、エネルギー線強度を造形可能な最低限度である通常条件の4分の1とすると、およそ100μm程度の未硬化層が維持される。
次に、遮光部5は、液状光硬化性樹脂2を固化させる波長域の光を遮る部材より成る部分である。本実施形態では、容器の底として機能する部分のうち、光源ユニット10と基台11の間の光路となる部分に光透過窓4を設け、それ以外の領域には遮光部5を設けている。
光透過窓4の上面すなわち液状光硬化性樹脂と接する側の面には、エネルギー線であるUV光と、硬化阻害剤である酸素ガスを透過する凸部形成領域6が設けられている。凸部形成領域6については、後に詳述する。
光源7、ミラー部8およびレンズ部9は、造形すべき三次元モデルの形状に対応させた光を液状光硬化性樹脂に照射するための光源ユニット10を構成している。光源7は、液状光硬化性樹脂を固化させる波長域の光を発する光源である。たとえば、光硬化性樹脂として紫外光に感度を有する材料を用いる場合には、He−CdレーザやArレーザ等の紫外光源が用いられる。ミラー部8は、光源7が発する光を造形すべき三次元モデルの形状に対応させて変調する部分で、マイクロミラーデバイスをアレイ状に配置したデバイスが用いられる。レンズ部9は、変調された光を、光透過窓近傍の硬化阻害領域よりも上の所定位置に集光するためのレンズである。所定位置にある液状光硬化性樹脂2は、集光された十分な強度の紫外光を照射されると、硬化する。
硬化物の形状の精度を確保するためには、集光レンズの焦点位置は光透過窓の近傍にするのが望ましいが、近すぎると硬化阻害領域と重なる可能性がある。そこで、レンズ部9の焦点位置は、光透過窓4の上面から60μm乃至110μm上方に設定するのが望ましい。
尚、光源ユニット10は、液状光硬化性樹脂を固化させる波長域の光を、造形すべき三次元モデルの形状に対応させて変調し、所定の位置に集光する機能を有するものであれば、上記の例に限るものではない。たとえば、紫外光源と透過型液晶シャッターあるいは反射型液晶素子の組み合わせや、半導体レーザダイオードアレイ、走査ミラー、結像ミラー等を用いたものでもよい。
基台11は、その下面に三次元造形物14を吊下して支持する台で、昇降アーム12を介して昇降部13と連結している。昇降部13は、昇降アーム12を上下に移動させて基台11の高さを調整する機構であり、基台を移動させる移動部である。
図2は、三次元造形装置のブロック図である。21は制御部、22は外部装置、23は操作パネル、3は樹脂供給部、10は光源ユニット、13は昇降部である。
制御部21は、CPU、制御プログラムや制御用数値テーブルを記憶した不揮発性メモリであるROM、演算等に使用する揮発性メモリであるRAM、装置各部や外部と通信するためのI/Oポート、等を備えている。なお、ROMには、3次元造形装置の基本動作を制御するためのプログラムが記憶されている。
外部装置22からは、三次元造形物の形状データが、I/Oポートを介して三次元造形装置の制御部21に入力される。
操作パネル23は、三次元造形装置の操作者が装置に指示を与えるための入力部と、操作者に情報を表示するための表示部を有する。入力部は、キーボードや操作ボタンを備えている。表示部は、三次元造形装置の動作状況等を表示する表示パネルを備えている。
制御部21は、樹脂供給部3、光源ユニット10、昇降部13を制御して、三次元造形プロセスを実行させることができる。
(凸部形成領域)
光透過窓4の上面すなわち液状光硬化性樹脂と接する側の面は、凸部形成領域6を備えている。図3(a)は、図1の光透過窓4の近傍を模式的に示した断面図である。
凸部形成領域6は、硬化光及び硬化阻害剤を透過する複数の凸部31と、平面視で光透過窓の外部と連通し液状光硬化性樹脂2が満たされた空間32を含んでいる。
図3(b)は、図3(a)の点線Aに沿った水平方向断面の一部を拡大して模式的に示した上面図である。尚、点線Aは、光透過窓の主面と平行な面を示している。また、図3(a)は、図3(b)の点線Bに沿った垂直方向断面を模式的に示した側面図である。これらの図は、説明の便宜のため模式化してあるため、凸部の数、形状、配置は、必ずしも正確に示されているわけではない。
第一の実施形態では、光透過窓4の基部と凸部31は、同一の材料で一体に形成されている。基部の厚さt1は、通常は、1mm乃至10mmに設定される。そして、六角柱状の凸部31が、互いに間隔をあけて六方最密配列されている。
凸部形成領域6は、以下の態様を有している。
(1)凸部同士を隔てる空間32は、水平方向すなわち光透過窓の主面と平行な面内で、光透過窓の外部に連通している。
(2)望ましくは、隣り合う凸部の距離L1は、60μm以上で200μm以下の範囲内にある。
(3)望ましくは、光透過窓の主面に平行な断面における凸部の断面積(水平方向断面積)が、光透過窓の主面において硬化光に照射される領域の面積に対して、45%以上で80%以下である。
かかる態様の凸部形成領域を設けると、光透過窓4と三次元造形物14の間に十分な厚さの硬化阻害領域が維持されるのと同時に、空間32内にも硬化阻害領域を形成することができる。
ここで、空間32は、平面視で光透過窓の外部と連通しているため、三次元造形物14を光透過窓から離間させる方向すなわちZ方向に移動した際に、空間32を、三次元造形領域に液状光硬化樹脂を供給するための流路とすることができる。第一の実施形態では、図3(b)に示されるように、空間32は、光透過窓の周囲で遮光部5の上部空間と連通しているため、遮光部5の上部空間に存在する液状光硬化性樹脂は連通路を通じて空間32に容易に流入する。凸部形成領域6を設けることにより、三次元造形領域に液状光硬化樹脂を供給する際のコンダクタンスを大きくすることができる。
ここで、凸部同士を隔てる距離が200μm以下であり、凸部31の水平方向断面積の割合が45%以上であるのが望ましい。
凸部31の水平方向断面積の割合とは、図3(b)において、光透過窓4の全面積に占める斜線部の割合である。尚、第一の実施形態では、柱状の凸部31はZ方向のどの高さにおいても水平方向断面積は等しいが、高さによって断面積の大きさが変化する形態の凸部を用いる場合には、最小の断面積をもって水平方向断面積の割合を計算するものとする。
水平方向断面積の割合を45%以上とすることにより、光透過窓の上に十分な厚さの硬化阻害領域を維持できる。また、凸部31の上面だけでなく、側面からも硬化阻害剤である酸素が拡散して液状光硬化性樹脂に供給され、空間32内にも硬化阻害領域を形成し維持することができる。
一方、凸部同士を隔てる距離が200μmより大きいと、空間32を満たす液状光硬化性樹脂への酸素供給が不十分になり、空間32内の硬化阻害領域を維持することが困難となり、凸部31と空間32の上方の硬化阻害領域の平坦性も低下する。このため、凸部同士を隔てる距離は200μm以下にするのが望ましい。
また、凸部同士を隔てる距離L1を60μm以上とし、流路のコンダクタンスを十分に確保することが望ましい。凸部同士を隔てる距離L1が60μmより小さいと、流路が狭くなり、供給路として十分な効果を得ることができないためである。
また、凸部31の水平方向断面積の割合は、45%から80%の範囲であるのが好ましい。凸部31の水平方向断面積の割合が80%より大きいと、流路が狭くなり、空間32が光硬化性樹脂の供給路として十分な効果を発揮することができないためである。さらに好ましくは、45%から70%の範囲であるのがよい。
また、凸部31の垂直方向の高さt2は、50μm以上で800μm以下の範囲内であるのが好ましい。凸部31の高さt2が50μmより小さいと、流路として活用できる空間32が小さく、供給路として十分な効果を得ることができない。また、高さt2が800μmより大きいと、空間32内の硬化阻害領域を維持することが困難になるためである。
以上のように、凸部形成領域を備えた本実施態様によれば、三次元造形物14を光透過窓から離間させる方向すなわちZ方向に移動した際に、三次元造形領域に液状光硬化樹脂を供給する速度が速まり、三次元造形に要する時間を著しく短縮することができる。
(光硬化性樹脂)
本実施形態に用いる光硬化性樹脂は、少なくとも重合性化合物を含み、その他、樹脂材料や、重合開始剤、重合禁止剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐光安定剤、離型剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
本発明に用いる重合性化合物としては、例えば、アクリル化合物、メタクリル化合物、ビニル化合物等が挙げられるが、これらに限定されない。
また、前記樹脂材料は、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明の光硬化性樹脂に含有される樹脂の含有量は、0.0重量%以上で99重量%以下が好ましく、0.0重量%以上で50重量%以下がさらに好ましい。
重合開始剤としては、光照射によりラジカル種を発生するものやカチオン種を発生するもの、熱によりラジカル種を発生するもの等が挙げられるがこれらに限定されない。例えば、2―ベンジル―2―ジメチルアミノ―1―(4―モルフォリノフェニル)―1―ブタノン、1―ヒドロキシ―シクロヘキシル―フェニルケトン、等が挙げられるが、これらに限定されない。
なお、重合可能な樹脂成分に対する光重合開始剤の添加比率は、光照射量、更には、付加的な加熱温度に応じて適宜選択することができる。また、得られる重合体の目標とする平均分子量に応じて、調整することもできる。
本実施形態の光学材料の硬化・成形に用いる光重合開始剤の添加量は、重合可能な成分に対して0.01重量%以上で10.00重量%以下の範囲が好ましい。光重合開始剤は樹脂の反応性、光照射の波長によって1種類のみで使用することもできるし、2種類以上を併用して使用することもできる。
(三次元造形プロセス)
次に、上記の三次元造形装置を用いた三次元造形プロセスについて説明する。
まず、制御部21は、不図示のセンサーを用いて、容器1内に所定量の液状光硬化性樹脂が収容されているか確認する。不足している場合には、樹脂供給部3を動作させ、容器1内の所定水準まで液状光硬化性樹脂2を補充する。
次に、制御部21は、昇降部13を動作させ、基台11の上面の高さが光源ユニット10の焦点位置よりもZ方向で僅かに上になるように、基台11の位置をセットする。たとえば、積層造形で三次元造形物を形成する際の一層の厚みを40μmとするとき、レンズの焦点位置よりも10μm乃至30μm程度Z方向の上方に、基台11の上面が位置するように調整する。
制御部21は、外部装置22から入力された三次元造形モデル形状データに基づいて、積層造形プロセスで用いる各層の形状データ(スライスデータ)を作成する。
そして、光源ユニット10を駆動して発光させ、三次元造形物の第一層目の形状データに基づいて変調された紫外光を、液状光硬化性樹脂2に照射する。照射された部位の液状光硬化性樹脂2が硬化し、基台11の下面に、三次元造形物の第一層目部分が形成される。
液状光硬化性樹脂を硬化し得るエネルギー線であれば、紫外光でなくてもよいが、365nm、385nm、405nmの紫外線や、高圧水銀ランプやハロゲンランプなどの多波長の電磁波が混在した波長が好適に用いられる。エネルギー線の強度は格別限定されないが、0.1mW/cm2から1000mW/cm2が好ましく、1mW/cm2から100mW/cm2がさらに好ましい。
次に、第二層目を形成するための準備として、制御部21は昇降部13を動作させ、第一層目部分が形成された基台11を、光透過窓から離間する方向すなわちZ方向の上方に40μm上昇させる。上昇する基台11と光透過窓4の間の空間には、周囲から液状光硬化性樹脂2が流入する。
尚、基台11の移動動作は速度制御や荷重制御を単独または併用して行うことができる。移動動作の速度は、0.001mm/秒から10mm/秒が好ましく、0.01mm/秒から1mm/秒がさらに好ましい。移動動作の際の荷重は、0.01Nから10000Nが好ましく、0.1Nから1000Nがさらに好ましい。
本実施形態によれば、光透過窓4の上面、すなわち液状光硬化性樹脂2と接触する面に、凸部形成領域を設けているため、液状光硬化性樹脂2の流動抵抗が低減されている。このため、液状光硬化性樹脂2の流入速度が速く、第二層目を形成するための準備工程の所要時間を短縮することが可能である。
三次元造形領域への液状光硬化性樹脂2の流入すなわち補充が完了したタイミングで、制御部21は、光源ユニット10を駆動して、三次元造形物の第二層目の形状データに基づいて変調された紫外光を照射する。照射された部位の液状光硬化性樹脂2が硬化し、三次元造形物の第一層目の上に、第二層目部分が積層形成される。
以下、同様の工程を繰り返すことで、多数層を積層し、所望の形状の三次元造形物を形成することが可能である。得られた三次元造形物は、未反応の光硬化性樹脂の付着を取り除くための洗浄を行ってもよい。また、硬化不足の光硬化性樹脂の硬化や、成形時の残留応力を緩和させるため、加熱アニール、紫外線の追加照射、無酸素雰囲気での加熱や紫外線照射などを行ってもよい。
尚、上述のように基台11の移動とエネルギー線の照射を交互に繰り返し実施して1層目から順次積層してもよいが、基台11を移動しながら同時にエネルギー線の照射を行い、連続的に三次元造形物を堆積させてもよい。その場合には、あらかじめ設定された位置に対する二次元形状データを、基台11の位置に合わせて投影する。基台11の位置と所望の二次元形状の投影を合わせる方法としては、例えば、基台11の移動速度と二次元形状の投影速度をあらかじめ合わせておく方法や、基台11の位置を計測し、計測された位置に対する二次元形状を投影する方法がある。
本実施形態では、光透過窓の内面に、UV光と硬化阻害剤を透過する複数の凸部と、複数の凸部の間に周囲から連通路を介して液状光硬化性樹脂を導入可能な空間とを設けることにより、三次元造形領域への液状光硬化性樹脂の補充を高速化できる。
[第二の実施形態]
図4は、本発明の第二の実施形態にかかる三次元造形装置の構造を説明するため、装置の断面を模式的に示した図である。
(装置の構成)
第一の実施形態では、光透過窓は容器の底として機能したが、第二の実施形態では、光透過窓は容器の上部に設けられており、蓋として機能している。第二の実施形態では、光源ユニット10は光透過窓44の上方に配され、基台11は上面で三次元造形物14を支持する。
第一の実施形と同様に、第二の実施形態でも、光透過窓には硬化阻害剤である酸素等のガスを透過する性質を備えた材料を用い、光透過窓近傍の液状光硬化性樹脂に光透過窓を通じてガスを供給する。液状光硬化性樹脂として、たとえば酸素等のガスを含むと光硬化の感度が低下するラジカル重合型樹脂材料を使用し、光透過窓近傍に硬化が阻害される領域を形成する。
図4において、1は容器、2は液状光硬化性樹脂、3は樹脂供給部、44は光透過窓、5は遮光部、46は凸部形成領域、7は光源、8はミラー部、9はレンズ部、10は光源ユニット、11は基台、12は昇降アーム、13は昇降部、14は三次元造形物である。
第一の実施形態の装置と同様の機能を有する部分には、同一の番号を付した。これらについては、詳しい説明は省略する。
また、第二の実施形態の三次元造形装置の制御ブロックは、第一の実施形態で説明した図2と同様であるため、説明を省略する。
(凸部形成領域)
光透過窓44の下面すなわち液状光硬化性樹脂と接する側の面は、凸部形成領域46を備えている。図5(a)は、図4の光透過窓44の近傍を拡大して模式的に示した断面図である。
凸部形成領域46は、硬化光及び硬化阻害剤を透過する複数の凸部51と、平面視で光透過窓の外部と連通し液状光硬化性樹脂2が満たされた空間52を含んでいる。
図5(b)は、図5(a)の点線Cに沿った水平方向断面の一部を拡大して模式的に示した上面図である。尚、点線Cは、光透過窓の主面と平行な面を示している。また、図5(a)は、図5(b)の点線Dに沿った垂直方向断面を模式的に示した側面図である。これらの図は、説明の便宜のため模式化してあるため、凸部の数、形状、配置は、必ずしも正確に示されているわけではない。
第一の実施形態では、光透過窓の基部と凸部31は、同一の材料で一体に形成されていたが、第二の実施形態においては、光透過窓44の基部と凸部51は別種の材料で形成されている。
また、第一の実施形態では、六角柱状の凸部が六方最密配列されていたが、第二の実施形態では、円柱状の凸部が格子状に配列されている。
第二の実施形態においても、凸部形成領域46は、以下の態様を有している。
(1)凸部同士を隔てる空間52は、水平方向すなわち光透過窓の主面と平行な面内で、光透過窓の外部に連通している。
(2)望ましくは、隣り合う凸部の距離L1は、60μm以上で200μm以下の範囲内にある。
(3)望ましくは、光透過窓の主面に平行な断面における凸部の断面積(水平方向断面積)が、光透過窓の主面において硬化光に照射される領域の面積に対して、45%以上で80%以下である。
かかる態様の凸部形成領域46を設けると、光透過窓44と三次元造形物14の間に十分な厚さの硬化阻害領域が維持されるのと同時に、空間52内にも硬化阻害領域を形成することができる。
ここで、空間52は、平面視で光透過窓の外部と連通しているため、三次元造形物14を光透過窓から離間させる方向すなわちZ方向と反対方向に移動した際に、空間52を、三次元造形領域に液状光硬化樹脂を供給するための流路とすることができる。本実施形態においても、図5(b)に示されるように、空間52は、光透過窓の周囲で遮光部5の下部空間と連通しているため、遮光部5の下部空間に存在する液状光硬化性樹脂は連通路を通じて空間52に容易に流入する。凸部形成領域46を設けることにより、三次元造形領域に液状光硬化樹脂を供給する際のコンダクタンスを大きくすることができる。
ここで、凸部同士を隔てる距離が200μm以下であり、凸部51の水平方向断面積の割合が45%以上であるのが望ましい。
凸部51の水平方向断面積の割合とは、図5(b)において、光透過窓44の全面積に占める斜線部の割合である。尚、第一の実施形態では、凸部51はZ方向のどの高さにおいても水平方向断面積は等しいが、高さによって断面積の大きさが変化する形態の凸部を用いる場合には、最小の断面積をもって水平方向断面積の割合を計算するものとする。
水平方向断面積の割合を45%以上とすることにより、光透過窓の下に十分な厚さの硬化阻害領域を維持できる。また、凸部51の下端面だけでなく、側面からも硬化阻害剤である酸素が拡散して液状光硬化性樹脂に供給され、空間52内にも硬化阻害領域を形成し維持することができる。
一方、凸部同士を隔てる距離が200μmより大きいと、空間52を満たす液状光硬化性樹脂への酸素供給が不十分になり、空間52内の硬化阻害領域を維持することが困難となり、凸部51と空間52の下方の硬化阻害領域の平坦性も低下する。このため、凸部同士を隔てる距離は200μm以下にするのが望ましい。
また、凸部同士を隔てる距離L1を60μm以上とし、流路のコンダクタンスを十分に確保することが望ましい。凸部同士を隔てる距離L1が60μmより小さいと、流路が狭くなり、供給路として十分な効果を得ることができないためである。
また、凸部51の水平方向断面積の割合は、45%から80%の範囲であるのが好ましい。凸部51の水平方向断面積の割合が80%より大きいと、流路が狭くなり、空間52が光硬化性樹脂の供給路として十分な効果を発揮することができないためである。さらに好ましくは、45%から70%の範囲であるのがよい。
また、凸部51の垂直方向の高さt2は、50μm以上で800μm以下の範囲内であるのが好ましい。凸部31の高さt2が50μmより小さいと、流路として活用できる空間32が小さく、供給路として十分な効果を得ることができない。また、高さt2が800μmより大きいと、空間32内の硬化阻害領域を維持することが困難になるためである。
第二の実施形態においては、光透過窓44の基部と凸部51は別種の材料で形成されている。第一の実施形態では、凸部31は基部と同種の材料で形成され、空間32には液状光硬化性樹脂が存在するため、両者の屈折率の差が大きい場合には、硬化光の光路が乱れて造形形状の精度が低下する可能性があった。
第二の実施形態では、凸部51には、硬化阻害剤を透過し、かつ光透過窓44の基部よりも光硬化性樹脂に近い屈折率を有する材料を用いる。好適には、光透過窓の基部として板状の樹脂部材を準備し、その表面に、液状光硬化性樹脂に近い屈折率を有する別種の樹脂を用いて凸部51を形成する。
液状光硬化性樹脂としては、第一の実施形態と同様の材料を用いることが可能で、屈折率Ndが1.3〜1.5の範囲で多種のものが存在している。また、酸素及び紫外光を透過する材料には、例えばフルオロポリマー(Nd=1.3〜1.4)、シリコーンポリマー(Nd=1.35〜1.45)、多孔質ガラス(Nd=1.3〜1.4)が挙げられる。そこで、光透過窓の基部と、原料として使用する液状光硬化性樹脂の屈折率に差がある場合には、基部よりも液状硬化性樹脂に屈折率が高い材料を選択して凸部を形成すればよい。
(三次元造形プロセス)
第二の実施形態においては、三次元造形の過程で基台をZ方向と反対方向に移動させる点が第一実施形態と異なるが、他は共通するので、詳細な説明は省略する。
以上のように、凸部形成領域を備えた本実施態様によれば、三次元造形物14を光透過窓から離間させる方向すなわちZ方向と反対の方向に移動した際に、硬化阻害領域を維持しながら三次元造形領域に液状光硬化樹脂を供給する速度が速まる。このため、三次元造形に要する時間を著しく短縮することができる。また、光透過窓の基材と光硬化性樹脂の屈折率差が大きい場合でも、光硬化性樹脂に近い屈折率の材料で凸部を形成することにより、硬化光の照射特性を劣化させることが少なく、三次元造形物の形状精度を良好に保つことができる。
[第三の実施形態]
第三の実施形態は、第一の実施形態と同様に図1、図2の三次元造形装置を用いる。図1および図2の説明は共通するので省略する。
第三の実施形態においては、第一の実施形態とは光透過窓の形態が異なるので、図6を用いて説明する。
(凸部形成領域)
光透過窓4の上面すなわち液状光硬化性樹脂と接する側の面は、凸部形成領域6を備えている。図6(a)は、図1の光透過窓4の近傍を拡大して模式的に示した断面図である。
凸部形成領域6は、硬化光及び硬化阻害剤を透過する複数の凸部61と、平面視で光透過窓の外部と連通し液状光硬化性樹脂2が満たされた空間62を含んでいる。
図6(b)は、図6(a)の点線Eに沿った水平方向断面の一部を拡大して模式的に示した上面図である。尚、点線Eは、光透過窓の主面と平行な面を示している。また、図6(a)は、図6(b)の点線Fに沿った垂直方向断面を模式的に示した側面図である。これらの図は、説明の便宜のため模式化してあるため、凸部の数、形状、配置は、必ずしも正確に示されているわけではない。
第一の実施形態では、光透過窓の基部と凸部31は、同一の材料で一体に形成されていたが、第三の実施形態においては、凸部61は、基部64よりも屈折率が液状光硬化性樹脂に近い材料で形成されている。さらに、空間62の底面も、凸部61と同一の材料で形成されている。
第一の実施形態では、凸部31は基部と同種の材料で形成され、空間32には液状光硬化性樹脂が存在するため、両者の屈折率の差が大きい場合には、硬化光の光路が乱れて造形形状の精度が低下する可能性があった。
第三の実施形態では、凸部61及び空間62の底面と成る部分には、硬化阻害剤を透過し、かつ光透過窓4の基部64よりも光硬化性樹脂に近い屈折率を有する材料を用いる。好適には、光透過窓の基部64として板状の樹脂部材を準備し、その表面に、より液状光硬化性樹脂に近い屈折率を有する別種の樹脂を一定厚で形成し、その一部に凸部61を形成して用いる。
また、第一の実施形態では、六角柱状の凸部が六方最密配列されていたが、第三の実施形態では、直方体状の凸部が平行に配列されている。
第三の実施形態においても、凸部形成領域6は、以下の態様を有している。
(1)凸部同士を隔てる空間62は、水平方向すなわち光透過窓の主面と平行な面内で、光透過窓の外部に連通している。
(2)望ましくは、隣り合う凸部の距離L1は、60μm以上で200μm以下の範囲内にある。
(3)望ましくは、光透過窓の主面に平行な断面における凸部の断面積(水平方向断面積)が、光透過窓の主面において硬化光に照射される領域の面積に対して、45%以上で80%以下である。
かかる態様の凸部形成領域6を設けると、光透過窓4と三次元造形物14の間に十分な厚さの硬化阻害領域が維持されるのと同時に、空間62内にも硬化阻害領域を形成することができる。
ここで、空間62は、平面視で光透過窓の外部と連通しているため、三次元造形物14を光透過窓から離間させる方向すなわちZ方向に移動した際に、空間62を、三次元造形領域に液状光硬化樹脂を供給するための流路とすることができる。本実施形態においては、空間62はY方向に沿って延伸しているが、空間の両端で遮光部5の上部空間と連通しており、遮光部5の上部空間に存在する液状光硬化性樹脂は、連通路を通じて空間62に容易に流入する。凸部形成領域6を設けることにより、三次元造形領域に液状光硬化樹脂を供給する際のコンダクタンスを大きくすることができる。
ここで、凸部同士を隔てる距離が200μm以下であり、凸部61の水平方向断面積の割合が45%以上であるのが望ましい。
凸部61の水平方向断面積の割合とは、図6(b)において、光透過窓の全面積に占める斜線部の割合である。尚、第三の実施形態では、凸部61はZ方向のどの高さにおいても水平方向断面積は等しいが、高さによって断面積の大きさが変化する形態の凸部を用いる場合には、最小の断面積をもって水平方向断面積の割合を計算するものとする。
水平方向断面積の割合を45%以上とすることにより、光透過窓の上に十分な厚さの硬化阻害領域を維持できる。また、凸部61の上端面だけでなく、側面からも硬化阻害剤である酸素が拡散して液状光硬化性樹脂に供給され、空間62内にも硬化阻害領域を形成し維持することができる。
一方、凸部同士を隔てる距離が200μmより大きいと、空間62を満たす液状光硬化性樹脂への酸素供給が不十分になり、空間62内の硬化阻害領域を維持することが困難となり、凸部61と空間62の上方の硬化阻害領域の平坦性も低下する。このため、凸部同士を隔てる距離は200μm以下にするのが望ましい。
また、凸部同士を隔てる距離L1を60μm以上とし、流路のコンダクタンスを十分に確保することが望ましい。凸部同士を隔てる距離L1が60μmより小さいと、流路が狭くなり、供給路として十分な効果を得ることができないためである。
また、凸部61の水平方向断面積の割合は、45%から80%の範囲であるのが好ましい。凸部61の水平方向断面積の割合が80%より大きいと、流路が狭くなり、空間62が光硬化性樹脂の供給路として十分な効果を発揮することができないためである。さらに好ましくは、45%から70%の範囲であるのがよい。
また、凸部61の垂直方向の高さt2は、50μm以上で800μm以下の範囲内であるのが好ましい。凸部61の高さt2が50μmより小さいと、流路として活用できる空間62が小さく、供給路として十分な効果を得ることができない。また、高さt2が800μmより大きいと、空間62内の硬化阻害領域を維持することが困難になるためである。
(三次元造形プロセス)
本実施形態においても、液状光硬化性樹脂は、第一の実施形態と同様の材料を用いることが可能である。第三の実施形態の三次元造形プロセスは、第一実施形態と共通するので、詳細な説明は省略する。
以上のように、凸部形成領域を備えた本実施態様によれば、三次元造形物14を光透過窓から離間させる方向すなわちZ方向に移動した際に、硬化阻害領域を維持しつつ三次元造形領域に液状光硬化樹脂を供給する速度が速まる。このため、三次元造形に要する時間を著しく短縮することができる。
[その他の実施形態]
窓の凸部の形状は、第一の実施形態のような六角柱でなくてもよく、例えば四角柱などの他の多角柱でもよい。また、第二の実施形態のような断面形状が真円の円柱でなくてもよく、断面形状が楕円形でもよい。要は、複数の凸部を隔てる空間が光透過窓と連通するように、凸部の形状や配置を構成すればよい。
光透過窓の基材と凸部の材料は、第一の実施形態のように同一材料でも、第二、第三の実施形態のように異種材料でもよい。材料と断面形状は、上記実施形態の組み合わせの例に限らず、適宜変更することが可能である。
また、三次元造形装置は、第一の実施形態や第二の実施形態の例に限らず、適宜変更することが可能である。たとえば、光透過窓を液状光硬化性樹脂の容器の底面や上面ではなく、側面に設けてもよい。
三次元造形装置の光透過窓の配置位置と、光透過窓の組合せは、上記実施形態の例に限らず変更することが可能である。
以下に、本発明の実施例について説明する。
本発明の実施例として、図1のレイアウトの三次元造形装置を用いて各種の光透過窓を用いて三次元造形を実施し、三次元造形速度と得られた三次元造形物の形状精度を評価した。
光硬化性樹脂として、ムトーエンジニアリング社製の光造形3Dプリンタ用紫外線硬化樹脂クリアMR−CL12(製品名)を用いた。
エネルギー線照射装置の光源として、波長が405nmのLEDを用いた。画像形成素子として、テキサスインスツルメンツ社製のFull−HDデジタルミラーデバイス(製品名)を用いた。投影レンズとして、一画素のサイズを60μm×60μmに拡大投影する光学系を設計したレンズを用いた。エネルギー線が照射される最大のサイズはおよそ115mm×65mmである。
まず、光透過樹脂を液槽に100ml投入した。次に、基台を光透過窓との間隔が50μmとなるまで接近させた。続いて、投影画像が直径30mmとなるようにエネルギー線を、光透過窓を通して光硬化性樹脂に照射した。このとき、エネルギー線の強度は50mW/cm2であった。エネルギー線の照射を開始してから3秒後、エネルギー線の照射を続けながら基台を150Nの荷重制御で光透過窓から離間させた。基台を30mm光透過窓から離間させたところで、エネルギー線の照射を停止させた。その後、基台を十分に光透過窓から離間させて、基台から三次元造形物を剥離し、直径が約30mm、高さが約30mmの三次元造形物を得た。
[実施例1]
三次元造形装置の光透過窓として、材質がデュポン製TeflonAF2400[製品名]、寸法が80mm×80mm×1mm厚みの平板で、光透過窓上面に以下の構造を設けたものを用いた。凸部である六角柱が六方細密配列された構造であり、六角柱の間隔が120μm、凸部の高さが400μm、凸部の上面近傍の水平方向断面積の割合が45%、底部の水平方向断面積の割合が52%である。上記装置で三次元造形を実施し、三次元造形物を得た。このとき、150Nの荷重制御で基台の光透過窓からの離間速度は平均0.82mm/秒であった。
[実施例2]
光透過窓として、光透過窓上面に以下の構造を設けたものを用いた。凸部である円柱が格子状配列された構造であり、凸部の間隔が120μm、凸部の高さが400μm、凸部の上面近傍の水平方向断面積の割合が48%、底部の水平方向断面積の割合が60%である。光透過窓以外は実施例1と同様の装置で三次元造形を実施し、三次元造形物を得た。このとき、150Nの荷重制御で基台の光透過窓からの離間速度は0.53mm/秒であった。
[実施例3]
光透過窓として、光透過窓上面に以下の構造を設けたものを用いた。溝と凸部である壁の繰り返し構造であり、凸部の間隔が120μm、凸部の高さが400μm、凸部の上面近傍の水平方向断面積の割合が45%、底部の水平方向断面積の割合が52%である。光透過窓以外は実施例1と同様の装置で三次元造形を実施し、三次元造形物を得た。このとき、150Nの荷重制御で基台の光透過窓からの離間速度は0.44mm/秒であった。
[実施例4]
光透過窓として、光透過窓上面に以下の構造を設けたものを用いた。凸部である六角柱が六方細密配列された構造であり、凸部の間隔が60μm、凸部の高さが400μm、凸部の上面近傍の水平方向断面積の割合が45%、底部の水平方向断面積の割合が52%である。光透過窓以外は実施例1と同様の装置で三次元造形を実施し、三次元造形物を得た。このとき、150Nの荷重制御で基台の光透過窓からの離間速度は0.33mm/秒であった。
[実施例5]
光透過窓として、光透過窓上面に以下の構造を設けたものを用いた。凸部である六角柱が六方細密配列された構造であり、凸部の間隔が200μm、凸部の高さが400μm、凸部の上面近傍の水平方向断面積の割合が45%、底部の水平方向断面積の割合が52%である。光透過窓以外は実施例1と同様の装置で三次元造形を実施し、三次元造形物を得た。このとき、150Nの荷重制御で基台の光透過窓からの離間速度は0.86mm/秒であった。
[実施例6]
光透過窓として、光透過窓上面に以下の構造を設けたものを用いた。凸部である六角柱が六方細密配列された構造であり、凸部の間隔が120μm、凸部の高さが400μm、凸部の上面近傍の水平方向断面積の割合が62%、底部の水平方向断面積の割合が70%である。光透過窓以外は実施例1と同様の装置で三次元造形を実施し、三次元造形物を得た。このとき、150Nの荷重制御で基台の光透過窓からの離間速度は0.38mm/秒であった。
[実施例7]
光透過窓として、光透過窓上面に以下の構造を設けたものを用いた。凸部である六角柱が六方細密配列された構造であり、凸部の間隔が120μm、凸部の高さが50μm、凸部の上面近傍の水平方向断面積の割合が45%、底部の水平方向断面積の割合が52%である。光透過窓以外は実施例1と同様の装置で三次元造形を実施し、三次元造形物を得た。このとき、150Nの荷重制御で基台の光透過窓からの離間速度は0.31mm/秒であった。
[実施例8]
光透過窓として、光透過窓上面に以下の構造を設けたものを用いた。凸部である六角柱が六方細密配列された構造であり、凸部の間隔が120μm、凸部の高さが800μm、凸部の上面近傍の水平方向断面積の割合が45%、底部の水平方向断面積の割合が52%である。光透過窓以外は実施例1と同様の装置で三次元造形を実施し、三次元造形物を得た。このとき、150Nの荷重制御で基台の光透過窓からの離間速度は1.40mm/秒であった。
[実施例9]
光透過窓として、光透過窓上面に以下の構造を設けたものを用いた。凸部である六角柱が六方細密配列された構造であり、凸部の間隔が120μm、凸部の高さが400μm、凸部の上面近傍の水平方向断面積の割合が60%、底部の水平方向断面積の割合が80%である。光透過窓以外は実施例1と同様の装置で三次元造形を実施し、三次元造形物を得た。このとき、150Nの荷重制御で基台の光透過窓からの離間速度は0.22mm/秒であった。
[実施例10]
光透過窓として、光透過窓上面に以下の構造を設けたものを用いた。凸部である六角柱が六方細密配列された構造であり、凸部の間隔が300μm、凸部の高さが400μm、凸部の上面近傍の水平方向断面積の割合が45%、底部の水平方向断面積の割合が52%である。光透過窓以外は実施例1と同様の装置で三次元造形を実施し、三次元造形物を得た。このとき、150Nの荷重制御で基台の光透過窓からの離間速度は0.86mm/秒であった。
[実施例11]
光透過窓として、光透過窓上面に以下の構造を設けたものを用いた。凸部である六角柱が六方細密配列された構造であり、凸部の間隔が120μm、凸部の高さが400μm、凸部の上面近傍の水平方向断面積の割合が35%、底部の水平方向断面積の割合が52%である。光透過窓以外は実施例1と同様の装置で三次元造形を実施し、三次元造形物を得た。このとき、150Nの荷重制御で基台の光透過窓からの離間速度は0.83mm/秒であった。
[比較例1]
光透過窓として、光透過窓上面に凸部形成領域をもたない、平坦なものを用いた。光透過窓以外は実施例1と同様の装置で三次元造形を実施し、三次元造形物を得た。このとき、150Nの荷重制御で基台の光透過窓からの離間速度は0.16mm/秒であった。
[比較例2]
光透過窓として、光透過窓上面に以下の構造を設けたものを用いた。円柱形状の凹部が六方細密配列された構造であり、構造の繰り返しピッチが120μm、凹部の深さが400μmである。凹部には、液状光硬化性樹脂が満たされているが、各凹部は孤立して配置されており、水平方向視で凹部は光透過性窓の周囲とは連通していない。光透過窓以外は実施例1と同様の装置で三次元造形を実施し、三次元造形物を得た。このとき、150Nの荷重制御で基台の光透過窓からの離間速度は0.16mm/秒であった。
[結果]
各実施例と比較例について、得られた結果を表1に示す。
表1において、造形速度として示すのは、基台の光透過窓からの離間速度、すなわち液状光硬化樹脂を造形領域に供給する速度について、比較例の速度を基準とした倍率である。
また、形状精度とは、得られた三次元造形物について、基台に密着していない外面の形状精度を計測した結果である。面粗さの最大値Rzが10μm以下のものをA、10μmよりも大きいものをBと記載した。
Figure 0006866152
表1の結果から明らかなように、本発明の三次元造形装置及びそれを用いた三次元造形方法では、三次元造形を高速に実施することができ、得られた三次元造形物の形状精度は良好である。特に、実施例1乃至9において、造形速度と形状精度の両面できわめて良好な結果が得られた。
1・・・容器/2・・・液状光硬化性樹脂/3・・・樹脂供給部/4・・・光透過窓/6・・・凸部形成領域/10・・・光源ユニット/11・・・基台/12・・・昇降アーム/14・・・三次元造形物/21・・・制御部/31・・・凸部/32・・・空間/44・・・光透過窓/46・・・凸部形成領域/51・・・凸部/52・・・空間/61・・・凸部/62・・・空間

Claims (14)

  1. 液状の光硬化性樹脂を保持する容器と、
    前記液状の光硬化性樹脂を光硬化させた三次元造形物を支持する基台と、
    前記基台を移動させるための移動部と、
    前記液状の光硬化性樹脂を硬化させる硬化光を発光する光源ユニットと、
    前記容器の一部として前記光源ユニットと前記基台の間に設けられ、前記液状の光硬化性樹脂と接する光透過窓とを備え、
    前記光透過窓は、硬化光と硬化阻害剤を透過する材料からなる基部と、硬化光と硬化阻害剤を透過する材料からなり前記液状の光硬化性樹脂と接する複数の凸部とを有し、
    前記複数の凸部の各凸部を隔てる空間は、前記光透過窓の主面と平行な面内で、光透過窓の外部と連通しており
    前記複数の凸部は、隣り合う凸部の距離が60μm以上で200μm以下になるよう配置されている、
    ことを特徴とする三次元造形装置。
  2. 前記光透過窓の主面に平行な断面における前記複数の凸部の断面積が、前記光透過窓の主面において前記硬化光に照射される領域の面積に対して、45%以上で80%以下である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の三次元造形装置。
  3. 前記凸部の高さが、50μm以上で800μm以下である、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の三次元造形装置。
  4. 液状の光硬化性樹脂を保持する容器と、
    前記液状の光硬化性樹脂を光硬化させた三次元造形物を支持する基台と、
    前記基台を移動させるための移動部と、
    前記液状の光硬化性樹脂を硬化させる硬化光を発光する光源ユニットと、
    前記容器の一部として前記光源ユニットと前記基台の間に設けられ、前記液状の光硬化性樹脂と接する光透過窓とを備え、
    前記光透過窓は、硬化光と硬化阻害剤を透過する材料からなる基部と、硬化光と硬化阻害剤を透過する材料からなり前記液状の光硬化性樹脂と接する複数の凸部とを有し、
    前記複数の凸部の各凸部を隔てる空間は、前記光透過窓の主面と平行な面内で、光透過窓の外部と連通しており、
    前記光透過窓の主面に平行な断面における前記複数の凸部の断面積が、前記光透過窓の主面において前記硬化光に照射される領域の面積に対して、45%以上で80%以下である、
    ことを特徴とする三次元造形装置。
  5. 前記凸部の高さが、50μm以上で800μm以下である、
    ことを特徴とする請求項4に記載の三次元造形装置。
  6. 液状の光硬化性樹脂を保持する容器と、
    前記液状の光硬化性樹脂を光硬化させた三次元造形物を支持する基台と、
    前記基台を移動させるための移動部と、
    前記液状の光硬化性樹脂を硬化させる硬化光を発光する光源ユニットと、
    前記容器の一部として前記光源ユニットと前記基台の間に設けられ、前記液状の光硬化性樹脂と接する光透過窓とを備え、
    前記光透過窓は、硬化光と硬化阻害剤を透過する材料からなる基部と、硬化光と硬化阻害剤を透過する材料からなり前記液状の光硬化性樹脂と接する複数の凸部とを有し、
    前記複数の凸部の各凸部を隔てる空間は、前記光透過窓の主面と平行な面内で、光透過窓の外部と連通しており、
    前記凸部の高さが、50μm以上で800μm以下である、
    ことを特徴とする三次元造形装置。
  7. 前記基部が、フルオロポリマー、シリコーンポリマー、多孔質ガラスのいずれかを含む、
    ことを特徴とする請求項1乃至のうちの何れか1項に記載の三次元造形装置。
  8. 前記基部と前記凸部が、同一の材料で形成されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至のうちの何れか1項に記載の三次元造形装置。
  9. 前記凸部は、前記基部よりも屈折率が前記液状の光硬化性樹脂に近い材料で形成されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至のうちの何れか1項に記載の三次元造形装置。
  10. 前記凸部は、多角柱を含む
    ことを特徴とする請求項1乃至のうちの何れか1項に記載の三次元造形装置。
  11. 前記凸部は、六角柱を含む、
    ことを特徴とする請求項1乃至10のうちの何れか1項に記載の三次元造形装置。
  12. 前記凸部は、円柱を含む、
    ことを特徴とする請求項1乃至11のうちの何れか1項に記載の三次元造形装置。
  13. 液状の光硬化性樹脂を保持する容器と、
    前記液状の光硬化性樹脂を光硬化させた三次元造形物を支持する基台と、
    前記基台を移動させるための移動部と、
    前記液状の光硬化性樹脂を硬化させる硬化光を発光する光源ユニットと、
    前記容器の一部として前記光源ユニットと前記基台の間に設けられ、前記液状の光硬化性樹脂と接する光透過窓とを備え、
    前記光透過窓は、硬化光と硬化阻害剤を透過する材料からなる基部と、硬化光と硬化阻害剤を透過する材料からなり前記液状の光硬化性樹脂と接する複数の凸部とを有し、
    前記複数の凸部の各凸部を隔てる空間は、前記光透過窓の主面と平行な面内で、光透過窓の外部と連通しており、
    前記凸部は、前記基部よりも屈折率が前記液状の光硬化性樹脂に近い材料で形成されている、
    ことを特徴とする三次元造形装置。
  14. 請求項1乃至13のうちの何れか1項に記載の三次元造形装置を用いる三次元造形方法であって、
    前記光源ユニットを発光させて前記容器の内に保持された前記液状の光硬化性樹脂の一部を光硬化させた後に、
    前記基台を前記光透過窓から離間する方向に移動させ、
    前記液状の光硬化性樹脂を、前記光透過窓に設けられた硬化光と硬化阻害剤を透過する材料からなる複数の凸部の間の空間を通じて、前記液状の光硬化性樹脂を前記光透過窓と前記三次元造形物との間に補充する、
    ことを特徴とする三次元造形方法。
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