JP2018039188A - 三次元造形装置、および三次元造形物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】三次元造形に要する時間を短縮するため、複数層を積層して三次元造形物を形成する際、次の層形成のための液状の光硬化性樹脂を、速やかに劣化させることなく造形領域に補充する方法が求められていた。【解決手段】三次元造形装置の造形領域に液状の光硬化性樹脂を補充する際、光透過窓の温度を上昇させ、これと接する液状の光硬化性樹脂を加熱して、その粘度を低下させる。光硬化性樹脂の流動性が高まるため速やかに補充でき、しかも光透過窓を用いた局部加熱のため、光硬化性樹脂の特性劣化もほとんど生じない。【選択図】図1
Description
本発明は、光硬化性の液状樹脂材料に露光画像を投射して、三次元造形物を製造する三次元造形装置、ならびに三次元造形物の製造方法に関する。
近年、所謂3Dプリンタへの期待が高まっている。中でも、光硬化性の液状樹脂材料に露光画像を投射して三次元造形物を製造する方式の装置開発が盛んである。
たとえば、特許文献1には、上面が開放された容器に光硬化性樹脂溶液を収容し、自由液面の上から光線を照射して、自由液面近傍で光硬化させ樹脂硬化層を形成する装置が開示されている。かかる装置では、樹脂硬化層を形成した後に樹脂硬化層を支持する移動台を下降させ、光硬化性樹脂溶液の液面から樹脂硬化層までの深さが所定の深さになるのを待ってから、再度光線を照射して樹脂硬化層を積層する。こうしたプロセスを繰り返して、三次元造形物を形成していた。
また、特許文献2には、液状の光硬化性樹脂材料を充填した容器の底を光透過性にしておき、底を通して樹脂に露光画像を投射して所望形状の樹脂硬化層を形成する装置が開示されている。かかる装置では、樹脂硬化層を1層形成すると、造形物を持ち上げて、造形物と容器の底の間に液状の光硬化性樹脂を流入させて補充し、補充が完了すると次の露光画像を投射して樹脂硬化層を積層する。こうしたプロセスを繰り返して、三次元造形物を形成していた。
特許文献2の装置の場合は、容器の底を通じて光を照射するので、樹脂の液面が変動したとしても光学的な露光条件は影響を受けないという利点がある。
ところで、3Dプリンタには、産業界から造形速度の高速化を求める要請が高まっており、光硬化性の液状樹脂材料を原料に用いる方式も例外ではない。
一般に、光硬化性の液状樹脂材料に光を照射して形成される硬化層の厚みは、一層あたり0.02mmから0.2mm程度である。三次元造形速度を高めるには、一層の硬化層を形成した後、次の硬化層を形成するための準備工程をいかに短時間で完了するかが重要である。言い換えれば、次の一層分の液状樹脂材料を、いかに高速に造形領域に補給するかが重要である。というのも、光硬化性の液状樹脂材料は、一般に粘度が高いため、流動に時間がかかるからである。
特に、大型の三次元造形物を形成する場合には、造形領域の面積が大型化するため、次の層形成のための光硬化性の液状樹脂材料の補給に要する時間が長くなる。また、積層する層数が大きくなれば、補給する回数もそれだけ増加し、三次元造形物の完成に要する時間が長くなる。
特許文献1の装置の場合は、液状樹脂材料を造形領域に補給する速度を上げるため、液状樹脂材料に超音波振動を与えて流動性を高めておく工夫をしている。しかしながら、特許文献1の装置は、樹脂の自由液面の上から光線を照射する装置系であるため、液面が変動すると光学的な露光条件に影響が出やすい。液状樹脂材料の流動性を高めて補給時間を短縮すると、硬化層の形状精度に問題が出る場合があった。
特許文献2の装置の場合は、先に述べたように、容器の底を通じて光を照射するので、樹脂の液面が変動したとしても光学的な露光条件は影響を受けないという利点がある。
その反面、次の層形成の準備のため硬化層を持ち上げた際に、容器の底と硬化層の間隔が狭いためコンダクタンスが小さく、周囲から液状樹脂材料が補給されるのに時間がかかるという問題があった。
この問題を解決するため、室温環境で粘度が低い液状樹脂材料を用いる試みもなされている。しかし、固化時の収縮が大きくなり造形物の変形が起きたり、光硬化時の重合度が上がらずに十分な強度が得られなかったり、耐熱性が低下してしまう等の問題が発生していた。そこで、光硬化による造形の後処理工程として、光や熱を加えて強度を向上させるポストキュア法も試みられたが、寸法精度の低下や変形の問題が発生していた。
また、容器に充填した液状樹脂材料全体の温度を常に高めておき、流動性を高める試みもなされた。しかし、高温に長時間保持された樹脂材料が劣化したり、硬化が進んでしまったり、固化後の冷却で造形物が変形してしまう問題があった。
このため、複数層を積層して三次元造形物を形成する際、造形領域に層形成のための液状樹脂材料を劣化させることなく速やかに補充する方法が求められていた。
本発明の三次元造形装置は、液状の光硬化性樹脂を保持する容器と、前記液状の光硬化性樹脂を硬化させた固体造形物を支持する基台と、前記基台を移動させるための移動部と、前記液状の光硬化性樹脂を硬化させる光を発する光源ユニットと、前記光源ユニットと前記基台の間に設けられ、前記液状の光硬化性樹脂と接する光透過窓とを備え、前記光透過窓は発熱可能な発熱部を有することを特徴とする。
また、本発明の三次元造形物の製造方法は、液状の光硬化性樹脂を保持する容器と、前記液状の光硬化性樹脂を光硬化させた固体造形物を支持する基台と、前記基台を移動させるための移動部と、前記液状の光硬化性樹脂を光硬化させる光を発する光源ユニットと、前記光源ユニットと前記基台の間に設けられ、前記液状の光硬化性樹脂と接する光透過窓とを備えた三次元造形装置を用いる三次元造形物の製造方法であって、前記光源ユニットが発する光を、前記光透過窓を透して前記容器の内に保持された前記液状の光硬化性樹脂の一部に照射する工程と、前記光透過窓の温度を上昇させる工程と、前記基台を前記光源ユニットから離れる方向に移動させ、温度が上昇した前記光透過窓と前記固体造形物との間に前記液状の光硬化性樹脂を補充する工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、複数層を積層して三次元造形物を形成する際、造形領域に層形成のための液状樹脂材料を劣化させることなく速やかに補充することができる。そのため、三次元造形物の形成に要する時間を、著しく短縮できる。
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
尚、以下の説明では、固化していない液状の光硬化性樹脂を、液状光硬化性樹脂と記す。また、液状の光硬化性樹脂を光硬化させた固体造形物を、三次元造形物と記す。三次元造形物は、完成品に限らず、全層のうち途中層まで積層した半完成品も含むものとする。
[第一の実施形態]
図1は、本発明の第一の実施形態にかかる三次元造形装置の構造を説明するため、装置の断面を模式的に示した図である。
図1は、本発明の第一の実施形態にかかる三次元造形装置の構造を説明するため、装置の断面を模式的に示した図である。
(装置の構成)
図1において、1は容器、2は液状光硬化性樹脂、3は樹脂供給部、4は光透過窓、5は遮光部、7は光源、8はミラー部、9はレンズ部、10は光源ユニット、11は基台、12は昇降アーム、13は昇降部、14は三次元造形物である。また、15は観測窓、16は赤外サーモビュア、17は赤外温度計である。
図1において、1は容器、2は液状光硬化性樹脂、3は樹脂供給部、4は光透過窓、5は遮光部、7は光源、8はミラー部、9はレンズ部、10は光源ユニット、11は基台、12は昇降アーム、13は昇降部、14は三次元造形物である。また、15は観測窓、16は赤外サーモビュア、17は赤外温度計である。
容器1は、液状光硬化性樹脂2を保持するための容器であり、液状光硬化性樹脂を固化させる波長域の光を遮る材料で形成されている。
樹脂供給部3は、液状光硬化性樹脂を貯蔵するタンクとポンプを備え、容器1に適量の液状光硬化性樹脂2が保持されるように、液状光硬化性樹脂を供給する。
液状光硬化性樹脂2は、特定の波長域の光を照射されると硬化(固化)する液状の樹脂である。液状光硬化性樹脂2は、光透過窓4と遮光部5の下側表面まで容器1内に満たされており、気泡が入り込まないように保持されている。光透過窓4と遮光部5は、容器1の蓋として機能し、開閉可能である。
光透過窓4は、液状光硬化性樹脂2を固化させる波長域の光を透過させる窓で、たとえばガラス板である。遮光部5は、液状光硬化性樹脂2を固化させる波長域の光を遮る部材より成る部分である。本実施形態では、蓋として機能する部分のうち、光源ユニット10と基台11の間の光路となる部分に光透過窓4を設け、その周辺領域には遮光部5を形成している。遮光部5は、断熱性が高い材料で形成するのが望ましい。光透過窓4を加熱したときに、遮光部5の温度上昇を抑制できるからである。
光透過窓4には、後述する加熱源が設けられている。
光源7、ミラー部8およびレンズ部9は、造形すべき三次元モデルの形状に対応させた光を液状光硬化性樹脂に照射するための光源ユニット10を構成している。光源7は、液状光硬化性樹脂を固化させる波長域の光を発する光源である。たとえば、光硬化性樹脂として紫外光に感度を有する材料を用いる場合には、He−CdレーザやArレーザ等の紫外光源が用いられる。ミラー部8は、光源7が発する光を造形すべき三次元モデルの形状に対応させて変調する部分で、マイクロミラーデバイスをアレイ状に配置したデバイスが用いられる。レンズ部9は、変調された光を、光透過窓4の下の所定位置にある液状光硬化性樹脂2に集光するためのレンズである。所定位置にある液状光硬化性樹脂2は、集光された十分な強度の光を照射されると、硬化する。
硬化物の形状の精度を確保するためには、集光レンズの焦点位置は光透過窓の近傍とするのが望ましいが、近すぎると硬化した樹脂が光透過窓4に付着してしまう可能性がある。そこで、レンズ部9の焦点位置は、光透過窓4の下面から60μm乃至110μm下方に設定するのが望ましい。
尚、光源ユニット10は、液状光硬化性樹脂を固化させる波長域の光を、造形すべき三次元モデルの形状に対応させて変調し、所定の位置に集光する機能を有するものであれば、上記の例に限るものではない。たとえば、紫外光源と液晶シャッターの組み合わせや、半導体レーザダイオードアレイ、走査ミラー、結像ミラー等を用いたものでもよい。
基台11は、その上面に三次元造形物14を載せて支持する台で、昇降アーム12を介して昇降部13と連結している。昇降部13は、昇降アーム12を上下に移動させて基台11の高さを調整する機構であり、基台を移動させる移動部である。
観測窓15は、容器1の外から容器内を観測するための窓で、赤外サーモビュア16は、観測窓15を通して、容器内にある液状光硬化性樹脂の温度を観測する。特に、光透過窓4と基台11の間に存在する液状光硬化性樹脂における垂直方向の温度分布を計測する。
赤外温度計17は、光透過窓4の温度を、非接触で測定するための温度計である。
(光透過窓)
次に、加熱源が設けられた光透過窓4について詳しく説明する。
次に、加熱源が設けられた光透過窓4について詳しく説明する。
図2(a)は、光透過窓4の平面図である。図2(b)は、平面図中のAとBを結ぶ線で光透過窓4を切った断面図であり、図2(c)は、平面図中のCとDを結ぶ線で光透過窓4を切った断面図である。
図中で、21は基板、22は透明ヒータ、23と24は電極である。三次元造形装置に組み込まれたときには、基板21の下面が、液状光硬化性樹脂と接する向きになる。
基板21は、液状光硬化性樹脂を固化させる波長域の光透過率が高く、透明ヒータと電極を支持するのに必要な強度を確保できる材料が適しており、具体的には厚さが2.0mm以下の石英ガラス板を用いる。
透明ヒータ22は、光透過性を有し、電極23と電極24の間に通電することにより発熱する抵抗体である。図2(a)に示すように、透明ヒータ22は、発熱可能な発熱部として矩形形状を有している。光源ユニット10から出射される液状光硬化性樹脂を固化させる波長域の光は、透明ヒータ22と基板21を透過して、液状光硬化性樹脂に照射される。透明ヒータ22は、液状光硬化性樹脂を固化させる波長域の光の透過性に優れ、適当な電気抵抗を有するものであればよい。たとえば、酸化物材料であるスズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アンチモンドープ酸化インジウム(ATO)、等から選ばれた材料の薄膜で構成されるが、それ以外であってもよい。
電極23と電極24は、透明ヒータ22に通電するための電極で、たとえば銀ペーストや銀ワイヤーが用いられるが、それ以外であってもよい。
後述するように、電極23と電極24を介して透明ヒータ22に通電することにより透明ヒータ22を発熱させ、基板21の直下にある液状光硬化性樹脂を局部的に加熱して粘度を低下させ、速やかに流動させることができる。
(制御系)
次に、図1に示した三次元造形装置の、制御系について説明する。
次に、図1に示した三次元造形装置の、制御系について説明する。
図3は、三次元造形装置のブロック図である。31は制御部、32は外部装置、33は操作パネル、16は赤外サーモビュア、17は赤外温度計、3は樹脂供給部、10は光源ユニット、13は昇降部、34はヒータ駆動部である。
制御部31は、CPU、制御プログラムや制御用数値テーブルを記憶した不揮発性メモリであるROM、演算等に使用する揮発性メモリであるRAM、装置外や装置内各部と通信するためのI/Oポート、等を備えている。なお、ROMには、3次元造形装置の基本動作を制御するためのプログラムが記憶されている。
外部装置32からは、三次元造形物の形状データが、I/Oポートを介して三次元造形装置の制御部31に入力される。
操作パネル33は、三次元造形装置の操作者が装置に指示を与えるための入力部と、操作者に情報を表示するための表示部を有する。入力部は、キーボードや操作ボタンを備えている。表示部は、三次元造形装置の動作状況等を表示する表示パネルを備えている。
ヒータ駆動部34は、光透過窓4に設けられた加熱源を駆動するための駆動回路で、制御部31の指示により動作する。
赤外サーモビュア16は、容器1内の光透過窓4と基台11の間に存在する液状光硬化性樹脂の温度分布を計測し、計測結果を制御部31に出力する。
赤外温度計17は、光透過窓4の温度を計測し、計測結果を制御部31に出力する。
制御部31は、主として、樹脂供給部3、光源ユニット10、昇降部13、ヒータ駆動部34を制御して、三次元造形プロセスを実行させる。
(三次元造形プロセス)
次に、上記の三次元造形装置を用いた三次元造形プロセスについて説明する。
次に、上記の三次元造形装置を用いた三次元造形プロセスについて説明する。
図4に示すのは、三次元造形プロセスのフローチャートである。
まず、制御部31は、光硬化プロセスをスタートさせる(S1)。
制御部31は、不図示のセンサーを用いて、容器1内に所定量の液状光硬化性樹脂が収容されているか確認する(S2)。
不足している場合には、樹脂供給部3を動作させ、容器1内を所定量の液状光硬化性樹脂2で満たす(S3)。
次に、制御部31は、昇降部13を動作させ、基台11の上面の高さが光源ユニット10の焦点位置よりもわずかに下になるように、基台11の位置をセットする。たとえば、積層造形で三次元造形物を形成する際の一層の厚みを40μmとするとき、焦点位置よりも10μm乃至30μm下方に基台11の上面が位置するように調整する(S4)。
制御部31は、外部装置32から入力された三次元造形モデル形状データに基づいて、積層造形プロセスで用いる各層の形状データ(スライスデータ)を作成する。もしくは、外部装置32が生成したスライスデータを受信する。
そして、制御部31は、光源ユニット10を駆動して発光させ、三次元造形物の第一層目の形状データ(スライスデータ)に基づいて変調された光を、液状光硬化性樹脂2に照射する。照射された部位の液状光硬化性樹脂2が硬化し、基台11上に、三次元造形物の第一層目部分が形成される(S5)。
次に、第二層目を形成するための準備として、制御部31は、ヒータ駆動部34を動作させて光透過窓4の温度を上昇させる(S6)。
制御部31は、赤外温度計17から入力される光透過窓4の温度情報を参照しながら、ヒータ駆動部34を制御する。赤外温度計17を使用しない場合には、制御部31は、あらかじめ設定されたプログラムに従ってタイマー制御でヒータ駆動部34を動作させてもよい。
また、制御部31は、赤外温度計17から入力される光透過窓4の温度情報の代わりに、赤外サーモビュア16から入力される液状光硬化性樹脂の温度情報に基づいて、ヒータ駆動部34を制御してもよい。あるいは、制御部31は、赤外温度計17から入力される光透過窓4の温度情報と、赤外サーモビュア16から入力される液状光硬化性樹脂の温度情報の両方に基づいてヒータ駆動部34を制御してもよい。
制御部31は、使用する液状光硬化性樹脂の種類や耐熱温度、粘度の温度特性等に応じて、適宜目標とする温度を変更してヒータ駆動部34を制御するのが望ましい。
図5に例示するグラフは、4種類の液状光硬化性樹脂に関する温度に対する粘度の特性を示すグラフである。同図に示すように、液状光硬化性樹脂の粘度は、一般に温度が高いほど低下する傾向がある。従って、温度をできるだけ高くして粘度を低下させるのが良いとも考えられるが、以下の諸条件を考慮して最適な温度を選択すべきである。
まず、液状光硬化性樹脂の種類による耐熱温度特性の違いを考慮するのが望ましい。
また、温度を上昇させて粘度を低下させたいのは、次の層を形成するために光透過窓4と三次元造形物の間に補充される液状光硬化性樹脂だけであり、それ以外の液状光硬化性樹脂については、特性劣化を防止するために温度は上昇させないのが望ましい。
また、光を照射して硬化させる時に液状光硬化性樹脂の温度が高いと、造形後に室温環境に取り出す際に、変形して形状精度が低下する。このため、光透過窓4と三次元造形物の間に補充が完了した時点で、この領域の液状光硬化性樹脂の温度は高すぎないほうが望ましい。
また、液状光硬化性樹脂の補充に要する時間を短くするには、液状光硬化性樹脂の粘度を700mPa・s以下にするのがよく、さらに望ましくは、100mPa・s以下にするのがよい。
かかる諸条件を考慮すれば、光透過窓4の温度、もしくは光透過窓4により加熱される液状光硬化性樹脂の温度は、40度C以上で80度C以下の範囲内になるように制御するのが好適である。
制御部31は、昇降部13を動作させ、第一層目部分が形成された基台11を、40μm下降させる(S7)。下降する基台11と光透過窓4の間の空間には、周囲から液状光硬化性樹脂2が流入する。
本実施形態によれば、光透過窓4と接する液状光硬化性樹脂2が光透過窓4により加熱されるため、液状光硬化性樹脂2の粘度が低下し、流動抵抗が低減される。このため、液状光硬化性樹脂2の流入速度が速くなり、第二層目を形成するための準備工程の所要時間を短縮することが可能である。つまり、三次元造形物を製造する際に、光源ユニットを発光させて液状光硬化性樹脂の一部を光硬化させた後に、光透過窓近傍の液状光硬化性樹脂を光透過窓で加熱して粘度を低下させ、高速に補充するのである。
制御部31は、光硬化性樹脂の補充が完了する前に、光透過窓4の発熱を停止するようヒータ駆動部34を制御する(S8)。言い換えれば、次の層を形成するための光照射を開始する所定時間前に、光透過窓4に設けられたヒータが発熱を停止するように、ヒータ駆動部34を制御する。すでに述べたように、光照射されて硬化する時の液状光硬化性樹脂の温度は高すぎないほうが望ましいからである。たとえば、制御部31は、次の層を形成するための光照射を開始する1分前に、光透過窓4に設けられたヒータの発熱を停止する。
制御部31は、液状光硬化性樹脂2の流入すなわち補充が完了したタイミングで、光源ユニット10を駆動して、三次元造形物の第二層目の形状データに基づいて変調された紫外光を照射する。照射された部位の液状光硬化性樹脂2が硬化し、三次元造形物の第一層目の上に、第二層目部分が積層形成される(S9)。
以後、所望の形状の三次元造形物の形成が完了するまで、(S6)から(S9)の工程を繰り返し、第三層目、第四層目・・と、順次積層する。
最終層の形成が完了したところで(S10)、光硬化プロセスを終了する(S11)。
以上のように、本実施形態によれば、次の層を形成する前に透明ヒータで光透過窓の温度を上昇させて光透過窓近傍の液状光硬化樹脂を加熱し、液状光硬化樹脂を造形領域に補充するので、短時間で三次元造形物を形成することが可能である。
本実施形態によれば、発熱機構を持たない光透過窓の三次元造形装置と比較して、液状光硬化性樹脂2の流動抵抗が低減され、基台を下降させた時の光硬化性樹脂溶の流入速度が12%から40%程度速いことが確認された。たとえば、層数750で底面が5cm×5cm、高さが30mm程度の三次元物体を形成する場合、光硬化プロセスも含めた三次元造形に要する時間を、大幅に短縮することができた。
本実施形態によれば、液状光硬化性樹脂が加熱されるのは造形領域に補充される際の短時間に限られ、しかも上昇温度が制御されているので、液状光硬化性樹脂はほとんど劣化しない。また、補充された液状光硬化性樹脂の温度が高すぎないため、光硬化による造形後に室温環境に取り出す際に、変形して形状精度が低下することを防止できる。
(光透過窓の他の形態)
光透過窓は、図2を用いて説明した形態に限らず、他の形態でもよい。
光透過窓は、図2を用いて説明した形態に限らず、他の形態でもよい。
図6(a)は、光透過窓4として用いられうる他の形態の平面図である。図6(b)は、平面図中のEとFを結ぶ線で光透過窓4を切った断面図であり、図6(c)は、平面図中のGとHを結ぶ線で光透過窓4を切った断面図である。
図中で、61は基板、62はストライプ状透明ヒータ、63と64は電極、65は透明絶縁体である。三次元造形装置に組み込まれたときには、基板61の下面が、液状光硬化性樹脂と接する向きになる。
基板61は、液状光硬化性樹脂を固化させる波長域の光透過率が高く、透明ヒータと電極を支持するのに必要な強度を確保できる材料が適しており、具体的には石英ガラス板を用いる。
図2の実施形態と異なるのは、基板上に1枚の矩形ヒータが設けられているのではなく、ストライプ状透明ヒータと透明絶縁体が交互に配置されている点である。図6(a)の例では、図示の便宜上、5本のストライプ状透明ヒータ62が、4本の透明絶縁体65を挟んで配置されている。ただし、ストライプ状透明ヒータの本数は、5本に限らず適宜変更され得る。たとえば、ストライプ状透明ヒータ62の幅を0.5mm乃至2.0mm、ピッチを1.5mm乃至4.0mmとし、多数のヒータを並列してもよい。その場合のストライプ状透明ヒータ62の厚みは、たとえば、50μm乃至200μmである。
図2の実施形態では、透明ヒータの膜厚が均一でないと、抵抗値が面内でばらつき、発熱が均一でなくなる可能性があるが、図6の例では、ストライプの形状と本数を適宜設計することにより、発熱の均一性を安定させることが可能である。
ストライプ状透明ヒータ62は、光透過性を有し、通電することにより発熱するヒータである。液状光硬化性樹脂を固化させる波長域の光の透過性に優れ、適当な通電抵抗を有するものであればよい。たとえば、酸化物材料であるスズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アンチモンドープ酸化インジウム(ATO)、等から選ばれた材料の薄膜をパターニングして構成されるが、それ以外であってもよい。
ストライプ状透明ヒータ62の存在により照射光の光路が乱されると、光像に歪みが生じ、三次元形状の造形に支障をきたすおそれがある。そこで、本実施形態では、ストライプ状透明ヒータ62と屈折率が近似する透明絶縁体65を、ストライプ状透明ヒータ62の周囲に配置して、屈折により生じる光像の歪みを低減している。透明絶縁体65は、たとえば光硬化性樹脂で形成することができる。
光源ユニット10から出射される液状光硬化性樹脂を固化させる波長域の光は、ストライプ状透明ヒータ62と基板61を透過するか、あるいは透明絶縁体65と基板61を透過して、液状光硬化性樹脂に照射される。
電極63と電極64は、ストライプ状透明ヒータ62を電気的に並列接続して通電するための電極で、たとえば銀ペーストや銀ワイヤーが用いられるが、それ以外であってもよい。
図2の実施形態と同様に、電極63と電極64を介してストライプ状透明ヒータ62に通電することにより発熱させ、基板61の直下にある液状光硬化性樹脂を加熱して粘度を低下させ、速やかに造形領域に補充することができる。
(光透過窓の他の形態)
また、光透過窓は、さらに他の形態でもよい。
また、光透過窓は、さらに他の形態でもよい。
図7(a)は、光透過窓4として用いられうる他の形態の平面図である。図7(b)は、平面図中のIとJを結ぶ線で光透過窓4を切った断面図であり、図6(c)は、平面図中のKとLを結ぶ線で光透過窓4を切った断面図である。
図中で、71は下基板、72は透明ヒータ、73と74は電極、75は上基板である。三次元造形装置に組み込まれたときには、下基板71の下面が、液状光硬化性樹脂と接する向きになる。
下基板71および上基板75は、液状光硬化性樹脂を固化させる波長域の光透過率が高く、透明ヒータと電極を支持するのに必要な強度を確保できる材料が適しており、具体的には石英ガラス板を用いる。
図2の実施形態と異なるのは、透明ヒータ72を、下基板71と上基板75で挟むように配置されている点である。
図2の実施形態では、透明ヒータと基板の熱膨張係数の差が大きい場合には、光透過窓に反りや変形が生じ、照射光の光路が乱される可能性がある。図7の例では、透明ヒータ72を、下基板71と上基板75で挟むことにより、反りを低減することが可能である。
光源ユニット10から出射される液状光硬化性樹脂を固化させる波長域の光は、上基板75、透明ヒータ72、下基板71を透過して、液状光硬化性樹脂に照射される。
電極73と電極74は、透明ヒータ72に通電するための電極で、たとえば銀ペーストや銀ワイヤーが用いられるが、それ以外であってもよい。
図2の実施形態と同様に、電極73と電極74を介して透明ヒータ72に通電することにより発熱させ、下基板71の直下にある液状光硬化性樹脂を加熱して粘度を低下させ、速やかに造形領域に補充することができる。
(光透過窓の他の形態)
また、光透過窓は、さらに他の形態でもよい。
また、光透過窓は、さらに他の形態でもよい。
図8(a)は、光透過窓4として用いられうる他の形態の平面図である。図8(b)は、平面図中のMとNを結ぶ線で光透過窓4を切った断面図であり、図6(c)は、平面図中のOとPを結ぶ線で光透過窓4を切った断面図である。
図中で、81は下基板、82はストライプ状透明ヒータ、83と84は電極、85は透明絶縁体、86は上基板である。三次元造形装置に組み込まれたときには、下基板81の下面が、液状光硬化性樹脂と接する向きになる。
下基板81及び上基板86は、液状光硬化性樹脂を固化させる波長域の光透過率が高く、透明ヒータと電極を支持するのに必要な強度を確保できる材料が適しており、具体的には石英ガラス板を用いる。
図6の実施形態と異なるのは、ストライプ状透明ヒータ82及び透明絶縁体85を、下基板81と上基板86で挟むように配置されている点である。
図6の実施形態では、ストライプ状透明ヒータと基板の熱膨張係数の差が大きい場合には、光透過窓に反りや変形が生じ、照射光の光路が乱される可能性がある。しかし、図8の例では、透明ヒータ72を、下基板71と上基板75で挟むことにより、反りを低減することが可能である。
光源ユニット10から出射される液状光硬化性樹脂を固化させる波長域の光は、上基板86、ストライプ状透明ヒータ82、下基板81を透過するか、あるいは上基板86、透明絶縁体85、下基板81を透過して、液状光硬化性樹脂に照射される。
電極83と電極84は、ストライプ状透明ヒータ82を電気的に並列接続して通電するための電極で、たとえば銀ペーストや銀ワイヤーが用いられるが、それ以外であってもよい。
図6の実施形態と同様に、電極83と電極84を介してストライプ状透明ヒータ82に通電することにより発熱させ、下基板71の直下にある液状光硬化性樹脂を加熱して粘度を低下させ、速やかに造形領域に補充することができる。
[第二の実施形態]
図9は、本発明の第二の実施形態にかかる三次元造形装置の構造を説明するため、装置の断面を模式的に示した図である。
図9は、本発明の第二の実施形態にかかる三次元造形装置の構造を説明するため、装置の断面を模式的に示した図である。
第一の実施形態の装置が、通電によって発熱する透明ヒータで光透過窓を加熱していたのに対し、第二の実施形態の装置は、赤外線加熱装置によって光透過窓を加熱する点が異なる。
(装置の構成)
図9において、1は容器、2は液状光硬化性樹脂、3は樹脂供給部、7は光源、8はミラー部、9はレンズ部、10は光源ユニット、11は基台、12は昇降アーム、13は昇降部、14は三次元造形物である。また、15は観測窓、16は赤外サーモビュアである。
図9において、1は容器、2は液状光硬化性樹脂、3は樹脂供給部、7は光源、8はミラー部、9はレンズ部、10は光源ユニット、11は基台、12は昇降アーム、13は昇降部、14は三次元造形物である。また、15は観測窓、16は赤外サーモビュアである。
以上の構成要素については、図1で説明した第一の実施形態と同様であるので、詳しい説明は省略する。
図9において、90は赤外光源、94は光透過窓、95は反射部である。
赤外光源90は、光透過窓94に赤外光を照射可能な光源である。赤外光源90は、不図示の制御部により動作を制御され、適時のタイミングで、たとえば波長860nmの光を含む赤外光を照射する。
光透過窓94は、光源7が照射する液状光硬化性樹脂2を固化させる波長域の光を透過させ、かつ赤外光源90が照射する赤外光を吸収する窓である。光透過窓94の材料としては、液状光硬化性樹脂2を固化させるのに適した短波長の光の透過率が高く、赤外光の吸収率が高い、ポリカーボネートやアクリルなどの樹脂材料の板が適する。
反射部95は、液状光硬化性樹脂2を固化させる波長域の光を遮光するとともに、赤外光を反射する部分である。本実施形態では、蓋として機能する部分のうち、光源ユニット10と基台11の間の光路となる部分に光透過窓94を設け、その周辺領域には反射部95を形成している。反射部95の外側表面は、赤外光源90が照射する赤外光を反射するように、無電解ニッケルめっき膜、あるいは銀、アルミニウム、酸化チタンなどの蒸着膜が形成されている。光透過窓94を加熱するために赤外光源90から赤外光を照射したときに、光透過窓94以外の部分が加熱されないようにするためである。
(光透過窓)
光透過窓94には、たとえば、住化スタイロンポリカーボネート株式会社製のPCX−6397(ポリカーボネート)を使用した。この場合には、光源7が照射する光の波長を460nm乃至500nmとし、赤外光源90が照射する光の波長を860nmとした。
光透過窓94には、たとえば、住化スタイロンポリカーボネート株式会社製のPCX−6397(ポリカーボネート)を使用した。この場合には、光源7が照射する光の波長を460nm乃至500nmとし、赤外光源90が照射する光の波長を860nmとした。
(制御系)
次に、図9に示した三次元造形装置の、制御系について説明する。第一の実施形態のブロック図と共通点が多いので、ここでは図3を参照しながら、共通点と差異点を説明する。
次に、図9に示した三次元造形装置の、制御系について説明する。第一の実施形態のブロック図と共通点が多いので、ここでは図3を参照しながら、共通点と差異点を説明する。
第二の実施形態の装置も、制御部31、外部装置32、操作パネル33、赤外サーモビュア16、樹脂供給部3、光源ユニット10、昇降部13を備える点は、第一の実施形態の装置と共通している。これらの機能についての説明は、省略する。
ただし、第一の実施形態の装置が、ヒータ駆動部34を備えていたのに対し、第二の実施形態の装置は、赤外光源90を駆動するための赤外光源駆動部を備える点で異なる。
制御部31は、主として、樹脂供給部3、光源ユニット10、昇降部13、赤外光源駆動部を制御して、三次元造形プロセスを実行させる。
(三次元造形プロセス)
次に、第二の実施形態の三次元造形装置を用いた三次元造形プロセスについて説明する。第一の実施形態のフローチャートと共通点が多いので、ここでは図4を参照しながら、説明する。
次に、第二の実施形態の三次元造形装置を用いた三次元造形プロセスについて説明する。第一の実施形態のフローチャートと共通点が多いので、ここでは図4を参照しながら、説明する。
第二の実施形態の装置も、図4に示す三次元造形プロセスのフローチャートの各工程(S1)乃至(S11)に従って動作する。
(S1)から(S5)までの工程は、第一の実施形態の装置と同様である。
第一の実施形態の装置が、工程(S6)において、次の層を形成するための準備として、ヒータ駆動部34を動作させたのに対して、第二の実施形態の装置では、制御部31が赤外光源駆動部を動作させる。すなわち、赤外光源90を点灯させて、光透過窓94の温度を上昇させる。
制御部31は、赤外サーモビュア16から入力される液状光硬化性樹脂の温度情報に基づいて、赤外光源90を制御する。赤外サーモビュア16を使用しない場合には、制御部31は、あらかじめ設定されたプログラムに従ってタイマー制御で赤外光源駆動部を動作させてもよい。
制御部31は、使用する液状光硬化性樹脂の種類や耐熱温度、粘度の温度特性等に応じて、適宜目標温度を変更して赤外光源90を制御するのが望ましい。
まず、液状光硬化性樹脂の種類による耐熱温度特性の違いを考慮するのが望ましい。
また、温度を上昇させて粘度を低下させたいのは、次の層を形成するために光透過窓4と三次元造形物の間に補充される液状光硬化性樹脂だけであり、それ以外の液状光硬化性樹脂については、特性劣化を防止するために温度は上昇させないのが望ましい。
また、光を照射して硬化させる時に液状光硬化性樹脂の温度が高いと、造形後に室温環境に取り出す際に、変形して形状精度が低下する。このため、光透過窓94と三次元造形物の間に補充が完了した時点で、この領域の液状光硬化性樹脂の温度は高すぎないほうが望ましい。
また、液状光硬化性樹脂の補充に要する時間を短くするには、液状光硬化性樹脂の粘度を700mPa・s以下にするのがよく、さらに望ましくは、100mPa・s以下にするのがよい。
かかる諸条件を考慮すれば、光透過窓94の温度、もしくは光透過窓94により加熱される液状光硬化性樹脂の温度は、40度C以上で80度C以下の範囲内になるように制御するのが好適である。
制御部31は、昇降部13を動作させ、第一層目部分が形成された基台11を、40μm下降させる(S7)。下降する基台11に支持された三次元造形物14と光透過窓94の間の空間には、周囲から液状光硬化性樹脂2が流入する。
本実施形態によれば、光透過窓94の直下の液状光硬化性樹脂2が、赤外光の照射により昇温した光透過窓94により加熱されるため、液状光硬化性樹脂2の粘度が低下し、流動抵抗が低減される。このため、液状光硬化性樹脂2の流入速度が速く、第二層目を形成するための準備工程の所要時間を短縮することが可能である。つまり、三次元造形物を製造する際に、光源ユニットを発光させて液状光硬化性樹脂の一部を光硬化させた後に、光透過窓近傍の液状光硬化性樹脂を光透過窓で加熱して粘度を低下させ、高速に補充することができる。
制御部31は、光硬化性樹脂の補充が完了する前に、光透過窓94の発熱を停止するよう赤外光源駆動部を制御する(S8)。言い換えれば、次の層を形成するための光照射を開始する所定時間前に、光透過窓94が発熱を停止するように、赤外光源駆動部を制御する。すでに述べたように、光照射されて硬化する時の液状光硬化性樹脂の温度は高すぎないほうが望ましいからである。そこで、制御部31は、次の層を形成するための光照射を開始する1分前に、赤外光源駆動部を停止する。
(S9)から(S11)の工程は、第一の実施形態の説明と同様である。
以上のように、本実施形態によれば、赤外光の照射により光透過窓を適時に発熱させ、液状光硬化樹脂を加熱して補充することにより、短時間で三次元造形物を形成することが可能である。
本実施形態によれば、発熱機構を持たない光透過窓の三次元造形装置と比較して、基台を下降させた時の光硬化性樹脂溶の流入速度を速くすることが可能で、光硬化プロセスも含めた三次元造形に要する時間を、大幅に短縮することができた。
本実施形態によれば、液状光硬化性樹脂が加熱されるのは造形領域に補充される際の短時間に限られ、しかも上昇温度が制御されているので、液状光硬化性樹脂はほとんど劣化しない。また、補充された液状光硬化性樹脂の温度が高すぎないため、光硬化による造形後に室温環境に取り出す際に、変形して形状精度が低下することを防止できる。
[第三の実施形態]
図10は、本発明の第二の実施形態にかかる三次元造形装置の構造を説明するため、装置の断面を模式的に示した図である。
図10は、本発明の第二の実施形態にかかる三次元造形装置の構造を説明するため、装置の断面を模式的に示した図である。
第三の実施形態の装置は、第二の実施形態の装置と同様に、赤外線加熱装置によって光透過窓を加熱する。ただし、第三の実施形態の装置の光透過窓は、光硬化性樹脂の硬化を阻害する酸素等のガスを透過する光透過窓である点が異なる。
(装置の構成)
図10において、1は容器、2は液状光硬化性樹脂、3は樹脂供給部、7は光源、8はミラー部、9はレンズ部、10は光源ユニット、11は基台、12は昇降アーム、13は昇降部、14は三次元造形物である。また、15は観測窓、16は赤外サーモビュア、90は赤外光源、95は反射部である。
図10において、1は容器、2は液状光硬化性樹脂、3は樹脂供給部、7は光源、8はミラー部、9はレンズ部、10は光源ユニット、11は基台、12は昇降アーム、13は昇降部、14は三次元造形物である。また、15は観測窓、16は赤外サーモビュア、90は赤外光源、95は反射部である。
以上の構成要素については、図1もしくは図9で説明したものと同様であるので、詳しい説明は省略する。
図10において、100は酸素供給部、101は冷却部、104は光透過窓である。
酸素供給部100は、光透過窓104の外面付近に酸素を供給する。第三の実施形態の装置においては、酸素等のガスを透過する光透過窓104を備えている。液状光硬化性樹脂として、たとえば酸素等のガスを含むと光硬化の感度が低下するラジカル重合型樹脂材料を使用する場合に、透過したガスにより、光透過窓近傍には硬化が阻害される領域が形成され、光透過窓に硬化物が付着しないという利点がある。大気中にも酸素は含まれているが、光透過窓を透過する酸素の量を十分大きくするためには、大気よりも酸素含有比率が高い雰囲気を光透過窓104の外面付近に滞在させるのが好ましいため、酸素供給部100を設けるのが望ましい。酸素供給部100は、場合によっては、1気圧以上の圧力で光透過窓104を加圧する機構を備えてもよい。
冷却部101は、容器1内の液状光硬化性樹脂2を冷却するための機構である。容器1内の液状樹脂材料全体の温度が高くなりすぎて、劣化したり硬化が進んでしまったり、固化後の冷却で造形物が変形してしまう問題を防止するため、本実施形態の装置は、液状光硬化性樹脂2を冷却するための機構を備える。すなわち、液体もしくは気体の冷媒が流動する管を、装置内の適所に配置する。図10の装置では、容器1の壁内の7箇所と、基台11内の3箇所に、冷却部101の管が設置されているが、配置や数は適宜変更され得る。具体的には、管には、20度C乃至35度Cの温度に保たれた冷却水を、ポンプで循環すればよい。
(光透過窓)
光透過窓104は、光源7が照射する液状光硬化性樹脂2を固化させる波長域の光を透過させ、かつ赤外光源90が照射する赤外光を吸収する窓である。さらには、液状光硬化性樹脂の硬化を阻害する酸素等のガスを透過する窓である。光透過窓104の材料としては、PFA、FEP、ETFE、PE等の樹脂が使用しえる。なかでも、フッ素系の樹脂は、離型性に優れるため、好適に使用できる。たとえば、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体が適しており、ダイキン工業株式会社製のネオフロンPFAを用いた。
光透過窓104は、光源7が照射する液状光硬化性樹脂2を固化させる波長域の光を透過させ、かつ赤外光源90が照射する赤外光を吸収する窓である。さらには、液状光硬化性樹脂の硬化を阻害する酸素等のガスを透過する窓である。光透過窓104の材料としては、PFA、FEP、ETFE、PE等の樹脂が使用しえる。なかでも、フッ素系の樹脂は、離型性に優れるため、好適に使用できる。たとえば、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体が適しており、ダイキン工業株式会社製のネオフロンPFAを用いた。
(制御系)
次に、図10に示した第三の実施形態の三次元造形装置の、制御系について説明する。基本的には、第二の実施形態の装置の制御系と同様であるが、第三の実施形態においては、制御部は、酸素供給部100と冷却部101の動作を制御する点が異なる。
次に、図10に示した第三の実施形態の三次元造形装置の、制御系について説明する。基本的には、第二の実施形態の装置の制御系と同様であるが、第三の実施形態においては、制御部は、酸素供給部100と冷却部101の動作を制御する点が異なる。
(三次元造形プロセス)
次に、第三の実施形態の三次元造形装置を用いた三次元造形プロセスについて説明する。基本的には、第二の実施形態の装置の造形プロセスと同様である。第三の実施形態においては、制御部は、造形プロセスが連続して安定に行われるように、酸素供給部100と冷却部101の動作を制御する点が異なる。
次に、第三の実施形態の三次元造形装置を用いた三次元造形プロセスについて説明する。基本的には、第二の実施形態の装置の造形プロセスと同様である。第三の実施形態においては、制御部は、造形プロセスが連続して安定に行われるように、酸素供給部100と冷却部101の動作を制御する点が異なる。
本実施形態によれば、光透過窓104の直下の液状光硬化性樹脂2が、光透過窓104により加熱されるため、液状光硬化性樹脂2の粘度が低下し、流動抵抗が低減される。このため、液状光硬化性樹脂2の流入速度が速く、次の層を形成するための準備工程の所要時間を短縮することが可能である。つまり、三次元造形物を製造する際に、光源ユニットを発光させて液状光硬化性樹脂の一部を光硬化させた後に、光透過窓近傍の液状光硬化性樹脂を光透過窓で加熱して粘度を低下させ、高速に補充することができる。
さらに、本実施形態によれば、光透過窓を透過したガスにより、光透過窓近傍には硬化が阻害される領域が形成され、光透過窓に硬化物が付着しない。
本実施形態によれば、発熱機構を持たない光透過窓の三次元造形装置と比較して、基台を下降させた時の光硬化性樹脂溶の流入速度を速くすることが可能で、光硬化プロセスも含めた三次元造形に要する時間を、大幅に短縮することができた。
本実施形態によれば、液状光硬化性樹脂が加熱されるのは造形領域に補充される際の短時間に限られ、しかも上昇温度が制御されているので、液状光硬化性樹脂はほとんど劣化しない。また、補充された液状光硬化性樹脂の温度が高すぎないため、光硬化による造形後に室温環境に取り出す際に、変形して形状精度が低下することを防止できる。
[第四の実施形態]
図11は、本発明の第四の実施形態にかかる三次元造形装置の構造を説明するため、装置の断面を模式的に示した図である。
図11は、本発明の第四の実施形態にかかる三次元造形装置の構造を説明するため、装置の断面を模式的に示した図である。
第一の実施形態から第三の実施形態の三次元造形装置では、光透過窓を容器の上部に設けたが、第四の実施形態では、光透過窓は容器の底に設けられている。第四の実施形態の装置は、第一の実施形態の装置と同様に、透明ヒータによって光透過窓を加熱する。ただし、第四の実施形態の装置の光透過窓は、光硬化性樹脂の硬化を阻害する酸素等のガスを透過する光透過窓である。
(装置の構成)
図11において、1は容器、2は液状光硬化性樹脂、3は樹脂供給部、7は光源、8はミラー部、9はレンズ部、10は光源ユニット、11は基台、12は昇降アーム、13は昇降部、14は三次元造形物である。また、15は観測窓、16は赤外サーモビュアである。以上の構成要素については、図1で説明した第一の実施形態と概ね同様であるので、ここでは詳しい説明を省略する。尚、図1の装置では、基台11の上面で三次元造形物14を支持したが、図11の装置では、基台11の下面に三次元造形物14を吊り下げて支持する。
図11において、1は容器、2は液状光硬化性樹脂、3は樹脂供給部、7は光源、8はミラー部、9はレンズ部、10は光源ユニット、11は基台、12は昇降アーム、13は昇降部、14は三次元造形物である。また、15は観測窓、16は赤外サーモビュアである。以上の構成要素については、図1で説明した第一の実施形態と概ね同様であるので、ここでは詳しい説明を省略する。尚、図1の装置では、基台11の上面で三次元造形物14を支持したが、図11の装置では、基台11の下面に三次元造形物14を吊り下げて支持する。
また、100は酸素供給部であるが、第三の実施形態の酸素供給部100と同様であるので、ここでは詳しい説明を省略する。
また、101は冷却部である。第三の実施形態の冷却部101と同様に、容器1内の液状光硬化性樹脂2を冷却するための機構である。第四の実施形態では、冷却部101は、透明ヒータを有する光透過窓114の周辺の遮光部115内に配置されている。
また、114は光透過窓、115は遮光部である。第一の実施形態の装置では、光透過窓と遮光部は容器の蓋を構成していたが、第四の実施形態の装置では、容器の底を構成している。
光透過窓114は、液状光硬化性樹脂2を固化させる波長域の光を透過させる窓である。遮光部115は、液状光硬化性樹脂2を固化させる波長域の光を遮る部材より成る部分である。本実施形態では、容器の底として機能する部分のうち、光源ユニット10と基台11の間の光路となる部分に光透過窓114を設け、その周辺領域には遮光部115を形成している。
(光透過窓)
次に、加熱源が設けられた光透過窓114について説明する。光透過窓114は、光源7が照射する液状光硬化性樹脂2を固化させる波長域の光を透過させ、かつ液状光硬化性樹脂の硬化を阻害する酸素等のガスを透過する窓である。
次に、加熱源が設けられた光透過窓114について説明する。光透過窓114は、光源7が照射する液状光硬化性樹脂2を固化させる波長域の光を透過させ、かつ液状光硬化性樹脂の硬化を阻害する酸素等のガスを透過する窓である。
基本的には、図2、図6、図7、図8で説明した構造の光透過窓が用いられるが、第四の実施形態では、液状光硬化性樹脂の硬化を阻害する酸素等のガスを透過する要請から、第一の実施形態の光透過窓とは、異なる材料で構成される場合がある。
図2の基板21、図6の基板61、図7の下基板71と上基板75、図8の下基板81と上基板86は、第一の実施形態では、たとえば石英ガラス板を用いたが、第四の実施形態では、PFA、FEP、ETFE、PE等の樹脂を用いる。たとえば、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体が適しており、ダイキン工業株式会社製のネオフロンPFAを用いることができる。
透明ヒータは、光透過性およびガス透過性を有し、通電することにより発熱するヒータである。たとえば、酸化物材料であるスズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アンチモンドープ酸化インジウム(ATO)、等から選ばれた材料の薄膜で構成されるが、それ以外であってもよい。
透明ヒータに通電するための電極は、たとえば銀ペーストや銀ワイヤーが用いられるが、それ以外であってもよい。
(制御系)
次に、図11に示した三次元造形装置の、制御系について説明する。第一の実施形態のブロック図と共通点が多いので、ここでは図3を参照しながら、共通点と差異点を説明する。
次に、図11に示した三次元造形装置の、制御系について説明する。第一の実施形態のブロック図と共通点が多いので、ここでは図3を参照しながら、共通点と差異点を説明する。
第四の実施形態の装置も、制御ブロックとして、制御部31、外部装置32、操作パネル33、赤外サーモビュア16、樹脂供給部3、光源ユニット10、昇降部13、ヒータ駆動部34を備える点は、第一の実施形態の装置と共通している。そこで、これらの機能についての説明は省略する。
ただし、第四の実施形態においては、制御部は、酸素供給部100と冷却部101の動作をも制御する点が異なる。
制御部31は、主として、樹脂供給部3、光源ユニット10、昇降部13、ヒータ駆動部34、酸素供給部100、冷却部101を制御して、三次元造形プロセスを実行させる。
(三次元造形プロセス)
次に、第四の実施形態の三次元造形装置を用いた三次元造形プロセスについて説明する。第一の実施形態のフローチャートと共通点が多いので、ここでは図4を参照しながら、説明する。
次に、第四の実施形態の三次元造形装置を用いた三次元造形プロセスについて説明する。第一の実施形態のフローチャートと共通点が多いので、ここでは図4を参照しながら、説明する。
第四の実施形態の装置も、図4に示す三次元造形プロセスのフローチャートの各工程(S1)乃至(S11)に従って動作する。
ただし、図11の装置では、基台11の下面に三次元造形物14を吊り下げて支持するので、工程(S4)においては、基台11は容器1の底である光透過窓114から所定距離だけ上方に離間した位置が初期位置となる。
また、工程(S7)においては、基台11を一層分だけ上昇させる。たとえば、40μm上昇させる。
上昇する基台11に吊り下げて支持された三次元造形物14と光透過窓114の間の空間には、周囲から液状光硬化性樹脂2が流入する。
尚、制御部は、造形プロセスが連続して安定に行われるように、酸素供給部100と冷却部101の動作を制御する。
本実施形態によれば、光透過窓114の直上の液状光硬化性樹脂2が、光透過窓114により加熱されるため、液状光硬化性樹脂2の粘度が低下し、流動抵抗が低減される。このため、液状光硬化性樹脂2の流入速度が速く、第二層目以降を形成するための準備工程の所要時間を短縮することが可能である。つまり、三次元造形物を製造する際に、光源ユニットを発光させて液状光硬化性樹脂の一部を光硬化させた後に、光透過窓近傍の液状光硬化性樹脂を光透過窓で加熱して粘度を低下させ、高速に補充することができる。
さらに、本実施形態によれば、光透過窓を透過したガスにより、光透過窓近傍には硬化が阻害される領域が形成され、光透過窓に硬化物が付着しない。
本実施形態によれば、発熱機構を持たない光透過窓の三次元造形装置と比較して、基台を上昇させた時の光硬化性樹脂溶の流入速度を速くすることが可能で、光硬化プロセスも含めた三次元造形に要する時間を、大幅に短縮することができた。
本実施形態によれば、液状光硬化性樹脂が加熱されるのは造形領域に補充される際の短時間に限られ、しかも上昇温度が制御されているので、液状光硬化性樹脂はほとんど劣化しない。また、補充された液状光硬化性樹脂の温度が高すぎないため、光硬化による造形後に室温環境に取り出す際に、変形して形状精度が低下することを防止できる。
[その他の実施形態]
第一の実施形態から第四の実施形態までを説明したが、本発明の実施形態は、これらの例に限られるものではない。各実施形態で例示した構成要素の材料、配置、大きさ等を変更したり、組み合わせたりすることができる。
第一の実施形態から第四の実施形態までを説明したが、本発明の実施形態は、これらの例に限られるものではない。各実施形態で例示した構成要素の材料、配置、大きさ等を変更したり、組み合わせたりすることができる。
たとえば、光透過窓を設ける位置は、液状光硬化性樹脂の容器の上面や底面に限らず、側面であってもよい。
また、光透過窓を加熱する手段は、透明ヒータや赤外光源を単独で用いるのに限らず、両者を組み合わせたり、温管や高周波加熱等の他の加熱手段に置き換えたりすることも可能である。
また、冷却手段の種類や配置を変更することも可能で、たとえばペルチエ素子を用いることも可能である。
また、使用する液状光硬化性樹脂の種類や、形成する三次元造形物のサイズや形状により、光透過窓の発熱レートや温度の制御を、適宜変更するのが望ましい。
1・・・容器/2・・・液状光硬化性樹脂/3・・・樹脂供給部/4・・・光透過窓/10・・・光源ユニット/11・・・基台/12・・・昇降アーム/14・・・三次元造形物/16・・・赤外サーモビュア/21・・・基板/22・・・透明ヒータ/23および24・・・電極/62・・・ストライプ状透明ヒータ/65・・・透明絶縁体/90・・・赤外光源/94・・・光透過窓/100・・・酸素供給部/101・・・冷却部/104・・・光透過窓/114・・・光透過窓
Claims (13)
- 液状の光硬化性樹脂を保持する容器と、
前記液状の光硬化性樹脂を硬化させた固体造形物を支持する基台と、
前記基台を移動させるための移動部と、
前記液状の光硬化性樹脂を硬化させる光を発する光源ユニットと、
前記光源ユニットと前記基台の間に設けられ、前記液状の光硬化性樹脂と接する光透過窓とを備え、
前記光透過窓は発熱可能な発熱部を有する、
ことを特徴とする三次元造形装置。 - 前記光透過窓は、基板の上に前記液状の光硬化性樹脂を固化させる波長域の光を透過するヒータを備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の三次元造形装置。 - 前記光透過窓は、前記液状の光硬化性樹脂を固化させる波長域の光を透過し、赤外光を吸収する、
ことを特徴とする請求項1に記載の三次元造形装置。 - 前記光透過窓に赤外光を照射可能な赤外光源を有する、
ことを特徴とする請求項3に記載の三次元造形装置。 - 前記光透過窓は、前記光硬化性樹脂の硬化を阻害するガスを透過する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のうちの何れか1項に記載の三次元造形装置。 - 前記容器は、前記液状の光硬化性樹脂を冷却する冷却部を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のうちの何れか1項に記載の三次元造形装置。 - 液状の光硬化性樹脂を保持する容器と、
前記液状の光硬化性樹脂を光硬化させた固体造形物を支持する基台と、
前記基台を移動させるための移動部と、
前記液状の光硬化性樹脂を光硬化させる光を発する光源ユニットと、
前記光源ユニットと前記基台の間に設けられ、前記液状の光硬化性樹脂と接する光透過窓とを備えた三次元造形装置を用いる三次元造形物の製造方法であって、
前記光源ユニットが発する光を、前記光透過窓を透して前記容器の内に保持された前記液状の光硬化性樹脂の一部に照射する工程と、
前記光透過窓の温度を上昇させる工程と、
前記基台を前記光源ユニットから離れる方向に移動させ、温度が上昇した前記光透過窓と前記固体造形物との間に前記液状の光硬化性樹脂を補充する工程とを有する、
ことを特徴とする三次元造形物の製造方法。 - 前記光透過窓の温度を上昇させる工程は、前記光透過窓が備えるヒータを加熱する工程である、
ことを特徴とする請求項7に記載の三次元造形物の製造方法。 - 前記光透過窓の温度を上昇させる工程は、前記光透過窓に赤外光を照射する工程である、
ことを特徴とする請求項7に記載の三次元造形物の製造方法。 - 前記光透過窓と接する前記液状の光硬化性樹脂に、前記光硬化性樹脂の硬化を阻害するガスを前記光透過窓を介して供給する、
ことを特徴とする請求項7乃至9のうちの何れか1項に記載の三次元造形物の製造方法。 - 前記光透過窓の温度を上昇させる工程は、前記光透過窓の温度を、40度C以上で80度C以下に上昇させる工程である、
ことを特徴とする請求項7乃至10のうちの何れか1項に記載の三次元造形物の製造方法。 - 前記光透過窓の温度を上昇させる工程は、その後に実施する前記光源ユニットが発する光を前記容器の内に保持された前記液状の光硬化性樹脂の一部に照射する工程よりも所定時間前に終了する、
ことを特徴とする請求項7乃至11のうちの何れか1項に記載の三次元造形物の製造方法。 - 前記光透過窓の温度を上昇させる工程における上昇温度を、前記容器に保持された液状光硬化性樹脂の種類によって変更する、
ことを特徴とする請求項7乃至12のうちの何れか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
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