JP2018051996A - 3次元造形装置および3次元造形物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光硬化性樹脂の光硬化と造形ステージの移動を繰り返す3次元造形において、次層のための空間に未硬化の光硬化性樹脂を充填する速度を向上させ、また、硬化光(造形光)の透過部材の付近などにおける光硬化性樹脂の固化、固着や粘度低下を抑制する。【解決手段】光硬化性樹脂1を収容する容器5と、光硬化性樹脂1を光硬化させた造形物2を支持する造形ステージ3と、造形ステージ3を移動させるための昇降装置4と、光硬化性樹脂1を光硬化させる造形光を照射する光照射装置(8、9、10)とこの光照射装置と造形ステージ3の間に設けられ、光硬化性樹脂1と接する光透過板6と、光透過板6を振動させる励振装置12と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、容器中に収容した光硬化性樹脂に光照射を行い、3次元造形物を製造する3次元造形装置および3次元造形物の製造方法に関する。
近年、未硬化状態の光硬化性樹脂を露光し、固化(硬化)させる工程を繰り返して造形物を形成する3次元造形技術の開発が進められている。この種の3次元造形装置では、造形ステージないし固化済みの造形物(ワーク)上に1層ずつ塗布ローラなどにより材料の光硬化性樹脂を塗布し、光照射を繰り返す構成が知られている。また、容器に収容した光硬化性樹脂中に造形ステージ(ないし造形物の造形済み部分)を浸漬し、下方または上方から光照射を行って層造形を行い、次層の造形のために造形ステージを上方または下方に移動させる構成も知られている。
後者の構成では、前者の構成のような塗布機構を用いないため、例えば造形装置の機械的な構成や制御が簡単である利点があるが、積層方向の造形速度が遅いことが問題とされている(特許文献1)。この造形速度低下の要因の1つは、造形条件によっては樹脂の容器、例えば硬化光を透過させる光透過部材の部位で光硬化性樹脂の固着(ないし粘度上昇)が起きる問題である。この場合には、例えば1層を造形した後、次層のためにステージを昇降させる場合に、固着ないし粘度上昇の起きている部位を強制的に引き剥す工程が必要となり、このために造形速度が低下する。また、造形ステージの移動装置に大きな駆動力が必要となる問題もある。また、造形速度を低下させる他の要因は、1層の造形後に造形ステージを移動させた時、これも造形条件にもよるが、次の造形層を形成する空間への光硬化性樹脂の供給が迅速に行われない問題である。
そこで、容器の特定部位、例えば光硬化性樹脂に照射する硬化光を透過させる光透過部材をガス透過部材から構成する。そしてガス透過部材を介して例えば酸素原子を含む硬化疎外性を有する気体を透過させることにより、光透過部材の近傍の領域の光硬化性樹脂の硬化や重合を阻害する手法が提案されている(特許文献2)。この構成により光透過部材付近での光硬化性樹脂の固着や粘度上昇を抑制し、樹脂の供給時間を速めることができる。また、光硬化性樹脂溶液の液面付近に超音波振動を与えて流動性を高めておき、光照射により光硬化性樹脂を硬化させ、硬化した樹脂を降下させる構成が提案されている(特許文献3)。これにより、硬化した樹脂の上面に未硬化の光硬化性樹脂が供給され、平坦化されるまでの所要時間を短縮することができる。
ここで、光硬化性樹脂の光硬化と造形ステージの移動を繰り返す造形手法において、各種の造形条件と造形速度の関係について考える。
例えば、動画像照射のような手法により、露光画像を連続的に照射し固化層を連続的に積層する場合、固化層の厚みが0.02mm〜0.2mm程度と非常に薄くなる。そして、1フレーム(例えば1造形層に相当)照射ごとに上記の固化層の厚みに相当する距離だけ、ステージを移動させる。ステージ移動により、例えば容器の透過窓近傍との間の密度が低下した空間に樹脂が供給されるが、このような狭い(薄い)空間に対して、未硬化の光硬化性樹脂を供給するには時間がかかる。
そこで、光硬化性樹脂の供給速度を上げるため、造形物の各層での断面積を小さくすることや、造形物を複数ブロックに分割して造形するような工夫が行われる。また、光硬化性樹脂に粘度の低い材料を使用する対策なども取られることがある。造形物の各層での断面積を小さくするために、例えばラティス構造のように造形層を小さくまたは小分けにすると、造形物の強度が低くなる問題が生じる。そもそも、ラティス形態のような構造は、必ずしも製造したい所期の造形物の構造に一致しない場合がある。
また、光硬化性樹脂に粘度が低い材料を使用した場合には、固化時の収縮が大きくなり造形物の変形が起きる問題や、光硬化時の重合度が上がらずに強度低下を招く、耐熱性が低くなる、といった問題が生じる可能性がある。
そこで、粘度の低い材料を使用し固化層への材料供給を早めるため、動画投影などにより光硬化を行う造形フェーズを急速に実行し、造形フェーズ後に後処理工程としてポストキュア法を実行する手法も考えられている。このポストキュア法では、樹脂の強度を上げるため、光や熱を加えることにより未硬化部分を硬化する工程が行われる。しかし、ポストキュアにより2次硬化を行う場合には、硬化時の寸法変化や変形などの問題が生じる可能性がある。
上記のように、光硬化性樹脂の供給速度を考慮して、造形物(固化層)を小分けにしたり、光硬化性樹脂の粘度を低下させたりすることは、本質的な解決とはいえず、しかも他の好ましくない副作用が種々生じる問題がある。そのため、光硬化性樹脂の粘度を徒らに低下させることなく、肉抜き部分の少ない、ソリッドな造形を行う場合には、従来では、ステージを移動させた後の次層のための狭い空間に精度良く未硬化の材料を充填時間が増大しがちであった。
そこで、特許文献2のように硬化阻害性の気体を透過させる手法によっても、粘度の高い樹脂や、硬化させる1層の面積の大きな形状の造形物では、例えば25〜35μmの厚みの次層のための空間に材料を充填する時間を短縮するのはそれ程容易ではない。また、特許文献3では、光透過部材がなく、振動子を直接、光硬化性樹脂に浸漬して超音波振動を与えている。この場合、光硬化性樹脂の必要な部位を均一に振動させることは容易ではない。
本発明の課題は、上記の諸問題に鑑み、光硬化性樹脂の光硬化と造形ステージの移動を繰り返す3次元造形において、次層のための空間に未硬化の光硬化性樹脂を充填する速度を向上させることにある。また、硬化光(造形光)の透過部材の付近などにおける光硬化性樹脂の固化、固着や粘度低下を抑制することにある。
上記課題を解決するため、本発明、特に3次元造形装置の構成においては、光硬化性樹脂を収容する容器と、前記光硬化性樹脂を光硬化させた造形物を支持する基台と、前記基台を移動させるための移動装置と、前記光硬化性樹脂を光硬化させる光を照射する光照射装置と、前記光照射装置と前記基台の間に設けられ、前記光硬化性樹脂と接する光透過部材と、前記光透過部材を振動させる励振装置と、を備えた構成を採用した。
上記構成により、光硬化性樹脂の光硬化と造形ステージの移動を繰り返す3次元造形において、次層のための空間に未硬化の光硬化性樹脂を充填する速度を向上させることができる。また、硬化光(造形光)の透過部材の付近などにおける光硬化性樹脂の固化、固着や粘度低下を抑制することができる。
以下、添付図面に示す実施例を参照して本発明を実施するための形態につき説明する。なお、以下に示す実施例はあくまでも一例であり、例えば細部の構成については本発明の趣旨を逸脱しない範囲において当業者が適宜変更することができる。また、本実施形態で取り上げる数値は、参考数値であって、本発明を限定するものではない。
<実施形態1>
図1は本実施形態1において、3次元造形物を製造するための3次元造形装置の構成を断面構造として示したものである。図1において、容器5中には、溶融(未硬化)状態の光硬化性樹脂1が収容されている。
図1は本実施形態1において、3次元造形物を製造するための3次元造形装置の構成を断面構造として示したものである。図1において、容器5中には、溶融(未硬化)状態の光硬化性樹脂1が収容されている。
光硬化性樹脂1は、例えばラジカル重合系樹脂材料としては、アクリレート系の材料である。特にその場合、光硬化性樹脂1の材質は、オリゴマーとしてはウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、アクリルアクリレート系などから選ぶことができる。
本実施形態では、容器5の上方から、光透過板6を介して光硬化性樹脂1を硬化させるための硬化光の照射を行う。この硬化阻害性を有する気体の供給部材としての造形ステージ3は造形物2の造形済み部位を支持する基台として機能する。造形ステージ3は、造形物2の固化、造形の進行に伴い、昇降装置4によって、下方に移動させる。下記の間欠造形方式の場合、硬化光を照射して1層分の造形を行った後、昇降装置4により造形ステージ3を図中下方に移動させる。この時の造形ステージ3の移動距離は、例えば硬化光の照射により固化させる1層分の厚みにほぼ対応し、例えば0.02mm〜0.2mm程度に取られる。この造形ステージ3の移動によって、造形物2の造形済み部位の上方に次層のための光硬化性樹脂1が供給される。下記の連続造形方式の場合は、硬化光の照射と、造形ステージ3の移動は同時かつ連続的に行われる。
硬化光は、例えば光源8、ミラーユニット9、レンズユニット10から成る光照射部から照射する。光源8は、例えばレーザ光源などであり、光硬化性樹脂1が例えば紫外線硬化型である場合には、光源8の照射光の波長は、例えば光硬化性樹脂1の材質などの条件に適した200〜400nm程度の範囲で選択される。硬化光の典型的な光波長としては、254nmや365nmが用いられる。ただし、光源8の照射光の波長は必ずしも紫外線領域に限定されるものではなく、光硬化性樹脂1の材質によっては他の波長領域の照射光を用いてもよい。
ミラーユニット9は、ガルバノミラーユニットなどから構成され、レンズユニット10を介してXY方向に光源8の照射スポットを走査する。これにより、光硬化性樹脂1の造形物2の特定の高さに相当する部位を硬化させることができる。
造形方式としては、例えば硬化光の平面走査と、造形ステージ3の移動を交互に行う、いわば間欠造形方式の他、昇降装置4によって造形ステージ3を連続的に移動させながら動画形態で硬化光を投影する連続造形方式が考えられる。この連続造形方式の場合には、光源8、ミラーユニット9、レンズユニット10から成る光照射部は動画像を面照射するような動画プロジェクタとして構成することができる。
図1の構成では、光硬化性樹脂1を硬化させるための光照射は容器5の上方向から行うため、容器5の上部に、光透過性の材質から構成した光透過部材、即ち光透過性蓋を配置する。図1では光透過板6がこの光透過部材に相当する。また、容器5の側壁部も、造形の進行を視認、あるいは不図示のカメラなどにより撮影する、などの目的で光透過性の材質から構成することができる。
光透過板6は、PTFE、PFA、PE、PP、PC、PMMA、石英、ガラスなどの光透過性のある材質から構成する。光透過板6の厚みは、造形領域11の大きさと樹脂の重さなどを考慮して決定すればよく、例えば0.5mm〜10mm程度の範囲で選択することができる。
なお、光透過板6には、気体透過性を有する樹脂やガラス材料を用いてもよい。これにより、光透過板6を介して容器5の外側から硬化阻害性を有する気体、例えば単体としての酸素、例えば酸素やオゾンのような同素体を含むガスを光硬化性樹脂1に対して供給することができる。これにより、造形領域11、ないし光透過板6の近傍において、光硬化性樹脂1が不要な固着や粘度上昇を生じるのを抑制することができる。
本実施形態では、未硬化、液状の光硬化性樹脂1は、供給装置7によって、光透過板6の下面ないしそのごく近傍高さの液位となるよう供給することができる。その場合、例えば、光硬化性樹脂1の液位を検出する不図示の液位検出手段の出力に応じて供給装置7に光硬化性樹脂1を容器5内に自動供給するような構成を設けてもよい。
本実施形態では、光透過板6に対して光透過板6を振動させる励振装置12を装着する。励振装置12は、トランスデューサとして前記光透過部材に装着され、電気的に駆動される振動子を備える。例えば、励振装置12のトランスデューサには、ボイスコイルのような電磁的な振動子、あるいはピエゾ素子のような振動子を用いる。励振装置12の振動子は、光硬化性樹脂1の材料物性と、光透過板6の物性に応じた最適な駆動条件により駆動する。
造形の進行に伴う励振装置12の駆動タイミングの制御の詳細については後述するが、例えば、間欠造形方式の場合は、特に硬化光の照射後、昇降装置4により造形ステージ3を移動するのと同時、あるいはその移動直後に行うことが考えられる。
励振装置12により光透過板6を振動させることにより、造形領域11、特に光透過板6の近傍の光硬化性樹脂1が昇温され、これにより局部的に粘度が低下するとともに、光透過板6と光硬化性樹脂1との接触界面での濡れ性が向上し樹脂の侵入がし易くなる。
そして、例えば造形領域11内の造形ステージ3の移動によって生じた空間に光硬化性樹脂1が供給された後、励振装置12の駆動を停止し、次層のための硬化光の照射を行う。間欠造形方式では、この硬化光の照射の際、励振装置12の駆動を停止することにより、光硬化性樹脂1の振動により光硬化性樹脂1中を伝搬する硬化光に不要な屈折や散乱が生じるのを抑制できる。概略、以上のような造形制御を行うことによって、間欠造形方式によって造形物2を完成させることができる。
ここで、図2、図3を参照して、励振装置12により光透過板6を介して振動させられる未硬化の光硬化性樹脂1の物性について考察する。
励振装置12により光透過板6を励振すると、その近傍、例えば造形ステージ3ないし造形済みの造形物2の近傍に相当する造形領域11の未硬化の光硬化性樹脂1に振動が伝搬される。この振動によって、光硬化性樹脂1を適当な温度まで加熱することができ、その流動性を高める効果が得られる。
なお、光硬化性樹脂1の種類や粘度、耐熱温度などによって、場合によっては、光硬化性樹脂1の温度制御を行ってもよい。例えば、光硬化性樹脂1の温度を温度センサにより測定し、光硬化性樹脂1の温度が適当な温度範囲に保たれるよう、励振装置12の励振駆動を制御する。このための温度センサ33は例えば図1のように配置することができる。温度センサ33は、例えばサーミスタのような温度検出素子を容器5の内壁面に配置して構成する。この場合には、温度センサ33が接している光硬化性樹脂1の温度が測定されるが、温度センサ33は非接触で造形領域11付近の光硬化性樹脂1の温度を測定するよう構成することもできる。この場合、温度センサ33は例えば赤外線の輻射などを測定可能なサーモグラフィ装置により構成することができる。そして、この温度センサ33により、光透過板6を介して上方から、あるいは透明材料から構成した容器5の側壁部を介して側方から、非接触で造形領域11付近の光硬化性樹脂1の温度を測定する。温度センサ33による温度管理では、例えば測定した光硬化性樹脂1の温度が上限値を超えないよう、制御装置、例えば後述のCPU601が励振装置12の励振駆動時間や励振出力を制御する。好ましい光硬化性樹脂1の温度範囲は、光硬化性樹脂1の種類や粘度、耐熱温度などによって異なるが、上述した材質から成る光硬化性樹脂1の場合、例えば通常40℃〜80℃の温度範囲が考えられる。
また、励振装置12により光透過板6を介して光硬化性樹脂1を振動させることにより、光硬化性樹脂1の流動性が高まる。これは、振動によって光硬化性樹脂1の表面張力が低下し粘度が低下することに起因すると考えられる。これにより、造形領域11に対して光硬化性樹脂1を高速かつスムーズに供給することができる。励振装置12によって光透過板6を励振する時の駆動条件も、光硬化性樹脂1の種類や粘度、耐熱温度などによって適宜決定する。
例えば、上述した材質から成る光硬化性樹脂1の場合、励振周波数は10Hz〜100kHz、励振出力は10W〜1kW程度の範囲が考えられる。また、1回の励振駆動時間は、後述のように間欠的に励振駆動を行うのであれば0.5sec〜5.0secの範囲に制限してもよい。また、励振装置12の励振周波数は、振動させる光透過板6の共振周波数(f0)に取ることも考えられる。これにより、効率よく励振装置12により光透過板6を振動させることができる。
図2は、光硬化性樹脂1の表面張力の影響を説明する図で、図1の構成において、光硬化させた造形物2を造形ステージ3により下方に移動させた時の状態を示している。図2において、境界13は、造形物2の移動によって造形物2の直上部に生じる光硬化性樹脂1の低圧部と、その周囲の圧力の影響を受けない光硬化性樹脂1の部分の圧力的な境界を示したものである。ここで境界13は、必ずしも可視的に観察可能ではないが、このような圧力的な境界13の部位において、光硬化性樹脂1の表面張力が働くと考えられる。
もし、光硬化性樹脂1の粘度が高い場合には、境界13の部分で強い表面張力が働き、周囲から造形領域11に樹脂を流入させるのが難しくなる。この対策としては、例えば、一旦、本来の移動量よりも大きく造形ステージ3を移動させて、造形済みの造形物2の上部の空間を大きくするなどして、光硬化性樹脂1が造形領域11に進入するよう誘導することが考えられる。ここで、例えば、間欠造形において、1回の平面走査により光硬化させる層厚が0.02mm〜0.2mmであると考えると、一度、造形済みの造形物2の上部に0.2mm以上の高さの空間が生じるように造形ステージ3を下降させる。そして、光硬化性樹脂1が充分供給されるのを待ち、再度、造形済みの造形物2の上部の空間が所期の0.02mm〜0.2mmの範囲の1層の厚みに相当する高さとなるよう、造形ステージ3を上昇させる。しかしながら、間欠造形において、1層造形ごとにこのような制御を行うと、造形処理時間が著しく増大する可能性がある。
これに対して、本実施形態のように、励振装置12で光透過板6を介して光透過板6に面した光硬化性樹脂1を振動させることにより、上記のような造形ステージ3の移動制御を行うことなく、高速かつスムーズに光硬化性樹脂1を供給することができる。例えば、励振装置12により光透過板6介して光硬化性樹脂1を振動させることにより、光硬化性樹脂1の分子間結合力を一時的に低下させ、境界13のような部位に生じる表面張力を低下させることができる。これにより、本実施形態によれば、樹脂の粘度や表面張力を低下させ、流動性が上がり、造形ステージ3の移動量が少ない場合でも、それにより生じた薄い空間に高速かつスムーズに光硬化性樹脂1を進入させることができる。
例えば、図3は、21.8℃の環境温度において、上記と同様の材質の光硬化性樹脂1と、光透過板6と同様の材質の基板を用い、例えば100μlの液滴として、同基板上に滴下した時の液厚(μm)と液投影径(mm)を測定した結果を示している。光透過板6と同様の材質の基板は、励振装置12と同等の励振装置によって励振A(302):20KHz/200W、励振B(303):40KHz/600W、の2つの条件で励振駆動可能となっている。これらの励振周波数は、可聴域を超えた、いわゆる超音波帯域の周波数である。
図3において、301は、比較条件として基板に対する励振を行わなかった時の結果で、液厚は720μm、液投影径は13.3mmであった。これに対して、上記の励振A(302)の条件では液厚は420μm、液投影径は16.6mm、上記の励振B(303)の条件では液厚は340μm、液投影径は18.7mmとなっている。即ち、励振が無い場合に比して、励振を行った方が光硬化性樹脂1の流動性が高まり、同じ濡れ性を有する基板面で容易に広く薄い面積に滴下した液滴状の光硬化性樹脂1が広がるようになる。図3の実験結果を見ても、光透過板6を振動させた方が、光硬化性樹脂1の流動性を向上し、その供給効率が増大することが判る。なお、図3における液厚と液投影径は、光硬化性樹脂1の滴下した基板上における濡れ角度の視標と考えてもよい。
次に、具体的な造形装置の制御系と、造形制御手順の一例につき説明する。図9は、図1の造形装置の制御系の構成を示している。なお、図9の制御系の構成は、後述の他の実施形態においても同様に実施できる。
図9の制御系において、制御装置の主体的機能を受け持つCPU601を中心にROM602、RAM603、インターフェース604、608、ネットワークインターフェース609などを配置してある。
CPU601には、ROM602、RAM603、および各種のインターフェース604、608、ないし609が接続される。ROM602には、BIOS等の基本プログラムが格納される。ROM602の記憶領域には、書き換え可能な例えばE(E)PROMのようなデバイスが含まれていてよい。RAM603は、CPU601の演算処理結果を一時的に記憶するワークエリアとして用いられる。CPU601は、ROM602に記録(格納)されたプログラムを実行することにより、後述の造形制御手順を実行する。
後述の造形制御手順を実行させるプログラムをROM602に記録(格納)する場合、この記録媒体は本発明を実施するための制御手順を格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を構成する。なお、後述の制御手順を実行させるプログラムは、ROM602のような固定的な記録媒体に格納する他、各種フラッシュメモリや光(磁気)ディスクのような着脱可能なコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよい。このような格納形態は、本発明を実施する制御手順を実行させるプログラムをインストールしたり更新したりする場合に利用できる。また、このような制御プログラムをインストールしたり更新したりする場合、上記のような着脱可能な記録媒体を用いる他、ネットワークインターフェース609を介してネットワーク611からプログラムをダウンロードする方式を利用できる。
CPU601は、ネットワークインターフェース609を介して接続された、例えばTCP/IPのようなプロトコルを用いて通信を行うネットワーク(不図示)上の他の資源と通信することができる。ネットワークインターフェース609は、例えば有線接続(IEEE 802.3など)、無線接続(IEEE802.xxなど)などの各種のネットワーク通信方式によって構成することができる。ネットワーク611に配置されたサーバから後述の造形制御プログラムをダウンロードしてROM602やHDDのような不図示の外部記憶装置にインストールしたり、あるいは既にインストールされているプログラムを新版に更新したりすることもできる。
造形物2を積層的に3次元(3D)造形するための3次元(3D)データは、例えば3DCADのようなデータ形式で、上位のホスト装置610からインターフェース608を介して送信される。インターフェース608は各種の例えば各種のシリアルないしパラレルインターフェース規格に基づき構成することができる。また、ホスト装置610は、ネットワーク端末としてネットワーク611に接続することもできる。この場合も、ホスト装置610は上記同様に本造形装置に対して造形データを供給することができる。
CPU601は、インターフェース604、および光照射制御部605を介して、光源8およびミラーユニット9を制御する。また、CPU601はインターフェース604、およびステージ制御部607を介して昇降装置4の昇降を制御する。また、CPU601はインターフェース604、および励振制御部606を介して励振装置12を制御する。CPU601は、これらの各部を所期の造形シーケンスに応じて制御することにより、全体の造形工程を進行させる。
インターフェース604、608は、例えば各種のシリアルないしパラレルインターフェース規格に基づき構成できる。なお、図9では簡略化のためインターフェース604は1ブロックで示しているが、インターフェース604の右側に図示した各部の通信仕様などに応じてそれぞれ異なる通信方式を持つインターフェース回路によって構成されていてよい。
次に、上記の制御系を用いた造形制御につき説明する。図10、図11は、図1の装置における造形制御手順の流れを示している。図10は、硬化光の照射(S10)と造形ステージ3の移動(S13)を交互に行ういわゆる間欠造形方式の場合の制御手順を示している。図11は、硬化光の照射(S10)と造形ステージ3の移動(S13)を同時かつ並行的に行ういわゆる連続造形方式の場合の制御手順を示している。図10、図11の手順は例えばCPU601(制御装置:コンピュータ)が読み取り、かつ実行可能な制御プログラムとして記述され、例えばROM602(あるいは不図示の外部記憶装置)に格納しておくことができる。
造形に先立ち、供給装置7によって容器5中に溶解(未硬化)状態の光硬化性樹脂1を供給する。あるいはこの手続きは作業者の手動操作によって行ってもよい。供給装置7により光硬化性樹脂1を供給する構成においては、光硬化性樹脂1の液面レベルを検出する適当な液位検出手段の出力に応じて、容器5中の光硬化性樹脂1の量が自動的に適量に制御されるような自動制御を行ってもよい。また、供給装置7を配置する場合は、容器5中から光硬化性樹脂1を吸入、排出させるような樹脂回収装置を追加し、樹脂回収装置から樹脂供給装置、さらに再度、容器5へと光硬化性樹脂1を循環させるような構成を取ってもよい。
造形物2の3D造形データは予めホスト装置610などから送信される。この3D造形データを例えば複数の造形層の(断面)形状データへと変換することにより、造形物2を構成する複数層分の造形データが生成される。複数層分の造形データが1層ずつ取り出され、その1層分の造形データの形状に応じた部分を照射するよう駆動される。間欠造形方式においては、CPU601は、1層分の造形データの形状に応じた領域を平面走査するようにミラーユニット9を駆動制御する。連続造形方式では、CPU601は、例えば、複数層分の造形データをフレームに分解した動画データを生成し、ミラーユニット9、ないしはレンズユニット10に換えて配置される動画プロジェクタをこの動画データによって駆動制御する。
光硬化性樹脂1が容器5中に供給され、造形すべき造形物2の造形データを取得すると、CPU601は造形を開始するか否かを判定する。この造形開始の判定は、ホスト装置610などから造形開始の指令が到来したか否かを判定したり、不図示の操作パネルで所定の造形開始操作が行われたか否かを判定したりすることによって行えばよい。
本実施形態では、少なくとも、造形物2の基台としての造形ステージ3を移動させる時、励振装置12により光透過板6を振動させる。例えば、図10の間欠造形の手順では、造形物2の1層分に相当する硬化光を照射(S10)し、照射を停止(S11)させると、CPU601は励振制御部606を介して励振装置12の駆動を開始させる。CPU601は、ステップS14で造形ステージ3の移動を停止させるまで、造形ステージ3の移動中は励振装置12により光透過板6を振動させる。
この光透過板6の振動により、光透過板6に面した光硬化性樹脂1が励振され、適宜加温されるとともに、その流動性が高められる。これにより、スムーズかつ高速に造形領域11、特に造形ステージ3の移動によって生じた次層のための空間に溶解状態の光硬化性樹脂1を供給することができる。励振装置12を用いて光透過板6さらに光硬化性樹脂1を振動させる構成により、この時の樹脂供給速度は、光硬化性樹脂1の粘度、造形形状により異なるが、0.3ml/sec〜30ml/secを達成することができる。
そして、造形ステージ3を例えば1層分の高さに応じて定まる距離だけ移動させると、CPU601は造形ステージ3の移動を停止させ(S14)、さらに励振装置12による光透過板6の励振を停止させる。以上のステップを、ステップS16で造形物2の造形終了を確認するまで繰り返す。ステップS16は、造形物2を造形するための全層のデータを用いて光照射とステージ移動を行ったか否かを判定することにより実施できる。
間欠造形の場合は、上記のように造形ステージ3の移動(S13)を行う時だけ励振装置12による光透過板6の励振を行い、硬化光の照射(S10)を行う時は励振装置12を駆動しないよう制御できる。このため、硬化光を透過させる光透過板6、および光透過板6に面した光硬化性樹脂1の振動によって、硬化光の光路が不要な影響を受けずに済み、高い造形精度で造形物2の各層に対応する部位を造形することができる。
一方、図11の連続造形の場合は、硬化光の照射(S10)と造形ステージ3の移動(S13)を同時かつ並行的に行う。即ち、光照射装置による硬化光の照射と並行して、‘4‘4によって造形ステージ3を移動し、連続的に造形物を造形する。CPUは、硬化光の照射(S10)と造形ステージ3の移動(S13)を開始させると、励振装置12により光透過板6を振動させる(S21)。なお、図11では、ステップS21の「励振ON」は便宜上、ステップS10、S13の後に図示しているが、ステップS10、S13に先立って励振装置12の駆動を開始させておいても構わない。造形ステージ3の移動(S13)の速度は、例えば動画形態の硬化光のフレームレートなどに応じて決定される。
また、図11の連続造形の場合でも、光透過板6を振動させた時、光透過板6に面した光硬化性樹脂1が励振され、適宜加温されるとともに、その流動性が高められる。これにより、スムーズかつ高速に造形領域11、特に造形ステージ3の移動によって生じる空間に溶解状態の光硬化性樹脂1を供給することができる。
なお、図11の連続造形の場合でも、少なくとも造形ステージ3を移動させる時、励振装置12により光透過板6を振動させる(S21)点は同じであるが、連続造形方式の場合は、同時に硬化光の照射を行うことになる。この場合には、光透過板6と光硬化性樹脂1の振動が硬化光の光路に影響を与える可能性があるが、光硬化性樹脂1の流体振動と撹拌されている部位の固着を抑制できる。このため、光透過板6の固着や光硬化性樹脂1の粘度上昇を防ぎ、造形ステージ3および造形物2の造形済みの部位を速度むらなどを生じることなくスムーズに移動でき、造形精度の向上を期待できる。特に、光透過板6にガス透過性の樹脂やガラスなどの材料を用いて、光透過板6を介して硬化阻害性を有する気体(純酸素や空気)を光硬化性樹脂1側に供給するようにした場合、この光透過板6の固着や光硬化性樹脂1の粘度上昇の抑制効果は大きくなる。
以上のように本実施形態によれば、光硬化性樹脂の光硬化と造形ステージの移動を繰り返す3次元造形において、次層のための空間に未硬化の光硬化性樹脂を充填する速度を向上させることができる。また、硬化阻害性を有する気体を利用し、例えば硬化光(造形光)の透過部材の付近などにおける光硬化性樹脂の固化、固着や粘度低下を抑制することができる。
以下、異なる実施の形態について説明する。以下では、上述の全体構成、あるいは制御系の構成などが、同一である場合には重複した図示や説明を省略するものとする。また、装置や回路の構成部材については、上述と同一または相当する部材には同一の参照符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
<実施形態2>
上記実施形態1では、容器5の上方に光透過板6を配置し、光源8、ミラーユニット9、レンズユニット10から成る照射装置により造形領域11の光硬化性樹脂1に造形光を照射する構成を示した。本実施形態2では、図1とは異なる方向から造形光、即ち硬化光を照射する構成を示す。
上記実施形態1では、容器5の上方に光透過板6を配置し、光源8、ミラーユニット9、レンズユニット10から成る照射装置により造形領域11の光硬化性樹脂1に造形光を照射する構成を示した。本実施形態2では、図1とは異なる方向から造形光、即ち硬化光を照射する構成を示す。
図4において、光源8、ミラーユニット9、レンズユニット10から成る照射装置は、光硬化性樹脂1を収容した容器5の下方に配置している。光透過板6は、容器5の底面の部位に配置され、その一部に光透過板6を振動させるための励振装置12を装着してある。図4の構成では、容器5の下方から光透過板6を介して造形領域11の光硬化性樹脂1に造形光を照射する。造形ステージ3は造形の進行に応じて昇降装置4によって上方に移動させ、これにより造形ステージ3の下面に造形物2を形成していく。
上記のように、図4の構成は、造形光の照射方向と、造形に伴なう造形物2および造形ステージ3の移動方向が異なるだけである。このような本実施形態の構成においても、励振装置12によって光透過板6、さらに光透過板6に面する造形領域11付近の光硬化性樹脂1を振動させることにより、上述の実施形態1と同様の作用効果を期待できる。即ち、本実施形態2においても、励振装置12による励振によって、光硬化性樹脂1の流動性を高め、例えば光透過板6との固着を防ぐ、造形物2および造形ステージ3移動後の空間に光硬化性樹脂1を高速かつスムーズに供給することができる。造形制御のための制御系(図9)や、造形制御手順(図10、図11)についても、上記の実施形態1と同様に実施することができる。
<実施形態3>
実施形態1および2では、容器5の上面または下面のほぼ全体を光透過板6によって構成し、これを励振装置12により励振する例を示した。本実施形態3では、光透過板6廻りの異なる構成を例示する。
実施形態1および2では、容器5の上面または下面のほぼ全体を光透過板6によって構成し、これを励振装置12により励振する例を示した。本実施形態3では、光透過板6廻りの異なる構成を例示する。
図5は、本実施形態における光透過板6廻りの構成を示している。ここでは便宜上、図4と同様に下方から造形光を照射する構成を用いているが、図5と同様の光透過板6廻りの構成は図1の上方照射方式の構成にも適用できる。
図5において、光透過板15は、上述の光透過板6と同様の光透過板であるが、本実施形態3では、容器5の中央部の実際に造形光を透過させる必要がある面積に形成し、その周囲を吸振材14によって支持している。本実施形態では、光透過板15および吸振材14は例えばほぼ面一形状とすることができ、これら光透過板15および吸振材14によって容器5の底面部分を画成している。励振装置16は、励振装置12と同様の励振装置であり、例えばピエゾ素子などの振動子によって構成することができる。上記の各実施形態と同一ないし同様の参照符号を付したその他の部材の構造および作用については、上述同様であるため、ここでは重複した説明は省略する。
励振装置16により光透過板15、そして光硬化性樹脂1を振動させることによる、基本的な作用効果は上述の各実施形態と同様である。即ち、造形領域11付近の光硬化性樹脂1の流動性が高まり、昇降装置4によって造形ステージ3を低抵抗で移動でき、また、造形ステージ3の移動した後の空間に高速かつスムーズに光硬化性樹脂1を供給することができる。
さらに本実施形態3では、容器5の底面中央に配置した光透過板15の周縁を吸振材14によって包囲するように支持し、励振装置16を光透過板15の周辺部に装着している。このような構造とするのは、励振装置16で発生させた振動を光透過板15の周辺部から中央部に向かう進行波として伝搬させるためである。
即ち、本実施形態3によれば、光透過板15の外周を吸振材14で連結しているので、光透過板15の外周端縁で反射する振動成分は少なく、励振装置16が発生する振動は、主に光透過板15の周辺から中央に向かって進行する。
図2で示したように、硬化光の照射後、造形ステージ3を移動させることにより形成される空間には造形領域11の外周部から中央に向かって光硬化性樹脂1が進入する。従って、上記のように励振装置16が発生する振動を光透過板15の周辺から中央に向かう進行波として伝搬させることによって、上記各実施形態よりもさらに高速かつスムーズに光硬化性樹脂1を造形領域11付近に供給することができる。
光透過板6の装着面上での励振装置16の配置形態には、図6〜図8に示すような構成が考えられる。
図6の構成は、例えば容器5が矩形横断面を有するような箱型形状である場合に、容器5の上部あるいは下部に配置される吸振材14、光透過板15、励振装置16の構造を示している。図6の構成では、吸振材14に包囲かつ支持された光透過板15は矩形形状である。そして、2条のストライプ形状を有する励振装置16、16は光透過板15の対向する2辺の縁部に装着してある。従って、励振装置16、16の発生した振動は、光透過板15の対向する2辺からそれぞれ中央に向かって進み、光硬化性樹脂1の流動性を高めるとともに、光硬化性樹脂1がその方向に向かう動きを促進する。
なお、図6の構成では、2条の励振装置16、16は必ずしも両方とも同時に駆動する必要はない。例えば造形物2の形状によっては、図中の左方から右方、あるいはその逆方向へのみ、光硬化性樹脂1の流動を促進することが好都合である場合も考えられる。そこで、図6に示すように、複数個の独立して駆動可能な振動子を含む励振装置を実施する場合には、制御系のCPU601(図9)は例えば造形物2の形状などに応じて、選択的に励振装置の振動子、即ちそのトランスデューサを駆動するように制御すると良い。
図7の構成は、例えば容器5が中空の円筒形状である場合などにおいて、容器5の上部あるいは下部に配置される吸振材14、光透過板15、励振装置16の構造を示している。図7の構成では、吸振材14と光透過板15は同心円形状であり、例えば円板形状の光透過板15は、その円周を吸振材14により包囲かつ支持される。円環形状の励振装置16は、円板形状の光透過板15の周縁に装着してある。この例では、円環形状の励振装置16と、円板形状の光透過板15はその外周の直径がほぼ同一である。従って、この構成では、励振装置16が発生した振動は、光透過板15の外周縁から中心部に向かって進み、光硬化性樹脂1の流動性を高めるとともに、光硬化性樹脂1がその方向に向かう動きを促進する。
図6の構成は、例えば、図8のように変更することができる。図8では、斜線で示すように、吸振材14で囲まれた矩形の光透過板15の4つの角部と、4辺の中央に励振装置16を配置している。これらの励振装置16を一斉に駆動すれば、図7の円環形状配置の場合に類似したパターンで光透過板15の周辺部から中央へと向かう進行波を発生し、光硬化性樹脂1に伝達することができる。また、制御系のCPU601(図9)が例えば造形物2の形状などに応じて、選択的に励振装置の振動子を駆動するように制御する場合にも、振動させる振動子の組合せをより細かく選択することができる。このため、複雑な断面形状を有する造形物2に幅広く対応することできる可能性がある。
<実施形態4>
本実施形態4では、励振装置によって励振される光透過板の詳細な構造の一例を示す。図12は、図4ないし図5の場合と同様に、容器5の底面に光透過板15を配置した構造の要部を示している。照射装置は図12では図示を省略しているが、造形光は図の下方から光透過板15を介して造形物2および造形ステージ3の下方の造形領域11に照射される。
本実施形態4では、励振装置によって励振される光透過板の詳細な構造の一例を示す。図12は、図4ないし図5の場合と同様に、容器5の底面に光透過板15を配置した構造の要部を示している。照射装置は図12では図示を省略しているが、造形光は図の下方から光透過板15を介して造形物2および造形ステージ3の下方の造形領域11に照射される。
図12において、励振装置16は、光透過板15の下面に装着されている。図12の断面図示は、図5および図6や図7のような励振装置16の配置に相当するが、異なる励振装置16の配置パターンを採用しても構わない。
本実施形態4の特徴は、光透過板15の光硬化性樹脂1に臨む面に、凹凸形状27を設けている点である。凹凸形状27は、例えば、高さは5μm〜50μm、ピッチは10μm〜0.2mmで例えば矩形断面を有する形状に形成する。凹凸形状27は光透過板15の表面を直接加工、あるいは一体形成によって得る他に、別途、光透過板15と同等の材料を一体成形することなどにより凹凸形状27を付与した薄板を接着するような手法で得る。
光透過板15の光硬化性樹脂1に臨む面に、上記のような寸法の微細な凹凸形状27を配置することにより、凹凸形状27を介して効率よく励振装置16により励振された光透過板15の振動を光硬化性樹脂1に伝達できる。これにより効率よく造形領域11付近の光硬化性樹脂1の流動性を高めることができ、造形物2および造形ステージ3の移動時には、高速かつスムーズに光硬化性樹脂1を造形領域11付近に供給することができる。また、もし、造形領域11付近で光硬化性樹脂1の固着や粘度上昇が生じていても、振動によって造形物2および造形ステージ3の移動時の光硬化性樹脂1の剥離を促進できる。このため、昇降装置(4)は小さな駆動力で造形物2および造形ステージ3を移動させることができる。
また、光透過板15の光硬化性樹脂1に臨む面に、例えば上記の寸法、形状で凹凸形状27を配置する場合、これに合わせて例えば励振装置16により光透過板15を励振する振幅を5μm以上、周期を10μm以上とすることが考えられる。このように励振装置16の励振周期、振幅を凹凸形状27の寸法、形状、特にその周期を一致させることによって、光透過板15を透過して照射される造形光を拡散させ、ぼかしを入れることが可能になる。即ち、微細な凹凸形状27に造形光が入射した際の画像歪曲による輪郭のずれをぼかす事ができる。造形物2の輪郭をスムーズに繋ぐことが可能になる。
また、図4や図1のようなレンズユニット10とミラーユニット9を用いる場合、造形領域11の特定の平面の範囲に対して造形光を走査する場合、その光路は造形物2の中心部に入射する光路に比して、周辺部において傾斜したものになる。
そこで、これにより生じる収差、歪を補償すべく、凹凸形状27を利用して光透過板15の光硬化性樹脂1側の面をレンズとして構成することが考えられる。例えば、凹凸形状27を利用してフレネルレンズを構成する。
また、凹凸形状27のジオメトリが上記の高さが5μm〜50μm、ピッチが10μm〜0.2mmの範囲であるとすると、凹凸形状27を利用して回折レンズを構成することができる。回折レンズの場合、凹凸形状27を形成する溝構造は同心円形状に配置するが、そのピッチは例えば光透過板15の中央領域で疎、周辺領域で密となるような不等ピッチのパターンとする。これにより、造形領域11の被照射部位に向かう造形光の光路を造形物2の中央および周辺部において例えばほぼ平行に揃うように補正することができる。これにより、造形物2の造形精度を著しく向上することができる。
<実施形態5>
図13〜図16にさらに異なる実施形態を示す。上記実施形態1〜4では、励振装置12ないし16を、光透過板6ないし15に装着し、接触状態で光透過板6ないし15を振動させた。これに対して、本実施形態5では、非接触で光透過板15を振動させる励振装置120を配置する点が上記実施形態1〜4と異なる。
図13〜図16にさらに異なる実施形態を示す。上記実施形態1〜4では、励振装置12ないし16を、光透過板6ないし15に装着し、接触状態で光透過板6ないし15を振動させた。これに対して、本実施形態5では、非接触で光透過板15を振動させる励振装置120を配置する点が上記実施形態1〜4と異なる。
図13および図14は本実施形態5の構成例を示している。図13は図1、図4と同様に上方から造形光を照射する基本構成における配置、図14は図5と同様に下方から造形光を照射する基本構成における配置をそれぞれ示している。
図13、図14において、上述の実施形態1〜4と異なるのは、非接触で光透過板15を振動させる励振装置120を光透過板15の方向に向けて配置している点である。本実施形態では、励振装置120は、音響エネルギーの形態で振動を放射する手段、例えば電磁駆動や圧電駆動方式のスピーカから構成する。特に、励振装置120は指向性を持って非接触で光透過板15の部位を集中的に振動させることができるのが好ましい。このため、励振装置120のトランスデューサには、例えばパラメトリックスピーカを用いるのが好適である。一般に、パラメトリックスピーカは、指向性の強い、可聴域より高い、いわゆる超音波の帯域で駆動されるスピーカを複数配置したもので、特定の方向に音響エネルギーを空中伝送することができる。
パラメトリックスピーカとしての励振装置120の詳細な構成は図示を省略している。励振装置120を構成する複数のスピーカ素子は、指向性の強い、可聴域より高い、超音波の帯域で駆動し、その場合、駆動信号にAM、DSB、SSB、FMのような変調方式で伝送信号、即ち、光透過板15を振動させたい励振周波数の信号を乗せる。これにより、指向性を持って、光透過板15の方向に音響エネルギーとして振動を伝送することができる。光透過板15の配置から当然ながら、励振装置120は、図13では上方から、図14では下方から光透過板15の方向と一致するようにその指向性の方向を合わせて配置する。
励振装置120の伝送信号の励振周波数、即ち、光透過板15を振動させる励振周波数は、例えば好ましくは光透過板15の共振周波数(f0)に取る。これにより、小さな駆動電力で、効率よく光透過板15を振動させることができる。
図13、図14のいずれにおいても、光透過板15は、図5に示した構造と同様に、その周囲を吸振材14で包囲するように支持する支持構造を取っている。図13、図14において、図1、図4、図5などと同じ参照符号を有するその他の部材の配置、構造は上述の実施形態と同様であり、ここでは重複した説明は省略する。
造形制御のための制御系(図9)や、造形制御手順(図10、図11)についても、上記の実施形態1と同様に実施することができる。ただし、励振制御部606は、励振装置120を構成するスピーカやパラメトリックスピーカを駆動可能な構成に変更する。特にパラメトリックスピーカの場合には、励振装置120に所期の伝送信号、即ち、光透過板15を振動させたい周波数の信号を発生させるための変調回路などを設けることになる。
上記のような構成により、本実施形態5では、図13および図14のように、励振装置120により非接触で光透過板15を振動させる。特に励振装置120をパラメトリックスピーカにより構成することにより、効率よく造形領域11付近の光硬化性樹脂1の流動性を高めることができる。従って、造形物2および造形ステージ3の移動時には、高速かつスムーズに光硬化性樹脂1を造形領域11付近に供給することができる。また、もし、造形領域11付近で光硬化性樹脂1の固着や粘度上昇が生じていても、振動によって造形物2および造形ステージ3の移動時の光硬化性樹脂1の剥離を促進できる。このため、昇降装置4は小さな駆動力で造形物2および造形ステージ3を移動させることができる。
なお、実施形態3(図5〜図8)で説明したように、励振装置120で発生させた振動は、光透過板15の周辺部から中央部に向かう進行波として伝搬させるのが望ましい。このためには、図15、図16に示すような構成を用いることができる。
図15、図16は、実施形態3の図7、図8と同様に、それぞれ円形および矩形の光透過板15の周囲を吸振材14で包囲、支持したものである。そして、図15、図16において、それぞれ斜線を付して示した部位(図7、図8では励振装置16に相当)は、共振部材121である。
例えば図15では、励振装置12のパラメトリックスピーカの励振周波数に対する共振特性を有する共振部材121は、光透過板15の周辺部に円周形状をなすよう配置されている。また、図16では、光透過板15の周辺部、例えば角部および辺部の中央に、励振装置12のパラメトリックスピーカの励振周波数に対する共振特性を有する共振部材121が複数配置されている。なお、本実施形態5では図示を省略しているが、図6の励振装置16、16の配置と同様に、共振部材121は、光透過板15の対向する2辺の縁部に装着する構造を採用してもよい。
図13、図14では、これら共振部材121は図示されておらず、従って、励振装置120から非接触で光透過板15に対して光透過板15の共振周波数(f0)相当の励振周波数を有する信号を伝送する。これに対して、図15、図16のように共振部材121を配置する場合は、共振部材121に対して、励振装置120から非接触で共振部材121の共振周波数(f0)相当の信号を伝送する。励振装置120の指向方向は、図15、図16の共振部材121をカバーするように適宜調整する。また、光透過板15の共振周波数(f0)は、好ましくは共振部材121の共振周波数(f0)とはずれた値に取る。これにより、励振装置120でまず共振部材121に音響エネルギーとして振動を伝達し、光透過板15の周辺部の共振部材121から光透過板15の中心部に向かう進行波として振動を伝達させる。吸振材14は、本実施形態においても、振動を主に光透過板15の周辺部から中心部に向かわせるよう作用する。
図15および図16のような構造によれば、共振部材121に伝達された振動は、光透過板15の外周縁から中心部に向かって進み、光硬化性樹脂1(図13、図14)の流動性を高めるとともに、光硬化性樹脂1がその方向に向かう動きを促進する。このように、振動を光透過板15の周辺から中央に向かう進行波として伝搬させることによって、高速かつスムーズに光硬化性樹脂1を造形領域11付近に供給することができ、上述の作用効果をより高めることができる。
本発明は、上述の実施例の1以上の機能を実現するプログラムをネットワーク又は記憶媒体を介してシステムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
1…光硬化性樹脂、2…造形物、3…造形ステージ、4…昇降装置、5…容器、6、15…光透過板、7…供給装置、8…光源、9…ミラーユニット、10…レンズユニット、11…造形領域、12、16、120…励振装置、14…吸振材、33…温度センサ、601…CPU、602…ROM、603…RAM、604、608…インターフェース、605…光照射制御部、606…励振制御部、607…ステージ制御部、609…ネットワークインターフェース、610…ホスト装置。
Claims (18)
- 光硬化性樹脂を収容する容器と、
前記光硬化性樹脂を光硬化させた造形物を支持する基台と、
前記基台を移動させるための移動装置と、
前記光硬化性樹脂を光硬化させる光を照射する光照射装置と、
前記光照射装置と前記基台の間に設けられ、前記光硬化性樹脂と接する光透過部材と、
前記光透過部材を振動させる励振装置と、
を備えた3次元造形装置。 - 請求項1に記載の3次元造形装置において、前記移動装置により前記基台を移動させる時、または、光照射装置により光照射を行う時、前記励振装置により前記光透過部材を振動させる3次元造形装置。
- 請求項1または2に記載の3次元造形装置において、前記光照射装置による光照射と並行して、前記移動装置により前記基台を移動し、連続的に造形物を造形する3次元造形装置。
- 請求項1または2に記載の3次元造形装置において、前記光照射装置による光照射と、前記移動装置による前記基台の移動を交互に行い、間欠的に造形物を造形する3次元造形装置。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載の3次元造形装置において、前記励振装置の励振周波数が10Hz〜100kHz、励振出力が10W〜1kWの範囲で選択される3次元造形装置。
- 請求項1から5のいずれか1項に記載の3次元造形装置において、前記励振装置は前記光透過部材に装着され、電気的に駆動される振動子を備える3次元造形装置。
- 請求項6に記載の3次元造形装置において、前記振動子が、複数、前記光透過部材の互いに対向する縁部に配置された3次元造形装置。
- 請求項6に記載の3次元造形装置において、前記振動子が前記光透過部材に、複数、円周形状をなすよう配置された3次元造形装置。
- 請求項6に記載の3次元造形装置において、前記振動子が複数、前記光透過部材の周辺部に配置された3次元造形装置。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載の3次元造形装置において、前記励振装置は前記光透過部材の方向に指向性を有するパラメトリックスピーカを備える3次元造形装置。
- 請求項10に記載の3次元造形装置において、前記光透過部材に、前記パラメトリックスピーカの励振周波数に対する共振特性を有する共振部材が円周形状をなすよう配置された3次元造形装置。
- 請求項10に記載の3次元造形装置において、前記光透過部材の周辺部に、前記パラメトリックスピーカの励振周波数に対する共振特性を有する共振部材が複数配置された3次元造形装置。
- 請求項1から12のいずれか1項に記載の3次元造形装置において、前記光透過部材の前記光硬化性樹脂に臨む表面に凹凸形状が形成されている3次元造形装置。
- 請求項13に記載の3次元造形装置において、前記凹凸形状が、高さが5μm〜50μm、ピッチが10μm〜0.2mmの範囲の寸法で形成され、前記励振装置によって5μm以上の振幅、10μm以上の周期によって前記光透過部材を振動させる3次元造形装置。
- 請求項13または14に記載の3次元造形装置において、前記凹凸形状が回折レンズを構成する3次元造形装置。
- 光硬化性樹脂を収容する容器と、前記光硬化性樹脂を光硬化させた造形物を支持する基台と、前記基台を移動させるための移動装置と、前記光硬化性樹脂を光硬化させる光を照射する光照射装置と、前記光照射装置と前記基台の間に設けられ、前記光硬化性樹脂と接する光透過部材と、前記光透過部材を振動させる励振装置と、前記光照射装置、前記移動装置、および前記励振装置を制御する制御部と、を備えた3次元造形装置によって造形物を製造する3次元造形物の製造方法において、
前記制御部が、前記光照射装置の光照射により前記光硬化性樹脂を硬化させる光照射工程と、
前記制御部が、前記移動装置により前記基台を移動させる移動工程と、
前記制御部が、前記励振装置により前記光透過部材を振動させる励振工程と、
を備え、前記制御部は、前記励振工程と、前記移動工程または前記光照射工程と、を同時に実行させる3次元造形物の製造方法。 - 請求項16に記載の3次元造形物の製造方法の各工程を前記制御部に実行させるための制御プログラム。
- 請求項17に記載の制御プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
Priority Applications (4)
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