JP6896227B2 - 石抜機 - Google Patents

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Description

本発明は、穀粒に混入した石を選別除去する石抜機に関し、特に運転を終了する際、選別板上に残留した穀粒を速やかに排出する機構に関する。
穀粒に混入した石を選別除去する石抜機が知られている。このものは、底面に多数の小孔と突起とを有する選別板を機枠内に傾斜状態で配設したものである。そして、選別板は一次選別板と二次選別板(再選別用)からなり、これら選別板の下方に送風機を配設し、選別板を揺動させるとともに、送風機から選別板に風を送り込むことにより、選別板に供給された穀粒の中から石を選別板上で比重選別し、穀粒は選別板の傾斜下方に設けた精品排出樋から取り出される一方、比重の重い石は選別板の傾斜上方に設けた石排出樋から回収する構成になっている。
このような構成の石抜機においては、新たな原料の供給を停止して運転を終了する際に、選別板上の原料が少量になって一面に残留穀粒が拡散された状態になる。この残留穀粒は、一層状態であるため、このまま石抜機を運転し続けると、残留穀粒は前記突起の揺動作用によって傾斜上方へと送られ、選別板の傾斜下方側の精品排出樋からは排出されず、最終的に二次選別板の石排出樋から排出されることとなってしまう。
上述のように、残留穀粒を二次選別板の傾斜上方の石排出樋から排出させてもよいが、この場合、残留穀粒は揺動作用によって徐々に傾斜上方に逆らって上がっていくので、全ての残留穀粒を石排出樋から排出し終えるには、相当の時間がかかっていた。
そこで、運転を終了する際、選別板上の残留穀粒を迅速に排出すべく、エアを選別板上に吹きかけて残留穀粒を吹き飛ばす方法(特許文献1)や、選別板を開閉自在に構成し残留穀粒の排出経路を設ける方法(特許文献2)や、揺動方向(推進力の方向)を変えて残留穀粒を精品排出樋から排出させる方法(特許文献3)があったが、これら特許文献1乃至3の方法は、別途エアーコンプレッサや、開閉機構や、エアシリンダ等の設備を設ける必要があり、石抜機の構成が複雑になっていた。
そこで、本出願人は、一次選別板上に残った穀粒を機外排出するためのバイパス通路を設けるといった簡素な構成で、残留穀粒を迅速に排出する石抜機を出願した(特願2017−046863)。しかし、この石抜機は二次選別板の上段に一次選別板用のバイパス通路を重設しているため、二次選別板の下方に配設した送風機からの空気は二次選別板を介してバイパス通路に噴風されることになり、送風機とバイパス通路との距離が遠くなる。そのため、バイパス通路への噴風圧が弱まって、迅速に残留穀粒を排出するには改良の余地があった。
特開平6−296934号公報 特開2000−176380号公報 特許第4268478号公報
そこで、本発明は上記問題点にかんがみ、複雑な構成を用いることなく、運転を終了する際、選別板上の残留穀粒を迅速に排出することができる石抜機を提供することを技術的課題とするものである。
上記課題を解決するため本発明の石抜機は、
複数の多孔選別板を傾斜状態で配設するとともに、前記多孔選別板の下方に送風機を配設し、前記多孔選別板を揺動させるとともに、前記送風機から前記多孔選別板に風を送り込むことにより、前記多孔選別板上に供給される原料を選別する石抜機において、
前記多孔選別板は、一次選別板と二次選別板と残留排出用のバイパス通路とを有するとともに、前記一次選別板と前記二次選別板との間は連絡通路を介して連通させ、前記二次選別板の下段に、前記バイパス通路を重設する
という技術的手段を講じた。
請求項2によれば、前記二次選別板には、前記一次選別板から供給された原料を石排出口へ排出するか、前記バイパス通路へ供給するかを切換可能な切換弁を設けたことを特徴とする。
請求項3によれば、前記バイパス通路は、前記送風機から傾斜下方側へ噴風されるように方向性のある噴風突起を配設したことを特徴とする。
請求項4によれば、
前記バイパス通路の傾斜下方側に、
選別運転中は前記送風機からの噴風が前記二次選別板へ導入されるように前記バイパス通路を閉鎖状態にし、残留穀粒排出中は残留穀粒が精品排出樋から排出されるように開放状態に切換可能な第二切換弁を設けたことを特徴とする。
請求項5によれば、前記バイパス通路の傾斜角度を、前記一次選別板又は前記二次選別板よりも急角度に設置したことを特徴とする。
本発明の石抜機によれば、
二次選別板の下段にバイパス通路を重設し、バイパス通路を送風機の真上に設けたので、送風機から強い噴風を前記バイパス通路へ供給することができる。このため、運転終了する際の一次選別板上の残留排出が短時間に行える。また、装置が複雑化することもない。
また、前記二次選別板に、前記一次選別板から供給された原料を石排出口へ排出するか、バイパス通路へ供給するかを切換可能な切換弁を設けたので、石抜機の運転状態(選別中か残留穀粒排出中か)に応じて、原料の行先を変更できる。このため、残留排出の際には、前記バイパス通路を使用することで、残留排出が短時間に行える。
また、前記バイパス通路は、前記噴風突起を前記揺動作用によって穀粒を傾斜下方側へ移動させる形状の噴風突起を配設したので、小孔からの噴風方向が傾斜下方側になる。このため、噴風によって更に迅速に残留穀粒を排出することができる。
また、前記バイパス通路の傾斜下方の第二切換弁を、
選別運転中は前記送風機からの噴風が二次選別板へ導入されるように前記バイパス通路を閉鎖状態にし、残留穀粒排出中は残留穀粒が精品排出樋から排出されるように開放状態に切換可能な第二切換弁を設けたので、噴風場所(風の通り道)を変更することができる。このため、石抜機の運転状態(選別運転中か残留穀粒排出中か)に応じて二次選用送風機の噴風を適切に行える。
また、バイパス通路を急傾斜に設けたため、バイパス通路へ供給された残留穀粒は急傾斜による更なる加速作用が加わり、一層迅速に排出されることができる。
本発明の石抜機の断面図である。 石抜機の揺動部である。 石抜機の一次選別部の石の排出方向を示した図である。 二次選別板12の周辺拡大図である。
本発明を実施するための形態を図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の石抜機の断面図であり、図2は石抜機の揺動部であり、図3は石抜機の一次選別部の石の排出方向を示した図であり、図4は二次選別板12の周辺拡大図である。
図1に示すように、石抜機1は箱状の外枠10、該外枠10の上部には米等の原料を投入するための投入口2、外枠10の前面中央(図1において右側壁中央)には石等を分離した穀粒を排出するための精品排出樋4を、外枠10の全面下部(図1において右側壁下部)には二次精品排出樋5をそれぞれ設けている。前記外枠10内部には、投入口2から供給された原料から大きな夾雑物を排除するための粗選網11を備える。
該粗選網11の下方には、石抜機1の主要部である一次選別部101及び二次選別部102を設けてある。
前記一次選別部101は、主に、一次選別板3と該一次選別板3の下部に該一次選別板3に向けて送風する一次選用送風機15から構成される。
また前記二次選別部102は、主に、二次選別板12と該二次選別板12の下部に該二次選別板12に向けて送風する二次選用送風機16から構成される。
前記一次選別板3及び前記二次選別板12は傾斜配設し、駆動モータ(図示せず)と偏心カム14によって揺動され、前記送風機(15、16)からの送風により選別板上で比重選別が行われる構成としている。
多数の小孔17と噴風突起18を設けた多孔選別板(3,12)は、一次選別板3と二次選別板12から構成され、一次選別板3により選別された石及び一部の穀粒は傾斜上方側に設けた石排出樋7及び連結通路8を経由して、前記二次選別板12に供給される。
図1及び図3に示すように、一次選別板3の噴風突起18aは、揺動作用によって穀粒が上方に移動するよう方向性のある形状とし、かつ、一次選用送風機15からの噴風が傾斜上方側へ流れるように小孔17aを配設している。一方で、一次選別板3の傾斜最上部には、集穀通路3aを形成し、該集穀通路3aの板面に一次選用送風機15からの噴風が石排出樋7へ流れる向きの噴風突起18aa及び小孔17aaを配設している。
二次選別板12の噴風突起18bは、図1の(A)に示すように揺動作用によって穀粒が上方に移動するよう方向性のある形状とし二次選用送風機16からの噴風が傾斜上方側へ流れる向きに配設してある。
前記二次選別板12の傾斜上方には前記二次選別板12により選別された石を排出する石排出口9を設け、傾斜下方には穀粒を排出する二次精品排出樋5を設ける。
石排出口9の上方には、前記外枠10の一部を取り外すか、又は透明な部材で構成することにより、選別運転中の様子を外部から観察することが可能となる窓6を設けている。
このバイパス通路12aは、二次選別板12上に供給された穀粒を速やかに機外排出するための機能を有するもので、バイパス通路12a傾斜下方の終端側が連絡シュート12bを介して二次精品排出樋5と連通されている。
そして、二次選別板12の傾斜上方には、一次選別板3から供給された原料を石排出口9へ排出するか、バイパス通路12aへ供給するかを切換える切換弁13aを設けてある。
なお、二次選別板12及びバイパス通路12aは、供給される原料が一次選別板3よりも少量のため、図2に示すように選別板の幅L2を一次選別板3の幅L1より狭くしてもよい。
図3は、選別運転時の一次選別板3における石の動きを示した模式図である。小孔17aから噴き上げる噴風、噴風突起18a及び揺動作用により、比重の大きい石は矢印Aのように一次選別板3の傾斜方向上方側に偏析して集穀通路3aに至り、集穀通路3aでは矢印Bのように中央に集まり、矢印Cのように石排出樋7を通って排出される。
図4は、二次選別板12の周辺拡大図である。二次選別板12は、二次選用送風機(図示せず)から傾斜上方へ噴風されるように、方向性のある噴風突起18を構成する。
一方、バイパス通路12aは、二次選用送風機(図示せず)から傾斜下方側へ噴風されるように方向性のある噴風突起18を構成する。そのため、バイパス通路12aには上方への押し上げ作用は働かないため、バイパス通路12a上の残留穀粒は、速やかに二次精品排出樋5から機外排出される。
前記バイパス通路12aは、選別運転終了後の残留穀粒を排出することが目的であるため、石と穀粒を選別する機能は不要である。よって、噴風突起18は送風機からの噴風が傾斜下方側へ流れるように構成すればよく、噴風突起18の形状、個数は任意に設定すればよい。また前記バイパス通路12aは、前記一次選別板3及び前記二次選別板12よりも急角度に取り付ければ、重力の作用を強く受けることができるのでより迅速に残留穀粒を二次精品排出樋5から排出することが可能となる。
バイパス通路12aの傾斜下方には、選別運転中は前記二次選用送風機16からの噴風が前記二次選別板12へ導入されるように前記バイパス通路12aを閉鎖状態にし(図4の(A))、残留穀粒排出中は残留穀粒が二次精品排出樋5から機外排出されるように開放状態(図4の(B))に切換可能な第二切換弁13bを設ける。
本発明の石抜機1の作用を説明する。
投入口2から投入された原料は、揺動する粗選網11により、大きな異物が取り除かれ、前記粗選網11を通過した穀粒や石は一次選別板3上に落下し、揺動作用及び一次選用送風機15からの噴風により比重選別される。
比重選別作用により、穀粒は一次選別板3の下方へ送られ精品排出樋4から機外排出される。一方、石及び一部の穀粒は一次選別板3の上方へ送られ、石排出樋7及び連結通路8を介して二次選別板12へ供給される。
二次選別板12へ供給された原料は、再度比重による選別を受け、穀粒は二次選別板12の下方へ送られ二次精品排出樋5から機外排出される。一方、石は二次選別板12の上方へ送られ、石排出口9から排出される。本石抜機1では、二次選別板12を設けているため、一次選別板3で石と共に排出された穀粒を、二次選別板12で再度選別により回収できるので、歩留りを上げることができる。
選別運転中の第二選別板12上の切換弁13aの位置と第二切換弁13bの位置とは図4(A)のようになっている。このため、二次選用送風機16からの噴風は、小孔17cから閉領されたバイパス通路12aの空間を通して二次選別板12の小孔17bに送風されるので、送風を効率よく行うことができる。
選別運転終了後、つまり選別板上が穀粒のみとなったタイミングで、切換弁13aをバイパス12a側を開放するように切換えると、残留穀粒は全て前記バイパス12a側へ供給されるようになる。この際、前記バイパス12aの小孔17cからは二次精品排出樋5に向かって噴風されているので、残留穀粒は噴風により迅速に二次精品排出樋5から機外排出される。
残留穀粒排出中の第二選別板12上の切換弁13aの位置と、第二切換弁13bの位置とは、図4(B)のようになっている。このため、二次選別用送風機16からの噴風は、小孔17cに直接送風でき、バイパス通路12aへの噴風圧が弱まることがなく、迅速な残留排出が可能となる。
本発明の石抜機は、選別運転終了後の選別板上に残った残留穀粒を迅速に排出することができ、極めて有用である。
1 石抜機
2 投入口
3 一次選別板
4 精品排出樋
5 二次精品排出樋
6 窓
7 石排出樋
8 連結通路
9 石排出口
10 外枠
11 粗選網
12 二次選別板
12a バイパス通路
12b 連絡シュート
13a 切換弁
13b 第二切換弁
14 偏心カム
15 一次選用送風機
16 二次選用送風機
17a 小孔(一次選別板)
17aa 小孔(一次選別板の傾斜最上部)
17b 小孔(二次選別板)
17c 小孔(バイパス通路)
18a 噴風突起(一次選別板)
18aa 噴風突起(一次選別板の傾斜最上部)
18b 噴風突起(二次選別板)
18c 噴風突起(バイパス通路)
101 一次選別部
102 二次選別部


Claims (5)

  1. 複数の多孔選別板を傾斜状態で配設するとともに、前記多孔選別板の下方に送風機を配設し、前記多孔選別板を揺動させるとともに、前記送風機から前記多孔選別板に風を送り込むことにより、前記多孔選別板上に供給される原料を選別する石抜機において、
    前記多孔選別板は、一次選別板と二次選別板と残留排出用のバイパス通路とを有するとともに、前記一次選別板と前記二次選別板との間は連絡通路を介して連通させ、前記二次選別板の下段に、前記バイパス通路を重設したことを特徴とする石抜機。
  2. 前記二次選別板には、前記一次選別板から供給された原料を石排出口へ排出するか、前記バイパス通路へ供給するかを切換可能な切換弁を設けたことを特徴とする請求項1の石抜機。
  3. 前記バイパス通路は、前記送風機から傾斜下方側へ噴風されるように方向性のある噴風突起を配設したことを特徴とする請求項1又は2の石抜機。
  4. 前記バイパス通路の傾斜下方側に、
    選別運転中は前記送風機からの噴風が前記二次選別板へ導入されるように前記バイパス通路を閉鎖状態にし、残留穀粒排出中は残留穀粒が精品排出樋から排出されるように開放状態に切換可能な第二切換弁を設けたことを特徴とする請求項1乃至3の石抜機。
  5. 前記バイパス通路の傾斜角度を、前記一次選別板又は前記二次選別板よりも急角度に設置したことを特徴とする請求項1乃至4の石抜機。

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