JP6895347B2 - エポキシ樹脂組成物および半導体装置 - Google Patents
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Description
また、上記難燃化としてベンゾグアナミン変性フェノール樹脂を用いた場合、難燃化には効果的ではあるが、耐高温リフロー性が十分でなかった。
これらのエポキシ樹脂は、それぞれ単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。さらに、上記一般式(1)と一般式(2)のエポキシ樹脂を併用することが好ましい。
上記一般式(1)と一般式(2)のエポキシ樹脂を併用する場合、一般式(1)と一般式(2)の合計量を100質量%としたとき、一般式(1)の含有割合は10〜90質量%が好ましく、30〜70質量%がより好ましく、40〜60質量%がさらに好ましい。一般式(1)が10質量%未満だと樹脂組成物の粘度が上昇し、成形性に劣り、90質量%を超えると樹脂組成物の粘度が低下し、成形時に樹脂漏れが生じる等のおそれがある。
さらに、(A)エポキシ樹脂として、上記一般式(1)及び一般式(2)以外のエポキシ樹脂を併用してもよく、この併用可能なエポキシ樹脂としては、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂などが挙げられる。この併用可能なエポキシ樹脂の含有量は、(A)エポキシ樹脂中に40質量%以下であることが好ましい。
このフェノール樹脂硬化剤の配合量は、(A)エポキシ樹脂が有するエポキシ基数(a)と(B)成分のフェノール樹脂が有するフェノール性水酸基数(b)との比(a)/(b)が0.5〜2.0が好ましく、さらに好ましくは0.75〜1.5である。0.5未満では、硬化物の強度が低下し、2.0を越えると、硬化物の耐湿信頼性が低下する。
なお、この(B)フェノール樹脂硬化剤には、後述する(D)トリアジン基含有フェノール樹脂は含まない。
この(C)無機充填剤の平均粒径は、好ましくは1〜100μm、より好ましくは10〜70μmである。ここで、本明細書における平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて得られる体積基準の粒度分布における50%積算値(D50)である。
この(C)無機充填材の配合量は、樹脂組成物を100質量%としたとき、当該樹脂組成物中に60〜95重量%、さらに好ましくは80〜90重量%である。60重量%未満では吸水率の上昇、強度の低下を生じ、95重量%を超えると流動性が低下し、成形性に不良を引き起こす。
この(D)トリアジン基含有フェノール樹脂は、化合物中に、窒素含有量が6〜19%であることが好ましい。窒素含有量が上記範囲内であることで、軟化点の上昇による混錬性の低下を抑え難燃性を向上させることができる。(D)トリアジン基含有フェノール樹脂としては、例えば、下記の一般式(4)で示されるトリアジン基含有フェノール樹脂
この(D)トリアジン基含有フェノール樹脂の配合量としては、樹脂組成物全体を100質量%としたとき、当該樹脂組成物中に、好ましくは0.05〜5質量%であり、より好ましくは0.1〜2質量%である。5質量%を超えると樹脂組成物の粘度が上昇し、成形性に劣り、0.05質量%未満では難燃性の効果が得られにくい。
この(F)硬化促進剤の配合量としては、上記(A)エポキシ樹脂100質量部に対して0.5〜10質量部である。この配合量が0.5質量部未満では、硬化が促進されず、10質量部を超えると硬化が早すぎて作業性・強度の低下等を引き起こすおそれがある。これらは単独または2種類以上混合して使用することができる。
このカップリング剤の配合量は、(C)無機充填剤 100質量部に対して、好ましくは0.05〜5質量部、より好ましくは0.1〜3質量部である。0.05質量部未満では無機充填剤の分散性が悪くなり、5質量部を超えると成形性が低下してしまう。これらは単独または2種類以上混合して使用することができる。
また、封止方法としては、低圧トランスファー法が一般的であるが、射出成形、圧縮成形等による封止も可能である。エポキシ樹脂組成物は、加熱して硬化させ、最終的にその硬化物によって半導体素子が封止され、半導体装置が得られる。後硬化させる際の加熱温度は、150℃以上とすることが好ましい。
本発明の(D)成分であるトリアジンフェノール樹脂(D−1)〜(D−3)を下記の方法で得た。すなわち、DIC製フェノライトLA−1356、LA−7751、LA−7052をそれぞれ減圧下130℃で溶媒及び遊離フェノールを除去して、それぞれ固体のトリアジン基含有フェノール樹脂を分離して得た。
本発明の比較例に用いるベンゾグアナミン樹脂(CD−1)は下記の方法で得た。すなわち、明和化成製H−4フェノール樹脂75.0g、37%ホルムアルデヒド23.3g、ベンゾグアナミン14.04g、シュウ酸でpH3になるまで添加した後100℃、5時間加熱し、さらに140℃で減圧し溶媒を除去して、固体のベンゾグアナミン−フェノール樹脂を分離して得た。
表1〜3に示す配合割合で各成分を常温で混合した後、90〜95℃の二軸押出し機を用いて加熱混錬し、冷却後、粉砕して封止用エポキシ樹脂組成物を製造した。
(A)成分
ビフェニル型エポキシ樹脂A−1(三菱ケミカル製、商品名:YX−4000)
ビフェニル型エポキシ樹脂A−2(日本化薬製、商品名:NC−3000)
(B)成分
フェノール樹脂B−1(明和化成製、商品名:MEH−7800M)
(C)成分
無機充填剤C−1(デンカ製、商品名:FB945X)
トリアジンフェノール樹脂D−1(DIC製、商品名:フェノライトLA−1356、窒素含有率19%)
トリアジンフェノール樹脂D−2(DIC製、商品名:フェノライトLA−7751、窒素含有率15%)
トリアジンフェノール樹脂D−3(DIC製、商品名:フェノライトLA−7052、窒素含有率6%)
ベンゾグアナミン樹脂CD−1(上記製造例2で得られたベンゾグアナミン−フェノール樹脂、窒素含有率5%)
液状共重合体ゴムE−1(PTI製、商品名:CTBN1300X8;カルボキシル基末端ブタジエン・アクリロニトリル共重合体、粘度(27℃) 110〜160Pa・s)
液状共重合体ゴムE−2(PTI製、商品名:CTBN1008SP;カルボキシル基末端ブタジエン・アクリロニトリル共重合体、粘度(27℃) 110〜160Pa・s)
液状共重合体ゴムCE−1(PTI製、商品名:ATBN1300X16;アミノ基末端ブタジエン・アクリロニトリル共重合体、粘度(27℃) 150〜250Pa・s)
液状共重合体ゴムCE−2(PTI製、商品名:VTBN1300X33;ビニル基末端ブタジエン・アクリロニトリル共重合体、粘度(27℃) 150〜250Pa・s)
硬化促進剤F−1(トリフェニルホスフィン―1,4−ベンゾキノンの付加物)
(その他の成分)
離型剤:カルナバワックス
着色剤:カーボンブラック
シランカップリング剤:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
EMMI−I−66に準じたスパイラルフロー測定用金型を用いて、温度175℃、圧力10MPaの条件で測定した。
封止用エポキシ樹脂組成物を温度175℃、圧力10MPa、120秒間の条件でトランスファー成形し、次いで温度175℃、8時間の後硬化を行って、127mm×127mm×1/16inch(約1.6mm)の試験用硬化物を得て、UL−94規格に基づく垂直燃焼試験を行った。
封止用エポキシ樹脂組成物を温度175℃、圧力10MPa、120秒間の条件でトランスファー成形し、次いで温度175℃、8時間の後硬化を行って、銅フレームに接着面積4mm2の成形品を得た。
この成形品の接着強度を、温度260度の条件でボンドテスターSS−30WDを用い、ヘッドスピード0.08mm/秒でシェア強度を測定し求めた。
封止用エポキシ樹脂組成物を用いて、温度175℃、圧力10MPa、120秒間のトランスファー成形及び温度175℃、8時間の後硬化によりSOP16pパッケージ(チップサイズ1.5mm×2.0mm)を作製し、このパーケージに60℃、60%RH、168時間の吸湿処理を行った後、260℃のIRリフロー処理を行った。冷却後、パッケージ内部のクラックの発生の有無を超音波探傷装置により観察し、その発生率を調べた。
Claims (5)
- (A)下記の一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物
(B)フェノール樹脂硬化剤と、
(C)無機充填剤と、
(D)トリアジン基含有フェノール樹脂と、
(E)カルボキシル基末端ブタジエン・アクリロニトリル共重合体と、
(F)硬化促進剤と、
を必須成分として含有するエポキシ樹脂組成物であって、
前記(D)トリアジン基含有フェノール樹脂が、下記の一般式(4)で示される構造単位を含むトリアジン基含有フェノール樹脂
前記(E)カルボキシル基末端ブタジエン・アクリロニトリル共重合体が、前記エポキシ樹脂組成物中に0.59〜5質量%含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。 - 前記(D)トリアジン基含有フェノール樹脂が、窒素含有量が6〜19%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記(E)カルボキシル基末端ブタジエン・アクリロニトリル共重合体が、27℃で液状、かつ、27℃での粘度が50〜160Pa・sであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 半導体素子と、
該半導体素子を封止してなる請求項1〜4のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物と、を有することを特徴とする半導体装置。
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