JP6895340B2 - からくり時計 - Google Patents

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JP6895340B2
JP6895340B2 JP2017154264A JP2017154264A JP6895340B2 JP 6895340 B2 JP6895340 B2 JP 6895340B2 JP 2017154264 A JP2017154264 A JP 2017154264A JP 2017154264 A JP2017154264 A JP 2017154264A JP 6895340 B2 JP6895340 B2 JP 6895340B2
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Description

本発明は、文字板が上下動作する構造のからくり時計に関する。
一般的なからくり時計において、文字板が上下動作するものが知られている。この種のからくり時計は、例えば正時になると、1枚に組み合わされていた文字板が、複数枚に分割するとともに所定の軸の周りに上下動を伴って回転するもの、重畳的に組み合わされていた複数枚の文字板が、それぞれの軸の周りに回転するもの、或いは、文字板の一部が上下動を伴って回転するものなどが案出されている(特許文献1〜4)。
上述の文字板が回転する構造のからくり時計は、一つのモータを駆動源として、これを複数の歯車からなる輪列を用い、モータの正転および反転で、一つの文字板或いは各個の分割文字板を駆動するのが一般的である。
特開2001−153971号公報 特開2004−028972号公報 特開2004−037319号公報 特開2013−024831号公報
上述した複数の歯車からなる輪列を用いて文字板を動作する場合、モータの正転および反転による輪列のバックラッシュによって、歯車間にガタツキを生じることがある。このようなバックラッシュによるガタツキを軽減させるため、従来では歯車間に例えばグリスを塗布して負荷を高めることが知られている。
ところが、グリスを歯車間に塗布してバックラッシュを軽減しようとすると、バックラッシュの発生率は、グリスの塗布のばらつきに依存する不都合があった。
本発明は、複数の歯車からなる輪列を用いて文字板を動作するからくり時計において、モータの正転および反転によって輪列に生じ得るバックラッシュを抑えることの可能なからくり時計を提案するものである。
また、上述した文字板が上下動する構造のからくり時計において、文字板が下降するときは、文字板の自重がその下降動作を助長して、動作スピードが速くなるのに対し、文字板が上昇するときは、文字板の自重がその上昇動作の負荷となって、動作スピードが遅くなるといった不具合を生じることがある。
とりわけ、一つのモータで文字板を駆動する場合においては、文字板の上昇時にモータに大きな負荷を与えるので、永年使用によりモータを劣化させるなどの不具合を生じることがある。
本発明はまた、文字板が上下動する構造のからくり時計において、文字板の上昇下降により生じ得る動作の緩慢を回避することができ、また、文字板の上昇時にモータに不要な負荷を与えることがなく、もってモータの劣化などを除去することの可能なからくり時計を提案するものである。
本願第1請求項に記載した発明は、実施例で用いた符号を付して記すと、モータMの正転または反転により、文字板10(11,12)が上下動作する形式の時計100において、下記a、b、c、d、e、fおよびgを備えたことを特徴とするからくり時計である。
a:モータMの回転駆動に連係して駆動力を伝達する複数歯車からなる輪列6を備えること。
b:文字板10の裏面に一端部21,31が回転可能に取付けられる複数のリンク部20,30を備えること。
c:前記複数のリンク部20,30は、その他端部22が時計支持板(中板1)に回転可能に取付けられる文字板支持用のリンク部(支持用リンク部20)と、その他端部32が前記輪列の終端歯車8又は当該終端歯車8に噛合する補助歯車9に固着される文字板駆動用のリンク部(駆動用リンク部30)とを備えること。
d:前記文字板10は、前記文字板支持用のリンク部(支持用リンク部20)に支持されるとともに、前記文字板駆動用のリンク部(駆動用リンク部30)によって回転可能に設けられること。
e:さらに、前記輪列6の前記終端歯車8および前記補助歯車9のそれぞれの背面側に凸形状部81,91を設けるとともに、これら凸形状部81,91間に引っ張りコイルばね17を装着すること。
f:前記モータMが正転すると、前記輪列6の前記終端歯車8および補助歯車9が回転して、前記文字板駆動用のリンク部(駆動用リンク部30)を作動させて前記文字板10を下降させ且つ前記引っ張りコイルばね17を伸縮する方向に付勢動作させて伸縮付勢力を蓄積するようにしたこと。
g:前記モータMが反転すると、前記輪列6の前記終端歯車8が反転して、前記文字板駆動用のリンク部(駆動用リンク部30)を作動させて前記文字板10を上昇させ且つ前記引っ張りコイルばね17に蓄積された前記伸縮付勢力が前記終端歯車8および補助歯車9間に付加されるようにしたこと。
本願第2請求項に記載した発明は、請求項1において、コイルばね40の一端41を時計支持板(中板1)に固着するとともに、当該コイルばね40の他端42を前記輪列6の前記終端歯車8に固着して構成され、前記モータMが正転すると、前記輪列6の前記終端歯車8が回転して、前記文字板駆動用のリンク部(駆動用リンク部30)を作動させて前記文字板10を下降させ且つ前記コイルばね40を捻る方向に回転動作させて回転付勢力を蓄積するようにし、また、前記モータMが反転すると、前記輪列6の前記終端歯車8が反転して、前記文字板駆動用のリンク部(駆動用リンク部30)を作動させて前記文字板10を上昇させ且つ前記コイルばね40に蓄積された前記回転付勢力が前記終端歯車8又は前記補助歯車9に付加されるようにしたことを特徴とするからくり時計である。
本願第3請求項に記載した発明は、請求項1において、文字板10は、左右に二分割された一対の文字板(分割文字板11,12)であり、これらの文字板(分割文字板11,12)における中央の分割部位に対し、前記文字板支持用のリンク部(支持用リンク部20)および文字板駆動用のリンク部(駆動用リンク部30)が左右対称に配置されており、さらに前記輪列6の前記終端歯車8に噛合する、当該終端歯車と同形状の補助歯車9が設けられており、前記終端歯車8および補助歯車9が、それぞれ前記一対の文字板駆動用のリンク部(駆動用リンク部30)に各別に固着されて、前記一対の文字板(分割文字板11,12)は前記中央の分割部位に対し左右対称に動作することを特徴とするからくり時計である。
本願第1請求項に記載した発明において、モータ動作が開始すると、これに連係する輪列が駆動し、終端歯車および補助歯車が回転する。このとき、終端歯車と補助歯車間に装着されている引っ張りイルばねが引っ張られて、引っ張りコイルばねに伸縮付勢力が蓄積されるので、この付勢力により、文字板開閉の際に歯車間に生じ得るバックラッシュを抑えることができる。
本願第2請求項に記載した発明において、例えば正時にからくり動作が開始して、モータが正転すると、これに連係する輪列が駆動し、終端歯車が回転する。同時に、終端歯車に固着されている駆動用リンク部が回動し、この駆動用リンク部により文字板が下降する。このとき、終端歯車に装着されているコイルばねが捻られて、コイルばねに回転付勢力が蓄積されるので、文字板が下降した後にモータが反転すると、文字板が上昇するときに、コイルばねに蓄積された回転付勢力が当該終端歯車に付加され、文字板の上昇動作が容易化される。このように、請求項2に記載した発明によれば、文字板の上昇下降により生じ得る動作の緩慢を回避することができ、また、文字板の上昇時にモータに不要な負荷を与えることがなく、もってモータの劣化などを除去することの可能なからくり時計を得ることができる。
また、本願第3請求項に記載した発明のように、文字板が左右に二分割された一対の文字板として、これらの文字板における中央の分割部位に対し、前記文字板支持用のリンク部および文字板駆動用のリンク部を左右対称に配置し、さらに前記輪列の前記終端歯車に噛合する、当該終端歯車と同形状の補助歯車を設けて、前記終端歯車および補助歯車が、それぞれ前記一対の文字板駆動用のリンク部に各別に固着されて、前記一対の文字板が左右対称に動作するように構成すると、からくり効果の著効性も一層高まるものとなる。
本発明の実施例に係り、からくり時計を示す正面図(分割文字板が正規位置)である。 本発明の実施例に係り、からくり時計を示す正面図(分割文字板が3時、9時の位置)である。 本発明の実施例に係り、からくり時計を示す正面図(分割文字板が6時の位置)である。 本発明の実施例に係り、時計筐体を示す正面図(分割文字板が正規位置)である。 本発明の実施例に係り、時計筐体を示す正面図(分割文字板が3時、9時の位置)である。 本発明の実施例に係り、時計筐体を示す正面図(分割文字板が6時の位置)である。 本発明の実施例に係り、分割文字板の回転軌跡を示す図である。 本発明の実施例に係り、時計支持板(地板)に設けたモータユニットおよび輪列を正面方向から見た図である。 本発明の実施例に係り、時計支持板(地板)に設けたモータユニットおよび輪列を背面方向から見た図である。 本発明の実施例に係り、時計支持板(中板)に設けた文字板(分割文字板)を正面方向から見た図である。 本発明の実施例に係り、文字板(分割文字板)にリンク部(支持用リンク部および駆動用リンク部)を取付けた状態を示す斜視図である。 本発明の実施例に係り、文字板(分割文字板)にリンク部(支持用リンク部)の一端部を取付け前の状態を示す分解斜視図である。 本発明の実施例に係り、文字板(分割文字板)にリンク部(支持用リンク部および駆動用リンク部)の一端部を取付け前の状態を示す分解斜視図である。 本発明の実施例に係り、文字板(分割文字板)にリンク部(支持用リンク部および駆動用リンク部)の一端部を取付けた状態を示す一部縦断斜視図である。 本発明の実施例に係り、駆動用リンク部の他端部を終端歯車に固着した箇所を示す縦断側面図である。 本発明の実施例に係り、駆動用リンク部の他端部を終端歯車および補助歯車に固着した箇所(図面の下端部)を示す斜視図である。 本発明の実施例に係り、引っ張りコイルばねを終端歯車および補助歯車に固着した箇所を示す斜視図である。 本発明の実施例に係り、駆動用リンク部の他端部を終端歯車に固着した箇所を示す縦断側面図である。 本発明の実施例に係り、時計筐体を示す正面図(分割文字板が正規位置)である。 本発明の実施例に係り、引っ張りコイルばねを終端歯車および補助歯車に固着した箇所を示す斜視図であって、分割文字板が正規位置にあるときの、引っ張りコイルばね、終端歯車および補助歯車の各凸形状部の存在位置を示すものである。 本発明の実施例に係り、図20における、引っ張りコイルばね、終端歯車および補助歯車の各凸形状部の存在位置を示す模式図である。 本発明の実施例に係り、時計筐体を示す正面図であって、分割文字板が正規位置から開き始めた状態を示す図である。 本発明の実施例に係り、図22における、引っ張りコイルばね、終端歯車および補助歯車の各凸形状部の存在位置を示す模式図である。 本発明の実施例に係り、時計筐体を示す正面図(分割文字板が3時、9時の位置)である。 本発明の実施例に係り、時計筐体を示す正面図(分割文字板が4時30分、7時30分の位置)である。 本発明の実施例に係り、図25における、引っ張りコイルばね、終端歯車および補助歯車の各凸形状部の存在位置を示す模式図である。 本発明の実施例に係り、からくり時計を示す正面図(分割文字板が6時の位置)である。 本発明の実施例に係り、図27における、引っ張りコイルばね、終端歯車および補助歯車の各凸形状部の存在位置を示す模式図である。 本発明の実施例に係り、文字板(分割文字板)にリンク部(支持用リンク部および駆動用リンク部)の一端部を取付けた状態を示す一部縦断斜視図であって、プーリと座付きネジの座との間に波ばねを装着したものを示すものである。
以下に、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
本例における時計100のからくり構造は、図1〜図7に示すように、例えば正時にモータMが正転して、文字板10(11,12)が上下動作するものである。すなわち、本例の文字板10は、左右に二分割された一対の文字板(分割文字板11,12)であり、これらの分割文字板11,12は、図1および図4に示す位置から、それぞれ左右に拡開しながら(図2および図5)半円弧状の軌跡(図7の矢印参照)を辿って下方へ移動し、下方で合体する(図3および図6)。爾後、この軌跡を辿って上方へ移動し、再び当初の位置に復帰するように構成されている。なお、図中、符号3は時計筐体、符号4は装飾体である。
モータMの駆動力は、図8〜図10に示すように、モータMおよびモータユニット5に連係する輪列6、連係歯車7、終端歯車8に駆動伝達される。そして、文字板10(11,12)の上下動作は、後述する駆動用リンク部30を介して、行われる。なお、本例の場合は、さらに、終端歯車8に噛合する当該終端歯車と同形状の補助歯車9を用いて、各々別に分割文字板11,12の上下動作が行われる。
文字板10(11,12)は、文字板支持用のリンク部たる支持用リンク部20によって上述した半円弧状の軌跡を確実に辿るように保持されている。そして、分割文字板11,12には、中央の分割部位に対し、支持用リンク部20および駆動用リンク部30が左右対称に配置されている。これにより、分割文字板11,12は、中央の分割部位に対し、左右対称に動作する。
図11〜図14に示すように、支持用リンク部20は、その一端部21が、文字板10(11,12)の裏面に回転可能に取付けられる。同様に、駆動用リンク部30も、その一端部31が文字板10(11,12)の裏面に回転可能に取付けられる。
本例の場合、文字板10(11,12)の裏面に、リング状に突出する外側リング部13と、内側リング部14、中央にボス部15を形成している。そして、これに対応させて、支持用リンク部20の一端部21と駆動用リンク部30の一端部31にはそれぞれ外側リング部23,33、内側リング状突出部24,34を形成し、これらの間にプーリ50を装着して、座付きネジ60で、文字板10(11,12)と、支持用リンク部20の一端部21および駆動用リンク部30の一端部31とを、回転可能に結合している。
支持用リンク部20の他端部22は、時計支持板(中板1)に設けたボス部(図示を省略)に回転可能に取付けられる。また、駆動用リンク部30の他端部32は、図15および図16に示すように、終端歯車8または補助歯車9の中央部に固着される。
本例では、図15に示すように、駆動用リンク部30の他端部32が固着される終端歯車8の中央筒状部8aに、コイルばね40を装着している。コイルばね40は、その一端41を時計支持板(中板1)に固着するとともに、当該コイルばね40の他端42を終端歯車8に固着している。なお、図15において、符号43は、コイルばね40を縦断したときの一方の断面、符号44は、コイルばね40の他方の断面を示している。また、符号70は、固定用ネジであり、終端歯車8の中央筒状部8aに挿入した駆動用リンク部30の他端部32を、この固定用ネジ70で堅固に固着する。
コイルばね40は、文字板10(11,12)が下降した際に、回転付勢力が蓄積されるように設けられている。すなわち、モータMが正転すると、輪列6の終端歯車8が回転し、同時に駆動用リンク部30が作動して文字板10(11,12)を下降させるときに、終端歯車8の回転に伴ってコイルばね40が捻る方向に回転動作させられるので、このコイルばね40に回転付勢力が蓄積されることとなる。この回転付勢力の蓄積は、モータ駆動に相まって、文字板10(11,12)の自重が加勢されるので比較的容易になされ得るものである。
なお、コイルばね40が捻られると、ピッチ方向においてばねの材料どうしが密着してしまうことがある。そして、回転方向の繰り返し負荷がかかると、材料どうしが擦れや削れにより寿命が短くなる不具合が生じる。そこで、コイルばね40のピッチ方向に隙間を設けることが好ましい。そうすることにより、材料どうしの擦れや削れを防止して、ばねの耐久性を高めることができ、よりスムーズな回転動作機構を得ることができる。
上記のように構成される本例の時計100において、例えば正時に図示を省略した制御部から駆動信号が送られて、モータMが正転すると、これに連係する輪列6および連係歯車7が駆動し、終端歯車8と補助歯車9が回転する。同時に、終端歯車8および補助歯車9に固着されている駆動用リンク部30が回動し、この駆動用リンク30により文字板10(11,12)が半円弧の軌跡を形成して下降する。このとき、終端歯車8に装着されているコイルばね40が捻られて、コイルばね40に回転付勢力が蓄積されるので、文字板10(11,12)が下降した後にモータMが反転すると、文字板10(11,12)が上昇するときに、コイルばね40に蓄積された回転付勢力が当該終端歯車8に付加され、文字板10(11,12)の上昇動作が容易化される。
このように、本例のからくり時計によれば、文字板の上昇下降により生じ得る動作の緩慢を回避することができ、また、文字板の上昇時にモータに不要な負荷を与えることがなく、もってモータの劣化などを除去することの可能なからくり時計を得ることができる。
さらに、分割文字板11,12に、支持用リンク部20および駆動用リンク部30を左右対称に配置し、さらに終端歯車8と補助歯車9を設けて、分割文字板11,12が左右対称に偏心回転動作するように構成した場合は、からくり効果の著効性も一層高まるものとなる。
ところで、本例のからくり時計は、次のような工夫を施している。すなわち、図17および図18に示すように、輪列6の終端歯車8および補助歯車9のそれぞれの背面側に凸形状部81,91を設けるとともに、これら凸形状部81,91間に引っ張りコイルばね17を装着している。
引っ張りコイルばね17は、その一端部17aを終端歯車8の凸形状部81に、他端部17bを補助歯車9の凸形状部91に固着している。
このように引っ張りコイルばね17を設けると、図19〜図28に示すように、文字板10(11,12)の開閉の際、歯車のバックラッシュを抑えることができる。
すなわち、モータMが正転すると、輪列6の終端歯車8および補助歯車9が回転して、文字板駆動用のリンク部(駆動用リンク部30)を作動させて文字板10を下降させ且つ引っ張りコイルばね17を伸縮する方向に付勢動作させて伸縮付勢力が蓄積される。
モータMが反転すると、輪列6の終端歯車8が反転して、文字板駆動用のリンク部(駆動用リンク部30)を作動させて文字板10を上昇させ且つ引っ張りコイルばね17に蓄積された前記伸縮付勢力が終端歯車8および補助歯車9間に付加される。
この場合、引っ張りコイルばね17の配置は、文字板10(11,12)の開閉の際、歯車のバックラッシュが発生しやすい45°〜150°付近にばねの最大負荷が発生するように設けることが好ましい。
文字板が正規位置の場合(図19〜図21)、例えば18mm長の引っ張りコイルばね17は、文字板が45°回転して24mm長となり(図22、図23)、文字板90°回転(図24)を経て、文字板が135°回転して36mm長となり(図25、図26)、文字板が下方位置(図27、図28)では、32mm長となる。
このように、引っ張りコイルばね17を設けることにより、引っ張りコイルばね17自体が、文字板の自重の負荷などを利用して力を蓄えることができ、モータの動力とは別の重力を得ることができて、機構全体の負荷を低減することができる。同時に、歯車のバックラッシュによる機構のガタを抑えて、スムーズに機構を動作させることができる。
また、本例では、図29に示すように、プーリ50と座付きネジ60の座との間に波ばね18を装着している。従来は、プーリ50と座付きネジ60の座との間に嵌合分のあがき(隙間)があって、プーリのスムーズな動きを得られなかったが、このように波ばね18を装着することにより、部品の嵌合ガタを低減して、部品のあがきを抑えることができる。なお、波ばね18は、ばね2山、3山など、適宜のものを用いることができる。
本明細書の実施例において、コイルばねを用いて回転付勢力を蓄積するように構成したが、歯車の回転により回転付勢力を蓄積するものはコイルばねに限られないことは勿論であって、円柱状、多角柱状、棒状その他適宜の弾性部材を用いることができるものである。その意味で、本明細書におけるコイルばねの文言は、回転付勢力を蓄積し得る弾性部材に読み替えることができるものである。
本発明のからくり時計は、モータエネルギの省力化に優れ、また、からくり効果にも優れたものであり、壁掛け時計等の時計一般に好適に利用することができるものである。
1 時計支持板(中板)
2 時計支持板(地板)
3 時計筐体
4 装飾体
5 モータユニット
6 輪列
7 連係歯車
8 終端歯車
8a 中央筒状部
81 凸形状部
9 補助歯車
91 凸形状部
10 文字板
11 分割文字板
12 分割文字板
13 外側リング部
14 内側リング部
15 ボス部
17 引っ張りコイルばね
17a 一端部
17b 他端部
18 波ばね
20 支持用リンク部
21 一端部
22 他端部
23 外側リング部
24 内側リング状突出部
30 駆動用リンク部
31 一端部
32 他端部
33 外側リング部
34 内側リング状突出部
40 コイルばね
41 コイルばねの一端
42 コイルばねの他端
43 コイルばねの一方の断面
44 コイルばねの他方の断面
50 プーリ
60 座付きネジ
70 固定用ネジ
100 時計
M モータ

Claims (3)

  1. モータMの正転または反転により、文字板10(11,12)が上下動作する形式の時計100において、下記a、b、c、d、e、fおよびgを備えたことを特徴とするからくり時計である。
    a:モータMの回転駆動に連係して駆動力を伝達する複数歯車からなる輪列6を備えること。
    b:文字板10の裏面に一端部21,31が回転可能に取付けられる複数のリンク部20,30を備えること。
    c:前記複数のリンク部20,30は、その他端部22が時計支持板(中板1)に回転可能に取付けられる文字板支持用のリンク部(支持用リンク部20)と、その他端部32が前記輪列の終端歯車8又は当該終端歯車8に噛合する補助歯車9に固着される文字板駆動用のリンク部(駆動用リンク部30)とを備えること。
    d:前記文字板10は、前記文字板支持用のリンク部(支持用リンク部20)に支持されるとともに、前記文字板駆動用のリンク部(駆動用リンク部30)によって回転可能に設けられること。
    e:さらに、前記輪列6の前記終端歯車8および前記補助歯車9のそれぞれの背面側に凸形状部81,91を設けるとともに、これら凸形状部81,91間に引っ張りコイルばね17を装着すること。
    f:前記モータMが正転すると、前記輪列6の前記終端歯車8および補助歯車9が回転して、前記文字板駆動用のリンク部(駆動用リンク部30)を作動させて前記文字板10を下降させ且つ前記引っ張りコイルばね17を伸縮する方向に付勢動作させて伸縮付勢力を蓄積するようにしたこと。
    g:前記モータMが反転すると、前記輪列6の前記終端歯車8が反転して、前記文字板駆動用のリンク部(駆動用リンク部30)を作動させて前記文字板10を上昇させ且つ前記引っ張りコイルばね17に蓄積された前記伸縮付勢力が前記終端歯車8および補助歯車9間に付加されるようにしたこと。
  2. コイルばね40の一端41を時計支持板(中板1)に固着するとともに、当該コイルばね40の他端42を前記輪列6の前記終端歯車8に固着して構成され、前記モータMが正転すると、前記輪列6の前記終端歯車8が回転して、前記文字板駆動用のリンク部(駆動用リンク部30)を作動させて前記文字板10を下降させ且つ前記コイルばね40を捻る方向に回転動作させて回転付勢力を蓄積するようにし、また、前記モータMが反転すると、前記輪列6の前記終端歯車8が反転して、前記文字板駆動用のリンク部(駆動用リンク部30)を作動させて前記文字板10を上昇させ且つ前記コイルばね40に蓄積された前記回転付勢力が前記終端歯車8又は前記補助歯車9に付加されるようにしたことを特徴とする請求項1記載のからくり時計。
  3. 前記文字板10は、左右に二分割された一対の文字板(分割文字板11,12)であり、これらの文字板(分割文字板11,12)における中央の分割部位に対し、前記文字板支持用のリンク部(支持用リンク部20)および文字板駆動用のリンク部(駆動用リンク部30)が左右対称に配置されており、さらに前記輪列6の前記終端歯車8に噛合する、当該終端歯車と同形状の補助歯車9が設けられており、前記終端歯車8および補助歯車9が、それぞれ前記一対の文字板駆動用のリンク部(駆動用リンク部30)に各別に固着されて、前記一対の文字板(分割文字板11,12)は前記中央の分割部位に対し左右対称に動作することを特徴とする請求項1記載のからくり時計。
JP2017154264A 2017-08-09 2017-08-09 からくり時計 Active JP6895340B2 (ja)

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