JP6893825B2 - 防火性木質複合材 - Google Patents

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Description

本発明は、壁装材、壁材等の建材として用いることができる防火性を有する防火性木質複合材に関する。
建造物の火災事故を防止する観点から、建造物の内装材は防火性を有することが必要である。日本の建築基準法が1998年に改正されたことに伴い、2000年に防火材料の評価方法として発熱性試験(ISO5660−1)が採用される等、建造物の内装材に求められる防火性能は年々高まっている。
このため、壁装材、壁材等の建材として用いる防火性木質複合材の防火性能を上げる技術が種々開発されており、例えば、木質基材の表面に金属箔を配することにより防火性木質複合材の防火性能を上げる技術が知られている(特許文献1,2)。
特許文献1に記載の不燃性新建材は、ベニヤ板等の下地の上にアルミニウム箔を貼着し、更にその上にプリント紙を貼着させたものである。
特許文献2に記載の耐熱性化粧板は、厚さ30〜50ミクロンのアルミニウム箔の両面に坪量14〜30g/mの化学繊維紙が貼着された化繊紙被覆アルミシートを木質系基板に貼着し、化繊紙被覆アルミシートの表面に、化粧材を熱伝導性の優れた粉末無機物が3〜10重量%混入された水溶性接着剤により貼着したものである。
特開昭61−102943号公報 特開平8−1865号公報
しかしながら、木質基材の表面に配する金属箔が薄い場合は、木質複合材を加熱した際に、表面の金属箔に穴が開いてしまい、その結果、木質基材が直接熱源にさらされて、木質基材に着火してしまう。一方、木質基材の表面に配する金属箔が厚い場合は、防火性木質複合材を安価に製造することが困難となる。また、木質基材の表面に配する金属箔が厚い場合は、防火性木質複合材を加熱した際に、木質基材側からの圧力が高まることにより、表面の金属箔が膨らんでしまい、建築基準法施行令第108条の2で掲げられている要件を満たすかどうか確認するために指定性能評価機関が定める発熱性試験(ISO5660−1)の基準を満たすことが困難となる。
また、特許文献1及び2に記載の不燃性新建材及び耐熱性化粧板の防火性能は、1998年以前の建築基準法の元で表面燃焼試験法(JIS A1321)により評価されたものであって、2000年に採用された発熱性試験(ISO5660−1)により評価されたものではなく、現状の規格下では、防火性能が不足している。
また、防火性木質複合材は、建造物の内装材としても使用される場合もあるので、意匠性に優れていることも必要である。
従って、本発明の目的は、防火性及び意匠性に優れ、安価に製造可能な防火性木質複合材を提供することにある。
本発明は、木質基材の表面に、第1金属箔及び該第1金属箔の表面側に配された第2金属箔を備えた防火層が設けられ、該防火層の表面に、可燃性表面シートが設けられている防火性木質複合材であって、前記第1金属箔の厚みが前記第2金属箔の厚みよりも厚い、防火性木質複合材を提供することにより、上記目的を達成したものである。
また、本発明は、木質基材の表面に、第1金属箔及び第1金属箔の表面側に配された第2金属箔を備えた防火層が設けられ、該防火層の表面に、可燃性表面シートが設けられている防火性木質複合材であって、前記防火性木質複合材を、前記可燃性表面シート側の面から輻射強度50kW/mで10分間又は20分間加熱したときに、第2金属箔には穴が開き、第1金属箔には穴が開かない、防火性木質複合材を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明によれば、防火性及び意匠性に優れ、安価に製造可能な防火性木質複合材を提供することができる。
図1は、本発明の好ましい実施形態に係る防火性木質複合材の断面図である。 図2は、実加工を施した本発明の好ましい実施形態に係る防火性木質複合材の断面図である。 図3は、本発明の好ましい実施形態に係る防火性木質複合材の防火性能を評価する発熱性試験の概念図である。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1に本発明の好ましい実施形態に係る防火性木質複合材1を示す。本実施形態の防火性木質複合材1は、図1に示すように、木質基材2の表面に、第1金属箔31及び第1金属箔31の表面側に配された第2金属箔32を備えた防火層3が設けられ、該防火層3の表面に可燃性表面シート4が設けられている。防火性木質複合材1、第1金属箔31、第2金属箔32及び可燃性表面シート4においては、木質基材2側とは反対側の面を表面とし、木質基材2側の面を裏面とする。防火性木質複合材1を天井、床、壁等として使用する場合、防火性木質複合材1の表面は、通常、室内側に向けられる面である。
本実施形態の木質基材2の構成材料としては、各種の木質材料が用いられる。木質材料としては、無垢の木材、木質繊維板(MDF等)、パーティクルボード(PB)、OSB(Oriented Strand Board)、集成材、合板、単板積層材(LVL)、ブロックボード等が挙げられる。木質繊維版としては、MDF(中密度繊維板)、ハードボード(HB)、インシュレーションボードが挙げられ、これらの中でも、金属箔との密着性を高めるため表面性に優れていることや、加工性に優れている観点から、密度0.35〜0.8g/cmのMDF(含水率5〜12%)を使用することが好ましい。
本発明の防火性木質複合材は、木質基材2の上に特定の構造を有する防火層3を設けることで、防火性能を高めている。防火層3は、第1金属箔31及び第1金属箔31の表面側に配された第2金属箔32により構成されている。
第1金属箔31は、金属からなるシート状物である。第1金属箔31を構成する金属としては、アルミ、鉄、ステンレス、チタン、ニッケル、銅等が挙げられる。第1金属箔31を構成する金属は、加工し易く安価である点から、アルミであることが好ましい。本実施形態では、第1金属箔31は、図1に示すように、接着剤34を介して木質基材2の表面に直接貼着されている。
第2金属箔32は、金属からなるシート状物である。第2金属箔32を構成する金属としては、アルミ、鉄、ステンレス、チタン、ニッケル、銅等が挙げられる。第2金属箔32を構成する金属は、加工しやすく安価である点から、アルミ箔であることが好ましい。本実施形態では、第2金属箔32は、図1に示すように、接着剤33を介して第1金属箔31の表面に直接貼着されている。なお、第1金属箔31を構成する金属と第2金属箔32を構成する金属とは同じであっても良く、異なっていても良い。
本実施形態の防火性木質複合材1は、第2金属箔32の厚みが3μm以上20μm未満であり、第1金属箔31の厚みが第2金属箔32の厚みよりも厚い。
本実施形態の防火性木質複合材1においては、火災時に火炎に晒されても、第2金属箔32及び第1金属箔31の存在、特に厚みの厚い第1金属箔31の存在により、輻射熱が反射され、また熱が素早く拡散されることによって、木質基材が燃焼することが防止される。また、厚みの厚い単一の金属箔のみを設けたときには、可燃性表面シートの燃焼時に急激に加わる収縮力、あるいは、木質基材又は木質基材への貼着に用いた接着剤等からのガスの発生によって、該金属箔が木質基材から離れる方向に膨らんで、防災上有害な変形が生じ、指定性能評価機関が定める発熱性試験(ISO5660−1)の基準を満たすことが困難となるが、第1金属箔31とそれより薄く厚みが20μm未満の第2金属箔32とを組み合わせることで、両金属箔が膨らむことを抑制しつつ、木質基材2を保護することができる。斯かる効果がより確実に奏されるようにする観点から、発熱性試験(ISO5660−1)において、防火性木質複合材1の可燃性表面シート4側の面から輻射強度50kW/mで10分間、好ましくは20分間加熱したときに、第2金属箔32には穴が開き、第1金属箔31には穴が開かないことが好ましい。尚、「10分間」は、後述する準不燃性材料基準の加熱時間を想定した時間であり、「20分間」は、後述する不燃性材料基準の加熱時間を想定した時間である。
第2金属箔32の厚みは、積層接着時に金属箔が破れることを防ぐ観点から、3μm以上であることが好ましく、8μm以上であることがより好ましい。また、第2金属箔32の厚みは、加熱された際に穴が開くことにより第2金属箔32が膨らむことを防ぐ観点から、20μm未満であることが好ましく、13μm以下であることがより好ましい。
第1金属箔31の厚みは、加熱により第2金属箔32に穴が開いたあとも木質基材2を保護する観点から、20μm以上であることが好ましく、25μm以上であることがより好ましい。また、第1金属箔31の厚みは、第1金属箔31及び第2金属箔32の合計厚みを抑制して、防火性木質複合材1を安価に製造可能とする観点や、防火性木質複合材1を容易に加工できるようにする観点から、150μm以下であることが好ましく、より好ましくは100μm以下であり、更に好ましくは80μm以下である。
本実施形態の防火性木質複合材1においては、第1金属箔31の厚みが、第2金属箔32の厚みよりも厚くなっている。加熱により第2金属箔32に穴が開いたあとも木質基材2を燃焼から十分に保護する観点から、第1金属箔31の厚みは、第2金属箔32の厚みの、1.5倍以上であることが好ましく、1.9倍以上であることがより好ましい。また、積層接着を容易にする観点から、第1金属箔31の厚みは、第2金属箔32の厚みの、6.5倍以下であることが好ましく、5倍以下であることがより好ましい。
また、防火性能と、防火性木質複合材1の製造コストの抑制及び防火性木質複合材1の加工性等との両立の観点から、第1金属箔31及び第2金属箔32の合計厚みは、25μm以上200μm以下が好ましく、30μm以上150μm以下がより好ましく、35μm以上100μm以下μmが更に好ましい。
本実施形態の防火性木質複合材1においては、図1に示すように、防火層3の表面、より具体的には第2金属箔32の表面に可燃性表面シート4が設けられている。これにより、防火性木質複合材1を可燃性表面シート4側から見た際に、防火層3の最上層である第2金属箔32が防火性木質複合材1の表面に露出していないため、防火性木質複合材1は、意匠性にも優れたものとなる。可燃性表面シート4は、接着剤41を介して第2金属箔32の表面に貼着されている。
可燃性表面シート4としては、可燃性を有するシート状の材料を特に制限なく用いることができ、例えば、突板、合成樹脂製のシート、紙、及びこれらの2種以上の複合材等を用いることができる。
可燃性表面シート4の可燃性とは、点火源があれば燃焼が継続するものをいう。
可燃性表面シート4は、第2金属箔が表面に露出されないようにして防火性木質複合材1の意匠性を高める目的や金属箔を保護する目的で使用される。斯かる観点から、可燃性表面シート4は、木質基材2とは反対側の表面に模様や、模様及び色彩を有することが好ましい。模様や色彩は、可燃性表面シート4の両面にあっても良い。また、可燃性表面シート4は、有色又は無色の透明又は半透明のシートであっても良く、単色又は多色の不透明のシートであっても良い。
また、可燃性表面シート4の厚みは、防火性能の確保と製造しやすさの観点から、10μm以上500μm以下が好ましく、50μm以上300μm以下がより好ましい。また、可燃性表面シートと金属箔の接着性の観点から、可燃性表面シート4の厚みは、第2金属箔32の厚みの50〜500%であることが好ましく、より好ましくは100〜300%である。
本実施形態の防火性木質複合材1では、防火性能に優れるという目的を、第1金属箔31と第2金属箔32を組み合わせることにより達成していることによって、防火層3の厚みを薄くすることができるという利点も有している。防火層3が薄いことによって、例えば、防火性木質複合材1の製造コストを安価に製造することができる等の利点がある。また、図2に示すように、防火性木質複合材1に、隣り合う防火性木質複合材1どうしを連結するための実加工を施す場合であっても、雄実と雌実との嵌合部の隙間に、防火層3や防火層3を含む化粧シート5を一部を重ねた状態に配することも容易であり、隣り合う防火性木質複合材1間に連続する防火層3を容易に形成することもできる。
防火性木質複合材1は、例えば、木質基材2の片面上に、第1金属箔31、第2金属箔32及び可燃性表面シート4をこの順に貼着して製造することができる。防火性木質複合材1の製造方法は、これに制限されず、第1金属箔31及び第2金属箔32からなる防火層3に可燃性表面シート4を貼着した構成の化粧シート5を予め作成しておき、その化粧シート5を、木質基材2の表面に貼着することによって防火性木質複合材1を製造することもできる。その化粧シート5は、第1金属箔31側の面に接着剤を塗工し、その接着剤を剥離シートで被覆保護しておいても良い。その場合、使用時に剥離シートを剥がし接着剤を露出させることにより、該接着剤を介して化粧シート5を、木質基材2の表面に貼着させることもできる。
第1金属箔31と木質基材2を貼着する接着剤34は、第1金属箔31と木質基材2を貼着することができるものであれば、その種別は問わず、公知の接着剤を使用することができるが、接着剤34としては、接着性の確保と扱いやすさの観点から、レゾルシノール樹脂系接着剤、水性高分子イソシアネート樹脂系接着剤、酢酸ビニル樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、ポリエステル樹脂系接着剤などを使用することが好ましい。
第2金属箔32と第1金属箔31を貼着する接着剤33は、第2金属箔32と第1金属箔31を貼着することができるものであれば、その種別は問わず、公知の接着剤を使用することができるが、接着剤33としては、接着性の確保と扱いやすさの観点から、レゾルシノール樹脂系接着剤、水性高分子イソシアネート樹脂系接着剤、酢酸ビニル樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、ポリエステル樹脂系接着剤などを使用することが好ましい。
可燃性表面シート4は、接着剤41を介して第2金属箔32の表面に貼着されている。可燃性表面シート4と第2金属箔32を貼着する接着剤41は、可燃性表面シート4と第2金属箔32を貼着することができるものであれば、その種別は問わず、公知の接着剤を使用することができるが、接着剤41としては、接着性の確保と扱いやすさの観点から、レゾルシノール樹脂系接着剤、水性高分子イソシアネート樹脂系接着剤、酢酸ビニル樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、ポリエステル樹脂系接着剤などを使用することが好ましい。
以上、本発明の好ましい実施形態を示して説明したが、各発明は、上記の実施形態に制限されず適宜に変更可能である。例えば、各接着剤34,33,41は同じものであっても良いし、異なるものであっても良い。また、各接着剤34,33,41は、各部材2,31,32の表面にまんべんなく塗工しても良いし、間欠的に塗工しても良い。また各接着剤34,33,41の坪量は同じものであっても良いし、異なっていても良い。
以下、実施例及び比較例により、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は、かかる実施例によって何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕
厚み9mm×幅100mm×長さ100mmのMDF(密度0.6g/cm、含水率10%)の表面に接着剤を介して第1金属箔(第1アルミ箔)を貼着し、その第1アルミ箔の表面に接着剤を介して第2金属箔(第2アルミ箔)を貼着し、更にその第2アルミ箔の表面に接着剤を介して可燃性表面シートを貼着して、図1に示す断面構成の防火性木質複合材を製造した。接着剤は、いずれの層間においても塗布量が60g/mとなるように均一に塗工した。第1アルミ箔及び第2アルミ箔は表1に示す厚さのアルミ箔を使用し、接着剤及び可燃性表面シートは、以下のものを使用した。
可燃性表面シート:厚み50μm×幅100mm×長さ100mmの中性紙
接着剤:酢酸ビニル樹脂系接着剤
〔実施例2〜4〕
第1アルミ箔及び/又は第2アルミ箔の厚みを表1に示すとおりに変えた以外は実施例1と同様にして防火性木質複合材を製造した。
〔比較例1〕
木質基材として、厚み9mm×幅100mm×長さ100mmのMDF(密度0.6g/cm、含水率10%)をそのまま使用した。比較例1においては、木質基材上に、第1アルミ箔、第2アルミ箔及び可燃性表面シートのいずれも存在しない。
〔比較例2〕
厚み9mm×幅100mm×長さ100mmのMDF(密度0.6g/cm、含水率10%)の表面に接着剤を介してアルミ箔を貼着し、そのアルミ箔の表面に接着剤を介して可燃性表面シートを貼着して、防火性木質複合材を製造した。接着剤は、いずれの層間においても塗布量が60g/mとなるように均一に塗工した。アルミ箔は表1に示す厚さのものを使用し、接着剤及び可燃性表面シートは、実施例1で用いたものと同様のものを使用した。
〔比較例3〜5〕
アルミ箔の厚みを表1に示すとおりに変えた以外は比較例2と同様にして防火性木質複合材を製造した。比較例2〜5においては、アルミ箔は、第1アルミ箔の欄に記載の1枚のみ用いた。
〔比較例6,7〕
アルミ箔の厚みを表1に示すとおりに変えた以外は実施例1と同様にして防火性木質複合材を製造した。
(発熱性試験)
比較例1〜7及び実施例1〜4の各防火性木質複合材について、発熱性試験を行った。具体的には、まず、図3に示すように、防火性木質複合材1の可燃性表面シート4側の面(比較例1においては、木質基材2の表面)上方に向けて、防火性木質複合材1を試験体ホルダー81に固定した。次に、防火性木質複合材1を固定した試験体ホルダー81を、防火性木質複合材1の可燃性表面シート4側の面を上方に向けて、支持台70に載せ、試験体ホルダー81に上方に開口83を有するホルダーカバー82を被せネジにより固定した。防火性木質複合材1の上方には、コーンカロリーメータ6の円錐型のヒーター61が配されている。ヒーター61は内部に電熱線(不図示)を有しており、ヒーター61によって防火性木質複合材1の可燃性表面シート4側の面(比較例1においては、木質基材2の表面)を加熱することができるようになっている。支持台70はその高さを調節できるようになっており、ヒータ61が防火性木質複合材1の可燃性表面シート4側の面を加熱している間は、ヒータ61と防火性木質複合材1の可燃性表面シート4側の面との距離は2.5cmに維持されている。また、コーンカロリーメータ6には、支持台70に配置した耐火性木質複合材1の表面から上方向に2cm間を空けた位置に、点火プラグ63の先端が配置されている。この点火プラグ63は、加熱により支持台70に配置した防火性木質複合材1から可燃性のガスが発生した場合に、該ガスに着火するためのものである。発熱性試験においては、防火性木質複合材1の可燃性表面シート4側の面(比較例1においては、木質基材2の表面)をコーンカロリーメータ(株式会社東洋精機製作所製、品番C3)によって輻射強度50kW/mで10分間加熱し、総発熱量と発熱速度を測定した。尚、この発熱性試験は、建築基準法施行令第108条の2で掲げられている要件に適合するか否かを評価するために指定性能評価機関が定めるものでISO規格に規定される発熱性試験(ISO5660−1)に準拠するものである。
(準不燃性材料基準)
発熱性試験の測定結果をもとに、比較例1〜7及び実施例1〜4の防火性木質複合材が準不燃性材料基準を満たすかどうか評価を行った。準不燃性材料基準を満たすとは、以下の(1)〜(3)を同時に満たすことを意味する。
(1)10分間の加熱時間の総発熱量が8MJ/m以下であること。
(2)10分間加熱時間中、最高発熱速度が10秒以上継続して200kW/mを超えないこと。
(3)10分間の加熱時間中、防火上有害な変形、溶融、き裂その他の損傷を生じないものであること。
尚、この準不燃性材料基準は、建築基準法施行令第108条の2で掲げられている要件に適合するか否かを評価するために指定性能評価機関が定める防耐火性能試験・評価業務方法書に準拠するものである。また、(1)〜(3)における加熱時間を20分間に変更したものが不燃性材料基準となる。
比較例1〜7及び実施例1〜4の各防火性木質複合材における上記発熱性試験による総発熱量と発熱速度の測定結果及び、上記準不燃性材料基準を満たすかどうかの評価結果を表1に示す。
Figure 0006893825
表1に示すように、比較例1の防火性木質複合材は準不燃性材料基準の(1)〜(3)の全てを満たしておらず、準不燃性材料基準を満たさない。比較例2は、準不燃性材料基準の(2)は満たしているが、(1)及び(3)を満たしておらず、準不燃性材料基準を満たさない。比較例〜5は、準不燃性材料基準の(1)及び(2)は満たしているが、(3)を満たしておらず、準不燃性材料基準を満たさない。比較例2についてより詳細にみると、比較例2では、アルミ箔に穴が開いていた。比較例2は、防火層にアルミ箔を1枚しか有しておらず、アルミ箔の厚みが13μmと薄い。よって比較例2は、加熱により防火性木質複合材の上面にある可燃性表面シートが発火し熱量が増加した際に、アルミ箔に穴が開き、防火性木質複合材の木質基材が直接熱にさらされるため、加熱により防火性木質複合材が防火上有害な変形を起こす。比較例3〜5についてより詳細にみると、比較例3〜5では、第2アルミ箔に穴は開いていないが、第2アルミ箔が上方に向かってドーム状に膨らんでいた。比較例3〜5は、アルミ箔の厚みが25〜80μmと厚い。よって比較例3〜5は、加熱により防火性木質複合材の上面にある可燃性表面シートが発火し熱量が増加した際に、アルミ箔に穴が開かないため、可燃性表面シートが発火し熱量が増加することで木質基材側からの圧力が高まった際に、アルミ箔が膨らんでしまい、アルミ箔がコーンカロリーメータ6の点火プラグ63に接触してしまう。
比較例6は、準不燃性材料基準の(2)は満たしているが、(1)及び(3)を満たしておらず、準不燃性材料基準を満たさない。比較例は、準不燃性材料基準の(1)及び(2)は満たしているが、(3)を満たしておらず、準不燃性材料基準を満たさない。比較例6についてより詳細にみると、比較例6では、第1アルミ箔及び第2アルミ箔の両方に穴が開いていた。比較例6は、防火層にアルミ箔を2枚有しているが、第1アルミ箔の厚みと第2アルミ箔の厚みが同じであり、第1アルミ箔の厚みが第2アルミ箔の厚みよりも厚くなっていない。よって比較例6は、加熱により防火性木質複合材の上面にある可燃性表面シートが発火し熱量が増加した際に、第2アルミ箔に穴が開くと、第2アルミ箔と同じ厚みである第1アルミ箔にも穴が開いてしまい、防火性木質複合材の木質基材が直接熱にさらされるため、加熱により防火性木質複合材が防火上有害な変形を起こす。比較例7についてより詳細にみると、比較例7では、第2アルミ箔に穴は開いていないが、第2アルミ箔が上方に向かってドーム状に膨らんでいた。比較例7では、第2アルミ箔の厚みが25μmと厚い。よって比較例7では、加熱により防火性木質複合材の上面にある可燃性表面シートが発火し熱量が増加した際に、第2アルミ箔に穴が開かないため、可燃性表面シートが発火し熱量が増加することで木質基材側からの圧力が高まった際に、第2アルミ箔が膨らんでしまい、第2アルミ箔がコーンカロリーメータの点火プラグ63に接触してしまう。
これに対し、実施例1〜4は準不燃性材料基準の(1)〜(3)の全てを満たしており、準不燃性材料基準を満たす。実施例1〜4についてより詳細にみると、実施例1〜4では、第2アルミ箔に穴が開いていたが、第1アルミ箔には穴は開いておらず、第1アルミ箔及び第2アルミ箔のどちらも、平坦なシート形状を維持しており、上方に向かってドーム状に膨らむことはなかった。実施例1〜4では、第2アルミ箔の厚みは8又は13μmと薄い。よって実施例1〜4は、加熱により防火性木質複合材の上面にある可燃性表面シートが発火し熱量が増加した際に、第2アルミ箔に穴が開くことで、可燃性表面シートが発火し熱量が増加することで木質基材側からの圧力が高まった際に、第2アルミ箔が膨らむことを防ぐことができる。また、実施例1〜4では、第1アルミ箔の厚みが第2アルミ箔よりも厚くなっている。よって実施例1〜4は、第2アルミ箔に穴が開いた場合であっても、第2アルミ箔よりも厚みのある第1アルミ箔が木質基材の表面を保護しているので、防火性木質複合材に防火上有害な変形が生じず、準不燃性材料基準の(1)〜(3)の全てを満たすことができる。
このように、本発明の実施例1〜4である防火性木質複合材は、第1アルミ箔とそれより薄い第2アルミ箔とを組み合わせた特定の構造を有することによって、意匠性に優れる上に、建築基準法施行令第108条の2で掲げられている要件に適合するか否かを評価するために指定性能評価機関が定める防耐火性能試験・評価業務方法書に規定される、発熱性試験(ISO5660−1)の準不燃材料に要求される準不燃性材料基準の(1)〜(3)の全てを満たすことができる程度に、防火性能に優れている。また、第1アルミ箔と第2アルミ箔との合計厚みも薄く、アルミの使用量を抑制して、安価に製造可能であることも判る。尚、本発明の防火性木質複合材は、準不燃材料に代えて、不燃材料に要求される基準を満たすものであっても良いことは当然である。
1 防火性木質複合材
2 木質基材
3 防火層
31 第1金属箔
32 第2金属箔
33 接着剤(第1金属箔と第2金属箔を貼着する接着剤)
34 接着剤(木質基材と第1金属箔を貼着する接着剤)
4 可燃性表面シート
41 接着剤(第2金属箔と可燃性表面シートを貼着する接着剤)
5 化粧シート
6 コーンカロリーメータ
61 ヒーター
63 点火プラグ
70 支持台
81 試験体ホルダー
82 ホルダーカバー
83 ホルダーカバーの開口

Claims (6)

  1. 木質基材の表面に、第1金属箔及び該第1金属箔の表面側に配された第2金属箔を備えた防火層が設けられ、該防火層の表面に、可燃性表面シートが設けられている防火性木質複合材であって、
    前記第2金属箔が、アルミ箔であり、
    前記第2金属箔の厚みが3μm以上20μm未満であり、
    前記第1金属箔の厚みが前記第2金属箔の厚みよりも厚く、
    前記第1金属箔は前記木質基材の表面に接着剤を介して直接接合されている、防火性木質複合材。
  2. 前記防火性木質複合材を、前記可燃性表面シート側の面から輻射強度50kW/mで10分間又は20分間加熱したときに、前記第2金属箔には穴が開き、前記第1金属箔には穴が開かない、請求項1に記載の防火性木質複合材。
  3. 前記第2金属箔は、前記第1金属箔の表面に接着剤を介して接合されており、
    前記可燃性表面シートは、前記第2金属箔の表面に接着剤を介して接合されており、且つ前記防火性木質複合材の表面を形成している、請求項1又は2に記載の防火性木質複合材。
  4. 前記第1金属箔の厚みが前記第2金属箔の厚みの1.5倍以上6.5倍以下である、請求項1〜3の何れか1項に記載の防火性木質複合材。
  5. 前記第1金属箔及び前記第2金属箔の合計厚みが23μm以上170μm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の防火性木質複合材。
  6. 前記第1金属箔がアルミ箔であり、
    前記第1金属箔の厚みが20μm以上150μm以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の防火性木質複合材。
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