1.時間に価値を付与する新しいポイントサービス
出願人は、時間に応じてポイントを付与することによって時間に価値を付与する新しいポイントサービスを提案する。これは、ユーザが所定のエリア内に滞在した滞在時間に応じてユーザに付与されるべきポイントをコントロールすることによって、ユーザを所定のエリア内へ誘引したりユーザの所定のエリアから退出させたりすること、ひいては、ユーザの行動(特に、ユーザの移動を伴う行動)をコントロールすることを可能にすることを企図したものである。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
1.1 時間に価値を付与する新しいポイントサービスの一例
図1は、時間に価値を付与する新しいポイントサービスの一例を示す。なお、図1に示されるユーザが所持するユーザ装置には、新しいポイントサービスを利用するための所定のアプリケーションプログラムが予めインストールされているものとする。以下、図1に示される各ステップを説明する。
ステップS001:ユーザは、所定のエリア内に進入する。ユーザが所定のエリアに進入することにより、ユーザの所定のエリア内での滞在が開始される。ユーザが所定のエリア内に進入したこと(すなわち、ユーザの所定のエリア内での滞在が開始されたこと)は、例えば、所定のエリアに入口が設置されている場合には、その入口付近に設置されている端末装置(例えば、ビーコン)によって検知され得る。そのようなビーコンは、例えば、所定のアプリケーションが予めインストールされたユーザ装置を所持するユーザがビーコンに近接したことに応答して、そのユーザの識別子とそのユーザがビーコンに近接した時刻とを含む信号をサーバ装置に送信するように構成されている。このようにして、サーバ装置は、所定のエリア内に進入したユーザが誰であるのか、そのユーザが所定のエリアにいつ進入したのか(すなわち、そのユーザの所定のエリアへの進入時刻)を遠隔的に知ることが可能である。
ステップS002:ユーザは、所定のエリア内に滞在する。新しいポイントサービスは、ユーザが所定のエリア内に滞在している間にユーザに付与されるポイント数が、滞在時間に応じて連続的にまたは非連続的に(例えば、段階的に)増加するように設計されている。なお、滞在時間にかかわらずポイント付与率(単位時間あたりに付与されるポイント数)が一定であってもよいが、滞在時間に応じてポイント付与率(単位時間あたりに付与されるポイント数)が増減されるようにしてもよい。また、ユーザが所定のエリア内に滞在している間に、ユーザに付与されるポイント数の上限値を設けるようにしてもよい。所定のエリア内でのユーザの行動は任意である。例えば、ユーザは、ユーザが所望するコースに沿って所定のエリア内を周遊するようにしてもよい。ユーザがどのようなコースに沿って所定のエリアを周遊したかは、例えば、所定のエリア内に設置されている1つ以上の端末装置(例えば、1つ以上のビーコン)によって検知されることが可能である。
ステップS003:ユーザは、所定のエリア内から退出する。ユーザが所定のエリアから退出することにより、ユーザの所定のエリア内での滞在が終了される。ユーザが所定のエリアから退出したこと(すなわち、ユーザの所定のエリア内での滞在が終了されたこと)は、例えば、所定のエリアに出口が設置されている場合には、その出口付近に設置されている端末装置(例えば、ビーコン)によって検知され得る。そのようなビーコンは、例えば、所定のアプリケーションが予めインストールされたユーザ装置を所持するユーザがビーコンに近接したことに応答して、そのユーザの識別子とそのユーザがビーコンに近接した時刻とを含む信号をサーバ装置に送信するように構成されている。このようにして、サーバ装置は、所定のエリアから退出したユーザが誰であるのか、そのユーザが所定のエリアからいつ退出したのか(すなわち、そのユーザの所定のエリアからの退出時刻)を遠隔的に知ることが可能である。
ユーザが所定のエリア内から退出した後、ユーザが所定のエリア内に滞在した滞在時間が算出される。このような滞在時間の算出は、例えば、サーバ装置によって行われる。サーバ装置は、例えば、そのユーザの所定のエリアへの進入時刻とそのユーザの所定のエリアからの退出時刻とに基づいてユーザが所定のエリア内に滞在した滞在時間を算出することが可能である。このようにして算出された滞在時間に応じて、そのユーザに付与されるべきポイントが算出される。このようなポイントの算出は、例えば、サーバ装置によって行われる。サーバ装置によって算出されたポイントは、例えば、ユーザ装置にインストールされたアプリケーションプログラムを介して、ユーザに付与される。
このように、新しいポイントサービスによれば、ユーザが所定のエリア内に滞在した滞在時間に応じてそのユーザに付与されるべきポイントをコントロールすることにより、ユーザを所定のエリア内へ誘引したり所定のエリアから退出させたりすることが可能である。これにより、ユーザの移動をコントロールすることが可能である。
なお、所定のエリアは、任意のエリアであり得る。所定のエリアの一例は、1つの店舗(加盟店)が管理するエリア、複数の店舗(加盟店)を含む商業施設が管理するエリア、アミューズメントパークが管理するエリア、万博会場のエリアなどであるが、これらに限定されない。
図2は、時間に価値を付与するための新しいポイントサービスを利用したビジネスモデルの概略図である。図2には、新しいポイントサービスを運営・管理している運営企業と、新しいポイントサービスを導入している事業者(例えば、加盟店)と、新しいポイントサービスを利用するユーザとが示されている。
図2に示される実施形態では、運営企業は、新しいポイントサービスを事業者(例えば、加盟店)に提供し、ポイントを事業者に販売する一方で、事業者は、ポイントを購入するための代金および/または新しいポイントサービスを利用するための利用料を運営企業に支払う。運営企業は、新しいポイントサービスをユーザに提供する一方で、ユーザは、ユーザの行動履歴および/または決済情報を運営企業に提供する。ユーザは、事業者が管理する所定のエリア内に滞在することにより、ユーザが所定のエリア内に滞在した滞在時間という時間を事業者に提供する一方で、事業者は、ユーザが所定のエリア内に滞在した滞在時間に応じてポイントをユーザに付与する。さらに、ユーザは、ポイントおよび/または法定通貨を事業者に提供する一方で、事業者は、商品・サービスをユーザに提供する。
このように、運営企業は、ポイントの購入代金および/または新しいポイントサービスの利用料を事業者から取得し、ユーザの行動履歴および/またはユーザの決済情報をユーザから取得することが可能であり、事業者は、新しいポイントサービスを利用して、ユーザの利用頻度を高め、ひいては売上を向上させることが可能であり、ユーザは、事業者が管理する所定のエリアに滞在するだけでその滞在時間に応じてポイントを取得することが可能であり、そのようにして取得されたポイントを利用して商品・サービスを事業者から受けることが可能である。従って、この新しいポイントサービスは、これらの三者に利益をもたらすことが可能である。
1.2 時間に価値を付与する新しいポイントサービスを実現するためのシステムの構成
図3は、時間に価値を付与する新しいポイントサービスを実現するためのシステムの構成の一例を示す。
図3に示される実施形態では、コンピュータシステム300は、サーバ装置310と、少なくとも1人のユーザによって使用される少なくとも1つのユーザ装置3201〜320Nと、少なくとも1つの端末装置(図3に示される実施形態では、第1の所定のエリア内に設置されている第1のグループの1つ以上の端末装置33011〜3301M、および、第2の所定のエリア内に設置されている第2のグループの1つ以上の端末装置33021〜3302L)と、データベース部340とを備えている。図3に示される実施形態では、サーバ装置310は、インターネット350を介して、少なくとも1つのユーザ装置3201〜320N、第1のグループの1つ以上の端末装置33011〜3301M、および、第2のグループの1つ以上の端末装置33021〜3302Lと通信可能なように構成されている。ここで、L、M、Nは、それぞれ、1以上の任意の整数である。
コンピュータシステム300は、所定のエリアの各々において、所定のエリア内を管理するための少なくとも1つの管理装置(図示せず)を備えていてもよい。少なくとも1つの管理装置は、例えば、その所定のエリアの事業者によって操作され得る。サーバ装置310は、インターネット350を介して、少なくとも1つの管理装置と通信可能なように構成されている。
サーバ装置310は、時間に価値を付与する新しいポイントサービスを提供するための装置である。サーバ装置310は、時間に価値を付与する新しいポイントサービスを提供する企業(またはその責任者・管理者)が運営・管理する情報処理装置である。サーバ装置310は、例えば、ワークステーションやパーソナルコンピュータであって、サーバとしての一般的なハードウェア構成を有している。図3に示される実施形態では、サーバ装置310は、インターフェース部311と、1つ以上のCPU(Central Processing Unit)を含むプロセッサ部312と、メモリ部313とを有している。サーバ装置310のハードウェア構成はその機能を実現できる限りにおいて特に限定されず、単一のマシンで構成されていてもよく、複数台のマシンを組み合わせて構成されたものであってもよい。
インターフェース部311は、少なくとも1つの端末装置および少なくとも1つのユーザ装置3201〜320Nとの間の通信を制御する。
メモリ部313には、処理を実行するために必要とされるプログラムやそのプログラムを実行するために必要とされるデータ等が格納されている。メモリ部313には、例えば、図5〜図7に示される処理を実行するためのプログラムが格納されている。ここで、プログラムをどのようにしてメモリ部313に格納するかは問わない。例えば、プログラムは、メモリ部313にプリインストールされていてもよい。あるいは、プログラムは、インターネット350などのネットワークを経由してダウンロードされることによってメモリ部313にインストールされるようにしてもよいし、光ディスクやUSBなどの記憶媒体を介してメモリ部313にインストールされるようにしてもよい。
プロセッサ部312は、サーバ装置310全体の動作を制御する。プロセッサ部312は、メモリ部313に格納されているプログラムを読み出し、そのプログラムを実行する。これにより、サーバ装置310を所望のステップを実行する装置として機能させることが可能である。
サーバ装置310には、データベース部340が接続されている。データベース部340は、ユーザデータベース部341と、エリア管理データベース部342と、ポイントデータベース部343と、レートデータベース部344とを少なくとも含む。
少なくとも1つのユーザ装置3201〜320Nのそれぞれは、インターネット350を介してサーバ装置310と通信することが可能なように構成されている。例えば、少なくとも1つのユーザ装置3201〜320Nのそれぞれは、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、スマートグラス、スマートウォッチ端末等の携帯無線端末であってもよいし、デスクトップPC、ラップトップPC、ノートPC等のパーソナルコンピュータであってもよい。
少なくとも1つの端末装置のそれぞれは、インターネット350を介してサーバ装置310と通信することが可能なように構成されている。少なくとも1つの端末装置の少なくとも一部は、例えば、ユーザを検知する検知装置であり得る。ユーザを検知する装置の一例は、所定の範囲内に所定のビーコン信号を送信するように構成されているビーコン装置であり得るが、これに限定されない。
ビーコンは、ビーコン信号を所定の範囲内に定期的に送信するように構成されているため、本発明の新しいポイントサービスを利用するためのアプリケーションプログラムが予めインストールされているユーザ装置がそのビーコン信号を受信すると、そのユーザ装置(特に、インストールされているアプリケーションプログラム)は、ユーザ装置を所持しているユーザを識別するための情報(ユーザID)をビーコンに送信し、ビーコンは、受信されたユーザIDと、予め登録されているビーコンIDとをサーバ装置310に送信する。これにより、サーバ装置310は、どのユーザがどのビーコンの近くに居たかを特定することが可能である。
少なくとも1つの端末装置を所定のエリア内に設置した一例が以下に示される。この例では、所定のエリアは、1つの店舗によって管理されるエリアである。所定のエリアは、店舗の内部のエリアと、店舗の外部のエリアとを含む。店舗の内部のエリアは、例えば、店舗がユーザ(客)に店舗の商品・サービスを提供するエリアである。店舗の外部のエリアは、例えば、店舗に入場する前にユーザ(客)が入店待ちをするエリアである。店舗の外部のエリア内に滞在しているユーザにポイントを付与するために、店舗の外部のエリア内に滞在しているユーザ(例えば、入店待ちをしているユーザ)を検知する検知範囲αを有する端末装置(例えば、ビーコン)が設置されている。また、店舗の内部のエリア内に滞在しているユーザにポイントを付与するために、入店後のユーザを検知する検知範囲βを有する端末装置(例えば、ビーコン)が設置されている。このように、検知範囲αを有する端末装置を店舗の外部(例えば、店舗の入口の外側)に配置することによって、入店待ちのユーザは、店舗前で待っているだけでポイントを取得することが可能である。また、検知範囲βを有する端末装置を店舗の内部に配置することによって、店舗内でのユーザの行動(例えば、ユーザが店舗内に滞在した時間の長さ、ユーザが店舗内を移動した経路、ユーザが最も長く滞在した店舗内のゾーン)を把握することが可能であり、ひいては、店舗前での滞在時間と店舗内での滞在時間との合計によって算出される所定のエリア内の滞在時間に基づいて、ユーザにポイントを付与することが可能である。
なお、図3に示される実施形態では、少なくとも1つのユーザ装置3201〜320Nと少なくとも1つの端末装置と少なくとも1つの管理装置とがインターネット350を介してサーバ装置310と通信可能であると説明したが、本発明はこれに限定されない。インターネット350の代わりに任意のタイプのネットワークを用いることも可能である。
また、図3に示される実施形態では、データベース部340は、サーバ装置310の外部に設けられているが、その態様は問わない。例えば、データベース部340は、サーバ装置310の単一の外付けハードディスク装置として構成されてもよいし、ネットワークを介して接続されるクラウド上のストレージとして構成されてもよい。あるいは、データベース部340は、サーバ装置310の内部に設けられることも可能である。データベース部340の構成は、特定のハードウェア構成には限定されない。例えば、データベース部340は、単一のハードウェア部品で構成されてもよいし、複数のハードウェア部品で構成されてもよい。さらに、データベース部340に含まれる各データベース部の構成もまた特定のハードウェア構成には限定されない。例えば、データベース部340に含まれる各データベース部もまた、単一のハードウェア部品で構成されてもよいし、複数のハードウェア部品で構成されてもよい。
また、図3に示される実施形態では、所定のエリアの数が2つ(すなわち、第1の所定のエリア、第2の所定のエリア)である例を説明したが、本発明はこれに限定されない。所定のエリアの数は、1以上の任意の整数である。
図4Aは、ユーザデータベース部341に格納されている情報の構成の一例を示す。
ユーザデータベース部341には、ユーザに関する情報が格納されている。ユーザに関する情報は、ユーザを識別するための情報(ユーザID)によって識別されることが可能である。ユーザデータベース部341には、ユーザの氏名、性別、生年月日、住所、電話番号、Eメールアドレス、ランク、過去の滞在時間の合計(例えば、所定のエリアごとの過去の滞在時間の合計、全ての所定のエリア内における過去の滞在時間の合計、所定の期間内の所定のエリアごとの過去の滞在時間の合計、所定の期間内の全ての所定のエリア内における過去の滞在時間の合計)、所定の仮想通貨の保有額、現在のポイントの保有数、過去のポイント保有数の合計、ポイントの使用頻度(例えば、所定の期間内のポイントの使用頻度、過去のポイントの使用頻度の合計)などがさらに格納されている。
なお、本明細書において、所定の期間は、任意の期間である。所定の期間の一例は、現在までの全期間、1年以内、直近1ヶ月以内、直近1週間以内、昨年の間、先月の間、〇年×月〜△年□月の間などであるが、これらに限定されない。
図4Bは、事業者データベース部342に格納されている情報の構成の一例を示す。
事業者データベース部342には、所定のエリアを管理する事業者に関する情報が格納されている。事業者に関する情報は、事業者を識別するための情報(事業者ID)によって識別されることが可能である。事業者データベース部342には、事業者が管理する所定のエリアの位置情報(例えば、緯度および経度)、現在のポイントの保有数、過去のポイント保有数の合計、事業者が管理する所定のエリア内に設置されている端末装置を識別するための情報、事業者が管理する所定のエリア内に設置されている管理装置を識別するための情報、ユーザに関する情報(例えば、単位時間(例えば、1週間)あたりのエリア内の全ユーザの滞在時間の合計、単位時間あたりのエリア内のユーザの人数の合計、所定期間内のエリア内の滞在時間が最も長いユーザの滞在時間)、所定の仮想通貨の保有額などがさらに格納されている。
図4Cは、ポイントデータベース部343に格納されている情報の構成の一例を示す。
ポイントデータベース部343には、ポイントに関する情報が格納されている。図4Cに示される実施形態では、ポイントに関する情報は、ポイント数と、ポイントの発行時期と、ポイントの有効期限と、ポイントを発行/付与した事業者の事業者IDと、ポイントを付与されたユーザのユーザIDと、ポイントを付与されたユーザのランクとに関連付けられているが、本発明はこれらに限定されない。図4Cに示される実施形態では、例えば、ポイント数「30」が、2019年3月1日に、事業者ID「XX001A」によって識別される事業者によって、ユーザID「USR1」によって識別されるユーザ(ユーザランク「ブロンズ」)に発行/付与され、そのポイント数「30」の有効期限は、2020年3月4日であることが理解される。
なお、ポイントが有効な期間の長さは、例えば、ユーザのランクに応じて異なるものであってもよい(例えば、ユーザランク「ブロンズ」よりもユーザランク「シルバー」の方が長く、ユーザランク「シルバー」よりもユーザランク「ゴールド」の方が長い)し、ポイントを発行/付与した事業者IDごとに異なるものであってもよいし、発行/付与されたポイント数の大きさに応じて異なるものであってもよい(例えば、発行/付与されたポイント数の大きさが大きいほど、ポイントが有効な期間の長さが長くてもよい)。
また、図4Cに示される実施形態では、3つのランク「ブロンズ」、「シルバー」、「ゴールド」を説明したが、本発明はこれに限定されない。ランク分けの基準およびランク数は任意である。例えば、ランク分けは、エリア訪問回数を基準にして行われてもよいし、エリア滞在時間合計を基準にして行われてもよい。また、ランク数は1以上の任意の数である。
また、ポイントの有効期限が経過してポイントが失効したとき、ポイントデータベース部343の少なくとも一部を更新することによって、有効期限を経過したポイントを失効させる処理が達成されてもよい。ポイントデータベース部343の少なくとも一部を更新することは、例えば、有効期限を経過したポイントに「失効」ラベルを付すこと、または、有効期限を経過したポイントのステータス欄(図示せず)を「失効」に更新することなどを含むがこれらに限定されない。
図4Dは、レートデータベース部344に格納されている情報の構成の一例を示す。なお、図4Dにおいて、a、b、c、d、e、f、g、h、i、j、k、l、X、Yはそれぞれ正の数であり、かつ、X<Yである。
レートデータベース部344には、ポイントの付与率に関する情報が格納されている。図4Dに示される実施形態では、ポイントの付与率に関する情報は、ユーザのランク、エリア内の1回あたりの滞在時間、ユーザの所定の仮想通貨の保有額、ポイントの使用頻度などによって分類されている。例えば、ユーザの所定の仮想通貨の保有額が「0〜X」である場合には、単位時間あたりにgポイントが付与され、ユーザの所定の仮想通貨の保有額が「X〜Y」である場合には、単位時間あたりにg+hポイントが付与され、ユーザの所定の仮想通貨の保有額が「Y〜」である場合には、単位時間あたりにg+h+iポイントが付与される。なお、単位時間は、例えば、5分、10分、30分、1時間などであるが、これらに限定されない。また、単位時間は、例えば、1週間、2週間、1ヶ月、半年、1年などであるが、これらに限定されない。
なお、レートデータベース部344には、1回あたりの滞在時間に対応するポイント付与率と同様に、所定の期間内の滞在時間の合計に対応するポイント付与率が格納されている。
また、図4Dに示される実施形態では、ランク、1回あたりの滞在時間、所定の仮想通貨の保有額、ポイントの使用頻度、所定の期間内の滞在時間のそれぞれが3つのカテゴリに分けられた例を説明したが、本発明はこれらに限定されない。ランク、1回あたりの滞在時間、所定の仮想通貨の保有額、ポイントの使用頻度、所定の期間内の滞在時間のそれぞれのカテゴリ数は、1つであってもよいし、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
また、図4Dに示されるポイント付与率のそれぞれは一例にすぎない。例えば、図4Dに示される実施形態では、1回あたりの滞在時間のポイント付与率は、1回あたりの滞在時間が多いほど高いが、本発明はこれらに限定されない。1回あたりの滞在時間のポイント付与率は、1回あたりの滞在時間が多いほど低くてもよい。
1.3 コンピュータシステムの処理
図5は、コンピュータシステム300において実行される処理のフローの一例を示す。なお、図5に示される実施形態では、第1のグループの1つ以上の端末装置のうちの1つとして端末装置33011を例にとって説明する。なお、図5のステップS501〜S502は、端末装置33011のプロセッサ部(図示せず)によって実行される処理であり、図5のステップS503〜S506は、サーバ装置310のプロセッサ部312によって実行される処理である。以下、図5に示される各ステップを説明する。
ステップS501:端末装置33011は、第1の所定のエリア内にユーザが滞在した第1の滞在時間に関する情報を特定する。例えば、端末装置33011が第1の所定のエリアへのユーザの進入および第1の所定のエリアからのユーザの退出を検知可能なように構成されている場合、端末装置33011は、第1の所定のエリアへのユーザの進入を検知し、第1の所定のエリアからのユーザの退出を検知することにより、第1の所定のエリアにユーザが進入したことを示す情報、および、第1の所定のエリアからユーザが退出したことを示す情報を第1の滞在時間に関する情報として特定してもよい。あるいは、端末装置33011が第1の所定のエリアへのユーザの進入および第1の所定のエリアからのユーザの退出を検知可能なように構成されている場合、端末装置33011は、第1の所定のエリアへのユーザの進入を検知し、第1の所定のエリアへのユーザの進入を検知した時刻を滞在開始時刻として記録し、第1の所定のエリアからのユーザの退出を検知し、第1の所定のエリアからのユーザの退出を検知した時刻を滞在終了時刻として記録することにより、滞在開始時刻を示す情報と滞在終了時刻を示す情報とを第1の滞在時間に関する情報として特定してもよい。あるいは、端末装置33011は、滞在開始時刻と滞在終了時刻とに基づいて第1の所定のエリア内にユーザが滞在した第1の滞在時間を算出することにより、第1の所定のエリア内にユーザが滞在した第1の滞在時間を示す情報を第1の滞在時間に関する情報として特定してもよい。
なお、端末装置33011は、ユーザの進入および退出を検知する度に、例えば、そのユーザが所持しているユーザ装置から、そのユーザ装置に予めインストールされたアプリケーションプログラムを介して、その進入および退出したユーザを識別するための情報を受信し得る。受信されたユーザを識別するための情を端末装置33011がサーバ装置310に送信することにより、サーバ装置310は、ポイントを付与されるべきユーザを特定することが可能である。
ステップS502:端末装置33011は、第1の滞在時間に関する情報をサーバ装置310に送信する。第1の滞在時間に関する情報の送信は、例えば、インターネット350を介して実行される。
ステップS503:サーバ装置310は、端末装置33011から、第1の滞在時間に関する情報を受信する。
ステップS504:サーバ装置310は、第1の滞在時間に関する情報から第1の滞在時間を取得する。例えば、ステップS503において受信された第1の滞在時間に関する情報が、第1の所定のエリアにユーザが進入したことを示す情報、および、第1の所定のエリアからユーザが退出したことを示す情報である場合には、サーバ装置310は、第1の所定のエリアにユーザが進入したことを示す情報を受信した時刻を滞在開始時刻として記録し、第1の所定のエリアからユーザが退出したことを示す情報を受信した時刻を滞在終了時刻として記録し、滞在開始時刻と滞在終了時刻とに基づいて第1の所定のエリア内にユーザが滞在した第1の滞在時間を算出する(すなわち、第1の滞在時間=滞在終了時刻−滞在開始時刻)ことによって、第1の滞在時間を取得することが可能である。あるいは、ステップS503において受信された第1の滞在時間に関する情報が、第1の所定のエリア内にユーザが滞在した第1の滞在時間を示す情報である場合には、サーバ装置310は、第1の滞在時間に関する情報を受信することによって、第1の滞在時間を取得することが可能である。あるいは、ステップS503において受信された第1の滞在時間に関する情報が、滞在開始時刻を示す情報と滞在終了時刻を示す情報とである場合には、サーバ装置310は、滞在開始時刻と滞在終了時刻とに基づいて第1の所定のエリア内にユーザが滞在した第1の滞在時間を算出する(すなわち、第1の滞在時間=滞在終了時刻−滞在開始時刻)ことによって、第1の滞在時間を取得することが可能である。
なお、ステップS504では、サーバ装置310が、図5に示されるステップS501、S502、S503を経て、第1の滞在時間に関する情報から第1の滞在時間を取得する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、サーバ装置310は、図5に示されるステップS501、S502、S503を経ることなく、第1の滞在時間(すなわち、第1の所定のエリア内にユーザが滞在した第1の滞在時間)を取得するようにしてもよい。どのようなステップを経て、第1の滞在時間を取得するかにかかわらず、サーバ装置310が、第1の滞在時間を取得することが可能である限り、任意の態様で第1の滞在時間を取得することが本発明の範囲内である。
ステップS505:サーバ装置310は、ステップS504において取得された第1の滞在時間に少なくとも基づいて、そのユーザに付与されるべきポイントを算出する。例えば、サーバ装置310は、ステップS504において取得された第1の滞在時間と、図4Dに格納されている1回あたりの滞在時間のポイント付与率とに基づいて、そのユーザに付与されるべきポイントを算出する。以下、ポイントを算出する様々な態様を説明する。
・所定の期間内に第1の所定のエリア内に長時間滞在したユーザを優遇するようにポイントを算出する
例えば、サーバ装置310は、ステップS504において取得された第1の滞在時間と、ユーザデータベース部341に格納されている所定の期間内に第1の所定のエリア内にユーザが滞在した過去の滞在時間の合計とに基づいて、所定の期間内に第1の所定のエリア内にユーザが滞在した滞在時間の合計を算出し、所定の期間内に第1の所定のエリア内にユーザが滞在した滞在時間の合計に基づいて、ポイント付与率を特定し、ステップS504において取得された第1の滞在時間と、特定されたポイント付与率とに基づいて、そのユーザに付与されるべきポイントを算出するようにしてもよい。このようにして、所定の期間内に第1の所定のエリア内に長時間滞在したユーザを優遇するようにポイントを算出することが可能である。
なお、ポイント付与率を特定することは、複数のポイント付与率の中から所定の条件に対応する1つのポイント付与率を選択することによって(例えば、図4Dに示される1回あたりの滞在時間に対応する3つのポイント付与率の中から滞在時間の区分の条件に対応する1つのポイント付与率を選択することによって)実現されてもよいし、所定の期間内に第1の所定のエリア内にユーザが滞在した滞在時間の合計に所定の関数を適用してポイント付与率を算出することによって実現されてもよい。
・所定の期間内に第1の所定のエリアを含む複数の所定のエリアに長時間滞在したユーザを優遇するようにポイントを算出する
例えば、サーバ装置310は、ステップS504において取得された第1の滞在時間と、ユーザデータベース部341に格納されている所定の期間内に複数のエリア内にユーザが滞在した過去の滞在時間の合計とに基づいて、所定の期間内に複数の所定のエリア内にユーザが滞在した滞在時間の合計を算出し、所定の期間内に複数の所定のエリア内にユーザが滞在した滞在時間の合計に基づいて、ポイント付与率を特定し、ステップS504において取得された第1の滞在時間と、特定されたポイント付与率とに基づいて、そのユーザに付与されるべきポイントを算出するようにしてもよい。このようにして、所定の期間内に第1の所定のエリアを含む複数の所定のエリアに長時間滞在したユーザを優遇するようにポイントを算出することが可能である。
なお、ポイント付与率を特定することは、複数のポイント付与率の中から所定の条件に対応する1つのポイント付与率を選択することによって(例えば、所定の期間内の滞在時間の合計に対応する3つのポイント付与率の中から滞在時間の区分の条件に対応する1つのポイント付与率を選択することによって)実現されてもよいし、所定の期間内に第1の所定のエリアを含む複数の所定のエリア内にユーザが滞在した滞在時間の合計に所定の関数を適用してポイント付与率を算出することによって実現されてもよい。
・第1の所定のエリアの現在の混雑の状況に応じてポイントを算出する
例えば、サーバ装置310は、少なくとも1つの管理装置から、第1の所定のエリアの現在の混雑の状況を示す混雑状況情報を受信するようにしてもよい。これにより、サーバ装置310は、混雑状況情報を取得することが可能である。サーバ装置310は、ステップS504において取得された第1の滞在時間と、混雑状況情報とに基づいて、そのユーザに付与されるべきポイントを算出するようにしてもよい。
第1の滞在時間と混雑状況情報とに基づいて、そのユーザに付与されるべきポイントを算出することは、例えば、混雑状況情報と、混雑状況情報とポイント付与率との対応関係を示す情報とに基づいて、その混雑状況情報に対応するポイント付与率を特定し、第1の滞在時間をそのポイント付与率に適用することによって、達成され得る。なお、混雑状況情報とポイント付与率との対応関係を示す情報は、レートデータベース部344に格納されているものであり、混雑状況情報とポイント付与率との対応関係を示す情報の構成の一例は、図4Dに示されるポイント付与率に関する情報の構成と同一の構成である。
混雑状況情報は、例えば、第1の所定のエリアの事業者が少なくとも1つの管理装置に入力することによって生成されたものであってもよいし、少なくとも1つの管理装置に搭載された人工知能(AI)または機械学習機能によって生成されたものであってもよいし、少なくとも1つの管理装置が混雑状況情報を所定の関数に適用することによって生成されたものであってもよい。
これにより、第1の所定のエリアの事業者は、第1の所定のエリア内の混雑状況に応じてリアルタイムにポイント付与率を変更することが可能である。例えば、第1の所定のエリア内が混雑している場合に、単位時間あたりのポイント付与率を低減させることによって、ユーザを第1の所定のエリアの外側へリアルタイムに誘導することが可能であり、ひいては、ユーザの行動をコントロールすることが可能である。例えば、第1の所定のエリア内の混雑状況が閑散としている場合に、単位時間あたりのポイント付与率を増大させることによって、ユーザを第1の所定のエリアの内側へリアルタイムに誘導することが可能であり、ひいては、ユーザの行動をコントロールすることが可能である。
・第1の所定のエリアの将来の混雑の予測に応じてポイントを算出する
例えば、サーバ装置310は、少なくとも1つの管理装置から、第1の所定のエリアの混雑の予測を示す混雑予測情報を受信するようにしてもよい。これにより、サーバ装置310は、混雑予測情報を取得することが可能である。サーバ装置310は、ステップS504において取得された第1の滞在時間と、混雑予測情報とに基づいて、そのユーザに付与されるべきポイントを算出するようにしてもよい。
第1の滞在時間と混雑予測情報とに基づくポイントの算出は、例えば、混雑予測情報と、混雑予測情報とポイント付与率との対応関係を示す情報とに基づいて、混雑予測情報に対応するポイント付与率を特定し、第1の滞在時間をそのポイント付与率に適用することによって、達成され得る。なお、混雑予測情報とポイント付与率との対応関係を示す情報は、レートデータベース部344に格納されているものであり、混雑予測情報とポイント付与率との対応関係を示す情報の構成の一例は、図4Dに示されるポイント付与率に関する情報の構成と同一の構成である。
混雑予測情報の一例は、「1時間以内にエリア内混雑度90%になる」、「13時〜15時が最も混雑する時間帯である」などであるが、これらに限定されない。混雑予測情報は、例えば、第1の所定のエリアの事業者が少なくとも1つの管理装置に入力することによって生成されたものであってもよいし、少なくとも1つの管理装置に搭載された人工知能(AI)または機械学習機能によって生成されたものであってもよいし、少なくとも1つの管理装置が混雑状況情報を所定の関数に適用することによって生成されたものであってもよい。
これにより、第1の所定のエリアの事業者は、第1の所定のエリア内の将来の混雑状況の予測に応じてリアルタイムにポイント付与率を変更することが可能である。例えば、第1の所定のエリア内が1時間以内に混雑すると予測された場合に、単位時間あたりのポイント付与率を低減させることによって、第1の所定のエリア内に1時間以内に進入するユーザの数を低減させることが可能であり、ひいては、ユーザの行動をコントロールすることが可能である。例えば、第1の所定のエリア内が1時間以内に閑散とすると予測された場合に、単位時間あたりのポイント付与率を増大させることによって、第1の所定のエリア内に1時間以内に進入するユーザの数を増大させることが可能であり、ひいては、ユーザの行動をコントロールすることが可能である。
・ユーザの位置を示すユーザ位置情報に応じてポイントを算出する
例えば、サーバ装置310は、ユーザの位置情報を示すユーザ位置情報を取得するようにしてもよい。サーバ装置310は、ステップS504において取得された第1の滞在時間と、ユーザ位置情報とに基づいて、そのユーザに付与されるべきポイントを算出するようにしてもよい。
ユーザ位置情報の一例は、第1の所定のエリアがレストランによって飲食物が提供されるエリアである場合に、カウンター席の位置を示す情報、テーブル席の位置を示す情報、VIP席の位置を示す情報などであるが、これに限定されない。また、ユーザ位置情報の他の例は、第1の所定のエリアが映画館において座席が設置されたエリアである場合に、最前列から3列目までの座席の位置を示す情報、3列目より後方の座席の位置を示す情報などであるが、これに限定されない。
ユーザの位置情報を示すユーザ位置情報を取得することは、例えば、少なくとも1つの端末装置のうち、検知範囲内へのユーザの進入およびその検知範囲からのユーザの退出を検知した端末装置の位置情報をユーザ位置情報として取得することによって達成されてもよいし、ユーザが所持しているユーザ装置のGPS機能によって達成されてもよい。
このようにして、第1の所定のエリアの事業者は、第1の所定のエリア内で人気の低い特定の場所を特定し、その特定の場所にユーザが滞在する際にはポイント付与率を高くするようにしてもよい。これにより、第1の所定のエリア内で人気の低い特定の場所に滞在するユーザを優遇することが可能である。
ステップS506:サーバ装置310は、ステップS505において算出されたポイントをユーザに付与するための処理を実行する。ポイントをユーザに付与するための処理は、例えば、第1の所定のエリアの事業者が保有するポイントのうちのユーザに付与されるべきポイントを、ユーザが保有するポイントに加算する処理、そのユーザが所持するユーザ装置に、加算後のユーザのポイント数を表示させる処理、ユーザデータベース部341に格納されているユーザに関する情報(特に、所定のエリア内の滞在時間の合計、現在のポイントの保有数、過去のポイント保有数の合計)を更新する処理などを含むが、これらに限定されない。
図6は、サーバ装置310において実行される処理のフローの一例を示す。なお、図6に示される各ステップは、サーバ装置310のプロセッサ部312によって実行される。以下、図6に示される各ステップを説明する。
ステップS601:ポイントが有効であるか否かが判定される。この判定結果が「Yes」である場合には、処理はステップS601に戻り、判定結果が「No」である場合には、処理はステップS602に進む。この処理は、例えば、ポイントが、ポイントデータベース部343に格納されているポイントに関する情報に含まれる有効期限を経過しているか否かが判定されることによって達成される。ポイントが有効期限を経過していないと判定された場合には、ポイントが有効であると判定される。ポイントが有効期限を経過していると判定された場合には、ポイントが無効であると判定される。この処理は、例えば、図4Cに示されるポイントの有効期限を参照して実行される。
ステップS602:有効期限を経過したポイントを失効させる処理が実行される。
ステップS603:失効したポイントを特定のユーザまたは特定の事業者に再配分するための処理が実行される。以下、失効したポイントを特定のユーザまたは特定の事業者に再配分する様々な態様を説明する。
例えば、失効したポイントを特定のユーザに再配分するための処理は、ユーザデータベース部341に格納されている、各ユーザが保有する所定の仮想通貨の保有額に基づいて、実行される。あるいは、失効したポイントを特定の事業者に再配分するための処理は、事業者データベース部342に格納されている、各事業者が保有する所定の仮想通貨の保有額に基づいて、実行される。このように、複数のユーザまたは複数の事業者が保有する所定の仮想通貨の保有額に基づいて失効ポイントの再配分を行うことにより、所定の仮想通貨をより多く保有することへのインセンティブを発生させることが可能である。
例えば、失効したポイントを特定のユーザに再配分するための処理は、ユーザデータベース部341に格納されている、所定の期間内に第1の所定のエリア内にユーザが滞在した第1の滞在時間の合計に基づいて、実行される。これにより、1つの所定のエリアに長時間滞在したユーザを優遇するポイント再配分を実現することが可能である。
例えば、失効したポイントを特定のユーザに再配分するための処理は、ユーザデータベース部341に格納されている、所定の期間内に複数の所定のエリア内にユーザが滞在した滞在時間の合計に基づいて、実行される。これにより、複数のエリアにわたって長時間滞在したユーザを優遇するポイント再配分を実現することが可能である。
例えば、失効したポイントを特定のユーザに再配分するための処理は、ユーザデータベース部341に格納されているユーザのポイントの使用頻度に基づいて、実行される。これにより、ポイントの使用頻度が高いユーザを優遇するポイント再配分を実現することが可能である。
例えば、失効したポイントを特定の事業者に再配分するための処理は、事業者データベース部342に格納されているユーザに関する情報(例えば、その事業者が管理している所定のエリア内の単位時間あたりの全ユーザの滞在時間の合計、その事業者が管理している所定のエリア内の単位時間あたりのユーザの人数の合計)に基づいて、実行される。これにより、ユーザにより多くのポイントを付与することにより社会にポイントを流通させることに積極的に寄与している事業者を優遇するポイント再配分を実現することが可能である。
なお、付与されたポイントは、使用されるエリアに応じて価値が異なるようにしてもよい。例えば、図5のステップS506におけるポイントの付与、および/または、図6のステップS603におけるポイントの再配分は、第1の所定のエリアの事業者を識別するための情報に関連付けられた状態で行われ、第1の所定のエリアの事業者を識別するための情報に関連付けられたポイントをユーザが第1の所定のエリアにおいて使用する場合、ユーザがそのポイントを第1の所定のエリア以外のエリアにおいて使用する場合に比較して、より高い価値を有するポイントとしてそのポイントを処理してもよい。これにより、第1の所定のエリアに長時間滞在して取得したポイントが第1の所定のエリアにおいて使用される確率が高めることが可能であり、第1の所定のエリア内でポイントを積極的に循環させることが可能である。これらの処理は、例えば、図4Cに示されるポイント数および事業者IDおよびユーザIDを参照して実行される。
また、コンピュータシステム300は、ユーザの決済に関する情報を取得するためのツール(例えば、ユーザに装着されるウェアラブルツール(例えば、ユーザの腕に貼付して使用されるタイプのシール型ツール、ユーザの手首に巻いて使用されるタイプのリストバンド型ツール、ユーザの首にかけて使用されるタイプのネックレス型ツール))をさらに備えていてもよい。この場合、ユーザの決済に関する情報を取得するためのツールを使用する前に、そのツールを装着するユーザに関する情報(例えば、ユーザID、国籍、使用言語、性別、年齢、家族構成)を事前に登録しておくことが好ましい。すなわち、このようなツールは、使用されるときにユーザIDを用いて使用者を識別可能なように構成されていることが好ましい。これにより、サーバ装置310は、少なくとも1つの端末装置から取得されるユーザの位置情報と、ユーザの決済に関する情報を取得するための装置から取得されるユーザの決済に関する情報とに基づいて、(例えば、国籍別に、使用言語別に、性別別に、年齢別に、家族構成別に)ユーザの行動を解析することが可能である。このようなユーザの行動解析により、(例えば、国籍別に、使用言語別に、性別別に、年齢別に、家族構成別に)どのユーザがどの経路を辿ってどのエリアのどの場所に時間をかけて周遊して何をいくらで購入したのかを把握することが可能である。なお、上記のツールが、ユーザの位置情報をサーバ装置310に送信するように構成されていてもよい。
図7は、サーバ装置310において実行される処理のフローの他の一例を示す。なお、図7に示される各ステップは、サーバ装置310のプロセッサ部312によって実行される。以下、図7に示される各ステップを説明する。
ステップS701:第1の滞在時間が所定の閾値を超えているか否かが判定される。この判定結果が「Yes」である場合には、処理はステップS701に戻り、判定結果が「No」である場合には、処理はステップS702に進む。
ステップS702:ユーザにポイントを付与することを停止するための処理、または、ユーザがポイントを使用することを不可能にするための処理が実行される。これにより、カジノなどのギャンブルが行われるエリア内に長時間滞在することによって発生するギャンブル依存症を抑制することが可能である。
2.チップ機能を伴うポイントサービス
出願人は、サービスを受けたことに対する心付けとしてチップを渡す「投げ銭」を行うことが可能な新しいポイントサービスを提案する。これは、サービスを提供したサービス提供者に謝意を示したいが現金や品物を渡すことは遠慮したいという葛藤に鑑みて、サービス提供者への謝意をより簡単に示すことができるようにすることを企図したものである。
ここで、本明細書において「サービス提供者」とは、サービスを提供する人をいう。また、本明細書における「サービス」は、任意のサービスであり得るが、例えば、実際に(物理的に)会うことによってサービス提供者によって提供されるものであり得る。
2.1 ユーザ装置に表示される画面
図8A〜図8Hは、ユーザ装置に表示される画面の一例を示す。図8A〜図8Gに示される画面は、ポイントを供与する側(ユーザA)によって操作されるユーザ装置に表示される画面であり、図8Hに示される画面は、ポイントを供与される側(サービス提供者)によって操作されるユーザ装置に表示される画面である。なお、ユーザAは、複数の所定のエリアのうちの第1の所定のエリア内に滞在しているものとする。
図8Aは、メインメニューを表示するための画面810の一例を示す。
図8Aに示される実施形態では、画面810は、様々な機能を呼び出すためのメニューボタン811と、ユーザAの保有ポイントの合計数(すなわち、ユーザAが保有しているポイントの数)を示す保有ポイント表示部812と、第1の所定のエリア内でポイント付与を受けるまでの必要時間のうちの滞在時間の割合を示す滞在時間グラフ表示部813と、ポイント付与までの残り時間を表示する残り時間表示部814と、ポイント付与条件を達成したときに得られるポイント数を示す取得予定ポイント数表示部815と、ポイントの利用を行うためのポイント利用ボタン816と、取引履歴を確認するための取引履歴ボタン817とを含む。
図8Aに示される実施形態では、ユーザAは、300ポイントを現在保有しており、ユーザAが第1の所定のエリア内にあと13分39秒だけ滞在することによって、100ポイントがユーザAに付与される。
図8Bは、ポイントを利用するための画面820の一例を示す。画面820は、例えば、図8Aに示されるポイント利用ボタン816を選択することによって画面810から遷移した画面である。
図8Bに示される実施形態では、画面820は、付与されたポイントを消費して購入したい商品やサービスを選択するための商品サービス選択ボタン821(すなわち、「商品サービスを選ぶ」ためのボタン)と、投げ銭やチップとしてポイントの供与を行うためのポイント供与ボタン822(すなわち、「投げ銭をする」ためのボタン)とを含む。
図8Cは、ユーザAにサービスを提供したサービス提供者Bを特定するための画面830の一例を示す。画面830は、例えば、図8Bに示されるポイント供与ボタン822を選択することによって画面820から遷移した画面である。
図8Cに示される実施形態では、画面830は、ポイントの供与を行うための画面であることを示すポイント供与表示部831(すなわち、「投げ銭をする」表示部)と、ユーザ装置の撮像手段(例えば、カメラ)を用いて撮像している画像をリアルタイムに表示するための撮像画像表示部832と、サービス提供者Bを含むポイント供与の対象候補者を一覧表示するための一覧表示ボタン834とを含む。
図8Cに示される実施形態では、(例えば、サービス提供者Bを識別するためのQRコード(登録商標)833上にユーザAがユーザ装置をかさずことによって)サービス提供者Bを識別するためのQRコード(登録商標)833が撮像画像表示部832に表示されている。これにより、ユーザ装置は、サービス提供者Bを識別するためのQRコード(登録商標)833のデータを読み取り、ユーザAからポイントを供与されるべき対象者がサービス提供者Bであることを特定することが可能である。
図8Dは、ユーザAにサービスを提供したサービス提供者Bに関する情報を表示するための画面840の一例を示す。画面840は、例えば、図8Cに示される撮像画像表示部832に表示されたサービス提供者Bを識別するためのQRコード(登録商標)833を読み取りことによって画面830から遷移した画面である。
画面840は、サービス提供者Bの氏名とサービス提供者Bが居る第1の所定のエリアの名称とを供与対象者に関する情報として表示する供与相手表示部841と、供与されるポイントの数を指定するための供与ポイント数指定部842と、供与されるポイントの数を増減させるための供与ポイント増減ボタン843と、ポイントの供与を実行するための実行ボタン844と、供与される物を選択するための画面を表示するための供与物選択ボタン845とを含む。供与ポイント数指定部842は、入力部分が選択されることによりポイントの数を直接入力することが可能であり、入力部分に隣接する供与ポイント増減ボタン843を選択することによって所定の数(例えば、10ポイント、5ポイント)ずつポイントを増減させることも可能である。
図8Dに示される実施形態では、画面840には、サービス提供者Bの氏名として「〇〇太郎」、サービス提供者Bが居る第1の所定のエリアの名称として「レストランABC」が表示されており、ユーザAは、サービス提供者Bに20ポイント供与しようとしている。ユーザAが図8Dに示される状態で実行ボタン844を選択することにより、20ポイントがユーザAからサービス提供者Bに供与される。
供与物選択ボタン845が選択されると、画面840は、供与される物を選択するための供与物選択画面(図示せず)に遷移する。この供与物選択画面では、ユーザは、サービス提供者Bに供与する物を選択することが可能であり、供与物選択画面は、供与物(例えば、商品、サービス、仮想通貨)の一覧表示または検索などによって供与物を適宜選択することが可能なように構成されている。
図8Cに示される実施形態では、サービス提供者Bを識別するためのQRコード(登録商標)833を読み取ることによってサービス提供者Bを特定する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、(例えば、サービス提供者Bの顔上にユーザAがユーザ装置をかさずことによって)サービス提供者Bの顔が撮像画像表示部832に表示され、ユーザ装置が、サービス提供者Bの顔を顔認証機能によってサービス提供者Bの顔の特徴データを読み取ることによって、ユーザAからポイントを供与されるべき対象者がサービス提供者Bであることが特定されてもよい。この場合、図8Dの画面840には、ユーザ装置がサービス提供者Bの顔の特徴データを読み取った結果として、サービス提供者Bに関する情報が表示され得る。
このように、QRコード(登録商標)または顔認証を利用した認証によってサービス提供者(供与対象者)を特定することができるため、簡単な操作で目の前にいる供与対象者に確実にポイントを供与することができる。したがって、ユーザAは、気に入った供与対象者に対して、その場ですぐに投げ銭あるいはチップとしてポイントの供与を行うことができ、これにより、ポイント供与の文化を促進することができる。
図8Eは、サービス提供者Bを含むポイント供与の対象候補者を一覧表示するための画面850の一例を示す。画面850は、例えば、図8Cに示される一覧表示ボタン834を選択することによって画面830から遷移した画面である。
図8Eに示される実施形態では、画面850は、第1の所定のエリア内に居る全ての供与対象候補者を一覧表示する全候補者一覧表示部851と、上述した供与ポイント数指定部842と、供与ポイント増減ボタン843と、実行ボタン844とを含む。全ての供与対象候補者は、サービス提供者Bを含む。なお、第1の所定のエリアは、例えば、ユーザ装置の位置情報と第1の所定のエリアの予め記憶された位置情報とに基づいて特定され得る。
図8Eに示される実施形態では、全候補者一覧表示部851には、供与対象候補者の氏名を表示する供与対象候補者名表示部852が、第1の所定のエリア内に居る供与対象候補者の数だけ一列(例えば上下方向)に並べて表示されている。全候補者一覧表示部851は、供与対象候補者名の整列方向(図8Eに示される実施形態では上下方向)にスワイプ操作できるように構成されており、供与対象候補者名が多数存在する場合であってもスワイプ操作によって全ての供与対象候補者名を表示して確認できる。その中から任意の供与対象候補者が選択されると、選択済みであることを示す供与対象チェック表示853が、選択された供与対象候補者名表示部852に表示され得る。ユーザAは、図8Eに示される状態で実行ボタン844を選択することにより、供与対象チェック表示853が付された供与対象候補者に、供与ポイント数指定部842において指定されたポイントを供与することができる。
図8Eに示される実施形態では、第1の所定のエリア「レストランABC」のサービス提供者C「□□次郎」の供与対象候補者名表示部852に供与対象チェック表示853が表示されているため、第1の所定のエリア「レストランABC」のサービス提供者C「□□次郎」が、供与対象者として選択されている。
なお、供与対象候補者名表示部852には、供与対象候補者の愛称、趣味、顔写真、似顔絵などがさらに表示されていてもよい。これにより、ユーザAは、ポイントを供与したい供与対象者を正しく認識しやすくなり、ポイントを供与したい供与対象者が誰だか分からなくなってポイント供与を断念するということを回避することが可能である。
図8Fは、ポイントの供与が完了したことを示す画面860の一例を示す。画面860は、例えば、ユーザAが保有するポイントの数が、供与対象者に供与するポイントの数を上回っている場合に、図8Eに示される実行ボタン844を選択することによって画面840から遷移した画面である。
図8Fに示される実施形態では、画面860は、供与対象者に関する情報を示す供与対象者表示部861と、供与対象者に供与したポイントの数を示す供与ポイント数表示部862と、供与対象者に供与した供与物を示す供与物表示部862aと、供与対象者にポイントを供与した後にユーザAが保有するポイントの数(残ポイント数)を示す残保有ポイント数表示部863と、確認してメインメニューへ戻るための確認ボタン864を含む。
図8Fに示される実施形態では、供与相手表示部161には、供与対象者としてサービス提供者Cの氏名「□□次郎」と、サービス提供者Cが居る第1の所定のエリアの名称「レストランABC」とが表示されている。また、20ポイントおよび供与物「ぬいぐるみ」がサービス提供者Cに供与され、ユーザAは、ポイントの供与後、280ポイントを保有している。
図8Gは、ポイントの不足を警告するための画面870の一例を示す。画面870は、例えば、ユーザAが保有するポイントの数が、供与対象者に供与するポイントの数を下回っている場合に、図8Eに示される実行ボタン844を選択することによって画面840から遷移した画面である。
画面870は、ポイントが不足している旨を示すポイント不足メッセージ表示部871を含む。ポイント不足メッセージ表示部871は、例えば、図8Dに示される画面840上または図8Eに示される画面850上に重ねて表示され得る。図8Gに示される実施形態では、ポイント不足メッセージ表示部871は、図8Dに示される画面840上に重ねて表示されている。
ポイント不足メッセージ表示部871には、不足しているポイントの数と、ユーザAが保有するポイントの数がサービス提供者に供与されるべきポイントの数を上回るために必要な「残りポイント」が蓄積されるために必要な時間とが表示されている。ポイント不足メッセージ表示部871は、ポイントの不足を警告するメッセージを確認した旨を入力するためのOKボタン872と、「残りポイント」が蓄積された時点でサービス提供者に供与されるべきポイントがサービス提供者に供与されるようにサービス提供者へのポイントの供与を予約するための予約ボタン873とを含む。
ユーザAがOKボタン872を選択すると、画面870は、図8Dに示される画面840または図8Eに示される画面850に遷移する。その後、ユーザAは、必要に応じて、サービス提供者に供与するポイントの数の変更、および、ポイントの供与の中止を行うことが可能である。
ユーザAが予約ボタン873を選択すると、例えば、画面870は、ポイントの供与の予約が完了した旨を示す画面(図示せず)に遷移する。さらに、例えば、「残りポイント」が蓄積されるために必要な時間だけユーザAが第1の所定のエリア内に滞在した後、サービス提供者へのポイントの供与が完了した旨がユーザAに通知されてもよい。
このように、ユーザAは、ポイントの供与の際に供与されるべきポイントが不足している場合であっても、ポイントが蓄積された時点でポイントの供与を自動的に行うように予約することができるため、ポイント供与を断念するきっかけを削減し、ポイント供与を促進することができる。また、ユーザAがポイントを供与するための条件(例えば、第1の所定のエリア内に滞在することによって付与されたポイントのみ供与できる、第1の所定のエリアを含む複数の所定のエリア内に滞在することによって付与されたポイントのみ供与できる)が設定されることにより、第1の所定のエリアや複数の所定のエリアの利用を促進することができる。
図8Hは、ポイントが供与されたことを示す画面880の一例を示す。画面880は、ユーザAからポイントが供与されると表示される画面である。
図8Hに示される実施形態では、画面880は、時刻や日付や曜日を含む待機画面881と、ポイントが供与された旨を通知する複数の受領通知部882とを含む。複数の受領通知部882の各々は、ポイントを供与したユーザAの氏名と、供与されたポイントの数と、通知された時刻とを含む。複数の受領通知部882は、ポイントの供与が通知される毎に以前のものが下に表示されて最新のものが上に表示されるように、一列に並べて表示される。したがって、多数のユーザから連続してポイントの供与が行われると、通知音とともに、新たな受領通知部882が、既に表示されている受領通知部882の上に次々に表示され、それ故、既に表示されている受領通知部882は、画面880の下方へ次々に移動する。
このように、ポイント供与が行われると、サービス提供者のユーザ装置へすぐに通知されるため、サービス提供者は、ポイントの供与を受けたことをすぐに認識することができる。例えば、サービス提供者がイベントのステージ上のアイドルや試合中のスポーツ選手である場合に、特定のシーンのときに多人数のユーザから多数のポイントの供与を受けるという事象が発生すると、事業者(例えば、イベントの主催者、試合の主催者)は、その特定のシーンが多人数のユーザに好まれているということをその場で知ることができ、後で受領時刻を確認して知ることもできる。また、事業者と同様に、ポイントの供与を受けるサービス提供者もまた、ポイントの供与をいくら受けたかをその場で知ることができ、後で受領時刻を確認して知ることもできる。
なお、図8E〜図8Fに示される実施形態では、サービス提供者が居る所定のエリアの名称が画面に表示される例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、サービス提供者(供与対象者)の氏名とともに、サービス提供者が所属する施設の名称、および/または、サービス提供者を管理している事業者の名称が表示されるようにしてもよい。
このように、図8Cおよび図8Eに示されるように、ポイントの供与対象者を選択することが可能であるため、誰に対してポイントの供与を行うかを管理することができ、ユーザの満足度を向上させることができる。
図8Eに示される実施形態では、第1の所定のエリア内に居る供与対象候補者が一覧表示されている。これにより、第1の所定のエリア内に居ない供与対象者に誤ってポイントを供与することを防止することができる。また、ユーザAは、第1の所定のエリアの利用を終えるころに、それまでに応対してくれたサービス提供者の中から最も良かった供与対象者にポイントを供与することもできる。したがって、ユーザAは、目の前に所望の供与対象者が存在しない状態であってもポイントの供与を行うことができ、所望の供与対象者がなかなか近くに来ないことを理由にポイントの供与を諦めるということを防止することができる。
また、図8Eに示される画面850において、第1の所定のエリア内に居る供与対象候補者に代えて、例えば、第1の所定のエリア内に居るか居ないかにかかわらず、第1の所定のエリアを管理する事業者によって管理される全ての供与対象候補者が一覧表示されるようにしてもよい。これにより、例えば「投票」という形式で、ユーザの所望の供与対象候補者にポイントを供与することが可能である。
さらに、図8Gに示される画面870が表示された後、「残りポイント」が蓄積されるために必要な時間が経過する前にユーザAが第1の所定のエリアの外へ移動した場合に、第1の所定のエリア内で「残りポイント」が十分に付与・蓄積されていない旨を示すポイント付与未了通知がユーザAのユーザ装置に送信されるようにしてもよい。これにより、第1の所定のエリアに留まるようにユーザAを促すことが可能であり、第1の所定のエリアに関連する販売促進に寄与することが可能である。例えば、水族館において平均観賞時間(例えば1時間)に追加時間(例えば15分)を追加した時間がポイント付与の条件データとして設定され、売店も含めた水族館全体が第1の所定のエリアとして設定される場合、水族館における鑑賞が終わった顧客が退店しようとした際にポイントの供与のために必要な残り時間がユーザ装置に表示されることにより、ユーザは、ポイントの供与が実行されるまで売店などに留まるため、売店における購買行動を促進されることができる。
また、図8Gに示される画面870が表示された後、「残りポイント」が蓄積されるために必要な時間が経過する前にユーザAが第1の所定のエリアの外へ移動した場合に、ユーザAが第1の所定のエリアの外へ移動してから所定の時間内にユーザAが第1の所定のエリア内に戻った場合に、それまでに蓄積されたポイントに継続してポイントを蓄積することができ、ユーザAが第1の所定のエリアの外へ移動してから所定の時間を経過した後にユーザAが第1の所定のエリア内に戻った場合には、それまでに蓄積されたポイントを無効にする(ゼロにする)ようにしてもよい。これにより、例えば、第1の所定のエリアに翌日に再び訪れたユーザAが、継続したポイントの蓄積の恩恵を受けることを防止することができ、それ故、ポイントの付与による販促効果の低下を防止することができる。
さらに、サービス提供者は、返礼品を設定することが可能であってもよい。これにより、サービス提供者は、ユーザからのポイントの供与に応答して、返礼品をユーザに提供することが可能であり、ポイントの供与のインセンティブをユーザに与えることができる。返礼品は、例えば、サービス提供者に対応する品物(すなわち、サービス提供者に関連付けられた品物)(例えば、サービス提供者がアイドルである場合には、そのアイドルの画像データ、サイン、写真集)であり得る。
2.2 チップ機能を伴うポイントサービスを実現するためのシステムの構成
図9は、チップ機能を伴うポイントサービスを実現するためのシステムの構成の一例を示す。
図9に示される実施形態では、コンピュータシステム1は、ユーザによって利用されるユーザ装置2と、GPS(Global Positioning System)による位置測定のために用いられるGPS衛星3と、複数の所定のエリアのうちの第1の所定のエリア4a内の供与対象者4b(例えば、第1の所定のエリア4a内で働くスタッフ、出演者(例えば、ミュージシャン、ダンサーなど)、スポーツ選手など)が所持するQRコード(登録商標)5(すなわち、供与対象者を識別するための媒体)と、第1の所定のエリア4a内に設置された複数の信号発信装置6と、ユーザ装置2の移動体通信部19と無線で通信する通信アンテナ装置7と、通信アンテナ装置7を介したデータ通信や適宜のルータやコンピュータとのデータ通信を行うインターネット8(電気通信回線)と、各種データを管理するサーバ装置9を備えている。また、図9に示されるように、供与対象者4bは、ユーザ装置2および信号発信装置6を所持していてもよい。
図9に示される実施形態では、ユーザ装置2は、CPUとROMとRAMを有して各種の演算および制御を行うプロセッサ部12と、データを記憶するハードディスクまたは不揮発性メモリ等で構成されるメモリ部13と、タッチパネル等で構成されて入力操作を受け付ける入力部14と、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等で構成されてカラーでの画面表示を行うことが可能な表示部15と、GPS衛星3からGPS信号を受信して位置情報を取得する位置情報取得部16と、カメラによる静止画や動画の撮像を実行する撮像部17と、Bluetooth(登録商標)による無線通信により信号発信装置6と通信する近距離無線通信部18と、LTE(Long Term Evolution)等の移動体通信規格でアンテナ装置7との無線通信を行う移動体通信部19と、これらの構成要素を接続するバス11とを備えている。また、ユーザ装置2は、無線通信部(図示せず)も備えており、例えば、Wi−Fi規格での無線通信にてインターネット8と接続する機能も備えている。
ユーザ装置2のメモリ部13には、ユーザプログラム13a(時間価値ポイント利用プログラム)とユーザデータ13bが記憶されている。なお、供与対象者4bが所持しているユーザ装置2のメモリ部13には、ユーザ装置2のメモリ部13に記憶されているユーザプログラム13aおよびユーザデータ13bと同じものが記憶されていてもよいし、ユーザ装置2のメモリ部13に記憶されているユーザプログラム13aおよびユーザデータ13bと異なるものが供与対象者用の供与対象者プログラムおよび供与対象者データとして記憶されていてもよい。
ユーザプログラム13aは、各種機能(例えば、信号発信装置6からの信号を受信して位置特定する位置特定機能、その位置での経過時間を計測する経過時間計測機能、経過時間に応じて第1の所定のエリア4aにおいて提供されるポイントを受領するポイント受け取り機能、保有するポイントにより商品または/およびサービス(以下、本明細書において「商品サービス」という)の購入を行う商品サービス購入機能、保有するポイントの供与を行うポイント供与機能、QRコード(登録商標)5の読み取り等によって供与対象者を特定する供与対象者特定機能、および、供与対象者用の処理としてポイントの供与(ポイントにより購入された商品および供与物(例えば、仮想通貨)の供与を含む)を受けた場合に誰から何の供与をどれだけ受けたかを供与対象者に通知する供与受領通知機能)をプロセッサ部12に実行させるプログラムである。なお、供与受領通知機能は、ユーザプログラム13aが備えることなく、別途の供与対象者プログラムが備えていてもよい。これにより、ユーザによって利用されるユーザ装置2にインストールするユーザプログラム13a、および、供与対象者によって利用されるユーザ装置2にインストールする供与対象者プログラムが、それぞれ異なるプログラムとなり得る。ここで、ユーザプログラム13aをどのようにしてメモリ部13に格納するかは問わない。例えば、ユーザプログラム13aは、メモリ部13にプリインストールされていてもよい。あるいは、ユーザプログラム13aは、インターネット8などのネットワークを経由してダウンロードされることによってメモリ部13にインストールされるようにしてもよいし、光ディスクやUSBなどの記憶媒体を介してメモリ部13にインストールされるようにしてもよい。
ユーザデータ13bは、少なくともユーザを識別するための情報(ユーザID)を記憶していればよく、ユーザの個人情報(例えば、ユーザの氏名、住所、電話番号、Emailアドレス)およびユーザが保有する保有ポイントなどをさらに記憶していてもよい。このユーザIDは、供与対象者を識別するための情報(供与対象者ID)と異なる構成であってもよいし、供与対象者を識別するための情報(供与対象者ID)と同じ構成であって共通のIDとして利用さるようにしてもよい。すなわち、ユーザか供与対象者かにかかわらずユーザIDを一つ発行し、ユーザとして利用するか、供与対象者として利用するか、ユーザおよび供与対象者の両方として利用するかを示す利用区分データを合わせて記憶する構成としてもよい。
第1の所定のエリア4aは、例えば、飲食店、マッサージ店、温泉、衣料品店、食料品店、薬局、コンサートホール、ライブハウス、アミューズメント施設、スポーツ施設、水族館、動物園、会議室、ホテル、公園である。
第1の所定のエリア4aには、時間経過等によってポイントを付与することによりユーザの集客を行うために、信号発信装置6が設置されている。信号発信装置6は、bluetooth(登録商標)にて読み取り可能な信号(例えば、ビーコン信号)を発信することが可能な装置である。ユーザ装置2は、ビーコン信号を読み取ることによって信号発信装置6を特定することが可能であり、どの位置に存在する信号発信装置6からビーコンを受信したか判別することが可能である。サーバ装置9は、ユーザ装置2が3つ以上の信号発信装置6から受信したビーコン信号をユーザ装置2から受信し、その信号強度を測定することによって、3つの信号発信装置6で囲まれる領域とその周辺領域を含む特定の領域のどの位置にユーザが存在するか(滞在しているか)を特定することが可能である。
また、第1の所定のエリア4aには、エリア端末4が設置されている。エリア端末4は、例えば、デスクトップPC、ラップトップPC、ノートPC等のパーソナルコンピュータである。エリア端末4は、CPUとROMとRAMを有して各種の演算および制御を行うプロセッサ部と、データを記憶するハードディスクまたは不揮発性メモリ等で構成されるメモリ部と、キーボードとマウスまたはタッチパネル等で構成されて入力操作を受け付ける入力部と、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等で構成されてカラーでの画面表示を行う表示部と、有線通信にてインターネット8と接続するLANボード等の通信部を有している。エリア端末4は、例えば、供与対象者(サービス提供者)4bによって操作されてもよいし、第1の所定のエリア4aの事業者によって操作されてもよい。
QRコード(登録商標)5には、(第1の所定のエリア4a毎にかつ)供与対象者4b毎に重複しない識別コードが付与されている。このQRコード(登録商標)5がユーザ装置2によって読み取られることで、供与対象者(サービス提供者)4bがどこの所定のエリアの誰であるかがわかるようになっている。
通信アンテナ装置7は、LTE回線を用いた通話とデータ送受信を受け付け、インターネット8を通じたホームページ閲覧やメール送受信等のデータ通信を受け付ける。
インターネット8は、世界中で接続された各装置間の通信を許容する。
図9に示される実施形態では、サーバ装置9は、CPUとROMとRAMを有して各種の演算および制御を行うプロセッサ部22と、データを記憶するハードディスクまたは不揮発性メモリ等で構成されるメモリ部23と、キーボードとマウス等で構成されて入力操作を受け付ける入力部24と、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等で構成されてカラーでの画面表示を行う表示部25と、有線通信にてインターネット8と接続するLANボード等の通信部26を有している。
サーバ装置9のメモリ部23には、管理プログラム23a(時間価値ポイント管理プログラム)と管理データ23bが記憶されている。
管理プログラム23aは、各種機能(例えば、所定のエリア(例えば、第1の所定のエリア4a)の追加・変更・削除を行うエリア管理機能、所定のエリアが保有する信号発信装置6の位置と識別情報(ID)を管理するエリア毎信号発信装置管理機能、所定のエリアの管理者がエリア端末4を用いてポイントの購入やポイント付与の条件の設定等を行うエリア向けポイント管理機能、ユーザから供与対象者4bに供与されるポイントを供与対象者4bと所定のエリアの事業者の間でどのような割合で分配するかを所定のエリアの事業者が設定するポイント受付時分配設定機能、および、ポイント付与の条件を満たしたユーザに対してポイントを付与するポイント付与機能)をプロセッサ部22に実行させるプログラムである。ここで、管理プログラム23aをどのようにしてメモリ部23に格納するかは問わない。例えば、管理プログラム23aは、メモリ部23にプリインストールされていてもよい。あるいは、管理プログラム23aは、インターネット8などのネットワークを経由してダウンロードされることによってメモリ部23にインストールされるようにしてもよいし、光ディスクやUSBなどの記憶媒体を介してメモリ部23にインストールされるようにしてもよい。
管理データ23bは、図10を参照して後述される施設管理データベース部51(商品サービス提供事業者データ)、ユーザポイント管理データベース部53(保有ポイント管理データ)、商品サービスデータベース部55、供与対象者管理データベース部58(供与対象者管理データ)、エリアポイント管理データベース部64、および、履歴データベース部66を有している。
なお、ユーザの個人情報(例えば、ユーザの氏名、住所、電話番号、Emailアドレス)およびユーザが保有する保有ポイントなどは、ユーザ装置2のメモリ部13に加えて、または、ユーザ装置2のメモリ部13に代えて、サーバ装置9のメモリ部23に記憶されていてもよい。
また、図9に示される実施形態では、ユーザ装置2とサーバ装置9とエリア端末4とがインターネット8を介して相互に通信可能であると説明したが、本発明はこれに限定されない。インターネット8の代わりに任意のタイプのネットワークを用いることも可能である。
また、図9に示される実施形態では、ユーザ装置および所定のエリアが1つである例を説明したが、本発明はこれに限定されない。ユーザ装置および所定のエリアの数は、それぞれ、1以上の任意の整数である。
図10は、ユーザ装置2のプロセッサ部12がユーザプログラム13aによって動作する機能と、サーバ装置9のプロセッサ部22が管理プログラム23aによって動作する機能の主要部を示す機能ブロック図である。
ユーザ装置2は、メインメニュー30から起動できる機能部として、ポイント蓄積処理部31、ポイント利用部41、および、履歴確認部49を備えている。
ポイント蓄積処理部31は、位置取得部32によって近距離無線通信部18を動作させ、第1の所定のエリア4aの信号発信装置6から発信されるビーコン信号を受信し、このビーコン信号から受信したデータをサーバ装置9に送信する。サーバ装置9は、施設管理データベース部51を参照して、受信されたビーコン信号を発信する信号発信装置6を利用しているエリア端末4および/または第1の所定のエリア4aを特定し、第1の所定のエリア4aを識別するエリア識別データと、第1の所定のエリア4aにおけるポイント付与条件を示すポイント付与条件データとをユーザ装置2に送信する。このとき、現在の位置情報を取得して送信する位置取得部32と、現在の位置情報に基づいて所定のエリアを特定するエリア決定部33は、所定のエリア内にユーザ装置2が存在する(すなわち、ユーザが滞在している)ことを判別するエリア内滞在判別手段、および、商品サービスを提供する事業者を識別する事業者識別手段として機能する。
ユーザ装置2は、エリア決定部33により、受信されたエリア識別データに基づいて第1の所定のエリア4aを特定し、ポイント付与条件取得部34により、受信されたポイント付与条件データに記載されているポイント付与条件を取得する。
ユーザ装置2は、時間計測部35により時間の計測を行い、ポイント付与条件を満たした場合に、ポイント付与処理部36により、そのポイント付与条件で付与されるポイントをユーザに付与する。この時間計測とポイントの付与は、実際には、ユーザ装置2が、現在時刻と(位置取得部32による)ユーザの現在の位置情報とを所定の時間毎(例えば1分毎)にサーバ装置9に送信し、この蓄積によって、サーバ装置9が、ポイント付与条件が満たされたか否かを判定し、ポイントの付与を行うことが望ましい。ポイント付与条件が満たされるまでは、時間測定部35による時間測定が継続されるとともに、位置取得部32による位置情報の取得も実行される。これにより、ユーザ装置2および/またはサーバ装置9は、第1の所定のエリア4a内にどれだけの時間ユーザが滞在しているかを認識することが可能である。付与されたポイントは、ポイント付与処理部36によってユーザポイント管理データベース部53に記録され、ユーザが保有するポイントの数が増加する。このとき、履歴データベース部66にもいつどこでどれだけのポイントをそのユーザが獲得したか記録される。
ポイント利用部41は、商品サービス選択ボタン821またはポイント供与ボタン822の選択に応じて、商品サービスの購入を受け付ける商品サービス選択部42、および、チップや投げ銭という形式で供与対象者4bへのポイント供与を受け付けるポイント供与処理部43の選択を受け付ける。
商品サービス選択部42は、ユーザによって選択されると、サーバ装置9のユーザポイント管理データベース部53にアクセスし、ユーザの保有ポイントを表示するとともに、サーバ装置9の商品サービスデータベース部55にアクセスし、第1の所定のエリア4aにおいて購入できる商品およびサービスの一覧データを取得し、ユーザにどの商品またはサービスを購入するか選択させる処理を実行する。商品またはサービスが購入されると、その商品またはサービスをユーザに提供する処理(例えば、商品発送をする処理、サービス提供を開始する処理など)が実行されるとともに、サーバ装置9は、ユーザポイント管理データベース部53から商品またはサービスの購入に必要とされたポイント数(ポイント量)を減算して記録する。また、サーバ装置9は、この使用履歴を履歴データベース部66に記録する。
ポイント供与処理部43は、供与対象者決定部45(供与対象者特定手段)により、ポイント供与を行う供与対象者の決定を行う。この供与対象者の決定は、例えば、QRコード(登録商標)の読み取りによる認証、顔認証、信号発信装置による認証、リストからの選択などによって実現され得る。
QR読取部45aが起動されると、ユーザ装置2は、撮像部17により撮像をして撮像画像に含まれるQRコード(登録商標)5を読み取る。このQRコード(登録商標)5には、第1の所定のエリア4aを識別するエリア識別データと供与対象者4bを識別する供与対象者識別データが含まれており、ユーザ装置2がエリア識別データおよび供与対象者識別データをサーバ装置9に送信し、エリア識別データおよび供与対象者識別データと、サーバ装置9の供与対象者管理データベース部58とをサーバ装置9が照合することによって、供与対象者4bが認証される。
顔認証部45bが起動されると、ユーザ装置2は、撮像部17により撮像をして撮像画像に含まれる顔の認証を行う。この顔認証は、ユーザ装置2が、撮像部17で撮像した顔の画像から得られる特徴データをサーバ装置9に送信し、サーバ装置9の供与対象者管理データベース部58に記憶されている顔の特徴データと、撮像部17で撮像した顔の画像から得られる特徴データとをサーバ装置9が照合することによって、実行される。
信号読み取り部45cが起動されると、ユーザ装置2は、近距離無線通信部18により供与対象者4bの所持する信号発信装置6から発信されるビーコン信号を読み取る。このビーコン信号は、供与対象者管理データベース部58で管理されており、ユーザ装置2は、ビーコン信号に含まれる識別データをサーバ装置9に送信し、サーバ装置9は、ビーコン信号に含まれる識別データに基づいて供与対象者を特定できる。
リスト表示部45dが起動されると、ユーザ装置2は、サーバ装置9の供与対象者管理データベース部58から第1の所定のエリア4aに現在居る供与対象者4bの一覧データを取得し、この一覧データを表示して任意の供与対象者をユーザに選択させる処理を実行する。
いずれの方法によって供与対象者が特定された場合であっても、サーバ装置9は、滞在状況管理部57によって供与対象者4bの滞在状況の管理を行い、供与対象者管理データベース部58において滞在状況を更新しているため、所定のエリア内に居ない供与対象者4bが指定された場合にはエラーとして処理される。
このようにして供与対象者が特定されると、ポイント数決定部46により、ユーザが供与対象者へ供与したいポイント数の決定を受け付ける。ここで、そのままポイントを供与する場合は、ポイント数の決定だけで次へ進むが、ポイント数に相当する供与物(例えば、商品、仮想通貨)を供与したい場合には、供与物決定部46aが起動される。
供与物決定部46aは、供与物として選択可能な商品サービスおよび仮想通貨を必要ポイント数とともに一覧表示し、ユーザにどの供与物をどれだけ供与したいか選択させる。このとき、選択可能とする商品サービスは、商品サービスデータベース部55を参照して特定され、第1の所定のエリア4aにおいて提供される商品サービスであってもよいし、第1の所定のエリア4a以外の所定のエリアにおいて提供される商品サービスであってもよい。また、仮想通貨は、例えば、あらかじめユーザプログラム13aで取り扱い可能な所定の1種類の仮想通貨(すなわち、ユーザ非選択制)であってもよいし、取り扱い可能な複数の仮想通貨からユーザによって選択された仮想通貨(すなわち、ユーザ選択制)であってもよい。
供与物決定部46aは、施設管理データベース部51のポイント分配設定を参照し、ユーザが供与しようとするポイント数のうち供与対象者に分配される割合分で購入可能な供与物のみを選択可能とする。このとき、選択できない供与物は選択可能な一覧表示内に表示しない構成としてもよいが、必要ポイント数(供与対象者の分配割合を加味した上でユーザが支払わなければならないポイント数)を表示して、供与するポイント数を増加して供与物を選択できるように構成してもよい。
供与したいポイント数(供与物を含む)がユーザによって決定されたとき、供与するポイントとして入力されたポイント数が、そのユーザの保有するポイント数より多かった場合は、ポイント不足時処理部48による処理が実行される。このとき、ユーザの保有ポイントを確認するポイント数決定部46は、保有価値ポイント参照手段として機能する。
ポイント不足時処理部48は、必要なポイント数が貯まるまでに必要なポイント獲得必要時間を表示した上で、ポイント不足であるからポイント供与を中止するか、必要ポイントが貯まってからポイント供与を行う予約を行うか、ポイントを購入してポイント供与を行うかをユーザに選択させる。このとき、ポイント獲得必要時間を表示するポイント不足時処理部48は、ポイント獲得必要時間通知手段として機能する。
ポイントが貯まってからポイント供与(供与物での供与を含む)を行う予約の場合には、ユーザ装置2は、必要ポイントが貯まるまで待機し、必要ポイントが貯まった時点で、ポイント供与実行部47(価値ポイント供与手段)が起動される。ポイント購入を行う場合には、ポイント購入によって必要ポイントが貯まった時点で、ポイント供与実行部47が起動される。
必要なポイントが貯まった時点でポイント供与を行う予約の場合において、必要なポイントが蓄積されたが第1の所定のエリア4a内にユーザがポイント獲得必要時間まで存在(滞在)していたことによって必要なポイントが蓄積されたのではなく、必要なポイントが他の要因で蓄積された場合、ポイント不足時処理部48は、ポイントの供与を実行するか否かを選択する実行可否選択ボタンを表示してユーザに実行可否を選択させる。これにより、予約内容が思いもしなかったタイミングで実行されてポイント供与されることを防止できる。なお、必要なポイントが他の要因で蓄積された場合にはポイントの供与を実行しないようにしてもよい。このように、必要なポイントが他の要因で蓄積された場合に実行可否を決定するか実行しない決定をするポイント不足時処理部48は、実行可否決定手段として機能する。
ポイント供与実行部47は、どのエリアのどの供与対象者にどれだけのポイント数を誰が(どのユーザが)供与するかを示すポイント供与データをサーバ装置9に送信する。サーバ装置9は、ポイント供与受領部61によりポイント供与の指示を受信する。
ポイントをそのまま供与する場合には、ポイント供与処理部62によって、供与されたポイントを用いて、エリアポイント管理データベース部64(および/またはユーザポイント管理データベース部53および/または供与対象者管理データベース部58)に更新して記録する処理を行う。このポイントの更新の際、サーバ装置9は、所定のエリアにおける所定のポイント供与ルール(ポイントの分配設定)に従って、供与するポイントを所定のエリアの事業者と供与対象者とに分配する。ポイント供与ルールによっては、全てのポイントを所定のエリアの事業者または供与対象者のどちらか一方に供与することもできる。供与対象者を管理する事業者が保有するポイントの数は、例えば、エリアポイント管理データベース部64または供与対象者管理データベース部58内に記憶されていてもよい。
供与物を供与する場合には、供与物購入送達処理部65が、ポイントにて供与物を購入し、供与対象者へその供与物を送達する処理を実行する。供与物が商品である場合には、供与物購入送達処理部65は、その商品の購入処理をするとともに、供与対象者が予め登録した送達先住所への発送手配を行う。供与物がサービスである場合には、供与物購入送達処理部65は、そのサービスを受けるためのチケットを送達先住所へ送付する処理、または、そのサービスを受けるためのチケットを送達先Eメールアドレスへ送信する処理を行う。供与物が仮想通貨である場合には、供与物購入送達処理部65は、仮想通貨の取引所へアクセスして仮想通貨の購入処理を行い、購入した仮想通貨を供与対象者へ移転する仮想通貨の移転処理を行う。
また、ポイント供与処理部62は、ユーザポイント管理データベース部53から、供与されたポイント数のポイントを減算する。このようにポイント供与(供与物の供与を含む)した履歴は、サーバ装置9の履歴データベース部66に記録される。
ポイント供与が実行されると、必要に応じて、返礼処理部67による返礼処理が行われる。この返礼処理は、ポイント付与に対するインセンティブとして、例えば、返礼品をプレゼントすること、割引券を付与すること、非売品のアイテムを付与することなどを含む。返礼の態様は、任意であり、例えば、ポイント供与が1回行われれば1つの返礼品(データやサービスチケットを含む)をユーザに付与してもよいし、1回のポイント付与で付与されたポイント数が所定ポイント数以上であれば1つの返礼日を付与してもよいし、あらかじめどれだけのポイント数以上であればどの返礼品といった形で段階毎に返礼品を定めておき、1回のポイント付与のポイント数がどの段階に該当するかによって返礼品を決定して付与してもよい。この返礼処理は、商品購入とは異なるから、返礼品の受け取りに必要なポイント数を超えた量のポイント付与が行われても、超えた分も含めたポイント付与が行われ、商品購入時のようにおつりを返却するようなことは行われることなく、得られる返礼品が付与される。
通知部63は、このようにしてポイント供与が行われたことを供与対象者に通知する。この通知は、供与対象者が所有するユーザ装置2にインストールされているユーザプログラム13a(または供与対象者プログラム)に供与通知データを送信することによって、達成される。ユーザ装置2は、ユーザプログラム13a(または供与対象者プログラム)によって通知部(スピーカー)(図示せず)において通知音を鳴らす(または振動する)とともに、表示部15に受領メッセージ(例えば、「〇〇さんから供与物を受け取りました」)を表示し、詳細をみる操作が供与対象者によって実行されると、誰からどれだけのポイントがいつ供与されたか、および、供与物であった場合には何が供与されたかが表示される。
履歴確認部49が起動されると、ユーザ装置2は、サーバ装置9の履歴データベース部66にアクセスし、そのユーザのポイントの獲得と利用の履歴を時系列で表示する。
サーバ装置9が記憶するエリア管理データベース部51、ユーザポイント管理データベース部53、商品サービスデータベース部55、供与対象者管理データベース部58、エリアポイント管理データベース部64、および、履歴データベース部66は、それぞれ次のようなデータを管理している。
エリア管理データベース部51は、エリアID、エリア内の信号発信装置6の識別IDおよびその設置位置、ポイント付与を行う特定の領域、特定の領域にどれだけの時間いればポイント付与が行われるかを示すポイント付与必要時間、供与対象者に対してポイント供与された場合に供与対象者を管理する事業者と供与対象者とにそれぞれどれだけの割合で分配するかを示すポイント分配設定、および、エリアに関する情報(例えば、エリアの名称、住所、連絡先など)を記憶している。このエリア管理データベース部51に含まれる特定の領域は、特定領域管理用データとして機能し、特定の領域およびポイント付与必要時間は、ポイント付与条件管理データとして機能し、ポイント分配設定は、ポイント取り扱い設定データとして機能する。
ユーザポイント管理データベース部53は、ユーザによって操作されるユーザ装置2の装置ID、ユーザを識別するユーザID、ユーザが設定したパスワード、ユーザの個人情報(例えば、氏名、住所、電話番号、Eメールアドレスなど)、ユーザが保有するポイントの合計である保有ポイント数などを記憶している。
商品サービスデータベース部55は、エリアを識別するためのエリアIDと、エリア毎に設定登録されている商品またはサービスを識別するための商品サービスID、商品サービスの名称、商品サービスの金額、商品サービスのポイント購入可否設定、および、商品サービスを購入するために必要なポイント数などを記憶している。
供与対象者管理データベース部58は、エリアIDと、エリア毎に設定登録されている供与対象者の供与対象者ID、供与対象者のQRコード(登録商標)、供与対象者の顔認証用の特徴データ、供与対象者が保持する信号発信装置の識別データ、供与対象者の保有ポイント、供与対象者の滞在状況、供与対象者の個人情報(例えば、供与対象者の氏名、年齢、性別、所属、ランク、供与ポイント獲得割合など)、供与対象者を管理する事業者に関する情報(例えば、事業者の名称、住所)などを記憶している。なお、供与対象者を管理する事業者と供与対象者とが供与ポイントを分ける割合は、ランクによって異なるように設定されていてもよい。また、供与されるべきポイントが供与対象者毎に予め設定されている場合、供与対象者管理データベース部58には、供与されるべきポイントがさらに記憶されていてもよい。
履歴データベース部66は、ポイントの付与、ポイントの利用、および、ポイントの供与が行われた履歴をデータとして記録している。具体的には、ポイントの付与/利用/供与の区分、ポイントの利用・付与・供与によりポイントを支払ったポイント支払者のポイント支払者IDとポイントを受け取ったポイント受領者のポイント受領者ID、利用・付与・供与されたポイントのポイント数、および、ポイントの利用・付与・供与が行われた年月日時などが記録されている。
なお、図10に示される実施形態では、位置取得部32、エリア決定部33、ポイント付与条件取得部34、時間測定部35、ポイント付与処理部36、商品サービス売買処理部44、供与対象者決定部45、ポイント数決定部46、ポイント供与実行部47、および、ポイント不足時処理部48は、ユーザ装置2の構成要素として図示されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、サーバ装置9もまた、ユーザ装置2のこれらの構成要素に対応する構成要素のそれぞれを備えており、サーバ装置9における認証が実行可能なように構成されていてもよい。これにより、ユーザ装置2のユーザプログラム13aが改竄されて不正にポイントの獲得およびポイントの供与を行うことを防止することができる。
なお、図10に示される実施形態において、各データベース部の態様は問わない。例えば、エリア管理データベース部51、ユーザポイント管理データベース部53、商品サービスデータベース部55、供与対象者管理データベース部58、エリアポイント管理データベース部64、および、履歴データベース部66は、サーバ装置9の単一の外付けハードディスク装置として構成されてもよいし、ネットワークを介して接続されるクラウド上のストレージとして構成されてもよい。あるいは、エリア管理データベース部51、ユーザポイント管理データベース部53、商品サービスデータベース部55、供与対象者管理データベース部58、エリアポイント管理データベース部64、および、履歴データベース部66は、サーバ装置9の内部に設けられることも可能である。データベース部340の構成は、特定のハードウェア構成には限定されない。例えば、エリア管理データベース部51、ユーザポイント管理データベース部53、商品サービスデータベース部55、供与対象者管理データベース部58、エリアポイント管理データベース部64、および、履歴データベース部66は、単一のハードウェア部品で構成されてもよいし、複数のハードウェア部品で構成されてもよい。
上述した実施形態では、第1の所定のエリア内にユーザが滞在して所定の時間が経過した後にポイントがユーザに付与される例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ポイントは、商品サービスの購入および/またはレンタルに応じて付与されるものであってもよいし、ユーザが第1の所定のエリア内に侵入した時点でユーザに付与されるものであってもよいし、ユーザが第1の所定のエリア内に侵入した時点でユーザに付与されるが所定の時間が経過するごとに減少されるものであってもよい。これにより、長時間利用よりも短時間利用が好ましいエリアにおいても、短時間での退出を促して回転率の向上による売り上げ増加を図りたいエリアにおいても、本発明のポイントサービスを実装することが可能である。
また、上述した実施形態では、ポイントの付与および供与を説明したが、本発明はこれに限定されない。付与および供与されるものは、ポイントと同等の価値を有するもの(例えば、現実の金銭の金額、電子マネー、仮想通貨など)であってもよい。
また、上述した実施形態では、サービス提供者を特定するためにQRコード(登録商標)を読み取る例を説明したが、本発明はこれに限定されない。サービス提供者を特定するために読み取られるコードは、任意のコードであり得る。例えば、コードは、一次元のコード(例えば、バーコード)であってもよいし、二次元コード(例えば、QRコード(登録商標))であってもよい。
2.3 サーバ装置の処理
図11は、サーバ装置9において実行される処理のフローの一例を示す。なお、図11に示される各ステップは、サーバ装置9のプロセッサ部22によって実行される。以下、図11に示される各ステップを説明する。
ステップS1101:サービスをユーザAに提供したサービス提供者Bと、サービス提供者Bに供与されるべきポイントとが特定される。この処理は、例えば、図8C〜図8Eに示される画面830、画面840、画面850を参照して説明されたものに対応する。
サービス提供者Bは、例えば、コードの読み取りによる認証、顔認証、信号発信装置による認証、または、リストからの選択によって、特定される。これらの具体的な処理の一例は、供与対象者決定部45、QR読取部45a、顔認証部45b、信号読み取り部45c、リスト表示部45dを参照して上述されたため、ここではこれらの詳しい説明を省略する。供与されるべきポイントは、例えば、供与されるべきポイントを示すデータをユーザ装置2から受信することによって特定されるものであってもよいし、供与対象者管理データベース部58を参照して特定される供与対象者毎の所定の供与されるべきポイントであってもよい。なお、供与されるべきポイントは、ユーザAが保有するポイントの少なくとも一部である。
ステップS1102:ユーザAが保有するポイントの数が、サービス提供者Bに供与されるべきポイントの数を下回っているか否かが判定される。この判定処理は、ユーザポイント管理データベース部53を参照して実行され得る。ユーザポイント管理データベース部53に記憶されているユーザAが保有するポイントは、ユーザAが所定のエリア内に滞在することによって滞在時間に応じて付与されたポイントであってもよいし、商品サービスの購入および/またはレンタルに応じて付与されたポイント(例えば、Tポイント、dポイント、楽天ポイント)であってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。この判定結果が「Yes」である場合には、処理はステップS1103に進み、判定結果が「No」である場合には、処理はステップS1106に進む。
ステップS1103:ユーザAが保有するポイントの数が不足している旨の警告をユーザAに提示するための処理が実行される。この処理の一例は、ユーザAが保有するポイントの数が不足している旨の警告をユーザ装置2に表示させることであるが、これに限定されない。この処理は、例えば、図8Gに示される画像870を参照して説明されたものに対応する。
ステップS1104:ユーザAが保有するポイントの数がサービス提供者Bに供与されるべきポイントの数を上回るために必要な残りポイントZが蓄積された時点でサービス提供者Bに供与されるべきポイントがサービス提供者Bに供与されるように、サービス提供者Bへのポイントの供与を予約するための処理が実行される。これにより、ユーザAが保有するポイントの数がサービス提供者Bに供与されるべきポイントの数を上回るために必要な残りポイントZが蓄積されると、この予約に従って、サービス提供者Bへのポイントの供与が自動的に実行されることが可能である。ステップS1104の処理は、例えば、図8Gに示される予約ボタン873がユーザAによって選択されたことに応答して実行され得る。すなわち、図8Gに示されるOKボタン872がユーザAによって選択された場合には、ステップS1104は省略される。
ステップS1105:ユーザAが保有するポイントの数がサービス提供者Bに供与されるべきポイントの数を上回るために必要な残りポイントZが、蓄積されたか否かが判定される。残りポイントZは、所定のエリア内のユーザAの滞在時間に応じて付与されるポイントが充当されることによって蓄積されてもよいし、ユーザAが商品サービスを購入および/またはレンタルしたことに応じて付与されるポイントが充当されることによって蓄積されてもよい。
ステップS1106:サービス提供者Bに供与されるべきポイントをユーザAからサービス提供者Bに供与するための処理が実行される。この処理は、例えば、ユーザポイント管理データベース部53および供与対象者管理データベース部58を参照して実行される。ステップS1104においてサービス提供者Bへのポイントの供与が予約されている場合には、この処理は、その予約に従って、実行される。
ステップS1106の処理は、例えば、サービス提供者Bに供与されるべきポイントに基づいて、ユーザポイント管理データベース部53に記憶されているユーザAが保有するポイントと、供与対象者管理データベース部58に記憶されているサービス提供者Bが保有するポイントとを更新する処理を含む。より具体的には、ステップS1106の処理は、ユーザポイント管理データベース部53に記憶されているユーザAが保有するポイントを、サービス提供者Bに供与されるべきポイントだけ低減することと、供与対象者管理データベース部58に記憶されているサービス提供者Bが保有するポイントを、サービス提供者Bに供与されるべきポイントだけ増大させることとを含み得る。
例えば、複数の所定のエリアのうちの第1の所定のエリア内のユーザAの滞在時間に応じて付与されるポイントが残りポイントZに充当される場合には、サーバ装置9のプロセッサ部23は、
残りポイントZを蓄積するために必要な時間を算出することと、
残りポイントZを蓄積するために必要な時間をユーザAに通知する(例えば、ユーザAのユーザ装置2に送信する)ことと、
残りポイントZを蓄積するために必要な時間だけユーザAが第1の所定のエリア内に滞在したか否かを判定することと、
残りポイントZを蓄積するために必要な時間だけユーザAが第1の所定のエリア内に滞在したと判定された場合に、残りポイントZを含むサービス提供者Bに供与されるべきポイントをサービス提供者Bに供与するための処理を実行することと
をさらに実行するように構成され得る。
例えば、ユーザAが商品サービスを購入および/またはレンタルしたことに応じて付与されるポイントが充当される場合には、サーバ装置9のプロセッサ部23は、
ユーザAが商品サービスを購入および/またはレンタルする度に、ユーザAが商品サービスを購入および/またはレンタルしたことに応じて付与されるポイントの累積値が残りポイントZを上回ったか否かを判定することと、
ユーザAが商品サービスを購入および/またはレンタルしたことに応じて付与されるポイントの累積値が残りポイントZを上回ったと判定された場合に、残りポイントZを含むサービス提供者Bに供与されるべきポイントをサービス提供者Bに供与するための処理を実行することと
をさらに実行するように構成され得る。
なお、ステップS1101の後かつステップS1106の前の任意のタイミングにおいて、サーバ装置9のプロセッサ部23は、サービス提供者Bを管理する事業者を特定することと、供与されるべきポイント(ユーザAが保有するポイントの少なくとも一部)を特定された事業者に供与するための処理を実行してもよい。事業者を特定する処理は、例えば、供与対象者データベース部58を参照して実行される。供与されるべきポイント(ユーザAが保有するポイントの少なくとも一部)を特定された事業者に供与するための処理は、例えば、エリア管理データベース部51およびユーザポイント管理データベース部53を参照して実行される。この場合、サーバ装置9のプロセッサ部23は、サービス提供者Bおよび事業者へのポイントの供与を、サービス提供者および事業者へのポイントの分配を規定する所定のルールに従って実行してもよい。
3.キャストマッチングサービス
出願人は、キャスト(例えば、キャバ嬢)との新しいマッチングサービスを提案する。これは、店舗(例えば、キャバクラ)に行くことなく、電話番号を知っているキャストだけでなく、電話番号などを知らないキャストとでも会話することできるように企図したものである。この新しいマッチングサービスによれば、ユーザは、会ったことの無いキャストを検索して通話することができる。また、ユーザは、通話の後、そのキャストが務める店舗に行くことにより、初めての店舗であっても通話したことのあるキャストの案内を得られ、安心して利用することができる。
3.1 ユーザ装置に表示される画面
図12A〜図12Cは、ユーザ装置に表示される画面の一例を示す。図12A〜図12Cに示される画面は、ポイントを供与する側(ユーザA)によって操作されるユーザ装置に表示される画面である。
図12Aは、キャスト(すなわち、サービス提供者)を検索するための画面1210の一例を示す。
図12Aに示される実施形態では、画面1210は、様々な機能を呼び出すためのメニューボタン1211と、地域の名称を検索条件として指定するための地域指定部1212と、キャストが所属する店舗の名称を検索条件として指定するための店名指定部1213と、キャスト(例えば、キャバ嬢)の名前を検索条件として指定するためのキャスト名指定部1214と、趣味を検索条件として指定するための趣味指定部1215と、キャストの血液型を検索条件として指定するための血液型指定部1216と、キャストの同伴可否を検索条件として指定するための同伴可否指定部1217と、キャストの現在の通話状態を検索条件として指定するための通話OK指定部1218と、入力された検索条件に基づいてキャストの検索を実行するための検索実行ボタン1219とを含む。
ユーザは、地域指定部1212を選択すると、次いで、地域の名称(例えば、東京都、大阪府)を入力することが可能である。これにより、入力された地域の名称が検索条件として指定され、入力された地域の名称に関連付けられたキャスト(例えば、入力された地域において働いているキャスト、入力された地域出身のキャスト)に関する情報が、検索結果としてユーザに提示され得る。
ユーザは、店名指定部1213を選択すると、次いで、キャストが所属する店舗の名称を入力することが可能である。これにより、入力された店舗の名称が検索条件として指定され、入力された名称の店舗に所属するキャストに関する情報が、検索結果としてユーザに提示され得る。キャストが所属する店舗の名称に加えて、または、キャストが所属する店舗の名称に代えて、キャストを管理する事業者の名称を入力することが可能であってもよい。店名指定部1213の選択に応じて入力される名称は、完全な名称(すなわち、フルネーム)である必要はなく、入力内容に部分的に一致する名称を有する店舗(または事業者)のキャストが検索結果としてユーザに提示されてもよい。
ユーザは、キャスト名指定部1214を選択すると、次いで、キャストの名前を入力することが可能である。これにより、入力されたキャストの名前が検索条件として指定され、入力された名前のキャストに関する情報が、検索結果としてユーザに提示され得る。キャスト名指定部1214の選択に応じて入力される名前は、完全な名前(すなわち、フルネーム)である必要はなく、入力内容に部分的に一致する名前を有するキャストが検索結果としてユーザに提示されてもよい。
ユーザは、趣味指定部1215を選択すると、次いで、キャストの趣味(例えば、話し好き、お酒好き)を入力することが可能である。これにより、入力された趣味に関連付けられたキャストに関する情報が、検索結果としてユーザに提示され得る。
ユーザは、血液型指定部1216を選択すると、次いで、キャストの血液型(例えば、A型、B型、O型、AB型)を入力することが可能である。これにより、入力された血液型に関連付けられたキャストに関する情報が、検索結果としてユーザに提示され得る。
ユーザは、同伴可否指定部1217を選択すると、次いで、同伴可能なキャストのみを検索結果として提示するか、または、同伴可否にかかわらずキャストを検索結果として提示するかのいずれかを選択することが可能である。これにより、ユーザは、「同伴可能なキャストのみ」を検索条件に設定し、同伴可能なキャストのみが検索結果として提示されるようにすることができる。
ユーザは、通話OK指定部1218を選択すると、次いで、通話待機状態でありかつ通話中ではないキャスト(すなわち、コールすれば応答できる体制にあるキャスト)のみを検索結果として提示するか、または、現在の通話の状態の如何にかかわらずキャストを検索結果として提示するかのいずれかを選択することが可能である。これにより、ユーザは、「通話待機状態でありかつ通話中ではないキャスト」を検索条件に設定し、通話待機状態でありかつ通話中ではないキャストのみが検索結果として提示されるようにすることができる。
ユーザは、検索実行ボタン1219を選択すると、地域指定部1212ないし通話OK指定部1218のうちの少なくとも1つを選択することによって設定された検索条件に基づいて実行されたキャストの検索結果を閲覧することができる。
なお、地域指定部1212ないし通話OK指定部1218のうち、入力されなかった項目については、その項目による絞込をしない(すなわち、その項目における検索条件の設定がない)ように処理される。
検索が実行されると、検索条件を少なくとも部分的に満たすキャストが表示された画面(図示せず)がユーザ装置に表示され得る。検索条件を少なくとも部分的に満たすキャストが複数人存在する場合には、検索条件を少なくとも部分的に満たすキャストが一覧表示された画面が表示され得る。検索条件全てを満たすキャストが、最も優先順位の高いキャストとして画面の上方に表示され、検索条件の一部のみ満たすキャストが、満たす条件の数が少ないほど優先順位の低いキャストとして画面の下方に表示されるようにしてもよい。検索条件を少なくとも部分的に満たすキャストが検索結果として提示されることにより、検索した際にキャストが検索結果として全く該当しない(すなわち、ゼロである)という可能性を低減することができる。
図12Bは、検索条件を満たすキャストのうち、ユーザによって選択されたキャストに関する詳細な情報を表示するための画面1220の一例を示す。
図12Bに示される実施形態では、画面1220は、メニューボタン1211と、キャストが所属する店舗の場所に関する情報を表示する所属場所表示部1221と、画像(例えば、キャストの顔写真)を表示するための画像表示部1222と、キャストの名前を表示するためのキャスト名表示部1223と、キャストが所属する店舗(またはキャストを管理する事業者)の名称を表示するための店舗名称表示部1224と、キャストをお気に入りとして登録するためのお気に入り追加ボタン1225と、日時を指定することによりキャストとの通話を予約するための予約ボタン1226と、通話したいキャストによって操作される装置に対して通話を要求するためのコールボタン1227とを含む。
図12Bに示される実施形態では、所属場所表示部1221には、キャストが所属する店舗の場所として「大阪府,北新地」が表示されており、キャスト名表示部1223には、キャストの名前として「〇〇子」が表示されており、店舗名称表示部1224には、キャストが所属する店舗の名称として「クラブ〇〇」が表示されている。
図12Cは、キャストとの通話中の画面1230の一例を示す。
図12Cに示される実施形態では、画面1230は、メニューボタン1211と、通話しているキャストの名前を表示するためのキャスト名表示部1231と、通話している時間の長さを表示するための通話時間表示部1232と、ユーザから供与(すなわち、投げ銭)されたポイントを表示するためのポイント量表示部1233と、キャスト1235の画像を表示するための画像表示部1234と、通話を終了するための通話終了ボタン1236と、ユーザからの音声(すなわち、ユーザ装置に入力される音声)をミュートにするための消音ボタン1237と、キャストへポイントの供与(すなわち、投げ銭)を行うためのポイント供与ボタン1238とを含む。
ポイント量表示部1233には、例えば、通話しているキャストへユーザがその通話中にポイントを供与した量が表示される。なお、ポイント量表示部1233において、ユーザからキャストに供与されたポイントの量の表示態様は、任意である。例えば、ユーザからキャストに供与されたポイントの量は、ハートマークを用いて(例えば、10ポイントの供与によって1つのハートマークの1割程度表示され、100ポイントの供与によって1つのハートマークが完成するように)表示されてもよいし、数字を用いて数値的に表示されてもよい。
画像表示部1234には、キャストによって操作される装置の撮影部によって撮影されているキャストのリアルタイムな映像が表示されていることが好ましいが、静止画(例えば、キャストが採用しているアイコン)が表示されていてもよい。
ユーザは、ポイント供与ボタン1238を選択すると、通話しているキャストに対してポイントの供与を行うことが可能である。ポイントの供与は、例えば、ユーザが保有しているポイントの中から実行される。ポイント供与ボタン1238は、キャストとユーザとの間の通話中、任意のタイミングで選択されることが可能である。なお、ポイントの供与の実施態様は、任意である。例えば、ポイント供与ボタン1238が選択される度に所定のポイント(例えば、10ポイント)が供与されるようにしてもよいし、ポイント供与ボタン1238を指で押下した状態で指をスライドさせるほど供与されるポイントが増加し、指を離したときのポイント数が供与されるようにしてもよい。
このようにして、キャストは、ユーザからポイントを供与されることにより、キャストが保有するポイントが増加するため、キャストのモチベーションの向上につながる。また、キャストには、ユーザとの通話時間に応じてポイントが付与され得、これは、キャストのモチベーションの向上につながる。また、ユーザとの通話時間に応じて付与されるポイントは、キャストのランクに応じて変動してもよい。
3.2 キャストマッチングサービスを実現するためのシステムの他の構成
図13は、キャストマッチングサービスを実現するためのシステムの他の構成の一例を示す。
図13に示される実施形態では、コンピュータシステム1300は、各店舗に設置されている少なくとも1つの店舗装置1310と、キャスト(サービス提供者)によって操作される少なくとも1つのキャスト装置1320と、ユーザによって操作される少なくとも1つのユーザ装置1330と、サーバ装置1340とを備える。図13に示される実施形態では、サーバ装置1340は、インターネット505を介して、少なくとも1つの店舗装置1310、少なくとも1つのキャスト装置1320、および、少なくとも1つのユーザ装置1330と通信可能なように構成されている。
図13に示される実施形態では、店舗装置1310は、プロセッサ部1311と、入力部1312と、表示部1313と、通信部1314と、データを記憶するハードディスクまたは不揮発性メモリ等で構成されるメモリ部1315とを有している。キャスト装置1320は、CPUとROMとRAMを有して各種の演算および制御を行うプロセッサ部1321と、入力部1322と、表示部1323と、通信部1324と、データを記憶するハードディスクまたは不揮発性メモリ等で構成されるメモリ部1325と、撮影部1326とを有している。ユーザ装置1330は、プロセッサ部1331と、入力部1332と、表示部1333と、通信部1334と、データを記憶するハードディスクまたは不揮発性メモリ等で構成されるメモリ部1335と、撮影部1336とを有している。なお、店舗装置1310、キャスト装置1320、および、ユーザ装置1330は、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、スマートグラス、スマートウォッチ端末等の携帯無線端末であってもよいし、デスクトップPC、ラップトップPC、ノートPC等のパーソナルコンピュータであってもよい。サーバ装置1340は、プロセッサ部1341と、入力部1342と、表示部1343と、通信部1344と、データを記憶するハードディスクまたは不揮発性メモリ等で構成されるメモリ部1345とを有している。
店舗装置1310のプロセッサ部1311は、CPUとROMとRAMを有し、店舗装置1310の各種の演算および制御を行う。プロセッサ部1321、プロセッサ部1331、および、プロセッサ部1341の構成もまた同様である。
店舗装置1310の表示部1313は、適宜の表示装置によって構成され、例えば、液晶ディスプレイであってもよいし、有機ELディスプレイであってもよい。表示部1323、表示部1333、および、表示部1343の構成もまた同様である。
店舗装置1310の入力部1314は、適宜の入力装置によって構成され、例えば、キーボードであってもよいし、マウスであってもよいし、表示部1313に重ねて設けられたタッチパネルであってもよい。入力部1324、入力部1334、および、入力部1344の構成もまた同様である。
店舗装置1310のメモリ部1315は、ハードディスクまたは不揮発性メモリ等の記憶手段により構成されており、各種データおよび各種プログラムを記憶している。また、メモリ部1315は、店舗装置用プログラム1315aを記憶しており、店舗装置用プログラム1315aは、店舗装置1310のプロセッサ部1311によって実行される。キャスト装置1320のメモリ部1325は、ハードディスクまたは不揮発性メモリ等の記憶手段により構成されており、各種データおよび各種プログラムを記憶している。また、メモリ部1325は、キャスト装置用プログラム1325aを記憶しており、キャスト装置用プログラム1325aは、キャスト装置1320のプロセッサ部1321によって実行される。サーバ装置1340のメモリ部1345は、ハードディスクまたは不揮発性メモリ等の記憶手段により構成されており、各種データおよび各種プログラムを記憶している。また、メモリ部1345は、サーバ装置用プログラム1345aを記憶しており、サーバ装置用プログラム1345aは、サーバ装置1340のプロセッサ部1341によって実行される。
ユーザ装置1330のメモリ部1335は、ハードディスクまたは不揮発性メモリ等の記憶手段により構成されており、各種データおよび各種プログラムを記憶している。また、メモリ部1335は、ユーザ装置用プログラム1335aを記憶しており、ユーザ装置用プログラム1335aは、ユーザ装置1330のプロセッサ部1331によって実行される。ユーザ装置用プログラム1335aは、図9を参照して説明されたユーザプログラム13aと同様であり得、ユーザ装置1330のメモリ部1335は、図9を参照して説明されたユーザデータ13bをさらに記憶していてもよい。これにより、ユーザ装置1330は、図9に示されるユーザ装置2と同様の作用効果を奏することが可能であり、それ故、ユーザ装置1330を操作するユーザは、図9に示される実施形態と同様に、例えば、店舗などの所定のエリアにおける滞在時間に応じたポイントの付与を受けることが可能である。
また、ユーザ装置1330は、図9を参照して説明された位置情報取得部16および琴曲無線通信部18をさらに備え得、店舗装置1310が設置されている店舗には、図9を参照して説明された信号発信装置6が複数個設置されていてもよい。これにより、ユーザ装置1330は、図9に示される実施形態と同様に、信号発信装置6と通信し、店舗などの所定のエリアにおける滞在時間を測定するための処理(例えば、ビーコン信号に含まれる識別信号をサーバ装置9に送信する処理、所定のエリアにおける滞在時間を測定する処理)を実行することが可能である。
図14は、店舗装置1310のプロセッサ部1311が店舗装置用プログラム1315aによって動作する機能と、キャスト装置1320のプロセッサ部1321がキャスト装置用プログラム1325aによって動作する機能と、ユーザ装置1330のプロセッサ部1331がユーザ装置用プログラム1335aによって動作する機能と、サーバ装置1340のプロセッサ部1341がサーバ装置用プログラム1345aによって動作する機能との主要部を示す機能ブロック図である。
サーバ装置1340のプロセッサ部1341は、店舗に関する情報(および/または店舗に所属するキャストを管理する事業者に関する情報)を管理する店舗管理部1441、キャスト(供与対象者)に関する情報を管理するキャスト管理部1442、ユーザに関する情報を管理するユーザ管理部1443、ユーザがユーザ装置用プログラム1335aを起動した際におすすめのキャストを検索してそのおすすめのキャストに関する情報をユーザ装置1330に送信するおすすめ処理部1444、ポイントデータを管理するポイント管理部1445、および、通話データを管理する通話管理部1446を備えている。
店舗管理部1441が管理する店舗に関する情報は、店舗を識別するための店舗IDによって識別されることが可能であり、店舗の名称、住所、電話番号、Eメールアドレス、ホームページアドレス、キャストへのポイント還元割合、および、店舗の画像(例えば、店舗の外観の画像)などを含む。キャストへのポイント還元割合は、キャストがユーザから供与されたポイントや通話時間に応じて獲得した収入(現金またはポイント)のうちキャストへ付与されるポイントの割合を示し、事業者によって店舗毎に自由に設定されることができる。これにより、店舗または事業者は、キャスト獲得のための戦略などに工夫をこらすことができる。
キャスト管理部1442が管理するキャストに関する情報は、キャストを識別するためのキャストIDによって識別されることが可能であり、キャストの所属する店舗の店舗IDに関連付けられており、キャストの名前、電話番号、Eメールアドレス、紹介用ホームページアドレス、同伴可否、趣味、血液型、通話可否状態、画像、保有しているポイント、および、ランクなどを含む。通話可能であるとキャストがキャスト装置1320を用いて設定をしかつキャストが現在どのユーザとも通話していない場合における「通話可否状態」は、「通話可」であり、通話不可であるとキャストがキャスト装置1320を用いて設定している場合における「通話可否状態」は「通話不可」であり、キャストがユーザと通話している場合における「通話可否状態」は、「通話中」である。ランクは、店舗または事業者が評価するキャストのランクであり、店舗毎に任意に設定することができる。例えば、ランクが高いほど、キャストへのポイントの還元率を高くしてもよい。あるいは、例えば、ランクが高いほど、付与されるポイントの重み付けを大きくしてもよい。これにより、キャストのモチベーションを向上させることが可能である。
ユーザ管理部1443が管理するユーザに関する情報は、ユーザを識別するためのユーザIDによって識別されることが可能であり、ユーザの名前、住所、電話番号、Eメールアドレス、支払データ、保有しているポイントなどを含む。
ポイント管理部1445が管理するポイントデータは、ポイントを識別するためのポイントIDによって識別されることが可能であり、ポイントを供与したユーザを識別するためのユーザIDと、ポイントを供与されたキャストを識別するためのキャストIDと、ポイントを供与されたキャストが所属する店舗を識別するための店舗IDとに関連付けられており、ポイントが供与された日時、および、供与されたポイントの数など含む。これにより、サーバ装置1340は、いつどの店舗のどのキャストにどのユーザがどれだけのポイントを供与したかを管理することができる。ポイント管理部1445では、通話時間とポイントとの対応関係を示す情報(例えば、1分ごとに1ポイント、5分ごとに1ポイント、10分ごとに3ポイント)がさらに管理されていてもよい。
通話管理部1446が管理する通話データは、通話を識別するための通話IDによって識別されることが可能であり、通話したユーザを識別するためのユーザIDと、通話したキャストを識別するためのキャストIDと、通話したキャストが所属する店舗を識別するための店舗IDとに関連付けられており、通話を開始した日時、および、通話を終了した日時などを含む。これにより、サーバ装置1340は、どの店舗のどのキャストがどのユーザといつからいつまで通話したかを管理することができ、その通話時間に基づいて、ユーザに課金する処理(例えば、ユーザが保有するポイントを低減する処理)、キャストに支払う処理(例えば、キャストが保有するポイントを増加させる処理)、および/または、店舗および/または事業者に支払う処理(例えば、店舗または事業者が保有するポイントを増加させる処理)を適切に実行することができる。通話管理部1446は、通話時間の測定を実行することが可能であってもよい。
なお、店舗管理部1441、キャスト管理部1442、ユーザ管理部1443、ポイント管理部1445、通話管理部1446の各々によって管理されている情報は、サーバ装置1340に接続されているデータベース部に格納されていてもよい。
店舗装置1310において店舗装置用プログラム1445aが起動されると、店舗装置1310のプロセッサ部1311は、店舗認証部1411を起動し、例えば店舗IDおよびパスワードなどをユーザに入力させることにより、店舗認証を実行する。店舗装置1310のプロセッサ部1311は、店舗認証がOKである場合に、メインページ部1412によってメインページを表示し、キャスト管理部1413によってキャストの登録、変更、削除、ポイントの計算、および、通話に応じた報酬計算を実行する。
店舗装置1310のプロセッサ部1311は、売上管理部1414によって、全ての売上金額(例えば、全てのキャストが獲得したポイントおよび通話に応じた売上金額、店舗の運営による売上金額)の管理を行う。
キャスト装置1320のプロセッサ部1321は、キャスト装置用プログラム1325aを起動し、例えばキャストIDおよびパスワードをキャストに入力させることによって、キャスト認証部1421によってキャストの認証を実行する。
キャスト装置1320のプロセッサ部1321は、待機処理部1422により待機状態となり、ユーザからの通話要求を受信するまで待機する。なお、この待機処理部1422は、過去に通話をしたユーザのユーザ装置に、例えばEメールを用いて、キャストから勧誘メッセージ(例えば、「今待機中です。もしお時間あればコールおねがいします」など)を送信することができる。
また、待機処理部1422は、待機中であることがユーザ装置1330上で認識できる第1の設定(待機中明示モード)、ユーザからの通話要求に対して応答不可である第2の設定、ユーザからの通話要求に対して応答可能であるが待機中であることがユーザ装置1330上で認識できない第3の設定(待機中秘匿モード)のいずれかをサーバ装置1340に送信することにより、これらの設定を切り替えて利用することができる。
待機中秘匿モードの場合、ユーザ装置1330上ではそのキャストが待機中ではないように見えるが、ユーザ装置1330からキャスト装置1320へ通話要求が行われると、キャスト装置1320は、呼び出し通知を行う。この場合、キャストが電話に出れば通話が成立し、キャストが電話にでなければキャストが不在であるようにユーザに見える。この待機中秘匿モードにより、例えば通話したくないユーザから通話がかかってきてもキャストが電話に出ないといった選択を行うことができ、かつ、ユーザから見てキャストが電話に出なくても不自然ではない状態を提供できる。すなわち、待機中であることが明示されているにもかかわらずキャストが通話に出ない場合にはユーザの不満につながるが、待機中秘匿モードのおかげで、電話に出なくてもユーザの不満につながらないようにすることができる。
キャスト装置1320のプロセッサ部1321は、ユーザからの通話要求を受信すると、応答処理部1423によって音声または/及び振動にて着信通知を行い、キャストが通話ボタンを押下することによって通話処理部1424が起動される。
キャスト装置1320のプロセッサ部1321は、通話処理部1424により、ユーザとの通話(例えば、ビデオ通話)を実行する。通話処理部1424は、この通話において、ユーザからキャストへのポイントの供与(投げ銭)を受け付けることができ、受け付けたポイントの量をキャスト装置1320とユーザ装置1330との両方に表示する。また、通話処理部1424は、通話時間の管理および測定も実行する。
通話が終了すると、キャスト装置1320のプロセッサ部1321は、通話処理部1425により、通話時間に基づくユーザへの請求およびキャストおよび店舗への報酬支払、および、ユーザからキャストへ付与されたポイントに基づくキャストおよび店舗へのポイント支払(報酬支払)を完了させる。なお、この通話の報酬や獲得したポイントは、一旦店舗へ支払われ、店舗毎の所定のルールに基づいて、この通話の報酬や獲得したポイントの一部もしくは全部が、金銭的価値のあるもの(例えば、ポイント、現金)を用いて店舗からキャストへ支払われてもよい。
ユーザ装置1330のプロセッサ部1331は、ユーザ装置用プログラム1335aを起動し、ユーザIDおよびパスワードをユーザに入力させることによって、ユーザ認証部1431によってユーザ認証を実行する。
ユーザ装置1330のプロセッサ部1331は、トップページ部1432により、トップページを表示する。このトップページには、サーバ装置1340のおすすめ処理部1444によって決定されたおすすめのキャストも表示され得る。
ユーザ装置1330のプロセッサ部1331は、キャストを検索するためのボタンがトップページ上で選択されると、検索部1433により、検索条件の入力を受け付け、キャストの検索を実行する。
ユーザ装置1330のプロセッサ部1331は、一覧表示部1434により検索結果を表示(例えば、一覧表示)する。
表示された検索結果から一人のキャストが選択されると、ユーザ装置1330のプロセッサ部1331は、詳細表示部1435により、そのキャストの詳細情報を表示する。
例えば図12Cに示されるコールボタン1227が押下されると、ユーザ装置1330のプロセッサ部1331は、コール処理部1436により、選択されたキャストと通話するための処理(例えば、選択されたキャストによって操作されるキャスト装置に通話要求を送信する処理)を実行する。
キャストが通話要求に応答すると、ユーザ装置1330のプロセッサ部1331は、通話処理部1437によりキャストとの通話(例えば、ビデオ通話)を実行する。この通話の間、ユーザは、ポイントをキャストに供与することができる。
通話が終了すると、ユーザ装置1330のプロセッサ部1331は、通話処理部1438により、供与したポイントと通話時間とに基づく清算処理を行う。
なお、図12A〜図14を参照して説明された実施形態では、キャスト(サービス提供者)とユーザとが通話を行う例を説明したが、本発明は、これに限定されない。キャストおよびユーザは、任意の形式で通信し、連絡を取るようにしてもよい。例えば、キャストおよびユーザは、リアルタイムな映像と音声とを組み合わせたテレビ電話形式で通信してもよいし、音声のみの電話形式で通信してもよいし、チャット形式で通信してもよい。
また、図12A〜図14を参照して説明された実施形態では、キャストの一例として、キャバ嬢が挙げられたが、本発明はこれに限定されない。キャストは、例えば、ディズニーランドにおけるキャラクターであってもよいし、コンサートにおけるミュージシャンであってもよい。
3.3 サーバ装置の処理
図15は、サーバ装置1340において実行される処理のフローの一例を示す。なお、図15に示される各ステップは、サーバ装置1340のプロセッサ部1341によって実行される。以下、図15に示される各ステップを説明する。
ステップS1501:ユーザAによって入力された検索条件が受信される。ユーザAによって入力された検索条件は、サービス提供者を特定するためのものであり、例えば、ユーザAによって操作されるユーザ装置から受信される。ユーザAによって入力された検索条件の一例は、図12Aに示される画面1210上に入力される検索条件である。
ステップS1502:ステップS1501において受信された検索条件を満たす少なくとも1人のサービス提供者が特定される。この処理は、例えば、キャスト管理部1442によって管理されているサービス提供者に関する情報(例えば、名前、同伴可否、趣味、血液型)に基づいて実行される。
ステップS1503:ステップS1502において特定された少なくとも1人のサービス提供者のうちの1人以上のサービス提供者が検索結果としてユーザAに提示される。この処理は、例えば、ユーザAによって操作されるユーザ装置に検索結果を送信して表示させることによって達成される。
これにより、ユーザAは、ユーザ装置上で、提示された1人以上のサービス提供者の中から、通信(例えば、通話、チャット)したい1人のサービス提供者を選択することが可能である。1人のサービス提供者が選択されると、選択されたサービス提供者の詳細な情報がユーザ装置上に表示され得、これは、図12Bに示される画面1220に対応する。例えば、図12Bの画面1220上のコールボタン1227が選択されると、ユーザAは、選択されたサービス提供者に通信要求を送信し、提示された1人以上のサービス提供者の中から選択された1人のサービス提供者を示す入力が、ユーザ装置からサーバ装置1340に送信される。図15に示される実施形態では、便宜上、提示された1人以上のサービス提供者の中からサービス提供者Bが選択されたものとする。
ステップS1504:提示された1人以上のサービス提供者の中から選択された1人のサービス提供者Bを示す入力が受信される。すなわち、ユーザAからサービス提供者Bへの通信要求が受信される。
ステップS1505:選択されたサービス提供者Bは、ユーザからの通信要求に対して応答可能なように設定されているか否かが判定される。この処理は、例えば、キャスト管理部1442によって管理されているサービス提供者に関する情報(例えば、通話可否状態)に基づいて実行される。この判定結果が「Yes」である場合には、処理はステップS1506に進み、判定結果が「No」である場合には、処理はステップS1507に進む。
ステップS1506:選択されたサービス提供者BとユーザAとの間の通信を許可する処理が実行される。これにより、ユーザAは、サービス提供者Bと通信(例えば、通話、チャット)することが可能である。
ステップS1507:提示された1人以上のサービス提供者の中からサービス提供者をユーザAに再度選択させるために、サービス提供者の選択を要求する処理が実行される。サービス提供者の選択の要求は、ユーザAによって操作されるユーザ装置に送信され得る。
ステップS1508:ユーザAが、サービス提供者Bにポイントを供与するためのアクションをとったか否かが判定される。サービス提供者Bにポイントを供与するためのアクションの一例は、図12Cに示される画面1230上のポイント供与ボタン1238をユーザAが選択することである。この場合、ポイント供与ボタン1238が選択されることにより、サービス提供者Bにポイントを供与するためのアクションをユーザAがとったと判定される。この判定結果が「Yes」である場合には、処理はステップS1509に進み、判定結果が「No」である場合には、処理はステップS1510に進む。
ステップS1509:ユーザAが保有するポイントをサービス提供者Bに供与するための処理が実行される。この処理は、例えば、ユーザ管理部1443によって管理されているユーザに関する情報(例えば、保有しているポイント)、および、キャスト管理部1442によって管理されているサービス提供者に関する情報(例えば、保有しているポイント)に基づいて実行される。この処理は、例えば、ユーザAが保有するポイントを低減する処理と、サービス提供者Bが保有するポイントを増加させる処理とを含む。ここで、ユーザAが保有するポイントは、ユーザAが所定のエリア内に滞在することによって滞在時間に応じて付与されたポイントであってもよいし、商品サービスの購入および/またはレンタルに応じて付与されたポイント(例えば、Tポイント、dポイント、楽天ポイント)であってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。
なお、ステップS1509においてサービス提供者Bに供与されたポイントは、サービス提供者Bを管理する事業者に自動的に供与されてもよい。この場合、例えば、事業者は、サービス提供者Bを含む全てのサービス提供者からのポイントを集計し、所定のルールに従って、集計されたポイントの一部または全部をサービス提供者Bに分配するようにしてもよい。
ステップS1510:サービス提供者BとユーザAとの間の通話が終了したか否かが判定される。この処理は、例えば、図12Cに示される画面1230上の通話終了ボタン1236が選択された否かが判定され、通話終了ボタン1236が選択された場合に、サービス提供者BとユーザAとの間の通話が終了したと判定され得る。この判定結果が「Yes」である場合には、処理はステップS1511に進み、判定結果が「No」である場合には、処理はステップS1508に戻る。
ステップS1511:サービス提供者BとユーザAとの間の通話時間が計算される。この処理は、例えば、サービス提供者BとユーザAとの間の通話の開始時間および終了時間に基づいて実行される。
ステップS1512:サービス提供者BとユーザAとの間の通話時間に少なくとも基づいて、サービス提供者Bに付与すべきポイントが計算される。この処理は、例えば、通話時間とポイントとの対応関係を示す情報(例えば、1分ごとに1ポイント、5分ごとに1ポイント、10分ごとに3ポイント)に基づいて実行される。
サービス提供者Bに付与すべきポイントは、サービス提供者BとユーザAとの間の通話時間と、サービス提供者Bのランク(例えば、ランクによって決定されるポイント付与の重み付けの大きさ)とに基づいて、計算されてもよい。
ステップS1513:ステップS1512において計算されたサービス提供者Bに付与すべきポイントを、サービス提供者Bに付与するための処理が実行される。この処理は、例えば、キャスト管理部1442によって管理されているサービス提供者に関する情報(例えば、保有しているポイント)に基づいて実行される。この処理は、例えば、
サービス提供者Bが保有するポイントを増加させる処理を含む。
なお、図15に示される実施形態では、ステップS1508においてユーザAがポイント供与のアクションをとったことに応答してステップS1509においてポイント供与のための処理が実行される例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ステップS1508においてユーザAがポイント供与のアクションをとったことに応答して、この通信中にユーザAがサービス提供者Bに供与するポイントの数を蓄積し、サービス提供者BとユーザAとの間の通話が終了した後に、ユーザAがサービス提供者Bに供与すべき蓄積されたポイントをユーザAからサービス提供者Bに供与するための処理が実行されてもよい。
なお、図5、図6、図7、図11、図15に示される実施形態では、プロセッサ部がメモリ部に格納されたプログラムを実行することによって、図5、図6、図7、図11、図15に示される各ステップの処理が実現される例を説明したが、本発明はこれに限定されない。図5、図6、図7、図11、図15に示される各ステップのうちの少なくとも一部の処理が制御回路などのハードウェア構成によって実現されてもよい。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。