JP6893537B2 - 風騒音低減構造および風騒音低減部材 - Google Patents

風騒音低減構造および風騒音低減部材 Download PDF

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Description

本発明は、風を受けて振動する部材の風騒音低減構造および風騒音低減部材に関する。
建築物の外装付属部材(例えば、手すり格子やルーバー部材等)から発生する風騒音が問題になる場合がある。風騒音対策として、部材の仕様変更や、対策範囲の検討が行われる場合があるが、コストが高くなることや、外観の変化が問題になる。また、竣工後に風騒音が顕在化した場合に、外観に影響を及ぼすことのなく対策工事を講じるのは困難な場合が多い。そのため、簡易に設置することができ、なおかつ外観に大きな影響を及ぼすことなく外装付属部材の風騒音を防止あるいは低減することができる技術が求められていた。
このような風騒音低減装置として、例えば、特許文献1には、手摺子の上端と上側の桟との角部に設けられた剛体と、この剛体を上側の桟の下面と手摺子の側面に接着するシート状の弾性体とを備えたものが開示されている。この風騒音低減装置は、弾性体が振動を吸収することで、風騒音を抑制する。
また、特許文献2には、外面が曲面に形成されていて、手摺子の外側端面に取り付けることで、手摺子同士の間において発生する風騒音を抑制することができるカバー部材(風騒音低減装置)が開示されている。
特開2011−190644号公報 特開2016−079792号公報
特許文献1の風騒音低減装置は、並設された複数の部材(手摺子等)に対して、個々に取り付ける必要があるため、設置作業に手間がかかる。また、当該風騒音低減装置は、外装付属部材に対して接着されているため、劣化により脱落するおそれがある。
また、特許文献2のカバー部材も複数の部材に対して個々に取り付ける必要があるため設置作業に手間がかかる。また、当該カバー部材は、手摺子に対して外側から取り付けるため、外観に大きな影響を及ぼすおそれがあるとともに、設置作業に手間がかかる。
このような観点から、本発明は、簡易に設置することができ、かつ、外観への影響を最小限に抑え、なおかつ、効果的に風騒音を低減することができる風騒音低減構造および風騒音低減部材を提案することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、両端部において支持された棒状部材の風による振動を低減するための風騒音低減構造であって、間隔をあけて並設された複数の前記棒状部材の間に粘弾性体が密着した状態で架設されている。また、本発明の風騒音低減部材は、両端部において支持された棒状部材の風による振動を低減するためのものであって、間隔をあけて並設された複数の前記棒状部材の間に密着した状態で架設される粘弾性体を備えている。かかる風騒音低減構造および風騒音低減部材によれば、粘弾性体が棒状部材の振動を吸収するので、風により外装付属部材から生じる振動音を防止または低減することができる。また、棒状部材に対する取り付け位置を前記棒状部材の下端部等の視界に入らない位置に設定すれば、外観に大きな影響を及ぼし難くなる。また、風騒音低減部材は、単一の粘弾性体を複数の棒状部材に取り付けるものであるため、棒状部材に対して個々に取り付ける場合に比べて、設置作業を大幅に低減することができる。
なお、前記粘弾性体が、断面矩形状または断面台形状であり、隣接する前記棒状部材に挟持されていれば、簡易な構成により棒状部材の振動の低減化を図ることができる。このとき、前記棒状部材が、前記粘弾性体の復元力によって圧力を受けていれば、棒状部材の振動の抑制効果がさらに向上する。
また、前記粘弾性体に、複数の前記棒状部材の間隔に応じて切り込みを形成しておき、前記切り込みに前記棒状部材を挿入すれば、棒状部材の振動の抑制効果とともに、粘弾性体の落下防止効果も得られる。また、前記切り込みの少なくとも一部の幅を前記棒状部材の幅よりも小さくしておき、粘弾性体の弾性力によって前記棒状部材に固定すれば、固定用の治具や粘着剤等を削減あるいは省略できる。風騒音低減構造は、前記棒状部材から脱落を防止するための係止部を備えているのが望ましい。
本発明の風騒音低減構造および風騒音低減部材によれば、簡易に設置することができ、かつ、景観への干渉を最小限に抑え、なおかつ、効果的に風騒音を低減することができる。
第一実施形態に係る風騒音低減構造を示す斜視図である。 外装付属部材に取り付ける前の風騒音低減構造を示す斜視図である。 風騒音低減構造の係止部の一例を示す平面図である。 風騒音低減構造の係止部の他の形態を示す斜視図である。 風騒音低減構造による騒音低減効果の検証結果を示すグラフであって、(a)は風騒音低減構造を装着しない場合、(b)は風騒音低減構造を装着した場合である。 第二実施形態に係る風騒音低減構造を示す斜視図である。 外装付属部材に取り付ける前の風騒音低減構造を示す斜視図である。 (a)は粘弾性体の他の形態を示す平断面図、(b)は粘弾性体のその他の形態を示す平断面図である。 風騒音低減構造による騒音低減効果の検証結果を示すグラフであって、(a)は風騒音低減構造を装着しない場合、(b)は風騒音低減構造を装着した場合である。 第三実施形態に係る風騒音低減構造であって、(a)は表面側から望む斜視図、(b)は裏面側から望む斜視図である。 粘弾性体の取付状況を示す断面図であって、(a)は取付前、(b)は取付後である。 他の形態に係る粘弾性体の取付状況を示す断面図である。
<第一実施形態>
第一実施形態では、図1に示すように、複数の縦材(手摺子)6,6,…が所定の間隔をあけて並設された外装付属部材(手摺5)から発生する風騒音を低減するための風騒音低減構造1について説明する。外装付属部材は、建物の外周に面して設けられている。建物に風が作用すると、風力によって縦材6が振動して、空力振動音が発生する。本実施形態では、縦材6に風騒音低減部材9(粘弾性体2)を密着させることで、縦材6の振動を防止または低減する。
本実施形態の外装付属部材は、上下に間隔をあけて配設された一対の横材7,7と、上端および下端が上下の横材7,7に固定された複数の縦材6,6,…と、横材7,7を支持する支柱(図示せず)とを備えた手摺5である。なお、手摺5の構成は限定されるものではない。例えば、横材7は壁に固定されていてもよいし、下側の横材7はスラブに載置されていてもよい。また、外装付属部材は、必ずしも手摺5である必要はなく、例えば、ルーバーであってもよい。
横材7は、所定の間隔をあけて配設された支柱に横架されている。横材7は、例えば、アルミニウム合金等の金属部材や、木材などにより形成された棒状(板状)部材である。本実施形態の横材7は、断面矩形状である。なお、横材7の形状は限定されるものではなく、例えば、断面円形、C字状またはコ字状であってもよい。また、横材7を構成する材料も限定されるものではない。
縦材6は、断面矩形状の棒状部材であって、横材7によって、上端および下端が支持されている。縦材6の側面は、横材7の長手方向と直交している。なお、縦材6の向きは限定されるものではなく、横材7の長手方向に対して傾斜していてもよい。また、縦材6は、必ずしも上端または下端が横材7に固定されている必要はなく、上端または下端から間隔をあけた位置(上端部または下端部)において、横材7,7に固定されていてもよい。また、縦材6は、必ずしも横材7によって支持されている必要はなく、例えば、床スラブ、天井スラブ、壁材等に端部が固定されていてもよい。
風騒音低減構造1は、手摺5に対して、複数の縦材6,6,…に密着した状態で風騒音低減部材9を横架(架設)することにより形成される。本実施形態では、風騒音低減部材9を下側の横材7の上面に載置して、縦材6,6,…の下端部に密着させている。なお、風騒音低減部材9の設置個所は限定されるものではなく、例えば、縦材6,6,…の上端部に配設してもよいし、中間部に配設してもよい。
風騒音低減部材9は、図2に示すように、板状(シート状)の粘弾性体2からなる。本実施形態の粘弾性体2は、ポリウレタン系材料により構成されている。なお、粘弾性体2を構成する材料は、耐候性を有した弾性体であれば限定されるものではない。例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリニトリル系樹脂、ポリメタクリレート系樹脂、ポリビニル系樹脂、セルロース系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、イミド系樹脂ポリアセタール、スチレンブタジェンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、ブタジェンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレンターポリマー(EPT)、ブチルゴム(IIR)イソプレンゴム(IR)等、又はこれらのうちの少なくとも2つを組み合わせた材料により粘弾性体2を形成してもよい。また、粘弾性体2は、−30℃〜100℃の範囲内、より好ましくは0℃〜30℃の範囲内において、損失正接(tanδ)のピークを迎える材質であるのが望ましい。
本実施形態の粘弾性体2は、縦材6の室外側端面から横材7の室内側端面までの距離と同等の幅(室内外方向の長さ)を有している。また、粘弾性体2の厚さは25mmとする。粘弾性体2の幅は、横材7から脱落することがない寸法になるように、手摺5の寸法に応じて適宜決定すればよい。また、粘弾性体2の厚さは、25mmに限定されるものではなく、粘弾性体2を構成する材料や動的弾性率等に応じて適宜決定すればよく、好ましくは10mm〜50mmの範囲内とする。
粘弾性体2には、複数の縦材6,6,…の間隔に応じて複数の切り込み3,3,…が形成されている。切り込み3は、粘弾性体2の室外側端面から切欠いた矩形状の溝である。各切り込み3の幅は、縦材6の幅よりもわずかに小さい。すなわち、粘弾性体2の隣り合う縦材6,6の間に挿入される部分(凸部4)の幅は、縦材6同士の間隔よりも大きい。そのため、切り込み3に挿入された縦材6は、隣り合う凸部4,4(粘弾性体2)に挟持されている。また、切り込み3の深さ(室内外方向の長さ)は、縦材6の幅(室内外方向の長さ)と同等とする。そのため、粘弾性体2は、切り込み3に縦材6を挿入することで、縦材6の両側面および室内側端面に密着する。なお、切り込み3の幅は、縦材6の側面に密着することが可能であれば、必ずしも縦材6の幅よりも小さい必要はない。また、切り込み3の深さは限定されるものではなく、縦材6の幅よりも小さくてもよい。また、切り込み3の形状は、縦材6を挿入することが可能であれば矩形状に限定されるものではない。また、本実施形態では、粘弾性体2に形成された複数の切り込み3,3,…が同形状とするが、必ずしも全ての切り込み3が同形状である必要はない。例えば、一部の切り込み3の幅は縦材6の幅よりも小さくし、その他の切り込み3の幅は縦材6の幅と同一にしてもよい。
粘弾性体2は、室内側から縦材6同士の間に凸部4を差し込む(嵌め込む)ことにより、手摺5に設置する。このとき、各縦材6,6,…が切り込み3,3,…に挿入される。粘弾性体2は、下側の横材7の上面に載置することで、縦材6の下端部に密着させる。複数の縦材6は、連続した単一の粘弾性体2によって挟持される。粘弾性体2を手摺5に設置すると、縦材6の三面(室内側面および左右の側面)に粘弾性体2が密着する。なお、粘弾性体2は、少なくとも縦材6の一面に密着していればよく、必ずしも縦材6の三面に密着させる必要はない。例えば、切り込み3の底面と縦材6の室内側の面との間に隙間を有した状態で、凸部4,4により縦材6を挟持することで、縦材6の二面に密着させてもよい。
粘弾性体2(風騒音低減部材9)には、手摺5から脱落を防止するための係止部8が形成されているのが望ましい(図3,4参照)。係止部8としては、例えば、図3に示すようなコ字状の切り込み3の端部(開口部)に形成された突起であってもよい。この係止部8が形成された粘弾性体2の切り込み3に縦材6を挿入し、切り込み3の底部に縦材6の室内側面を密着させると、係止部8,8が縦材6の外側面に係止される。そのため、粘弾性体2が、手摺5から脱落し難くなる。なお、係止部8は、必ずしも全ての切り込み3に形成する必要はない。係止部8を構成する突起は、縦材6を切り込み3に挿入しやすくなるように、室外側の角部が面取りされているか、室外側の面が切り込み3の中央に向かうに従って室内側に近づくように傾斜しているのが望ましい。
また、係止部8は、粘弾性体2に取り付けられた治具であってもよい。このような係止部8としては、例えば、図4に示すように、切り込み3の開口部に横架されたかんぬき状の治具であってもよい。係止部8は、本体部8aと、本体部8aを回動可能に支持する支持部8bと、本体部8aが係止される受部8cとを備えている。本体部8aは、受部8cが挿入される凹溝8dが形成された板材である。本体部8aを構成する材料は限定されるものではなく、例えば、プラスチック樹脂、金属、木材等であってもよい。本体部8aは、支持部8bを中心に回動可能に軸支されている。支持部8bは、粘弾性体2の室外側端面において、切り込み3の一方の側方(図4において左側)に固定されている。受部8cは、切り込み3の粘弾性体2の室外側端面において、切り込み3の他方の側方(図4において右側)に固定されている。係止部8は、切り込み3に縦材6を挿入した後、本体部8aを回動させて、凹溝8dを受部8cに係止させることで、切り込み3の開口を閉鎖する。そのため、粘弾性体2が、手摺5から脱落し難くなる。図4では、係止部8を複数の切り込み3,3,…に対して1つおきに設けたが、係止部8の設置個所および数は限定されるものではない。
本実施形態の風騒音低減構造1によれば、粘弾性体2(風騒音低減部材9)が縦材6の振動を吸収するので、風により外装付属部材から生じる振動音を防止または低減することができる。粘弾性体2は、縦材6の三面(室内側面および左右の側面)に密着しているため、縦材6の振動を効果的に吸収する。また、縦材6同士の間に粘弾性体2が充填されるため、縦材6の振動を抑制する効果が高い。粘弾性体2の凸部4を縦材6同士の間に嵌め込むと、凸部4が圧縮されるとともに摩擦力により粘弾性体2が固定される。そして、粘弾性体2の減衰付加および剛性付加によって、縦材6の空力振動が低減される。
風騒音低減構造1は、単一の粘弾性体2(風騒音低減部材9)を複数の縦材6,6,…に取り付けるものであるため、縦材6に対して個々に振動を吸収するための部材を取り付ける場合に比べて、設置作業を大幅に低減することができる。また、粘弾性体2は、室内側から手摺5に取り付けるため、室外側から取り付ける場合に比べて取付作業が安全かつ容易である。そのため、専門家による工事を要することなく、使用者(居住者)が簡易に取り付けることができる。
また、原仕様の部材構成に干渉しないため、対策部位に対してあと施工により設置することができる。そのため、竣工後に風騒音の問題が発覚した場合であっても、容易に対応することができる。
粘弾性体2は、複数の部材を有した装置ではなく、溝(切り込み3)が形成された板材(シート)という簡易な構成なため、製造コストが安い。
粘弾性体2は、複数の縦材6,6,…に密着した状態(縦材6を挟持した状態)で設けられているため、落下し難い。また、粘弾性体2は、手摺5の室内側に設けられているため、手摺5から粘弾性体2が抜け出したとしても、建物外に落下する危険性が少ない。また、粘弾性体2が係止部8を備えていれば、粘弾性体2が落下し難く、安全性がさらに向上する。また、粘弾性体2を縦材6の下端部に取り付ければ、視界を遮ることがなく、外観に大きな影響も生じ難い。
次に、第一実施形態の風騒音低減構造1(風騒音低減部材9)の効果を確認するために実施した風洞実験の結果を示す。風洞実験では、上下端において支持された複数の縦材6,6,…を有する外装付属部材(手摺5)に対して(図1参照)、正面(風向角0°)から風速10m/sの風を作用させた場合における音圧レベルを測定した。実験は、粘弾性体2を設置していない手摺5(図5(a))と、粘弾性体2を設置した手摺5(図5(b))について、それぞれ測定を行った。なお、図5において、符号Lは手摺5が設置されていない場合の音圧レベル、符号Lは手摺5のみが設置されている場合の音圧レベル、符号Lは手摺5に粘弾性体2が設置されている場合の音圧レベルをそれぞれ示している。
図5(a)に示すように、粘弾性体2が設置されていない場合は、周波数が120Hz〜10000Hzにおいて、音圧レベルLのピークが多数出現し、振動による風騒音が大きいことが確認できた。一方、粘弾性体2を設置すると、図5(b)に示すように、120Hz〜10000Hzにおける音圧レベルLのピークが大幅に低減された。したがって、本実施形態の風騒音低減構造1による騒音低減効果が確認できた。
<第二実施形態>
第二実施形態では、複数の縦材(手摺子)6,6,…が所定の間隔をあけて並設された外装付属部材(手摺5)から発生する風騒音を低減することを目的として、縦材6に粘弾性体2を密着させる風騒音低減構造1について説明する(図6参照)。なお、外装付属部材の詳細は、第一実施形態の外装付属部材と同様なため、詳細な説明は省略する。
風騒音低減構造1は、図6に示すように、手摺5に対して、縦材6,6に密着した状態で粘弾性体2を架設する(差し込む)ことにより形成されている。本実施形態では、粘弾性体2を下側の横材7の上面に載置した状態で、隣り合う一対の縦材6,6の下端部に密着させている。なお、粘弾性体2の設置個所は限定されるものではなく、例えば、縦材6,6の上端部に配設してもよいし、中間部に配設してもよい。
粘弾性体2は、図7に示すように、ブロック状(直方体状)のポリウレタン系材料により構成されている。なお、粘弾性体2を構成する材料は、耐候性を有した弾性体であれば限定されるものではない。粘弾性体2は、室内側から縦材6同士の間に差し込む(嵌め込む)ことにより、手摺5に設置する。すなわち、粘弾性体2は、左右の縦材6に挟まれている(挟持されている)。粘弾性体2は、下側の横材7の上面に載置した状態で、縦材6の下端部に密着させる。
本実施形態では、図6に示すように、粘弾性体2を手摺5の縦材6,6,…同士の複数の隙間に対して1つおきに配設する。なお、粘弾性体2の配設ピッチは限定されるものではなく、例えば、全ての隙間に配設してもよいし、2つおきに配設してもよい。
本実施形態の粘弾性体2は、縦材6の室外側端面から横材7の室内側端面までの距離と同等の幅(室内外方向の長さ)を有している。なお、粘弾性体2の幅は、手摺5の寸法に応じて適宜決定すればよく、例えば、横材7の幅よりも小さくてもよいし、横材7の幅よりも大きくてもよい。
また、粘弾性体2は、隣り合う縦材6同士の間隔以上の長さ(横材の長手方向の大きさ)を有している。そのため、粘弾性体2が挿入された一対の縦材6,6は、粘弾性体の復元力によって粘弾性体2から圧力を受けている。すなわち、縦材6の一面に粘弾性体2が密着している。
また、粘弾性体2の厚さは25mmとする。なお、粘弾性体2の厚さは、25mmに限定されるものではなく、粘弾性体2を構成する材料や動的弾性率等に応じて適宜決定すればよいが、好ましくは10mm〜50mmの範囲内とする。
粘弾性体2は、平面視矩形状に限定されるものではなく、手摺5から脱落し難い形状を有していてもよい。例えば、図8(a)に示すように、粘弾性体2の室内側端部(基端部)に、側方(左右)に張り出す係止部(突起)8が形成されていてもよい。この係止部8が形成された粘弾性体2を縦材6同士の間に挿入すると、係止部8,8が縦材6の内側面に係止される。そのため、粘弾性体2が室外側へ脱落し難くなる。
また、粘弾性体2は、図8(b)に示すように、先端(室外側)から基端(室内側)に向かうに従って左右の長さが大きくなる、平面視台形状であってもよい。平面視台形状の粘弾性体2を縦材6同士の間に挿入すると、基端側が縦材6に密着して、室外側へ脱落し難くなる。また、粘弾性体2が平面視台形状であれば、粘弾性体2の先端部以上、後端部以下の範囲内において、縦材6同士の間隔の大きさに限定されることなく採用することが可能となる。
本実施形態の風騒音低減構造1によれば、粘弾性体2が縦材6の振動を吸収するので、風により外装付属部材から生じる振動音を防止または低減することができる。粘弾性体2は、縦材6に密着しているため、縦材6の振動を効果的に吸収する。また、縦材6同士の間に粘弾性体2が充填されるため、縦材6の振動を抑制する効果が高い。粘弾性体2を縦材6同士の間に嵌め込むと、粘弾性体2が圧縮されるとともに摩擦力と復元力により粘弾性体2が固定される。そして、粘弾性体2の減衰付加および剛性付加によって、縦材6の空力振動が低減される。また、粘弾性体2は、複数の縦材6,6,…に密着した状態(縦材6に圧力を付与した状態)で設けられているため、落下し難い。
風騒音低減構造1は、ブロック状の粘弾性体2を縦材6同士の間に差し込むだけの簡易な構成なため、縦材6に対して個々に振動を吸収するための部材を取り付ける場合に比べて、設置作業を大幅に低減することができる。風騒音低減構造1は、特殊な工具・工事等を必要としないため、誰でも容易に形成することができる。また、対策部位に対してあと施工により設置することもできるため、竣工後に風騒音の問題が発覚した場合であっても、容易に対応することができる。
また、粘弾性体2は、小寸法で手摺5に対して形状が小さく、外観意匠に干渉し難い。また、粘弾性体2は、単一素材で簡易に加工できるとともに、小寸法でシンプルな形状を有しているため、製造コストが低い。また、多様な外装部材に対して汎用性が高い。
次に、第二実施形態の風騒音低減構造1の効果を確認するために実施した風洞実験の結果を示す。風洞実験では、上下端において支持された複数の縦材6,6,…を有する外装付属部材(手摺5)に対して(図6参照)、正面(風向角0°)から風速10m/sの風を作用させた場合における音圧レベルを測定した。実験は、粘弾性体2を設置していない手摺5(図9(a))と、粘弾性体2を設置した手摺5(図9(b))について、それぞれ測定を行った。なお、図9において、符号Lは手摺5が設置されていない場合の音圧レベル、符号Lは手摺5のみが設置されている場合の音圧レベル、符号Lは手摺5に粘弾性体2が設置されている場合の音圧レベルをそれぞれ示している。
図9(a)に示すように、粘弾性体2が設置されていない場合は、周波数が120Hz〜10000Hzにおいて、音圧レベルLのピークが多数出現し、振動による風騒音が大きいことが確認できた。一方、粘弾性体2を設置すると、図9(b)に示すように、120Hz〜10000Hzにおける音圧レベルLのピークが、粘弾性体2が設置されていない音圧レベルLに比べて、大幅に低減された。したがって、第二実施形態の風騒音低減構造1による騒音低減効果が確認できた。
<第三実施形態>
第三実施形態では、図10(a)および(b)に示すように、複数の横材(ルーバー)7,7,…が所定の間隔をあけて並設された外装付属部材から発生する風騒音を低減するための風騒音低減構造1について説明する。外装付属部材は、建物の外周に面して設けられている。建物に風が作用すると、風力によって横材7が振動して、空力振動音が発生する。本実施形態では、横材7に粘弾性体2を密着させることで、横材7の振動を防止または低減する。
本実施形態の外装付属部材は、左右に間隔をあけて立設された縦材(支柱)6,6と、左右の両端部において縦材6,6に固定された複数の横材7,7,…とを備えている。
縦材6は、例えば、アルミニウム合金等の金属部材や、木材などにより形成された棒状部材である。本実施形態の縦材6は、断面矩形状である。なお、縦材6の形状は限定されるものではなく、例えば、断面円形、C字状またはコ字状であってもよい。また、縦材6を構成する材料も限定されるものではない。
横材7は、図10および図11に示すように、裏面側(室内側)が開口した断面視C字状の中空の棒状部材であって、治具(図示せず)を介して縦材6に固定されている。縦材6の長手方向と横材7の長手方向は直交している。また、横材7の表面は、縦材6の軸方向(鉛直)に対して傾斜している。なお、横材7の表面の角度は限定されるものではなく、例えば鉛直であってもよいし、水平であってもよい。また、横材7の形状は限定されるものではなく、例えば、図12に示すように、断面視コ字状であってもよい。
風騒音低減構造1は、図10(b)および図11(b)に示すように、各横材7の内部の一部に粘弾性体2を充填することにより形成されている。すなわち、横材7の内面には、粘弾性体2が密着している。粘弾性体2は、図11(a)に示すように、ポリウレタン系材料からなり、断面積が横材7の内空面積と同等以上の大きさの断面視矩形状のブロック状部材または板状部材からなる。粘弾性体2は、図11(b)に示すように、横材7の裏面の開口部から圧入することにより、粘弾性体2の復元力と横材7の内面との摩擦力によって、横材7の内部に固定される。図10(b)に示すように、本実施形態では、横材7の両端部において、縦材6の近傍に粘弾性体2が設置されている。なお、粘弾性体2の設置個所は限定されるものではなく、例えば、左右の縦材6,6の中間部に設置してもよいし、縦材6の外側に設置してもよい。また、粘弾性体2を構成する材料は、耐候性を有した弾性体であれば限定されるものではない。さらに、粘弾性体2は断面矩形状に限定されるものではなく、小判型断面であってもよく、横材7の断面形状に応じて適宜設定すればよい。
本実施形態の風騒音低減構造1によれば、粘弾性体2が横材7の振動を吸収するので、風により外装付属部材から生じる振動音を防止または低減することができる。粘弾性体2は、横材7の内面に密着しているため、横材7の振動を効果的に吸収する。そして、粘弾性体2の減衰付加および剛性付加によって、横材7の空力振動が低減される。また、粘弾性体2は、横材7の内部に密着した状態(横材7に圧力を付与した状態)で挿入されているため、粘弾性体2の復元力と横材7の内面との摩擦力によって落下し難い。また、粘弾性体2は、シンプルな形状であるため、製造コストが低く、かつ多様な外装部材に対し汎用性が高い。
また、粘弾性体2は、室内側(裏面側)からルーバー(横材7)に取り付けるため、室外側から取り付ける場合に比べて取付作業が安全かつ容易である。また、風騒音低減構造1は、ブロック状の粘弾性体2を横材7の内部に差し込むだけの簡易な構成なため、設置作業を大幅に低減することができる。そのため、風騒音低減構造1は、特殊な工具・工事等を必要としないため、誰でも容易に形成することができる。また、対策部位に対してあと施工により設置することもできるため、竣工後に風騒音の問題が発覚した場合であっても、容易に対応することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前述の実施形態に限られず、各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、縦材6の下端部に粘弾性体2を設置するものとしたが、粘弾性体2の設置個所は限定されるものではなく、縦材6の上端部や縦材6の上下方向中間部であってもよい。
また、前記実施形態では、風騒音低減構造1によって縦向きの棒状部材の振動を抑制する場合について説明したが、棒状部材は横向きに配設されていてもよい。例えば、鎧戸やガラリのように、壁面や塔屋に取り付けられるルーバーに対しても、同様の効果を発揮することができる。
また、粘弾性体2は、粘着剤等を介して、縦材6または横材7に接着してもよいし、ビス等の治具を利用して縦材6または横材7に固定してもよい。
また、手摺5(外装付属部材)に対して、複数枚に粘弾性体2を設置してもよい。このとき、粘弾性体2は、下端部と上端部にそれぞれ設置してもよいし、縦材6の下端部または上端部において重ねてもよい。
1 風騒音低減構造
2 粘弾性体
3 切り込み
4 凸部
5 手摺(外装付属部材)
6 縦材(棒状部材)
7 横材
8 係止部
9 風騒音低減部材

Claims (5)

  1. 両端部において支持された棒状部材の風による振動を低減するための風騒音低減構造であって、
    間隔をあけて並設された複数の前記棒状部材の間に粘弾性体が密着した状態で架設されていることを特徴とする、風騒音低減構造。
  2. 前記粘弾性体が、断面矩形状または断面台形状であり、隣接する前記棒状部材に挟持されていることを特徴とする、請求項1に記載の風騒音低減構造。
  3. 前記粘弾性体は、前記棒状部材の下端部に配設されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の風騒音低減構造。
  4. 前記粘弾性体には、複数の前記棒状部材の間隔に応じて切り込みが形成されており、
    前記切り込みに挿入された前記棒状部材が、前記粘弾性体に挟持されていることを特徴とする、請求項1に記載の風騒音低減構造。
  5. 両端部において支持された棒状部材の風による振動を低減するための風騒音低減部材であって、
    間隔をあけて並設された複数の前記棒状部材の間に密着した状態で架設される粘弾性体を備えることを特徴とする、風騒音低減部材。
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