JP6890649B2 - トリアルキルガリウム化合物の調製及びその使用 - Google Patents

トリアルキルガリウム化合物の調製及びその使用 Download PDF

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Description

本発明は、トリアルキルガリウム化合物を調製するためのプロセスに関する。本プロセスには、アルキルガリウムジクロリド、又はジアルキルガリウムクロリド/アルキルガリウムジクロリド混合物の調製が含まれ、その結果としてトリアルキルガリウム化合物が後に取得可能である。
トリアルキルガリウム化合物は、有機金属化学蒸着法(MOCVD)又は有機金属気相エピタキシー法(MOVPE)のための有機金属前駆体として特に使用される。
先行技術は、MOCVD及び/又はMOVPEプロセスのための前駆体を調製するための様々なプロセスについて記載する。これらのプロセスは、太陽電池又はLEDなどの光電子工学用途向けのフィルムの製造に特に使用され、これは典型的に、使用される特定の有機金属前駆体が非常に高い純度であること、及び酸素含有不純物が存在しないこと、又はその存在が極めて少ないことを必要とする。
このように、トリアルキルインジウム、トリアルキルガリウム、あるいはトリアルキルアルミニウム化合物を調製する様々なプロセスが知られている。しかしながら、いずれの一事例におけるプロセス条件も、必ずしも変更なしに転用されるとは限らない。アルミニウム、ガリウム、及びインジウムという元素自体が類似しない化学的挙動を有することに留意しなければならず、これは、トリアルキルインジウム、トリアルキルガリウム、又はトリアルキルアルミニウム化合物の調製が各事例において特別な専用のプロセスを必要とすることを一般的に意味する。
トリアルキルガリウム化合物を調製するための先行技術のプロセスは、多くの場合、慣用的な使用に必要とされる量及び純度でトリアルキルガリウム化合物、特にトリメチルガリウムを生成するにはかなりの困難を有する。すなわち、前駆体内の不純物が、MOCVD又はMOVPEによって前駆体から生成される半導体層の電気特性にかなりの有害作用を及ぼし得る。更に、多くのプロセスは多大な時間を要する。その上、それらはしばしば低い収率しかもたらさず、反応工程はしばしば、低減された選択性を特徴とする。大量の有機溶剤の使用は、既存のプロセスが通常高価であり、あまり環境に優しくなく、中間体及び最終生成物中の溶剤残渣を伴う別の理由であり、このことは、かなりの程度まで最終生成物を使用することを制限するか、又は高価かつ不都合な精製を要する場合がある。更に、いくつかの事例ではヨウ素又は臭素がアルキルガリウム化合物の調製において活性化剤として使用され、これは、後の用途をかなり制限し得る不純物を同様に伴う。その上、個別のプロセスは、それらのコスト及び不都合さを更に増大させるHの導入を想定する。
国際公開第2013/083450 A1号は、三塩化ガリウム及びアルキルアルミニウム化合物からトリアルキルガリウムを調製するためのプロセスに関する。しかしながら、三塩化ガリウムは非常に高価な反応体であり、吸湿性かつ腐食性であり、高価かつ不都合な手段の採用を必要とし、これにより、かかるプロセスが全体的に非常に高価になる。
米国第5,663,390号は、金属元素から有機金属塩化物を調製するためのプロセスに関する。ガリウムは、使用される金属の1つである。このプロセスの根幹部分は、反応を十分に活性化させるためのHの添加であり、このため全体的なプロセスが高価かつ不都合になる。記載される反応生成物RGaClの収率も、その純度も報告されていない。加えて、その反応には約240℃の高温が想定されており、そのためこのプロセスは好都合な装置要件を有しない。
国際公開第2012/150229 A1号は、ルイス酸触媒の存在下でガリウムを塩化アルキルと反応させる、トリアルキルガリウムの調製プロセスについて記載する。この反応生成物は、アルキルガリウムセスキクロライド(RGaCl)であると記述されている。ルイス酸は特に原位置で形成され、これに対して特にヨウ素又は臭素が反応混合物に添加される。後者は、特に除去が非常に困難である、反応生成物中の許容できない不純物をもたらす。得られるRGaClは単離されず、更なる特徴付けなしで直接トリアルキルガリウムに変換される。この全体的な反応は原子効率が悪い。
Gynane及びWorrallは、ガリウムを臭化アルキル又はヨウ化アルキルと反応させて、アルキルガリウムセスキハライド、又はアルキルガリウムジハライドとジアルキルガリウムハライドとの混合物を形成することを記載する(M.J.S.Gynane,I.J.Worrall,J.Organomet.Chem,1972,40,C59)。この反応は室温で行われ、少なくとも2週間、最大で4週間の反応時間を必要とする。記載されるプロセス条件は、ガリウムと塩化アルキルとの反応に転用されない。得られる反応生成物の収率も、その純度も報告されていない。
アルキルガリウム化合物を調製する方法は、Schmidbaur及びFindeissによって更に記載されている。その中で、メチルガリウムジクロリドがGaCl及びMeSi又はGaCl及び(MeSi)Oから調製される(H.Schmidbaur,W.Findeiss,Chem.Ber.1966,99,2187)。しかしながら、この調製は出発材料のせいで同様に高価であり、したがって工業規模にはあまり好適ではない。
国際公開第2013/083450号 米国特許第5,663,390号明細書 国際公開第2012/150229号
M.J.S.Gynane、I.J.Worrall著、J.Organomet.Chem、1972年、40、C59 H.Schmidbaur、W.Findeiss著、Chem.Ber.、1966年、99、2187
本発明の目的の1つは、安価かつ簡便で高速の様式でトリアルキルガリウム化合物を調製するためのプロセスを提供することである。本プロセスはまた、高収率かつ高純度でトリアルキルガリウム化合物を提供するものである。より具体的には、本トリアルキルガリウム化合物は、理想的には酸素不純物を含まないこととなる。
結果として、得られるトリアルキルガリウム化合物は、それぞれ半導体層の生成のために高純度の有機金属化合物を必要とする、有機金属化学蒸着法(MOCVD)又は有機金属気相エピタキシー法(MOVPE)のための有機金属前駆体として、特に有用となるものである。
本プロセスは、更に、低レベルの環境への影響を伴って、低レベルの資源集約度(resource intensity)で実施可能なものである。
本発明の目的は、特許請求の範囲の主題によって達成される。この目的は、具体的には、一般式:
Ga
のトリアルキルガリウム化合物を調製するための改善されたプロセスによって達成され、式中、Rは、1〜4個の炭素原子のアルキルである。前記アルキルは、分岐状又は非分岐状、好ましくは非分岐状であり得る。本発明のプロセスは、トリエチルガリウム及びトリメチルガリウムの調製に特に有用であり、トリメチルガリウムの調製に格別に有用である。したがってRは、好ましくはエチル及びメチルから選択され、最も好ましくは、以下Meとも略されるメチルである。
1.一般式:
RGaCl、又は
GaClとRGaClとの混合物
のいずれかである、化合物(A)を調製するためのプロセスであって、
a1)ガリウムとアルキル供与体とを活性化剤の存在下で反応させて化合物(A)を形成する反応工程であって、アルキル供与体が塩化アルキルであり、活性化剤がガリウム成分である、反応工程と、
a2)任意に、前記化合物(A)を反応混合物から単離させる反応工程と、を含み、
式中、Rが、1〜4個の炭素原子の分岐状又は非分岐状アルキルであり、好ましくはRGaCl対RGaClの比が、モル量に基づいて10:90〜90:10、特に10:90〜50:50、特に20:80〜40:60の範囲内である、プロセス。
2.アルキル供与体が、一般式:
RCl
を有し、式中、Rが、上記の定義の通りであり、アルキル供与体が、好ましくは気体形態にある、項目1に記載のプロセス。
3.活性化剤が、次の一般式:
GaCl
を有する化合物又は化合物の混合物であり、式中、aが、0、1、2、及び3から選択され、bが、1及び2から選択され、cが、0、1、2、及び3から選択されるが、但し、a及びcの両方が0になることはなく、a+b+cが4と等しいか又は4の倍数であることを条件とし、Rが、上記の定義の通りであり、bが1であるとき、a及びcの合計は3であるか、又はbが2であるとき、a及びcの合計は6である、項目1又は2に記載のプロセス。
4.活性化剤が、GaCl、RGaCl、RGaCl、RGaCl、及びこれらの混合物から選択されるか、又は、好ましくは、反応生成物である化合物(A)自体が活性化剤として使用される、任意の先行項目に記載のプロセス。
5.活性化剤が、RGaCl、GaCl、RGaCl、及びこれらの混合物から選択される、任意の先行項目に記載のプロセス。
6.Rがメチル又はエチル、好ましくはメチルである、任意の先行項目に記載のプロセス。
7.アルキル供与体対ガリウムのモル比が少なくとも1.4:1である、任意の先行項目に記載のプロセス。
8.ガリウムと活性化剤とのプレミックスが反応工程a1)において反応容器に最初に投入され、アルキル供与体が後に添加される、先行項目のいずれか一項に記載のプロセス。
9.反応体混合物が、120℃〜200℃の温度に加熱される、項目8に記載のプロセス。
10.該温度が、少なくとも30分間、最大でも50時間にわたって維持される、項目9に記載のプロセス。
11.反応工程a1)が有機溶剤の非存在下で実施される、任意の先行項目に記載のプロセス。
12.工程a)が、前記化合物(A)を反応混合物から単離させることを反応工程a2)として含み、前記化合物(A)を反応混合物から単離させる前記工程が、未変換の反応体を反応混合物から分離させることを含む、任意の先行項目に記載のプロセス。
13.化合物(A)の収率が、使用されるガリウム金属に基づいて90%超である、任意の先行項目に記載のプロセス。
14.化合物(A)の純度が99%超である、任意の先行項目に記載のプロセス。
15.一般式:
Ga
の化合物(B)を調製するためのプロセスであって、先行項目のいずれか一項に記載の化合物(A)を提供することと、
b)前記化合物(A)を金属アルキル成分と反応させて、一般式:
Ga
の化合物を得ることと、を含み、式中、Rが、任意の先行項目に定義された通りである、プロセス。
16.金属アルキル成分が、一般式:

を有し、式中、dが、1、2、及び3から選択され、eが、1及び2から選択され、fが、0、1、2、及び3から選択されるが、但し、d及びfの両方が0になることはないことを条件とし、Rが、上記の定義の通りであり、Mが、アルミニウム、リチウム、及びマグネシウムから選択され、Xが、Cl、Br、及びIから選択される、項目15に記載のプロセス。
17.Mがアルミニウムであり、eが1と等しいか又は2であり、d、e、及びfの合計が4と等しいか又は8であり、dが≠0であり、XがClである、項目16に記載のプロセス。
18.金属アルキル成分が、RMgCl、RAlCl、RAl、RAlCl、及びRLiから選択される、項目15又は16に記載のプロセス。
19.反応工程b)において補助塩基も添加され、補助塩基が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アルミニウム、及びこれらの混合物から選択される、項目15〜18のいずれか一項に記載のプロセス。
20.化合物(B)の収率が90%超である、項目15〜19のいずれか一項に記載のプロセス。
21.化合物(B)の純度が少なくとも99%である、項目15〜20のいずれか一項に記載のプロセス。
22.項目15〜21のいずれか一項に記載のプロセスによって得られた化合物(B)の、有機金属化学蒸着法(MOCVD)又は有機金属気相エピタキシー法(MOVPE)のための前駆体としての使用。
23.項目15に記載の化合物(B)を生成するための、項目1に記載の化合物(A)の使用。
24.項目1〜14のいずれか一項に記載のプロセスによって得られる化合物(A)。
25.項目15〜21のいずれか一項に記載のプロセスによって得られる化合物(B)。
本トリアルキルガリウム化合物は、本発明に従って、アルキルガリウムジクロリド、又はジアルキルガリウムクロリド/アルキルガリウムジクロリド混合物:
RGaCl、又は、それぞれ、RGaCl/RGaCl
であり得る化合物(A)の中間段階を介して調製され、式中、Rは、1〜4個の炭素原子のアルキルである。RGaClとRGaClとの間の比は、モル量に基づいて10:90〜90:10、特に10:90〜50:50、特に20:80〜40:60の範囲内である。アルキル部分は、分岐状又は非分岐状、好ましくは非分岐状であり得る。Rは、好ましくはエチル及びメチルから選択され、最も好ましくは、Rはメチルである。高速様式の本発明のプロセスにより高い収率及び純度で取得可能なRGaCl又はRGaCl/RGaClは、本発明のトリアルキルガリウム化合物を調製するために後に使用することができる。
これにより、高速プロセスにおいて高純度かつ高収率でガリウム元素からトリアルキルガリウム化合物を調製することが可能になる。
本プロセスは、環境への影響が低い安価な出発材料及び試薬の実質的な使用を意図的に行い、そのため工業規模で有用でもある。より具体的には、本発明は、慣用的に必要とされる有機溶剤の使用を実質的に避け、コスト効果が高く環境に無害なプロセス管理に寄与する。
本発明のプロセスがトリアルキルガリウム化合物のより経済的かつ高速の調製をもたらし、したがって工業規模での実践により好適である点は、GaClから開始する先行技術のプロセスと特に対比的である。
得られるトリアルキルガリウム化合物は特に高純度であり、そのため、有機金属化学蒸着法(MOCVD)又は有機金属気相エピタキシー法(MOVPE)と関連して、半導体産業及び関連する電子工学産業におけるガリウム含有フィルムの生産に特に好適である。
本発明のプロセスは、
a)アルキルガリウムジクロリド又はRGaCl/RGaCl混合物を調製する工程を含む。
工程a)には、
b)トリアルキルガリウム化合物を、アルキルガリウムジクロリド又はRGaCl/RGaCl混合物から調製する、更なる工程が続き得る。
工程b)は、工程a)に直接続いてもよく、又は、時間遅延を伴って、すなわち必要に応じて、工程a)の後に実施されてもよい。
化合物(A)すなわちアルキルガリウムジクロリド(RGaCl)又はRGaCl/RGaCl混合物の中間段階を介して、トリアルキルガリウム化合物を調製することが、特に有利であることが見出された。この中間段階は、本発明に従って高純度で取得可能である。RGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物は更に、良好な収率で得られ、単離させるのが簡便であり、そのため、トリアルキルガリウム化合物は、急速かつ制御された様式で、この中間段階から取得可能である。
その上、特に純粋なトリアルキルガリウム化合物が、かかるプロセスを用いて高収率かつ短時間で得られた。したがって、本発明は、工程a)を含むRGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物の調製を提供し、これには工程b)を含むトリアルキルガリウム化合物の調製が続き得る。トリアルキルガリウム化合物の調製において、中間段階としてRGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物を使用すると、トリアルキルガリウム化合物を調製するために慣用的かつコストのかかる反応体を使用すること、特に、既存のプロセスで典型的に必要であるように大量のGaClを使用することの必要性が大幅に回避される。更に、RGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物はそれぞれ、1つ以上のアルキル基を既に含み、そのため、トリアルキルガリウムの調製に典型的に使用されるアルキル化剤の量は、本発明のプロセスで大幅に低減され得る。
a)アルキルガリウムジクロリドの調製
RGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物の調製は、次の反応工程を含む:
a1)ガリウム元素とアルキル供与体とを活性化剤の存在下で反応させてRGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物を形成する反応工程、及び
a2)任意に、RGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物を反応混合物から単離させる反応工程。
好ましい実施形態では、本発明の様式におけるRGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物の調製は工程a2)を含み、すなわち、RGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物が反応混合物から単離される。「単離」又は「単離する」という用語は、反応容器から反応生成物を除去することにより、反応容器内に存在する混合物から特に所望される反応生成物を分離させること、又は、反応生成物が反応容器内に残るように、反応混合物から反応生成物以外の化合物を別に除去することを包含する。
代替的な実施形態では、本発明の工程a)は、反応工程a2)を含まず、そのため、化合物(A)すなわちRGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物を、反応混合物から単離させることがない。したがって、かかる実施形態では、反応混合物からRGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物を先に単離させることなく、工程b)が工程a)に続き得る。
反応工程a1):
本発明においてアルキル供与体は塩化アルキル、すなわち少なくとも1個の塩素原子並びにアルキル基を含む化合物であることから、本発明におけるアルキル供与体は、アルキル基を含む任意の化合物である。アルキル供与体は、好ましくは、次の一般式:
RCl
を有し、式中、Rは、上記の定義の通りである。この種類のアルキル供与体は、例えばアルキルリチウム化合物と比較して、低コストで利用可能である。Rは、より好ましくはメチル及びエチルから選択され、更に好ましくはメチルである。このように、アルキル供与体が塩化メチルであることが特に好ましい。
アルキル供与体対ガリウムのモル比は、好ましくは少なくとも1.4:1、好ましくは少なくとも1.6:1、より好ましくは少なくとも1.7:1、また更により好ましくは少なくとも1.8:1である。アルキル供与体対ガリウムのモル比が低すぎると、不完全な反応、及びRGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物の収率の低減の危険が生じる。しかし、モル比は最大でも5:1、より好ましくは最大でも4.5:1、更により好ましくは最大でも4:1であるべきである。アルキル供与体対ガリウムのモル比が高すぎると、プロセスが全体的に過度に高価になる危険が生じる。RGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物の特に良好な収率は、1.8:1〜3.8:1、特に1.9:1〜3.7:1のアルキル供与体対ガリウムのモル比において得られた。
本発明は、ガリウムとアルキル供与体との間の反応のために活性化剤が添加されることを規定する。これは、RGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物の高収率及び高純度を確実にする。本発明における活性化剤は、ガリウム成分、すなわち、少なくとも1個のガリウム原子を含む化合物である。しかしながら、本発明では、「ガリウム成分」という用語は、ガリウム元素を包含しない。ガリウム成分並びにガリウム原子は、好ましくは、少なくとも1つのアルキル基、少なくとも1個の塩素原子、又はその両方を含む。本発明の活性化剤は、次いで酸化的付加反応によってアルキル供与体をRGaCl又はRGaClに付加することができる、反応性ガリウム(I)種の形成に寄与することができると考えられる。
本発明の活性化剤は、好ましくは、次の一般式:
GaCl
を有する化合物又は化合物の混合物であり、式中、aは、0、1、2、及び3から選択され、bは、1及び2から選択され、cは、0、1、2、及び3から選択されるが、但し、a及びcの両方が0になることはなく、a+b+cが4と等しいか又は4の倍数であること、より好ましくは、a、b、及びcの合計が4と等しいか又は8であることを条件とし、Rは、上記の定義の通りであり、bが1であるとき、a及びcの合計は3であるか、又はbが2であるとき、a及びcの合計は6である。
活性化剤が、三塩化ガリウム(GaCl)、ジアルキルガリウムクロリド(RGaCl)、RGaCl、RGaCl、及びこれらの混合物から選択されることが格別に好ましい。本発明に従うかかる活性化剤が、特に有利であることが分かった。活性化剤が反応生成物であることが格別に好ましい。
ガリウムトリハライド、アルキルガリウムセスキハライド、ジアルキルガリウムハライド、アルキルガリウムジハライド、及びこれらの混合物を含む、他のハロゲン化物を使用することも可能である(ここでハロゲン化物はF、Br、及びIから選択される)ことは当業者に明らかであろう。しかしながら、ハロゲン化物は塩化物であることが特に好ましい。
特に好ましい一実施形態では、活性化剤はRGaClである。RGaClは、原位置で、より好ましくはGaClとRGaとの混合物を調製することによって形成可能である。かかる実施形態は、GaClとRGaとの混合物を活性化剤前駆体として用いて、RGaClを原位置で形成する。活性化剤がRGaCl又はGaClとRGaとの混合物である実施形態における、GaCl対RGaのモル比は、好ましくは0.5:1〜1.5:1、より好ましくは0.7:1〜1.3:1、更により好ましくは0.8:1〜1.2:1である。かかるモル比が、特に有利であることが分かった。
代替的な実施形態では、活性化剤は、RGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物の反応生成物である。これは、本発明の反応に使用される反応容器が、単離されず、既に活性化剤として作用する化合物(A)すなわちRGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物の残渣を依然として含むために、再使用可能であるという追加の利点を提示する。この手順の利点の1つは、反応生成物の一部のみが反応器から除去され、新しいガリウムが添加された後に、化合物(A)を調製するための反応が継続され得る、半連続的運用である。結果として、本発明のプロセスを、更によりコスト効果が高いものにすることができる。
更なる代替的な一実施形態では、活性化剤は、GaCl又はGaClとRGaClとの混合物である。
ガリウム対活性化剤のモル比は、好ましくは1:1超、より好ましくは少なくとも1.1:1、更により好ましくは少なくとも1.2:1である。より低い1:1未満の比は、プロセスを過度に高価かつ非効率的にする。ガリウム対活性化剤のモル比は、好ましくは最大でも50:1、より好ましくは最大でも20:1、更により好ましくは最大でも15:1である。少なすぎる活性化剤を使用すると、反応の著しい長期化の危険が生じ、その結果として、プロセスが効率的に運用されることができなくなる。格別に好ましい実施形態では、ガリウム対活性化剤のモル比は、1.3:1〜12:1、より好ましくは2:1〜10:1である。
ガリウム対活性化剤すなわち化合物(A)の重量比は、好ましくは約1:5〜12:1の範囲内である。
反応体混合物、すなわち、本発明ではガリウム、アルキル供与体、及び活性化剤を含む混合物を調製するため、個別の成分が反応容器に加えられる。ガリウム及びアルキル供与体は、好ましくは、別々の時間で、すなわち連続して反応容器に加えられる。ガリウム及び活性化剤を含むプレミックスを反応容器に最初に投入し、次いでアルキル供与体を添加することが特に好ましい。これは驚くべきことに高収率をもたらし、また、装置要件を簡素化した。すなわち、ガリウム及び活性化剤は、単に反応器に量り入れられてよい。これには、DIN 1343:1990の標準条件下で一般的に気体状態にあるアルキル供与体の監視された(policed)混加物が続き得る。
標準条件下で一般的に気体状態にある(沸点はMeClの場合−24℃であり、EtClの場合12℃である)アルキル供与体は、好ましくは、液体又は気体状態で、監視された連続的な導入により反応物中に混加される。アルキル供与体は、反応器内及び/又は反応条件下で気体形態にある。
アルキル供与体は、好ましくは、一定の反応(過剰)圧力を維持しながら、その消費速度とちょうど等しい速度で、反応の過程中に導入される。計量弁に連結された圧力センサは、効果的な自動制御の一例である。
アルキル供与体は、好ましくは、液体状態で反応器内に入る。概して、必要とされるアルキル供与体の量全体が始めから混加されるのではなく、アルキル供与体は、変換が完了するまで恒久的に計り入れられる。
液体アルキル供与体は、例えば、液体ガスタンクから直接圧力下で添加されてよい。反応器内に入ると、行き渡っている反応条件がアルキル供与体を即座に気化させ、そのため反応器内の反応は気体状のアルキル供与体を用いたものになる。
別の実施形態では、アルキル供与体、例えば塩化メチルは、気体形態において室温で反応器内に入り、次いで所望の反応温度まで加熱され、一方でその間アルキル供与体の導入が継続される。
この反応はアルゴン又は窒素などの不活性ガス下で実施されてもよいが、追加の不活性ガスを用いずに、アルキル供与体、例えば塩化メチル又は塩化エチルの純粋な雰囲気中でこの反応を実施することも可能であり、これは利点を有する。
概して、アルキル供与体は、予め決定された一定圧力で、例えば1.1バール〜10バール、又は1.5バール〜6バール、又は2バール〜4.5バールの絶対圧力(1バール〜3.5バールの過剰圧力)で混加される。
可能性のある手順の1つでは、アルキル供与体(すなわち、例えば塩化エチル又は塩化メチル)の所望の過剰圧力、例えば3.5バールが予め決定される。消費されるにつれて十分なアルキル供与体(すなわち、例えば塩化エチル又は塩化メチル)を反応器に常に加えるために、流速制御器が使用され、そのため、反応器内の圧力はほぼ一定に、例えば4.5バールに(又は3.5バールの過剰圧力に)留まる。アルキル供与体(すなわち、例えば塩化エチル又は塩化メチル)の消費が止むとき、反応は終了している。
この反応はエテン又はメタンなど気体状の副生成物を生じさせ得るため、十分に試行された1つの手順は、反応器内の過剰圧力を時折解放し、反応器にアルキル供与体を再投入することである。これは、出発材料が存在するにもかかわらず、アルキル供与体と何らかの反応があるときに、たとえ不可避であったとしても、アルキル供与体の消費が観察され得ないときに、特に有利であり得る。
別の実施形態では、必要量のアルキル供与体が、反応の開始時、すぐに反応容器に完全に投入される。この実施形態では、アルキル供与体は、好ましくは、アルキル供与体を反応容器内に凝縮させることによって混加される。好ましくは、この実施形態では、プレミックスが調製された後に最初に冷却される。このプレミックスを最大でも10℃、好ましくは最大でも5℃、より好ましくは4℃未満の温度まで冷却することが有利であると分かった。このプレミックスが0℃+/−3℃の温度まで冷却されることが格別に有利である。
好ましくは、反応容器は、プレミックスが冷却された後に脱気される。好ましくはこの段階で、アルキル供与体が、−100℃〜−260℃、より好ましくは−150℃〜−250℃の温度で、更により好ましくは−180℃〜−220℃の温度で混合される。アルキル供与体を混加する工程は、好ましくは、アルキル供与体を反応容器内に凝縮させること、より好ましくは、アルキル供与体を反応容器内に凝縮させることによってアルキル供与体を混加することを含む。かかる手順は、定義された量のアルキル供与体を技術的に簡便な様式でプレミックスに供給するのに有利であることが分かった。標準条件下で一般的に気体状であるアルキル供与体は、本発明に従って好ましいプロセス条件下で液化し、この状態で反応容器に量り入れるのが容易である。
アルキル供与体が混加された後、反応体混合物は、好ましくは、反応を開始させるために加熱される。前記加熱は、15℃〜35℃の温度まで、好ましくは室温すなわち25+/−5℃まで、いくらか予備加温することを含み得る。反応体混合物は、好ましくは前記予備加温後に、少なくとも100℃、より好ましくは少なくとも120℃の温度まで加熱される。この温度は低すぎてはならず、さもなければ十分な収率を達成するために非常に長い反応時間が必要とされることになる。
その場合、本プロセスのコスト効果が低くなるであろう。しかしながら、好ましくは300℃、より好ましくは230℃、更により好ましくは200℃の温度が、加熱の際に超過されてはならない。その場合、本プロセスは過度に高価になり、不要な二次的反応の危険を生じるであろう。
化合物(A)の形成は発熱性であり、そのため、反応体混合物を少なくとも100℃まで加熱した後、反応容器の更なる加熱が必要とされないことが好ましく、代わりに一定の反応温度が維持される。反応容器は、好ましくは、冷却によって一定の反応温度に維持される。
化合物(A)すなわちRGaCl又はRGaCl/RGaClの混合物の高収率及び高純度のためには、反応温度を120℃〜190℃に、特に140℃〜180℃に、又は130℃〜170℃に、また、最も好ましくは、140℃〜160℃、又は約150+/−5℃の温度に維持することが特に有利であることが明らかになった。
反応の開始時すぐにアルキル供与体が完全に添加される実施形態では、加熱後の反応容器内の圧力は、少なくとも0.5バール、又は好ましくは少なくとも1バール、最も好ましくは少なくとも4バールであり得る。過度に低い圧力は、長い反応時間が本プロセスを全体的にコストのかかるものにすることにつながる。加熱後の反応容器内の圧力は、1〜15バール、より好ましくは1〜12バール、更により好ましくは1〜6バール、又は2〜5バールであるのが特に好ましいことが分かった。
アルキル供与体が連続的な様式で添加されるとき、1.1〜10バール(絶対)、好ましくは1.5〜6バール、更により好ましくは2〜4.5バール(絶対、1〜3.5バールの過剰圧力に相当)の標的圧力が首尾よく使用され得る。こうした反応温度では、アルキル供与体は、これらの圧力において通常気体状である。
反応温度は、好ましくは、少なくとも20分間、より好ましくは少なくとも30分間、更により好ましくは少なくとも40分間にわたって維持される。これらの温度を過度に短い時間にわたって維持すると、非定量的な反応の危険が生じる。しかしながら、本発明に従うと、好ましくは、温度を50時間より長く維持する必要はない。実際に、特に本発明のプロセス管理及び本発明の反応体混合物組成物のために、十分な変換は、好ましくは50時間以内、好ましくは28時間、より好ましくは25時間以内で達成される。良好な結果は、通常は6〜12時間、特に6〜8時間で取得可能である。このことが有利なのは、結果として、特にコスト効果が高い様式で本発明のプロセスが実施され得るためである。
活性化剤がGaCl又はGaClとRGaClとの混合物である実施形態では、化合物(A)の十分な収率は、(好ましくは加熱から得られる)温度を最低45分間、好ましくは最低50分間にわたって維持した際に取得可能でさえあった。
上記の好ましい期間にわたって反応温度が維持された後、あるいは金属Gaが全くなくなったら、又はアルキル供与体の消費が全くなくなったら、反応容器内の混合物(以下、反応混合物と称される)は、15℃〜35℃の温度まで、好ましくは室温すなわち25+/−5℃まで冷却される。別の実施形態では、アルキル供与体の供給が中断され、その生成物は、反応器からそれを放出すること、又は別の容器内にそれをポンプ注入することによって、液体形態で反応器から直接、冷却せずに除去される。
反応(Reaktion)工程a2):
本発明では反応工程a2)と称される、化合物(A)すなわちRGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物の任意の単離は、好ましくは、いかなる未変換の反応体をも反応混合物から分離させること、及び/又はRGaCl若しくはRGaCl/RGaCl混合物を反応容器から除去することを含む。これは、例えば、RGaCl若しくはRGaCl/RGaCl混合物を機械的に除去すること、又は反応容器からRGaCl若しくはRGaCl/RGaCl混合物を昇華させることによって達成され得る。
未変換の反応体は、好ましくは、反応混合物、特に、標準条件下で一般的に気体形態にあるアルキル供与体から、任意に5℃〜−5℃の温度で、より好ましくは0+/−3℃又は室温で、反応容器を脱気することによって除去される。
RGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物は、未変換の反応体が反応混合物から除去された後に、反応容器から機械的に除去可能である。機械的除去は、液体状態の反応生成物を放出又はポンプ移送することも包含する。代替的に、RGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物は、反応容器から昇華可能である。機械的除去は比較的小さなバッチサイズに関して有利であるが、昇華は、外部からの介入の必要性が全くなくなる完全に閉鎖されたシステムを運用することが可能であるという、工業規模での利点を有する。
単離には、RGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物を精製するための更なる工程が続いてもよく、その場合、化学的実体を精製するための好適なプロセス、例えば、昇華又は再結晶が当業者に知られており、これは、炭化水素などの無極性化合物から非常に首尾よく達成され得る。芳香族炭化水素又は脂肪族炭化水素の両方が、個別に、又は混合物としてのいずれにおいても、原則として使用され得る。再結晶に好適な実体としては、例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、酒精、石油エーテルなどが挙げられる。しかしながら、十分な純度を達成するためにRGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物を精製するための更なる工程が必要とされないことが好ましい。このように、本発明に従うと、未変換の反応体を反応混合物から分離させること、また好ましくは後にRGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物を反応容器から機械的に除去すること、又はその昇華を除いて、更なる単離工程及び/又は精製工程は実施されない。
代替的な実施形態では、RGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物は単離されない、すなわち、これらの実施形態において工程a)は反応工程a2)を含まない。かかる実施形態では、RGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物を先に単離させることなく、工程b)が同じ反応容器内で直接続いてよい。かかる形態のプロセス管理は、得られるトリアルキルガリウム化合物の高い純度を維持しながら、トリアルキルガリウム化合物の調製全体を、更によりコスト効果が高く、より高速にすることに役立ち得る。
本発明は、プロセス工程a1)中に、反応加速剤としての水素(H)の使用を必要としない。本発明は、同様に、先行技術のプロセスではガリウムがガリウムアルキルハライド化合物に完全に変換することを確実にするために典型的に添加される必要があった、ヨウ素若しくは臭素、又は三ヨウ化ガリウム若しくは三臭化ガリウムの使用を避けることを可能にする。後者は、RGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物の純度に関して特に有利である。
本発明のプロセス工程a1)は、有機溶剤の非存在下で高収率のRGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物を提供する。このように、ガリウムとアルキル供与体とを活性化剤の存在下で反応させてRGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物を形成することは、好ましくは、有機溶剤を用いない。有機溶剤は、本発明では、炭素質の液体物質であると定義される。有機溶剤の非存在下という記述は、本発明では、有機溶剤が反応媒体として追加的に使用されないことを意味する。これは、溶剤の部分的な分解のために、可能性のある有機不純物がRGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物中にあることが回避されるという利点を有する。加えて、本プロセスは、結果として、環境により無害な様式で実施され得る。その上、工程a1)における有機溶剤の非存在は、驚くべきことに、反応に対する特に高い選択性と合致した。
本発明に従うプロセス工程a)は、RGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物を、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、更により好ましくは少なくとも79%、なお更により好ましくは85%、なお一層更により好ましくは90%超、最も好ましくは95%超の収率で調製することを可能にする。本発明に従う収率の細目は、常に、理論的収率に基づく。
本発明に従って得られるRGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物の純度は、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%、更により好ましくは99%超である。したがって、好ましくは5%以下、より好ましくは2%以下、更により好ましくは1%未満の不純物、すなわち望まれない物質が、得られたRGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物内に存在することとなる。当業者は、化学化合物の純度を判定するための方法を熟知している。
本発明に従うプロセスの特に好ましい一実施形態では、反応工程a)において次の反応が概略的に起こる(Me=メチル)。
Figure 0006890649
本発明に従うプロセスの代替的な一実施形態では、反応工程a)において次の反応が概略的に起こる。
Figure 0006890649
本発明に従うプロセスの更に代替的な一実施形態では、反応工程a)において次の反応が概略的に起こる。
Figure 0006890649
本発明に従って得られるRGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物は、トリアルキルガリウム化合物の調製に有用である、すなわち、工程b)が直接又は後に続いてよく、トリアルキルガリウム化合物を特定の様式で、かつ必要に応じて調製することが可能になる。
b)アルキルガリウムジクロリド又はRGaCl/RGaCl混合物からのトリアルキルガリウム化合物の調製
トリアルキルガリウム化合物は、RGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物と金属アルキル成分との反応によって、本発明の様式で、RGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物から調製される。
本発明における金属アルキル成分は、少なくとも1個の金属原子及び1つのアルキル基を含む化合物である。金属アルキル成分は、好ましくは、次の一般式:

を有し、式中、dは、1、2、及び3から選択され、eは、1及び2から選択され、fは、0、1、2、及び3から選択されるが、但し、d及びfの両方が0になることはないことを条件とする。Rは上記の定義の通りである。Mは、アルミニウム、リチウム、及びマグネシウムから選択され、特に好ましくはアルミニウム又はリチウムである。Xは、Cl、Br、及びIから選択され、好ましくはClである。
好ましい実施形態では、Mはアルミニウムであり、eは1又は2であり、d、e、及びfの合計は4と等しいか又は8であるが、但し、dが≠0であり、XがClであることを条件とし、本発明では「アルミニウムアルキル成分」と称される。代替的な実施形態では、Mはマグネシウムであり、dは1であり、eは1であり、fは1であり、XはClであり、本発明では「マグネシウムアルキル成分」と称される。更に代替的な実施形態では、Mはリチウムであり、dは1であり、eは1であり、fは0であり、これは、本発明では「リチウムアルキル成分」と称される。
金属アルキル成分が、RMgCl、RAlCl、RAl、RAlCl、及びRLiから選択されること、より好ましくはRAlCl、RAl、RAlClから選択されること、更により好ましくはRAl及びRAlCl、特にMeAl、EtAl、MeAlCl、及びEtAlClから選択されることが、格別に好ましい。
RGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物に対して必要とされる金属アルキル成分の特定の量は、金属アルキル成分中のアルキル基の数によって判定される。RGaを調製するためにRGaCl/RGaCl混合物が使用されるとき、金属アルキル成分の量は、混合物中のRGaCl対RGaClの比によって、すなわち混合物中のアルキル基の数によって追加的に判定される。このように、金属アルキル成分は、各事例において、トリアルキルガリウム化合物が定量的に形成され得るような量で使用される。金属アルキル成分がアルミニウムアルキル成分である実施形態では、金属アルキル成分対RGaClのモル比は、0.7:1〜4:1、好ましくは0.9:1〜3.5:1、より好ましくは1:1〜2:1であり得る。例えば、RGaCl/RGaCl混合物の50/50混合物が使用されるとき、アルミニウムアルキル成分対RGaCl/RGaCl混合物のモル比は、1:1〜6:1であり得る。他の組成のRGaCl/RGaCl混合物の事例では、必要とされる比の計算は容易である。金属アルキル成分が「マグネシウムアルキル成分」又は「リチウムアルキル成分」である実施形態、金属アルキル成分対RGaClのモル比は、典型的には1.9:1〜4:1、好ましくは2:1〜2.8である。例えば、50/50のRGaCl/RGaCl混合物が使用されるとき、モル比は2.9:1〜6:1、好ましくは2:1〜3:1であり得る。
金属アルキル成分とRGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物との反応は、有機溶剤中で起こってもよい。工程b)に好適な有機溶剤は、ヘテロ原子及び/又は置換基の有無にかかわらず、環状飽和炭化水素、環状及び脂肪族エーテル、並びに芳香族炭化水素を含むアルカンから選択される。工程b)に好適な有機溶剤は、特に、好ましくはn−ペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、n−デカン、n−ヘプタン、n−ヘキサン、n−ノナン、n−オクタン、及びベンゼン、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル、比較的長鎖のエーテル、テトラヒドロフラン、並びにこれらの混合物から選択される、アルカン、芳香族、並びに環状及び脂肪族エーテルであることが分かった。比較的長鎖のエーテルは、2個より多い炭素原子を含むアルキル基を有するエーテルであり、比較的長鎖のエーテルであるジ−n−ブチルエーテルが特に好ましい。
しかしながら、好ましい実施形態では、反応工程b)で有機溶剤は使用されない、すなわち、有機溶剤は反応媒体として追加的に使用されない。これは、MOCVD又はMOVPEプロセスの有用性をかなり限定する溶剤の部分的な分解のために、可能性のある有機不純物がトリアルキルガリウム化合物中にあることが回避されるという利点を有する。加えて、本プロセスは、結果として、環境により無害な様式で実施され得る。したがって、本発明に従う一実施形態では、工程b)は、有機溶剤の非存在下で実施される。
反応工程b)において補助塩基が更に添加されてもよく、これは、このことがトリアルキルガリウム化合物の収率に肯定的な影響を及ぼし得るためである。工程b)における好適な補助塩基は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アルミニウム、及びこれらの混合物から選択される。塩化ナトリウムと塩化カリウムとの混合物が格別に好ましく、この補助塩基における塩化ナトリウム対塩化カリウムのモル比は、好ましくは6:4〜8:2、より好ましくは6:3〜8:3、更により好ましくは6.5:3〜7.5:3である。補助塩基が塩化アルミニウム、塩化ナトリウム、及び塩化カリウムの混合物である代替的な実施形態では、塩化アルミニウム対塩化ナトリウム対塩化カリウムのモル比は、好ましくは45〜55:30〜40:10〜20、より好ましくは50:35:15である。
好ましくは、RGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物が、任意の補助塩基と一緒に反応容器に最初に投入され、その後に初めて、金属アルキル成分が、好ましくは徐々に添加される。反応が起こるときの温度は、金属アルキル成分に従って選択される。この反応は、好ましくは0℃〜250℃の温度で、より好ましくは20℃〜180℃で、更により好ましくは30℃〜150℃の温度で起こる。補助塩基が使用される実施形態では、この温度は、好ましくは最大230℃、より好ましくは最大200℃である。しかしながら、かかる実施形態におけるこの温度は、好ましくは少なくとも30℃である。
その後、トリアルキルガリウム化合物は、任意の有機溶剤及びまた混合物の他の構成物質を除去することを含み得る工程において、残りの混合物から単離される。トリアルキルガリウム化合物は、好ましくは、蒸留除去によって混合物から単離される。補助塩基が添加される実施形態では、トリアルキルガリウム化合物は、好ましくは、加熱可能な分離要素、特に加熱可能なカラムによって単離される。最も簡便な事例では、管などの加熱可能な分離要素がこれに役立ち得るが、例えば、Vigreuxカラム、充填カラム、又は他のカラムも同様である。この種類の分離要素は、内容が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2013/83450号から分かるように、分離子としても知られる。当業者に知られる精製の方法に従う更なる精製工程、特にトリアルキルガリウム化合物の蒸留除去又は昇華が任意に続いてもよい。
本発明のプロセス工程b)は、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも70%、更により好ましくは少なくとも75%、なお更により好ましくは少なくとも85%、またなお更により好ましくは90%超の収率における、トリアルキルガリウム化合物の調製を可能にする。本発明に従って得られるトリアルキルガリウムの純度は、好ましくは少なくとも99%、より好ましくは少なくとも99.5%、更により好ましくは99.8%超、またなお更により好ましくは99.999%超である。得られるトリアルキルガリウムは、好ましくは100ppm未満(m/m)、好ましくは50ppm未満(m/m)、更により好ましくは30ppm未満(m/m)、最も好ましくは10ppm未満(m/m)の量でガリウムアルコキシド及びオキシドを含む酸素を含有する。トリアルキルガリウムの酸素含有量、又はトリアルキルガリウム中の酸素含有不純物のレベルは、当業者に知られている方法、特にNMRを使用して判定され得る。
本発明に従うプロセスの特に好ましい一実施形態では、反応工程b)において、次の反応:
Figure 0006890649
又は、RGaCl/RGaCl混合物が使用されるときは、
Figure 0006890649
が、概略的な形態で進行する。
本発明に従うプロセスの代替的な一実施形態では、反応工程b)において次の反応が概略的に進行する。
Figure 0006890649
トリアルキルガリウム化合物は、上記の本発明の調製プロセスの条件に準拠することによって、高純度かつ高収率で取得可能である。本発明は、中間段階として、本プロセスによって得られたアルキルガリウムジクロリド、又はジアルキルガリウムクロリド/アルキルガリウムジクロリド混合物、特にメチルガリウムジクロリド又はMeGaCl/MeGaCl、及び、それらから調製されたトリアルキルガリウム化合物、特にトリメチルガリウムを追加的に提供する。金属アルキル成分、例えばメチルリチウム又はメチルマグネシウム塩化物として、リチウム種又はグリニャール種が使用されるとき、溶剤中で反応を行うことによって良好な結果が取得可能である。高い適合性の溶剤としては、例えば、ジエチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、エチルtert−ブチルエーテル、ジオキサン、又はテトラヒドロフランなどのエーテルが挙げられる。
特に、RGaCl又はRGaCl/RGaCl混合物並びにRGaの可能性のある高い収率及び純度、また、本発明のプロセスの範囲内の、コスト効率がよく環境上の影響が最小限のプロセスの選択により、前記プロセスにはトリアルキルガリウム化合物の工業用調製がほとんど既に定められている。
本発明のプロセスは、特に高いガリウム効率を特に特徴とする。本発明に従うプロセスにおける全体的なガリウム変換率は、使用されるガリウムに基づいて、好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上、更により好ましくは80%以上、なお更により好ましくは95%超である。
本発明のプロセスを用いて取得可能なトリアルキルガリウム化合物、特にトリメチルガリウムは、その顕著な純度、特にその非常に低い酸素含有量が理由で、例えば半導体又は半導体部品の生産のための、MOCVD又はMOVPEのための有機金属前駆体として特に有用である。最終的に生産される半導体又は半導体部品は、可能性のある多くの工業用途を有する。したがって本発明は、本発明に従って得られたトリアルキルガリウム化合物、好ましくはトリメチルガリウムの、金属有機化学蒸着(MOCVD)又は有機金属気相エピタキシー法(MOVPE)のための前駆体としての使用も提供する。
トリメチルガリウムの調製の作業実施例
トリメチルガリウムを、メチルガリウムジクロリドの中間段階を介して、本発明のプロセスによって調製した。
1.メチルガリウムジクロリドの調製
1.1.活性化剤としてのMeGaCl(原位置で形成、ガリウム対活性化剤のモル比:約8.8:1)の存在下でのガリウムと塩化メチルとの反応
1.17gのガリウム(16.8mmol)、0.21gのMeGa(1.9mmol)、及び0.32gのGaCl(1.8mmol)を、磁気撹拌棒と一緒に250mlのParrボンベ(bomb)に量り入れた。この容器を0℃まで冷却し、脱気した。次いで、3.06gの塩化メチル(60.7mmol)を−196℃でParrボンベ内に凝縮させ、室温まで加温した後、Parrボンベを160℃まで加熱した。160℃で24時間後、ガリウムは完全に溶解しており、次いでParrボンベを室温まで冷却し、室温に達したらParrボンベを0℃で脱気して、塩化メチルの残渣を除去し、質量の増加を判定した。その後、このParrボンベをグローブボックス内で開放し、MeGaClを機械的に単離させた。質量増加によるMeGaClの収量は3.18g(20.4mmol、99%)であった。そのうち、2.57g(16.5mmol、80%)が機械的に単離された。同定はNMR及びIRによるものであった。
1.2.MeGaClの存在下でのガリウムと塩化メチルとの反応(ガリウム対活性化剤のモル比:約1.7:1)
1.14gのガリウム(16.4mmol)及び1.46gのMeGaCl(9.4mmol)を、磁気撹拌棒と一緒に250mlのParrボンベに量り入れた。この容器を0℃まで冷却し、脱気した。次いで、2.99gの塩化メチル(59.2mmol)を−196℃でParrボンベ内に凝縮させ、室温まで加温した後、Parrボンベを160℃まで加熱した。160℃で21時間後、ガリウムは完全に溶解しており、次いでParrボンベを室温まで冷却し、室温に達したらParrボンベを0℃で脱気して、塩化メチルの残渣を除去し、質量の増加を判定した。その後、このParrボンベをグローブボックス内で開放し、MeGaClを単離させた。質量増加によるMeGaClの収量は4.03g(25.9mmol、99%)であった。そのうち、3.87g(24.9mmol、96%)が機械的に単離された。同定はNMR及びIRによるものであった。
1.3.GaClの存在下でのガリウムと塩化メチルとの反応(ガリウム対GaClのモル比:2:1)
0.70gのガリウム(10.0mmol)及び0.89gのGaCl(5.0mmol)を、磁気撹拌棒と一緒に125mlのParrボンベに量り入れた。この容器を0℃まで冷却し、脱気した。次いで、1.03gの塩化メチル(20.4mmol)を−196℃でParrボンベ内に凝縮させ、室温まで加温した後、Parrボンベを160℃まで加熱した。160℃で90分後、ガリウムは完全に溶解しており、次いでParrボンベを室温まで冷却し、室温に達したらParrボンベを0℃で脱気して、塩化メチルの残渣を除去し、質量の増加を判定した。その後、このParrボンベをグローブボックス内で開放し、MeGaClを単離させた。MeGaClの残渣がParrボンベ内に残り、機械的に除去され得なかった。質量増加によるMeGaClの収量は2.28g(14.6mmol、98%)であった。そのうち、1.94g(12.5mmol、83%)が機械的に単離された。同定はNMR及びIRによるものであった。
1.4.GaClの存在下でのガリウムと塩化メチルとの反応(ガリウム対GaClのモル比:2:1、追加的に反応容器内にMeGaClの残渣)
先行する実施例1.3からの125mlのParrボンベを使用した。Parrボンベも磁気撹拌棒も洗浄しなかった。MeGaClの残渣がParrボンベ内に残った。0.70gのガリウム(10.0mmol)及び0.89gのGaCl(5.0mmol)を、磁気撹拌棒と一緒にParrボンベに投入した。この容器を0℃まで冷却し、脱気した。次いで、1.18gの塩化メチル(23.4mmol)を−196℃でParrボンベ内に凝縮させ、室温まで加温した後、この容器を160℃まで加熱した。反応中、溶融物は暗色であった。160℃で60分後、Parrボンベを室温まで冷却し、次いで0℃で脱気して、塩化メチルの残渣を除去し、質量の増加を判定した。その後、このParrボンベをグローブボックス内で開放し、MeGaClを単離させた。MeGaClの残渣がParrボンベ内に残り、機械的に除去され得なかった。先行するバッチと比較して、単離されたMeGaClは茶色を有した。質量増加によるMeGaClの収量は2.24gであった(15.4mmol、定量的、使用したGa及びGaClに基づく)。そのうち、2.54g(16.3mmol)が機械的に単離された。同定はNMR及びIRによるものであった。
実施例1.3及び1.4のMeGaCl生成物の合計質量は、4.62gのMeGaClであった(29.7mmol、収率:99%)。両方の実験の単離収量は合わせて4.48gのMeGaCl(28.8mmol、96%)であった。
1.5 MeGaCl/MeGaCl混合物及びアルキル供与体の連続的な供給の存在下でのガリウムと塩化メチルとの反応
1Lの圧力反応器に、86.63g(1.24mol)のガリウムを最初に投入した。この反応器を三重の脱気/アルゴンの充満によって不活性化(inertize)し、最後の脱気後、クロロメタンを使用して、反応器をアルゴンの代わりに大気圧に戻した。90℃に加熱した滴下漏斗を使用して、198.77gのMeGaCl/MeGaCl混合物(前の投入から)を液体形態で反応器内に排出した。反応を開始させるために、反応混合物を撹拌しながら150℃まで加熱し、その後、5バールのクロロメタン(絶対、4バールの過剰圧力に相当)を反応器内に注入した。反応の開始は、気体吸収の発生及び発熱から明らかであった。反応器内へのMeCl供給を、反応圧力を一定の5バールに維持するように制御した。反応器を冷却することによって、反応温度を150℃に維持した。約4時間後、溶融物中にいくらかのガリウムが依然として存在したにもかかわらず、反応の気体吸収は100mL/分未満に低下しており、これが、反応器の過剰圧力を解放し、次いで更に5バールのMeClを注入し、反応を継続させた理由である。更に30分後、ガリウムは反応器内で目に見えなくなっており、反応は気体を消費しなくなった。気体供給を停止させ、反応混合物を室温まで冷却した。反応器内に残っていた過剰圧力を解放し、次いで反応器を脱気して、残りのクロロメタン及び揮発性副生成物を除去し、アルゴンを用いて標準圧力に戻した。
生成物を単離させるために、反応器を70℃まで加熱し、その結果として、反応生成物が溶融し、この溶融物を減圧下で80〜100℃において反応器から留去した。これは、377.42gの白色で結晶質の固形物をもたらした。1H NMR(600MHz、CD3CN)は、−0.09ppm及び0.14ppmで0.39:1の比率の2つの二重項を示し、これらを(CHGaCl単位及び(CH)GaCl単位に指定した。これは、約28/72のMe2GaCl/MeGaCl2モル比に相当する。使用した金属ガリウムに基づくガリウム収量は92.3%であった。単離された生成物は95.9%純粋であった。
1.6 GaCl及びアルキル供与体の連続的な供給の存在下でのガリウムとMeClとの反応
不活性な1Lの圧力反応器に、105.2g(1.51mol)のガリウム及び127.9g(0.73mol)のGaClを最初に投入した。反応器を脱気し、クロロメタンを注入した。この反応混合物を撹拌しながら150℃まで加熱し、全てのガリウムが消費され、かつクロロメタンが消費されなくなるまで、4.5絶対バール(bara)の標的過剰圧力で、最大1000mL/分で1.5時間かけて、クロロメタンを反応器内に150℃で導入した。クロロメタンの総消費量は58Lであった。反応器内の過剰圧力を解放し、反応器を冷却し、反応生成物の約1/3を液体形態で反応器からシュレンクフラスコ内に排出した。反応生成物の残部を室温まで冷却し、後の実験で使用するために反応器内で固形物の状態に留めた。
163.3gのMeGaCl/MeGaCl混合物が、結晶質で白色の固形物の形態で単離された。H NMR(600MHz、CDCN)δ −0.02(s、(CHGa)、0.18(s、CHGa);積分比1:9、これは約5/95のMeGaCl/MeGaClモル比に相当する。
1.7 MeGaCl/MeGaCl混合物及びアルキル供与体の連続的な供給の存在下でのガリウムとMeClとの反応
前の実施例からのMeGaCl/MeGaCl混合物を含む反応器に、101.6g(1.46mol)のガリウムを投入した。次いで、この反応混合物を再び撹拌しながら150℃まで加熱し、全てのガリウムが消費され、かつクロロメタンが消費されなくなるまで、4.5絶対バールの標的過剰圧力で、最大1000mL/分で2時間かけて、クロロメタンを反応器内に150℃で導入した。クロロメタンの総消費量は55.5Lであった。反応器内の過剰圧力を解放し、反応器を冷却し、100℃において、反応生成物の約1/3を液体形態で反応器からシュレンクフラスコ内に排出した。反応生成物の残部を室温まで冷却し、後の実験で使用するために反応器内で固形物の状態に留めた。単離された生成物を、減圧下の昇華によって精製した。
169.6gのMeGaCl/MeGaCl混合物が、結晶質で白色の固形物の形態で単離された。H NMR(600MHz、C)δ 0.17(s、(CHGa)、0.28(s、CHGa);積分比1:1.49、これは約25/75のMeGaCl/MeGaClモル比に相当する;Ga含有量:47.4%。
1.8 MeGaCl/MeGaCl混合物及びアルキル供与体の連続的な供給の存在下でのガリウムとMeClとの反応
前の実施例からのMeGaCl/MeGaCl混合物を含む反応器に、105.6g(1.51mol)のガリウムを投入した。次いで、この反応混合物を再び撹拌しながら150℃まで加熱し、4.5絶対バールの標的過剰圧力で、クロロメタンを反応器内に150℃で導入した。4時間後、気体消費量は実質的に減少し、この時点で反応器内の圧力を解放し、新しいクロロメタンを使用して、標的過剰圧力を再確立した。全てのガリウムが消費されるまで、更に1.5時間かけてクロロメタンを導入した。クロロメタンの総消費量は55.5Lであった。反応器内の過剰圧力を解放し、反応器を冷却し、100℃において、反応生成物の約1/3を液体形態で反応器からシュレンクフラスコ内に排出した。反応生成物の残部を室温まで冷却し、後の実験で使用するために反応器内で固形物の状態に留めた。単離された生成物は、依然として少量の短鎖炭化水素を不純物として含有し、減圧下の昇華によって精製された。
192.2gのMeGaCl/MeGaCl混合物が、結晶質で白色の固形物の形態で単離された。H NMR(600MHz、CDCN)δ −0.10(s、(CHGa)、0.14(s、CHGa);積分比1:1.13、これは約30/70のMeGaCl/MeGaClモル比に相当する。
H NMR(600MHz、CDCN)δ −0.10(s、6H、(−Ga(CH)、0.14(s、3H(−Ga(CH))
トリメチルガリウムの調製
2.1メチルガリウムジクロリドからトリメチルガリウムへの変換
撹拌器及び70℃に加熱した分離子を備えた500mLフラスコに、保護ガス下で、実施例1.1、1.2、又は1.3からの1.94g(12.5mmol)のMeGaCl、1.02g(17.5mmol)の乾燥NaCl、及び0.56g(7.5mmol)の乾燥KClを最初に投入した。撹拌しながら、2.56g(2.2ml、12.5mmol)のMeAlClを、反応混合物中の温度が130℃超に上昇しないように混加した。その後の加熱中、MeGaが、約150℃超で、1.25g(10.9mmol、使用したMeGaClに基づいて87.6%の直接収率)の量で単離された。反応温度が200℃超に上昇したらすぐに分離子による生成物の単離を終了し、その後、残りのガリウム含有化合物を、高真空において第2の出口を介して反応混合物から除去した(0.095g、MeGaとMeGaClとの混合物)。全収率:94.8%のMeGa、5.0%のMeGaCl、全体的なガリウム変換率:99.8%。
2.2 GaClの存在下でのガリウムと塩化メチルとの反応(ガリウム対GaClのモル比:2:1)、及びその後のトリメチルガリウムへの変換
1.39gのガリウム(19.9mmol)及び1.76gのGaCl(10.0mmol)を、125mLのParrボンベに量り入れ、脱気後、1.87gの塩化メチル(37.0mmol)をParrボンベ内に凝縮させた。Parrボンベを160℃で1時間加熱した。この期間中、ガリウムは完全に溶解し、無色の溶融物が観察された。過剰な塩化メチルをポンプで排出した後、1.60gの質量増加を判定した。これは、Ga/GaCl混合物からMeGaClへの定量的な変換に相当する。その後、1.63gのNaCl(27.9mmol)、0.89gのKCl(11.9mmol)、及び4.06gのメチルアルミニウムセスキクロライド(19.7mmol)を、Parrボンベに量り入れた。Parrボンベを一晩130〜140℃に加熱した。室温に冷却した後、揮発性構成物質を、減圧下で−196℃に冷却した冷トラップ内に凝縮させた。この間、Parrボンベを減圧下で160℃まで加熱した。MeGaClとGaMeとの混合物が冷トラップ内で得られた。より揮発性のGaMeを、−196℃に冷却した更なる冷トラップ内に、大気圧で凝縮させた。3.46gのMeGaCl(25.6mmol、86%)及び0.18gのGaMe(1.6mmol、5%)が単離された。

Claims (14)

  1. 一般式
    RGaCl、又はRGaClとRGaClとの混合物
    のいずれかである、化合物又は混合物(A)を調製するためのプロセスであって、
    a1)ガリウムと、凝縮されたアルキル供与体と、活性化剤とを反応容器に投入し、ガリウムと前記アルキル供与体とを活性化剤の存在下で反応させて化合物又は混合物(A)を形成する反応工程と、
    a2)任意に、前記化合物又は混合物(A)を前記反応混合物から単離させる反応工程と、を含み、
    前記アルキル供与体が、一般式:
    RCl
    を有し、
    前記活性化剤が、次の一般式:
    GaCl
    を有する化合物又は化合物の混合物であり、
    式中、Rが、1〜4個の炭素原子の分岐状又は非分岐状アルキルであり、aが、1、2、及び3から選択され、bが、1及び2から選択され、cが、0、1、2、及び3から選択されるが、但し、a+b+cが4と等しいか又は4の倍数であることを条件とし、bが1であるとき、a及びcの合計は3であるか、又はbが2であるとき、a及びcの合計は6である、プロセス。
  2. 前記活性化剤が、RGaCl、RGaCl、RGaCl、及びこれらの混合物から選択されるか、又は、RGaClとRGaClとの混合物であるか、あるいは、前記反応生成物である化合物又は混合物(A)自体が活性化剤として使用され、Rは請求項1に定義された通りである、請求項1に記載のプロセス。
  3. アルキル供与体対ガリウムのモル比が少なくとも1.4:1である、請求項1又は2に記載のプロセス。
  4. ガリウムと活性化剤とのプレミックスが反応工程a1)において反応容器に最初に投入され、前記アルキル供与体が後に添加される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプロセス。
  5. 反応工程a1)が有機溶剤の非存在下で実施される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロセス。
  6. 一般式:
    Ga
    の化合物(B)を調製するためのプロセスであって、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプロセスにより、RGaCl 、又はRGaCl とR GaClとの混合物のいずれかを提供することと、
    b)前記化合物又は混合物(A)を金属アルキル成分と反応させて、一般式:
    Ga
    の化合物(B)を得ることと、を含み、式中、Rは請求項1に定義された通りである、プロセス。
  7. 前記金属アルキル成分が、一般式:

    を有し、式中、dが、1、2、及び3から選択され、eが、1及び2から選択され、fが、0、1、2、及び3から選択されるが、但し、d及びfの両方が0になることはないことを条件とし、Rは請求項1に定義された通りであり、Mが、アルミニウム、リチウム、及びマグネシウムから選択され、Xが、Cl、Br、及びIから選択される、請求項6に記載のプロセス。
  8. Mがアルミニウムであり、eが1と等しいか又は2であり、d、e、及びfの合計が4と等しいか又は8であり、dが≠0であり、XがClである、請求項7に記載のプロセス。
  9. 前記金属アルキル成分が、RMgCl、RAlCl、RAl、RAlCl、及びRLiから選択され、Rは請求項1に定義された通りである、請求項6又は7に記載のプロセス。
  10. 反応工程b)において補助塩基も添加され、前記補助塩基が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アルミニウム、及びこれらの混合物から選択される、請求項6〜9のいずれか一項に記載のプロセス。
  11. 化合物(B)の、有機金属化学蒸着法(MOCVD)又は有機金属気相エピタキシー法(MOVPE)のための前駆体としての使用であって、前記使用は、請求項6〜10のいずれか一項に記載のプロセスによって前記化合物(B)を調製することを含む、使用。
  12. 前記化合物又は混合物(A)が、前記化合物RGaClとRGaClとの混合物であり、式中、Rは請求項1に定義された通りであり、RGaCl対RGaClの比が、モル量に基づいて10:90〜90:10である、請求項1〜10のいずれか一項に記載のプロセス。
  13. Rがメチル又はエチルである、請求項1〜10及び12のいずれか一項に記載のプロセス。
  14. Rがメチル又はエチルである、請求項11に記載の使用。
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