JP6890149B2 - 内燃機関のピストン - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関のピストンの構造に関する。
内燃機関のピストンのトップランドとシリンダとの間の間隙は、例えば下記特許文献1に示されるように、一般的に他のランドとシリンダとの間の間隙に比べて、比較的大きめの間隙に設定されている。
そのような内燃機関のピストンにおいては、トップランドとシリンダとの間に未燃焼ガスが残留しやすく、燃費性能、エミッション性能に影響を与える場合があった。
実開昭62−122153号公報(第1図〜第3図)
本発明はかかる従来技術に鑑みなされたものであって、内燃機関のピストンの側壁とシリンダとの間に残留する未燃焼ガスを低減させ、燃費性能、エミッション性能を向上させることができる内燃機関のピストンを提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、
内燃機関のシリンダ内を摺動しピストンリングを備えた内燃機関のピストンにおいて、
ピストンの上面に設けられた上面口と、前記シリンダのシリンダ内周壁と対向する前記ピストンの前記ピストンリングより上方の側壁に設けられた側部口とを連通するように貫通孔が設けられ、前記ピストンは、同ピストンの上面から一定の厚みを形成するように設けられたトップランドを有するとともに、同トップランドの下方に設けられた第1の溝部に装着された第1のピストンリングを備え、前記側部口は、前記トップランドおよび前記第1の溝部にかかる位置に設けられたことを特徴とする内燃機関のピストンである。
上記構成によれば、
内燃機関の燃焼時、膨張した燃焼ガスの一部が流入口から貫通孔を通り、側部口を出てピストンの側壁とシリンダの内周面との間に入り込むことにより、ピストンリングより上方の側壁とシリンダの内周面との間に残留する未燃焼ガスが燃焼室側に押し出され、未燃焼ガスの燃焼を促進することができ、残留未燃焼ガスを低減させ、燃費、エミッション性能を向上させることができる。
それとともに、貫通孔を通った燃焼ガスが、側部口から第1の溝部に直接送入され、効果的に第1のピストンリングを、第1の溝部の下面に押し付けることで、第1のピストンリングによるシール性を高めることができる。
本発明の好適な実施形態によれば、
前記第1のピストンリングの上面はシリンダ中心軸に向けて傾斜した傾斜面をなす。
そのため、効果的に第1のピストンリングを、シリンダ内周壁に押し付けることで、第1のピストンリングによるシール性を高めることができる。
本発明の好適な実施形態によれば、
前記シリンダの上方の燃焼室の上壁に、吸気弁および排気弁が設けられ、前記ピストンの上面の周囲には周囲凸部が形成され、周囲凸部には、前記吸気弁および排気弁を逃げる吸気弁側逃げ部および排気弁側逃げ部が、前記吸気弁および排気弁の形状に合わせて凹むように形成され、前記上面口は、前記周囲凸部のうち前記吸気弁側逃げ部および排気弁側逃げ部の間に設けられる。
そのように、貫通孔が吸気弁側逃げ部および排気弁側逃げ部の間の周囲凸部に設けられるため、ピストン上面の剛性低下を抑制できる。
本発明の好適な実施形態によれば、
前記貫通孔は、前記上面口と前記側部口を直線的に貫通し、前記ピストンの中心から径方向外側に向かって広がる向きで形成される。
そのため、貫通孔の加工が容易に行えるとともに、シリンダの中心から膨張する燃焼ガスが効率よく貫通孔に導入される。
本発明の内燃機関のピストンによれば、
内燃機関の燃焼時、膨張した燃焼ガスの一部が流入口から貫通孔を通り、側部口を出てピストンの側壁とシリンダの内周面との間に入り込むことにより、ピストンリングより上方の側壁とシリンダの内周面との間に残留する未燃焼ガスが燃焼室側に押し出され、未燃焼ガスの燃焼を促進することができ、残留未燃焼ガスを低減させ、燃費、エミッション性能を向上させることができる。
それとともに、貫通孔を通った燃焼ガスが、側部口から第1の溝部に直接送入され、効果的に第1のピストンリングを、第1の溝部の下面に押し付けることで、第1のピストンリングによるシール性を高めることができる。

本発明の一実施形態に係る内燃機関のピストンを備えた内燃機関の一例であり、内燃機関の右側面断面図である。 本発明の一実施形態に係るシリンダ中のピストンの構成と作用を、模式的に示す図1中A−A矢視に相当する断面図であり、内燃機関の圧縮行程を示す。 図2と同様の断面図であり、内燃機関の燃焼行程を示す。 図2と同様の断面図であり、内燃機関の排気行程を示す。 図2と同様の断面図であり、内燃機関の吸気行程を示す。 本実施形態によるピストンの実施例1の縦断面図であり、概ね図1中のA−A矢視に相当する。 図6中VII−VII矢視による、ピストンの頂面図である。 本実施形態の変形例によるピストンの実施例2の縦断面図であり、概ね図1中のA−A矢視に相当する。 図8中IX−IX矢視による、ピストンの頂面図である。 本実施形態によるピストンの実施例3の縦断面図であり、概ね図1中のA−A矢視に相当する。 図10中XI−XI矢視による、ピストンの頂面図である。 本実施形態の変形例によるピストンの実施例4の縦断面図であり、概ね図1中のA−A矢視に相当する。 図12中XIII−XIII矢視による、ピストンの頂面図である。
図1から図13に基づき本発明の一実施形態に係る内燃機関のピストンにつき説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る内燃機関のピストンを備えた内燃機関の一例であり、内燃機関の右側面断面図である。
図2から図5は、本発明の一実施形態に係るシリンダ中のピストンの構成と作用を、模式的に示す断面図であり、図1中A−A矢視に相当する断面を示す。
図6から図13は、本実施形態の内燃機関のピストンの実施例1〜4を示す。
本実施形態に係る内燃機関1は図示しない自動二輪車等の鞍乗型車両に搭載されるもので、図1に示すように、そのクランクケース10内の後部に変速機2を一体に備えて、いわゆるパワーユニットを構成している。
内燃機関1は、車両に搭載された状態において、図中矢印FR方向を車両前方に、矢印UP方向を車両上方に向けて、そのクランク軸11を、車両の車幅方向、すなわち左右方向に配向させて、クランクケース10に回転自在に支持して、車両に搭載された空冷単気筒のSOHC型4ストロークサイクル内燃機関である。
図示のものは、一気筒に対し吸気弁35を1つ、排気弁36を1つ備えるものを示すが、一気筒に対し吸気弁35を2つ、排気弁36を2つ備えるものの場合も、図1にて図示奥行き側に各弁が二重に配されるものとして同様に参照される。
内燃機関1は、クランクケース10から上方に向けて、シリンダ中心軸Xを鉛直よりも前傾して斜め上方に突出するシリンダ30とシリンダヘッド31を備える。シリンダ30とシリンダヘッド31は順次重ねられてクランクケース10に一体に締結され、シリンダヘッド31の上には図示しないシリンダヘッドカバーが被せられる。
クランクケース10から斜め上方に突出したシリンダ30にはピストン4が摺動可能に嵌装され、ピストンピン41によって接続したコンロッド42を介して、クランク室15内に位置するクランク軸11のクランクピン12に接続され、ピストン4の動きに応じてクランク軸11を回転駆動する。
シリンダヘッド31の下部でピストン4の上方には、燃焼室32が形成されている。燃焼室32の上壁には、吸気ポート33、排気ポート34が連なり、これらの内端を開閉する吸気弁35および排気弁36が設けられている。
ピストン4には、上方の側壁43を全周に巡って上から順に第1、第2、第3の3条の溝部44、45、46が刻設されている。溝部44、45、46に隣り合うピストン4の側壁43をランドと称するが、一番上方のピストン4の上面4aと第1溝部(本発明における「第1の溝部」)44との間の側壁43をトップランド43Aと称する。
そして、第1溝部44と第2溝部45の間の側壁43をセカンドランド43B、第2溝部45と第3溝部46の間の側壁43をサードランド43Cともいう。
トップランド43Aとシリンダ内周壁30aとの間の第1間隙47は、セカンドランド43Bとシリンダ内周壁30aとの間の第2間隙48やサードランド43Cとシリンダ内周壁30aとの間の第3間隙49と比べ、一般的に大きく設定される。
なお、本発明において、溝部の数は3条に限定されることはない。
図1の内燃機関1においては、第1溝部44には第1ピストンリング(本発明における「第1のピストンリング」)51、第2溝部45には第2ピストンリング52、第3溝部46には第3ピストンリング53が装着される。
各リング51、52、53は、円周上の1か所、合い口が切ってあり、運転状態では合い口は略閉じた状態となる。自由状態での各リンググ51、52、53の外径は、シリンダ内周壁30aの径より大きく、シリンダ30内への装着時は、自身の外側に開こうとする力でシリンダ内周壁30aに当接し、シリンダ内周壁30aへのばね性と装着性が与えられる。
一般に、第1、第2ピストンリング51、52は、コンプレッションリングとしてピストン4とシリンダ内周壁30aとの間の隙間を無くして燃焼室32からクランクケース10側へ圧縮ガスが抜けることを防ぐものであり、燃焼によりピストン4に伝えられた熱を、シリンダ30に逃がす働きもしている。
第3ピストンリング53は、シリンダ内周壁30aについている余分なエンジンオイルを書き落とし、適度な油膜を形成してピストン4の焼き付きを防止するためのものである。
なお、図1に示す内燃機関1は、本発明の「内燃機関のピストン」を説明するために、内燃機関1におけるシリンダ30とピストン4の位置付けを示すための一例であって、本発明において内燃機関自体は、図示のものに限らず、多様な種類、態様、気筒数、一気筒当たりの弁数の内燃機関であってもよい。
図2から図5は、本発明の一実施形態に係る内燃機関1のピストン4の構成を模式的に示す断面図であり、図1中A−A矢視に相当する断面を示し、併せて内燃機関1の各工程におけるシリンダ30内での作用を示す。
図2から図5に示されるように、ピストン4は内燃機関1のシリンダ30内を摺動し、ピストン4の側壁43に、上から順に全周を巡る第1溝部44、第2溝部45、第3溝部46を備えている。
第1溝部44、第2溝部45、第3溝部46には、それぞれ、第1ピストンリング51、第2ピストンリング52、第3ピストンリング53が装着されている。
第1ピストンリング51の上面51aは、シリンダ中心軸Xに向けて傾斜した傾斜面をなしている。
または、第1ピストンリング51の内周面は、下方ほどシリンダ中心軸Xに近づくように傾斜した傾斜面をなしてもよい。
ピストン4の上面4aには、上面口61が設けられ、シリンダ内周壁30aに対向する第1ピストンリング51より上方の側壁43、すなわちトップランド43Aには側部口62が設けられ、ピストン4内に上面口61と側部口62を連通する貫通孔60が設けられている。
本実施形態の変形例として、図2から図5中に2点鎖線で示すように、側部口62′が、トップランド43Aと第1溝部44にかかる位置に設けられてもよい。変形例においても側部口62′に合わせて、上面口61′と貫通孔60′が同様に設けられる。
図2は、内燃機関1の圧縮行程を示し、ピストン4はシリンダ30内を上昇し、燃焼室32の混合気が圧縮される。
上面口61から貫通孔60を通った燃料を含んだ混合気が、側部口62から噴き出して(図中矢印a)、第1ピストンリング51上に向けて流れ(図中矢印b)、第1ピストンリング51が、第1溝部44の下面に押し付けられるとともに、シリンダ中心軸Xに向けて傾斜した傾斜面をなしている第1ピストンリング51の上面51aが受ける圧力によりシリンダ内周壁30aに押し付けられ、第1ピストンリング51によるシリンダ内壁30aとのシール性を高めることができる。
そのため、圧縮漏れが抑制され、燃料を含んだ混合気がクランク室15内に溢流することが抑制される。
また、側部口62からトップランド43Aとシリンダ内周壁30aとの間の第1間隙47内に流入した混合気は、第1間隙47から溢れて上方に流れ(図中矢印c)、シリンダ30内におけるピストン4の頂部周縁40近傍の混合気の混合を向上させる。
図3は、内燃機関1の燃焼行程を示し、燃焼室32の燃焼ガスが膨張し、ピストン4はシリンダ30内を下降する。
上面口61から貫通孔60を通った燃焼ガスが、側部口62から噴き出して(図中矢印d)、第1ピストンリング51上に向けて流れ(図中矢印e)、第1ピストンリング51が、第1溝部44の下面に押し付けられるとともに、シリンダ中心軸Xに向けて傾斜した傾斜面をなしている第1ピストンリング51の上面51aが受ける圧力によりシリンダ内周壁30aに押し付けられ、第1ピストンリング51によるシリンダ内壁30aとのシール性を高めることができる。
そのため、燃焼ガス漏れが抑制され、燃焼ガスの吹き抜けが抑制され、ブローバイガス量が低減する。
また、側部口62からトップランド43Aとシリンダ内周壁30aとの間の第1間隙47内に流入した混合気は、第1間隙47中の未燃焼ガスを上方に押し出して(図中矢印f)、消炎を抑制し、未燃焼ガスの燃焼を促進することができ、残留未燃焼ガスを低減させ、燃費性能、エミッション性能を向上させることができる。
図4は、内燃機関1の排気行程を示し、ピストン4はシリンダ30内を上昇し、燃焼室32の排気ガスが排出される。
上面口61から貫通孔60を通った排気ガスが、側部口62から噴き出して(図中矢印g)、第1ピストンリング51上に向けて流れ(図中矢印h)、第1ピストンリング51が、第1溝部44の下面に押し付けられるとともに、シリンダ中心軸Xに向けて傾斜した傾斜面をなしている第1ピストンリング51の上面51aが受ける圧力によりシリンダ内周壁30aに押し付けられ、第1ピストンリング51によるシリンダ内壁30aとのシール性を高めることができる。
そのため、排気ガスがクランク室15内に流入することが抑制される。
また、側部口62からトップランド43Aとシリンダ内周壁30aとの間の第1間隙47内に流入した排気ガスは、第1間隙47から溢れて上方に流れ(図中矢印i)、シリンダ30内におけるピストン4の頂部周縁40近傍の残留排ガスを掃気する。
図5は、内燃機関1の吸気行程を示し、ピストン4はシリンダ30内を下降し、燃焼室32内に燃料を含んだ混合気が流入する。
上面口61には吸出し効果が生じて、貫通孔60内と側部口62を介してトップランド43Aとシリンダ内周壁30aとの間の第1間隙47内に負圧を生じ、第1間隙47内にはシリンダ30内から燃料を含んだ混合気が流入する(図中矢印j)とともに、混合気は側部口62から貫通孔60を通って、上面口61から燃焼室32へ噴き出す(図中矢印k)。
そのため、ピストン4の上面4aで混合気の流動が発生し、混合気の撹拌が促進され、混合気の均質度が向上する。
以上の実施形態については、上面口61、貫通孔60、側部口62を設けた場合を説明したが、それに代えて、変形例における上面口61′、貫通孔60′、側部口62′を設けた場合であっても、同様の作用効果を奏することができる。変形例の場合、圧縮行程、燃焼行程、排気行程においては、貫通孔60′を通った燃焼ガスが、側部口62′から第1溝部44に直接送入されるので、より効果的に第1ピストンリング51によるシール性を高めることができる。
図6は、本実施形態によるピストン4の実施例1の縦断面図であり、概ね図1中のA−A矢視に相当する。図7は、図6中VII−VII矢視による、ピストン4の頂面図である。
実施例1のピストン4は、ピストン4の上面4aから一定の厚みを形成するように設けられたトップランド43Aを有するとともに、トップランド43Aの下方に第1溝部44が設けられている。第1溝部44の下方には順に、セカンドランド43B、第2溝部45、サードランド43C、第3溝部45が設けられている。
ピストン4には、上面4aに設けられた上面口61と、シリンダ30のシリンダ内周壁30aと対向するピストン4の第1ピストンリング51(図2参照)より上方のトップランド43Aに設けられた側部口62とを連通するように貫通孔60が設けられている。
そのため、貫通孔60を通った燃焼ガスが側部口62から第1溝部44に達し、第1ピストンリング51を、第1溝部44の下面に押し付けるとともにシリンダ内周壁30aに押し付けることで、第1ピストンリング51によるシール性を高めることができる(図3参照)。
ピストン4は、シリンダ30の上方の燃焼室32の上壁32aに吸気弁35と排気弁36を、それぞれ1つ備えた燃焼室用のもの(図1参照)であり、ピストン4の上面4aの周囲に周囲凸部4bが形成されている。周囲凸部4bには、吸気弁35および排気弁36を逃げる1つの吸気弁側逃げ部37および1つの排気弁側逃げ部38が、吸気弁35および排気弁36の形状に合わせて凹むように形成されている。
貫通孔60は、上面口61と側部口62を直線的に貫通し、ピストン4の中心4cから径方向外側に向かって広がる向きで形成されている。
そのため、貫通孔61の加工が容易に行えるとともに、シリンダ30の中心Xから膨張する燃焼ガスが効率よく貫通孔61に導入される。
図8は、本実施形態の変形例によるピストン4の実施例2の縦断面図であり、概ね図1中のA−A矢視に相当する。図9は、図8中IX−IX矢視による、ピストン4の頂面図である。
実施例2のピストン4は、ピストン4の上面4aから一定の厚みを形成するように設けられたトップランド43Aを有するとともに、トップランド43Aの下方に第1溝部44が設けられている。第1溝部44の下方には順に、セカンドランド43B、第2溝部45、サードランド43C、第3溝部46が設けられている。
ピストン4には、上面4aに設けられた上面口61′と、シリンダ30のシリンダ内周壁30aと対向するピストン4の第1ピストンリング51(図2参照)より上方のトップランド43Aと第1溝部44とにかかって設けられた側部口62′とを連通するように貫通孔60′が設けられている。
そのため、貫通孔60′を通った燃焼ガスが、側部口62′から第1溝部44に直接送入され、効果的に第1ピストンリング51を、第1溝部44の下面に押し付けるとともにシリンダ内周壁30aに押し付けることで、第1ピストンリング51によるシール性を高めることができる(図3参照)。
ピストン4は、シリンダ30の上方の燃焼室32の上壁32aに吸気弁35と排気弁36を、それぞれ1つ備えた燃焼室用のもの(図1参照)であり、ピストン4の上面4aの周囲に周囲凸部4bが形成されている。周囲凸部4bには、吸気弁35および排気弁36を逃げる1つの吸気弁側逃げ部37および1つの排気弁側逃げ部38が、吸気弁35および排気弁36の形状に合わせて凹むように形成されている。
貫通孔60′は、上面口61′と側部口62′を直線的に貫通し、ピストン4の中心4cから径方向外側に向かって広がる向きで形成されている。
そのため、貫通孔60′の加工が容易に行えるとともに、シリンダ30の中心Xから膨張する燃焼ガスが効率よく貫通孔60′に導入される。
図10は、本実施形態によるピストン4の実施例3の縦断面図であり、概ね図1中のA−A矢視に相当する。図11は、図10中XI−XI矢視による、ピストン4の頂面図である。
実施例3のピストン4は、ピストン4の上面4aから一定の厚みを形成するように設けられたトップランド43Aを有するとともに、トップランド43Aの下方に第1溝部44が設けられている。第1溝部44の下方には順に、セカンドランド43B、第2溝部45、サードランド43C、第3溝部46が設けられている。
ピストン4には、上面4aに設けられた上面口61と、シリンダ30のシリンダ内周壁30aと対向するピストン4の第1ピストンリング51(図2参照)より上方のトップランド43Aに設けられた側部口62とを連通するように貫通孔60が設けられている。
そのため、貫通孔60を通った燃焼ガスが側部口62から第1溝部44に達し、第1ピストンリング51を、第1溝部44の下面に押し付けるとともにシリンダ内周壁30aに押し付けることで、第1ピストンリング51によるシール性を高めることができる(図3参照)。
ピストン4は、シリンダ30の上方の燃焼室32の上壁32aに吸気弁35と排気弁36を、それぞれ2つ備えた燃焼室32用のもの(図1参照)であり、ピストン4の上面4aの周囲に周囲凸部4bが形成されている。周囲凸部4bには、2つの吸気弁35および2つの排気弁36を逃げる2つの吸気弁側逃げ部37および2つの排気弁側逃げ部38が、吸気弁35および排気弁36の形状に合わせて凹むように形成されている。
上面口61は、周囲凸部4bのうち吸気弁側逃げ部37および排気弁側逃げ部38の間にその凹みを避けて設けられているか、または周囲凸部4bのうち2つの吸気弁側逃げ部37または2つの排気弁側逃げ部38の間に、その凹みを避けて設けられており、ピストン4の上面4aの剛性低下が抑制されている。
貫通孔60は、上面口61と側部口62を直線的に貫通し、ピストン4の中心4cから径方向外側に向かって広がる向きで形成されている。
そのため、貫通孔60の加工が容易に行えるとともに、シリンダ30の中心Xから膨張する燃焼ガスが効率よく貫通孔60に導入される。
図12は、本実施形態の変形例によるピストン4の実施例4の縦断面図であり、概ね図1中のA−A矢視に相当する。図13は、図12中XIII−XIII矢視による、ピストン4の頂面図である。
実施例4のピストン4は、ピストン4の上面4aから一定の厚みを形成するように設けられたトップランド43Aを有するとともに、トップランド43Aの下方に第1溝部44が設けられている。第1溝部44の下方には順に、セカンドランド43B、第2溝部45、サードランド43C、第3溝部46が設けられている。
ピストン4には、上面4aに設けられた上面口61′と、シリンダ30のシリンダ内周壁30aと対向するピストン4の第1ピストンリング51(図2参照)より上方のトップランド43Aと第1溝部44とにかかって設けられた側部口62′とを連通するように貫通孔60′が設けられている。
そのため、貫通孔60′を通った燃焼ガスが、側部口62′から第1溝部44に直接送入され、効果的に第1ピストンリング51を、第1溝部44の下面に押し付けるとともにシリンダ内周壁30aに押し付けることで、第1ピストンリング51によるシール性を高めることができる(図3参照)。
ピストン4は、シリンダ30の上方の燃焼室32の上壁32aに吸気弁35と排気弁36を、それぞれ2つ備えた燃焼室32用のもの(図1参照)であり、ピストン4の上面4aの周囲に周囲凸部4bが形成されている。周囲凸部4bには、2つの吸気弁35および2つの排気弁36を逃げる2つの吸気弁側逃げ部37および2つの排気弁側逃げ部38が、吸気弁35および排気弁36の形状に合わせて凹むように形成されている。
上面口61′は、周囲凸部4bのうち吸気弁側逃げ部37および排気弁側逃げ部38の間にその凹みを避けて設けられているか、または周囲凸部4bのうち2つの吸気弁側逃げ部37または2つの排気弁側逃げ部38の間に、その凹みを避けて設けられており、ピストン4の上面4aの剛性低下が抑制されている。
貫通孔60′は、上面口61′と側部口62′を直線的に貫通し、ピストン4の中心4cから径方向外側に向かって広がる向きで形成されている。
そのため、貫通孔60′の加工が容易に行えるとともに、シリンダ30の中心から膨張する燃焼ガスが効率よく貫通孔60′に導入される。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲でその他種々の変更が可能である。
1…内燃機関、4…ピストン、4a…上面、4b…周囲凸部、4c…中心、10…クランクケース、11…クランク軸、15…クランク室、30…シリンダ、30a…シリンダ内周壁、31…シリンダヘッド、32…燃焼室、32a…上壁、33…吸気ポート、34…排気ポート、35…吸気弁、36…排気弁、37…吸気弁側逃げ部、38…排気弁側逃げ部、40…頂部周縁、41…ピストンピン、43…側壁、43A…トップランド、43B…セカンドランド、43C…サードランド、44…第1溝部(本発明における「第1の溝部」)、45…第2溝部、46…第3溝部、47…第1間隙、48…第2間隙、49…第3間隙、51…第1ピストンリング(本発明における「第1のピストンリング」)、51a…上面、52…第2ピストンリング、53…第3ピストンリング、51…第1ピストンリング(本発明における「第1のピストンリング」)、51a…上面、52…第2ピストンリング、53…第3ピストンリング、60、60′…貫通孔、61、61′…上面口、62、62′…側部口、X…シリンダ中心軸、(シリンダ30の)中心

Claims (4)

  1. 内燃機関(1)のシリンダ(30)内を摺動しピストンリング(51)を備えた内燃機関のピストンにおいて、
    ピストン(4)の上面(4a)に設けられた上面口(61′)と、前記シリンダ(30)のシリンダ内周壁(30a)と対向する前記ピストン(4)の前記ピストンリング(51)より上方の側壁(43A)に設けられた側部口(62′)とを連通するように貫通孔(60′)が設けられ、
    前記ピストン(4)は、同ピストン(4)の上面(4a)から一定の厚みを形成するように設けられたトップランド(43A)を有するとともに、同トップランド(43A)の下方に設けられた第1の溝部(44)に装着された第1のピストンリング(51)を備え、
    前記側部口(62′)は、前記トップランド(43A)および前記第1の溝部(44)にかかる位置に設けられたことを特徴とする内燃機関のピストン。
  2. 前記第1のピストンリング(51)の上面(51a)はシリンダ中心軸(X)に向けて傾斜した傾斜面をなすことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のピストン。
  3. 前記シリンダ(30)の上方の燃焼室(32)の上壁(32a)に、吸気弁(35)および排気弁(36)が設けられ、
    前記ピストン(4)の上面(4a)の周囲には周囲凸部(4b)が形成され、
    周囲凸部(4b)には、前記吸気弁(35)および排気弁(36)を逃げる吸気弁側逃げ部(37)および排気弁側逃げ部(38)が、前記吸気弁(35)および排気弁(36)の形状に合わせて凹むように形成され、
    前記上面口(61′)は、前記周囲凸部(4b)のうち前記吸気弁側逃げ部(37)および排気弁側逃げ部(38)の間に設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関のピストン。
  4. 前記貫通孔(60′)は、前記上面口(61′)と前記側部口(62′)を直線的に貫通し、
    前記ピストン(4)の中心(4c)から径方向外側に向かって広がる向きで形成されたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の内燃機関のピストン。
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