JP2024004937A - 内燃機関のピストン - Google Patents
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Abstract
【課題】クーリングチャネル内の水によって効率よく冷却できる内燃機関のピストンを提供する。
【解決手段】内燃機関のピストンは、内燃機関の燃焼室14に面する冠部13を備える。冠部13の内部にはクーリングチャネル22、第1通路23、及び第2通路24が形成されている。第1通路23は、冠部13の外周面からクーリングチャネル22まで延び、そのクーリングチャネル22内で開口する。第2通路24は、クーリングチャネル22内で開口するとともに内燃機関のクランク室15に繋がっている。第2通路24は、クーリングチャネル22に接続される入口24aと、クランク室15に繋がる出口24bと、を有している。第2通路24の入口24aと出口24bとの少なくとも一方は、クーリングチャネル22に対する第1通路23の開口よりも上にあるものとされる。
【選択図】図3
【解決手段】内燃機関のピストンは、内燃機関の燃焼室14に面する冠部13を備える。冠部13の内部にはクーリングチャネル22、第1通路23、及び第2通路24が形成されている。第1通路23は、冠部13の外周面からクーリングチャネル22まで延び、そのクーリングチャネル22内で開口する。第2通路24は、クーリングチャネル22内で開口するとともに内燃機関のクランク室15に繋がっている。第2通路24は、クーリングチャネル22に接続される入口24aと、クランク室15に繋がる出口24bと、を有している。第2通路24の入口24aと出口24bとの少なくとも一方は、クーリングチャネル22に対する第1通路23の開口よりも上にあるものとされる。
【選択図】図3
Description
本発明は、内燃機関のピストンに関する。
特許文献1に示されるように、内燃機関のピストンは、燃焼室に面する冠部を備えている。内燃機関の駆動時には、ピストンがシリンダ内で往復動することに伴い、内燃機関の吸気行程、圧縮行程、膨張行程、及び排気行程が繰り返される。
ピストンにおける冠部の外周面には、リング溝が周方向に延びるように形成されている。リング溝にはピストンリングが収容されている。このピストンリングは、内燃機関の燃焼室とクランク室との間をシールするために、内燃機関におけるシリンダの内周面と接している。冠部の内部には、クーリングチャネルが形成されている。このクーリングチャネルには、ピストンを冷却するための流体が流し込まれる。
ピストンの冠部には、第1通路が形成されている。第1通路は、冠部の外周面からクーリングチャネルまで延び、そのクーリングチャネル内で開口している。冠部には、クーリングチャネルを内燃機関のクランク室に対し開口させる開口部が形成されている。この開口部の内部は第2通路となっている。第2通路は、クーリングチャネル内で開口するとともに、内燃機関のクランク室に繋がっている。
内燃機関は、クランク室からピストンの冠部に向けてオイルを吐出するオイルジェットを備えている。オイルジェットから吐出されたオイルは、冠部の第2通路を介してクーリングチャネルに流し込まれることによってピストンを冷却する。更に、クーリングチャネル内のオイルは、第1通路を介して冠部の外周面とシリンダの内周面との間に供給される。このオイルによってピストンリングとシリンダの内周面との間の潤滑が行われる。
ところで、内燃機関の燃料には、水素など燃焼時に多くの水が生成されるものがある。こうした燃料を用いる場合、燃焼室内での燃料の燃焼に伴って生成される水を、ピストンの冷却に利用することが考えられる。詳しくは、オイルジェットによる第2通路を介してのクーリングチャネルへのオイルの供給をやめることにより、燃焼室内での燃料の燃焼時に生成された水が、ピストンの往復動の際に第1通路を介してクーリングチャネルに流し込まれるようにする。
しかし、特許文献1のピストンでは、第1通路からクーリングチャネルに流し込まれた水は、冠部における第2通路の形成位置によっては、すぐに第2通路からクランク室に流れ出すことになる。このため、クーリングチャネル内に上記水を保持することが難しくなる。その結果、クーリングチャネル内の水によってピストンを効率よく冷却することができなくなる。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する内燃機関のピストンは、内燃機関の燃焼室に面する冠部を備える。冠部の内部にはクーリングチャネル、第1通路、及び第2通路が形成されている。第1通路は、冠部の外周面からクーリングチャネルまで延び、そのクーリングチャネルに対して開口する。第2通路は、クーリングチャネルに対して開口するとともに内燃機関のクランク室に対して開口している。上記第2通路は、クーリングチャネルに開口する入口と、クランク室に開口する出口とを有している。上記第2通路の入口と出口との少なくとも一方は、クーリングチャネルに対する第1通路の開口よりも上にあるものとされる。
上記課題を解決する内燃機関のピストンは、内燃機関の燃焼室に面する冠部を備える。冠部の内部にはクーリングチャネル、第1通路、及び第2通路が形成されている。第1通路は、冠部の外周面からクーリングチャネルまで延び、そのクーリングチャネルに対して開口する。第2通路は、クーリングチャネルに対して開口するとともに内燃機関のクランク室に対して開口している。上記第2通路は、クーリングチャネルに開口する入口と、クランク室に開口する出口とを有している。上記第2通路の入口と出口との少なくとも一方は、クーリングチャネルに対する第1通路の開口よりも上にあるものとされる。
上記構成によれば、燃焼室内での燃料の燃焼に伴って生成される水が、第1通路を介してクーリングチャネルに流し込まれる。第2通路の入口と出口との少なくとも一方がクーリングチャネルに対する第1通路の開口よりも上にあるため、クーリングチャネル内に流し込まれた水が、すぐに第2通路を介して内燃機関のクランク室に流れ出すことは抑制される。このため、その水をクーリングチャネル内に保持することができる。水はオイルよりも比熱が大きいため、ピストンを上記水によって効率よく冷却することができる。
上記内燃機関としては、クランク室からピストンの冠部に向けてオイルを吐出するオイルジェットを備えるものがある。そして、上記内燃機関のピストンにおいて、第2通路における出口の上記クランク室に対する開口方向は、オイルジェットからのオイルの吐出方向とは対向しない方向とすることが考えられる。
上記構成によれば、オイルジェットから吐出されたオイルが第2通路を介してクーリングチャネルに入り込むことを抑制できる。このため、クーリングチャネル内に入り込んだオイルにより、クーリングチャネル内の水が第2通路を介してクランク室に流されることを抑制できる。クーリングチャネル内に入り込んだオイルによりクーリングチャネル内の水がクランク室に流されると、クーリングチャネル内には上記オイルが溜まる。オイルは水よりも比熱が小さいため、クーリングチャネル内に上記オイルが溜まると、ピストンの冷却性能が低下する。こうしたことを抑制できる。
上記内燃機関のピストンにおいて、前記第2通路における前記出口の前記クランク室に対する開口方向は、オイルジェットからのオイルの吐出方向に対し垂直になる方向とすることが考えられる。
この構成によれば、第2通路における出口のクランク室に対する開口方向がオイルジェットからのオイルの吐出方向に対し垂直になるため、そのオイルが第2通路を介してクーグリンチャネルに入り込むことを効果的に抑制できる。
上記内燃機関としては、クランク室からピストンの冠部に向けてオイルを吐出するオイルジェットを備えるものがある。そして、上記内燃機関のピストンにおいて、冠部におけるクーリングチャネルに対応する位置に、オイルジェットから吐出されたオイルが当たるようにすることが考えられる。
この構成によれば、冠部におけるクーリングチャネルに対応する位置に対しオイルジェットから吐出されたオイルが当たると、クーリングチャネル内の水が上記オイルによって冷却される。これにより、ピストンをクーリングチャネル内の水によって効果的に冷却することができる。このため、ピストンの冷却に必要な上記水の冷却を実現するに当たり、オイルジェットから吐出するオイルの量を少なく抑えることができる。その結果、オイルジェットからオイルを吐出するための内燃機関のエネルギ損失を小さく抑えることができ、オイルジェットからのオイルの吐出に伴う内燃機関の燃費悪化を抑制することができる。
上記内燃機関のピストンにおいて、冠部の外周面には燃焼室側からクランク室側に向けて複数のリング溝が間隔をおいて形成されており、複数のリング溝にはそれぞれ内燃機関におけるシリンダの内周面に接するピストンリングが収容されている。上記第1通路は、冠部の外周面とシリンダの内周面との間であって、燃焼室に最も近いピストンリングと同ピストンリングの隣に位置するピストンリングとの間の箇所で開口するものとすることが考えられる。
内燃機関における燃焼室内のガスが、冠部の外周面とシリンダの内周面との間であって、燃焼室に最も近いピストンリングと同ピストンリングの隣のピストンリングとの間の箇所に漏れると、その箇所の圧力が上昇するおそれがある。この場合、上記箇所の圧力が燃焼室内の圧力に近づくことにより、燃焼室に最も近いピストンリングに作用する上記圧力の差に基づく力が小さくなる。その結果、上記力によってリング溝の内壁に押さえ付けられる上記ピストンリングがリング溝内で動きやすくなるため、リング溝内における上記ピストンリングの姿勢が不安定になる。このようにピストンリングの姿勢が不安定になることによって、ピストンリング及びシリンダの内周面の摩耗したり、燃焼室からクランク室内に流れるブローバイガスの量が多くなったりする。
しかし、上記構成によれば、第1通路が上記箇所で開口しているため、第1通路の分、上記箇所の容積が拡大する。これにより、燃焼室内のガスが上記箇所に漏れたとしても、その箇所の圧力が上昇しにくくなるため、上記箇所の圧力が燃焼室内の圧力に近づきにくくなる。その結果、燃焼室に最も近いピストンリングに作用する上記圧力の差に基づく力が小さくなることを抑制でき、上記力が小さくなることによってリング溝内における上記ピストンリングの姿勢が不安定になることを抑制できる。従って、ピストンリングの姿勢が不安定になることに伴い、ピストンリング及びシリンダの内周面の摩耗したり、燃焼室からクランク室内に流れるブローバイガスの量が多くなったりすることを抑制できる。
以下、内燃機関のピストンの一実施形態について、図1~図4を参照して説明する。
図1に示すように、内燃機関のピストン11は、内燃機関のシリンダ12内に配置されている。ピストン11は冠部13を備えている。冠部13は内燃機関の燃焼室14に面している。内燃機関は、燃焼室14内での燃料の燃焼によって駆動される。内燃機関の燃料としては、燃焼時に多くの水が生成されるもの、例えば水素が用いられる。内燃機関の駆動時には、ピストン11が内燃機関のシリンダ12内で往復動する。こうしたピストン11の往復動に伴い、内燃機関の吸気行程、圧縮行程、膨張行程、及び排気行程が繰り返される。内燃機関のクランク室15には、クランク室15側からピストン11の冠部13に向けて、矢印で示すようにオイルを吐出するオイルジェット26が設けられている。
図1に示すように、内燃機関のピストン11は、内燃機関のシリンダ12内に配置されている。ピストン11は冠部13を備えている。冠部13は内燃機関の燃焼室14に面している。内燃機関は、燃焼室14内での燃料の燃焼によって駆動される。内燃機関の燃料としては、燃焼時に多くの水が生成されるもの、例えば水素が用いられる。内燃機関の駆動時には、ピストン11が内燃機関のシリンダ12内で往復動する。こうしたピストン11の往復動に伴い、内燃機関の吸気行程、圧縮行程、膨張行程、及び排気行程が繰り返される。内燃機関のクランク室15には、クランク室15側からピストン11の冠部13に向けて、矢印で示すようにオイルを吐出するオイルジェット26が設けられている。
図2は、ピストン11の温度とピストン11の強度との関係を示している。図2から分かるように、ピストン11の温度が低くなるほどピストン11の強度が高くなる。例えば水素を燃料とした内燃機関では燃焼室14内での燃料の異常燃焼が生じやすいことから、その異常燃焼時におけるピストン11の耐久性を向上させることが望まれている。そして、燃料の異常燃焼時におけるピストン11の耐久性を向上させるため、ピストン11の温度を低く保つことによってピストン11の強度を高めることが考えられている。
<ピストン11を冷却するための構造>
図3は、図1のピストン11における一点鎖線で囲んだ箇所の断面を拡大して示している。図3から分かるように、ピストン11の冠部13の外周面には、燃焼室14側からクランク室15側に向けて複数のリング溝16~18が間隔をおいて形成されている。リング溝16にはトップリング19が収容されており、リング溝17にはセカンドリング20が収容されており、リング溝18にはオイルリング21が収容されている。トップリング19、セカンドリング20、及びオイルリング21は、内燃機関におけるシリンダ12の内周面に接するピストンリングとして機能する。これらピストンリングは、燃焼室14側からクランク室15に向けて、トップリング19、セカンドリング20、オイルリング21の順に位置している。
図3は、図1のピストン11における一点鎖線で囲んだ箇所の断面を拡大して示している。図3から分かるように、ピストン11の冠部13の外周面には、燃焼室14側からクランク室15側に向けて複数のリング溝16~18が間隔をおいて形成されている。リング溝16にはトップリング19が収容されており、リング溝17にはセカンドリング20が収容されており、リング溝18にはオイルリング21が収容されている。トップリング19、セカンドリング20、及びオイルリング21は、内燃機関におけるシリンダ12の内周面に接するピストンリングとして機能する。これらピストンリングは、燃焼室14側からクランク室15に向けて、トップリング19、セカンドリング20、オイルリング21の順に位置している。
ピストン11の冠部13の内部には、クーリングチャネル22、第1通路23、及び第2通路24が形成されている。クーリングチャネル22は、ピストン11の中心線周りに円環状に延びる空間であり、ピストン11を冷却するための流体が流し込まれるものである。冠部13におけるクーリングチャネル22に対応する位置には、オイルジェット26(図1)から吐出されたオイルが当たる。
第1通路23は、冠部13の外周面からクーリングチャネル22まで延び、そのクーリングチャネル22内で開口している。詳しくは、第1通路23は、リング溝17内におけるトップリング19寄りの位置で開口している。これにより、第1通路23は、冠部13の外周面とシリンダ12の内周面との間であって、燃焼室14に最も近いピストンリングであるトップリング19と、同トップリング19の隣に位置するピストンリングであるセカンドリング20との間の箇所で開口する。
第2通路24は、クーリングチャネル22内で開口するとともにクランク室15に繋がっている。第2通路24は、クーリングチャネル22に接続される入口24aと、クランク室15に繋がる出口24bとを有している。そして、第2通路24の入口24aと出口24bとの少なくとも一方が、クーリングチャネル22に対する第1通路23の開口よりも上、すなわち燃焼室14寄りに位置している。この例では、第2通路24の入口24aと出口24bとの両方が、第1通路23の開口よりも上に位置している。
第2通路24における出口24bのクランク室15に対する開口方向は、オイルジェット26からのオイルの吐出方向、すなわち図1の矢印方向とは対向しない方向とされている。より詳しくは、第2通路24における出口24bのクランク室15に対する開口方向は、オイルジェット26からのオイルの吐出方向に対し垂直になる方向とされている。
内燃機関の駆動時には、燃焼室14での燃料の燃焼に伴って水が生成される。こうして生成された水は水蒸気となっている。この水蒸気は、ピストン11が往復動する際、トップリング19とシリンダ12の内周面との間を介して、ピストン11における冠部13の外周面とシリンダ12の内周面との間であってトップリング19とセカンドリング20との間の箇所に入り込む。
また、燃焼室14内の上記水蒸気は、トップリング19とリング溝16との隅間を介して、上記箇所に入り込むようにもなる。上記箇所に入り込んだ水蒸気は、第1通路23を介してクーリングチャネル22に流し込まれる。クーリングチャネル22内では上記水蒸気が水となって溜まる。この水によってピストン11が冷却される。クーリングチャネル22内の水については、第2通路24を介して、内燃機関のクランク室15に排出することが可能である。このため、クーリングチャネル22内に溜まった水が過多になることはない。
次に、本実施形態における内燃機関のピストンの作用効果について説明する。
(1)ピストン11の冠部13における第2通路24の入口24aと出口24bとの両方がクーリングチャネル22に対する第1通路23の開口よりも上にある。このため、クーリングチャネル22内に流し込まれた水が、すぐに第2通路24を介して内燃機関のクランク室15に流れ出すことは抑制される。このようにクーリングチャネル22内に溜まった水は第2通路24を介してクランク室15に流れにくくなるため、その水をクーリングチャネル22内に保持することができる。水はオイルよりも比熱が大きいため、ピストン11を上記水によって効率よく冷却することができる。
(1)ピストン11の冠部13における第2通路24の入口24aと出口24bとの両方がクーリングチャネル22に対する第1通路23の開口よりも上にある。このため、クーリングチャネル22内に流し込まれた水が、すぐに第2通路24を介して内燃機関のクランク室15に流れ出すことは抑制される。このようにクーリングチャネル22内に溜まった水は第2通路24を介してクランク室15に流れにくくなるため、その水をクーリングチャネル22内に保持することができる。水はオイルよりも比熱が大きいため、ピストン11を上記水によって効率よく冷却することができる。
(2)第2通路24における出口24bのクランク室15に対する開口方向は、オイルジェット26からのオイルの吐出方向とは対向しない方向、より詳しくはオイルの吐出方向に対し垂直になる方向とされている。これにより、オイルジェット26から吐出されたオイルが第2通路24を介してクーリングチャネル22に入り込むことを抑制できる。従って、クーリングチャネル22内に入り込んだオイルにより、クーリングチャネル22内の水が第2通路24を介してクランク室15に流されることを抑制できる。クーリングチャネル22内に入り込んだオイルによりクーリングチャネル22内の水がクランク室15に流されると、クーリングチャネル22内には上記オイルが溜まる。オイルは水よりも比熱が小さいため、クーリングチャネル22内に上記オイルが溜まると、ピストン11の冷却性能が低下する。こうしたことを抑制できる。
(3)ピストン11の冠部13におけるクーリングチャネル22に対応する位置には、オイルジェット26から吐出されたオイルが当たる。そして、第1通路23からクーリングチャネル22内に流れた水蒸気が上記オイルによって冷却されて効率よく水になる。更に、クーリングチャネル22内の水が上記オイルによって冷却される。これにより、ピストン11をクーリングチャネル22内の水によって効果的に冷却することができる。このため、ピストン11の冷却に必要な上記水の冷却を実現するに当たり、オイルジェット26から吐出するオイルの量を少なく抑えることができる。その結果、オイルジェット26からオイルを吐出するための内燃機関のエネルギ損失を小さく抑えることができ、オイルジェット26からのオイルの吐出に伴う内燃機関の燃費悪化を抑制することができる。
(4)内燃機関における燃焼室14内のガスが、ピストン11における冠部13の外周面とシリンダ12の内周面との間であって、トップリング19とセカンドリング20との間の箇所に漏れると、その箇所の圧力が上昇するおそれがある。この場合、上記箇所の圧力が燃焼室14内の圧力に近づくことにより、トップリング19に作用する上記圧力の差に基づく力が小さくなる。その結果、上記力によってリング溝16の内壁に押さえ付けられるトップリング19がリング溝16内で動きやすくなるため、リング溝16内におけるトップリング19の姿勢が図4に示すように不安定になる。このようにトップリング19の姿勢が不安定になることによって、トップリング19及びシリンダ12の内周面の摩耗したり、燃焼室14からクランク室15内に流れるブローバイガスの量が多くなったりする。
しかし、ピストン11の冠部13に形成された第1通路23は、ピストン11における冠部13の外周面とシリンダ12の内周面との間であって、トップリング19とセカンドリング20との間の箇所で開口している。このため、第1通路23の分、上記箇所の容積が拡大する。これにより、燃焼室14内のガスが上記箇所に漏れたとしても、その箇所の圧力が上昇しにくくなるため、上記箇所の圧力が燃焼室14内の圧力に近づきにくくなる。その結果、トップリング19に作用する上記圧力の差に基づく力が小さくなることを抑制でき、上記力が小さくなることによってリング溝16内におけるトップリング19の姿勢が不安定になることを抑制できる。従って、トップリング19の姿勢が不安定になることに伴い、トップリング19及びシリンダ12の内周面の摩耗したり、燃焼室14からクランク室15内に流れるブローバイガスの量が多くなったりすることを抑制できる。
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・図5に示すように、第1通路23は、ピストン11の中心線の延びる方向においてリング溝17内の中央で開口していてもよい。これにより、第1通路23は、冠部13の外周面とシリンダ12の内周面との間であって、燃焼室14に最も近いピストンリングであるトップリング19と、同トップリング19の隣に位置するピストンリングであるセカンドリング20との間の箇所で開口する。
・図5に示すように、第1通路23は、ピストン11の中心線の延びる方向においてリング溝17内の中央で開口していてもよい。これにより、第1通路23は、冠部13の外周面とシリンダ12の内周面との間であって、燃焼室14に最も近いピストンリングであるトップリング19と、同トップリング19の隣に位置するピストンリングであるセカンドリング20との間の箇所で開口する。
・図6に示すように、第1通路23は、冠部13の外周面におけるリング溝16とリング溝17との間の箇所で開口していてもよい。これにより、第1通路23は、冠部13の外周面とシリンダ12の内周面との間であって、燃焼室14に最も近いピストンリングであるトップリング19と、同トップリング19の隣に位置するピストンリングであるセカンドリング20との間の箇所で開口する。
・必ずしもピストン11の冠部13におけるクーリングチャネル22に対応する位置に、オイルジェット26から吐出されたオイルが当たるようにする必要はない。
・第2通路24における出口24bのクランク室15に対する開口方向は、必ずしもオイルジェット26からのオイルの吐出方向に対し垂直になる方向である必要はない。
・第2通路24における出口24bのクランク室15に対する開口方向は、必ずしもオイルジェット26からのオイルの吐出方向に対し垂直になる方向である必要はない。
・第2通路24の入口24aと出口24bとのうち、入口24aのみがクーリングチャネル22に対する第1通路23の開口よりも上にあるようにしてもよい。
・第2通路24の入口24aと出口24bとのうち、出口24bのみがクーリングチャネル22に対する第1通路23の開口よりも上にあるようにしてもよい。
・第2通路24の入口24aと出口24bとのうち、出口24bのみがクーリングチャネル22に対する第1通路23の開口よりも上にあるようにしてもよい。
・内燃機関の燃料として水素を例示したが、燃料の燃焼時に多くの水が生成される他の燃料を用いてもよい。
11…ピストン
12…シリンダ
13…冠部
14…燃焼室
15…クランク室
16…リング溝
17…リング溝
18…リング溝
19…トップリング
20…セカンドリング
21…オイルリング
22…クーリングチャネル
23…第1通路
24…第2通路
24a…入口
24b…出口
26…オイルジェット
12…シリンダ
13…冠部
14…燃焼室
15…クランク室
16…リング溝
17…リング溝
18…リング溝
19…トップリング
20…セカンドリング
21…オイルリング
22…クーリングチャネル
23…第1通路
24…第2通路
24a…入口
24b…出口
26…オイルジェット
Claims (5)
- 内燃機関の燃焼室に面する冠部を備え、
前記冠部の内部にはクーリングチャネル、第1通路、及び第2通路が形成されており、
前記第1通路は、前記冠部の外周面から前記クーリングチャネルまで延び、そのクーリングチャネルに対して開口し、
前記第2通路は、前記クーリングチャネルに対して開口するとともに内燃機関のクランク室に対して開口している内燃機関のピストンにおいて、
前記第2通路は、前記クーリングチャネルに開口する入口と、前記クランク室に開口する出口とを有しており、
前記第2通路の入口と出口との少なくとも一方が、前記クーリングチャネルに対する前記第1通路の開口よりも上にある内燃機関のピストン。 - 前記内燃機関は、前記クランク室から前記冠部に向けてオイルを吐出するオイルジェットを備えており、
前記第2通路における前記出口の前記クランク室に対する開口方向は、前記オイルジェットからのオイルの吐出方向とは対向しない方向とされている請求項1に記載の内燃機関のピストン。 - 前記第2通路における前記出口の前記クランク室に対する開口方向は、前記オイルジェットからのオイルの吐出方向に対し垂直になる方向とされている請求項2に記載の内燃機関のピストン。
- 前記内燃機関は、前記クランク室から前記冠部に向けてオイルを吐出するオイルジェットを備えており、
前記冠部における前記クーリングチャネルに対応する位置に、前記オイルジェットから吐出されたオイルが当たる請求項1に記載の内燃機関のピストン。 - 前記冠部の外周面には前記燃焼室側から前記クランク室側に向けて複数のリング溝が間隔をおいて形成されており、
複数の前記リング溝にはそれぞれ内燃機関におけるシリンダの内周面に接するピストンリングが収容されており、
前記第1通路は、前記冠部の外周面と前記シリンダの内周面との間であって、前記燃焼室に最も近いピストンリングと同ピストンリングの隣に位置するピストンリングとの間の箇所で開口するものである請求項1~4のいずれか一項に記載の内燃機関のピストン。
Priority Applications (1)
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JP2022104847A JP2024004937A (ja) | 2022-06-29 | 2022-06-29 | 内燃機関のピストン |
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-
2022
- 2022-06-29 JP JP2022104847A patent/JP2024004937A/ja active Pending
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Legal Events
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A621 | Written request for application examination |
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