本発明の実施形態に係る消火器誘導システム1は、図1等で示すように、たとえば、住宅用火災警報器等の火災報知器3と消火器5とが設置されている設置体7で使用されるものであり、火災報知器用アダプタ(送信アダプタ)9と、消火器用アダプタ(受信アダプタ)11とを備えて構成される。
設置体7として、飲食店等の業務用の建屋を含む住宅等の建屋の部屋13の天井15や床17や壁等が掲げられる。以下、住宅用火災警報器3が部屋13の天井15に設置され、消火器5が部屋13の床17の上に設置される場合を例に掲げて説明する。
火災報知器用アダプタ9は、図示しない受信部と、第1の無線通信部(無線送信部)とを備えて構成される。受信部は、住宅用火災警報器3等から増設ブザーやフラッシュライト等の外部接続機器に接続する移報接点を接続する。移報接点の状態(一般には開放か短絡)は、住宅用火災報知器3の火災感知の動作状態(火災を感知したか否か)を表し、動作状態を受信部は受信する。
火災報知器用アダプタ9は、図3等で示すように、住宅用火災警報器3とともに建屋の部屋13の天井15に、ネジ29等の固定具を用いて一体的に設置される。
また、火災報知器用アダプタ9では、住宅用火災警報器3が発する移報信号を、受信部を介して有線で受け取ったときに、第1の無線通信部が火災信号(火災を検知した旨の無線信号)を発するように構成される。
なお、火災報知器3として、住宅用火災警報器に代えて、図2に示す自動火災報知設備を採用してもよい。火災感知器と自動火災報知設備は接続され、自動火災報知設備の移報接点を火災報知器用アダプタ9の受信部に接続してもよい。火災感知器が火災を感知した場合は、自動火災報知設備は火災と判断して移報接点を動作させる。移報接点の動作を火災報知器用アダプタ9の受信部で受信する。住宅用火災警報器3は、たとえば、電池で駆動し、自動火災報知設備は、たとえば、家庭用電源の100VのAC電源で駆動する。
住宅用火災警報器や自動火災報知設備等の火災報知器3は、移報接点を備えており、様々なメーカから販売されている。火災報知器3の移報接点と火災報知器用アダプタ9の受信部とがお互いに有線接続される。
消火器用アダプタ11は、一例として図5(a)で示すように、出力部19と、第2の無線通信部(無線受信部)21とを備えて構成される。消火器用アダプタ11は、火災報知器用アダプタ9から離れて、消火器5に設置される。
また、消火器用アダプタ11は、火災報知器用アダプタ9の第1の無線通信部が発した火災信号を第2の無線通信部21が受信したときに、出力部19から、信号(消火器位置表示信号)を発するように構成される。消火器位置表示信号は、消火器5の設置場所を消火器5の近くにいる人に知らせるために、消火器5の近くにいる人が認識できる音、光の少なくともいずれかによって生成される。なお、第1の無線通信部と第2の無線通信部との間では、WiFiやLPWA、ZigBee、Bluetooth等の無線通信規格で通信がされる。第1の無線通信部と第2の無線通信部との間では、電波に限らず、光や音波などで通信してもよい。
火災報知器用アダプタ9は、図1で示すように、天井15と住宅用火災警報器3とに挟み込まれて部屋13の天井15に設置される。
さらに説明すると、図3示すように、住宅用火災警報器3は、ベース部23と、ヘッド部25とを備えて構成される。
ヘッド部25は、たとえば、概ね円板状に形成されており、上面が平面になっている。また、ヘッド部25には、煙を検知することで火災を検知する火災検知部(図示せず)と、火災を検知した場合に移報信号を出力する受信部(図示せず)とが設けられる。また、ヘッド部25には電池(図示せず)が収容されている。なお、ヘッド部25は、炎または温度上昇を検知することで火災を検知する火災検知部であってもよい。
ベース部23は、たとえば、円板状に形成されており、貫通孔27が設けられている。貫通孔27は、円板の厚さ方向でベース部23を貫通している。なお、ヘッド部25の外径(円の直径)とベース部23の外径(円の直径)とはお互いがほぼ等しい。
ここで、従来の、火災報知器用アダプタ9が設置されない場合における住宅用火災警報器3の天井15への設置態様について説明する。
ベース部23は天井15にネジ29等のボルトを用いて設置される。すなわち、ベース部23の厚さ方向の一方の面(上面)を天井15に接触させ、貫通孔27内を貫通して天井15に螺合するネジ29を用いて、ベース部23が天井15に一体的に設置される。また、ネジ29はタップネジなどであってもよい。
ヘッド部25の上面には、ヘッド部25をベース部23に一体的に設置するときに使用される被係止部(たとえば、突起で構成された被係止部)が設けられており、ベース部23の下面には、ヘッド部25をベース部23に一体的に設置するときに使用される係止部(たとえば、凹部で構成された係止部)が設けられている。なお、図3等では、被係止部、係止部の表示は省略する。
また、ベース部23が天井15に一体的に設置されている状態で、ベース部23にヘッド部25を設置するときには、ベース部23の凹部にヘッド部25の突起を挿入し、ベース部23の下面にヘッド部25の上面を接触させ、この後にヘッド部25を90°等の所定角度だけ回動させる。これにより、天井15に一体的に設置されているベース部23にヘッド部25が一体的に設置される(天井15に住宅用火災警報器3が一体的に設置される)。この設置がされたとき、ベース部23の中心軸とヘッド部25の中心軸とはお互いが一致する。
ベース部23に設置されたヘッド部25をベース部23から取り外すときには、ヘッド部25を逆方向に、たとえば、90°回動し、ヘッド部25の突起をベース部23の凹部から抜く。これらにより、ベース部23に対してヘッド部25が着脱自在になる。
次に、本発明の実施形態に係る消火器誘導システム1における(火災報知器用アダプタ9が設置される場合における)住宅用火災警報器3と火災報知器用アダプタ9との天井15への設置態様について説明する。
火災報知器用アダプタ9も、たとえば、ベース部23と同様に円板状に形成されており、貫通孔31が設けられている。なお、火災報知器用アダプタ9の外径(円の直径)とベース部23の外径とはお互いがほぼ等しくなっている。なお、火災報知器用アダプタ9の厚さ(高さ寸法)は、たとえば、ベース部23の厚さ(高さ寸法)と同じかそれよりも厚く(大きく)なっているが、ヘッド部25の厚さ(高さ寸法)よりも薄い(小さい)。
火災報知器用アダプタ9とベース部23とは天井15にネジ29を用いて設置される。すなわち、火災報知器用アダプタ9の貫通孔31とベース部23の貫通孔27とがお互いに連通するようにして、火災報知器用アダプタ9の厚さ方向の一方の面(上面)を天井15に接触させ、火災報知器用アダプタ9の厚さ方向の他方の面(下面)をベース部23の厚さ方向の一方の面(上面)に接触させ、これらの貫通孔27、31内を貫通して天井15に螺合するネジ29を用いて、火災報知器用アダプタ9とベース部23とが天井15に一体的に設置される。
そして、火災報知器用アダプタ9が設置されない場合における住宅用火災警報器3の天井15への設置態様と同様に、火災報知器用アダプタ9を介して天井15に設置されたベース部23に、住宅用火災警報器3のヘッド部25を設置し、また、天井15に設置されたベース部23からヘッド部25を取り外すことができる。
なお、ベース部23に移報信号の伝送路(有線)を設け、天井15に火災報知器用アダプタ9とベース部23とヘッド部25とを取り付けた状態で、火災報知器用アダプタ9の受信部とヘッド部25の移報接点とが伝送路(ベース部23の伝送路)を介してお互いに接続されるように構成してもよい。
ところで、上記説明では、下から上に向かって、ヘッド部25、ベース部23、火災報知器用アダプタ9、天井15がこの順にならんでいるが、下から上に向かって、ヘッド部25、火災報知器用アダプタ9、ベース部23、天井15がこの順にならんでいる構成でもよい。
ヘッド部25、火災報知器用アダプタ9、ベース部23、天井15がこの順にならんでいる構成である場合、たとえば、ベース部23が天井15にネジを用いて一体的に設置されており、ヘッド部25の場合と同様にして、火災報知器用アダプタ9が、ベース部23に着脱自在になっており、ヘッド部25が火災報知器用アダプタ9に着脱自在になっている。
なお、ヘッド部25、火災報知器用アダプタ9、ベース部23、天井15がこの順にならんでいる構成である場合、火災報知器用アダプタ9とベース部23とが天井15にネジ29を用いて一体的に設置されており、ヘッド部25が火災報知器用アダプタ9に着脱自在になっていてもよい。
さらに、ベース部23を削除して、天井15に火災報知器用アダプタ9をネジを用いて直接設け、火災報知器用アダプタ9にヘッド部25を着脱自在に設けてもよい。
これらの場合、火災報知器用アダプタ9にヘッド部25を設置した状態で、火災報知器用アダプタ9の受信部とヘッド部25の移報接点とがベース部23の伝送路を介さずにお互いに直接接続される。
消火器用アダプタ11は、たとえば、消火器5からの取り外しが制限された態様で、消火器5に一体的に設置されている(図4等参照)。また、消火器用アダプタ11は、たとえば、電池で駆動する。
消火器用アダプタ11は、図5で示すように、環状(たとえば、断面が矩形な円環状)に形成される。ここで、断面が矩形な円環状とは、1つの平面上に1つの四角形と1本の直線とを描き、上記四角形を、上記直線を回転中心にして360°回転したときに、上記四角形の軌跡であらわされる立体図形である。上記1本の直線は、上記1つの四角形から所定の距離だけ離れ、上記1つの四角形の1つの辺と平行に延びる。
消火器5は、たとえば、概ね円柱状に形成されており、消火器用アダプタ11の内径は、消火器5の外径とほぼ等しく僅かに大きい。
また、環状の消火器用アダプタ11は、消火器5への設置のために、この中心軸を含む平面によって2分割されており、2分割されている消火器用アダプタ11の一方の部位11Aに、2分割されている消火器用アダプタ11の他方の部位11Bが、回動自在に係合する。そして、消火器用アダプタ11は、図5(c)で示すように、環を開くことができる。
図5(c)で示すように環を開いた状態で、消火器用アダプタ11を消火器5のところにもっていき、この後、環を閉じて図5(a)、(b)で示す状態にすれば、図4等で示すように、消火器用アダプタ11が消火器5の外周全周に係合して消火器5に一体的に設置される。消火器用アダプタ11の内周面は、消火器5の外周面で滑らないような滑り止めの加工がなされていてもよく、クッション性のある材料で設置時に絞り締めされてもよい。
なお、図4等で示すように、消火器用アダプタ11が消火器5に一体的に設置されている状態からの、消火器用アダプタ11の消火器5からの取り外しは、たとえば、上述したように制限されている。
例を掲げてさらに説明すると、消火器用アダプタ11の消火器5への設置が、特殊なボルト(たとえば、五角星の凹部が設けられているボルト)を用いてされていることで、特殊な工具を用いないと、消火器用アダプタ11の消火器5からの取り外しができない。
または、消火器用アダプタ11の消火器5への設置が鍵を用いてなされていることで、鍵の所有者以外は、消火器用アダプタ11の消火器5からの取り外しができない。
なお、消火器用アダプタ11が溶接やロウ付け等によって消火器5に一体的に設置されてもよい。
さらに、消火器用アダプタ11の消火器5からの取り外しに制限を設けず、消火器用アダプタ11が磁石や両面テープ等で消火器5に一体的に設置されてもよいし、消火器5にネジ部を設け、このネジ部を用いて、消火器用アダプタ11を消火器5に一体的に設置する構成でもよい。
消火器用アダプタ11についてさらに説明すると、消火器用アダプタ11の第2の無線通信部21は、火災報知器用アダプタ9の第1の無線通信部が発した火災信号を受信するために、環状の消火器用アダプタ11の周方向で離れて複数設けられる。
消火器用アダプタ11の出力部19は、音声を発する音声発生部33と、光を発する光発生部(たとえば、LED)35とで構成される。
音声発生部33と光発生部35とは、消火器5の位置を人に認識しやすくするために、環状の消火器用アダプタ11の周方向で離れて複数設けられる。なお、光発生部35の数のほうが、音声発生部33の数よりも多い。たとえば、光発生部35は、環状の消火器用アダプタ11の周を6等分する位置に設けられ、音声発生部33は、環状の消火器用アダプタ11の周を4等分する位置に設けられる。
次に、消火器誘導システム1の動作について説明する。
火災報知器用アダプタ9と消火器用アダプタ11とは、それぞれが、図示しないメモリと、CPUとを備えており、予めメモリに格納されている動作プログラムに基づいて動作する。また、火災報知器用アダプタ9と消火器用アダプタ11とは、上述したように、それぞれに内臓されている電池によって稼働する。
まず、火災報知器用アダプタ9の動作を、図6を参照しつつ説明する。
図6(a)で示すように、火災報知器用アダプタ9は、監視状態(S1)にあるとき、火災が発生したか否かを監視する(S3)。すなわち、住宅用火災警報器3から火災発生の移報信号の入力があったか否かを判断する。ステップS3で、移報信号の入力がなかったときには、ステップS1の監視状態に戻る。
一方、ステップS3で、移報信号の入力があったときには、第1の無線通信部から火災信号を1回だけ送信(発信)する(S5)。
続いて、住宅用火災警報器3から火災発生の移報信号の送信が継続してされている否かを判断する(S7)。ステップS7で移報信号の入力が継続している場合には、引き続き、移報信号の送信が継続してされている否かを判断する(S5)。
一方、ステップS7で移報信号の入力が継続してされない場合には、第1の無線通信部から復旧コマンドの信号を送信(発信)し(S9)、ステップS1に戻る。
また、図6(b)で示すように、火災報知器用アダプタ9は、監視状態(S11(S1))にあるとき、第1の無線通信部から状態確認信号を送信(発信)し(S13)、ステップS11に戻る。状態確認信号については後述する。
なお、図6(a)の監視状態(S1)と図6(b)の監視状態(S11)の移行にタイムラグを設け、CPUを低消費電力状態とすることで、電池の消費を抑えてもよい。
次に、消火器用アダプタ11の動作を、図7を参照しつつ説明する。
図7(a)で示すように、消火器用アダプタ11は、監視状態(S21)にあるとき、火災が発生したか否かを監視する(S23)。すなわち、火災報知器用アダプタ9から火災発生の火災信号の送信があったか否か(火災報知器用アダプタ9から火災発生の火災信号を受信したか否か)を判断する。ステップS23で、火災信号の受信がなかったときには、ステップS21の監視状態に戻る。
一方、ステップS23で、火災信号の受信があったときには、出力部19(音声発生部33、光発生部35)から消火器5の位置を知らせる光や音を発する(S25)。音声発生部33が発する音(警報音声)は、たとえば、日本語(「消火器はここです」)、英語、中国語等の多言語で構成された警報音声であり、光発生部35は、たとえば、点滅する。
続いて、火災報知器用アダプタ9からの火災発生の火災信号の受信が継続してされている否かを判断する(S27)。受信が継続してされている場合には、ステップS25に戻り、出力部19からの出力を継続する。
一方、ステップS27で受信が継続してされていない場合には、リセットスイッチからの入力があったか否かを判断する(S29)。なお、リセットスイッチは、消火器用アダプタ11に設けられているが、図示は省略してある。
ステップS29でリセットスイッチからの入力がない場合には、ステップS25に戻り、出力部19からの出力を継続する。
一方、ステップS29でリセットスイッチからの入力があった場合には、復旧のための内部処理をおこなって(S31)、ステップS21に戻る。
また、消火器用アダプタ11は、図7(b)で示すように、監視状態(S33(S21))にあるとき、火災報知器用アダプタ9の第1の無線通信部が発した状態確認信号(メンテナンス機能状態確認信号;図6のステップS13を参照)を受信したか否かを判断する(S35)。
ステップS35で、状態確認信号を受信したときには、ステップS33に戻る。一方、ステップS35で、状態確認信号を受信しないときには、光発生部35を点滅させる等して、人に故障が発生したことを知らせ(S37)、ステップS33に戻る。
次に、消火器用アダプタ11の音声発生部33が発する言語の切り換え等の動作について、図8を参照しつつ説明する。
消火器用アダプタ11では、監視状態(S41(S21))にあるとき、音声の設定が行われる(S43)。この音声の設定は、消火器用アダプタ11に設けられている図示しない音声設定スイッチを操作することでなされる。音声の設定によって、火災が発生したときに音声発生部33から日本語の音声だけ、もしくは、英語の音声だけというように、1つの言語の音声だけを発する態様、火災が発生したときに音声発生部33から日本語、英語、中国語等の複数の言語の音声を順に発する態様を設定できる。
ステップS43で音声の設定が行われた後に、動作確認スイッチからの入力があった場合(S49)には、設定がされた音声で音声発生部33が音声を発し(S47)、ステップS41に戻る。なお、動作確認スイッチは、消火器用アダプタ11に設けられているが、図示は省略してある。
ステップS43で音声の設定が行われた後に、火災信号の受信があったとき(S45)には、音声発生部33から設定がされた音声で音声発生部33が音声を発し(S47)、ステップS41に戻る。
なお、デフォルト状態では、消火器用アダプタ11は、日本語による音声、英語による音声、中国語による音声、朝鮮語による音声をこの順で繰り返して発するようになっており、上述した音声の設定がされたときでも、所定の時間(たとえば、1年)が経過したときには、上記デフォルト状態に自動的に戻るものとする。
ここで、火災報知器用アダプタ9、消火器用アダプタ11の動作を、図9で示すタイムチャートを参照してさらに説明する。
図9の横軸は時刻tの経過を示しており、図9の縦軸は、消火器誘導システム1における各構成部のON、OFF状態を示している。
火災報知器用アダプタ9のCPUは、短い時間T1でONし続いて長い時間T2でOFFする動作を繰り返す。すなわち、火災報知器(住宅用火災警報器)3から火災発生の移報信号を受信したか否かを短い時間T1で判断する。CPUの場合のOFF状態は低消費電力状態となっている状態を示している。
時刻t1で住宅用火災警報器3が火災発生の移報信号の発信を開始した後、火災報知器用アダプタ9は、この直後の1つの短い時間T1(時刻t2)で、住宅用火災警報器3からの火災発生の移報信号を受信する。たとえば、火災警報器のON状態は移報接点が短絡した移報信号状態で、OFF状態は移報接点が開放した移報信号状態を示している。
時刻t2で住宅用火災警報器3から火災発生の移報信号を火災報知器用アダプタ9が受信すると、時刻t3で、第1の無線通信部から火災発生の火災信号の発信を開始する。
消火器用アダプタ11のCPUは、短い時間T3(短い時間T1とほぼ同じ長さの時間)でONし続いて長い時間T4でOFFする動作を繰り返す。すなわち、火災報知器用アダプタ9から火災発生の火災信号を受信したか否かを短い時間T3で判断する。CPUの場合のOFF状態は低消費電力状態となっている状態を示している。
火災報知器用アダプタ9の第1の無線通信部が、時刻t3で火災発生の火災信号の発信を開始した後、この直後の1つの短い時間T3(時刻t4)で、消火器用アダプタ11が火災報知器用アダプタ9から火災発生の火災信号を受信する。
火災報知器用アダプタ9からの火災発生の火災信号を時刻t4で受信すると、消火器用アダプタ11は、出力部19から消火器5の所在を示す光や音を時刻t5で発する。なお、時間T2は、時間T4よりも長い。
このように動作することで、火災報知器用アダプタ9や消火器用アダプタ11での電力の消費量を抑えることができ、火災が発生しなければ、火災報知器用アダプタ9や消火器用アダプタ11の電池は、10年程度のあいだ交換不要になる。さらに、時間T2が時間T4よりも長くなっていることで、火災が発生しなければ、火災報知器用アダプタ9の電池の容量を、消火器用アダプタ11の電池の容量よりも小さくでき、火災報知器用アダプタ9を小型化できる。
消火器誘導システム1によれば、受信部と第1の無線通信部とを備えた火災報知器用アダプタ9が、住宅用火災警報器3とともに部屋13の天井15に設置され、住宅用火災警報器3が発する移報信号を、受信部を介して受け取ったときに、第1の無線通信部が火災信号を発するので、従来の防災監視設備のように別途伝送路(火災報知器と火災報知器用アダプタとの間の長い伝送路)等を設ける必要がなくなり、構成が簡素化されるとともに、設置工数が削減される。
また、消火器誘導システム1によれば、出力部19と第2の無線通信部21とを備えている消火器用アダプタ11が、消火器5に設置されており、火災報知器用アダプタ9の第1の無線通信部が発した火災信号を第2の無線通信部21が受信したときに、出力部19から、音や光で構成されている消火器位置表示信号(光や音声)を発するので、火災が発生したときに、消火器5の設置箇所が人に知られやすくなり、人を消火器5のところまで迅速に誘導でき、効果的な初期消火が可能となる。
さらに説明すると、従来の一般的な態様では、住宅用火災警報器は部屋の天井に設置されており、消火器は床の上に設置されている場合が多い。したがって、火災が発生したときに、住宅用火災警報器の発光部の点滅や音発生部からの警報音の発生によって、部屋の中の人は、火災の発生をすぐに知覚できる。しかし、消火器は、普段は人にほとんど認識されていないので、従来の一般的な態様では、火災が発生したときに、消火器の設置場所を人が迅速に知ることができない。
これに対して、消火器誘導システム1によれば、火災が発生したときに、消火器5に設置されている消火器用アダプタ11の出力部19から消火器位置表示信号を発するので、消火器5の設置箇所を人が素早く知ることができ、素早い初期消火を行うことができる。
また、住宅用火災警報器3は、様々なメーカから販売されているので、入手しやすくなっており、すでに住宅用火災警報器3が設置されている場合には、既設の住宅用火災警報器3をそのまま使用でき、消火器誘導システム1を設置するコストが削減される。
また、消火器誘導システム1によれば、火災報知器用アダプタ9を部屋13の天井15に設置するときに使用するネジ用の貫通孔31に、住宅用火災警報器3の貫通孔27を合せることで、様々なメーカの住宅用火災警報器3に対応できる。
また、消火器誘導システム1によれば、火災報知器用アダプタ9や消火器用アダプタ11が電池で駆動するので、電力を供給するために配線が不要になり、構成が簡素化されるとともに、設置工数が削減される。
また、消火器誘導システム1によれば、火災報知器用アダプタ9が、部屋13の天井15と住宅用火災警報器3とに挟み込まれて部屋13の天井15に設置されるので、火災報知器用アダプタ9のための設置スペースを特に考慮することなく、火災報知器用アダプタ9を設置できる。
また、消火器誘導システム1によれば、消火器用アダプタ11が消火器5に一体的に設置されて消火器5から離れることがないので、火災が発生したときに、消火器5の位置を人に確実に知らせることができる。
また、消火器用アダプタ11が、消火器5からの取り外しが制限された態様で消火器5に設置されているので、消火器用アダプタ11を消火器5から取り外すことが一層困難になる。そして、いざ火災発生というときに、消火器5を確実に見つけることができる。
ここで、図10を参照しつつ、火災報知器用アダプタ9の変形例について説明する。
図10に示す火災報知器用アダプタ9は、接続用ベース部37と、通信用アダプタ部39とを備えて構成される。そして、接続用ベース部37が部屋13の天井15と住宅用火災警報器3とに挟み込まれて、火災報知器用アダプタ9が部屋13の天井15に設置される。
火災報知器用アダプタ9が天井15に設置されている状態では、通信用アダプタ部39は、住宅用火災警報器3から横方向に突出する。
さらに説明すると、火災報知器用アダプタ9は、たとえば、背の低いダルマ柱状に形成される。ダルマ柱状とは、1つの平面上に描かれたダルマ状の平面図形を上記1つの平面に対して直交する方向に短い距離移動したときに、上記ダルマ状の平面図形の軌跡であらわされる立体形状である。
ダルマ状の平面図形とは、第1の円と第2の円とを、第1の円の一部と第2の円の一部とがお互いに重なるように配置して描くことで形成された平面図形である。なお、第1の円の直径と第2の円の直径とは、お互いが等しくなっているが、第1の円の直径と第2の円の直径とが異なっていてもよい。また、たとえば、第2の円の中心は第1の円の外側に位置しており、第1の円の中心は第2の円の外側に位置している。
また、第1の円は、接続用ベース部37を構成する円であり、この第1の円の直径は、火災報知器用アダプタ9のベース部23の外径(円の直径)と等しくなっている。
接続用ベース部37は、スペーサとしての機能を有する部位であり、受信部、第1の無線通信部、火災検知部、電池等の電気回路を構成する素子は、通信用アダプタ部39内に収容される。
なお、接続用ベース部37と通信用アダプタ部39とを備える火災報知器用アダプタ9を別の形状に形成してもよい。たとえば、火災報知器用アダプタ9をこの径が住宅用火災警報器3の径よりも大きい円板状に形成してもよい。そして、火災報知器用アダプタ9の内側部(住宅用火災警報器3の径に対応する部位)を接続用ベース部37とし、この外側の部位を通信用アダプタ部39にしてもよい。
図10で示す火災報知器用アダプタ9によれば、火災報知器用アダプタ9が接続用ベース部37と通信用アダプタ部39とを備えて構成されており、スペーサとしての機能を果たしている接続用ベース部37が部屋13の天井15と住宅用火災警報器3とに挟み込まれて、火災報知器用アダプタ9が部屋13の天井15に設置されるので、火災報知器用アダプタ9を天井15に設置するときに使用するネジ用の貫通孔31を、接続用ベース部37の任意の位置に様々な態様であけることができる。
これにより、住宅用火災警報器3の様々な機種に一層対応させて、火災報知器用アダプタ9を設置できる。
さらに、説明すると、接続用ベース部37に様々なメーカの住宅用火災警報器3に対応して多数の貫通孔31を予め設けておけば、火災報知器用アダプタ9の設置が一層容易になる。
また、上記説明では、消火器用アダプタ11が、図5で示すように、2等分割されており、一方の部位11Aに他方の部位11Bが回動自在に係合しているが、図11で示すように、消火器用アダプタ11を部位11Aと部位11Bとにほぼ2等分割し、半円弧状の部位11Aに対して半円弧状の部位11Bがスライドし、消火器5に設置するときには、図11(a)で示すように、部位11A内に部位11Bが収容された半円弧状になる構成してもよい。
また、上記説明では、消火器用アダプタ11が、図4等で示すように、消火器5の高さ方向の中間部で消火器5の外周に設置されているが、図12(a)で示すように、消火器5の下端に設けてもよいし、図12(b)で示すように、消火器5の下端部の空間内に設けてもよい。図12(b)で示す場合、出力部19が発した音や光が、消火器5の外部に出るようにするための、複数の貫通孔41が、消火器5の筐体に設けられる。
また、図12(c)、(d)で示すように、消火器5の上方の円弧状の肩部を覆うようにして消火器用アダプタ11を設けてもよい。特に、図12(d)で示す態様では、消火器5の径方向では、消火器用アダプタ11が消火器5の外径と等しいかもしくは小さくなり、消火器5の高さ方向で、消火器用アダプタ11の上端の位置が円弧の肩の上端の位置と一致しているか、円弧の肩の上端の位置よりも低くなる。
また、図13で示すように、消火器用アダプタ11を、「U」字状の消火器用アダプタ本体部45と、消火器用アダプタ本体部45の「U」字の開口部を塞ぐ消火器用アダプタ閉塞体47とを用いて構成してもよい。消火器用アダプタ閉塞体47は、消火器用アダプタ本体部45に着脱自在になっており、消火器用アダプタ閉塞体47が消火器用アダプタ本体部45に設置されることで、環状の消火器用アダプタ11が形成される。
図13で示す消火器用アダプタ11を消火器5へ装着するときには、消火器用アダプタ閉塞体47が設置されていない消火器用アダプタ本体部45を横方向にスライドさせることで、消火器5に簡単に装着することができる。この後、消火器用アダプタ閉塞体47を消火器用アダプタ本体部45の開口部に設置することで、消火器用アダプタ11が消火器5から落下するおそれがなくなる。なお、消火器用アダプタ11は、たとえば、消火器5の上方の円弧状の肩部を覆うようにして消火器5に設置される。
なお、消火器用アダプタ閉塞体47は、この内部スペースの有効活用を目的として、電池、スピーカー、LED、基板等の少なくともいずれかを収納できる構造になっている。
ところで、上記説明では、住宅用火災警報器3、消火器5、火災報知器用アダプタ9、消火器用アダプタ11が1つずつ設けられている場合を例に掲げているが、図14に示すように、住宅用火災警報器3と火災報知器用アダプタ9とが複数設けられており、消火器5と消火器用アダプタ11とが複数設けられていてもよい。
さらに、住宅用火災警報器3と火災報知器用アダプタ9とが1つずつ設けられており、消火器5と消火器用アダプタ11とが複数設けられていてもよいし、住宅用火災警報器3と火災報知器用アダプタ9とが複数設けられており、消火器5と消火器用アダプタ11とが1つずつ設けられていてもよい。
さらに説明すると、消火器用アダプタ11は複数あり、消火器5も複数あり、各消火器用アダプタ11のそれぞれが、各消火器5のそれぞれに設置される。すなわち、1つの消火器5に1つの消火器用アダプタ11が設置されている消火器用アダプタ付消火器が複数存在する。
そして、各消火器用アダプタ11のうちの、火災報知器用アダプタ9が発した火災信号を受信した1つもしくは複数の消火器用アダプタ11が、出力部19から、音、光の少なくともいずれかによって生成されている信号を発するように構成される。
たとえば、図14で示す火災報知器用アダプタ9aが火災信号を発したときに、この火災信号を受信できる範囲内に存在している消火器用アダプタ11a、11b、11c、11dが、出力部19から信号を発するように構成される。
なお、図14に示す各火災報知器用アダプタ9のそれぞれと、図14に示す各消火器用アダプタ11のそれぞれとに識別符号(たとえば、IPアドレス)を付与して、火災報知器用アダプタ9が火災信号とともに所定の識別符号を発信し、出力部19からの出力をすべき消火器5の消火器用アダプタ11を指定してもよい。そして、不必要な火災報知器用アダプタ(たとえば、近隣の家の火災報知器用アダプタ)9の出力部19からの出力を抑制してもよい。
図14で示す消火器誘導システム1によれば、消火器用アダプタ11が複数あり、消火器5も複数あり、各消火器用アダプタ11のそれぞれが各消火器5のそれぞれに設置されているので、火災が発生したときに、複数の消火器5の位置を人が知ることができ、初期消火を一層確実に行うことができる。
なお、火災報知器用アダプタ9が複数設けられている場合には、各火災報知器用アダプタ9のうちの少なくとも1つの火災報知器用アダプタ9が発した火災信号を受信した1つもしくは複数の消火器用アダプタ11が、出力部19から信号を発する。
また、消火器誘導システム1が次に示すように構成されてもよい。
火災報知器用アダプタ9の第1の無線通信部が、所定の時間間隔で所在確認信号を発するように構成される。
消火器用アダプタ11の第2の無線通信部21が、所在確認信号を受信したときに応答信号を発するように構成される。
火災報知器用アダプタ9には、距離計測部と所在確認部とが設けられる。
上記距離計測部は、上記所在確認信号を発してから応答信号を受信するまでの時間を用いて、火災報知器用アダプタ9から消火器用アダプタ11(消火器5)までの距離を計測するように構成される。
上記所在確認部は、予め記録されている火災報知器用アダプタ9と消火器用アダプタ11(消火器5)との間の距離と、上記距離計測部が計測した距離とを比較し、予め記録されている距離と、計測した距離との差が所定の範囲内であるときには、消火器用アダプタ11(消火器5)が所定の位置に設置されているものと判断し、計測した距離との差が所定の範囲外にあるとき、もしくは、応答信号が所定の時間内に返ってこなかったときには、消火器用アダプタ11(消火器5)が所定の位置に設置されていないものと判断する。
この判断結果は、火災報知器用アダプタ9の第1の無線通信部から、たとえば、携帯端末(図示せず)に出力され、携帯端末を所持している人に知らせる。
なお、火災報知器用アダプタ9が複数(少なくとも3つ)あれば、消火器用アダプタ11(消火器5)が予め決められている位置に設置されているか否かをより確実に確認できる。
このように構成することで、所在確認部によって消火器5の所在(所定の位置に設置されているか否か)を人が知ることができるので、火災発生時に、消火器5が紛失しているという事態がなくなる。
また、図15で示すように、副消火器用アダプタ43を設けてもよい。
図15で示す消火器誘導システム1は、副消火器用アダプタ43が設けられている点が図1等で示す消火器誘導システム1と異なり、その他の点は、同様に構成されている。
すなわち、図15で示す消火器誘導システム1の副消火器用アダプタ43は、消火器用アダプタ11が設置されている消火器5から離れ、消火器用アダプタ11が設置されている消火器5の上方(真上)で、部屋13の天井15に設置されている。
副消火器用アダプタ43は、消火器用アダプタ11と同様に、図示しない出力部と第3の無線通信部(たとえば、無線受信部)とを備えている。そして、火災報知器用アダプタ9が発した火災信号を第3の無線受信部が受信したときに、出力部から、消火器5の設置場所が、副消火器用アダプタ43の下方(たとえば、真下)であることを消火器5の近くにいる人に知らせるために、消火器位置表示信号を発するように構成される。
図15で示す消火器誘導システム1によれば、副消火器用アダプタ43を有するので、消火器用アダプタ11が設置されている消火器5が物陰に隠れてしまっている場合であっても、火災発生時に消火器5の位置を人が容易に知ることができる。
本発明の実施形態に係る小規模泡消火器誘導システム400の構成を、図16を参照しつつ説明する。
図16は、本発明の実施形態に係る小規模泡消火器誘導システム400を示す概略図である。
本実施形態の小規模泡消火器誘導システム400は、厨房設備を監視し、火災が発生した場合は、均一な泡が形成された泡水溶液を自動的に放射する構成となっている。
小規模泡消火器誘導システム400は、図16に示す厨房の壁面および天井に設置される。小規模泡消火器誘導システム400は、第1および第2火災感知器411、412と、制御部420と、起動装置430と、泡消火器100と、配管450と、ノズル460と、手動起動ボタン470とを備えている。
制御部420と小規模泡消火器100とは、厨房の壁面に設置された格納箱の中に収納されている。消火器100には圧縮空気と消火剤が封入され、起動装置430によって開状態にされるバルブ440が設けられている。制御部420は図示しない電源装置に接続され、電源装置は家庭用電源に接続されている。制御部420からは、火災感知器411、412に動作用の電源を供給してもよい。
第1および第2火災感知器411、412は、厨房設備であるガステーブル500の上方に設置されている。ガステーブル500は、たとえば、第1および第2コンロ501、502を備えている。第1火災感知器411は、第1コンロ501周辺の温度を監視し、火災の発生を検出する。第2火災感知器412は、第2コンロ502周辺の温度を監視し、火災の発生を検出する。
制御部420は、第1および第2火災感知器411、412、起動装置430および手動起動ボタン470に、有線または無線によって通信可能に接続されている。図16中の点線は、制御部420が送受信する信号の通信経路を示す。起動装置430は、制御部420からの信号に基づいて、バルブ440を開状態にさせる。配管450の一端は、バルブ440の出口に機械的に接続されている。一方、配管450の他端は、ノズル460に接続されている。ノズル460は、ガステーブル500の上方に配設されている。ノズル460は、第1および第2コンロ501、502の両方を含む放射範囲を有する。
制御部420は、移報接点を備える。移報接点は、火災報知器用アダプタ9の受信部に接続され、火災報知器用アダプタ9は移報信号を受信できるようになっている。また、厨房に備え付けられた消火器5には、消火器用アダプタ11が備え付けられている。火災報知器用アダプタ9は、電池駆動でもよく、制御部420より駆動用電源の供給を受けてもよい。
次に、本実施形態の小規模泡消火器誘導システム400の動作について説明する。
第1または第2コンロ501、502のいずれかに、火災の原因となる異常が発生した場合は、第1または第2コンロ501、502の周辺温度が異常に上昇する。異常な温度上昇は、第1および第2火災感知器411、412の少なくとも一方により検出される。第1または第2火災感知器411、412は、制御部420に信号を送信する。
制御部420は、第1または第2火災感知器411、412からの信号を受信し火災と判断すると、起動装置430に信号を送信する。起動装置430は、制御部420からの信号を受信して動作し、小規模泡消火器100のバルブ440を開状態にさせる。
これにより、小規模泡消火器100が、泡水溶液に高圧の気体を接触させて、均一な泡を形成する。小規模泡消火器100によって形成された均一な泡は、その後、バルブ440から配管450を経て、最終的にノズル460から放射され、第1または第2コンロ501、502で発生した火災が鎮圧される。
また、制御部420の移報接点は閉状態となり、火災報知器用アダプタ9の受信部で移報信号を受信し、第1の無線通信部が火災信号を発し、厨房に備え付けられた消火器5の消火器用アダプタ11の第2の無線通信部21が火災信号を受信して、出力部19から信号を発する。
このような構成とすることで、小規模泡消火器誘導システム400の泡消火器100によって火災が鎮圧できなかった場合でも、速やかに厨房内の消火器5を見つけ、初期消火を継続することができる。
なお、本実施形態の小規模泡消火器誘導システム400は、人が手動で起動させることもできる。第1または第2コンロ501、502の異常を人が察知した場合は、手動起動ボタン470を押下すればよい。手動起動ボタン470は、厨房の壁面における人が操作しやすい高さに設置されており、押下されると、制御部420に信号を送信する。
これにより、制御部420が、起動装置430を動作させ、上記と同様に、小規模泡消火器100によって形成された均一な泡が、ノズル460から放射される。また、火災報知器用アダプタ9が火災信号を発信し、消火器5の消火器用アダプタ11の出力部19から信号を発する。