JP6889225B2 - 光ファイバー給電システム - Google Patents
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Description
特許文献1には、電気信号で変調された信号光、及び電力を供給するための給電光を発信する光発信機と、上記信号光を伝送するコア、上記コアの周囲に形成され上記コアより屈折率が小さく上記給電光を伝送する第1クラッド、及び上記第1クラッドの周囲に形成され上記第1クラッドより屈折率が小さい第2クラッド、を有する光ファイバーと、上記光ファイバーの第1クラッドで伝送された上記給電光を変換した電力で動作し、上記光ファイバーのコアで伝送された上記信号光を上記電気信号に変換する光受信機と、を備えた光通信装置が記載されている。
電力によりレーザー発振して給電光を出力する半導体レーザーを含む給電装置と、
前記給電光を電力に変換する光電変換素子を含む受電装置と、
前記給電装置から前記受電装置に前記給電光を伝送する光ファイバーケーブルと、
前記給電装置から前記受電装置までの距離測定を行う測定部と、
前記測定部が測定した前記給電装置から前記受電装置までの測定距離に応じて、レーザー波長を変えて給電光を出力するように前記給電装置を制御する制御装置とを備えている。
〔第1実施形態〕
図1に示すように本実施形態の光ファイバー給電(PoF:Power over Fiber)システム1Aは、給電装置(PSE:Power Sourcing Equipment)110と、光ファイバーケーブル200Aと、受電装置(PD:Powered Device)310を備える。
なお、本開示における給電装置は電力を光エネルギーに変換して供給する装置であり、受電装置は光エネルギーの供給を受け当該光エネルギーを電力に変換する装置である。
給電装置110は、給電用半導体レーザー111を含む。
光ファイバーケーブル200Aは、給電光の伝送路を形成する光ファイバー250Aを含む。
受電装置310は、光電変換素子311を含む。
給電用半導体レーザー111は、上記電源からの電力によりレーザー発振して給電光112を出力する。
給電装置110からの給電光112が、光ファイバーケーブル200Aの一端201Aに入力され、給電光112は光ファイバー250A中を伝搬し、他端202Aから受電装置310に出力される。
短波長のレーザー波長をもった半導体は、バンドギャップが大きく光電変換効率が高いので、光給電の発電側及び受電側における光電変換効率が向上され、光給電効率が向上する。
そのためには、同半導体材料として、例えば、ダイヤモンド、酸化ガリウム、窒化アルミニウム、GaN等、レーザー波長(基本波)が200〜500nmのレーザー媒体の半導体材料を用いてもよい。
また、同半導体材料として、2.4eV以上のバンドギャップを有した半導体が適用される。
例えば、ダイヤモンド、酸化ガリウム、窒化アルミニウム、GaN等、バンドギャップ2.4〜6.2eVのレーザー媒体の半導体材料を用いてもよい。
なお、レーザー光は長波長ほど伝送効率が良く、短波長ほど光電変換効率が良い傾向にある。したがって、長距離伝送の場合には、レーザー波長(基本波)が500nmより大きいレーザー媒体の半導体材料を用いてもよい。また、光電変換効率を優先する場合には、レーザー波長(基本波)が200nmより小さいレーザー媒体の半導体材料を用いてもよい。
これらの半導体材料は、給電用半導体レーザー111及び光電変換素子311のいずれか一方に適用してもよい。給電側又は受電側における光電変換効率が向上され、光給電効率が向上する。
図2に示すように本実施形態の光ファイバー給電(PoF:Power over Fiber)システム1は、光ファイバーを介した光給電システムと光通信システムとを含むものであり、給電装置(PSE:Power Sourcing Equipment)110を含む第1のデータ通信装置100と、光ファイバーケーブル200と、受電装置(PD:Powered Device)310を含む第2のデータ通信装置300とを備える。
なお、以下の説明では、原則として、既に説明された構成については同一の符号を付して、特に言及がない場合には既に説明された構成と同一の構成とする。
給電装置110は、給電用半導体レーザー111を含む。第1のデータ通信装置100は、給電装置110のほか、データ通信を行う発信部120と、受信部130とを含む。第1のデータ通信装置100は、データ端末装置(DTE(Date Terminal Equipment))、中継器(Repeater)等に相当する。発信部120は、信号用半導体レーザー121と、モジュレーター122とを含む。受信部130は、信号用フォトダイオード131を含む。
給電用半導体レーザー111は、上記電源からの電力によりレーザー発振して給電光112を出力する。
受信部330の信号用フォトダイオード331は、光ファイバーケーブル200を通して伝送されてきた信号光125を電気信号に復調し、データ処理ユニット340に出力する。データ処理ユニット340は、当該電気信号によるデータをノードに送信し、その一方で当該ノードからデータを受信し、送信データ324としてモジュレーター322に出力する。
発信部320のモジュレーター322は、信号用半導体レーザー321からのレーザー光323を送信データ324に基づき変調して信号光325として出力する。
受信部130の信号用フォトダイオード131は、光ファイバーケーブル200を通して伝送されてきた信号光325を電気信号に復調し出力する。当該電気信号によるデータがノードに送信され、その一方で当該ノードからのデータが送信データ124とされる。
第2のデータ通信装置300からの信号光325が、光ファイバーケーブル200の他端202に入力され、コア210を伝搬し、一端201から第1のデータ通信装置100に出力される。
以上のように、光ファイバーケーブル200は、一端201が第1のデータ通信装置100に接続可能とされ、他端202が第2のデータ通信装置300に接続可能とされ、給電光112を伝送する。さらに本実施形態では、光ファイバーケーブル200は、信号光125,325を双方向伝送する。
[伝送距離に応じた給電を行う構成例(1)]
次に、伝送距離に応じた給電を行う構成例(1)について図面を参照して説明する。
図5は前述した光ファイバー給電システム1Aが伝送距離に応じた給電を行う構成を有する構成例(1)を示している。また、図6は、複数のレーザー波長の給電光について、伝送先における損失と伝送距離との関係(損失−伝送距離特性)を示した線図である。
これらのレーザー波長が異なる給電光は、いずれも、レーザー波長が長くなるほど、損失の増加率は低くなり、レーザー波長が短くなるほど、光電変換率が高くなる(距離0での損失が小さくなる)傾向にある。
なお、図5では、作図の便宜上、各半導体レーザー111A〜111Nから光ファイバーケーブル200又は200Aまでの伝送距離が異なるように図示されているが実際には、各半導体レーザー111A〜111Nから光ファイバーケーブル200又は200Aまでに到る伝送距離は等しくなるように調整されている(後述する図7〜図9も同様)。
また、半導体レーザー111A〜111Nは、全てレーザー波長が全て異なるものであり、数が多いことが好ましいが、少なくとも二種類以上あればよい。
この分離部151Aは、光カプラ113から光ファイバーケーブル200Aに向かう給電光112を透過する。また、光ファイバーケーブル200Aから光カプラ113に向かう反射光112Rの一部をフォトダイオード152A側に伝送する。
なお、分離部151Aは、光ファイバーケーブル200Aの途中であって給電装置110側の端部近傍に設けてもよい。
なお、厳密には、上記距離を算出する機能を有する制御装置153Aと分離部151Aとフォトダイオード152Aとにより測定部150Aが構成されている。
そして、給電用半導体レーザー111A〜111Nの中から選択したものに切り替えて、これ以降の給電光112の出力を行う。
また、給電装置110から受電装置310の距離測定は、給電開始時(開始直前を含む)或いは光ファイバー給電システム1Aのシステム起動時(起動直前を含む)に実施される。
次に、伝送距離に応じた給電を行う構成例(2)について図面を参照して説明する。図7は前述した光ファイバー給電システム1Aが伝送距離に応じた給電を行う構成を有する構成例(2)を示している。
この構成例(2)の場合、給電光112の光ファイバーケーブル200Aの受電装置310側の端面における反射光112Rではなく、上記ミラー362Aによる反射光112Rにより距離測定が行われる。なお、この点以外は、構成例(1)と同一の構成となる。
制御装置363Aは、マイクロコンピュータやアナログ回路又はデジタル回路を利用したシーケンサ等から構成され、反射装置361Aの上記ミラー362Aの位置切り替え動作を制御する。
制御装置363Aは、電源が供給されると、反射装置361Aのミラー362Aを一時的に反射位置に切り替えてから待機位置に戻す制御を実行する。
これにより、制御装置153A側では、給電光112の出力開始からミラー362Aによる反射光112Rを受光するまでの経過時間を計測することで給電装置110から受電装置310までの距離を求めることができる。なお、上記経過時間には、光電変換素子311が給電光112を受光してから制御装置363Aがミラーを待機位置から反射位置に切り換えるまでの遅延時間が含まれているので、当該遅延時間を予め測定等により取得し、制御装置153Aに記憶させておく。そして、経過時間から遅延時間を減算してから距離を算出する。
そして、制御装置153Aは、給電用半導体レーザー111A〜111Nの中から最も伝送効率が高いものを選択し切り替えて、これ以降の給電光112の出力を行う。
次に、伝送距離に応じた給電を行う構成例(3)について図面を参照して説明する。
図8は前述した光ファイバー給電システム1において、伝送距離に応じた給電を行う構成を有する構成例(3)を示している。
光ファイバー給電システム1は、給電装置110を有する第1のデータ通信装置100が信号用半導体レーザー321からの信号光325を受光する信号用フォトダイオード131を備えているので、これを測定部として利用し、信号光125の反射光125Rを受光して距離測定を行う。
この制御装置154は、第1のデータ通信装置100(給電装置110)から第2のデータ通信装置300(受電装置310)までの距離測定時において、発信部120の信号用半導体レーザー121から1パルスの信号光125を出力し、その反射光125Rを信号用フォトダイオード131が検出するまでの経過時間を測定する。そして、測定した経過時間から給電装置110から受電装置310までの距離を算出する。
なお、上記距離を算出する機能を有する制御装置154と信号用半導体レーザー121と信号用フォトダイオード131とにより測定部が構成されている。
また、距離測定は、給電開始時(開始直前を含む)或いは光ファイバー給電システム1のシステム起動時(起動直前を含む)に実施される。
さらに、信号光125の反射光125Rを受光する信号用フォトダイオード131により距離測定を行うので、給電光112の経路上に分離部151Aを設ける必要がなく、給電光112の伝送効率を高く維持することが可能となる。
また、光ファイバー給電システム1の基本構成である信号用フォトダイオード131を利用しているので、新たに付加する構成を低減することができ、部品点数低減による生産コストの低減を図ることが可能となる。
次に、伝送距離に応じた給電を行う構成例(4)について図面を参照して説明する。
図9は前述した光ファイバー給電システム1において、伝送距離に応じた給電を行う構成を有する構成例(4)を示している。
この制御装置155は、第1のデータ通信装置100(給電装置110)から第2のデータ通信装置300(受電装置310)までの距離測定時において、発信部120のモジュレーター122を制御して信号用半導体レーザー121から距離測定のための信号光125を出力させる。
第2のデータ通信装置300側では、距離測定のための信号光125を信号用フォトダイオード331が受光すると、データ処理ユニット340がモジュレーター322を制御して信号用半導体レーザー321から応答としての信号光325を出力させる。
なお、信号用半導体レーザー121からの信号光125が距離測定のための信号光125であることが識別できるように、第1のデータ通信装置100側では、モジュレーター122により固有の変調を行うことが望ましい。
同様に、信号用半導体レーザー321からの信号光325が応答の信号光325であることが識別できるように、第2のデータ通信装置300側では、モジュレーター322により固有の変調を行うことが望ましい。
これにより、制御装置155は、経過時間から遅延時間を減じて、光の伝送速度から、第1のデータ通信装置100(給電装置110)から第2のデータ通信装置300(受電装置310)までの距離を算出することができる。
なお、上記距離を算出する機能を有する制御装置155と信号用半導体レーザー121とモジュレーター122と信号用フォトダイオード131と信号用半導体レーザー321とモジュレーター322と信号用フォトダイオード331とデータ処理ユニット340により測定部が構成されている。
また、距離測定は、給電開始時(開始直前を含む)或いは光ファイバー給電システム1のシステム起動時(起動直前を含む)に実施されるが、少なくとも、給電光112により、第2のデータ通信装置300の電源が確保された状態で実施することが好ましい。
図10は給電装置110の他の構成例を示す構成図である。この他の構成例である給電装置110は、前述した構成例(1)〜(4)で説明した給電装置110に替えて適用することができる。
この給電装置110は、構成例(1)〜(4)で示したレーザー波長が異なる複数の半導体レーザー111A〜111Nを有する給電装置110と異なり、単一の半導体レーザー111を備えている。この半導体レーザー111は、前述した第1実施形態で述べた好ましい半導体材料の条件を満たすものである。
さらに、給電装置110は、半導体レーザー111から出力される給電光112のレーザー波長を個別に異なる波長に変える複数の光学素子115A〜115Nと、半導体レーザー111からの給電光112を光学素子115A〜115Nのいずれか一つに導く光スイッチ114と、各光学素子115A〜115Nを透過した給電光112を光ファイバーケーブル200又は200Aに導く光カプラ116とを備えている。
上記光学素子115A〜115N、光スイッチ114及び光カプラ116は、半導体レーザー111の給電光112を異なる複数のレーザー波長に変換する変換部を構成する。
また、光学素子115A〜115Nとしては、回折格子を用いて反射するレーザー光の波長を変換させることが可能な光学デバイス等、波長変換を行う他の構成を使用しても良い。
また、光学素子115A〜115Nとして非線形結晶(BBO結晶、LBO結晶、BiBO結晶等)を使用することも可能である。非線形結晶は、給電光112のレーザー波長を短くすることが出来る。
また、図10では、作図の便宜上、各光学素子115A〜115Nから光ファイバーケーブル200又は200Aまでの伝送距離が異なるように図示されているが実際には、各光学素子115A〜115Nから光ファイバーケーブル200又は200Aまでに到る伝送距離は等しくなるように調整されている。
なお、前述した構成例(3)の光ファイバー給電システム1に図10の給電装置110を適用する場合には、制御装置154が光学素子115A〜115Nの選択を行い、前述した構成例(4)の光ファイバー給電システム1に図10の給電装置110を適用する場合には、制御装置155が光学素子115A〜115Nの選択を行う。
また、給電光112のレーザー波長を変換する光学素子115A〜115Nを、蛍光体のような制御不要な素子とした場合には、給電装置110の制御対象の個体数を低減し、制御系を簡略化することが可能となる。
以上本開示の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として示したものであり、この他の様々な形態で実施が可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成要素の省略、置き換え、変更を行うことができる。
100 第1のデータ通信装置
110 給電装置
111,111A〜111N 給電用半導体レーザー
112 給電光
112R 反射光
113 光カプラ
114 光スイッチ(変換部)
115A〜115N 光学素子(変換部)
116 光カプラ(変換部)
120 発信部
121 信号用半導体レーザー
122 モジュレーター
125 信号光
125 信号光(レーザー光)
125R 反射光
130 受信部
131 信号用フォトダイオード
150A 測定部
151A 分離部
152A フォトダイオード
153A,154,155 制御装置
200,200A,200B 光ファイバーケーブル
300 第2のデータ通信装置
310 受電装置
311 光電変換素子
320 発信部
321 信号用半導体レーザー
322 モジュレーター
325 信号光(レーザー光)
330 受信部
331 信号用フォトダイオード
340 データ処理ユニット
361A 反射装置
362A ミラー
363A 制御装置
λ1〜λ4 レーザー波長
Claims (5)
- 電力によりレーザー発振して給電光を出力する半導体レーザーを含む給電装置と、
前記給電光を電力に変換する光電変換素子を含む受電装置と、
前記給電装置から前記受電装置に前記給電光を伝送する光ファイバーケーブルと、
前記給電装置から前記受電装置までの距離測定を行う測定部と、
前記測定部が測定した前記給電装置から前記受電装置までの測定距離に応じて、レーザー波長を変えて給電光を出力するように前記給電装置を制御する制御装置とを備える光ファイバー給電システム。 - 前記給電装置は、レーザー波長が異なる複数の半導体レーザーを有し、
前記制御装置は、前記測定距離に応じて複数の前記半導体レーザーの中から一つを選択して給電光を出力するように制御する請求項1に記載の光ファイバー給電システム。 - 前記給電装置は、前記半導体レーザーの給電光を異なる複数のレーザー波長に変換する変換部を備え、
前記制御装置は、前記測定距離に応じて給電光のレーザー波長が変わるように前記変換部を制御する請求項1に記載の光ファイバー給電システム。 - 光‐電気間の変換効果を奏する半導体領域を構成する半導体材料が、レーザー波長500nm以下のレーザー媒体とされた前記半導体レーザーを有する請求項1から3のいずれか一項に記載の光ファイバー給電システム。
- 前記光電変換素子の光‐電気間の変換効果を奏する半導体領域を構成する半導体材料が、レーザー波長500nm以下のレーザー媒体とされた請求項1から4のいずれか一項に記載の光ファイバー給電システム。
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