JP6888975B2 - 変位復元機構 - Google Patents
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Description
また、ブッシュとワイヤとが擦れることによって、ブッシュやワイヤの耐久性に影響が出る虞がある。
一対のローラの少なくとも表面が防錆性を有する材料で形成されていることにより、一対のローラが錆びることを防止でき耐久性を向上させることができる。
図1に示すように、本実施形態による変位復元機構1は、支持床(支持部)11と、支持床11の上を滑動可能に構成された免震床(免震部)12とを有する免震構造13に、支持床11に対する免震床12の残留変位を原位置に復元するため設けられている。本実施形態では、複数の変位復元機構1,1…が免震構造13に設けられている。
免震床12およびフロアプレート112には、例えば溶融亜鉛メッキ鋼板を採用し、摩擦係数を低減させるとともに、防錆性を向上させるようにしてもよい。
図1および図2に示すように、変位復元機構1は、フロアプレート112の外側において構造床111に設けられたばね部2と、ばね部2と免震床12とを連結するワイヤ3と、ワイヤ(線状部材)3を挟むようにして構造床111に設けられた一対のローラ4,4と、ワイヤ3に取り付けられたストッパ5(図2参照)と、を有している。
定荷重ばね21は、一方向に引き出され、常に一定の荷重で引き戻される(復元する)公知の構成を有している。定荷重ばね21には予荷重(予引張力)が付与されている。
それぞれの定荷重ばね21において、引き出される方向を引出し方向とする。定荷重ばね21には、ワイヤ3に生じた張力がワイヤ接続部23を介してに伝達するように構成されている。
ワイヤ接続部23には、ワイヤ3が巻き掛けられている。
第1ワイヤ31は、ワイヤ接続部23に巻き掛けられている。
一対のローラ4,4は、ワイヤ接続部23に対して、定荷重ばね21の引出し方向における定荷重ばね21と離間する側に設けられている。一対のローラ4,4は、引出し方向に直交する方向に並んで配置されていて、一対のローラ4,4の間を第1ワイヤ31が通っている。
第1変位復元機構1Aおよび第2変位復元機構1Bの第1ワイヤ31は、X方向に延びる向きとなるように配置されている。第3変位復元機構1Cおよび第4変位復元機構1Dの第1ワイヤ31は、Y方向に延びる向きとなるように配置されている。
一対のローラ4,4は、それぞれ第1ワイヤ31と当接しており、第1ワイヤ31が引き出されたり戻されたりすると軸線を中心に回転するように構成されている。
ストッパ本体51が一対のローラ4,4と当接すると、第1ワイヤ31がこれ以上巻き取られないように構成されている。第1ワイヤ31がこれ以上巻き取られないような状態に維持されることにより、定荷重ばね21に予荷重(予引張力)が付与されるように構成されている。
引き出された定荷重ばね21は復元しようとし、この復元力によってワイヤ3がワイヤ接続部23に巻き取られ、免震床12が原位置に復元する。
このため、免震床12のX方向の一方側への変位は、第2変位復元機構1Bの定荷重ばね21の復元力によって復元される。
同様に、免震床12のX方向の他方側への変位は、第1変位復元機構1Aの定荷重ばね21の復元力によって復元され、免震床12のY方向の一方側への変位は、第4変位復元機構1Dの定荷重ばね21の復元力によって復元され、免震床12のY方向の他方側への変位は、第3変位復元機構1Cの定荷重ばね21の復元力によって復元される。
図4に、本実施形態による変位復元機構1における、定荷重ばね21の引出し方向に対して斜め45°となる方向にワイヤ3を引き出した場合の荷重と変位の関係を示す。
定荷重ばね21が引っ張られる場合を行き側と、引っ張られた定荷重ばね21が復元する場合を戻り側とすると、戻り側とでは、約3〜6%の荷重差が生じることがわかる。
このように、従来の変位復元機構では、ワイヤとブッシュとの間に摩擦が本実施形態による変位復元機構1のワイヤ3とローラ4,4との間の摩擦よりも大きいため、従来の変位復元機構では、本実施形態による変位復元機構1よりも行き側と戻り側との荷重差が大きくなると考えられる。
本実施形態による変位復元機構1では、ワイヤ3が一対のローラ4,4の間を通る構成であるため、ワイヤ3がローラ4,4を擦るように引き出されたり戻ったりしたとしても、ローラ4,4が回転してワイヤ3とローラ4,4との間に生じる摩擦を抑えることができる。これにより、定荷重ばね21の引出し時(行き側)と復元時(戻り側)の荷重差を抑えることができる。
更に、一対のローラ4,4がステンレスを材料として形成されていることにより、一対のローラ4,4が損傷する虞がないため、荷重の大きい定荷重ばね21を採用することができ、規模の大きい免震構造に対しても対応することができる。
例えば、従来の変位復元機構のように、ワイヤが樹脂製のブッシュを通る構成の場合、30kgf程度の定荷重ばねには対応できたが、近年開発された100kgfの定荷重ばねが採用されるとワイヤとブッシュとの摩擦が大きくなりブッシュの耐久性に問題がある。これに対し、本実施形態のように、ワイヤ3がステンレス製の一対のローラ4,4の間を通る構成の場合、100kgfの定荷重ばねが採用されても、ローラがワイヤとの摩擦に耐えることができる。
例えば、上記の実施形態では、定荷重ばね21および一対のローラ4,4が支持床11に設けられ、ワイヤ3が定荷重ばね21と免震床12とを連結する構成であるが、定荷重ばね21および一対のローラ4,4が免震床12に設けられ、ワイヤ3が定荷重ばね21と支持床11とを連結する構成であってもよい。
また、支持床11および免震床12の形状は上記以外であってもよい。
また、上記の実施形態では、一対のローラ4,4はステンレスで形成されているが、ステンレス以外の金属や樹脂などで形成されていてもよい。また、一対のローラの表面を溶融亜鉛メッキとし、一対のローラの防錆性を向上させるようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、定荷重ばね21と免震床12とがワイヤ3で連結されているが、定荷重ばね21と免震床12とがワイヤ3以外の線状部材で連結されていてもよい。
また、上記の実施形態では、ストッパ5は、ゴムボールを利用した形態であるが、上記以外の形態であってもよい。
2 ばね部
3 ワイヤ(線状部材)
4 ローラ
5 ストッパ
11 支持床(支持部)
12 免震床(免震部)
21 定荷重ばね(付勢部材)
31 第1ワイヤ(第1線状部材)
32 第2ワイヤ(第2線状部材)
Claims (2)
- 支持部と前記支持部の上を水平方向に滑動可能に構成された免震部とを連結し、前記支持部に対する前記免震部の変位を原位置に復元可能な変位復元機構において、
前記支持部および前記免震部のいずれか一方に設けられ、引き出されて引き戻る際に他方を付勢可能な付勢部材と、
前記支持部および前記免震部の他方と前記付勢部材とを連結する線状部材と、
前記支持部および前記免震部の一方における前記付勢部材が引き出される側に前記線状部材を挟んで設置され、それぞれ鉛直方向に延びる軸線を中心に回転可能に構成された一対のローラと、
前記線状部材に取り付けられたストッパと、を有し、
前記線状部材は、前記付勢部材に接続された第1線状部材と、
前記支持部および前記免震部の他方に接続された第2線状部材と、を有し、
前記第1線状部材と前記第2線状部材とが前記ストッパを介して接続され、
前記第1線状部材は、前記一対のローラに挟まれ、
前記第2線状部材および前記ストッパは、前記一対のローラよりも前記支持部および前記免震部の他方に近接する側に配置され、
前記ストッパは、前記一対のローラの間を通り抜け不可能に構成され、
前記ストッパが前記一対のローラに前記支持部および前記免震部の他方側から当接すると、前記付勢部材の引き戻る側への移動が停止されることを特徴とする変位復元機構。 - 前記一対のローラは、それぞれの少なくとも表面が防錆性を有する材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の変位復元機構。
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JP2017029271A JP6888975B2 (ja) | 2017-02-20 | 2017-02-20 | 変位復元機構 |
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Family Applications (1)
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