JP6888157B1 - スクロール圧縮機、及び冷凍サイクル装置 - Google Patents
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Abstract
Description
<スクロール圧縮機の構成>
図1は、第1実施形態に係るスクロール圧縮機100の縦断面図である。
図1に示すスクロール圧縮機100は、ガス状の冷媒を圧縮する機器である。図1に示すように、スクロール圧縮機100は、密閉容器1と、圧縮機構部2と、クランク軸3(駆動軸)と、主軸受4と、旋回軸受5と、電動機6と、オルダムリング7と、バランウェイト8,9と、を備えている。また、スクロール圧縮機100は、前記した構成の他に、サブフレーム10と、副軸受11と、給油ポンプ12と、オイルリング13(隔壁)と、を備えている。
固定スクロール21は、密閉容器1内に固定される固定部材である。固定スクロール21は、筒チャンバ1aに固定される台板21aと、渦巻き状の固定ラップ21bと、を有している。
図2に示すように、渦巻状の固定ラップ21bと、渦巻状の旋回ラップ22bと、が噛み合うことで、固定ラップ21bと旋回ラップ22bとの間に圧縮室Cが形成される。前記した圧縮室Cは、ガス状の冷媒を圧縮する空間であり、旋回ラップ22bの外線側・内線側にそれぞれ形成される。また、固定スクロール21の台板21aの中心付近には、圧縮室Cで圧縮された冷媒を密閉容器1内の上部空間に導く吐出口Vが設けられている。そして、圧縮機構部2で圧縮された冷媒が、吐出口Vを介して、密閉容器1の天井面に向けて吐出されるようになっている(図5Aも参照)。
なお、図3の白抜き矢印は、ミスト状の潤滑油の流れを示している。また、図3におけるクランク軸3の下側の矢印は、クランク軸3が回転する向きを示している。図3の例では、軸方向において圧縮機構部2の上側(一方側)と下側(他方側)とを連通させる2つの溝Mが、圧縮機構部2に設けられている(図2も参照)。
クランク軸3は、電動機6の回転子6bと一体で回転する軸であり、上下方向に延びている。図1に示すように、クランク軸3は、主軸3aと、この主軸3aの上側に延びる偏心部3bと、を備えている。
旋回軸受5は、旋回スクロール22のボス部22cに対して偏心部3bを回転自在に軸支するものであり、ボス部22cの内周壁に固定されている。
バランスウェイト8,9は、スクロール圧縮機100の振動を抑制するための部材である。一方のバランウェイト8は、オイルリング13の径方向内側に設けられている。より詳しく説明すると、バランスウェイト8は、モータ室Smにおいて、オイルリング13(隔壁)の径方向内側に設けられている。他方のバランウェイト9は、円弧状を呈し、回転子の下面にリベット9aで固定されている。
なお、図4におけるクランク軸3の下側の矢印は、クランク軸3が回転する向きを示している。図4に示すように、バランスウェイト8は、環状を呈する環状部8aと、円弧状を呈する円弧部8bと、を備えている。
副軸受11は、クランク軸3の下部を軸支し、クランク軸3から径方向の荷重を受ける軸受である。副軸受11は、サブフレーム10の孔(符号は図示せず)の周壁面に圧入等で固定されている。
なお、図5Aの白抜き矢印は、冷媒等の流れを示している。また、図5Aでは、溝Mを含む所定平面(図示せず)でスクロール圧縮機100を切断した場合の縦断面を示しており、図1とは、縦断面視における切断面が異なっている。
図5Bに示すように、圧縮機構部2に設けられた溝Mの上端付近では、溝Mの壁面と筒チャンバ1aの内周面との間の隙間uの一部が、蓋チャンバ1bで遮られている。言い換えると、蓋チャンバ1bの下端において、周方向で隙間uに対応する箇所が、この隙間uに臨んでいる。したがって、溝Mの上端付近で隙間uの流路断面積が狭くなるため、隙間uを通流する過程でミスト状の潤滑油の流速が上昇する。
なお、図15の白抜き矢印は、ミスト状の潤滑油の流れを示している。また、図15におけるクランク軸3の下側の矢印は、クランク軸3が回転する向きを示している。プレスフィット方式のスクロール圧縮機100Dでは、前記したように、圧縮機構部2の溝Mの隙間を通流する過程で冷媒等の流速が上昇する。そして、図15の白抜き矢印で示すように、圧縮機構部2の下側に流出(飛散)した冷媒等が、バランスウェイト8の回転による旋回流に巻き込まれるため、吐出パイプPbを介して潤滑油が流出しやすくなる。そこで、第1実施形態では、オイルリング13(図1参照)を設けることで、吐出パイプPbを介した潤滑油の流出を抑制するようにしている。
図6に示すように、オイルリング13は、肉薄の円筒状を呈する円筒部13aと、この円筒部13aの上端から径方向内側に延びる円環状の固定部13bと、を備えている。
固定部13bは、フレーム23(図1参照)に固定される部分である。図6の例では、周方向において約120°間隔で、固定部13bに3つの孔hが設けられている。そして、それぞれの孔hにネジ(図示せず)が挿通され、さらに、フレーム23の下面に設けられたネジ穴(図示せず)に螺合される。
なお、溝Mの壁面に所定の凹凸(図示せず)がある場合、前記した距離L4は、溝Mの壁面と筒チャンバ1aとの間の距離を、軸方向の複数箇所で平均した値とする。
なお、図1のX2−X2線でスクロール圧縮機100を切断した場合において、実際には見えていない吐出パイプPbや電源端子Eを、図7では説明のために投射して図示している。また、図7では、密閉容器1(図1参照)の底チャンバ1cに設置される4つの脚14を図示している。
図1に示すように、クランク軸3の軸方向において、バランスウェイト8の上面と下面との間に吐出パイプPbの上流端e1(一端)が位置していることが好ましい。このような構成によれば、バランスウェイト8から滴り落ちて電動機6の上面に溜まっている潤滑油が再びミスト化した場合でも、吐出パイプPbの上流端e1がバランスウェイト8の下面よりも上側に位置しているため、吐出パイプPbを介した潤滑油の流出を抑制できる。また、バランスウェイト8の環状部8a(図4参照)の上面に溜まっている潤滑油が再びミスト化して、上方に吹き上げられた場合でも、吐出パイプPbの上流端e1がバランスウェイト8の上面よりも下側に位置しているため、吐出パイプPbを介した潤滑油の流出を抑制できる。
なお、図8では、図1のX2−X2線でスクロール圧縮機100を切断した場合の断面(図7と同様の断面)において、電動機6等の図示を省略している。また、図1のX2−X2線でスクロール圧縮機100を切断した場合において、実際には見えていない隙間u、吐出パイプPb、及び電源端子Eを、図8では説明のために投射して図示している。
さらに、周方向の位置を示す図8の位置X3は、図7の位置X3に対応している。また、図8に示す紙面右回りの矢印は、クランク軸3が回転する向きを示している。
第1実施形態によれば、台板21aのフランジ部212a、及びフレーム23の周縁部23aが、筒チャンバ1aと蓋チャンバ1bとで挟まれている。このようなプレスフィット方式の構成にすることで、スクロール圧縮機100の構成を簡素化できる。
第2実施形態は、蓋チャンバ1Ab(図9参照)が、筒チャンバ1aの外側に固定される「外被せ仕様」である点が、第1実施形態とは異なっている。なお、その他の点については、第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態とは異なる部分について説明し、重複する部分の説明を省略する。
図9に示すように、蓋チャンバ1Abは、その下端部が拡径するように、所定の折り曲げ加工が施されている。そして、蓋チャンバ1Abの下端部の内周面が、筒チャンバ1aの上端部の外周面に密接している。つまり、台板21aのフランジ部212aにおける蓋チャンバ1Ab側の面に蓋チャンバ1Abの内壁面の一部Q2(蓋チャンバ1Abが縦断面視で折れ曲がって段差になっている部分)が密接している。そして、固定スクロール21の台板21aのフランジ部212a、及びフレーム23の周縁部23aが、筒チャンバ1aと蓋チャンバ1bとで挟まれている。このように、スクロール圧縮機100Aは、外被せ仕様のプレスフィット方式の構成になっている。
図10Aに示すように、吐出口Vを介して圧縮機構部2の上側の空間Suに吐出された冷媒等は、溝Mの壁面と筒チャンバ1aとの間の隙間uを介して下降する。そして、隙間uから流出した冷媒等は、オイルリング13と筒チャンバ1aとの間の環状の隙間kを介して下降する。
図10Bに示すように、圧縮機構部2に設けられた溝Mの上端付近では、溝Mの壁面と筒チャンバ1aとの間の隙間uの一部が、蓋チャンバ1bの屈曲している部分1bsで遮られている。したがって、溝Mの上端付近で隙間uの流路断面積が狭くなるため、隙間uを通流する過程でミスト状の潤滑油の流速が上昇する。このように潤滑油の流速が上昇しても、オイルリング13が設けられているため、クランク軸3やバランウェイト8といった回転体による攪拌の影響を冷媒等が受けることがほとんどなく、冷媒等から潤滑油が分離されやすくなる。
第2実施形態によれば、外被せ仕様のスクロール圧縮機100Aにオイルリング13が設けられているため、冷媒等からの潤滑油の分離が促進される。したがって、スクロール圧縮機100Aの構成の簡素化を図り、また、その信頼性を高めることができる。
第3実施形態では、第1実施形態で説明したスクロール圧縮機100(図1参照)を備える空気調和機W(冷凍サイクル装置:図11参照)について説明する。
なお、図11の実線矢印は、暖房運転時における冷媒の流れを示している。
一方、図11の破線矢印は、冷房運転時における冷媒の流れを示している。
空気調和機Wは、冷房や暖房等の空調を行う機器である。図11に示すように、空気調和機Wは、スクロール圧縮機100と、室外熱交換器Eoと、室外ファンFoと、膨張弁Veと、四方弁Vfと、室内熱交換器Eiと、室内ファンFiと、を備えている。
室外熱交換器Eoは、その伝熱管(図示せず)を通流する冷媒と、室外ファンFoから送り込まれる外気と、の間で熱交換が行われる熱交換器である。
室外ファンFoは、室外熱交換器Eoに外気を送り込むファンである。室外ファンFoは、駆動源である室外ファンモータMoを備え、室外熱交換器Eoの付近に設置されている。
室内ファンFiは、室内熱交換器Eiに室内空気を送り込むファンである。室内ファンFiは、駆動源である室内ファンモータMiを備え、室内熱交換器Eiの付近に設置されている。
第3実施形態によれば、スクロール圧縮機100から潤滑油が流出することを抑制できるため、空気調和機Wの信頼性と性能を高めることができる。
以上、本発明に係るスクロール圧縮機100や空気調和機Wについて各実施形態で説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。例えば、第1実施形態では、オイルリング13(図6参照)に3つの切欠きs1,s2,s3が設けられる構成について説明したが、切欠きの個数はこれに限らず、適宜に変更可能である。
第1実施形態では、オイルリング13(図6参照)に切欠きs1,s2,s3が設けられる構成について説明したが、これに限らない。例えば、切欠きs1に代えて、図12Aに示すように、吐出パイプPb(図1参照)が挿通される孔s11(第1挿通部、吐出パイプ挿通部)を設けてもよい。なお、他の切欠きs2,s3についても同様である。
第1実施形態で説明した切欠きs1(図6参照)に代えて、図12Bに示すように、オイルリング13Bの上端から下端までのスリットs12を設け、このスリットs12に吐出パイプPbが挿通されるようにしてもよい。その他、吐出パイプPbが挿通される「第1挿通部」、電源端子Eが挿通される「第2挿通部」、及び、返油パイプ15(図7参照)が挿通される「第3挿通部」の形状として、切欠き、孔、及びスリットのうち2つ又は3つが混在していてもよい。
図13に示すオイルリング13Cは、第1実施形態で説明したオイルリング13(図6参照)から、返油パイプ15(図7参照)が挿通される切欠きs3を省略した構成になっている。このようなオイルリング13C(隔壁)において、吐出パイプPb(図1参照)よりも上側(切欠きs1よりも上側)の少なくとも一部には、周方向の全周に亘ってオイルリング13Cが存在する領域G(円筒状の領域)が設けられている。なお、第1実施形態でも周方向の全周に亘ってオイルリング13(図6参照)が存在する領域(図6では、符号を図示せず)が設けられているが、第3の変形例の方が領域Gの縦幅が長くなっている。
なお、図14は、返油パイプ15(図7参照)や切欠きs3(図8参照)が省略されている点以外は、図8と同様である。図14に示す圧縮機構部2には、2つの隙間uが設けられている。また、クランク軸3(駆動軸)が回転する向きを基準として、複数の溝M(隙間u)のうち、周方向で最も下流側に位置する端点m2から90°以上離れた位置に、吐出パイプPbが挿通される「吐出パイプ挿通部」として、切欠きs1が設けられている。つまり、中心軸線Yを含み、端点m2を通る仮想平面Taと、中心軸線Yを含み、吐出パイプPbの上流端付近を通る仮想平面Tbと、のなす角θの大きさが90°以上になっている。
さらに、クランク軸3が回転する向きを基準とする周方向において、前記した端点m2と切欠きs1との間には、オイルリング13C(隔壁)に所定の切欠き又は孔が設けられておらず、台板21a(図1参照)及びフレーム23(図1参照)に所定の流路(溝)も設けられていないことが好ましい。このような構成によれば、隙間u及び環状の隙間k(図1参照)を順次に介して旋回しながら下降する冷媒等が、オイルリング13Cの内側に入り込みにくくなる。したがって、オイルリング13Cが吐出パイプPbの上流端e1と隙間uとを隔てていることと相まって、吐出パイプPbを介した潤滑油の流出をさらに抑制できる。
また、第3実施形態では、スクロール圧縮機100を備える空気調和機W(冷凍サイクル装置:図11参照)について説明したが、これに限らない。例えば、冷蔵庫、給湯機、空調給湯装置、チラーといった他の「冷凍サイクル装置」にも、第2実施形態を適用可能である。
また、各実施形態は、適宜に組み合わせることができる。例えば、第2実施形態と第3実施形態とを組み合わせ、空気調和機W(第3実施形態:図11参照)が、外被せ仕様のスクロール圧縮機100A(第2実施形態:図9参照)を備えるようにしてもよい。
また、前記した機構や構成は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての機構や構成を示しているとは限らない。
1 密閉容器
1a 筒チャンバ
1b,1Ab 蓋チャンバ
2 圧縮機構部
21 固定スクロール
21a 台板
212a フランジ部
22 旋回スクロール
23 フレーム
23a 周縁部
3 クランク軸(駆動軸)
4 主軸受(軸受)
5 旋回軸受(軸受)
6 電動機
6a 固定子
6b 回転子
8 バランスウェイト
13 オイルリング(隔壁)
e1 上流端(一端)
e2 下流端(他端)
G 領域
M 溝
N 油流路(第1流路)
Pa 吸入パイプ
Pb 吐出パイプ
Q1 周端面(蓋チャンバの周端面)
Q2 一部(蓋チャンバの内壁面の一部)
s1 切欠き(吐出パイプ挿通部)
s11 孔(吐出パイプ挿通部)
Sm モータ室(空間)
Su 空間
u 隙間
Claims (9)
- 円筒状の筒チャンバと、前記筒チャンバの上側を塞ぐ蓋チャンバと、前記筒チャンバの下側を塞ぐ底チャンバと、を有する密閉容器と、
前記筒チャンバに固定される台板、及び、渦巻き状の固定ラップを有する固定スクロールと、
前記固定ラップとともに圧縮室を形成する渦巻き状の旋回ラップを有する旋回スクロールと、
前記旋回スクロールを支持するフレームと、
固定子及び回転子を有する電動機と、
潤滑油を導く貫通孔を有し、前記回転子と一体で回転する駆動軸と、を備えるとともに、
前記筒チャンバに設置され、その一端が前記密閉容器の内側に位置し、他端が前記密閉容器の外側に位置する吐出パイプと、
前記フレームに設置され、前記吐出パイプの前記一端と前記筒チャンバとを隔てる隔壁と、を備え、
前記台板のフランジ部における前記蓋チャンバ側の面に前記蓋チャンバの周端面が密接、又は、前記台板の前記フランジ部における前記蓋チャンバ側の面に前記蓋チャンバの内壁面の一部が密接しており、
前記台板の前記フランジ部、及び前記フレームの周縁部には、径方向内側に凹んでなる溝が設けられ、
前記台板と前記蓋チャンバとの間の空間と、前記フレームと前記電動機との間の空間とが、前記溝の隙間を介して連通しており、
前記溝の上端付近では、前記隙間の一部が前記蓋チャンバで遮られており、
前記固定子には、前記駆動軸の軸方向において前記固定子の一方側と他方側とを連通させる第1流路が設けられ、
前記溝の上端における前記隙間の流路断面積は、前記第1流路の流路断面積よりも小さいスクロール圧縮機。 - 円筒状の筒チャンバと、前記筒チャンバの上側を塞ぐ蓋チャンバと、前記筒チャンバの下側を塞ぐ底チャンバと、を有する密閉容器と、
前記筒チャンバに固定される台板、及び、渦巻き状の固定ラップを有する固定スクロールと、
前記固定ラップとともに圧縮室を形成する渦巻き状の旋回ラップを有する旋回スクロールと、
前記旋回スクロールを支持するフレームと、
固定子及び回転子を有する電動機と、
潤滑油を導く貫通孔を有し、前記回転子と一体で回転する駆動軸と、を備えるとともに、
前記筒チャンバに設置され、その一端が前記密閉容器の内側に位置し、他端が前記密閉容器の外側に位置する吐出パイプと、
前記フレームに設置され、前記吐出パイプの前記一端と前記筒チャンバとを隔てる隔壁と、を備え、
前記隔壁の下部には、前記吐出パイプが挿通される吐出パイプ挿通部として、切欠き又は孔が設けられており、
前記台板のフランジ部における前記蓋チャンバ側の面に前記蓋チャンバの周端面が密接、又は、前記台板の前記フランジ部における前記蓋チャンバ側の面に前記蓋チャンバの内壁面の一部が密接しており、
前記台板の前記フランジ部、及び前記フレームの周縁部には、径方向内側に凹んでなる溝が設けられ、
前記台板と前記蓋チャンバとの間の空間と、前記フレームと前記電動機との間の空間とが、前記溝の隙間を介して連通しており、
前記溝の上端付近では、前記隙間の一部が前記蓋チャンバで遮られており、
前記駆動軸が回転する向きを基準として、複数の前記溝のうち、周方向で最も下流側に位置する端点から90°以上離れた位置に前記吐出パイプ挿通部が設けられ、
前記駆動軸が回転する向きを基準とする周方向において、前記端点と前記吐出パイプ挿通部との間には、前記隔壁に所定の切欠き又は孔が設けられておらず、前記台板及び前記フレームに所定の流路も設けられていないスクロール圧縮機。 - 円筒状の筒チャンバと、前記筒チャンバの上側を塞ぐ蓋チャンバと、前記筒チャンバの下側を塞ぐ底チャンバと、を有する密閉容器と、
前記筒チャンバに固定される台板、及び、渦巻き状の固定ラップを有する固定スクロールと、
前記固定ラップとともに圧縮室を形成する渦巻き状の旋回ラップを有する旋回スクロールと、
前記旋回スクロールを支持するフレームと、
固定子及び回転子を有する電動機と、
潤滑油を導く貫通孔を有し、前記回転子と一体で回転する駆動軸と、を備えるとともに、
前記筒チャンバに設置され、その一端が前記密閉容器の内側に位置し、他端が前記密閉容器の外側に位置する吐出パイプと、
前記フレームに設置され、前記吐出パイプの前記一端と前記筒チャンバとを隔てる隔壁と、を備え、
前記台板のフランジ部における前記蓋チャンバ側の面に前記蓋チャンバの周端面が密接、又は、前記台板の前記フランジ部における前記蓋チャンバ側の面に前記蓋チャンバの内壁面の一部が密接しており、
前記台板の前記フランジ部、及び前記フレームの周縁部には、径方向内側に凹んでなる溝が設けられ、
前記台板と前記蓋チャンバとの間の空間と、前記フレームと前記電動機との間の空間とが、前記溝の隙間を介して連通しており、
前記溝の上端付近では、前記隙間の一部が前記蓋チャンバで遮られており、
前記蓋チャンバの下端付近の外周面は、前記筒チャンバの上端付近の内周面に密着しており、
前記蓋チャンバの下端において、周方向で前記隙間に対応する箇所が、前記隙間に臨んでいるスクロール圧縮機。 - 前記駆動軸と一体で回転するバランスウェイトを備え、
前記駆動軸の軸方向において、前記バランスウェイトの上面と下面との間に前記吐出パイプの前記一端が位置していること
を特徴とする請求項2に記載のスクロール圧縮機。 - 前記バランスウェイトの上面と、前記フレームの前記周縁部の下面と、の間の距離が、前記バランスウェイトの下面と、前記固定子のコアバックの上面と、の間の距離よりも短いこと
を特徴とする請求項4に記載のスクロール圧縮機。 - 前記フレームにおいて前記駆動軸を軸支する複数の軸受が、ジャーナル軸受のみで構成されていること
を特徴とする請求項5に記載のスクロール圧縮機。 - 前記隔壁において、前記吐出パイプよりも上側の少なくとも一部には、周方向の全周に亘って当該隔壁が存在する領域が設けられていること
を特徴とする請求項2に記載のスクロール圧縮機。 - 前記蓋チャンバの下端と前記台板の前記フランジ部との間の距離よりも、前記溝の壁面と前記筒チャンバとの間の距離のほうが長く、
前記溝の壁面と前記筒チャンバとの間の前記距離よりも、前記筒チャンバと前記隔壁との間の距離のほうが長いこと
を特徴とする請求項3に記載のスクロール圧縮機。 - 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機を備え、
前記スクロール圧縮機、凝縮器、膨張弁、及び蒸発器を順次に介して冷媒が循環する冷媒回路を含んでなる冷凍サイクル装置。
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