JP6888157B1 - スクロール圧縮機、及び冷凍サイクル装置 - Google Patents

スクロール圧縮機、及び冷凍サイクル装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡素な構成で信頼性の高いスクロール圧縮機等を提供する。【解決手段】スクロール圧縮機100は、密閉容器1と、固定スクロール21と、旋回スクロール22と、フレーム23と、電動機6と、クランク軸3と、吐出パイプPbと、オイルリング13と、を備えている。台板21aのフランジ部212aにおける蓋チャンバ1b側の面に蓋チャンバ1bの周端面が密接しており、台板21aのフランジ部212a、及びフレーム23の周縁部23aには、径方向内側に凹んでなる溝が設けられ、台板21aと蓋チャンバ1bとの間の空間と、フレーム23と電動機6との間の空間とが、溝の隙間を介して連通しており、溝の上端付近では、隙間の一部が蓋チャンバ1bで遮られている。【選択図】図1

Description

本発明は、スクロール圧縮機等に関する。
スクロール圧縮機の固定スクロールとフレームとを締結するボルトを不要にして、構成の簡素化を図る技術として、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。すなわち、特許文献1には、シェル上蓋をシェル本体の内周面に密封状に固着するとともに、固定スクロールをシェル上蓋の周端面とフレームとの間に挟持してなるスクロール圧縮機について記載されている。
特開平7−174079号公報
ところで、スクロール圧縮機には、固定スクロールとシェル上蓋との間の空間に吐出された冷媒を、フレームの下側のモータ室に導くためのガス流路が設けられている。特許文献1に記載のスクロール圧縮機では、前記したように、シェル上蓋の周端面とフレームとの間に固定スクロールが挟持された構成になっている。このような構成では、ガス流路の一部がシェル上蓋の下端面で塞がれて、ガス流路の流路断面積が小さくなるため、このガス流路を通流する過程で冷媒の流速が上昇する。また、ガス流路を介してモータ室に流出した冷媒が、電動機の回転に伴って攪拌される。その結果、冷媒に混在しているミスト状の潤滑油がモータ室に飛散するため、吐出パイプを介して潤滑油が流出しやすくなる。
なお、吐出パイプを介して潤滑油が多量に流出すると、冷凍サイクルの効率の低下の他、スクロール圧縮機の各摺動部における潤滑性・シール性の低下を招く。スクロール圧縮機の構成の簡素化と、信頼性の向上と、を両立させることが望ましいが、そのような技術については特許文献1には記載されていない。
そこで、本発明は、簡素な構成で信頼性の高いスクロール圧縮機等を提供することを課題とする。
前記した課題を解決するために、本発明に係るスクロール圧縮機は、円筒状の筒チャンバと、前記筒チャンバの上側を塞ぐ蓋チャンバと、前記筒チャンバの下側を塞ぐ底チャンバと、を有する密閉容器と、前記筒チャンバに固定される台板、及び、渦巻き状の固定ラップを有する固定スクロールと、前記固定ラップとともに圧縮室を形成する渦巻き状の旋回ラップを有する旋回スクロールと、前記旋回スクロールを支持するフレームと、固定子及び回転子を有する電動機と、潤滑油を導く貫通孔を有し、前記回転子と一体で回転する駆動軸と、を備えるとともに、前記筒チャンバに設置され、その一端が前記密閉容器の内側に位置し、他端が前記密閉容器の外側に位置する吐出パイプと、前記フレームに設置され、前記吐出パイプの前記一端と前記筒チャンバとを隔てる隔壁と、を備え、前記台板のフランジ部における前記蓋チャンバ側の面に前記蓋チャンバの周端面が密接、又は、前記台板の前記フランジ部における前記蓋チャンバ側の面に前記蓋チャンバの内壁面の一部が密接しており、前記台板の前記フランジ部、及び前記フレームの周縁部には、径方向内側に凹んでなる溝が設けられ、前記台板と前記蓋チャンバとの間の空間と、前記フレームと前記電動機との間の空間とが、前記溝の隙間を介して連通しており、前記溝の上端付近では、前記隙間の一部が前記蓋チャンバで遮られており、前記固定子には、前記駆動軸の軸方向において前記固定子の一方側と他方側とを連通させる第1流路が設けられ、前記溝の上端における前記隙間の流路断面積は、前記第1流路の流路断面積よりも小さいこととした。なお、その他については、実施形態の中で説明する。
本発明によれば、簡素な構成で信頼性の高いスクロール圧縮機等を提供できる。
第1実施形態に係るスクロール圧縮機の縦断面図である。 第1実施形態に係るスクロール圧縮機において、図1のX1−X1線における圧縮機の横断面図である。 第1実施形態に係るスクロール圧縮機の密閉容器等を取り除いた状態の斜視図である。 第1実施形態に係るスクロール圧縮機のクランク軸、電動機、及びバランスウェイトを含む斜視図である。 第1実施形態に係るスクロール圧縮機における冷媒等の流れを示す縦断面図である。 図5Aに示す領域S1の部分拡大図である。 第1実施形態に係るスクロール圧縮機が備えるオイルリングの斜視図である。 第1実施形態に係るスクロール圧縮機において、図1のX2−X2線で圧縮機を切断した場合の横断面図である。 第1実施形態に係るスクロール圧縮機において、圧縮機構部の冷媒流路と、オイルリングの切欠きとの位置関係を示す横断面図である。 第2実施形態に係るスクロール圧縮機の縦断面図である。 第2実施形態に係るスクロール圧縮機における冷媒等の流れを示す縦断面図である。 図10Aに示す領域S2の部分拡大図である。 第3実施形態に係る空気調和機の冷媒回路の構成図である。 第1の変形例に係るスクロール圧縮機が備えるオイルリングの斜視図である。 第2の変形例に係るスクロール圧縮機が備えるオイルリングの斜視図である。 第3の変形例に係るスクロール圧縮機が備えるオイルリングの斜視図である。 第3の変形例に係るスクロール圧縮機において、圧縮機構部の冷媒流路と、オイルリングの切欠きとの位置関係を示す横断面図である。 オイルリングを備えない比較例に係るスクロール圧縮機において、密閉容器等を取り除いた状態の斜視図である。
≪第1実施形態≫
<スクロール圧縮機の構成>
図1は、第1実施形態に係るスクロール圧縮機100の縦断面図である。
図1に示すスクロール圧縮機100は、ガス状の冷媒を圧縮する機器である。図1に示すように、スクロール圧縮機100は、密閉容器1と、圧縮機構部2と、クランク軸3(駆動軸)と、主軸受4と、旋回軸受5と、電動機6と、オルダムリング7と、バランウェイト8,9と、を備えている。また、スクロール圧縮機100は、前記した構成の他に、サブフレーム10と、副軸受11と、給油ポンプ12と、オイルリング13(隔壁)と、を備えている。
密閉容器1は、圧縮機構部2、クランク軸3、電動機6、オイルリング13等を収容する殻状の容器であり、略密閉されている。密閉容器1には、スクロール圧縮機100での潤滑性を高めるための潤滑油が封入され、密閉容器1の底部に油溜りRとして貯留されている。密閉容器1は、円筒状の筒チャンバ1aと、この筒チャンバ1aの上側を塞ぐ蓋チャンバ1bと、筒チャンバ1aの下側を塞ぐ底チャンバ1cと、を備えている。蓋チャンバ1bは、縦断面視で逆U字状を呈している。一方、底チャンバ1cは、縦断面視でU字状を呈している。
筒チャンバ1aの上端部には、蓋チャンバ1bが溶接(又は圧入)で固定されている。そして、蓋チャンバ1bの下端付近の外周面が、筒チャンバ1aの上端付近の内周面に密着している。前記した「密着」には、蓋チャンバ1bが筒チャンバ1aに溶接される構成において、その溶接箇所の金属が溶けて一体化している場合も含まれる。このように、蓋チャンバ1bが筒チャンバ1aの内側に固定される構成を「内被せ仕様」という。
図1に示すように、密閉容器1の蓋チャンバ1bには、吸入パイプPaが差し込まれて固定されている。吸入パイプPaは、圧縮機構部2の吸入室Hに冷媒を導く管である。また、密閉容器1の筒チャンバ1aには、吐出パイプPbが差し込まれて固定(設置)されている。吐出パイプPbは、圧縮機構部2で圧縮された冷媒をスクロール圧縮機100の外部に導く管である。吐出パイプPbは、その上流端e1(一端)が密閉容器1の内側に位置し、下流端e2(他端)が密閉容器1の外側に位置している。
圧縮機構部2は、クランク軸3の回転に伴って冷媒を圧縮する機構である。圧縮機構部2は、固定スクロール21と、旋回スクロール22と、フレーム23と、を備え、密閉容器1内の上部空間に配置されている。
固定スクロール21は、密閉容器1内に固定される固定部材である。固定スクロール21は、筒チャンバ1aに固定される台板21aと、渦巻き状の固定ラップ21bと、を有している。
台板21aは、平面視で円形状を呈する肉厚の本体部211aと、この本体部211aの下部から径方向外側に突出しているフランジ部212aと、を備えている。なお、固定ラップ21bに対して旋回ラップ22bが旋回する領域Sa(下面視で円形状の領域)を確保するために、本体部211aの下面の中心付近が上側に所定に凹んでいる。また、吸入パイプPaを介して冷媒が導かれる吸入室Hが、本体部22aの所定箇所に設けられている。
固定ラップ21bは、渦巻状を呈し(図2も参照)、前記した領域Saにおいて台板21aから下側に延びている。なお、台板21aの下面と、固定ラップ21bの下端と、は略面一になっている。
また、図1の例では、蓋チャンバ1bの下端が、台板21aのフランジ部212aに当接している。これによって、固定スクロール21の上下方向の移動を規制できる他、固定スクロール21を圧縮機構部2に締結するボルト(図示せず)が不要になるため、圧縮機構部2の構成を簡素化できるとともに、スクロール圧縮機100のコンパクト化を図ることもできる。
旋回スクロール22は、その旋回(移動)によって、固定スクロール21とともに圧縮室Cを形成する移動部材である。旋回スクロール22は、円板状の鏡板22aと、この鏡板22aに立設される渦巻状の旋回ラップ22b(図2も参照)と、クランク軸3の上端部に嵌合されるボス部22cと、を備えている。図1に示すように、旋回ラップ22bが鏡板22aの上側に延びている一方、ボス部22cが鏡板22aの下側に延びている。
図2は、図1のX1−X1線におけるスクロール圧縮機100の横断面図である。
図2に示すように、渦巻状の固定ラップ21bと、渦巻状の旋回ラップ22bと、が噛み合うことで、固定ラップ21bと旋回ラップ22bとの間に圧縮室Cが形成される。前記した圧縮室Cは、ガス状の冷媒を圧縮する空間であり、旋回ラップ22bの外線側・内線側にそれぞれ形成される。また、固定スクロール21の台板21aの中心付近には、圧縮室Cで圧縮された冷媒を密閉容器1内の上部空間に導く吐出口Vが設けられている。そして、圧縮機構部2で圧縮された冷媒が、吐出口Vを介して、密閉容器1の天井面に向けて吐出されるようになっている(図5Aも参照)。
図1に示すフレーム23は、旋回スクロール22を支持する部材である。フレーム23は、概ね回転対称な形状を呈し、旋回スクロール22の下側に設けられている。フレーム23には、クランク軸3が挿通される孔(符号は図示せず)の他、背圧室Bが設けられている。背圧室Bは、吸入圧力と吐出圧力との間の所定の中間圧力を有する空間であり、旋回スクロール22の背面側に設けられている。
フレーム23は、比較的肉厚の周縁部23aを備えている。この周縁部23aは、フレーム23において、旋回スクロール22の鏡板22aの径方向外側の部分である。図1に示すように、周縁部23aの上面は、固定スクロール21の台板21aのフランジ部212aに当接している。
フレーム23は、圧入等によって密閉容器1に固定されている。そして、台板21aのフランジ部212a、及びフレーム23の周縁部23aが、筒チャンバ1aと蓋チャンバ1bとで挟まれている。このような設置方式をプレスフィット方式という。
なお、図1の例では、筒チャンバ1aの内周面は略面一であり、この内周面には段差(図示せず)は特に設けられていない。そして、筒チャンバ1aにフレーム23や固定スクロール21が固定され、さらに、蓋チャンバ1bが固定スクロール21のフランジ部212aに当接している。つまり、台板21aのフランジ部212aにおける蓋チャンバ1b側の面に蓋チャンバ1bの周端面Q1(図5A参照)が密接している。このような構成も、フランジ部212a及び周縁部23aが筒チャンバ1aと蓋チャンバ1bとで挟まれているという事項(つまり、プレスフィット方式)に含まれるものとする。また、「密接」とは、隙間なく接触していることを意味している。
なお、図1とは異なる構成として、筒チャンバ1aの上部に所定の段差部(図示せず)を設ける一方、これに対応する別の段差部(図示せず)をフレーム23の周縁部23aに設けるようにしてもよい。そして、筒チャンバ1aの段差部によって、フレーム23の段差部が係止されるようにしてもよい。このような構成も、前記したプレスフィット方式に含まれる。
図3は、スクロール圧縮機100の密閉容器1等を取り除いた状態の斜視図である。
なお、図3の白抜き矢印は、ミスト状の潤滑油の流れを示している。また、図3におけるクランク軸3の下側の矢印は、クランク軸3が回転する向きを示している。図3の例では、軸方向において圧縮機構部2の上側(一方側)と下側(他方側)とを連通させる2つの溝Mが、圧縮機構部2に設けられている(図2も参照)。
より詳しく説明すると、固定スクロール21の台板21aのフランジ部212aには、その外周壁が径方向内側に凹んでなる溝Maが、クランク軸3の軸方向と平行に設けられている。また、フレーム23の周縁部23aには、その外周壁が径方向内側に凹んでなる溝Mbが、クランク軸3の軸方向と平行に設けられている。これらの溝Ma,Mbは、その周方向の範囲が略一致し、軸方向に順次に並んで設けられている。また、台板21aと蓋チャンバ1b(図1参照)との間の空間Suと、フレーム23と電動機6(図1参照)との間の空間であるモータ室Smとが、溝Mの隙間uを介して連通している。このような隙間uが、図3の例では、圧縮機構部2の外側に設けられている。
この隙間uは、吐出口Vを介して圧縮機構部2の上側の空間Suに吐出された冷媒等を、圧縮機構部2の下側に導く流路である。なお、隙間uを通流するガスには、冷媒の他にミスト状の潤滑油も混在している。このようなガスを「冷媒等」という。そして、吐出口Vを介して、圧縮機構部2の上側の空間Suに吐出された冷媒等が、溝Ma,Mbを順次に介して、圧縮機構部2の下側のモータ室Smに導かれるようになっている。
より詳しく説明すると、固定スクロール21の溝Maの壁面と、筒チャンバ1a(図2参照)の内周面と、の間の隙間uを冷媒等が通流し、さらに、フレーム23の溝Mbと、筒チャンバ1a(図2参照)の内周面と、の間の隙間uを冷媒等が通流する。したがって、密閉容器1において、圧縮機構部2の上側の空間Suや、フレーム23の下側のモータ室Smは、その圧力が冷媒の吐出圧力に略等しい所定の吐出圧力空間になっている。
なお、図2に示すように、2つの溝Mが、周方向において、吐出パイプPbとは反対側に偏在していることが好ましい。例えば、吐出パイプPbの差込位置と、クランク軸3の中心軸線Yと、を通り、この中心軸線Yに垂直な直線を、直線L1とする。また、直線L1及びクランク軸3の中心軸線Yの両方に垂直に交わる直線を、直線L2とする。
そして、前記した直線L2を基準として、吐出パイプPbとは反対側に2つの溝Mが設けられる(偏在している)ようにしてもよい。これによって、横断面視で溝Mから吐出パイプPbまでの周方向の長さが十分に確保される。したがって、隙間uを下降するミスト状の潤滑油が、吐出パイプPbを介して流出することを抑制できる。
再び、図1に戻って説明を続ける。
クランク軸3は、電動機6の回転子6bと一体で回転する軸であり、上下方向に延びている。図1に示すように、クランク軸3は、主軸3aと、この主軸3aの上側に延びる偏心部3bと、を備えている。
主軸3aは、電動機6の回転子6bに同軸で固定され、この回転子6bと一体で回転する。偏心部3bは、主軸3aに対して偏心しながら回転する軸であり、前記した旋回スクロール22のボス部22cに嵌合している。そして、偏心部3bが偏心しながら回転することでえ、旋回スクロール22が旋回するようになっている。
主軸受4は、フレーム23に対して主軸3aの上部を回転自在に軸支するものであり、フレーム23の孔(符号は図示せず)の周壁面に固定されている。
旋回軸受5は、旋回スクロール22のボス部22cに対して偏心部3bを回転自在に軸支するものであり、ボス部22cの内周壁に固定されている。
なお、主軸受4及び旋回軸受5が、滑り軸受(ジャーナル軸受)で構成されていることが好ましい。すなわち、フレーム23においてクランク軸3を軸支する複数の軸受(主軸受4や旋回軸受5)が、滑り軸受のみで構成されていることが好ましい。このような構成によれば、主軸受4や旋回軸受5の内周面と、クランク軸3の外周面と、が面接触するため、主軸受4や旋回軸受5に大きな荷重がかかる高速回転時でも、クランク軸3の振動が抑制される。また、主軸受4や旋回軸受5として、滑り軸受以外の他の種類の軸受が用いられる場合に比べて、構成の簡素化や低コスト化を図ることができる。
また、クランク軸3は、潤滑油を導く貫通孔3cを有している。この貫通孔3cを介して通流する潤滑油は、圧縮機構部2の他、主軸受4や旋回軸受5、副軸受11等に導かれる。
電動機6は、クランク軸3を回転させる駆動源であり、密閉容器1の内部に設置されている。図1の例では、上下方向においてオイルリング13とサブフレーム10との間に電動機6が設置されている。電動機6は、固定子6aと、回転子6bと、を備えている。固定子6aは、圧入等によって、筒チャンバ1aの内周壁に固定されている。回転子6bは、固定子6aの径方向内側において、回転自在に配置されている。
オルダムリング7は、偏心部3bの偏心回転を受けて、旋回スクロール22を自転させることなく旋回させる輪状部材である。オルダムリング7は、旋回スクロール22とフレーム23との間に設けられている。
バランスウェイト8,9は、スクロール圧縮機100の振動を抑制するための部材である。一方のバランウェイト8は、オイルリング13の径方向内側に設けられている。より詳しく説明すると、バランスウェイト8は、モータ室Smにおいて、オイルリング13(隔壁)の径方向内側に設けられている。他方のバランウェイト9は、円弧状を呈し、回転子の下面にリベット9aで固定されている。
図4は、クランク軸3、電動機6、及びバランスウェイト8を含む斜視図である。
なお、図4におけるクランク軸3の下側の矢印は、クランク軸3が回転する向きを示している。図4に示すように、バランスウェイト8は、環状を呈する環状部8aと、円弧状を呈する円弧部8bと、を備えている。
そして、環状部8aの孔(符号は図示せず)にクランク軸3が挿通された状態で、このクランク軸3に環状部8aが固定されている。円弧部8bは、クランク軸3の半周分を囲むように横断面視で円弧状を呈し、環状部8aから軸方向上側に延びている。そして、電動機6の駆動に伴い、バランスウェイト8がクランク軸3と一体で回転するようになっている。
図1に示すサブフレーム10は、クランク軸3の下部を回転自在に軸支するものであり、密閉容器1の内周壁に固定されている。サブフレーム10には、クランク軸3が挿通される孔(符号は図示せず)が設けられ、その孔の周壁面に副軸受11が固定されている。
副軸受11は、クランク軸3の下部を軸支し、クランク軸3から径方向の荷重を受ける軸受である。副軸受11は、サブフレーム10の孔(符号は図示せず)の周壁面に圧入等で固定されている。
給油ポンプ12は、潤滑油を汲み上げる非容積式のポンプであり、貫通孔3cの下部に設けられている。図1の例では、給油ポンプ12は、薄板状の金属片12aを備えている。そして、電動機6の駆動に伴う金属片12aの回転によって、貫通孔3cを介して潤滑油が上昇するようになっている。
オイルリング13は、吐出パイプPbの上流端e1(一端)と、筒チャンバ1aと、を隔てる筒状の「隔壁」であり、圧縮機構部2と電動機6との間に設けられている。図1に示すように、オイルリング13は、圧縮機構部2のフレーム23に接触した状態で、このフレーム23に固定(設置)されている。
図5Aは、スクロール圧縮機100における冷媒等の流れを示す縦断面図である。
なお、図5Aの白抜き矢印は、冷媒等の流れを示している。また、図5Aでは、溝Mを含む所定平面(図示せず)でスクロール圧縮機100を切断した場合の縦断面を示しており、図1とは、縦断面視における切断面が異なっている。
図5Aに示すように、吐出口Vを介して圧縮機構部2の上側の空間Suに吐出された冷媒等(ミスト状の潤滑油を含む)は、溝Mの壁面と筒チャンバ1aの内周面との間の隙間uを介して下降する。そして、隙間uから流出した冷媒等は、後記するオイルリング13と筒チャンバ1aとの間の環状の隙間kを介して下降する。
図5Bは、図5Aに示す領域S1の部分拡大図である。
図5Bに示すように、圧縮機構部2に設けられた溝Mの上端付近では、溝Mの壁面と筒チャンバ1aの内周面との間の隙間uの一部が、蓋チャンバ1bで遮られている。言い換えると、蓋チャンバ1bの下端において、周方向で隙間uに対応する箇所が、この隙間uに臨んでいる。したがって、溝Mの上端付近で隙間uの流路断面積が狭くなるため、隙間uを通流する過程でミスト状の潤滑油の流速が上昇する。
図15は、オイルリングを備えない比較例に係るスクロール圧縮機100Dにおいて、密閉容器1等を取り除いた状態の斜視図である。
なお、図15の白抜き矢印は、ミスト状の潤滑油の流れを示している。また、図15におけるクランク軸3の下側の矢印は、クランク軸3が回転する向きを示している。プレスフィット方式のスクロール圧縮機100Dでは、前記したように、圧縮機構部2の溝Mの隙間を通流する過程で冷媒等の流速が上昇する。そして、図15の白抜き矢印で示すように、圧縮機構部2の下側に流出(飛散)した冷媒等が、バランスウェイト8の回転による旋回流に巻き込まれるため、吐出パイプPbを介して潤滑油が流出しやすくなる。そこで、第1実施形態では、オイルリング13(図1参照)を設けることで、吐出パイプPbを介した潤滑油の流出を抑制するようにしている。
図6は、スクロール圧縮機100が備えるオイルリング13の斜視図である。
図6に示すように、オイルリング13は、肉薄の円筒状を呈する円筒部13aと、この円筒部13aの上端から径方向内側に延びる円環状の固定部13bと、を備えている。
固定部13bは、フレーム23(図1参照)に固定される部分である。図6の例では、周方向において約120°間隔で、固定部13bに3つの孔hが設けられている。そして、それぞれの孔hにネジ(図示せず)が挿通され、さらに、フレーム23の下面に設けられたネジ穴(図示せず)に螺合される。
これによって、オイルリング13の上面が、周方向の全周に亘ってフレーム23(図1参照)の下面に密着する。したがって、オイルリング13とフレーム23との間には、ほとんど隙間がない。なお、吐出パイプPb(図1参照)の上流端e1が、平面視において、固定部13bの径方向内側の端部と、固定部13bの径方向外側の端部と、の間に設けられていることが好ましい。言い換えると、平面視において、吐出パイプPbの上流端e1が固定部13bに重なっていることが好ましい。このような構成によれば、吐出パイプPbの上流端e1が固定部13bの径方向内側の端部よりもさらに径方向内側にまで入り込んでいる構成に比べて、吐出パイプPbを介した潤滑油の流出を抑制できる。例えば、バランスウェイト8に油滴状の潤滑油が集積していても、吐出パイプPbの上流端e1までの距離が比較的長いため、吐出パイプPbを介した潤滑油の流出を抑制できる。
図6に示す円筒部13aは、吐出パイプPb(図1参照)の上流端e1と、筒チャンバ1aと、を隔てる機能を有している。ここで、円筒部13aが吐出パイプPbの上流端e1と筒チャンバ1aとを「隔てる」とは、隙間uを介して筒チャンバ1a内に流出した潤滑油が、吐出パイプPbにそのまま導かれるのではなく、円筒部13aでいったん遮られることを意味している。なお、隙間uから吐出パイプPbに向かう潤滑油の流れが完全には遮られない場合でも、この流れが抑制されていれば、前記した「隔てる」という意味に含まれる。
図1に示すように、円筒部13aの外周面と、密閉容器1の内周面と、の間には、径方向の隙間kが円筒部13aの全周に亘って設けられている。そして、圧縮機構部2の隙間uを介して下降した冷媒等が、円筒部13aと密閉容器1との間の環状の隙間kを介して、旋回しながら下降するようになっている。つまり、オイルリング13の円筒部13aは、吐出パイプPbからの潤滑油の流出を抑制する機能の他に、冷媒等の流れをガイドする機能も担っている。
なお、図5Bに示すように、蓋チャンバ1bの下端と台板21aのフランジ部212aとの間の距離L3よりも、溝Mの壁面と筒チャンバ1aとの間の距離L4のほうが長いことが好ましい。さらに、図5Aに示すように、溝Mの壁面と筒チャンバ1aとの間の距離L4よりも、筒チャンバ1aとオイルリング13との間の距離L5のほうが長いことが好ましい。このような構成によれば、溝Mの隙間uに入る過程で冷媒等の流速がいったん上昇しても、オイルリング13の径方向外側の環状の隙間kが比較的大きいため、この隙間kを通流する過程で冷媒等の流速が低下する。その結果、環状の隙間kを旋回しながら下降する過程で、ミスト状の油と冷媒ガスとが分離されるため、吐出パイプPbを介した潤滑油の流出を抑制できる。
なお、溝Mの壁面に所定の凹凸(図示せず)がある場合、前記した距離L4は、溝Mの壁面と筒チャンバ1aとの間の距離を、軸方向の複数箇所で平均した値とする。
また、クランク軸3の中心軸線Y(図1参照)を基準として、円筒部13aの外周面の径は、隙間uを形成している溝M(図3参照)の底の径以下であることが好ましい。このような構成によれば、オイルリング13の固定部13b(図6参照)が、前記した溝Mの径方向内側に隠される。したがって、隙間uを介して下降する冷媒等の流れが、オイルリング13の固定部13bで阻害されることを防止できる。
図6に示すように、オイルリング13には、3つの切欠きs1,s2,s3が設けられている。一つ目の切欠きs1(第1挿通部、吐出パイプ挿通部)には、吐出パイプPb(図1参照)が挿通される。二つ目の切欠きs2(第2挿通部)には、電源端子E(ハーメチック端子ともいう:図2参照)が挿通される。電源端子Eは、電動機6の巻線61b(図1参照)に接続される端子である。そして、三つ目の切欠きs3(第3挿通部)には、返油パイプ15(図7参照)が挿通される。なお、返油パイプ15は、圧縮機構部2(図1参照)の冷媒等に含まれる潤滑油の一部を密閉容器1の油溜りRに導く管である。
図7は、図1のX2−X2線でスクロール圧縮機100を切断した場合の横断面図である。
なお、図1のX2−X2線でスクロール圧縮機100を切断した場合において、実際には見えていない吐出パイプPbや電源端子Eを、図7では説明のために投射して図示している。また、図7では、密閉容器1(図1参照)の底チャンバ1cに設置される4つの脚14を図示している。
図7に示すように、電動機6の固定子6aは、電磁鋼板が積層されてなるコアバック61aと、コアバック61aに所定に巻回される巻線61bと、を備えている。固定子6aのコアバック61aには、クランク軸3の軸方向において固定子6aの上側(一方側)と下側(他方側)とを連通させる複数の油流路N(第1流路:図3も参照)が設けられている。なお「油流路N」を通流する冷媒等には、ミスト状の潤滑油の他に、ガス状の冷媒も混在している。
前記した油流路Nは、オイルリング13と密閉容器1との間の環状の隙間k(図1参照)を通流する冷媒等を電動機6の下側に導く流路である。すなわち、固定子6aのコアバック61aの外周壁において、周方向の所定箇所が径方向内側に凹んでなる溝が、油流路Nとして、縦方向に設けられている。
図7の例では、固定子6aのコアバック61aにおいて、周方向で略等間隔に6つの油流路Nが設けられている。そして、コアバック61aの溝(油流路N)と密閉容器1の内周面との間の隙間を介して、冷媒等が電動機6の下側に導かれるようになっている。
なお、溝M(図5B参照)の上端における隙間uの流路断面積は、油流路N(第1流路:図7参照)の流路断面積よりも小さいことが好ましい。ここで、「溝Mの上端における隙間u」とは、溝M(図5B参照)の上端と、蓋チャンバ1bの下端と、の間の狭小な隙間を意味している。このような構成によれば、圧縮機構部2の上側の空間Su(図5A参照)から隙間uに入る過程で冷媒等の流速が大きくなっても、その流路断面積が比較的大きい油流路Nを通流する過程で冷媒等の流速が小さくなり、冷媒等から潤滑油が分離されやすくなる。
また、オイルリング13は、横断面視において、それぞれの油流路Nの径方向内側に設けられることが好ましい。このような構成によれば、オイルリング13と密閉容器1との間の環状の隙間k(図1参照)を通流する冷媒等が、コアバック61aの油流路Nを介して、電動機6の下側にそのまま導かれる。また、ミスト状の潤滑油が、油流路Nを介して吹き上げられた場合でも、この潤滑油がオイルリング13の内側に入り込むことを抑制できる。
また、図7に示す切欠きs1,s2,s3(吐出パイプPbがオイルリング13の切欠きs1に挿通されている箇所)を含む横断面視において、6つの油流路Nのうち少なくとも一部が、オイルリング13に径方向で重なっていることが好ましい。なお、横断面視における「横断面」は、クランク軸3の中心軸線Y(図1参照)に対して垂直な平面であるものとする。
その具体例として、切欠きs1,s2,s3を含む横断面視において、6つの油流路Nの周方向の長さの合計値の60%以上が、オイルリング13に径方向で重なっていることが好ましい。このような構成によれば、オイルリング13と密閉容器1との間の環状の隙間k(図1参照)を介して旋回しながら下降する潤滑油が、切欠きs1,s3,s3の隙間を介してオイルリング13の内側に入ることを抑制できる。
また、オイルリング13は、横断面視において電動機6の巻線61bの径方向外側に設けられることが好ましい。このような構成によれば、電動機6の下側に導かれたガス状の冷媒が、巻線61bの隙間等を介してオイルリング13の内側の空間に導かれる際、オイルリング13と密閉容器1との間の隙間k(図1参照)に入り込みにくくなる。そして、冷媒等が電動機6の下側に移動した後、ミスト状の潤滑油が油溜りRに一体化する一方、ガス状の冷媒がオイルリング13の内側に吹き上がって循環する流れが形成される。
次に、オイルリング13とバランスウェイト8との位置関係について説明する。
図1に示すように、クランク軸3の軸方向において、バランスウェイト8の上面と下面との間に吐出パイプPbの上流端e1(一端)が位置していることが好ましい。このような構成によれば、バランスウェイト8から滴り落ちて電動機6の上面に溜まっている潤滑油が再びミスト化した場合でも、吐出パイプPbの上流端e1がバランスウェイト8の下面よりも上側に位置しているため、吐出パイプPbを介した潤滑油の流出を抑制できる。また、バランスウェイト8の環状部8a(図4参照)の上面に溜まっている潤滑油が再びミスト化して、上方に吹き上げられた場合でも、吐出パイプPbの上流端e1がバランスウェイト8の上面よりも下側に位置しているため、吐出パイプPbを介した潤滑油の流出を抑制できる。
また、図1に示すように、電動機6とオイルリング13との間には、軸方向において所定の空間Dが設けられていることが好ましい。より詳しく説明すると、電動機6のコアバック61aの上面と、オイルリング13の下端と、の間に所定の空間Dが設けられていることが好ましい。これによって、金属製のオイルリング13と、電動機6との間に所定の絶縁距離を確保できる。さらに、オイルリング13を金属製にすることで、樹脂製の場合に比べて、オイルリング13の強度が高くなる。したがって、3つの切欠きs1,s2,s3が設けられる構成でも、オイルリング13の変形や破損を抑制できる。
また、バランスウェイト8の上面と、フレーム23の周縁部23aの下面と、の間の距離L1が、バランスウェイト8の下面と、固定子6aのコアバック61aの上面と、の間の距離L2よりも短いことが好ましい。このような構成によれば、バランウェイト8と電動機6との間の上下方向の距離L2が比較的長いため、電動機6の上面に溜まっている潤滑油が再びミスト化した場合でも、バランウェイト8における潤滑油の油滴化が抑制される。したがって、吐出パイプPbを介した潤滑油の流出を抑制できる。
図6に示すオイルリング13には、前記したように、3つの切欠きs1,s2,s3が設けられている。1つ目の切欠きs1(第1挿通部、吐出パイプ挿通部)には、吐出パイプPb(図1参照)が挿通される。この切欠きs1は、オイルリング13において高さ方向の中間付近からオイルリング13の下端まで縦方向に設けられ、オイルリング13の下端(電動機6側)で開口している。
また、図1に示すように、吐出パイプPbの上流端e1は、オイルリング13の径方向内側に位置している。言い換えると、吐出パイプPbの上流端e1は、オイルリング13の内側に臨んでいる。これによって、オイルリング13と密閉容器1との間の環状の隙間kを通流する潤滑油が、吐出パイプPbを介して流出することを抑制できる。
また、前記したように、オイルリング13の下部に切欠きs1が設けられている(オイルリング13の下部が切り欠かれている)。これによって、オイルリング13の上部に切欠き(図示せず)を設ける構成に比べて、オイルリング13の上面と、切欠きs1と、の間の縦方向の長さを十分に確保できる。
また、切欠きs1の位置がオイルリング13の下部であるため、環状の隙間kを介して通流する冷媒等の速度ベクトルにおいて、周方向の成分(旋回成分)の占める割合を小さくすることができる。これによって、環状の隙間kを介して冷媒等が適度に旋回しながら下降する、という流れが生じやすくなる。さらに、オイルリング13の上面と、切欠きs1と、の間の縦方向の長さを十分に確保できるため、環状の隙間k(図1参照)を介して旋回しながら下降するミスト状の潤滑油が、切欠きs1に達する前に、オイルリング13の外周面や密閉容器1の内壁面で油滴化しやすくなる。
なお、図6に示すように、切欠きs1がオイルリング13の下側に開口している構成(切欠きs1がオイルリング13の下端に設けられている構成)は、切欠きs1がオイルリング13の「下部」に設けられている、という事項に含まれる。
図6に示す2つ目の切欠きs2(第2挿通部)は、電源端子E(図2参照)を挿通したり、電源ケーブル(図示せず)を引き回したりするための切欠きである。この切欠きs2には、電源端子Eが挿通される端子挿通部sa2と、電源ケーブル(図示せず)を引き回すための幅広部sb2と、が含まれている。端子挿通部sa2は、オイルリング13における高さ方向の所定位置からオイルリング13の下端まで縦方向に設けられ、オイルリング13の下端で開口している。
幅広部sb2は、端子挿通部sa2の下部から周方向で所定範囲に亘って設けられ、オイルリング13の下端で開口している。すなわち、クランク軸3が回転する向き(図6では図示せず、図3参照)を基準として、周方向で端子挿通部sa2の下流側に幅広部sb2が設けられている。
3つ目の切欠きs3(第3挿通部)には、返油パイプ15(図7参照)が挿通される。この切欠きs3は、オイルリング13において高さ方向の上部付近からオイルリング13の下端まで縦方向に細長く設けられ、オイルリング13の下端で開口している。
図8は、圧縮機構部の隙間uと、オイルリング13の切欠きs1,s2,s3との位置関係を示す横断面図である。
なお、図8では、図1のX2−X2線でスクロール圧縮機100を切断した場合の断面(図7と同様の断面)において、電動機6等の図示を省略している。また、図1のX2−X2線でスクロール圧縮機100を切断した場合において、実際には見えていない隙間u、吐出パイプPb、及び電源端子Eを、図8では説明のために投射して図示している。
さらに、周方向の位置を示す図8の位置X3は、図7の位置X3に対応している。また、図8に示す紙面右回りの矢印は、クランク軸3が回転する向きを示している。
図8に示すように、クランク軸3の中心軸線Yを含むとともに、クランク軸3が回転する向きを基準として、隙間uの上流側の端点mを含む仮想平面Tでオイルリング13を2つに分割した場合、次の関係が成り立っていることが好ましい。すなわち、前記した仮想平面Tでオイルリング13を2つに分割した場合、オイルリング13において、隙間u側(吐出パイプPbとは反対側)である一方側A1の側面積が、他方側A2の側面積よりも大きいことが好ましい。
別の観点から説明すると、電源端子Eが挿通される切欠きs2の少なくとも一部、及び、吐出パイプPbが挿通される切欠きs1が、前記した他方側A2に設けられることが好ましい。さらに、2つの隙間uの周方向の位置が、吐出パイプPbとは反対側に偏在していることが好ましい。このような構成によれば、隙間uを出た冷媒等が、まず、オイルリング13の一方側A1と密閉容器1との間の隙間k(図1参照)を介して、図8の紙面右回りに旋回しながら下降する。
ここで、オイルリング13の一方側A1は、他方側A2よりも側面積が大きい(つまり、潤滑油が入り込む隙間が狭い)ため、冷媒等に含まれる潤滑油が、一方側A1からオイルリング13の内側に入り込みにくくなる。そして、隙間uから出た潤滑油の大部分が、オイルリング13の一方側A1を通流する間に電動機6に達し、さらに、油流路Nを介して電動機6の下側に導かれる。
また、隙間u、吐出パイプPb、及び電源端子Eの周方向の並びは、クランク軸3が回転する向きを基準として、隙間u、吐出パイプPb、及び電源端子Eの順であることが好ましい。このような構成によれば、隙間uから電源端子E用の切欠きs2までの周方向の長さを十分に確保できる。したがって、オイルリング13と密閉容器1との間の隙間k(図1参照)を介して旋回しながら下降するミスト状の潤滑油が、切欠きs2に達する前に、油流路N(図3、図7参照)を介して電動機6の下側に導かれる。その結果、ミスト状の潤滑油が、オイルリング13の内側に入り込むことを抑制できる。
<効果>
第1実施形態によれば、台板21aのフランジ部212a、及びフレーム23の周縁部23aが、筒チャンバ1aと蓋チャンバ1bとで挟まれている。このようなプレスフィット方式の構成にすることで、スクロール圧縮機100の構成を簡素化できる。
また、吐出パイプPbの上流端e1と、筒チャンバ1aと、がオイルリング13で隔てられている。つまり、クランク軸3やバランウェイト8等の回転体が設けられる領域と、冷媒等が下降する隙間kと、がオイルリング13で仕切られている。したがって、圧縮機構部2の上側の空間Suから隙間uに入る過程で冷媒等の流速が上昇しても、クランク軸3やバランウェイト8等の回転で冷媒等が攪拌されることがほとんどない。そして、環状の隙間kを通流する過程で冷媒等の流速が徐々に小さくなり、また、隙間kを介して冷媒等が直線的な経路で電動機6に達する。これによって、ミスト状の潤滑油の油滴化を促進することができる。また、いったん油滴化した潤滑油が再びミスト化することを抑制できる。
また、吐出パイプPbの上流端e1がオイルリング13の内側に位置しているため、吐出パイプPbを介した潤滑油の流出を抑制し、ひいては、スクロール圧縮機100の各摺動部を適切に潤滑できる。このように、第1実施形態によれば、簡素な構成で信頼性の高いスクロール圧縮機100を提供できる。
≪第2実施形態≫
第2実施形態は、蓋チャンバ1Ab(図9参照)が、筒チャンバ1aの外側に固定される「外被せ仕様」である点が、第1実施形態とは異なっている。なお、その他の点については、第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態とは異なる部分について説明し、重複する部分の説明を省略する。
図9は、第2実施形態に係るスクロール圧縮機100Aの縦断面図である。
図9に示すように、蓋チャンバ1Abは、その下端部が拡径するように、所定の折り曲げ加工が施されている。そして、蓋チャンバ1Abの下端部の内周面が、筒チャンバ1aの上端部の外周面に密接している。つまり、台板21aのフランジ部212aにおける蓋チャンバ1Ab側の面に蓋チャンバ1Abの内壁面の一部Q2(蓋チャンバ1Abが縦断面視で折れ曲がって段差になっている部分)が密接している。そして、固定スクロール21の台板21aのフランジ部212a、及びフレーム23の周縁部23aが、筒チャンバ1aと蓋チャンバ1bとで挟まれている。このように、スクロール圧縮機100Aは、外被せ仕様のプレスフィット方式の構成になっている。
図10Aは、スクロール圧縮機100Aにおける冷媒等の流れを示す縦断面図である。
図10Aに示すように、吐出口Vを介して圧縮機構部2の上側の空間Suに吐出された冷媒等は、溝Mの壁面と筒チャンバ1aとの間の隙間uを介して下降する。そして、隙間uから流出した冷媒等は、オイルリング13と筒チャンバ1aとの間の環状の隙間kを介して下降する。
図10Bは、図10Aに示す領域S2の部分拡大図である。
図10Bに示すように、圧縮機構部2に設けられた溝Mの上端付近では、溝Mの壁面と筒チャンバ1aとの間の隙間uの一部が、蓋チャンバ1bの屈曲している部分1bsで遮られている。したがって、溝Mの上端付近で隙間uの流路断面積が狭くなるため、隙間uを通流する過程でミスト状の潤滑油の流速が上昇する。このように潤滑油の流速が上昇しても、オイルリング13が設けられているため、クランク軸3やバランウェイト8といった回転体による攪拌の影響を冷媒等が受けることがほとんどなく、冷媒等から潤滑油が分離されやすくなる。
<効果>
第2実施形態によれば、外被せ仕様のスクロール圧縮機100Aにオイルリング13が設けられているため、冷媒等からの潤滑油の分離が促進される。したがって、スクロール圧縮機100Aの構成の簡素化を図り、また、その信頼性を高めることができる。
≪第3実施形態≫
第3実施形態では、第1実施形態で説明したスクロール圧縮機100(図1参照)を備える空気調和機W(冷凍サイクル装置:図11参照)について説明する。
図11は、第3実施形態に係る空気調和機Wの冷媒回路Kの構成図である。
なお、図11の実線矢印は、暖房運転時における冷媒の流れを示している。
一方、図11の破線矢印は、冷房運転時における冷媒の流れを示している。
空気調和機Wは、冷房や暖房等の空調を行う機器である。図11に示すように、空気調和機Wは、スクロール圧縮機100と、室外熱交換器Eoと、室外ファンFoと、膨張弁Veと、四方弁Vfと、室内熱交換器Eiと、室内ファンFiと、を備えている。
図11に示す例では、スクロール圧縮機100、室外熱交換器Eo、室外ファンFo、膨張弁Ve、及び四方弁Vfが、室外機Woに設けられている。一方、室内熱交換器Ei及び室内ファンFiは、室内機Wiに設けられている。
スクロール圧縮機100は、ガス状の冷媒を圧縮する機器であり、第1実施形態(図1参照)と同様の構成を備えている。
室外熱交換器Eoは、その伝熱管(図示せず)を通流する冷媒と、室外ファンFoから送り込まれる外気と、の間で熱交換が行われる熱交換器である。
室外ファンFoは、室外熱交換器Eoに外気を送り込むファンである。室外ファンFoは、駆動源である室外ファンモータMoを備え、室外熱交換器Eoの付近に設置されている。
室内熱交換器Eiは、その伝熱管(図示せず)を通流する冷媒と、室内ファンFiから送り込まれる室内空気(空調対象空間の空気)と、の間で熱交換が行われる熱交換器である。
室内ファンFiは、室内熱交換器Eiに室内空気を送り込むファンである。室内ファンFiは、駆動源である室内ファンモータMiを備え、室内熱交換器Eiの付近に設置されている。
膨張弁Veは、「凝縮器」(室外熱交換器Eo及び室内熱交換器Eiの一方)で凝縮した冷媒を減圧する弁である。なお、膨張弁Veによって減圧された冷媒は、「蒸発器」(室外熱交換器Eo及び室内熱交換器Eiの他方)に導かれる。
四方弁Vfは、空気調和機Wの運転モードに応じて、冷媒の流路を切り替える弁である。例えば、冷房運転時(図11の破線矢印を参照)には、スクロール圧縮機100、室外熱交換器Eo(凝縮器)、膨張弁Ve、及び室内熱交換器Ei(蒸発器)が、四方弁Vfを介して順次接続されてなる冷媒回路Kにおいて、冷凍サイクルで冷媒が循環する。
一方、暖房運転時(図11の実線矢印を参照)には、スクロール圧縮機100、室内熱交換器Ei(凝縮器)、膨張弁Ve、及び室外熱交換器Eo(蒸発器)が、四方弁Vfを介して順次接続されてなる冷媒回路Kにおいて、冷凍サイクルで冷媒が循環する。
このように、冷媒回路Kにおいて、スクロール圧縮機100、「凝縮器」、膨張弁Ve、及び「蒸発器」を順次に介して冷媒が循環するようになっている。なお、スクロール圧縮機100、室外ファンFo、膨張弁Ve、室内ファンFi等の機器は、制御装置(図示せず)からの指令に基づいて駆動される。
<効果>
第3実施形態によれば、スクロール圧縮機100から潤滑油が流出することを抑制できるため、空気調和機Wの信頼性と性能を高めることができる。
≪変形例≫
以上、本発明に係るスクロール圧縮機100や空気調和機Wについて各実施形態で説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。例えば、第1実施形態では、オイルリング13(図6参照)に3つの切欠きs1,s2,s3が設けられる構成について説明したが、切欠きの個数はこれに限らず、適宜に変更可能である。
また、第1実施形態では、圧縮機構部2に2つの溝M(図2参照)が設けられ、電動機6の固定子6aに6つの油流路N(第1流路)が設けられる構成について説明したが、溝Mや油流路Nの個数は、これに限らない。なお、第2実施形態についても同様のことがいえる。
図12Aは、第1の変形例に係るスクロール圧縮機が備えるオイルリング13Aの斜視図である。
第1実施形態では、オイルリング13(図6参照)に切欠きs1,s2,s3が設けられる構成について説明したが、これに限らない。例えば、切欠きs1に代えて、図12Aに示すように、吐出パイプPb(図1参照)が挿通される孔s11(第1挿通部、吐出パイプ挿通部)を設けてもよい。なお、他の切欠きs2,s3についても同様である。
また、吐出パイプPbが挿通される孔s11(第1挿通部、吐出パイプ挿通部)は、オイルリング13Aの下部に設けられることが好ましい。これによって、環状の隙間k(図1参照)における冷媒等の流れが、オイルリング13Aの内側の冷媒等の流れ(乱流)からの悪影響を受けにくくなり、冷媒等の流れが乱されにくくなる。なお、孔s11がオイルリング13Aの「下部」に設けられているとは、孔s11において、オイルリング13Aの下部に存在している部分の面積の方が、オイルリング13Aの上部に存在している部分の面積よりも大きいことを意味している。
図12Bは、第2の変形例に係るスクロール圧縮機が備えるオイルリング13Bの斜視図である。
第1実施形態で説明した切欠きs1(図6参照)に代えて、図12Bに示すように、オイルリング13Bの上端から下端までのスリットs12を設け、このスリットs12に吐出パイプPbが挿通されるようにしてもよい。その他、吐出パイプPbが挿通される「第1挿通部」、電源端子Eが挿通される「第2挿通部」、及び、返油パイプ15(図7参照)が挿通される「第3挿通部」の形状として、切欠き、孔、及びスリットのうち2つ又は3つが混在していてもよい。
図13は、第3の変形例に係る圧縮機が備えるオイルリング13Cの斜視図である。
図13に示すオイルリング13Cは、第1実施形態で説明したオイルリング13(図6参照)から、返油パイプ15(図7参照)が挿通される切欠きs3を省略した構成になっている。このようなオイルリング13C(隔壁)において、吐出パイプPb(図1参照)よりも上側(切欠きs1よりも上側)の少なくとも一部には、周方向の全周に亘ってオイルリング13Cが存在する領域G(円筒状の領域)が設けられている。なお、第1実施形態でも周方向の全周に亘ってオイルリング13(図6参照)が存在する領域(図6では、符号を図示せず)が設けられているが、第3の変形例の方が領域Gの縦幅が長くなっている。
前記した領域G(図13参照)を設けることで、オイルリング13Cと密閉容器1(図1参照)との間の環状の隙間k(図1参照)を介して、適度に旋回しながら下降する冷媒の流れが生じやすくなる。また、環状の隙間k(図1参照)を通流する過程で、ミスト状の潤滑油がオイルリング13Cの外周面や密閉容器1の内壁面で油滴化しやすくなる。したがって、吐出パイプPbを介した潤滑油の流出を抑制できる。
図14は、第3の変形例に係るスクロール圧縮機100Cにおいて、圧縮機構部の隙間uと、オイルリングの切欠きs1,s2との位置関係を示す横断面図である。
なお、図14は、返油パイプ15(図7参照)や切欠きs3(図8参照)が省略されている点以外は、図8と同様である。図14に示す圧縮機構部2には、2つの隙間uが設けられている。また、クランク軸3(駆動軸)が回転する向きを基準として、複数の溝M(隙間u)のうち、周方向で最も下流側に位置する端点m2から90°以上離れた位置に、吐出パイプPbが挿通される「吐出パイプ挿通部」として、切欠きs1が設けられている。つまり、中心軸線Yを含み、端点m2を通る仮想平面Taと、中心軸線Yを含み、吐出パイプPbの上流端付近を通る仮想平面Tbと、のなす角θの大きさが90°以上になっている。
さらに、クランク軸3が回転する向きを基準とする周方向において、前記した端点m2と切欠きs1との間には、オイルリング13C(隔壁)に所定の切欠き又は孔が設けられておらず、台板21a(図1参照)及びフレーム23(図1参照)に所定の流路(溝)も設けられていないことが好ましい。このような構成によれば、隙間u及び環状の隙間k(図1参照)を順次に介して旋回しながら下降する冷媒等が、オイルリング13Cの内側に入り込みにくくなる。したがって、オイルリング13Cが吐出パイプPbの上流端e1と隙間uとを隔てていることと相まって、吐出パイプPbを介した潤滑油の流出をさらに抑制できる。
また、第3実施形態で説明した空気調和機W(図11参照)は、ルームエアコンやパッケージエアコンの他、ビル用マルチエアコンといったさまざまな種類の空気調和機に適用できる。
また、第3実施形態では、スクロール圧縮機100を備える空気調和機W(冷凍サイクル装置:図11参照)について説明したが、これに限らない。例えば、冷蔵庫、給湯機、空調給湯装置、チラーといった他の「冷凍サイクル装置」にも、第2実施形態を適用可能である。
また、各実施形態では、スクロール圧縮機100で冷媒を圧縮する場合について説明したが、これに限らない。すなわち、冷媒以外の所定のガスをスクロール圧縮機100で圧縮するようにしてもよい。
また、各実施形態は、適宜に組み合わせることができる。例えば、第2実施形態と第3実施形態とを組み合わせ、空気調和機W(第3実施形態:図11参照)が、外被せ仕様のスクロール圧縮機100A(第2実施形態:図9参照)を備えるようにしてもよい。
また、各実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に記載したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換を適宜に行うことが可能である。
また、前記した機構や構成は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての機構や構成を示しているとは限らない。
100,100A スクロール圧縮機
1 密閉容器
1a 筒チャンバ
1b,1Ab 蓋チャンバ
2 圧縮機構部
21 固定スクロール
21a 台板
212a フランジ部
22 旋回スクロール
23 フレーム
23a 周縁部
3 クランク軸(駆動軸)
4 主軸受(軸受)
5 旋回軸受(軸受)
6 電動機
6a 固定子
6b 回転子
8 バランスウェイト
13 オイルリング(隔壁)
e1 上流端(一端)
e2 下流端(他端)
G 領域
M 溝
N 油流路(第1流路)
Pa 吸入パイプ
Pb 吐出パイプ
Q1 周端面(蓋チャンバの周端面)
Q2 一部(蓋チャンバの内壁面の一部)
s1 切欠き(吐出パイプ挿通部)
s11 孔(吐出パイプ挿通部)
Sm モータ室(空間)
Su 空間
u 隙間

Claims (9)

  1. 円筒状の筒チャンバと、前記筒チャンバの上側を塞ぐ蓋チャンバと、前記筒チャンバの下側を塞ぐ底チャンバと、を有する密閉容器と、
    前記筒チャンバに固定される台板、及び、渦巻き状の固定ラップを有する固定スクロールと、
    前記固定ラップとともに圧縮室を形成する渦巻き状の旋回ラップを有する旋回スクロールと、
    前記旋回スクロールを支持するフレームと、
    固定子及び回転子を有する電動機と、
    潤滑油を導く貫通孔を有し、前記回転子と一体で回転する駆動軸と、を備えるとともに、
    前記筒チャンバに設置され、その一端が前記密閉容器の内側に位置し、他端が前記密閉容器の外側に位置する吐出パイプと、
    前記フレームに設置され、前記吐出パイプの前記一端と前記筒チャンバとを隔てる隔壁と、を備え、
    前記台板のフランジ部における前記蓋チャンバ側の面に前記蓋チャンバの周端面が密接、又は、前記台板の前記フランジ部における前記蓋チャンバ側の面に前記蓋チャンバの内壁面の一部が密接しており、
    前記台板の前記フランジ部、及び前記フレームの周縁部には、径方向内側に凹んでなる溝が設けられ、
    前記台板と前記蓋チャンバとの間の空間と、前記フレームと前記電動機との間の空間とが、前記溝の隙間を介して連通しており、
    前記溝の上端付近では、前記隙間の一部が前記蓋チャンバで遮られており、
    前記固定子には、前記駆動軸の軸方向において前記固定子の一方側と他方側とを連通させる第1流路が設けられ、
    前記溝の上端における前記隙間の流路断面積は、前記第1流路の流路断面積よりも小さいスクロール圧縮機。
  2. 円筒状の筒チャンバと、前記筒チャンバの上側を塞ぐ蓋チャンバと、前記筒チャンバの下側を塞ぐ底チャンバと、を有する密閉容器と、
    前記筒チャンバに固定される台板、及び、渦巻き状の固定ラップを有する固定スクロールと、
    前記固定ラップとともに圧縮室を形成する渦巻き状の旋回ラップを有する旋回スクロールと、
    前記旋回スクロールを支持するフレームと、
    固定子及び回転子を有する電動機と、
    潤滑油を導く貫通孔を有し、前記回転子と一体で回転する駆動軸と、を備えるとともに、
    前記筒チャンバに設置され、その一端が前記密閉容器の内側に位置し、他端が前記密閉容器の外側に位置する吐出パイプと、
    前記フレームに設置され、前記吐出パイプの前記一端と前記筒チャンバとを隔てる隔壁と、を備え、
    前記隔壁の下部には、前記吐出パイプが挿通される吐出パイプ挿通部として、切欠き又は孔が設けられており、
    前記台板のフランジ部における前記蓋チャンバ側の面に前記蓋チャンバの周端面が密接、又は、前記台板の前記フランジ部における前記蓋チャンバ側の面に前記蓋チャンバの内壁面の一部が密接しており、
    前記台板の前記フランジ部、及び前記フレームの周縁部には、径方向内側に凹んでなる溝が設けられ、
    前記台板と前記蓋チャンバとの間の空間と、前記フレームと前記電動機との間の空間とが、前記溝の隙間を介して連通しており、
    前記溝の上端付近では、前記隙間の一部が前記蓋チャンバで遮られており、
    前記駆動軸が回転する向きを基準として、複数の前記溝のうち、周方向で最も下流側に位置する端点から90°以上離れた位置に前記吐出パイプ挿通部が設けられ、
    前記駆動軸が回転する向きを基準とする周方向において、前記端点と前記吐出パイプ挿通部との間には、前記隔壁に所定の切欠き又は孔が設けられておらず、前記台板及び前記フレームに所定の流路も設けられていないスクロール圧縮機。
  3. 円筒状の筒チャンバと、前記筒チャンバの上側を塞ぐ蓋チャンバと、前記筒チャンバの下側を塞ぐ底チャンバと、を有する密閉容器と、
    前記筒チャンバに固定される台板、及び、渦巻き状の固定ラップを有する固定スクロールと、
    前記固定ラップとともに圧縮室を形成する渦巻き状の旋回ラップを有する旋回スクロールと、
    前記旋回スクロールを支持するフレームと、
    固定子及び回転子を有する電動機と、
    潤滑油を導く貫通孔を有し、前記回転子と一体で回転する駆動軸と、を備えるとともに、
    前記筒チャンバに設置され、その一端が前記密閉容器の内側に位置し、他端が前記密閉容器の外側に位置する吐出パイプと、
    前記フレームに設置され、前記吐出パイプの前記一端と前記筒チャンバとを隔てる隔壁と、を備え、
    前記台板のフランジ部における前記蓋チャンバ側の面に前記蓋チャンバの周端面が密接、又は、前記台板の前記フランジ部における前記蓋チャンバ側の面に前記蓋チャンバの内壁面の一部が密接しており、
    前記台板の前記フランジ部、及び前記フレームの周縁部には、径方向内側に凹んでなる溝が設けられ、
    前記台板と前記蓋チャンバとの間の空間と、前記フレームと前記電動機との間の空間とが、前記溝の隙間を介して連通しており、
    前記溝の上端付近では、前記隙間の一部が前記蓋チャンバで遮られており、
    前記蓋チャンバの下端付近の外周面は、前記筒チャンバの上端付近の内周面に密着しており、
    前記蓋チャンバの下端において、周方向で前記隙間に対応する箇所が、前記隙間に臨んでいるスクロール圧縮機。
  4. 前記駆動軸と一体で回転するバランスウェイトを備え、
    前記駆動軸の軸方向において、前記バランスウェイトの上面と下面との間に前記吐出パイプの前記一端が位置していること
    を特徴とする請求項に記載のスクロール圧縮機。
  5. 前記バランスウェイトの上面と、前記フレームの前記周縁部の下面と、の間の距離が、前記バランスウェイトの下面と、前記固定子のコアバックの上面と、の間の距離よりも短いこと
    を特徴とする請求項に記載のスクロール圧縮機。
  6. 前記フレームにおいて前記駆動軸を軸支する複数の軸受が、ジャーナル軸受のみで構成されていること
    を特徴とする請求項に記載のスクロール圧縮機。
  7. 前記隔壁において、前記吐出パイプよりも上側の少なくとも一部には、周方向の全周に亘って当該隔壁が存在する領域が設けられていること
    を特徴とする請求項に記載のスクロール圧縮機。
  8. 前記蓋チャンバの下端と前記台板の前記フランジ部との間の距離よりも、前記溝の壁面と前記筒チャンバとの間の距離のほうが長く、
    前記溝の壁面と前記筒チャンバとの間の前記距離よりも、前記筒チャンバと前記隔壁との間の距離のほうが長いこと
    を特徴とする請求項に記載のスクロール圧縮機。
  9. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機を備え、
    前記スクロール圧縮機、凝縮器、膨張弁、及び蒸発器を順次に介して冷媒が循環する冷媒回路を含んでなる冷凍サイクル装置。
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