JP6887754B2 - 視線誘導標 - Google Patents
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Description
しかし、視線誘導標は上記のように自動車がポールに衝突したり、ポールあるいはベースプレートを轢いてしまったりして損傷がひどい場合では取り替えなければならなくなる。また、ひどく損傷しないまでも経年の使用で劣化したり汚れがひどい場合にも取り替えをしなければならない場合もある。その際に、従来の施工方法において接着剤を使用した場合では、視線誘導標を路面から取り外す際に接着剤で固着されたアスファルト等の表層部を一緒に引き剥がしてしまう可能性があった。そのため、頻繁に視線誘導標を取り替える必要のある現場ではボルト部材で固定する場合に比べて作業時間が短縮できる接着剤での施工が困難であった。このようなことから視線誘導標の取り替えにおいて例え視線誘導標を固定する際に接着剤で施工したとしても路面を痛めることのない施工方法が求められていた。
本発明はこのような従来技術の問題に着目してなされたものである。その目的は、路面を痛めることなくポールの取り替えをすることができる視線誘導標を提供することである。
このように構成することで、視線誘導標の本体であるポールの交換の必要が生じた際に、一体化されたポール及びベース部のみを取り替え、台座だけは路面に残すことができるため、新たなポール及びベース部をこの台座上に固定すればよく、視線誘導標(ポール部分)の交換の際に路面が損傷することがない。台座は所望の固定手段で、例えば接着剤を使用して路面に固定することも自由となる。
ここに、「ポール」は一般的にプラスチック製であることが汚れにくさやコストの点からよいが、軽金属や木製としてもよい。ポールとベース部とが一体的であるとは、プラスチック一体成形品として構成してもよく、ポールとベース部とをそれぞれ別体で構成し連結固定して一体的としてもよい。
また、「台座」としてはベース部が載置されるのであれば特に形状は限定されるものではない。また、台座の路面上への固定手段は特に限定されることはない。また、ベース部を台座に対して着脱可能に固定するため、ここでベース部の固定手段としては接着剤のような恒久的に連結固定してしまうような手段は含まない。また、台座は前もって単独で路面上に固定しても、ベース部を台座に対して固定した状態で台座を路面上に固定するようにしてもどちらでもよい。
このような台座側に配設されたボルト部材(又はナット部材)とそれに螺合するナット部材(又はボルト部材)を両部材が相対的に軸方向で接近させることでボルト部材のヘッドあるいはナット部材によってベース部を台座側に締め付け固定する。これによってベース部を台座側に確実に固定することができる。また、取り外すことも容易である。
また、第3の手段として、前記ベース部は前記台座の上面に前記ベース部の底面が重ねられて固定されるようにした。
これによって台座に対してベース部をしっかりと密着させることができ、ポールもぐらつくことなく起立させることができる。このとき、台座よりもベース部が周囲に張り出さないようにすることがよく、更に両者の平面形状を一致させるようにすることが路面に設置後の台座に対するベース部の安定性や車のタイヤが乗り上げた際の損傷にも強くなるため最もよい。
また、第4の手段として、前記台座は接着剤及びボルト部材の少なくとも一方の手段によって路面上に固定されるようにした。
これらは安価で施工性のよい最も現実的に使用できる固定手段である。これらの手段はいずれかだけでも、あるいは両方の手段を使用してより強固に路面に固定するようにしてもよい。
これは具体的な台座の構成の1つを定義するものである。このような台座を道路の形状として普遍的な水平面に設置することでポールを鉛直方向に起立させるようにすることができる。
また、第6の手段として、前記台座は、平面に形成されたベース部固定面と、同ベース部固定面に対して平行とならない平面に形成された路面固定面と、を上下面に有するようにした。
道路は平面ではなく傾斜があるため、この傾斜があってもポールの延出方向がなるべく鉛直方向となるようにすることが求められる。また、道路の幅方向についても道路中央寄りは水平面に近くとも路肩になると排水を考慮して傾斜が設けられることが多い。そのため、路肩に視線誘導標を設置する場合もポールの延出方向がなるべく鉛直方向となるようにすることが求められる。
第6の手段の台座はベース部固定面と路面固定面が平行ではないため厚みが均一ではなくなる。つまり厚みが連続的に変化するような構成となる。そのため路面の傾斜角度に応じた角度となるように台座を設置することで(坂の上側を厚さの薄い側とする)ベース部固定面をなるべく水平面に近い面とすることが可能となる。これによって、路面に角度があってもポールをなるべく鉛直方向に近い角度で起立させるようにすることができる。
また、第7の手段として、二枚の前記台座を上下方向に重ね、二枚の前記台座の位相を周方向に変位させることで上側となる前記台座の前記ベース部固定面と下側となる前記台座の路面固定面のなす角度を調整するようにした。
つまり、台座として厚みの一定ではない台座を二枚1セットとして使うことで、様々な角度の坂に対応させるようにし、そのような角度の異なる坂に設置される視線誘導標であってもポールをなるべく鉛直方向に近い角度で起立させるようにするものである。最も厚い部分同士を重ねた場合では最大厚みは一枚の台座の厚みより大幅に厚くなるし、薄い部分と厚い部分を重ねれば厚い薄いがキャンセルされてベース部固定面と路面固定面は平行に近く(あるいは平行に)なる。二枚の台座の位相を周方向に変位(つまり周方向に回転)させることでベース部固定面と路面固定面のなす角度を任意の角度に変更することができる。
また、第8の手段として、複数の一定の前記位相の位置で二枚の前記台座の変位を規制する規制手段を有するようにした。
これによって一定の位相で二枚の台座を変位させることができ、求めるベース部固定面と路面固定面のなす角度を容易に得られることとなる。
また、第9の手段として、前記規制手段は二枚の前記台座に形成された透孔に対して挿通されるボルト部材であるようにした。
下記の実施の形態2では第2の取り付け用透孔26とフランジスクリューボルト21が相当する。これらの形態に限定されるものではない。
また、第10の手段として、二枚の前記第2の台座は同じ形状に構成されているようにした。
これによって、複数種類の台座を用意しなくてともよくなるため、コストが削減される。また、位相が変化した際に重ねられた第2の台座の一方が他方からはみ出ないように構成できるため、車のタイヤが乗り上げても損傷を受けにくい。また、二枚の台座の位相を周方向に変化させる際に最も厚い部分同士を重ねた場合では最大厚みは一枚の台座の二倍となり、薄い部分と厚い部分を重ねれば厚い薄いがキャンセルされてベース部固定面と路面固定面は平行になる。
また、第11の手段として、二枚の前記第2の台座は真円形の外周形状に構成されているようにした。
これによって、二枚の台座の位相を周方向に変化させた場合に常に円形の外周が保たれることとなる。そのため台座の形状はベース部固定面と路面固定面のなす角度が変わっても常に一定であり、視線誘導標の外観の定形性が保たれる。
以下、本発明の具体的な実施の形態1について図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、本発明の実施の形態1の視線誘導標は誘導標本体1と台座2から構成されている。誘導標本体1はポール3とベース部4から構成されている。EVA樹脂製のポール3は中空のプラスチック成形品である。ポール3は横断面円形の外径形状(本実施の形態1では直径80mm)とされ、外周上部寄りと下部寄り位置に車のヘッドライトの光を反射するための反射テープ5が貼着されている。ポール3の下端には底蓋6が嵌合されている。ベース部4は側面視で扁平な台形形状となるように構成されたASA樹脂製の円板体である。ベース部4の中央には透孔7が形成されている。ポール3は底蓋6が嵌合された状態で透孔7に対して下側から挿嵌され、底蓋6の裏面6aとベース部4の底面4aが面一とされた状態で接着剤によってベース部4に対して固定されている。
ベース部4の透孔7の周囲には中心から等距離で、かつ等間隔となるように6カ所に取り付け用凹部8が形成されている。各取り付け用凹部8内には底板9が形成され、底板9には取り付け用透孔9が形成されている。第1の取り付け用透孔10は円形形状に構成され(本実施の形態1では直径12mm)、各第1の取り付け用透孔10の中心を通る仮想円(本実施の形態1では直径140mm)は透孔7と同心となる。本実施の形態1ではポール3上端からベース部4の底面4a(底蓋6の裏面6a)までの長さは650mmに構成されている。
図3(a)〜(c)に示すように、本実施の形態の視線誘導標は3種類の固定部材によって路面に固定される。図3(a)に示す根角ナット13は、正方形に構成されたベース片14とベース片14の中央から突起する雌ネジ部15とから構成されている。図3(b)に示すフランジボルト17は、ヘッド部18とフランジ19と雄ネジ部20とから構成されている。図3(c)に示すフランジスクリューボルト21は、ヘッド部22とフランジ23と雄ネジ部24とから構成されている。
まず、図4に示すように、3つの根角ナット13を雌ネジ部15側が上方となるように台座2の路面固定面2b(裏面)側の1つおきとなる3カ所の第2の取り付け用透孔11に面してそれぞれ配置する。そして、第2の取り付け用透孔11を介して雌ネジ部15を上方に突出させるようにする。この時、根角ナット13のベース片14を路面固定面2bの凹部12内に嵌合させて根角ナット13の共回りと路面固定面2bからベース片14が下方に突出するのを防止する。
次いで、台座2の上方に第1の取り付け用透孔と第2の取り付け用透孔11が照合されるように誘導標本体1側のベース部4を配置する(図5(a)の状態)。この時6つの第1の取り付け用透孔10と6つの第2の取り付け用透孔11はすべて対応して照合されることとなる。次いで、図5(a)及び(b)に示すように、根角ナット13が配設されている第2の取り付け用透孔11に対して3つのフランジボルト17を上方に配置する。そして、それぞれ台座2から上方に突出した雌ネジ部15に対して雄ネジ部20を螺合させる。雄ネジ部20が根角ナット13方向に進出させられることで雄ネジ部20のヘッド部18によってベース部4は台座2方向に押しつけられて(締め付けられて)固定される。この段階で誘導標本体1と台座2が連結されることとなる。
このような視線誘導標を所定の間隔で道路に標識として設置する。本実施の形態1では図6(a)(b)に示すように、上記で使用されていない1つおきとなる3カ所の第1及び第2の取り付け用透孔9、11に対して上方からフランジスクリューボルト21を路面にねじ込むようにして固定する。また、路面と路面固定面2bの間には接着剤を塗布して台座2の固定力を向上させる。
(1)痛んだり経年使用して劣化した誘導標本体1を交換する場合には、フランジボルト17とフランジスクリューボルト21を取り外すことで台座2を残して誘導標本体1のみを新たなものに交換することができることとなる。
(2)台座2とベース部4は同じ平面形状に構成されており、かつ真円形状であるため台座2に対してベース部4がどのような位相であっても第1の取り付け用透孔10と第2の取り付け用透孔11が照合できれば連結できるため、作業効率がよい。
以下、本発明の具体的な実施の形態2について図面に基づいて説明する。
実施の形態2の視線誘導標は誘導標本体1については実施の形態1と同じであり、実施の形態1の台座2とは異なる台座25を使用している。以下では主として台座25について説明し、上記と同じ部材や使用方法については詳しい説明は省略する。
図7(a)〜(c)に示すように、実施の形態2の視線誘導標に使用する台座25は真円形状のASA樹脂製の円板体である。台座25は平面に形成されたベース部固定面25aと、ベース部固定面2aに対して平行とならない平面に形成された路面固定面25bとを表裏面(上下面)とする。図7(c)の断面図において台座25はベース部固定面2aを水平に配置した状態を基準として最も厚い位置が15mmで構成され、最も薄い位置が4mmで構成されている。台座25の直径は200mmなので、この最も薄い位置と最も厚い位置を結ぶ直線方向のベース部固定面25aとベース部固定面2aのなす角度は約3度(実際には3度よりもわずかに角度は大きい)となる。台座25には中心から等距離で、かつ等間隔となるように上記と同様に6カ所に第2の取り付け用透孔26が形成されている。第2の取り付け用透孔26は第1の取り付け用透孔10と同径の円形形状に構成されている。第2の取り付け用透孔26の路面固定面2b側には上記と同様の一辺が21mmとなる正方形の凹部27が形成されている。
A.一枚の台座25を使用する場合(路面斜度が3度付近の場合)
この台座25を実施の形態1の台座2と同様の操作で誘導標本体1に連結する。そして、図8に示すように路面に対して斜面上方が最も薄い側となるように上記実施の形態1と同様の操作で固定する。これによってポール3をほぼ鉛直方向に沿って起立させることが可能となる。
B.二枚の台座25を使用する場合(路面斜度が3度付近ではない場合)
この場合には路面斜度に応じて角度を調整する。本実施の形態2では図10の△で示す端位置が最も台座25が厚くなる位置であり、その対面にある×で示す端位置が最も薄くなる位置である。すると、二枚の同じ台座25を重ね合わせて周方向に相対的に回動させた場合には、例えば図9(a)に示すように上下の台座25の△部分が重なるような位相が最も急な角度となる場合であり本実施の形態2では6度程度となる(ここではちょうど6度として計算する。)。また、例えば図9(b)に示すように上下の台座25の△と×が重なるような位相は角度0、つまり水平となる場合である。台座25は中心から等距離でかつ等間隔(等角度)で6つの第2の取り付け用透孔26が形成されているため、60度ずつ位相を変化させていくことが可能である。
例えば、図10において左側の台座25を動かさずに右側の台座25を左側の台座25の上に重ねて左側の台座25を回転させて位相を変化させることを考える。そして左側の台座25のある第2の取り付け用透孔26pを基準とし、これと右側の台座25の第2の取り付け用透孔26A〜Fを重ねた場合の基準方向L(傾斜面の斜面方向に沿って配置される方向)の角度変化を見るものとする。すると、26p−26A(第2の取り付け用透孔26pと第2の取り付け用透孔26Aが重なっていることを示す、以下同様)では基準方向Lの角度は6度、26p−26Bでは基準方向Lの角度は4度、26p−26Cでは基準方向Lの角度は2度、26p−26Dでは基準方向Lの角度は0度・・・というように基準方向Lの角度を調整することができる。つまり、B.では60度の位相変化によって6度→4度→2度→0度→2度→4度→6度というように6度と0度の間で2度ずつ角度を変化させることが可能となっている。人の目はそれほど厳密な角度を判別できないため、この程度の大まかな割り方であっても十分ポール3はほぼ鉛直方向に沿って起立させることが可能となる。測定装置によって路面の角度を測定し、その角度に最も近い角度となるような位相を選択して調整する。尚、根角ナット13は上側に配置される台座25に装着する。
設置方法としては、まず上側の台座25を先に誘導標本体1に実施の形態1と同様の方法で固定し、次いで路面に下側の台座25を設置し、路面の角度に合わせた位置で上下の台座25の第2の取り付け用透孔26を照合させ、フランジスクリューボルト21で路面に固定する。
(1)A.とB.の設置方法によって一般的な斜度の路面(通常6度以下)について概ね人が鉛直方向と感じられる方向に常にポール3を起立させることが可能となる。
(2)第2の取り付け用透孔26がちょうど2度ずつほぼ正確に角度を調整できるような均等な(一定の)間隔で配置されているため、ポール3の鉛直方向に近い角度とするための二枚の台座25の位相状態も選択しやくなっており作業効率がよい。
・上記の誘導標本体1及び台座2、25の構成は一例であり、他の形態で実施するようにしてもよい。例えば、ポール3の長さは適宜変更可能である。また、必ずしも断面円形の筒体として構成しなくともよい。例えば台座2、25も必ずしも円形の外形である必要はなく方形の平面形状とするようにしてもよい。
・誘導標本体1及び台座2、25の材質は上記は一例であり、上記以外のものを用いても構わない。
・上記では台座2、25の第2の取り付け用透孔26が60度ずつの位相で形成されていたが、数と角度を変更するようにしてもよい(対応するベース部4の第1の取り付け用透孔10も同様)。
・台座25の最大角度は上記ではほぼ3度に設定したが、他の角度に設定することも可能である。
・路面への設置方法について、上記は一例を示したものであり、他の手順で設置するようにしてもよい。
その他本発明の趣旨を逸脱しない態様で実施することは自由である。
Claims (3)
- ポールと、使用時に前記ポールの下端部となる位置に前記ポールと一体的に構成されるベース部と、使用時に路面上に固定して前記ベース部を載置する台座とを備えた視線誘導標の設置方法であって、
前記ベース部を前記台座にのみに固定するための第1の固定手段と、前記ベース部を前記台座とともに前記路面上に固定するためのボルト部材からなる第2の固定手段の両方を使用して視線誘導標を前記路面上に設置する際に、前記第2の固定手段をヘッド部を有するボルト部材で構成するとともに、前記台座と前記ベース部にそれぞれ透孔を形成し、前記透孔が照合された状態で前記ボルト部材を挿通し、前記ヘッド部によって前記ベース部を前記台座方向に押しつけるようにしたことを特徴とする視線誘導標の設置方法。 - 前記第1の固定手段は、前記台座側に配設されたボルト部材に対するナット部材の螺合又は前記台座側に配設されたナット部材に対するボルト部材の螺合による両部材の相対的な軸方向への接近に伴って前記台座に対して共締めすることで前記ベース部を前記台座に固定することを特徴とする請求項1に記載の視線誘導標の設置方法。
- 前記台座を接着剤によって路面上に固定することを特徴とする請求項1又は2に記載の視線誘導標の設置方法。
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C22 | Notice of designation (change) of administrative judge |
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C13 | Notice of reasons for refusal |
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A521 | Request for written amendment filed |
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