以下、本発明の実施の形態による荷卸しシステムを、タンクローリ車から給油所の地下タンクに荷卸しする場合を例に挙げ、添付図面の図1ないし図17に従って詳細に説明する。
図1において、給油所1の敷地地下には、複数液種の燃料(例えば、レギュラーガソリン、ハイオクガソリン、灯油または軽油等)を貯留する地下タンク2が埋設されている。この地下タンク2は、通常は複数個に分離または分画して設けられ、夫々のタンク毎に液種の異なる液体燃料(例えば、レギュラーガソリン、ハイオクガソリン、灯油または軽油等)が収容して貯留される。
そこで、以下の説明では、複数の地下タンク2−n(n=1,2,3,4,…)とし、全体としては、地下タンク2という。なお、図1中では、例えば合計3個の地下タンク2−nを示している。また、図2中では、例えば合計6個の地下タンク2−nを、地下タンク2−1,2−2,2−3,2−4,2−5,2−6として示している。しかし、これは説明の都合上で符号を付したものであり、地下タンク2の個数や配列等はこれに限られるものではない。また、液種と油種とは同じ意味で用いている。
各地下タンク2−nは、夫々の注油管3(複数個)を介して、敷地適所に配置された複数の注油口4と接続されている。各地下タンク2−nは、この注油口4から各注油管3を介して、例えばタンクローリ車8から燃料の補給を受ける。なお、各地下タンク2−nは、敷地適所に配置された給油用の計量機にも供給管(いずれも図示せず)を介して接続されている。前記計量機は、ポンプ、流量計等の機器(いずれも図示せず)を備えており、各地下タンク2−n内から貯留されている燃料を汲み上げ、給油車両等の給油対象に供給する。
各地下タンク2−nには、それぞれの燃料液面を個別に検出する液面検出器5が設けられ、これにより、地下タンク2−n内の燃料残量が個別に監視されている。これらの液面検出器5からの検出信号は、給油所1の敷地適所に設置された「SS液面計」としてのタンク管理端末6に出力される。このタンク管理端末6は、給油所事務所7から離間した位置に配置されている。タンク管理端末6は、給油所事務所7に配置されたメインのタンク管理装置に専用の回線(いずれも図示せず)を介して接続され、例えばタンクローリ車8による燃料の荷卸し作業時に前記タンク管理装置からの貯油管理情報等が送信される。
これにより、タンク管理端末6は、各地下タンク2−nの液面検出器5と個別に接続され、各液面検出器5からの計測出力に基づいて各地下タンク2−nの燃料残量(在庫量)等の液量情報を演算により求めることができる。タンク管理端末6は、予め設定された各地下タンク2−nの個別識別情報(例えば、タンク番号)、貯留液種、タンク容量等のタンク情報と一緒に、この演算した各地下タンク2−nの液量情報をデータ記憶部(図示せず)に記憶し、これらタンク情報や液量情報を基に各地下タンク2−nの貯油管理を行うことができる。
換言すると、タンク管理端末6は、「SS液面計」として各地下タンク2−nに貯留されている燃料の残量をタンク毎の在庫量として更新可能に記憶することができ、その記憶内容を通信インタフェース6Aを介して後述の荷卸しコンピュータ16へと電送することができる。地下タンク2−nに貯留されている燃料の残量(タンク毎の在庫量)は、前記計量機による燃料の汲み上げやタンクローリ車8からの燃料の補給によって変動する。図11に示す一覧表は、タンク管理端末6(SS液面計)から読出されたタンク情報や液量情報を表している。
タンクローリ車8の前部にはキャブ8Aが設けられ、このキャブ8A内には、例えば運転席等が設けられている。タンクローリ車8は、キャブ8Aの後側に車載タンク9を備え、この車載タンク9は、内部が仕切り板によって複数のハッチ10−N(N=1,2,3,4,…)に仕切られた構造になっている。例えば図2中では、車載タンク9の合計5個のハッチ10−Nを、ハッチ10−1,10−2,10−3,10−4,10−5として示している。しかし、これは説明の都合上で符号を付したものであり、ハッチ10−Nの個数や配列等はこれに限られるものではない。
燃料の移送に当たって、タンクローリ車8には、出荷所としての油槽所等で、配送先からの注文に応じてハッチ10−N毎に積込液種や積込液量が適宜に割付けされ、ハッチ10−N毎に、割付け液種が割付け液量分だけ出荷装置によって積込みされる。一例としては図3に示すハッチ割付け表の如く、ハッチNO.1(番号1)のハッチ10−1には「ハイオクガソリン」を貯蔵し、ハッチNO.2,NO.3(番号2,3)のハッチ10−2,10−3には「レギュラーガソリン」を貯蔵し、ハッチNO.4(番号4)のハッチ10−4には「灯油」を貯蔵し、ハッチNO.5〜NO.7(番号5〜7)のハッチ10−5,10−6,10−7には「軽油」を貯蔵するように、ハッチ10−N毎に配送先からの注文に応じた所定の液種が所定量だけ積み込まれる。各ハッチ10−Nには、当該ハッチ内の燃料残量(積載量としての在庫量)を計測するためのハッチ液面計11がそれぞれ設けられている。
タンクローリ車8の車載タンク9には、各ハッチ10−Nの頂部に、積荷である燃料を積込むための給液口(図示せず)がそれぞれ設けられ、各ハッチ10−Nの底部には、底弁12と荷卸し用吐出配管13とがそれぞれ設けられている。各底弁12は、後述する空圧制御ユニット19からの空気圧信号の供給により開弁作動する常閉のエア式開閉弁により構成されている。各底弁12は、配送先である給油所での燃料の荷卸し作業時以外は、閉弁状態に保持されている。
エア式開閉弁からなる各底弁12は、それぞれ荷卸し用吐出配管13を介して吐出口14に並列接続され、吐出口14の上流側管路には、荷卸し用電磁弁15が設けられている。吐出口14は、タンクローリ車8の側面に設けられており、各荷卸し用吐出配管13を介して各ハッチ10−Nの底弁12と連通される。各荷卸し用吐出配管13は、各ハッチ10−Nの下方に設けられ、上流側端部が各底弁12の流出口に連通されている。各ハッチ10−Nに積込まれた燃料は、対応の底弁12と荷卸し用電磁弁15とを開弁したときに各荷卸し用吐出配管13を通って吐出口14に送出される。この吐出口14には、ローリ運転者および/または給油所作業員により後述の荷卸しホース23が接続される(図2参照)。
タンクローリ車8には、例えばキャブ8A側に車載用の荷卸しコンピュータ16が設けられている。この荷卸しコンピュータ16は、タンクローリ車8の複数のハッチ10−Nに対応して設けられた各底弁12の開閉制御を個別に行うことにより、前記各ハッチ10−Nのいずれかから複数の地下タンク2−nのいずれかに荷卸しを行う制御部を構成している。即ち、荷卸しコンピュータ16は、液種が一致した場合に開弁信号を出力し、該当の底弁12と荷卸し用電磁弁15を開弁させて荷卸しを開始する。
荷卸しコンピュータ16は、図2に示すように、例えばタブレット端末等により構成される荷卸操作盤17と、例えばマイクロコンピュータ等からなる荷卸制御装置18とを含んで構成されている。荷卸操作盤17は、例えばローリ運転者等の操作者が携帯可能なタブレット端末(端末器)からなり、例えば液晶等の表示器を備えている。これにより、荷卸操作盤17の表示器(画面)には、例えば図3に示すタンクローリ車8の積載状況と地下タンク2−nのタンク状況との関連付け表示、図11に示す地下タンク2−nの状態表示、図12〜図16に示す荷卸し作業時の状態表示等が行われる。
また、荷卸操作盤17には、例えばカードリーダ等のデータ読取り器(図示せず)が設けられ、このデータ読取り器は、タンクローリ車8の車番カード(図示せず)に記憶された車番データの読取りを行う。車番カードには、例えば油槽所の出荷装置によってタンクローリ車8の各ハッチ10−Nにそれぞれ積込まれた燃料の液種や数量、配送先名(給油所名、タンク番号)、各配送先での荷卸し油液の液種や数量等、配送および荷卸しのための情報データが車番データとして記憶されている。なお、荷卸操作盤17は、必ずしも携帯可能な端末機である必要はなく、荷卸制御装置18と分離不能に一体化された構成のものでもよい。
荷卸制御装置18は、その入力側が荷卸操作盤17およびタンク管理端末6等に有線または無線の回線を介して接続され、出力側は荷卸操作盤17および空圧制御ユニット19等にほぼ同様な回線を介して接続されている。空圧制御ユニット19は、荷卸制御装置18からの制御信号に従って空気圧信号を発生させ、この空気圧信号を各底弁12のいずれかに選択的に供給することにより、常閉のエア式開閉弁からなる底弁12を開弁させる。
また、荷卸制御装置18は、不揮発性メモリ,RAM,ROM等の記憶装置からなるメモリ18Aを有している。このメモリ18Aには、例えば図4〜図10に示す制御処理用のプログラムと、例えば図3、図11〜図17に示す画面表示用の処理プログラム等とが記憶されている。ここで、例えば図3に示すハッチ割付け表のうち積載状況20の表示は、タンクローリ車8の各ハッチ10−N内に貯蔵された燃料の情報を、第1の記憶手段による記憶内容として表示している。また、図3に示すタンク状況21の表示は、給油所1の各地下タンク2−n内に貯留された燃料の情報を、第2の記憶手段による記憶内容として表示している。
図3に示す割付線22A〜22Gは、前記第1および第2の記憶手段により記憶された燃料の情報に基づき、複数のハッチ10−Nと複数の地下タンク2−nのうち荷卸し可能なハッチとタンクとの案内処理を行う案内手段の具体例を表している。割付線22Aは、ハッチ番号1のハッチ10−1と受入タンク番号1の地下タンク2−1とを結びつけることにより、荷卸し可能なハッチとタンクとの関連付け(案内処理)を行うものである。
また、割付線22Bは、ハッチ番号2のハッチ10−2と受入タンク番号3の地下タンク2−3とを結びつけることにより、荷卸し可能なハッチとタンクとの関連付け(案内処理)を行い、割付線22Cは、ハッチ番号3のハッチ10−3と受入タンク番号3の地下タンク2−3とを結びつけることにより、荷卸し可能なハッチとタンクとの関連付け(案内処理)を行う。次に、割付線22Dは、ハッチ番号4のハッチ10−4と受入タンク番号6の地下タンク2−6とを結びつけることにより、荷卸し可能なハッチとタンクとの関連付け(案内処理)を行い、割付線22Eは、ハッチ番号5のハッチ10−5と受入タンク番号4の地下タンク2−4とを結びつけることにより、荷卸し可能なハッチとタンクとの関連付け(案内処理)を行う。さらに、割付線22Fは、ハッチ番号6のハッチ10−6と受入タンク番号4の地下タンク2−4とを結びつけることにより、荷卸し可能なハッチとタンクとの関連付け(案内処理)を行い、割付線22Gは、ハッチ番号7のハッチ10−7と受入タンク番号5の地下タンク2−5とを結びつけることにより、荷卸し可能なハッチとタンクとの関連付け(案内処理)を行うものである。
表示器を備えた荷卸操作盤17は、画面表示により報知を行う報知手段を構成し、この報知手段は、前記案内手段により案内された荷卸し可能なハッチとタンクとを前記画面により報知する。なお、報知手段は、荷卸操作盤17による画面表示に限らず、例えば音声合成により報知を行う構成としてもよい。この場合の報知手段は、前記案内手段により案内された荷卸し可能なハッチとタンクとを前記音声により報知することができる。
図3に示すタンク状況21のうち「状態」欄に「通常」と表示しているのは、後述する図11の状態表示に従ってなされたものである。また、「油種間優先度」の欄において、「a」という表示は、「b」という表示よりも優先度が高いことを意味している。受入タンクの番号2,3は、同じく「レギュラーガソリン」が貯留されているが、燃料の荷卸し作業は、受入タンクの番号3の方がより高い優先度で行われることを表している。更に、番号3の受入タンクは、番号2の受入タンクに対し、満タンになるよう荷卸し作業が優先されることになり、例えば、ハッチNo2の燃料が番号3の受入タンクに供給されたとしても、まだ、番号3のタンクには容量に余裕があるため、次のハッチNo.3の燃料受入先も番号3のタンクが指定されることになる。
また、図11に示す一覧表は、受入タンク番号1〜6の地下タンク2−nに貯留されている燃料の状態表示であり、「通常」表示の場合は、「荷卸し画面に移行可能」として荷卸し状態が表示される。「上限」表示の場合は、該当する地下タンク2−nに貯留されている燃料(在庫量)が既にタンク容量の上限値に達している場合であり、荷卸しを禁止させるために「荷卸し画面に移行不可」として太字で強調表示される。
「下限」表示の場合は、該当する地下タンク2−nに貯留されている燃料(燃料残量である在庫量)が下限値以下まで低下し、燃料の補給が必要な場合であるために、「荷卸し画面に移行可能」として荷卸し状態が表示される。また、「異常」表示の場合は、該当する地下タンク2−nに設けられ、タンク内に貯留されている燃料の残量を計測する流量計が故障しているために、「荷卸し画面に移行不可」として荷卸し状態が表示される。
なお、図3に示す積載状況20のうち「ガスパージ」は、荷卸し作業時に燃料ガスの回収作業を行うか否かを表したものである。
本実施の形態による荷卸しシステムは、上述の如き構成を有するもので、次に、タンクローリ車8から給油所1の地下タンク2に燃料を荷卸しする作業について説明する。
タンクローリ車8が給油所1に到着すると、操作者(例えば、ローリ運転者および/または給油所作業員)は、車載タンク9の底部側に設けられた吐出口14に荷卸しホース23の一端を接続し、荷卸しホース23の他端を地下タンク2−nの各注油口4のうちいずれかの注油口4に接続する。図2に示すように、各注油口4には、各地下タンク2−nに貯蔵されている液種(燃料の種別)に対応した液種キー24A,24B,24C,24D,24E,24F,…が設けられている。荷卸しホース23の他端付近には、液種キー24A〜24F,…が差込まれるホース液種キー読取器25が設けられている。このホース液種キー読取器25は、液種キー24A〜24F,…のいずれか1つが選択的に差込まれることにより、差込まれた液種キーに基づいたデータ通信を荷卸しコンピュータ16との間で行う。
このため、操作者が荷卸しホース23の他端を注油口4に接続する接続作業を行うことにより、荷卸しホース23の他端に設けられたホース液種キー読取器25には、液種キー24A〜24F,…の何れかが差込まれることになる。これにより、ホース液種キー読取器25は、複数の注油口4のうち接続された当該注油口4の液種キー24A〜24F,…から該当する液種データ(種別データ)を読取ることができる。
例えば図2に示す如く、荷卸しホース23の他端が地下タンク2−6の注油口4に接続された場合は、液種キー24Fがホース液種キー読取器25に差込まれる。このとき、ホース液種キー読取器25は、予め登録された液種データ(種別データ)を液種キー24Fに基づいて読取ることができる。ホース液種キー読取器25によって読取られた地下タンク2−6の液種データは、車載用の荷卸しコンピュータ16に転送される。タンクローリ車8の荷卸しコンピュータ16は、ホース液種キー読取器25から送信された当該液種情報がハッチ10−Nの液種と一致する場合、当該ハッチに積み込まれた油液の荷卸しを許可する。
そこで、タンクローリ車8から給油所1の地下タンク2に燃料を荷卸しする制御処理について、図4〜図10を参照して説明する。
図4の処理がスタートすると、操作者(例えば、ローリ運転者)がタンクローリ車8の車番カードを荷卸操作盤17の前記データ読取り器に挿入する(ステップ1)。これにより、荷卸操作盤17の表示器には、タンクローリ車8の各ハッチ10−Nに積載された積荷データ(例えば、図12参照)が画面表示される。
次のステップ2では、「SS液面計と通信可能か?」否かを判定する。即ち、図1および図2に示すタンク管理端末6と荷卸しコンピュータ16との間で通信が可能か否かを判定する。ステップ2で「YES」と判定されるときには、「単独荷卸し先」と設定し、次のステップ4で「SS液面計のデータ」(即ち、タンク管理端末6からの受入タンク情報)を通信回線で自動取得する。
次のステップ5では、荷卸し作業を開始し、例えば図5〜図10に示す荷卸し制御を後述の如く実行する。その後、ステップ6で荷卸し作業が終了すると、次のステップ7で、荷卸しシステムの電源をOFF(停止)させて処理を終える。一方、ステップ2で「NO」と判定するときには、「SS液面計」との通信ができない状態であるから、ステップ8に移って「立会い荷卸し先」と設定する。次のステップ9では「SS液面計のデータ」を手動操作により入力する。そして、その後はステップ5以降の処理を、立会い荷卸しとして実行する。
次に、荷卸しコンピュータ16の荷卸制御装置18による荷卸し制御処理について、図5〜図10を参照して説明する。
まず、ステップ11では、SS液面計(即ち、タンク管理端末6)からの地下タンク情報を読込む。即ち、a)タンクNO、b)各タンクの液種名、c)各タンクの容量、d)各タンクの在庫量、e)各タンクの液面計状況が読込まれる。次のステップ12では、前記地下タンク情報が正常に取得されたか否かを判定する。なお、立会い荷卸しの場合には、ステップ12で前記地下タンク情報を入力完了か否かを判定する。
ステップ12で「NO」と判定したときには、リトライ回数が、例えば5回を超えたか否かを判定し、「NO」と判定する間は、ステップ11以降の処理を繰返す。ステップ13で「YES」と判定したときには、リトライ回数が所定回数(例えば、5回)を超えているので、次のステップ14で「エラー報知」を行った後に、ステップ15で電源をOFF(停止)し、荷卸しを終了する。
一方、ステップ12で「YES」と判定したときには、前述の如く読込んで取得した地下タンク情報を、次のステップ16で、a)タンクNO、b)各タンクの液種名、c)各タンクの容量、d)各タンクの在庫量、e)各タンクの液面計状況として、例えば図3に示すタンク状況21のように、荷卸操作盤17の表示器で画面表示する。
次に、図6に示すステップ17では、「荷卸し可否判断処理」を、例えば図9および図10に示すように実行する。この「荷卸し可否判断処理」は、例えば図3に示すハッチ割付け表の如く、各ハッチ10−Nの積載状況20と受入タンク(地下タンク2−n)のタンク状況21として記憶された夫々の情報に基づき、複数のハッチ10−Nと複数の地下タンク2−nのうち荷卸し可能なハッチとタンクとの案内処理(関連付け)を、後述の如く行うものである。
次のステップ18では、次タンク画面または荷卸し画面へ移行するかの判定を行い、「YES」と判定したときには、次のステップ19に移って次タンク画面に移行する。即ち、ステップ19の処理は、例えば地下タンク2−nの個数が8タンク以上の場合に、図3に示す受入タンク(地下タンク2−n)のタンク状況21は8番までしか表示されていないので、9番以降の地下タンク情報を表示させる。次のステップ20では、次タンク画面または荷卸し画面へ移行するかの判定を再び行い、ステップ20で「YES」と判定するときには、前記ステップ18の処理に戻る。
一方、ステップ18またはステップ20で「NO」と判定したときには、次のステップ21で「荷卸し画面」へ移行し、次のステップ22で荷卸し画面を、例えば図12に示すように表示する。次のステップ23では、操作者(例えば、ローリ運転者等)が荷卸しホース23を複数の地下タンク2−nのうちいずれか1つの注油口4に接続する接続作業を行う。即ち、図3に示す割付線22A〜22Gのいずれか1つに従って、複数のハッチ10−Nと複数の地下タンク2−nのうち荷卸し可能なハッチとタンクとを荷卸しホース23により選択的に接続する。燃料の荷卸し作業は、「灯油」、「レギュラーガソリン」、「ハイオクガソリン」、「軽油」の順番で行われるのが一般的である。
一例としては、ハッチ番号4のハッチ10−4と受入タンク番号6の地下タンク2−6とを結びつける割付線22Dに沿って、両者間を荷卸しホース23で接続することにより、荷卸し可能なハッチとタンクとの接続作業が行われる。このとき、荷卸しホース23に設けられたホース液種キー読取器25には、例えば図2に示すように液種キー24Fが差込まれることになる。これにより、ホース液種キー読取器25は、複数の注油口4のうち接続された当該注油口4の液種キー24Fから該当する液種データ(例えば、灯油の液種データ)を読取ることができる。
ステップ23で「NO」と判定する間は、前記操作者による接続作業が終わるのを待機し、これが終わるとステップ23で「YES」と判定される。次のステップ24では、該当液種の積荷があるか否か(即ち、荷卸し可能なハッチとタンクとの接続作業が行われているか否か)を判定し、「NO」と判定したときには誤った接続が行われた場合である。このため、次のステップ25では「エラー」を報知し、前記ステップ23の接続作業を正しく行うように修正させる。
ステップ24で「YES」と判定したときには、荷卸し可能なハッチとタンクとの接続作業が正常に行われた場合であり、次のステップ26では、該当液種を反転表示する。図13では、この反転表示を斜線(ハッチング)により強調して示している。次に、図7に示すステップ27では、前記反転表示された液種のハッチ10−N(例えば、番号1のハッチ10−1)を、荷卸操作盤17の手動操作により選択する。
次のステップ28では、ステップ27で選択したハッチ10−Nの液種が前記液種キーと一致しているか否かを判定し、「NO」と判定したときには、前記ステップ25に戻って「エラー」を報知し、前記ステップ23の接続作業を正しく行うように修正させる。ステップ28で「YES」と判定したときには、次のステップ29で地下タンク2−nのタンク番号が割付けられた受入タンクと一致しているか否かを判定する。ステップ29で「NO」と判定するときには、前記ステップ25に戻って「エラー」を報知し、前記ステップ23の接続作業を正しく行うように修正させる。
次に、ステップ29で「YES」と判定したときには、次のステップ30で図14に示すように、状態欄を「選択」として表示する。図14では、この表示を斜線(ハッチング)により強調して示している。次のステップ31では荷卸しを開始させるため、荷卸操作盤17の手動操作により「開始」キーを押下する。これにより、次のステップ32では、該当するハッチ10−Nの底弁12が開弁され、図15に示すように、状態欄を「荷卸」として表示する。図15の表では、この表示を斜線(ハッチング)により強調して示している。次のステップ33では、荷卸し用電磁弁15を開弁させて吐出口14を開放し、燃料の荷卸しを開始する。
次に、ステップ34では「SS液面計」が正常か否かを判定し、例えば図11に示す状態表示のうち、「上限」、「異常」のように異常となったときには、ステップ34で「NO」と判定される。このため、次のステップ35では、エラーを報知し、前記ステップ32で開弁された底弁12を閉止させる。次のステップ36では、電源をOFF(停止)させて荷卸し制御を中断する。
一方、ステップ34で「YES」と判定したときには、次のステップ37で当該ハッチの荷卸しが完了したか否かを判定し、「NO」と判定する間は前記ステップ34に戻って、これ以降の処理を続ける。ステップ37で「YES」と判定したときには、図8のステップ38に移ってタンクローリ車8の吐出口14を遮断するため、荷卸操作盤17の手動操作により「完了」キーを押下することを促す。そして、操作者が「完了」キーを押下することにより、荷卸し用電磁弁15が閉弁され、吐出口14を閉じることにより燃料の荷卸しが停止される。
これにより、荷卸操作盤17の表示器では、ステップ39で当該ハッチの状態欄が「……」として表示される。次のステップ40では、荷卸し完了か否かを判定し、「YES」と判定したときには、次のステップ41で荷卸操作盤17の手動操作により「取消」キーを押下するように促す。そして、操作者が「取消」キーを押下することにより、次のステップ42では、例えば図16に示すように、荷卸操作盤17の表示器が荷卸し終了確認画面を表示する。
そこで、次のステップ43では、例えば図16に示す荷卸し終了確認画面の表示に従って、操作者が「1」または「8」の番号を選択して「確認」キーを押下するか否かを判断する。ステップ43で「NO」と判定したときには、荷卸し終了することなく継続する場合であるから、図6のステップ23に戻って次なる液種の荷卸しを続けるようにする。また、図8のステップ40で「NO」と判定したときにも、同様にステップ23の処理に戻って次なる液種の荷卸しを続けるようにする。
次に、荷卸しコンピュータ16の荷卸制御装置18による荷卸し可否判断処理について、図9および図10を参照して説明する。
まず、図9のステップ51では、前述のステップ1で車番カードから読込んだ積荷データ(例えば、図3に示す積載状況20の欄)に基づき、ハッチNOをN=1(例えば、番号1のハッチ10−1)として設定する。次のステップ52では、前述のステップ4で「SS液面計のデータ」として読込んだ受入タンク情報(例えば、図3に示すタンク状況21の欄)に基づき、タンクNOをn=0の初期値に設定する。
次のステップ53では、前述のステップ52に続いてタンクNOを「n=n+1」に設定する。これにより、例えば図2、図3に示す受入タンクNO(番号)1の地下タンク2−1の受入タンク情報が読出される。次のステップ54では、例えばハッチNO(番号)1のハッチ10−1に積込まれた燃料の液種と、受入タンク番号1の地下タンク2−1に貯留されている燃料の液種とが一致しているか否かを判定する。
次のステップ55では、前記受入タンク情報に基づいてタンク状態が通常または下限であるか否かを判定する。例えば、受入タンク番号1の地下タンク2−1に貯留されている燃料が図11に示す状態表示のうち、通常または下限となっているか否かを判定する。ステップ54,55で「NO」と判定するときには、ステップ53に戻って、これ以降の処理を繰返す。この場合、ステップ53では、タンクNO(番号)が「n=n+1」として「1」だけ歩進されることにより、受入タンクの番号は逐次更新される。
ステップ54,55で「YES」と判定したときには、次のステップ56で在庫予測量が当該地下タンクのタンク容量以上になるか否かを判定する。ステップ56で「YES」と判定したときには、荷卸し行った場合の在庫予測量がタンク容量を超えることが予想されるので、荷卸し不可としてステップ53に戻って、受入タンクの番号を逐次更新しつつ、これ以降の処理を繰返す。
一方、ステップ56で「NO」と判定したときには、在庫予測量がタンク容量よりも小さくなるので、次のステップ57に移って「同一液種」の燃料を貯留している地下タンク2−nが他にあるか否かを判定する。ステップ57で「YES」と判定したときには、次のステップ58に移って「同一液種」の燃料を貯留している地下タンク2−nのうち、現在の荷卸し対象の地下タンクは優先度が高いか否かを判定する。ステップ58で「NO」と判定するときには、他に優先度の高い地下タンクがあるので、より優先度の高い地下タンクへの荷卸しを行うために、ステップ53に戻って移って受入タンクの番号を「n=n+1」として更新し、これ以降の処理を繰返す。
ステップ58で「YES」と判定したときには、当該ハッチと受入タンクとの間での荷卸しを許可するために次のステップ59に移り、複数のハッチ10−Nと複数の地下タンク2−nのうち荷卸し可能なハッチとタンクとの案内処理(関連付け)を、図3に示すように割付線22A〜22Gを用いて行う。例えば、割付線22Aは、ハッチ番号1のハッチ10−1と受入タンク番号1の地下タンク2−1とを結びつけることにより、荷卸し可能なハッチ10−1と地下タンク2−1との関連付け(案内処理)を行う。即ち、ステップ59では、荷卸し可能なハッチとタンクとの案内表示と在庫予測量とを表示する。例えば、受入タンク番号1の地下タンク2−1では、在庫予測量Lが「6310」として表示されている。
次のステップ60では、N≧Naとなったか否かを判定する。この場合、Naはタンクローリ車8のハッチ10−Nの個数であり、本実施の形態では、図3に示すように、合計7個のハッチ10−Nを有し、Na=7となっている。ステップ60で「NO」と判定するときには、N≧7となっておらず、全てのハッチ10-Nに対して荷卸しの可否判定が行われていない。そこで、次のステップ61に移って、ハッチNOを「N=N+1」として「1」だけ歩進させる。例えば、ハッチNO(番号)2の場合は、ステップ52に戻って受入タンクNO(番号)を再び初期値に戻すため、n=0に設定する。そして、次のステップ53でタンクNOを「n=n+1」として「1」ずつ歩進させ、ステップ53〜59の処理を繰返すことにより、例えば図3中の割付線22Bのように、ハッチ番号2のハッチ10−2と受入タンク番号3の地下タンク2−3とを結びつけることにより、荷卸し可能なハッチ10−2と地下タンク2−3との関連付け(案内処理)を行う。
同様の処理を繰返すことにより、例えば図3中の割付線22Cのように、ハッチ番号3のハッチ10−3と受入タンク番号3の地下タンク2−3とを結びつけることにより、荷卸し可能なハッチ10−3と地下タンク2−3との関連付け(案内処理)を行う。また、割付線22Dでは、ハッチ番号4のハッチ10−4と受入タンク番号6の地下タンク2−6とを結びつけることにより、荷卸し可能なハッチ10−4と地下タンク2−6との関連付け(案内処理)を行っている。
割付線22Eでは、ハッチ番号5のハッチ10−5と受入タンク番号4の地下タンク2−4とを結びつけることにより、荷卸し可能なハッチ10−5と地下タンク2−4との関連付け(案内処理)を行っている。割付線22Fでは、ハッチ番号6のハッチ10−6と受入タンク番号4の地下タンク2−4とを結びつけることにより、荷卸し可能なハッチ10−6と地下タンク2−4との関連付け(案内処理)を行っている。さらに、割付線22Gでは、ハッチ番号7のハッチ10−7と受入タンク番号5の地下タンク2−5とを結びつけることにより、荷卸し可能なハッチ10−7と地下タンク2−5との関連付け(案内処理)を行っている。
ステップ59の在庫予測量は、例えば図3に示すように、受入タンク番号2の地下タンク2−2では、在庫予測量Lが「12200」として表示され、受入タンク番号3の地下タンク2−3では、在庫予測量Lが「14900」として表示されている。受入タンク番号4の地下タンク2−4は、在庫予測量Lが「7560」として表示され、受入タンク番号5の地下タンク2−5は、在庫予測量Lが「9490」として表示され、受入タンク番号6の地下タンク2−6は、在庫予測量Lが「8430」として表示されている。
一方、ステップ60で「YES」と判定したときには、N≧Na,(Na=7)となって、全てのハッチ10-Nに対して荷卸しの可否判定が行われている。そこで、図10のステップ62に移って荷卸操作盤17の表示器上で確定ボタンを押下するか否かを判定する。ステップ62で「YES」と判定したときは、操作者が確定ボタンを押下しているので、次のステップ63で「次タンク画面または荷卸し画面へ」移行するように操作者に促す。そして、次のステップ64ではリターンし、例えば図6のステップ18以降の処理を行うようにする。
ステップ62で「NO」と判定したときには、荷卸し可能なハッチ10−Nと地下タンク2−nとの関連付け(案内処理)を修正する場合である。このため、次のステップ65では、操作者が修正対象のハッチNO(番号)を押下する。例えば、図17に示すハッチ割付け表の場合は、荷卸し作業時のタブレットに画面表示されるタンクローリ車の積載状況20と地下タンクのタンク状況26との関連付けを割付線27の如く修正している。
このため、ステップ65のハッチNO(番号)は、例えば「2」として押下され、ステップ66のタンクNO(番号)は、例えば「2」として押下される。次のステップ67では、当該ハッチの荷卸し先のタンクの受入数量、在庫予測量から当該ハッチの数量Lを減算する。この荷卸し先とは、図3に示すハッチ割付け表の場合は、ハッチ番号2のハッチ10−2と割付線22Bで結びつけられた受入タンク番号3の地下タンク2−3である。
そこで、ステップ67の処理では、例えば受入タンク番号3の地下タンク2−3の受入数量L、在庫予測量Lからハッチ番号2のハッチ10−2の数量L「4000」を減算する。これにより、図17に示すタンク状況26の如く、地下タンク2−3の受入数量Lは「2000」に減算され、在庫予測量Lも「10900」に減算されている。次に、ステップ68では、例えばハッチNO(番号)2のハッチ10−2に積込まれた燃料の液種と、受入タンク番号2の地下タンク2−2に貯留されている燃料の液種とが一致しているか否かを判定する。
ステップ68で「YES」と判定したときには、次のステップ69で前記受入タンク情報に基づいてタンク状態が通常または下限であるか否かを判定する。仮に、ステップ68で「NO」と判定するときには液種が一致していない。また、ステップ69で「NO」と判定するときには、タンク状態が通常または下限にはなっていないので、荷卸しは不可となる。このため、次のステップ73では「エラー」を報知し、次のステップ74で、例えば前記ステップ59と同様に、荷卸し可能なハッチとタンクとの案内表示と在庫予測量の表示とを行う。その後は、前記ステップ62に戻り、これ以降の処理を続行する。
ステップ69で「YES」と判定したときには荷卸しが可能であり、次のステップ70では、当該ハッチの数量Lを当該タンクの受入数量、在庫予測量に加算する。図17に示すハッチ割付け表の場合は、ハッチ番号2のハッチ10−2が当該ハッチであり、受入タンク番号2の地下タンク2−2が当該タンクである。そこで、ステップ70の処理では、例えばハッチ番号2のハッチ10−2の数量L「4000」を受入タンク番号2の地下タンク2−2の受入数量L、在庫予測量Lに加算する。これにより、図17に示すタンク状況26の如く、地下タンク2−2の受入数量Lは「4000」に加算され、在庫予測量Lも「16200」に加算されている。
次のステップ71では、在庫予測量が当該地下タンクのタンク容量以上になるか否かを判定する。ステップ71で「YES」と判定したときには、荷卸し行った場合の在庫予測量がタンク容量を超えることが予想されるので、荷卸し不可として前記ステップ73に戻り、これ以降の処理を前述の如く繰返す。
一方、ステップ71で「NO」と判定したときには、在庫予測量がタンク容量よりも小さくなるので、次のステップ72に移って荷卸し可能なハッチとタンクとの案内処理(関連付け)を、例えば図17に示す割付線27のように行って許可し、荷卸し可能なハッチとタンクとの案内表示と在庫予測量の表示とを行う。このように、割付線27は、ハッチ番号2のハッチ10−2と受入タンク番号2の地下タンク2−2とを結びつけることにより、前述した割付線22A,22C〜22Gと同様に、荷卸し可能なハッチとタンクとの関連付け(案内処理)を行うものである。
図17に示すタンク状況26は、受入タンク番号2,3の受入数量L、在庫予測量L及び後在庫Lの数値が異なるだけで、これ以外では図3に示すタンク状況21の表とほぼ同様に構成されている。ステップ72の処理の後は、前記ステップ62に戻り、これ以降の処理を続行する。このように、案内手段により荷卸し可能なハッチとタンクとが案内された後に、操作者がステップ65以降の処理でハッチを選択した場合に、操作者(運転者)が当該選択したハッチをキャンセルして他のハッチを選択することも可能となる。
かくして、本実施の形態によれば、例えば図3に示すハッチ割付け表の如く、各ハッチ10−Nの積載状況20と受入タンク(地下タンク2−n)のタンク状況21として記憶された夫々の情報に基づき、複数のハッチ10−Nと複数の地下タンク2−nのうち荷卸し可能なハッチとタンクとの案内処理(関連付け)を「荷卸し可否判断処理」として、荷卸操作盤17の表示器に自動表示される割付線22A〜22Gで結びつけることにより行う構成としている。
また、荷卸し可能なハッチ10−Nと地下タンク2−nとの関連付け(案内処理)を修正する場合には、例えば図17に示すハッチ割付け表のように、荷卸し作業時のタブレットに画面表示されるタンクローリ車の積載状況20と地下タンクのタンク状況26との関連付けを割付線27の如く修正し、これを荷卸操作盤17の表示器に自動表示する構成としている。
このため、タンクローリ車8のハッチ10−Nから給油所1の地下タンク2−nへ燃料を荷卸しするときに、ハッチ10−Nに貯蔵されている燃料を複数の地下タンク2−nのうち、いずれの地下タンクに荷卸しするかの判断(例えば、両方の液種は一致しているか否か、荷卸し後の在庫予測量が当該地下タンクのタンク容量を超えることはないか否か等の判断)を、ローリ運転者等の操作者が手作業、手計算で行う必要がなくなり、操作者の負担を軽減して作業性を向上することができる。さらに、操作者による配送伝票との照合作業等を不要にすることができる。
即ち、本実施の形態によれば、荷卸し可能なハッチ10−Nと地下タンク2−nとが、荷卸操作盤17の表示器に自動的に画面表示される割付線22A〜22G(図3参照)または割付線22A,27,22C〜22G(図17参照)により結びつけられて案内される。このため、操作者(ローリ運転者)は、ハッチ10−Nと地下タンク2−nとの荷卸しに関する照合等を行うことなく、どのハッチ10−Nとどの地下タンク2−nとが荷卸し可能かを容易に把握することができ、荷卸し時の作業性を高めることができる。
従って、本実施の形態によれば、荷卸操作盤17の表示器によって、荷卸し可能と案内されたハッチ10−Nと地下タンク2−nとが自動的に画面表示されるので、操作者(ローリ運転者)は、どのハッチ10−Nとどの地下タンク2−nとが荷卸し可能かを容易に認識することができる。これにより、燃料の荷卸し作業の自動化を促進することができる。
また、表示器を備えた荷卸操作盤17は、画面表示により報知を行う報知手段を構成し、操作者が携帯可能な端末器(タブレット端末)が用いられているので、操作者はどの場所にいても端末器を用いることにより、いずれのハッチ10−Nと地下タンク2−nとの荷卸しが可能かを容易に確認することができ、これによっても作業性を向上することができる。
この場合、荷卸し可能なハッチとタンクとを案内する手段は、荷卸操作盤17の表示画面に各ハッチと各地下タンクを表示させ、荷卸し可能なハッチとタンクとを割付線22A〜22G(図3参照)または割付線22A,27,22C〜22G(図17参照)で結んでもよいし、当該割付線が荷卸しすべき順序で表示画面に表示させる構成としても良い。
なお、前記実施の形態では、表示器を備えた荷卸操作盤17の画面表示により報知手段を構成する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば音声合成装置等を用いて報知手段を構成し、音声による報知で、荷卸し可能なハッチとタンクとを案内(関連付け)する構成としてもよい。
また、前記実施の形態では、複数の地下タンク2−nに対する荷卸し可能なハッチ10−Nを案内する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば一基のタンクに対する荷卸し可能なハッチを案内する構成としてもよい。
さらに、前記実施の形態では、「通常」または「下限」である場合には、荷卸しを可能としている場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば地下タンク内に水が混入しているか否かを検知する水検知センサを備え、タンク内に水が混入している場合には、操作者に対しタンク内に水が混入していることを報知させ、操作者に注意させる構成としてもよい。これにより、荷卸しに関する安全性を向上させることができる。
次に、上記の実施の形態に含まれる発明について記載する。即ち、荷卸しシステムは、画面表示または音声合成により報知を行う報知手段を備え、前記報知手段は、前記案内手段により案内された荷卸し可能なハッチとタンクとを前記画面または音声により報知する構成としている。これにより、案内手段で荷卸し可能と案内されたハッチとタンクとが表示されるので、操作者はどのハッチとどのタンクとが荷卸し可能かを容易に認識することができ、荷卸しの作業性が向上する。また、前記案内手段は、操作者が携帯可能な端末器に設けられている。これにより、操作者はどの場所にいても、携帯可能な端末器を操作でき、どのハッチとタンクとが荷卸し可能かを容易に確認することができ、作業性を向上することができる。