以下、実施形態による燃料荷卸しシステムおよび燃料荷卸し方法として、タンクローリ車から給油所の地下タンクに燃料を荷卸しする場合を例に挙げ、添付図面を参照して説明する。なお、図3ないし図6に示す流れ図の各ステップは、それぞれ「S」という表記を用いる(例えば、ステップ1=「S1」とする)。
図1において、給油所1の敷地地下には、複数液種の燃料(例えば、レギュラーガソリン、ハイオクガソリン、灯油または軽油等)を貯留するタンクとしての地下タンク2が埋設されている。地下タンク2は、通常は複数個に分離または分画して設けられ、それぞれのタンク毎に液種の異なる液体燃料(例えば、レギュラーガソリン、ハイオクガソリン、灯油または軽油等)が貯留される。
以下の説明では、複数の地下タンク2−n(n=1,2,3,4,…)とし、全体としては、地下タンク2という。なお、図1および図2では、例えば合計2個の地下タンク2−nを、地下タンク2−1,2−2として示している。また、図2では、例えば合計2個の注油口4を示している。しかし、これは説明の都合上で符号を付したものであり、地下タンク2および注油口4の個数や配列等はこれに限られるものではない。また、液種と油種とは同じ意味で用いている。
各地下タンク2−nは、それぞれ注油管3(複数個)を介して、敷地適所に配置された複数の注油口4と接続されている。各地下タンク2−nは、注油口4から各注油管3を介して、タンクローリ車8から燃料の補給を受ける。なお、各地下タンク2−nは、敷地適所に配置された給油用の計量機にも供給管(いずれも図示せず)を介して接続されている。計量機は、ポンプ、流量計等の機器(いずれも図示せず)を備えており、各地下タンク2−n内から貯留されている燃料を汲み上げ、その燃料を給油車両等の給油対象に供給(給油)する。
各地下タンク2−nには、それぞれの燃料液面を個別に検出する液面検出器5が設けられている。これにより、地下タンク2−n内の燃料残量が個別に監視されている。液面検出器5からの検出信号は、給油所1の敷地適所に設置された地下タンク管理端末6(以下、タンク管理端末6という)に出力される。タンク管理端末6は、給油所事務所7から離間した位置に配置されている。タンク管理端末6は、給油所事務所7に配置されたメインのタンク管理装置(地下タンク管理装置)に専用の回線(いずれも図示せず)を介して接続されている。タンク管理端末6は、例えばタンクローリ車8による燃料の荷卸し作業時に、タンク管理装置から貯油管理情報等が送信される。
これにより、タンク管理端末6は、各地下タンク2−nの液面検出器5と個別に接続され、各液面検出器5からの計測出力に基づいて各地下タンク2−nの燃料残量(在庫量)等の液量情報を演算により求めることができる。タンク管理端末6は、予め設定された各地下タンク2−nの個別識別情報(例えば、タンク番号)、貯留液種、タンク容量等のタンク情報と一緒に、この演算した各地下タンク2−nの液量情報をデータ記憶部(図示せず)に記憶し、これらタンク情報や液量情報を基に各地下タンク2−nの貯油管理を行うことができる。
換言すると、タンク管理端末6は、各地下タンク2−nに貯留されている燃料の残量をタンク毎の在庫量として更新可能に記憶することができる。タンク管理端末6は、その記憶内容を、通信インタフェース6Aを介して後述の荷卸し制御装置19へと電送することができる。地下タンク2−nに貯留されている燃料の残量(タンク毎の在庫量)は、計量機による燃料の汲み上げやタンクローリ車8からの燃料の補給によって変動する。
タンクローリ車8は、給油所1に燃料を配送する運搬車両である。タンクローリ車8の前部には、キャブ8Aが設けられている。キャブ8A内には、例えば運転席、ステアリングホイール、データ読取り器等が設けられている。タンクローリ車8は、キャブ8Aの後側に車載タンク9を備えている。車載タンク9は、内部が仕切り板によって複数のハッチ10−N(N=1,2,3,4,…)に仕切られた構造になっている。例えば図2では、車載タンク9の合計4個のハッチ10−Nを、ハッチ10−1,10−2,10−3,10−4として示している。しかし、これは説明の都合上で符号を付したものであり、ハッチ10−Nの個数や配列等はこれに限られるものではない。
燃料の輸送に当たって、出荷所としての製油所、油槽所等では、配送先からの注文に応じて、タンクローリ車8のハッチ10−N毎に積込液種や積込液量が適宜に割付けされる。タンクローリ車8には、ハッチ10−N毎に、割付け液種が割付け液量分だけ出荷所の出荷装置によって積込みされる。例えば、図2に示すハッチ10−1には「ハイオクガソリン」を貯蔵し、ハッチ10−2には「レギュラーガソリン」を貯蔵し、ハッチ10−3には「灯油」を貯蔵し、ハッチ10−4には「軽油」を貯蔵するように、ハッチ10−N毎に配送先からの注文に応じた所定の液種が所定量だけ積み込まれる。各ハッチ10−Nには、当該ハッチ内の燃料残量(積載量としての在庫量)を計測するためのハッチ液面計11がそれぞれ設けられている。ハッチ液面計11は、荷卸し制御装置19の荷卸し制御盤20に接続されている。
タンクローリ車8の車載タンク9には、各ハッチ10−Nの頂部に、積荷である燃料を積込むための給液口(図示せず)がそれぞれ設けられている。各ハッチ10−Nの底部には、底弁12と荷卸し用吐出配管13とがそれぞれ設けられている。各底弁12は、後述の空圧制御ユニット17からの空気圧信号の供給により開弁作動する常閉のエア式開閉弁により構成されている。各底弁12は、配送先である給油所1での燃料の荷卸し作業時以外は、閉弁状態に保持されている。
エア式開閉弁からなる各底弁12は、それぞれ荷卸し用吐出配管13を介して吐出口14に接続されている。吐出口14は、タンクローリ車8の側面および/または後面側に設けられており、各荷卸し用吐出配管13を介して各ハッチ10−Nの底弁12と連通される。各荷卸し用吐出配管13は、各ハッチ10−Nの下方に設けられ、上流側端部が各底弁12の流出口に連通されている。
吐出口14の上流側管路には、荷卸し用電磁弁15が設けられている。荷卸し用電磁弁15は、荷卸し制御装置19の荷卸し制御盤20に接続されている。吐出口14には、吐出口14の開閉を検出する吐出口開閉センサ16が設けられている。吐出口開閉センサ16も、荷卸し制御装置19の荷卸し制御盤20に接続されている。各ハッチ10−Nに積込まれた燃料は、対応の底弁12と荷卸し用電磁弁15とを開弁したときに各荷卸し用吐出配管13を通って吐出口14に送出される。吐出口14には、タンクローリ車8の運転者(ローリ運転者)および/または給油所1の作業員により後述の荷卸しホース18が接続される。なお、以下の説明では、ローリ運転者等の燃料の荷卸しを行う荷卸し係員を「係員M」という。
車載タンク9には、各ハッチ10−N内を大気に連通させる複数の大気開放弁(図示せず)が設けられている。大気開放弁も、例えば、後述の空圧制御ユニット17からの空気圧信号の供給により開弁作動する常閉のエア式開閉弁により構成されている。大気開放弁は、例えば、車載タンク9の上部に設けられた大気開放用配管(図示せず)を介して開放口に接続されている。大気開放用配管の開放口は、例えば、荷卸し時に図示しないホースを介して給油所1の大気開放管(図示せず)に接続される。大気開放弁は、例えば、燃料の荷卸しのときに開弁し、ハッチ10−Nを大気と連通させることにより、ハッチ10−N内が負圧になることを抑制する。
空圧制御ユニット17は、底弁12および大気開放弁を開弁させる。空圧制御ユニット17は、荷卸し制御装置19の荷卸し制御盤20に接続されている。空圧制御ユニット17は、荷卸し制御装置19(荷卸し制御盤20)からの制御信号に従って空気圧信号を発生させ、この空気圧信号を各底弁12のいずれかに選択的に供給することにより、常閉のエア式開閉弁からなる底弁12を開弁させる。また、空圧制御ユニット17は、荷卸し制御装置19(荷卸し制御盤20)からの制御信号に従って空気圧信号を発生させ、この空気圧信号を各大気開放弁のいずれかに選択的に供給することにより、常閉のエア式開閉弁からなる大気開放弁を開弁させる。各ハッチ10−Nに積込まれた燃料は、荷卸し制御装置19によって対応の底弁12、大気開放弁、荷卸し用電磁弁15が開弁すると、荷卸し用吐出配管13、吐出口14、荷卸しホース18を通じて地下タンク2−nに荷卸しされる。
荷卸しホース18は、タンクローリ車8の車載タンク9から給油所1の地下タンク2に燃料を荷卸しするためのホースである。荷卸しホース18の一端は、車載タンク9の底部側に設けられた吐出口14に接続される。荷卸しホース18の他端は、地下タンク2−nの各注油口4のうちいずれかの注油口4に接続される。各注油口4には、各地下タンク2−nに貯蔵されている液種(燃料の種別)に対応した液種キー(図示せず)が設けられている。これに対して、荷卸しホース18の他端側には、注油口4の液種が差込まれるホース液種キー読取器(図示せず)が設けられている。
ホース液種キー読取器も、荷卸し制御装置19の荷卸し制御盤20に接続されている。ホース液種キー読取器は、各注油口4の液種キーのいずれか1つが選択的に差込まれることにより、差込まれた液種キーに対応する信号を荷卸し制御装置19(荷卸し制御盤20)に出力する。また、車載タンク9の各ハッチ10−Nにも、各ハッチ10−Nに積み込まれた液種(燃料の種別)に対応した液種キーを読込むハッチ液種キー読取器が設けられている。ハッチ液種キー読取器も、各ハッチ10−Nの液種キーに対応する信号を荷卸し制御装置19(荷卸し制御盤20)に出力する。
タンクローリ車8は、燃料荷卸しシステムを構成する荷卸し制御装置19を備えている。荷卸し制御装置19は、燃料の荷卸しの管理(情報処理)および制御(各種の弁の開閉制御)を行う燃料荷卸し制御処理装置である。荷卸し制御装置19は、例えば、荷卸しを行うローリ運転者等の係員Mによって操作される。荷卸し制御装置19は、例えば、タンクローリ車8のハッチ10−Nの液種とこのハッチ10−Nに荷卸しホース18を介して接続された地下タンク2−nの液種とが一致した場合に、底弁12と荷卸し用電磁弁15を開弁させて荷卸しを開始する。
荷卸し制御装置19は、タンクローリ車8の車体側に固定される荷卸し制御盤20と、この荷卸し制御盤20と無線通信21を行う携帯端末23とを備えている。荷卸し制御盤20は、例えば、タンクローリ車8の側面側に位置して車載タンク9の下方位置に設けられている。荷卸し制御盤20は、タンクローリ車8の複数のハッチ10−Nに対応してそれぞれ設けられた各底弁12の開閉を個別に行うことにより、各ハッチ10−Nのいずれかから複数の地下タンク2−nのいずれかに燃料の荷卸しを行う開閉制御部を構成している。
荷卸し制御盤20は、例えば、演算を行うCPU、制御処理プログラムが格納されるメモリ等からなるマイクロコンピュータを備えている。荷卸し制御盤20は、例えば、ホース液種キー読取器、ハッチ液種キー読取器(いずれも図示せず)、吐出口開閉センサ16、ハッチ液面計11、空圧制御ユニット17、および、荷卸し用電磁弁15と有線(ケーブル)で接続されている。荷卸し制御盤20は、例えば、タンク管理端末6と、有線または無線で接続される。
さらに、荷卸し制御盤20は、無線通信21により携帯端末23と接続されている。具体的には、荷卸し制御盤20は、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)等の低消費電力の無線通信21(BLE通信)が可能な通信ユニット22を介して携帯端末23と接続されている。荷卸し制御盤20は、通信ユニット22を介して携帯端末23との間で信号の送信、受信を無線で行う。なお、携帯端末23は、ケーブル(図示せず)を介して荷卸し制御盤20と接続することにより、有線通信を可能に構成してもよい。また、荷卸し制御盤20と携帯端末23は、無線通信21が可能であることに加えて、有線通信も可能に構成してもよい。
荷卸し制御盤20は、電源スイッチ20Aを介して車両バッテリ(図示せず)と接続されている。車両バッテリは、例えば、タンクローリ車8に搭載された24Vの蓄電池により構成されている。電源スイッチ20AをONにすると、荷卸し制御盤20に電力が供給され、荷卸し制御盤20が起動する。この状態で、携帯端末23を操作することにより、荷卸し制御盤20を介して燃料の荷卸しを行うことできる。また、電源スイッチ20AをOFFにすると、荷卸し制御盤20に対する電力の供給が断たれ、荷卸し制御盤20の電源が遮断される。この場合は、携帯端末23を操作しても、燃料の荷卸し(底弁12の開閉)を行うことはできない。
携帯端末23は、例えば、ローリ運転者等の荷卸し作業を行う係員M(操作者)が携帯可能(携行可能)なタブレット端末、スマートフォン等の携帯情報通信端末(携帯コンピュータ)により構成されている。携帯端末23は、例えばBLE通信等の無線通信21により荷卸し制御盤20と接続される。携帯端末23は、荷卸しに必要な情報、データ、指令(例えば、荷卸し開始指令、荷卸し停止指令、底弁開指令、底弁閉指令)に対応する信号を、荷卸し制御盤20との間で送信、受信する。即ち、携帯端末23と荷卸し制御盤20は、互いに必要な信号の送信、受信を行う。
携帯端末23は、例えば、入力可能な表示画面23Aであるタッチパネルを備えている。携帯端末23の表示画面23Aには、例えば、タンクローリ車8の積載状況、地下タンク2−nのタンク状況、燃料の荷卸しの作業状況、操作ボタン(入力ボタン)等が表示される。係員Mは、携帯端末23の表示画面23Aに表示された操作ボタンを操作することにより、荷卸しの開始、停止、中断等を行うことができる。
携帯端末23は、内蔵カメラ23Bを備えている。また、携帯端末23は、不揮発性メモリ,RAM,ROM等の記憶装置からなるメモリを有している。携帯端末23のメモリには、例えば、荷卸し制御処理用のプログラム(燃料荷卸しアプリケーションソフト)が記憶されている。また、携帯端末23のメモリには、内蔵カメラ23Bで取得(撮影)された画像データが記憶される。後述するように、荷卸しを行う係員Mは、例えば荷卸しを開始する前に荷卸しの開始に適した状態であることを撮影する。さらに、携帯端末23のメモリには、タンクローリ車8の各ハッチ10−N内に貯蔵された燃料の情報が更新可能に記憶される。携帯端末23のメモリには、タンク管理端末6および荷卸し制御盤20を介して給油所1の各地下タンク2−n内に貯留された燃料の情報も更新可能に記憶される。携帯端末23(より具体的には、燃料荷卸しアプリケーションソフトが起動した携帯端末23)は、メモリの記憶情報(燃料の情報)に基づき、複数のハッチ10−Nと複数の地下タンク2−nのうち荷卸し可能なハッチとタンクとの関連付け(案内処理)を行う機能を有している。
携帯端末23の表示画面23Aは、係員Mに対して情報の報知を行う報知手段を構成している。携帯端末23の表示画面23Aには、例えば複数のハッチ10−Nと複数の地下タンク2−nのうち荷卸し可能なハッチとタンクとの関連付け表示、地下タンク2−nの状態表示、荷卸し作業時の状態表示等が行われる。また、携帯端末23の表示画面23Aには、例えば「荷卸し開始ボタン」または「荷卸し停止ボタン」等の操作ボタンが表示される。係員Mは、タンクローリ車8から給油所1の地下タンク2に燃料の荷卸しを行うときに、表示された「荷卸し開始ボタン」を指先で押下するように操作する。これにより、携帯端末23から荷卸し制御盤20に底弁12および荷卸し用電磁弁15を開弁させる信号が送信され、タンクローリ車8の車載タンク9から地下タンク2に燃料が荷卸しされる。一方、係員Mが「荷卸し停止ボタン」を押下したときには、底弁12および荷卸し用電磁弁15が閉弁し、燃料の荷卸しが停止する。
ところで、ローリ運転者等の燃料の荷卸しを行う係員は、例えば、コンタミネーション防止設備、過剰注入防止設備、タンク貯蔵量表示設備、照明設備、防災設備等の単独荷卸しシステム用の設備との連携により、単独(一人)で荷卸しを行うことができる。しかし、これらの設備は、荷卸しの間違い(油種間違い)を防止するものであり、例えば、タンクローリ車の静電気を除電するためのアース接続、タンクローリ車の移動を防止するための車輪止めの設置、消火を行うための消火器の配置等については、係員に任されることが多い。このため、アース接続、車輪止めの設置、消火器の配置等については、教育、訓練により係員に教え込む必要がある。しかし、仮に十分な教育、訓練を行ったとしても、アース接続されていない状態、車輪止めが設置されていない状態、および/または、消火器が設置されていない状態で燃料の荷卸しが行われる可能性がある。即ち、従来技術の場合、係員によっては、燃料の荷卸しに適していない状態で燃料の荷卸しが行われる可能性がある。
そこで、第1の実施形態の燃料荷卸しシステムは、携帯端末23(より具体的には、携帯端末23の内蔵カメラ23B)で取得された画像(画像データ、撮影データ)に基づいて、燃料の荷卸しを許可または禁止する構成としている。即ち、第1の実施形態では、荷卸しを開始する前に、係員Mは、燃料の荷卸しを許可するか否かを判定するための画像(静止画像)を携帯端末23の内蔵カメラ23Bで取得(撮影)する。この場合、まず、ローリ運転者である係員Mは、タンクローリ車8を給油所1の所定の場所(荷卸しを行う区画)に駐車する。係員Mは、燃料の荷卸しを開始する前に、例えば、タンクローリ車8に車輪止め26を設置し、タンクローリ車8のアース接続を行い、消火器27を所定の位置(例えば、火災が発生したときに消火器27を直ちに使用できる位置)に配置し、荷卸しホース18を接続する。そして、係員Mは、燃料の荷卸しに先立って、タンクローリ車8のアース接続の状態、タンクローリ車8の車輪止め26の設置の状態、消火器27の配置の状態を、携帯端末23の内蔵カメラ23Bで撮影する。
例えば、タンクローリ車8のアース接続は、タンクローリ車8の静電気を除去するために行われる。具体的には、図2に示すように、タンクローリ車8の荷卸し制御盤20と給油所1内のアース接続部24とをアース線25により接続する。アース接続部24は、接地電極であり、アース線25を接続することにより、静電気を大地に逃がすことができる。係員Mは、タンクローリ車8のアース接続を行ったら、この状態を携帯端末23の内蔵カメラ23Bで撮影する(アース接続の状態を画像として取得する)。
タンクローリ車8の車輪止め26は、タンクローリ車8が動き出すことを防止するために、タンクローリ車8の車輪(タイヤ)と地面との間に置かれる。係員Mは、車輪止め26を所定の位置に置いたら、その状態を携帯端末23の内蔵カメラ23Bで撮影する(車輪止め26の状態を画像として取得する)。第1の実施形態では、図2に示すように、車輪止め26の所定の位置をタンクローリ車8の左前輪(運転席と反対側の一輪)としている。しかし、所定の位置は、タンクローリ車8の右前輪(運転席側の一輪)、タンクローリ車8の左,右の前輪の両方(二輪)、および/または、後輪としてもよい。また、第1の実施形態では、1個のストッパからなる車輪止め26を例示しているが、例えば、ロープによって接続された2個のストッパにより車輪を前後から挟む車輪止めを採用してもよい。
消火器27は、火災が発生したときの消火に用いられる。係員Mは、消火器27を所定の位置に置いたら、その状態を携帯端末23の内蔵カメラ23Bで撮影する(消火器27の状態を画像として取得する)。第1の実施形態では、図2に示すように、消火器27の所定の位置をタンクローリ車8の近傍、具体的には、消火器27を直ちに手に取ることが可能なタンクローリ車8の前方としている。しかし、所定の位置は、例えば、タンクローリ車8の側方または後方としてもよい。
いずれにしても、第1の実施形態では、給油所1のタンクローリ車8による燃料の荷卸しは、上述のように係員Mによって撮影された画像、即ち、携帯端末23の内蔵カメラ23Bで取得された画像に基づいて許可または禁止される。この場合、燃料の荷卸しを許可するか禁止するかの判定は、携帯端末23で取得された画像から、タンクローリ車8がアース接続されているか否か、タンクローリ車8の車輪止め26が所定の位置に置かれているか否か、および、消火器27が所定の位置に置かれているか否かを判定することにより行われる。第1の実施形態では、これらの判定、即ち、燃料の荷卸しを許可するか否かの判定は、遠隔端末28、より具体的には、遠隔端末28を操作する運行管理者が行う。
即ち、第1の実施形態では、携帯端末23で取得された画像は、携帯端末23とは別の端末としての遠隔端末28に送信される。画像の送信は、係員Mが携帯端末23を操作することにより手動で行ってもよく、携帯端末23の荷卸しアプリケーションソフトにより自動で行われる構成としてもよい。即ち、携帯端末23は、燃料の荷卸しを許可するか否かを判定するための画像を(自動で)出力する画像出力部を備える構成とすることができる。ここで、遠隔端末28は、タンク管理端末6のような給油所1内に配置された端末(給油所内端末)よりも遠方に配置されている。例えば、遠隔端末28は、給油所1から離れた位置で所定の地域内の複数の給油所1(例えば、都内、県内または市内の複数の給油所1)を集中的に管理する管理事務所29に設けられている。遠隔端末28は、例えば、パーソナルコンピュータ、サーバーコンピュータ等の据置型のコンピュータにより構成されている。遠隔端末28は、電話回線、インターネット回線、移動体回線(携帯電話回線)等の通信回線30を介して携帯端末23との接続(データの送受信)が可能となっている。
管理事務所29では、係員Mとは別の人である管理者、例えば、タンクローリ車8の運行を管理する運行管理者が遠隔端末28を操作することにより、遠隔端末28から携帯端末23に燃料の荷卸しの許可または禁止の指令を出力する。即ち、運行管理者は、携帯端末23から遠隔端末28に送信された画像(即ち、携帯端末23で取得された画像)に基づいて、燃料の荷卸しに適している状態であるか否かを判定し、燃料の荷卸しを許可または禁止する。
例えば、運行管理者は、携帯端末23から遠隔端末28に送信された画像から、アース接続がされており、車輪止め26が所定の位置に置かれており、消火器27が所定の位置に置かれていると判定した場合は、燃料の荷卸を許可する。この場合、運行管理者は、遠隔端末28から携帯端末23に対して荷卸しを許可する許可信号(荷卸し許可信号)を出力する。これにより、係員Mは、携帯端末23を用いて荷卸し(底弁12の開閉)を行うことができる。なお、許可信号が出力される前は、荷卸しは禁止されている(携帯端末23を操作しても荷卸しを行うことはできない)。
一方、運行管理者は、携帯端末23から遠隔端末28に送信された画像から、アース接続がされていない、車輪止め26が所定の位置に置かれていない、または、消火器27が所定の位置に置かれていないと判定した場合は、燃料の荷卸を許可しない(許可信号を出力しない)。この場合、運行管理者は、携帯端末23を介して係員Mに、荷卸しを許可しない旨(より具体的には、アース接続がされていない旨、車輪止め26が所定の位置に置かれていない旨、および/または、消火器27が所定の位置に置かれていない旨)を報知(通知)する。このように、第1の実施形態では、燃料の荷卸しは、携帯端末23から遠隔端末28に送信された画像に基づいて許可または禁止される。
なお、第1の実施形態では、燃料の荷卸しの許可または禁止の判定を運行管理者(人)が行う構成としている。これに対して、燃料の荷卸しの許可または禁止の判定は、人ではなく、画像解析、画像認識等の画像処理により端末(コンピュータ)で自動的に行う構成としてもよい。即ち、携帯端末23で取得された画像に基づいて携帯端末23により、または、携帯端末23から送信された画像に基づいて遠隔端末28により、燃料の荷卸しの許可または禁止の判定を自動で行い、かつ、許可信号を自動で出力する構成としてもよい。この場合、例えば、バーコード、2次元バーコード(例えば、QRコード(登録商標))、カラーコード等の識別コード(タグ)を用いて判定することができる。
具体的には、アース接続部24の接続口の近傍とアース線25の接続口の近傍とのそれぞれに、異なる識別コードを予め備え付けておく。係員Mは、アース接続部24とアース線25とを接続したら、それぞれの識別コードを携帯端末23で撮影(取得)し、この識別コードを携帯端末23または遠隔端末28で認識(認証)させる。このとき、携帯端末23または遠隔端末28は、一方の識別コードが認識されてから他方の識別コードが認識されるまでの時間間隔によって、アース接続されているか否か判定することができる。即ち、アース接続部24とアース線25とが接続されている場合は、一方の識別コードの撮影および認識から他方の識別コードの撮影および認識までに長い時間を要しないと考えられる。これに対して、アース接続部24とアース線25とが離れている場合は、一方の識別コードの撮影および認識から他方の識別コードの撮影および認識までに長い時間を要すると考えられる。
そこで、一方の識別コードの撮影および認識から他方の識別コードの撮影および認識までの時間間隔の閾値を、アース接続されていると判定できる時間(例えば、5秒ないし10秒程度の短時間)として予め設定しておく。携帯端末23または遠隔端末28は、時間間隔と閾値とを比較し、時間間隔が閾値よりも短い場合に、アース接続されていると自動で判定することができる。車輪止め26の設置は、車輪止め26とタンクローリ車8の車輪とのそれぞれに識別コードを予め備え付けておき、一方の識別コードの撮影および認識から他方の識別コードの撮影および認識までに要する時間間隔に基づいて判定することができる。また、消火器27の配置も、消火器27に予め備え付けられた識別コードの撮影および認識と消火器27を置くべき位置に予め備え付けられた識別コードの撮影および認識とに要する時間間隔により判定することができる。
なお、識別コードを用いた判定は、例えば、両方の識別コードを1つの画像で撮影(取得)されたか否かにより行うこともできる。即ち、係員Mは、アース接続部24とアース線25とを接続したら、携帯端末23の内蔵カメラ23Bでアース接続部24とアース線25とが接続された部分を撮影する。このとき、撮影画面の所定範囲内に両方の識別コードが収まるように撮影する。携帯端末23または遠隔端末28は、1つの画像から両方の識別コードを認識できた場合に、アース接続されていると自動で判定してもよい。車輪止め26の設置および消火器27の配置についても、同様に行うことができる。いずれにしても、携帯端末23または遠隔端末28は、燃料の荷卸しを許可するか否かを(自動で)判定する判定部、および、燃料の荷卸しの許可または禁止の指令を(自動で)出力する指令出力部を備える構成とすることができる。
また、第1の実施形態の燃料荷卸しシステムは、燃料の荷卸しが完了した後、携帯端末23(内蔵カメラ23B)で取得(撮影)された画像(画像データ、撮影データ)に基づいて、荷卸し制御盤20の電源の遮断を許可または禁止する構成としている。即ち、第1の実施形態では、燃料の荷卸しが完了した後、荷卸し制御盤20の電源スイッチ20AをOFFする前に、係員Mは、電源OFFを許可するか否かを判定するための画像(静止画像)を携帯端末23の内蔵カメラ23Bで取得(撮影)する。この場合、係員Mは、荷卸し制御盤20の電源スイッチ20AをOFFする前に、例えば、荷卸しホース18を取外し、タンクローリ車8のアース線25を取外し、かつ、消火器27を荷卸し開始前の設置場所(例えば、消火器収納ボックス)に移動する。さらに、係員Mは、タンクローリ車8の車輪止め26を元の置場に戻す。そして、係員Mは、例えば、アース線25が接続されていない状態のアース接続部24、車輪止め26が外された状態のタンクローリ車8の車輪、および、消火器27が配置されていない状態の所定位置を、携帯端末23の内蔵カメラ23Bで撮影する。
携帯端末23で撮影(取得)された画像は、遠隔端末28に送信される。運行管理者は、携帯端末23から遠隔端末28に送信された画像に基づいて、荷卸し制御盤20の電源の遮断を許可または禁止する。即ち、燃料の荷卸しが完了した後、運行管理者は、携帯端末23から遠隔端末28に送信された画像から、タンクローリ車8がアース接続されていない、車輪止め26が所定の位置に置かれていない、および、消火器27が所定の位置に置かれていないと判定した場合は、荷卸し制御盤20の電源の遮断を許可する。この場合、運行管理者は、遠隔端末28から携帯端末23に対して荷卸し制御盤20の電源の遮断を許可する電源OFF許可信号を出力する。携帯端末23は、遠隔端末28から電源OFF許可信号を受信すると、荷卸し制御盤20に対して電源スイッチ20Aによる電源の遮断を許可する信号を出力する。これにより、係員Mは、荷卸し制御盤20の電源スイッチ20Aを操作することにより荷卸し制御盤20の電源を遮断できる。なお、電源OFF許可信号が出力される前は、荷卸し制御盤20の電源の遮断は禁止されている(電源スイッチ20Aを操作しても荷卸し制御盤20の電源は遮断されない)。
一方、運行管理者は、携帯端末23から遠隔端末28に送信された画像から、アース接続がされている、車輪止め26が所定の位置に置かれている、または、消火器27が所定の位置に置かれていると判定した場合は、荷卸し制御盤20の電源の遮断を許可しない(電源OFF許可信号を出力しない)。この場合、運行管理者は、携帯端末23を介して係員Mに、荷卸し制御盤20の電源の遮断を許可しない旨(より具体的には、アース接続がされている旨、車輪止め26が所定の位置に置かれている旨、および/または、消火器27が所定の位置に置かれている旨)を報知(通知)する。
なお、電源の遮断に関しても、携帯端末23は、電源の遮断を許可するか否かを判定するための画像を(自動で)出力する画像出力部を備える構成とすることができる。また、携帯端末23または遠隔端末28は、電源の遮断を許可するか否かを(自動で)判定する判定部、および、電源の遮断の許可または禁止の指令を(自動で)出力する指令出力部を備える構成とすることができる。
第1の実施形態による燃料荷卸しシステムは、上述の如き構成を有するもので、次に、タンクローリ車8から給油所1の地下タンク2に燃料を荷卸しする作業について説明する。
タンクローリ車8が給油所1に到着すると、係員Mは、タンクローリ車8を給油所1の所定の区画に駐車し、燃料の荷卸しの準備を行う。この場合、係員Mは、タンクローリ車8の車輪止め26を所定の位置に置く。係員Mは、タンクローリ車8と給油所1のアース接続部24とをアース線25で接続する。係員Mは、消火器27を所定の位置に配置する。係員Mは、車載タンク9の吐出口14と地下タンク2−nの注油口4とを荷卸しホース18で接続する。また、係員Mは、携帯端末23を操作し、燃料荷卸しアプリケーションソフトを起動する。
次に、係員Mは、燃料の荷卸しの準備が完了した状態を携帯端末23の内蔵カメラ23Bで撮影する。即ち、係員Mは、アース接続部24、車輪止め26および消火器27を、それぞれ携帯端末23で撮影する。なお、アース接続部24と車輪止め26と消火器27との全てを1つの撮影画面に収まるように撮影してもよい。携帯端末23で撮影(取得)された画像は、係員Mにより手動で、または、携帯端末23の燃料荷卸しアプリケーションソフトにより自動で、遠隔端末28に送信される。
一方、管理事務所29の運行管理者は、携帯端末23から遠隔端末28に送信された画像から、タンクローリ車8がアース接続されているか否か、車輪止め26が所定の位置に設置されているか否か、消火器27が所定の位置に配置されているか否かを判定する。運行管理者は、タンクローリ車8がアース接続されており、車輪止め26が所定の位置に置かれており、消火器27が所定の位置に置かれていると判定した場合、燃料の荷卸しを許可する。この場合、運行管理者は、遠隔端末28から携帯端末23に燃料の荷卸しの許可信号を送信する。
これにより、係員Mは、携帯端末23を用いて燃料の荷卸しを開始することができる。即ち、係員Mは、携帯端末23の表示画面23Aに表示された「荷卸し開始」のボタンを指先で押下する。これにより、携帯端末23から荷卸し制御盤20に対して底弁12および荷卸し用電磁弁15を開にする開信号が送信され、底弁12および荷卸し用電磁弁15が開弁することにより、タンクローリ車8から地下タンク2への燃料の荷卸しが行われる。一方、係員Mが携帯端末23の「荷卸し停止」のボタンを指先で押下すると、底弁12および荷卸し用電磁弁15が閉弁し、燃料の荷卸しが停止する。
燃料の荷卸しが完了すると、係員Mは、後片付け(出発準備)を行う。この場合、係員Mは、荷卸しホース18、アース線25、消火器27および車輪止め26を最初の状態(荷卸しの準備を行う前の状態)に戻す。次に、係員Mは、後片付けが完了した状態を携帯端末23の内蔵カメラ23Bで撮影する。係員Mは、例えば、アース線25が接続されていない状態のアース接続部24、車輪止め26が外された状態のタンクローリ車8の車輪、および、消火器27が配置されていない状態の所定位置を携帯端末23で撮影する。携帯端末23で撮影(取得)された画像は、遠隔端末28に送信される。
運行管理者は、携帯端末23から遠隔端末28に送信された画像から、タンクローリ車8がアース接続されているか否か、タンクローリ車8の車輪止め26が所定の位置に置かれているか否か、消火器27が所定の位置に置かれているか否かを判定する。運行管理者は、例えば、アース接続が解除されており、車輪止め26が所定の位置から移動されており、消火器27が所定の位置から移動されていると判定した場合、遠隔端末28から携帯端末23に電源OFF許可信号を送信する。これにより、携帯端末23から荷卸し制御盤20に電源スイッチ20Aによる電源の遮断を許可する信号が出力される。係員Mは、電源スイッチ20Aを操作し、荷卸し制御盤20の電源をOFFにする。これにより、タンクローリ車8は、給油所1から出発できる状態となる。
次に、第1の実施形態による燃料の荷卸し作業の処理について、図3および図4を参照しつつ説明する。
図3および図4の処理がスタートすると、S1では、荷卸しの準備が行われる。即ち、S1では、給油所1(SS)にタンクローリ車8が到着すると、ローリ運転者である係員Mは、燃料の荷卸しの準備を行う。この場合、係員Mは、車輪止め26を所定の位置に置き、アース線25を接続し、消火器27を所定の位置に置き、荷卸しホース18を接続する。S2では、荷卸しシステムの電源がONされる。即ち、係員Mは、荷卸し制御盤20の電源(電源スイッチ20A)をONにする。
S3では、荷卸しの準備が完了した状態を携帯端末23(タブレット)の内蔵カメラ23Bで撮影し、その撮影した画像を運行管理者の遠隔端末28に送信する。即ち、係員Mは、タンクローリ車8がアース接続されている状態、タンクローリ車8の車輪止め26が所定の位置に置かれている状態、消火器27が所定の位置に置かれている状態を、携帯端末23の内蔵カメラ23Bで撮影し、画像として取得する。携帯端末23の内蔵カメラ23Bで取得された画像は、遠隔端末28に送信される。
S4では、運行管理者が遠隔端末28で画像を判定(確認)する。即ち、運行管理者は、画像からアース接続の状態、車輪止め26の状態、消火器27の状態を確認する。この場合、運行管理者は、タンクローリ車8がアース接続されているか否か、タンクローリ車8の車輪止め26が所定の位置に置かれているか否か、および、消火器27が所定の位置に置かれているか否かを判定する。なお、この判定(確認)は、画像解析、画像認識等の画像処理により演算処理装置(コンピュータ)が行ってもよい。
S5では、S4の判定結果(確認結果)に基づいて、燃料の荷卸を許可するか否かを判定する。ここで、タンクローリ車8がアース接続され、車輪止め26が所定の位置に置かれており、かつ、消火器27が所定の位置に置かれている場合は、燃料の荷卸しに適した状態に対応する。そこで、この場合には、燃料の荷卸を許可する。即ち、「YES」と判定し、S6に進む。これに対して、アース接続と車輪止め26と消火器27との少なくともいずれかが燃料の荷卸しに適した状態でない場合には、燃料の荷卸を許可しない(燃料の荷卸しを禁止したままとする)。即ち、「NO」と判定し、S3に戻る。このとき、運行管理者は、荷卸しを許可しない旨(より具体的には、アース接続がされていない旨、車輪止め26が所定の位置に置かれていない旨、および/または、消火器27が所定の位置に置かれていない旨)を係員Mに報知(通知)する。係員Mは、この報知に基づいて、S3の処理を行う。これらの判定および報知も演算処理装置(コンピュータ)が行ってもよい。
一方、S6では、燃料の荷卸しの許可信号を荷卸しシステムに送信する。即ち、運行管理者は、遠隔端末28から荷卸し許可信号を携帯端末23に送信する。このとき、運行管理者は、荷卸しを許可する旨を係員Mに報知(通知)してもよい。これらの送信および報知も演算処理装置(コンピュータ)が行ってもよい。
S6に続くS7では、許可信号を受信したか否かを判定する。即ち、係員Mは、許可信号が携帯端末23に届いたか否かを確認する。S7で「YES」、即ち、携帯端末23が荷卸し許可信号を受信した場合には、図3の「A」を介して図4のS8に進む。この場合、携帯端末23の表示画面23Aに、荷卸しを許可する旨、または、「荷卸し開始」のボタンが表示されるようにすることができる。S7で「NO」、即ち、携帯端末23が荷卸し許可信号を受信していない場合は、S7の処理を繰り返す(許可信号の受信を待つ)。
S8では、燃料の荷卸しが許可されたため、燃料の荷卸しを行う(開始する)。即ち、係員Mは、携帯端末23の表示画面23Aを操作することにより、燃料の荷卸しを行うことができる。S8に続くS9では、燃料の荷卸しが完了したか否かを判定する。S9で「YES」、即ち、燃料の荷卸しが完了した場合は、S10に進む。S9で「NO」、即ち、燃料の荷卸しが完了していない場合は、S8に戻り、燃料の荷卸しを継続する。
S10では、荷卸しが完了したため、後片づけを行う。即ち、係員Mは、荷卸しホース18、アース線25、消火器27および車輪止め26を最初の状態(荷卸しの準備を行う前の状態)に戻す。S10に続くS11では、後片づけが完了した状態を携帯端末23(タブレット)の内蔵カメラ23Bで撮影し、その撮影した画像を運行管理者の遠隔端末28に送信する。即ち、係員Mは、タンクローリ車8がアース接続されていない状態、車輪止め26が所定の位置に置かれていない状態、消火器27が所定の位置に置かれていない状態を、携帯端末23の内蔵カメラ23Bで撮影し、画像として取得する。携帯端末23の内蔵カメラ23Bで取得された画像は、遠隔端末28に送信される。
S12では、運行管理者が遠隔端末28で画像を判定(確認)する。即ち、運行管理者は、画像からアース接続の状態、車輪止め26の状態、消火器27の状態を確認する。この場合、運行管理者は、タンクローリ車8がアース接続されているか否か、タンクローリ車8の車輪止め26が所定の位置に置かれているか否か、および、消火器27が所定の位置に置かれているか否かを判定する。なお、この判定(確認)は、画像解析、画像認識等の画像処理により演算処理装置(コンピュータ)が行ってもよい。
S13では、S12の判定結果(確認結果)に基づいて、荷卸システムの電源の遮断を許可するか否かを判定する。ここで、アース線25、消火器27および車輪止め26が最初の状態(荷卸しの準備を行う前の状態)に戻っている場合は、荷卸システムの電源の遮断に適した状態に対応する。そこで、この場合には、電源の遮断を許可する。即ち、「YES」と判定し、S14に進む。これに対して、アース接続と車輪止め26と消火器27との少なくともいずれかが荷卸システムの電源の遮断に適した状態でない場合には、電源の遮断を許可しない(電源の遮断を禁止したままとする)。即ち、「NO」と判定し、S10に戻る。このとき、運行管理者は、荷卸システムの電源の遮断を許可しない旨(より具体的には、アース接続がされている旨、車輪止め26が所定の位置に置かれている旨、および/または、消火器27が所定の位置に置かれている旨)を係員Mに報知(通知)する。係員Mは、この報知に基づいて、S10の処理を行う。これらの判定および報知も演算処理装置(コンピュータ)が行ってもよい。
一方、S14では、電源の遮断の許可信号(電源遮断許可信号、電源OFF許可信号)を荷卸しシステムに送信する。即ち、運行管理者は、遠隔端末28から電源OFF許可信号を携帯端末23に送信する。このとき、運行管理者は、電源の遮断を許可する旨を係員Mに報知(通知)してもよい。これらの送信および報知も演算処理装置(コンピュータ)が行ってもよい。
S14に続くS15では、電源OFF許可信号を受信したか否かを判定する。即ち、係員Mは、電源OFF許可信号が携帯端末23に届いたか否かを確認する。S15で「YES」、即ち、携帯端末23が電源OFF許可信号を受信した場合には、S16に進む。この場合、携帯端末23の表示画面23Aに、電源遮断を許可する旨が表示されるようにすることができる。S15で「NO」、即ち、携帯端末23が電源OFF許可信号を受信していない場合は、S15の処理を繰り返す(電源OFF許可信号の受信を待つ)。
S16では、電源の遮断が許可されたため、荷卸しシステムの電源をOFFにする。即ち、係員Mは、荷卸し制御盤20の電源スイッチ20AをOFFにする。そして、続くS17では、タンクローリ車8が給油所1(SS)を出発し、処理を終了する。
このように、第1の実施形態の燃料荷卸しシステムは、荷卸し前の画像取得工程(S3)と、荷卸し判定工程(S4、S5)と、荷卸し指令信号出力工程(S6)を備えている。また、燃料荷卸しシステムは、荷卸し後の画像取得工程(S11)と、電源判定工程(S12、S13)と、電源指令信号出力工程(S14)とを備えている。荷卸し前の画像取得工程では、「タンクローリ車8のアース接続に関する画像」と「タンクローリ車8の車輪止め26に関する画像」と「消火器27の位置に関する画像」を携帯端末23で取得する。荷卸し判定工程では、携帯端末23で取得された画像に基づいて燃料の荷卸しの許可または禁止を判定する。荷卸し指令信号出力工程では、荷卸し判定工程の判定結果に基づいて燃料の荷卸しの許可または禁止の指令信号を出力する。荷卸し後の画像取得工程は、荷卸し前の画像取得工程と同様に携帯端末23で画像を取得する。電源判定工程では、携帯端末23で取得された画像に基づいて荷卸し制御盤20の電源の遮断の許可または禁止を判定する。電源指令信号出力工程では、電源判定工程の判定結果に基づいて荷卸し制御盤20の電源の遮断の許可または禁止の指令信号を出力する。
以上のように、第1の実施形態によれば、燃料の荷卸しは、携帯端末23で取得された画像に基づいて許可または禁止される。このため、携帯端末23で取得された画像から、タンクローリ車8のアース接続、タンクローリ車8の車輪止め26の設置、消火器27の配置を判定することにより、燃料の荷卸しに適した状態であるか否かを判定できる。また、この判定は、例えば、係員Mとは別の人(運行管理者)が行うことにより、または、画像解析、画像認識等の画像処理により自動で行うことにより、燃料の荷卸しに適した状態であるか否かを二重確認(ダブルチェック)できる。これにより、燃料の荷卸しに適していない状態で燃料の荷卸しが行われることを抑制できる。
第1の実施形態によれば、燃料の荷卸しは、携帯端末23の内蔵カメラ23Bで取得された画像に基づいて許可または禁止される。このため、係員Mは、タンクローリ車8のアース接続の状態、タンクローリ車8の車輪止め26の状態、消火器27の状態等を携帯端末23の内蔵カメラ23Bで取得することができる。そして、この取得した画像に基づいて、燃料の荷卸しに適した状態であるか否かを判定できる。
第1の実施形態によれば、燃料の荷卸しは、携帯端末23から遠隔端末28に送信された画像に基づいて許可または禁止される。この場合、携帯端末23を携帯する係員Mとは別の人(運行管理者)が、遠隔端末28に送信された画像に基づいて、燃料の荷卸しに適した状態であるか否かを判定し、燃料の荷卸しを許可または禁止することができる。また、遠隔端末28が、携帯端末23から送信された画像に基づいて、燃料の荷卸しに適した状態であるか否かを画像解析、画像認識等の画像処理により自動的に判定し、燃料の荷卸しを許可または禁止することができる。いずれの場合も、給油所1を含む複数の給油所等で行われる荷卸し(複数の荷卸し)を遠隔端末28で集中管理することができる。
第1の実施形態によれば、燃料の荷卸しを許可するか禁止するかの判定は、画像から、タンクローリ車8がアース接続されているか否か、タンクローリ車8の車輪止め26が所定の位置に置かれているか否か、および、消火器27が所定の位置に置かれているか否かを判定することにより行われる。このため、タンクローリ車8がアース接続されていない状態、タンクローリ車8の車輪止め26が所定の位置に置かれていない状態、および、消火器27が所定の位置に置かれていない状態で燃料の荷卸しが行われることを抑制できる。
第1の実施形態によれば、燃料の荷卸しが完了した後、画像から、タンクローリ車8がアース接続されていない、タンクローリ車8の車輪止め26が所定の位置に置かれていない、および、消火器27が所定の位置に置かれていないと判定された場合は、荷卸し制御盤20の電源の遮断が許可される。これにより、燃料の荷卸しが完了した後、タンクローリ車8がアース接続されていない状態、タンクローリ車8の車輪止め26が所定の位置に置かれていない状態、および、消火器27が所定の位置に置かれていない状態でないと、荷卸し制御盤20の電源を遮断できない。このため、燃料の荷卸しが完了した後、荷卸し制御盤20の電源の遮断に適した状態で荷卸し制御盤20の電源を遮断できる。
第1の実施形態によれば、燃料荷卸しシステムは、荷卸しの準備が完了した状態の画像を取得する画像取得工程と、取得した画像に基づいて荷卸しの許可または禁止を判定する判定工程と、荷卸しの許可または禁止の信号を出力する指令信号出力工程と備えている。このため、燃料の荷卸しに適していない状態で燃料の荷卸しが行われることを抑制できる。
次に、図5および図6は、第2の実施形態を示している。第2の実施形態の特徴は、給油所の監視カメラで撮影された画像を携帯端末で取得する構成としたことにある。なお、第2の実施形態では、第1の実施形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略する。
前述の第1の実施形態では、携帯端末23の内蔵カメラ23Bで取得された画像(静止画)に基づいて、燃料の荷卸しが許可または禁止される。これに対して、第2の実施形態では、給油所1に設置された監視カメラ(図示せず)から携帯端末23に送信された画像(動画、映像)に基づいて、燃料の荷卸しが許可または禁止される。即ち、第2の実施形態では、携帯端末23は、監視カメラで撮影されている画像(リアルタイムの画像)を有線または無線により取得する。例えば、係員Mは、荷卸しを開始する前に、監視カメラと携帯端末23とを無線または有線により接続する。これにより、携帯端末23は、燃料の荷卸しを許可するか否かを判定するための画像を監視カメラから取得することができる。
この場合、携帯端末23による監視カメラの画像の取得(リアルタイムの画像の取得)は、例えば、給油所1で係員Mが携帯端末23の燃料荷卸しアプリケーションソフトを起動したときに自動的に開始される構成とすることができる。また、給油所1の監視カメラは、タンクローリ車8のアース接続の状態、タンクローリ車8の車輪止め26の設置の状態、消火器27の配置の状態を撮影できる位置に配置しておく。監視カメラは、1台でもよいし複数台でもよい。第2の実施形態では、携帯端末23は、燃料の荷卸しを許可するか否かを判定するための画像を監視カメラから自動で取得する画像取得部を備えている。
携帯端末23で取得された画像(監視カメラからのリアルタイム映像)は、遠隔端末28に常時送信される。管理事務所29の運行管理者は、監視カメラから携帯端末23を介して遠隔端末28に送信された画像から、タンクローリ車8がアース接続されているか否か、車輪止め26が所定の位置に設置されているか否か、消火器27が所定の位置に配置されているか否かを判定する。運行管理者は、燃料の荷卸しを許可するときは、遠隔端末28から携帯端末23に燃料の荷卸しの許可信号を送信する。
また、第2の実施形態では、監視カメラで撮影されている画像は、燃料の荷卸し中も携帯端末23を介して遠隔端末28に送信される。このため、運行管理者は、燃料の荷卸しを行っている途中で、携帯端末23で取得された画像(=監視カメラの画像)から、例えば、タンクローリ車8がアース接続されていない、タンクローリ車8の車輪止め26が所定の位置に置かれていない、および/または、消火器27が所定の位置に置かれていないと判定された場合は、燃料の荷卸しを禁止する。即ち、運行管理者は、監視カメラから携帯端末23を介して送信された画像から、燃料の荷卸しに適していない状態であると判定した場合は、荷卸しを禁止(停止、中断)するための禁止信号(または、許可信号を解除するための解除信号)を遠隔端末28から携帯端末23に送信する。
禁止信号(許可解除信号)を受信した携帯端末23は、荷卸し制御盤20に対して底弁12および荷卸し用電磁弁15を閉にする信号を送信する。これにより、底弁12および荷卸し用電磁弁15が閉弁し、荷卸しが禁止される(係員Mが携帯端末23を操作しても荷卸しを行うことができなくなる)。このとき、運行管理者は、携帯端末23を介して係員Mに、荷卸しを禁止した旨(より具体的には、アース接続がされていない旨、車輪止め26が所定の位置に置かれていない旨、および/または、消火器27が所定の位置に置かれていない旨)を報知(通知)する。
次に、第2の実施形態による燃料の荷卸し作業の処理について、図5および図6を参照しつつ説明する。なお、図5および図6中の各処理で、前述の図3および図4に示した処理と同様の処理については、同じステップ番号を付して、その説明を省略する。
S2に続くS21では、給油所1の監視カメラの画像を、携帯端末23(タブレット)を介して運行管理者の遠隔端末28に送信する。例えば、係員Mは、給油所1の監視カメラと携帯端末23とを無線または有線で接続し、監視カメラの画像が携帯端末23を介して遠隔端末28に送信されるようにする。S21に続くS4ないしS6では、運行管理者は、遠隔端末28に送信される画像に基づいて燃料の荷卸を許可するか否かを判定し、荷卸しを許可する場合は許可信号を出力する。これらの処理、即ち、画像の送信、荷卸しの許可、禁止の判定、許可信号の出力は、端末(コンピュータ)により自動で行ってもよい。
S8に続くS22では、運行管理者が遠隔端末28で画像を監視(判定)する。即ち、運行管理者は、荷卸し中も、画像からアース接続の状態、車輪止め26の状態、消火器27の状態を監視(判定)する。S23では、S22の監視結果(判定結果)に基づいて、燃料の荷卸を許可するか否かを判定する。この場合、タンクローリ車8がアース接続されており、車輪止め26が所定の位置に置かれており、消火器27が所定の位置に置かれている場合は、荷卸しの継続を許可する。即ち、この場合は「YES」と判定し、S9に進む。これに対して、アース接続と車輪止め26と消火器27との少なくともいずれかが燃料の荷卸しに適した状態でない場合には、燃料の荷卸を停止(禁止)する。即ち、この場合は「NO」と判定し、S24に進む。
S24では、燃料の荷卸しの禁止信号(荷卸しの停止信号)を荷卸しシステムに送信する。即ち、運行管理者は、遠隔端末28から荷卸し禁止信号(または、解除信号)を携帯端末23に送信する。禁止信号を受信した携帯端末23は、荷卸し制御盤20に対して底弁12および荷卸し用電磁弁15を閉にする信号を送信する。これにより、底弁12および荷卸し用電磁弁15が閉弁し、荷卸しが禁止(停止、中断)される。
S25では、運行管理者は、荷卸しを許可しない旨(より具体的には、アース接続がされていない旨、車輪止め26が所定の位置に置かれていない旨、および/または、消火器27が所定の位置に置かれていない旨)を係員Mに報知(通知)する。係員Mは、この報知に基づいて、アース接続の状態、車輪止め26の状態、および/または、消火器27の状態を修正する。S25に続くS26ないしS28では、運行管理者は、遠隔端末28に送信される画像(監視カメラのリアルタイムの画像)に基づいて燃料の荷卸の再開を許可するか否かを判定し、荷卸しを許可する場合は許可信号を出力する。これらの処理、即ち、荷卸し中の荷卸しの監視、荷卸し中の荷卸しの許可、禁止の判定、禁止信号の出力、許可信号(再開許可信号)の出力は、端末(コンピュータ)により自動で行ってもよい。
S28に続くS29では、許可信号を受信したか否かを判定する。また、S15の「YES」に続くS30では、監視カメラの画像の送信を終了する。S30の処理は、係員Mが携帯端末23を操作することにより行ってもよく、携帯端末23が電源OFF許可信号を受信すると自動的に送信を終了する構成としてもよい。
このように、第2の実施形態の燃料荷卸しシステムは、前述の第1の実施形態と同様に、画像取得工程(S21)と、荷卸判定工程(S4、S5、S22、S23、S26、S27)と、荷卸し指令信号出力工程(S6、S28)を備えている。第2の実施形態では、携帯端末23での画像の取得は、荷卸しの前後だけでなく荷卸しの最中も行われる。そして、燃料の荷卸しの許可または禁止の判定も、荷卸しの前だけでなく荷卸の最中も行われる。さらに、荷卸しの許可または禁止の指令信号も、荷卸しの前だけでなく荷卸の最中も必要に応じて出力される。
第2の実施形態は、監視カメラを介して携帯端末23で取得された画像に基づいて燃料の荷卸しが許可または禁止されるもので、その基本的作用については、第1の実施形態によるものと格別差異はない。特に、第2の実施形態によれば、燃料の荷卸しを行っている途中で、携帯端末23で取得された画像(=監視カメラの画像)から、タンクローリ車8がアース接続されていない、タンクローリ車8の車輪止め26が所定の位置に置かれていない、および/または、消火器27が所定の位置に置かれていないと判定された場合は、燃料の荷卸しが禁止される。
このため、燃料の荷卸しを行っている途中で、タンクローリ車8がアース接続されていない状態、タンクローリ車8の車輪止め26が所定の位置に置かれていない状態、および/または、消火器27が所定の位置に置かれていない状態になると、燃料の荷卸しを停止できる。これにより、燃料の荷卸しに適していない状態で燃料の荷卸しが継続されることを抑制できる。また、タンクローリ車8のSS到着、荷卸しシステム(荷卸し制御盤20および携帯端末23)起動後に画像から、タンクローリ車8がアース接続されているか否か、タンクローリ車8の車輪止め26が所定の位置に置かれているか否か、および、消火器27が所定の位置に置かれているか否かを判断できる。このため、SSに到着した係員Mの荷卸に関する作業を早い段階でチェックできるため、係員Mの作業漏れを防止できる。
なお、第1の実施形態では、携帯端末23の内蔵カメラ23Bで静止画像を取得する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、携帯端末の内蔵カメラで動画像を取得する構成としてもよい。
第2の実施形態では、携帯端末23は給油所1の監視カメラから画像(動画)を取得する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、携帯端末は、タンクローリ車に搭載された車載カメラから画像を取得する構成としてもよい。このことは、第1の実施形態についても同様である。
各実施形態では、燃料の荷卸しを行う係員Mをローリ運転者とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、燃料の荷卸しを行う係員は、ローリ運転者以外の係員、例えば、給油所の係員でもよい。
各実施形態では、携帯端末23とは別の端末である遠隔端末28で運行管理者が手動で燃料の荷卸しを許可または禁止する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、携帯端末とは別の端末(遠隔端末)が画像処理(画像解析、画像認識)により自動で燃料の荷卸しを許可または禁止する構成としてもよい。
各実施形態では、携帯端末23で取得された画像を携帯端末23とは別の端末である遠隔端末28に送信し、遠隔端末28で燃料の荷卸しを許可または禁止する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、燃料の荷卸しを携帯端末23で許可または禁止する構成としてもよい。この場合、携帯端末23は、画像処理(画像解析、画像認識)により自動で燃料の荷卸しを許可または禁止する構成とすることができる。
各実施形態では、燃料の荷卸しを許可するか禁止するかの判定は、「アース接続」と「車輪止め26」と「消火器27」との3つの判定対象を用いて行う場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、3つの判定対象のうちの少なくとも1つの判定対象を用いて荷卸しの許可または禁止の判定を行うことができる。例えば、3つの判定対象のうちの1つの判定対象のみを用いてもよい。また、3つの判定対象の他にも、例えば、荷卸しホースが接続されているか否か、大気開放用ホースが給油所の大気開放管に接続されているか否か等、燃料の荷卸しに適しているか否かを判定することができる他の判定対象を用いてもよい。
各実施形態では、燃料の荷卸しが完了した後、携帯端末23で取得された画像に基づいて荷卸し制御盤20の電源の遮断を許可する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、荷卸し制御盤の電源の遮断は、画像に基づく許可または禁止を必要としない構成としてもよい。
各実施形態では、タンクローリ車8は、複数のハッチ10−Nを備える構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、タンクローリ車は、1つのハッチを備えた構成としてもよい。
各実施形態では、タンクローリ車8から給油所1の地下タンク2に燃料を荷卸しする場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、タンクローリ車から工場の地下タンクに燃料を荷卸しする場合等、各実施形態の燃料荷卸しシステムは、広く適用することができる。
さらに、各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもない。
以上説明した実施形態に基づく燃料荷卸しシステムとして、例えば下記に述べる態様のものが考えられる。
第1の態様としては、タンクローリ車のハッチに対応して設けられた底弁の開閉を行うことにより、前記ハッチからタンクに燃料の荷卸しを行う開閉制御部と、係員が携帯可能であり、前記開閉制御部と通信を行う携帯端末と、を備えた燃料荷卸しシステムにおいて、前記燃料の荷卸しは、前記携帯端末で取得された画像に基づいて許可または禁止される。
この第1の態様によれば、携帯端末で取得された画像に基づいて燃料の荷卸しが許可または禁止される。この場合、携帯端末で取得された画像から、例えば、タンクローリ車のアース接続、タンクローリ車の車輪止めの設置、消火器の配置等を判定することにより、燃料の荷卸しに適した状態であるか否かを判定できる。また、この判定は、例えば、係員とは別の人が行うことにより、または、画像解析、画像認識等の画像処理により自動で行うことにより、燃料の荷卸しに適した状態であるか否かを二重確認(ダブルチェック)できる。これにより、燃料の荷卸しに適していない状態で燃料の荷卸しが行われることを抑制できる。
第2の態様としては、第1の態様において、前記携帯端末は、内蔵カメラを備えており、前記燃料の荷卸しは、前記携帯端末の前記内蔵カメラで取得された画像に基づいて許可または禁止される。
この第2の態様によれば、携帯端末の内蔵カメラで取得された画像に基づいて燃料の荷卸しが許可または禁止される。この場合、係員は、例えば、タンクローリ車のアース接続の状態、タンクローリ車の車輪止めの状態、消火器の状態等を携帯端末の内蔵カメラで取得することができる。そして、この取得した画像に基づいて、燃料の荷卸しに適した状態であるか否かを判定できる。
第3の態様としては、第1または第2の態様において、前記携帯端末で取得された画像は、前記携帯端末とは別の端末に送信され、前記燃料の荷卸しは、前記携帯端末から前記別の端末に送信された前記画像に基づいて許可または禁止される。
この第3の態様によれば、携帯端末から別の端末に送信された画像に基づいて燃料の荷卸しが許可または禁止される。この場合、例えば、携帯端末を携帯する係員とは別の人が、携帯端末とは別の端末に送信された画像に基づいて、燃料の荷卸しに適した状態であるか否かを判定し、燃料の荷卸しを許可または禁止することができる。また、例えば、携帯端末とは別の端末が、携帯端末から送信された画像に基づいて、燃料の荷卸しに適した状態であるか否かを画像解析、画像認識等の画像処理により自動的に判定し、燃料の荷卸しを許可または禁止することができる。いずれの場合も、複数の給油所等で行われる荷卸し(複数の荷卸し)を別の端末で集中管理することができる。
第4の態様としては、第1ないし第3の態様のいずれかにおいて、前記燃料の荷卸しを許可するか禁止するかの判定は、前記画像から、前記タンクローリ車がアース接続されているか否か、前記タンクローリ車の車輪止めが所定の位置に置かれているか否か、および/または、消火器が所定の位置に置かれているか否かを判定することにより行われる。
この第4の態様によれば、タンクローリ車がアース接続されていない状態、タンクローリ車の車輪止めが所定の位置に置かれていない状態、および/または、消火器が所定の位置に置かれていない状態で燃料の荷卸しが行われることを抑制できる。
第5の態様としては、第1ないし第4の態様のいずれかにおいて、前記燃料の荷卸しを行っている途中で、前記画像から、前記タンクローリ車がアース接続されていない、前記タンクローリ車の車輪止めが所定の位置に置かれていない、および/または、消火器が所定の位置に置かれていないと判定された場合は、前記燃料の荷卸しが禁止される。
この第5の態様によれば、燃料の荷卸しを行っている途中で、タンクローリ車がアース接続されていない状態、タンクローリ車の車輪止めが所定の位置に置かれていない状態、および/または、消火器が所定の位置に置かれていない状態になると、燃料の荷卸しを停止できる。これにより、燃料の荷卸しに適していない状態で燃料の荷卸しが継続されることを抑制できる。
第6の態様としては、第1ないし第5の態様のいずれかにおいて、前記燃料の荷卸しが完了した後、前記画像から、前記タンクローリ車がアース接続されていない、前記タンクローリ車の車輪止めが所定の位置に置かれていない、および/または、消火器が所定の位置に置かれていないと判定された場合は、前記開閉制御部の電源の遮断が許可される。
この第6の態様によれば、燃料の荷卸しが完了した後、タンクローリ車がアース接続されていない状態、タンクローリ車の車輪止めが所定の位置に置かれていない状態、および/または、消火器が所定の位置に置かれていない状態でないと、開閉制御部の電源を遮断できない。このため、燃料の荷卸しが完了した後、開閉制御部の電源の遮断に適した状態で開閉制御部の電源を遮断できる。
第7の態様としては、タンクローリ車のハッチに対応して設けられた底弁の開閉を行うことにより、前記ハッチからタンクに燃料の荷卸しを行う開閉制御部と、係員が携帯可能であり、前記開閉制御部と通信を行う携帯端末と、を備えた燃料荷卸しシステムの燃料荷卸し方法であって、前記タンクローリ車のアース接続に関する画像と前記タンクローリ車の車輪止めに関する画像と消火器の位置に関する画像とのうちの少なくともいずれかの画像を前記携帯端末で取得する画像取得工程と、前記携帯端末で取得された画像に基づいて前記燃料の荷卸しの許可または禁止を判定する判定工程と、前記判定工程の判定結果に基づいて前記燃料の荷卸しの許可または禁止の指令信号を出力する指令信号出力工程と、を含む。
この第7の態様によれば、燃料の荷卸しに適していない状態、即ち、タンクローリ車がアース接続されていない状態、タンクローリ車の車輪止めが所定の位置に置かれていない状態、および/または、消火器が所定の位置に置かれていない状態で燃料の荷卸しが行われることを抑制できる。