JP6886569B2 - 細径内視鏡手術器具 - Google Patents

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Description

本発明は、胸腔内の交感神経切除手術のように、体腔内において小さい組織を対象に切除、授動(組織を動かす行為)、分離、電気焼灼、電気凝固等を行う手術に用いる細径内視鏡手術器具に関し、特に、手術を妨げたり、その視野を妨害する繊維状組織などを切断・除去することが可能な細径内視鏡手術器具に関するものである。
内視鏡を用いた手術、いわゆる、内視鏡手術においては、従来、メス、鉗子、凝固用電極等の処置器具類と内視鏡とは異なった皮膚切開孔から挿入していた。その挿入のため少なくとも2カ所の皮膚切開孔が必要であり、処理の種類によっては3カ所以上の皮膚切開孔を設ける必要があった。しかし、患者の負担を軽減し、術後の早期回復を図るためには、皮膚切開孔の数は少ないほど良く、皮膚切開孔の大きさは小さいほどよい。
なお、以下の説明で、この種類の内視鏡手術器具を「従来型内視鏡手術器具」と言う。
この従来型内視鏡手術器具の有する問題を解決する方法として、特許文献1には、内視鏡を内装した筒状の処理器具を1カ所の皮膚切開孔から体内に挿入し、その内視鏡で手術部位を観察しつつ筒状の処理器具で電気焼灼、電気凝固、切開などの処置を行える内視鏡通電器具が示されている。筒状の処理器具はその先端部を電極として使用し、その筒部を電極への通電体として使用して電気焼灼や電気凝固を行うと共に、その先端部形状を刃状、あるいは、針状に形成することにより、切開等の処理を行うことができる。
さらに、この内視鏡通電器具は内視鏡がその中を通過しうる内径を有し、内視鏡は筒の軸方向に移動可能に支持されることにより、筒状の処理器具の先端と内視鏡の先端の相対的な位置が可変となり、手術の目的部探索時には内視鏡を筒状の処理器具の先端部から突出させて広い視野で体内を観察し、手術時には内視鏡を筒状の処理器具内に引き込み目的部位と電極等の両方に焦点を合わせることが可能である。この装置では、内視鏡と処理器具を一体として挿入することにより、皮膚切開孔は1カ所で足り、さらなる皮膚切開孔を必要としないのが特徴である。
また、この内視鏡通電器具では、細径内視鏡の外径と内視鏡通電器具の内径の差を、内装された細径内視鏡が軸方向に移動可能な状態で保持することが出来る範囲で小さくすることにより、その隙間に、切断された組織や体液が入り、操作に不都合が生ずる可能性を減らすことが出来る。一方、細径内視鏡の管部分は単純な棒状であり、内視鏡通電器具の体内に挿入される部分は単純なパイプ状であるから、細径内視鏡を抜き取ってしまえば、両者とも事前の洗浄や殺菌を容易に、かつ、完全に行うことができる。
非特許文献1には、この器具を用いた手術の詳細と手術結果が示されている。
また、特許文献2では、特許文献1の内視鏡通電器具に牽引部を設けて、手術を妨げたり、視野を妨害する繊維状組織などを、牽引して移動したり、切断したりすることができる交感神経遮断術に適した装置を示している。
これらの文献に示された内視鏡通電器具は、皮膚切開孔が1カ所で済むと同時に、細径内視鏡を使用し、その外径にほぼ等しい内径を有する細い筒状の処理器具を組み合わせることにより皮膚切開孔の大きさも小さくできるので、患者の負担を大幅に軽減し、術後の早期回復を図ることに貢献できる。
一方、内視鏡手術器具を用いた手術では、手術の対象組織以外の、繊維状組織や脂肪の塊などの組織が存在して、器具の先端を手術の対象組織に近づける際に障害となること、電気焼灼、電気凝固、切開などの処置を行う際の操作の障害となること、あるいは、内視鏡の視野を妨害したりすることが、しばしば起こりうる。それらの組織が脂肪の塊のような軟弱なものであれば、上述の筒部の先端部形状を刃状、あるいは、針状に形成したものを押し付けることにより、比較的に容易に切除し、障害を取り除くことが出来る。しかし、繊維状の組織の中には腱状の極めて堅いものもあり、単に刃状、あるいは、針状に形成した筒部の先端部を押し付けても、切除することが出来ない場合も多い。また、この腱状の極めて堅い組織を電気焼灼等で除去することも考えられるが、これも万全では無い。
さらに、これらの組織の中には、その端部が骨、筋肉、靱帯、内臓等に固着しているものもあり、特許文献2に示す牽引部を有する器具を用いて移動させようとしても容易に動かないないものも多く、障害を取り除くには切断除去せざるを得ない場合が多い。
また、切断除去したい組織の状況によっては、骨や靱帯等で出来た凹部の中での切断が必要となったり、骨や靱帯等に固着している部分をはがすように切断する必要が生じる場合もある。このようなケースにも、新たな切断器具を挿入すること無く、最初に挿入した器具のみで対応できることが望ましい。
なお、従来型内視鏡手術器具のなかには、遠隔操作の鋏等の切断器具を有するものもあり、ある程度堅い組織でも切除することが出来た。しかし、腱状の極めて堅い組織の場合には、これら遠隔操作の鋏等の切断器具では、切断に必要な力を鋏の刃先につたえることが困難なために切断できない場合が多かった。また、遠隔操作の鋏等の切断器具を別途別の開口部から挿入することは、近傍の組織を傷つけたり、時間を浪費したりして、患者の負担を増加させることになる。
さらに、通常の遠隔操作の鋏等の切断器具では、その二枚の切断刃を相対的に動かすための止めピン等のジョイント機構や切断刃を動かす駆動手段などの細かな部品が数多く使われる。部品点数が増えることにより、それらが体内で脱落してしまう可能性も高くなる。ちなみに、これらの細かな部品が体内で脱落してしまうと、X線撮影でその存在が外部からは確認できても、内視鏡を使ってその位置を確認することは極めて難しいので、その取り出しは内視鏡手術器具を用いても不可能なことが多い。
国際公開番号WO2000/016707 特開2007−089690号公報
Hidehiro Yamamoto,MD.他著、The Journal of Thoracic and Cardiovascular Surgery誌、2000年、Volume120、Page276−279
解決しようとする課題は、ジョイント機構や駆動手段などを使わない部品点数の少ない簡単な構成で、堅い繊維状の組織を確実に切断し、さらに、凹部にある堅い繊維状の組織、あるいは、肋骨等に固着している部分をはがすように堅い繊維状の組織を切断し、かつ、近傍の組織を傷つけたり、新たに別の器具を挿入するための患者の負担の増加や時間の浪費をもたらさない、細径内視鏡手術器具を提供することにある。
本発明は、細径内視鏡を挿入して使用する細径内視鏡手術器具であって、
該細径内視鏡と、該細径内視鏡が挿入され、それを軸方向に移動可能な状態で支持するガイドパイプとを有し、
該細径内視鏡は、
その近端部、すなわち、該細径内視鏡手術器具を用いて手術をする際に患者の体外に在る側の端部に操作部を有し、該操作部を用いて操作することにより、該細径内視鏡の軸方向の位置、及び、回転角度を変えることができ、
該ガイドパイプは、
該細径内視鏡の管部分の外径とほぼ等しい内径を有し、
該ガイドパイプの遠端部、すなわち、該細径内視鏡手術器具を用いて手術する際に患者の体内に挿入される側の端部に、該ガイドパイプの内壁から外壁に通ずる開口であって、該開口の遠端部側の縁の中央部が、該開口の遠端部側の縁の両端部より該ガイドパイプの遠端部から遠い開口を有し、
該ガイドパイプの近端部、すなわち、該細径内視鏡手術器具を用いて手術をする際に患者の体外に在る側の端部に操作部を有し、該操作部を用いて操作することにより、該ガイドパイプの軸方向の位置、及び、回転角度を変えることができる、同軸構造の細径内視鏡手術器具である。
なお、前記ガイドパイプの開口の遠端部の縁に、該ガイドパイプの内壁側を先端とする刃を設けることが望ましい。
本細径内視鏡手術器具は、細径内視鏡と、その管部分の外径とほぼ等しい内径を有する細い筒状のガイドパイプを組み合わせている。このガイドパイプは、特許文献1の内視鏡通電器具と同様に、その先端部に電極を設けて電気焼灼や電気凝固を行ったり、その先端部を刃状、あるいは、針状に形成することにより、切開等の処理を行う構成にしても良い。また、このガイドパイプを、細径内視鏡を体腔内に挿入する際にそのガイドをすることを主な用途として用い、別に、ガイドパイプの外径とほぼ等しい内径を有し、その先端に電極、刃状部、および/あるいは、針状部を有する別の筒状の処理パイプを用意して、それをガイドパイプに外挿して組み合わせる構成にしても良い。
いずれの組み合わせにおいても、手術を行うに際し、皮膚切開孔が1カ所で済むと同時に、その大きさも小さくできるので、患者の負担を大幅に軽減し、術後の早期回復を図ることに貢献できる。
ここで、細径内視鏡の外径とガイドパイプの内径の差を、ガイドパイプに内装されて細径内視鏡が軸方向に移動可能な状態で保持することが出来る範囲で小さくすることにより、それらの隙間に、切断された組織や体液が入り、操作に不都合が生ずる可能性を減らすことが出来る。一方、細径内視鏡の管部分は単純な棒状であり、ガイドパイプの体内に挿入される部分は単純なパイプ状であるから、細径内視鏡をガイドパイプから抜き取れば、両者とも事前の洗浄や殺菌を容易に、かつ、完全に行うことができる。
ガイドパイプは、挿入された細径内視鏡が軸方向に移動可能な状態で支持するから、筒状のガイドパイプの先端と細径内視鏡の先端の相対的な位置が可変となり、手術の目的部探索時には細径内視鏡をガイドパイプの先端部から突出させて広い視野で体内を観察し、手術時には、必要に応じ細径内視鏡をガイドパイプ内に引き込み目的部位とガイドパイプの先端の両方に焦点を合わせることが可能である。
このガイドパイプに設けられた開口は、二つの用途がある。一つは細径内視鏡をガイドパイプ内に引き込んだ状態で手術の対象組織とその周囲の映像を得るために使用することである。二つ目は、細径内視鏡の先端部と協調して、細径内視鏡手術器具の先端を手術の対象組織に近づけるのに障害となったり、電気焼灼、電気凝固、切開などの処置を行う際の操作の障害となったり、あるいは、内視鏡の視野を妨害したりする、手術の対象組織以外の繊維状組織や脂肪の塊、特に、堅い繊維状の組織(以下「切断対象組織」と言う。)を確実に切断するのに用いられる。
ガイドパイプに設けられた開口の遠端部側の縁の中央部が、その開口の遠端部側の縁の両端部より該ガイドパイプの遠端部から遠い、すなわち、その開口を真横から見たときに、開口の遠端部側の縁が、ガイドパイプの外周からガイドパイプの軸心に向かって遠端部側に近づくように傾いている。この形状をとることにより、軸心に直角な面を成す細径内視鏡の先端部との間に、奥に行くほど広くなる空間を作ることが出来、その中に切断対象組織を逃がすこと無く確実に挟み込むことができる。
切断対象組織を確実に挟み込んだ状態で、細径内視鏡とガイドパイプに設けられた操作部をそれぞれ操作して、両者の相対的な位置を近づけることにより、ガイドパイプの開口の遠端部側の縁の内側と、細径内視鏡の先端部の外縁との間で、せん断力により切断対象組織を容易に切断することが出来る。
また、ガイドパイプの開口の遠端部の縁に、ガイドパイプの内壁側を先端とする刃を設けることにより、手術者が手で細径内視鏡とガイドパイプに与える力が同じでも、より大きなせん断力を与えることができ、さらに容易に切断対象組織を切断することが出来る。
また、本発明は、請求項1記載の細径内視鏡手術器具であって、
前記ガイドパイプの遠端部が、該ガイドパイプの軸心に直角でない傾いた面で切断され、その切断面の最も遠端部側の頂点が、前記開口部の軸方向の中心線の延長線上にあり、かつ、該切断面部分に、刃を設けた細径内視鏡手術器具である。
ガイドパイプの遠端部をガイドパイプの軸心に直角でない傾いた面で切断した形状とし、さらに、その切断部分に刃を設ける。その遠端部側の頂点、すなわち、一番突き出た部分は、狭い場所にも近寄り安く、また、骨や靱帯等に鋭角に沿わせて動かしやすいので、その部分を、骨や靱帯等で出来た凹部の中にある切断対象組織、あるいは、骨や靱帯等に固着している部分をはがすように切断する必要がある切断対象組織にあてがうことにより、それらを容易に切断することが出来る。いずれのケースでも、新たな切断器具を挿入すること無く、最初に挿入した器具のみで対応できるので、近傍の組織を傷つけたり、新たに別の器具を挿入するための患者の負担の増加や時間の浪費をもたらすことがない。
この切断作業を行うに当たっては、細径内視鏡は作業の邪魔にならぬようにガイドパイプの中に引き込まれる。このとき内視鏡の視野は、ガイドパイプの先端部の円形の空間内とガイドパイプに設けられた開口部内に限られる。開口部の軸方向の中心線の延長線上にガイドパイプ先端部の一番突き出た部分を配置することにより、手術者は切断作業中に、切断対象組織と、切断しようとする切断対象組織に近づいたガイドパイプの一番突き出た刃の部分の両方と、その周辺とを、容易に視野の中に捉えることが出来る。
本発明の細径内視鏡手術器具は、ジョイント機構や駆動手段などを使わない部品点数の少ない簡単な構成であるにもかかわらず、せん断力を用いて堅い繊維状の組織を確実に切断することができる。
さらに、ガイドパイプの遠端部をガイドパイプの軸心に直角で無い傾いた面で切断した形状とし、その切断部分に刃を設けることにより、骨や靱帯等で出来た凹部の中での切断対象組織の切断や、切断対象組織の骨や筋肉に固着している部分をはがすような切断を行うことができる。
いずれのケースでも、新たな切断器具を挿入すること無く、最初に挿入した器具のみで対応できるので、近傍の組織を傷つけたり、新たに別の器具を挿入するための患者の負担の増加や時間の浪費をもたらすことがない。
本発明の細径内視鏡手術器具の実施例1の全体図である。 実施例1の細径内視鏡手術器具を構成する細径内視鏡の側面図(a)とガイドパイプの断面図(b)である。 実施例1のガイドパイプの開口の側面図(a)と正面図(b)である。 実施例1のガイドパイプの開口の遠端部の縁と細径内視鏡の先端部の外縁との間でせん断を行う方法の説明図である。 実施例1のガイドパイプの操作部の説明図である。 胸膜肺癒着の説明図である。 実施例1の細径内視鏡手術器具を用いて胸膜肺癒着部を切断する方法の説明図である。 本発明の細径内視鏡手術器具の実施例2のガイドパイプの開口部分の側面から見た断面図(a)とA−A断面図(b)である。 本発明の細径内視鏡手術器具の実施例3のガイドパイプの遠端部の側面図(a)と正面図(b)である。 実施例3のガイドパイプの遠端部で処理したい切断対象組織の説明図である。 実施例3のガイドパイプの遠端部を用いて、凹部にある切断対象組織の切断を行う方法の説明図である。 実施例3のガイドパイプの遠端部を用いて、固着している切断対象組織をはがすように切断を行う方法の説明図である。
本発明の実施をするための形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明はかかる実施の形態には限定されず、本発明の範囲内でその具体的構造に種々の変更を加えて良いことは言うまでもない。また、以下の説明は胸腔内の交感神経手術を念頭に置いて行うが、本発明は胸腔内の交感神経手術に限定されるものではない。
図1は、本発明の細径内視鏡手術器具の実施例1の全体図、図2は、それを構成する内視鏡の側面図(a)とガイドパイプの断面図(b)である。図3は、そのガイドパイプに設けられた開口の側面図(a)と正面図(b)、図4は、その開口の遠端部の縁と細径内視鏡の先端部の外縁との間でせん断を行う方法の説明図、図5は、ガイドパイプの操作部の説明図である。また、図6は、胸膜肺癒着の説明図、図7は実施例1の細径内視鏡手術器具を用いて胸膜肺癒着部を切断する方法の説明図ある。
本発明の細径内視鏡手術器具1は、図1に示すように細径内視鏡10とガイドパイプ20を組み合わせて構成さる。患者の負担の軽減の観点から、皮膚切開孔の大きさを出来るだけ小さくするために、内視鏡としては、その管部分11の外径が2mmの細径のファイバースコープを採用している。
細径内視鏡10は、その接続部13により標準的な胸部内視鏡手術に使われるモニターシステム(図示していない。)につながれ、モニターにより手術の部位、および、その周辺を見ながら手術を進めることが出来る。また、手術をする組織の目的部位、および、内視鏡の先端部12の周辺を照らすための照明用の光ファイバーも管部分11に内蔵され、接続端子15から光が送り込まれる。
手術する者は接続部13を手に持ち、それを動かして内視鏡の先端部12を最適な位置に移動することが出来る。すなわち、接続部13が細径内視鏡の操作部であり、細径内視鏡の軸方向の位置を変えるだけで無く、必要に応じその回転角も変化することが出来る。
ガイドパイプ20は、細径内視鏡の管部分11の外径よりわずかに大きい2.05mmの内径を有する外径2.35mmのパイプで、細径内視鏡10をその軸方向に移動可能な状態で支えている。両者が相対的に移動可能な状態であるためには、細径内視鏡の管部分11とガイドパイプ20は、図で示すように直線状か、同一の半径を持つ円弧状に形成される。
細径内視鏡が軸方向に移動可能な状態で保持できる範囲で、両者の隙間をこのように小さくすることにより、その隙間に切断されて組織や体液が入り、操作に不都合が生じる可能性を減らすことが出来る。一方、図2に示すように、細径内視鏡10はガイドパイプ20から簡単に抜き取ることが出来、かつ、両者の形状は単純な棒状、あるいは、パイプ状であるから、事前の洗浄や殺菌は極めて容易に、かつ、完全に行うことが出来る。
ガイドパイプには、手術をする者から見てその遠端部22、すなわち、患者の体内に挿入される側の端部に、開口23が設けられる。開口23の遠端部22に近い側の縁24は、図3に示すように、その中央部24aがその両端部24bより遠端部22から遠い構成にする。
通常、開口23の縁24は、ガイドパイプの軸に直角な平面から角度αだけ傾いた平面で切り出して形成される。図3に示すように、軸心に直角な面を成す細径内視鏡の先端部12との間に奥へ行くほど広くなる空間を作り、その間に切断対象組織を確実に挟み込むためには、角度αの大きさは、ある程度大きい方が良い。しかし、大きすぎると、開口の遠端部の縁の中央部24aが尖った針に近い形状となるので、誤って切断対象組織以外の組織に刺さって、はずれなくなる可能性もあり好ましくない。実際に使用した結果から見ると、角度αは、切断対象組織によっても異なるが、5度から40度が良い。平均的には10度くらいが最適と考えられる。
また、開口23の深さdは、大きい方が、より大きな切断対象組織を確実に挟み込むことが出来て有利であるが、あまり大きいとガイドパイプのパイプ部分21の強度が問題になる。強度的には、パイプ21の円周の3分の1以上を残す深さに抑えるのが良い。
図4により、その開口の遠端部の縁24の内側と細径内視鏡の先端部の外縁12aとの間で切断を行う方法を説明する。処置を行う際の操作の障害となったり、内視鏡の視野を妨害したりする切断対象組織3を開口の縁24と細径内視鏡の先端部12の間に挟み込む。
この操作は、細径内視鏡の操作部である接続部13と、図5に示すガイドパイプ20の操作部26とを手術をする者が手で操作して行う。
ガイドパイプの操作部26の詳細を図5に示す。操作部26は、ガイドパイプのパイプ部分21に固定された回転部27と、同じくパイプ部分21に固定された二つの止め輪28で軸方向には移動できないように、かつ、回転自在に取り付けられたリング状の支持部29からなる。手術をする者は、支持部29を親指と人差し指で摘まみ、中指を回転部27に添える。支持部29を軸方向に動かすことにより、ガイドパイプ20の軸方法の位置を変え、回転部27を回すことによりガイドパイプ20の回転角度を変えることが出来る。
手術をする者が細径内視鏡の接続部13と、ガイドパイプの操作部26に力を加え、図
4(a)の矢印Aが示すように、細径内視鏡先端部12とガイドパイプの開口の縁24が
相対的に近づく方向に操作すると、切断対象組織3を容易に挟み込むことが出来る。開口の縁24と、細径内視鏡の先端部12とで作る空間は奥へ行くほど広くなるので、手術をする者が、両操作部に加える力を増すに従い切断対象組織3は開口23の奥に押し込まれ、外れること無く確実に挟み込まれる。
細径内視鏡が軸方向に移動可能な状態で保持できる範囲で、細径内視鏡の管部分11の外径と、ガイドパイプのパイプ部分21の内径との差を極めて小さくしているので、手術をする者が、細径内視鏡先端部12とガイドパイプの開口の縁24が相対的に近づく方向にさらに力を加えれば、細径内視鏡の先端部の外縁12aとガイドパイプの開口の縁24の内壁の間に大きなせん断力が働いて、図4(b)に示すように、切断対象組織3は確実に切断される。開口の縁24と、細径内視鏡の先端部12とで作る空間に収まり切らない大きな切断対象組織であっても、収まった部分のみを切断するという操作を何回か繰り返すことにより完全に切断できる。
実施例1の細径内視鏡手術器具を用いて行う手術の一例を説明する。肋骨6の内側に胸膜7に囲まれた胸膜腔8があり、その中に肺9は位置する。図6に示すように、この胸膜7と肺9の間に索状の癒着が生じることがある。いわゆる胸膜肺癒着である。この胸膜肺癒着部5が、細径内視鏡手術を進める上での障害となり、切除が必要な場合がある。
この胸膜肺執着部5の内部には血管が入っており、これに損傷を与えると出血をして危険なことが多い。このため、事前に充分な電気凝固を加え止血してから切断するのが従来からのやり方であるが、凝固を加えると蛋白質が固形化してかなりの硬さになり、従来型内視鏡手術で用いる遠隔操作の鋏では切断できなくなる。さらに蛋白質の凝固が進むと電気抵抗が増え通電できなくなり、結果的に電気メスでも切断できなくなる。
図7は、実施例1の細径内視鏡手術器具を用いてこの胸膜肺癒着部5を切除する方法を示す。図はガイドパイプの開口の遠端部の縁24と細径内視鏡の先端部12との間に胸膜肺癒着部5を挟み込んだ状態を示している。この状態で、手術をする者は、手元の操作部を操作して、細径内視鏡先端部12とガイドパイプの開口の遠端部の縁24が相対的に近づく方向にさらに力を加えれば、細径内視鏡の先端部の外縁とガイドパイプの開口の縁の内壁の間に大きなせん断力が働いて、胸膜肺癒着部5は容易に、かつ、確実に切断される。
る。
図8は、本発明の細径内視鏡手術器具の実施例2のガイドパイプの開口部分の側面から見た断面図(a)とA−A断面図(b)である。この実施例の細径内視鏡手術器具は、ガイドパイプの開口の遠端部側の縁の形状が異なる以外は、実施例1の細径内視鏡手術器具と同じであるから、同じ部分の説明は省略する。また、理解を容易にするために、実施例1と同じ形状と同じ機能を有する部品の符番は、同じ番号とする。後述する実施例3の説明と符番も同様にする。
本実施例のガイドパイプ30は、実施例1と同様に、その遠端部32に近い側の縁34の中央部34aが、その両端部34bより遠端部32から遠い形状の開口33を有する。従って、実施例1のガイドパイプの開口と同様に、細径内視鏡の先端部12との間に切断対象組織3を確実に挟み込める。
ガイドパイプ遠端部32に近い側の縁34には、その内壁側を先端とする刃34cが設けられている。刃を設けることにより、縁34の切断対象組織3に接触する部分の面積が減り、手術をする者が細径内視鏡とガイドパイプの操作部に与える力が同じでも、切断対象組織3にはより大きなせん断力を与えることができ、さらに容易に切断対象組織3を切断することが出来る。
図9は、本発明の細径内視鏡手術器具の実施例3のガイドパイプの遠端部の側面図(a)と正面図(b)、図10は、実施例3のガイドパイプの遠端部で処理したい切断対象組織の説明図、図11は、実施例3のガイドパイプの遠端部を用いて、凹部にある切断対象組織の切断を行う方法の説明図、そして、図12は、実施例3のガイドパイプの遠端部を用いて、固着している切断対象組織をはがすように切断を行う方法の説明図である。
本実施例のガイドパイプ40は、実施例1と同様に、その遠端部42に近い側の縁44の中央部44aが、その両端部44bより遠端部42から遠い形状の開口43を有する。従って、実施例1のガイドパイプの開口と同様に、細径内視鏡の先端部12との間に切断対象組織を確実に挟み込むことができ、この開口の遠端部側の縁44と細径内視鏡の先端部12とを用いて、切断対象組織をせん断力により切断することが出来る。
さらに、本実施例のガイドパイプ40の遠端部42は、ガイドパイプの軸心に直角でない傾いた面で切断された形状を成し、その切断面の最も遠端部側の頂点42a、すなわち、一番突出した部分が、開口43の軸方向の中心線の延長線上にあり、かつ、その切断面部分に刃42bが設けられている。
図10に示すように、切断対象組織4の中には、肋骨6等に張り付くよう固着しているものもある。このようなケースで、図のB部のように凹部になったところで切断対象組織4を切断したい場合には、実施例1の細径内視鏡手術器具のガイドパイプのように、ガイドパイプの軸心に直角な面で切断された形状を有するものでは、切断したい部分に充分に近づけない場合が出てくる。
ガイドパイプの遠端部42に、突出した部分42aを作ることにより、図11(a)に示すように、狭い場所にも近寄り安くなり、ガイドパイプ40を矢印Dの方向に動かすことにより、凹部Bの切断対象組織4を図11(b)のように、容易に切断することが出来る。
また、図10のC部のように、肋骨6等に固着している部分をはがすように切断したい切断対象組織6もある。図12(a)に示すように、ガイドパイプ40を肋骨6等に鋭角に沿わせて、矢印Eの方向に動かすことにより、C部の切断対象組織4を図12(b)のように、容易に切断することが出来る。
いずれのケースでも、新たな切断器具を挿入すること無く、最初に挿入した器具のみで対応できるので、近傍の組織を傷つけたり、新たに別の器具を挿入するための患者の負担の増加や時間の浪費をもたらすことがない。なお、本実施例では、ガイドパイプ40の遠端部の刃42bは、ガイドパイプの内壁側を先端とするように設けているが、固着している部分をはがすように切断したい場合には、外壁側を先端とする刃を設ける方が望ましい。
本発明の細径内視鏡手術器具は、細径内視鏡手術器具の先端を手術の対象組織に近づけるのに障害となったり、電気焼灼、電気凝固、切開などの処置を行う際の操作の障害となったり、あるいは、内視鏡の視野を妨害したりする堅い繊維状の切断対象組織を確実に切断し、除去することができる。しかも、その操作は、最初に挿入した器具のみで行うことができ、新たな切断器具を別途挿入する必要が無い。
全体が、部品点数の少ないシンプルな構成であり、手術をする者は、明瞭な映像を見ながら、容易な操作で手術を進めることができ、また、皮膚切開孔は小さく、一カ所のみで足り、患者への負担が少ない。
これらの利点を生かして、今後 各種の手術の中で大いに活用されることが期待される。
1 実施例1の細径内視鏡手術器具
3、4 切断対象組織
5 胸膜肺癒着部
6 肋骨
7 胸膜
8 胸膜腔
9 肺
10 細径内視鏡
11 細径内視鏡の管部分
12 同 先端部
13 同 接続部
15 同 光ファイバー接続端子
20 ガイドパイプ
21 ガイドパイプのパイプ部分
22 同 遠端部
23 同 開口
24 開口の遠端部側の縁
24a 遠端部側の縁の中央部
24b 遠端部側の縁の両端部
26 ガイドパイプの操作部
27 同 回転部
28 同 止め輪
29 同 支持部
30 実施例2の細径内視鏡手術器具のガイドパイプ
32 同 パイプ部分の遠端部
33 同 開口
34 開口の遠端部の縁
34a 遠端部の縁の中央部
34b 遠端部の縁の両端部
34c 遠端部の縁に設けた刃
40 実施例3の細径内視鏡手術器具のガイドパイプ
42 同 ガイドパイプの遠端部
42a 遠端部の頂点
42b 遠端部に設けた刃
43 ガイドパイプのパイプ部分の開口
44 開口の遠端部側の縁
44a 遠端部の縁の中央部
44b 遠端部の縁の両端部

Claims (3)

  1. 細径内視鏡を挿入して使用する細径内視鏡手術器具であって、
    該細径内視鏡と、該細径内視鏡が挿入され、それを軸方向に移動可能な状態で支持するガイドパイプとを有し、
    該細径内視鏡は、
    その近端部、すなわち、該細径内視鏡手術器具を用いて手術をする際に患者の体外に在る側の端部に操作部を有し、該操作部を用いて操作することにより、該細径内視鏡の軸方向の位置、及び、回転角度を変えることができ、
    該ガイドパイプは、
    該細径内視鏡の管部分の外径とほぼ等しい内径を有し、
    該ガイドパイプの遠端部、すなわち、該細径内視鏡手術器具を用いて手術する際に患者の体内に挿入される側の端部に、該ガイドパイプの内壁から外壁に通ずる開口であって、該開口の遠端部側の縁の中央部が、該開口の遠端部側の縁の両端部より該ガイドパイプの遠端部から遠い開口を有し、
    該ガイドパイプの近端部、すなわち、該細径内視鏡手術器具を用いて手術をする際に患者の体外に在る側の端部に操作部を有し、該操作部を用いて操作することにより、該ガイドパイプの軸方向の位置、及び、回転角度を変えることができ
    該ガイドパイプの開口の遠端部側の縁の内側と、該細径内視鏡の先端部の外縁との間で、せん断力により切断対象組織を切断することが出来る、同軸構造の細径内視鏡手術器具。
  2. 請求項1記載の細径内視鏡手術器具であって、
    前記ガイドパイプの開口の遠端部の縁に、該ガイドパイプの内壁側を先端とする刃を設けた細径内視鏡手術器具。
  3. 請求項1記載の細径内視鏡手術器具であって、
    前記ガイドパイプの遠端部が、該ガイドパイプの軸心に直角でない傾いた面で切断され、その切断面の最も遠端部側の頂点が、前記開口部軸方向の中心線の延長線上にあり、かつ、該切断面部分に、刃を設けた細径内視鏡手術器具。
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