以下、本発明の実施形態に係る作業管理システム及び部品実装システムについて図面に基づいて説明する。
[部品実装システムの全体構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る部品実装システムS0の構成を概略的に示す図である。部品実装システムSOは、作業管理システムS1と、実装機1を複数備えた生産ラインS2と、データサーバ71及び生産計画サーバ72と、作業者が携帯する端末機73と、部品や廃材を搬送する無人搬送車であるAGV(Automated Guided Vehicle)74とを含む。生産ラインS2は、複数台の実装機1がタンデムに配列され、所要の部品を基板に搭載して部品搭載基板を生産するラインである。作業管理システムS1は、生産ラインS2において、各実装機1に対して部品収納部材(例えば、後述の部品収納テープ3、部品供給スティック、部品供給トレイ等)を補給する補給作業と、前記部品収納部材に関する廃材(例えば、部品取り出し後の廃テープ、空リール、空スティック、空トレイ等)を各実装機1から回収する回収作業とを管理するシステムである。なお、上記廃材には、回収されて再利用されるものも有る。例えば、前記空リール、前記空スティック、前記空トレイ等である。
<実装機の構成>
まず、図2を参照して実装機1の構成を説明する。図2は、実装機1の構成を示す平面図である。実装機1は、プリント配線基板等の基板Pに部品を搭載して部品搭載基板を生産する装置である。実装機1は、ベース部11、一対のコンベア12、移動フレーム13、ヘッドユニット14、Y軸駆動機構15、X軸駆動機構16及び部品供給部20A、20B、20C、20Dを備えている。
ベース部11は、実装機1を構成する各部が載置される矩形の基台である。一対のコンベア12は、基板Pを搬送するコンベアであって、ベース部11上にX方向に延びるように配設されている。コンベア12は、基板Pを−X側から実装機1の機内に搬入し、所定の作業位置(図2に示す基板Pの位置)まで+X側へ搬送して一旦停止させる。この作業位置において、部品が基板Pに実装される。実装作業後、コンベア12は基板Pをさらに+X側へ搬送し、実装機1の機外へ搬出する。
移動フレーム13は、X方向に延びるフレームであって、Y方向に移動可能にベース部11に支持されている。ヘッドユニット14は、X方向に移動可能に、移動フレーム13に搭載されている。すなわち、ヘッドユニット14は、移動フレーム13の移動に伴ってY方向に移動可能であり、且つ、移動フレーム13に沿ってX方向に移動可能である。ヘッドユニット14は、基板Pに搭載する部品を吸着して保持する複数本のヘッド14Hを備える。ヘッド14Hは、後述する部品取り出し位置HT(図3、図4)において部品を吸着保持し(部品を取り出し)、基板P上に部品を移動すると共に当該基板Pの所定の搭載位置に前記部品を実装する。
Y軸駆動機構15は、ベース部11の+X側及び−X側の端部に一対で配設され、移動フレーム13をY方向に移動させる機構である。Y軸駆動機構15は、例えば、Y方向に延びるボールねじ軸と、このボールねじ軸を回転駆動する駆動モータと、移動フレーム13に配設されて前記ボールねじ軸と螺合するボールナットと、を含んで構成される。X軸駆動機構16は、移動フレーム13に配設され、ヘッドユニット14を移動フレーム13に沿ってX方向に移動させる機構である。X軸駆動機構16は、Y軸駆動機構15と同様に、例えば、X方向に延びるボールねじ軸、駆動モータ及びボールナットを含んで構成される。
部品供給部20A〜20D(部品供給装置)は、所要の部品収納部材が装着され、基板Pに実装される部品を供給する。コンベア12を挟んで、ベース部11の−Y側の領域に2つの部品供給部20A、20Bが、+Y側の領域に2つの部品供給部20C、20Dが各々配置されている。図2では、各部品供給部20A〜20Dには、X方向に配列された複数のテープフィーダー2が装着される例を示している。
各テープフィーダー2は、所定の部品取り出し位置HTへ部品収納テープ3(部品収納部材;図4)に収納された部品Eを供給する。後記で詳述するが、テープフィーダー2は、先行する部品収納テープと、後続の部品収納テープとを装着可能で、且つ、両テープのスプライシング作業を行うことなく連続して送り出し可能な自動ローディング方式のテープフィーダーである。各部品供給部20A〜20Dには、サイズやテープ搬送経路、種別の異なる複数種のテープフィーダー2が装着可能である。なお、テープフィーダーは自動ローディング方式に限られず、スプライシング方式のものであっても良い。この場合、廃材は、先行する部品収納テープの部品取り出し後のキャリアテープ及び該キャリアテープから引き剥がされたカバーテープとなる。
なお、部品供給部20A〜20Dに装着されるのは、テープフィーダー2に限らない。例えば、複数の部品を平面上に配列された状態で保持するトレイを備えたトレイフィーダー、或いは複数の部品が直列に配列された状態で保持する筒状のスティックを備えたスティックフィーダー等も、部品供給部20A〜20Dに装着され得る。
[テープフィーダーの詳細]
図3は、テープフィーダー2の側面図、図4は、テープフィーダー2によって送り出される部品収納テープ3を示す斜視図である。テープフィーダー2は、側面視においてY方向に長尺で、部品収納テープ3を収容可能なX方向幅を有するハウジング21を有する。ハウジング21のテープ送り方向Hの下流端(+Y側端部)付近には、部品取り出し位置HTとなる開口が備えられている。テープフィーダー2は、この部品取り出し位置HTに向けて、部品収納テープ3に収納された部品Eを供給する。ヘッドユニット14のヘッド14Hは、部品取り出し位置HTにおいて部品Eを吸着する(図5参照)。
図4に示すように、部品収納テープ3は、キャリアテープ31とカバーテープ32とからなる。キャリアテープ31は、部品Eを収納する凹部である部品収納部33が所定の間隔をおいて複数配列されたテープである。キャリアテープ31には、その幅方向一端部に、後述する第1、第2、第3スプロケット23A、23B、23Cの歯部と嵌合し、これらスプロケットから部品収納テープ3を送出させるための搬送力が伝達される係合孔34が、所定の間隔をおいて配列されている。カバーテープ32は、部品収納部33を覆うようにキャリアテープ31に貼付されたテープである。図4では、センターカット方式でカバーテープ32が切開され、部品Eが露出されている状態を例示している。部品Eは、例えば、トランジスタ、抵抗、コンデンサ等の小片状のチップ部品、集積回路部品(IC)等である。なお、部品Eを露出させる方法はセンターカット方式に限られず、例えばキャリアテープ31との接合部付近でカバーテープ32を切開する片開き方式としても良い。また、スプライシング方式のテープフィーダーでは、キャリアテープ31からカバーテープ32を引き剥がす方式が採用される。
ハウジング21は、−Y側の端面に、部品収納テープ3が挿入されるテープ入口211を、+Y側の端面に、部品取り出し位置HTにおいて部品Eの取り出し処理が行われた部品収納テープ3を廃テープとして排出するテープ出口212を、それぞれ備えている。また、ハウジング21の上面(+Z側の端面)には、テープフィーダー2を持ち運びする際にユーザーが使用する把持部213が取り付けられている。
ハウジング21の内部には、テープ搬送路22及びテープ送り出し部23が備えられている。テープ搬送路22は、テープ入口211とテープ出口212との間において、部品収納テープ3をテープ送り方向H(−Yから+Yへ向かう方向)へ搬送するための搬送路である。テープ送り出し部23は、テープ搬送路22に沿って部品収納テープ3を進行させる駆動力を部品収納テープ3に与える。
テープ搬送路22は、テープ送り方向Hに順次連設された第1搬送路22A、第2搬送路22B及び第3搬送路22Cからなる。第1搬送路22Aは、テープ入口211から+Y方向へ水平に延びている。第2搬送路22Bは、第1搬送路22Aの+Y側端部から上方に傾斜して+Y方向へ延びている。第3搬送路22Cは、第2搬送路22Bの+Y側端部からテープ出口212まで、+Y方向に水平に延びている。第3搬送路22Cは、ハウジング21の上面214に沿った搬送路であり、その下流端付近に部品取り出し位置HTが設定されている。なお、第3搬送路22Cには、部品収納テープ3の走行をガイドするテープガイド24が取り付けられている。
テープ送り出し部23は、第1スプロケット23A、第2スプロケット23B及び第3スプロケット23Cと、これらに回転駆動力を与える図略のモータとを含む。これら第1〜第3スプロケット23A〜23Cは、円板状の回転ホイールと、該回転ホイールの外周縁に所定ピッチ(部品収納テープ3の係合孔34の配列ピッチと同じピッチ)で配列された複数の歯部とを備えている。この歯部が係合孔34に嵌り込み、前記回転ホイールの回転によって部品収納テープ3が送り出される。
第1スプロケット23Aは、テープ入口211の近傍に配置されている。第1スプロケット23Aの歯部は第1搬送路22Aに臨んでおり、第1スプロケット23Aの回転によって部品収納テープ3は、テープ搬送路22の下流側へ送り出される。第3スプロケット23Cはテープ出口212の近傍に配置され、第2スプロケット23Bは、第3スプロケット23Cよりもテープ送り方向Hの上流側に配置されている。第2、第3スプロケット23B、23Cは同期回転され、各々の歯部は、第3搬送路22Cに臨んでいる。第2、第3スプロケット23B、23Cの回転によって部品収納テープ3は、リール側から引き出されると共に、テープ出口212からハウジング21の外部へ送り出される。
ハウジング21のテープ入口211付近には、Y方向にスライド移動可能なテープ装着治具25が取り付けられている。テープ装着治具25は、部品収納テープ3の先端部を第1スプロケット23Aの歯部に噛み合わせ、当該部品収納テープ3を部品取り出し位置HTへローディングする際に用いられる治具である。また、テープ装着治具25は、ローディングされた部品収納テープ3の先端部が第2、第3スプロケット23B、23Cの歯部に噛み合った後、第1スプロケット23Aと部品収納テープ3との噛み合いを解除する機能も果たす。
ハウジング21内には、第1センサSN1、第2センサSN2及び第3センサSN3が配置されている。第1〜第3センサSN1〜SN3は、部品収納テープ3の存在の有無又は部品収納テープ3中の部品の有無を検出するセンサである。例えば、第1〜第3センサSN1〜SN3としては、テープ搬送路22を挟んで配置された光源と、この光源が発する検査光を受光する光量センサとの組合せからなる光学式のセンサを用いることができる。前記光量センサが受光する光量若しくは光量分布の相違に基づいて、テープ搬送路22に、部品を収納した部品収納テープ3が存在する場合、部品が収納されていない部品収納テープ3が存在する場合、又は、部品収納テープ3が存在しない場合を、識別することができる。この場合、部品収納テープ3の有無により変位する機構、例えば、板又は板バネのような変位板を設け、前記変位板を挟んで前記光源及び光量センサを配置し、前記光源と前記光量センサとの間に、前記変位板が存在するか否かにより、部品収納テープ3の存在の有無を検出するようにしても良い。また、光量センサに代えて受光素子を配置し、当該受光素子が前記光源から発せられた光を検知するか否かに基づいて、部品収納テープ3の存在の有無を検出するようにしても良い。
第1センサSN1は、ハウジング21において、部品取り出し位置HTよりも僅かにテープ送り方向Hの上流側で、テープ搬送路22に対向して配置されている。第1センサSN1は、部品Eを伴った状態で部品収納テープ3が部品取り出し位置HTへ供給されているか否か、つまり、部品収納テープ3のローディングが完了しているか否かを確認するためのセンサであり、また、部品収納テープ3の部品切れを検出するセンサでもある。
第2センサSN2は、第1センサSN1よりもテープ送り方向Hの上流側に配置されるセンサであって、第1スプロケット23Aよりもやや下流側で、テープ搬送路22に対向して配置されている。第2センサSN2は、部品収納テープ3のテープ送り方向Hの後端を検出するセンサである。第3センサSN3は、テープ装着治具25の配置位置付近、つまりテープ入口211の近傍に配置されている。第3センサSN3は、テープ入口211の所定位置に後続の部品収納テープ3が装着されているか否かを検出するセンサである。
ハウジング21の下部付近には、テープフィーダー2の動作を制御するための制御基板等が収容されていると共に、コネクタ215が取り付けられている。このコネクタ215には、図略のケーブルを介して実装機1から電力供給や各種の制御信号が入力される。ハウジング21の+X側の側面には、フィーダー記録部26が取り付けられている。フィーダー記録部26には、テープフィーダー2を特定するためのフィーダー情報が記録されている。
[自動ローディング機構]
図5は、テープフィーダー2が装着される部品供給部20A〜20Dの構成を概略的に示す側面図である。テープフィーダー2は、2本の部品収納テープ3を装着可能である。すなわち、部品Eの供給が先行して行われる第1部品収納テープ3Aと、その後に続いて部品Eの供給が行われる第2部品収納テープ3Bとを、テープフィーダー2に装着することができる。
大略的にテープフィーダー2は、先行の第1部品収納テープ3Aを間欠的に繰り出して部品取り出し位置HTに部品Eを供給し、第1部品収納テープ3Aが部品切れとなると、後続の第2部品収納テープ3Bを自動ローディングし、当該第2部品収納テープ3Bを間欠的に繰り出して部品取り出し位置HTに部品Eを供給する。以降は、この第2部品収納テープ3Bが「先行の第1部品収納テープ3A」となり、次に自動ローディングされる新たな第2部品収納テープ3Bが、テープ装着治具25に取り付けられる。
部品供給部20A〜20Dの各テープフィーダー2は、台車4によって支持されている。台車4は、リール支持部41と、その下面を支持するキャスター付きの台車ベース部42とを含む。リール支持部41には、上段側の第1リールホルダ43と、下段側の第2リールホルダ44とが備えられている。第1リールホルダ43には、先行の第1部品収納テープ3Aが巻回された第1リール45が、回転可能に支持されている。また、第2リールホルダ44には、後続の第2部品収納テープ3Bが巻回された第2リール46が、回転可能に支持されている。
第1、第2リール45、46の側面には、それぞれ第1、第2記録部451、461(管理用の識別子)が取り付けられている。第1、第2記録部451、461には、第1、第2リール45、46に各々巻回された部品収納テープ3A、3Bに収納されている部品Eを識別する部品識別情報、部品種に関する部品種情報、1リール当たりの部品数に関する部品数情報、リールの識別情報(リールID)、リールのロットを識別するためのロット識別情報等が記録されている。第1、第2記録部451、461は、例えば、読取部品情報をコード化して記録したバーコードからなる。
図5では、第1リール45から繰り出された第1部品収納テープ3Aが、テープフィーダー2で送り出されている状態を示している。第1部品収納テープ3Aは、リール支持部41の上端に配設されたガイドローラー47にガイドされつつテープフィーダー2内に進入し、第2、第3スプロケット23B、23Cと歯合されている。第2、第3スプロケット23B、23Cの回転により、第1部品収納テープ3Aは部品取り出し位置HTを経由して間欠的に送り出される。部品取り出し位置HTでは、ヘッドユニット14のヘッド14Hによって部品Eが取り出される。第2部品収納テープ3Bは、その先端が第1スプロケット23Aと歯合可能な状態で待機している。
図5の状態から第1部品収納テープ3Aの送り出しが進み、当該第1部品収納テープ3Aの部品切れが第1センサSN1(図3)によって検出されると、自動ローディング動作が実行される。一般に、部品収納テープ3の最後端には、部品Eが収容されていない余長部分が存在する。第1センサSN1が第1部品収納テープ3Aの部品切れを検出した場合、前記余長部分の最上流部分が部品取り出し位置HTに達したことになる。この場合、第1部品収納テープ3Aを、テープ終端まで送り切るテープ排出動作が実行される。これにより、前記余長部分は廃棄されることになる。
上記テープ排出動作の前に、作業者は、テープ装着治具25を用いて第2部品収納テープ3Bの先端部を第1スプロケット23Aと嵌合させる。これが、後述する「補給作業」の一例である。そして、上記テープ排出動作後に、第1スプロケット23Aが回転され、第2部品収納テープ3Bが送り出される。やがて、第2部品収納テープ3Bの先端部が、第2スプロケット23Bと歯合するようになる。以降は、第2スプロケット23Bの回転駆動力により、第2部品収納テープ3Bが送り出される(第1スプロケット23Aは空転する)。
その後、作業者は、テープ装着治具25を操作することにより、第2部品収納テープ3Bの第1スプロケット23Aに対する噛み合いを解除する作業を行う。この段階で、当該第2部品収納テープ3Bは、「先行する第1部品収納テープ3A」となる。作業者は、新たな第2部品収納テープ3Bが巻回されたリールをリール支持部41に装着し、この新たな第2部品収納テープ3Bの先端部をテープ装着治具25に取り付け、次の自動ローディングに備える。
[廃材の収容部について]
実装機1には、部品収納部材に関する廃材の収容部が備えられている。前記廃材は、上記で例示したテープフィーダー2の場合は、部品収納テープ3A、3Bから部品取り出し後の廃テープ、その部品収納テープ3A、3Bが巻回されていた空リールである。また、トレイフィーダーの場合、廃材は部品取り出し後の空トレイであり、スティックフィーダーの場合、廃材は部品取り出し後の空スティックである。
図5には、テープフィーダー2のための廃材の収容部が例示されている。具体的には、実装機1に着脱自在に組み付けられる台車4上には、部品取り出し後の部品収納テープ3A、3B(廃テープ)を回収する廃テープ回収部5が備えられている。廃テープ回収部5は、台車4上に設けられ、ダクト51、回収箱52及びカッター装置53を備える。ダクト51は、テープフィーダー2のテープ出口212に連設され、当該テープ出口212から排出される、部品Eの取り出し処理が行われた第1部品収納テープ3A、3Bを、所定方向、すなわちテープ出口212の下方に配置された回収箱52に導くダクトである。回収箱52は、廃テープを貯留するボックスである。カッター装置53は、前記廃テープを切断する切断動作を実行するカッター刃を備える。前記切断動作により、廃テープの単位長が長くなりすぎることに起因して発生する、前記廃テープのダクト51内でのテープ詰まりを防止することができる。
部品収納テープ3A、3Bを送り出した後の第1、第2リール45、46である空リールの収容部としては、第1、第2リールホルダ43、44にそのまま空リールが滞留する第1タイプと、リールスロット付き回収箱に空リールが回収される第2タイプとを例示することができる。
図6(A)は、前記第1タイプに係るリールホルダ41Aの一例を示す側面図、図6(B)は、リールホルダ41Aに第1、第2リール45、46が収容された状態を示す斜視図である。リールホルダ41Aは、水平方向に並ぶ第1ホルダ部43A及び第2ホルダ部44Aを備えている。第1、第2ホルダ部43A、44Aは、第1、第2リール45、46をそれぞれ転動可能に保持するスロット状の収容空間を備えている。
図6(B)では、第1ホルダ部43Aに収容された第1リール45から第1部品収納テープ3Aが繰り出され、これがテープフィーダー2に供給されている一方、第2ホルダ部44Aには、第2部品収納テープ3Bの繰り出しを終えた空の第2リール46が収容されている状態を示している。つまり、第2ホルダ部44Aには、部品供給を終えた廃材としての空リール(第2リール46)が、そのまま保持されている。作業者は、回収作業において、第2ホルダ部44Aからこの空リールを取り出し、新たに部品収納テープ3が巻回されたリールを第2ホルダ部44Aに装着する。図18に基づき後述するが、空リールの回収作業は、回収許可が与えられた後に実行される。テープフィーダー2には、空リールの回収作業の対象であることを示す回収指示ランプ19(表示手段)が備えられている。作業者は、回収指示ランプ19の点灯によって回収作業の対象となるテープフィーダー2の位置を認知し、前記空リールの回収作業を実行する。
図7(A)は、前記第2タイプの空リール回収において用いられるリールスロット付き回収箱54の一例を示す斜視図、図7(B)は、回収箱54へのリール収容状態を示す斜視図である。回収箱54は、図4に示す台車4の下部に引き出し方向aに引き出し可能に装着される上面開口の箱体であって、廃テープ収容部541、第1回収スロット542及び第2回収スロット543を備えている。
廃テープ収容部541は、例えば図5の例の場合では、ダクト51の下部開口に面して配置され、ダクト51を通して落下する廃テープを収容する。第1回収スロット542及び第2回収スロット543は、空リールを個別に収容可能な前後及び左右幅を有するスロットである。これら回収スロット542、543は、引き出し方向aに並ぶ2つのリールホルダ43Bの下方に配置される。図7(B)では、一方のリールホルダ43Bだけが表れており、かつ、回収箱54が台車4から引き出し方向aに引き出された状態を示されている。リールホルダ43Bは、リールにおける部品収納テープ3の巻回部分を外周側から保持する保持部を有する。部品収納テープ3の繰り出しが進み、テープ3の巻回部分が無くなると、リールはリールホルダ43Bによって保持されない状態となり、回収スロット542、543へ落下する。
図7(B)では、第1回収スロット542に空リール55が収容されている状態を示している。作業者は、回収作業において、回収箱54を引き出し方向aに引き出し、第1、第2回収スロット542、543に収容されている空リール55を回収する。なお、第1、第2回収スロット542、543の各々には、上記と同様な回収指示ランプ19が備えられている。作業者は、回収指示ランプ19が点灯し回収許可が与えられている回収スロット542、543から、空リール55を回収する。
[補給作業及び回収作業の概要]
続いて図1を参照して、部品実装システムS0における、生産ラインS2の実装機1に対する部品収納部材の補給作業、及び前記部品収納部材に関する廃材の回収作業の概略的な流れについて説明する。データサーバ71には基板データD1が、生産計画サーバ72には生産計画情報D2が、それぞれ格納されている。作業管理システムS1は、これら基板データD1及び生産計画情報D2を参照して、所定の処理を実行する。基板データD1は、基板に搭載される部品に関する情報が、基板品種ごとに定義されたファイルである。具体的には、ある基板品種について、搭載される部品名及び品種名、その部品の使用数や搭載位置などが、基板データD1として定義されている。生産計画情報D2は、どの生産ラインS2で、どの品種の基板を何枚生産するか、等が記述されたファイルである。
各実装機1は、当該実装機1の各種の動作を制御する実装機制御部10を備えている。各実装機制御部10は、部品の取り付け情報D3を管理している。取り付け情報D3は、部品供給部20A〜20Dの各セット位置に、部品残数が幾らの部品収容部材が装着されているかが記述されたファイルである。例えば取り付け情報D3のファイルでは、ある品種の部品を収納した部品収納テープ3を供給するテープフィーダー2が、部品供給部20A〜20Dのいずれのスロットに装着されているかが、部品残数と共に管理される。また、取り付け情報D3では、部品の残数が所定数よりも少なくなったこと報知する残数警告数、残数警告数よりもさらに残数が少ない数値であって部品供給を停止させる残数停止数、等の設定値も管理されている。なお、取り付け情報D3は基板の生産に応じて逐次更新される。例えば、実装機1において1枚の基板に対する所定の処理が完了して排出するなどのイベント毎に、更新された取り付け情報D3が作業管理システムS1に発送される。なお、上記の基板データD1を、実装機制御部10に保持させるようにしても良い。
作業管理システムS1は、少なくとも各実装機1の部品供給部20A〜20Dに装着されたテープフィーダー2の各々に対して、部品収納テープ3が巻回されたリール(図5に示す第1、第2リール45、46)の補給作業を管理するシステムである。作業管理システムS1は、作業者による補給作業の負荷を軽減するために、同一の補給タイミングで前記リールを補給可能なテープフィーダー2に対しては、前記リールの補給作業をまとめて行う「まとめ補給」を可能とする作業用データを作成する。勿論、「まとめ補給」の対象には、テープフィーダー2以外のフィーダー、例えば上掲のトレイフィーダー及びスティックフィーダー等に補給作業も含まれる。さらに、本実施形態では、作業管理システムS1は、「まとめ補給」の実行時に、部品収納部材に関する廃材(部品収納テープ3の廃テープ、空リール、空トレイ、空スティック等)を回収する回収作業を併せて実行させる作業用データを作成する。
作業管理システムS1は、各種の処理を実行する処理部6(詳細は図8に基づき後述する)を備える。処理部6は、基板データD1及び生産計画情報D2から求められる部品の消費予測値と、取り付け情報D3から得られる現状の部品残数とから、テープフィーダー2及び他のフィーダーにおける部品切れを予測する演算を逐次行い、予測結果データD4を作成する。例えば、自動ローディング方式のテープフィーダー2では、予測結果データD4には、次に使用されるリールをプリセット(補給)可能な時刻、上記の残数警告、残数停止が発報される時刻、部品切れによって生産停止となる時刻が含まれる。さらに、予測結果データD4には、廃テープ及び空リールの発生状況に関するデータも含まれる。
作業管理システムS1においては、管理対象となる全ての実装機1の部品供給部20A〜20D(各テープフィーダー2)について求められた予測結果データD4が、マスターデータD5として管理されている。マスターデータD5は、生産ラインS2における部品搭載基板の生産の進行に応じて逐次更新される。すなわち、処理部6は、所定のインターバル(例えば30秒)をおいて最新の予測結果データD4を求める演算を行い、この最新データが逐次マスターデータD5に取り込まれるものである。
この作業管理システムS1に対して、「まとめ補給」の作業リクエストが与えられると、「まとめ補給」のための作業用データD6が、その時点で最新のマスターデータD5から切り出される。作業用データD6は、同一の補給タイミングで部品の補給が可能な複数のテープフィーダー2(実装機1)をマスターデータD5から抽出し、作業者が実行すべき補給作業及び廃材の回収作業が、実行すべき順に並べられたリストである。なお、作業用データD6は、予め定められた、作業者が補給作業時に実装機1を巡回するルート、作業標準時間等を参照して作成される。
作業用データD6は、作業管理システムS1から各作業者が携帯している端末機73に配信される。端末機73は、例えば、「まとめ補給」の作業リストを表示すると共に作業完了情報等を入力可能な表示部を備えたタブレット端末機である。作業者は、前記作業リストが表示された端末機73を携帯し、部品収納テープ3が巻回されたリールRなどを搭載可能な台車75を搬送して、パーツタワー76に立ち寄る。パーツタワー76には、各種部品用のリールRが保管されており、図略のロボットが前記作業リストに記述された補給部品のリールRを台車75へ積み込む。なお、台車75には、廃材の回収スペースも備えられている。
台車75は、AGV74を用いて無人搬送させることができる。この場合、作業用データD6に基づいて作成されたAGV用指示データがAGV74に配信される。AGV用指示データは、AGV74が停止すべき実装機1の位置、停止時間、巡回ルートなどが記述されたファイルである。
パーツタワー76で補給部品を台車75へ積載したら、作業者は台車75を伴って巡回補給のルートに沿って移動し、作業用データD6に記載された実装機1(部品供給部20A〜20D)で停止すると共に、「まとめ補給」に含まれる単位補給作業を順次行う。この際、立ち寄った実装機1に回収可能な空リール等の廃材、或いは回収要の廃テープ等の廃材が存在すれば、作業者は、その廃材の回収作業も併せて行う。その実装機1において補給作業及び回収作業を終えたら、作業者は端末機73から当該実装機1についての作業完了情報を入力する。これにより作業用データD6は更新され、作業管理システムS1に繋がっている他の端末機73でこの更新された作業用データD6が共有される。また、実装機1へのリールRの取り付け完了により、実装機制御部10は自身の取り付け情報D3を更新する。更新された取り付け情報D3は作業管理システムS1に送られ、予測結果データD4及びマスターデータD5に反映されることになる。
[作業管理システムの構成]
図8は、作業管理システムS1の構成を示すブロック図である。作業管理システムS1は、例えばパーソナルコンピュータで構成され、処理部6と、この処理部6に接続された操作部601、表示部602、データ通信部603、マスターデータ記憶部681、作業用データ記憶部682及び回収データ記憶部683とを含む。
操作部601は、キーボード、タッチパネル、スタートキー及び設定キー等を備え、作業管理システムS1に対する作業者の操作や各種の設定を受付ける。表示部602は、作業管理システムS1に関する各種の情報を表示するディスプレイである。データ通信部603は、実装機1、データサーバ71、生産計画サーバ72、端末機73及びAGV74とのデータ通信を実現させるためのインターフェイス回路である。
処理部6は、CPU、制御プログラムを記憶するROM、CPUの作業領域として使用されるRAMなどを含んで構成されている。処理部6は、前記制御プログラムが実行されることにより、機能的に通信制御部61、操作制御部62、表示制御部63、取得部64、部品補給管理部65、回収管理部66及び廃材発生予測部67を含むように動作する。
通信制御部61は、データ通信部603による実装機1、データサーバ71、生産計画サーバ72、端末機73及びAGV74とのデータ通信を制御する。具体的には通信制御部61は、実装機1から取り付け情報D3をイベント毎に受け取り、また、データサーバ71から基板データD1を、生産計画サーバ72から生産計画情報D2を適時に読み出す。基板データD1は、上述の通り、搭載される部品名及び品種名、その部品の使用数や搭載位置、搭載順序などが、基板品種毎に記述されたファイルである。
図9は、生産計画サーバ72に格納されている生産計画情報D2の一例を示す表形式の図である。生産計画情報D2は、生産順序情報J11、基板品種情報J12、生産ロット情報J13、生産数情報J14、及び使用部品情報J15が相互に関連付けられた情報である。生産順序情報J11は、部品搭載基板の生産順序を表す情報である。基板品種情報J12は、生産される基板の品種を表す情報である。生産ロット情報J13は、基板品種ごとの生産ロットを特定するための情報である。生産数情報J14は、生産ロットごとの部品搭載基板の生産数を表す情報である。使用部品情報J15は、部品搭載基板の生産時に使用される部品に関する情報である。
使用部品情報J15は、部品を識別するための部品識別情報J151、部品を特定するための部品種特定情報J152、部品必要数情報J153及びサイクルタイム情報J154が関連付けられた情報である。部品必要数情報J153は、1枚の部品搭載基板(ここでは「基板A」)の生産に必要な部品数であり、部品識別情報J151で識別される部品ごとに設定されている。サイクルタイム情報J154は、1枚の基板Aの生産時における部品の搭載に必要な時間であり、基板品種情報J12で特定される基板品種ごとに設定されている。
図10は、作業管理システムS1に入力される取り付け情報D3の一例を示す表形式の図である。取り付け情報D3は、実装機情報J20、部品供給装置情報J21、部品識別(部品ID)情報J151、部品残数情報J22及び部品残数警告値情報J23などが関連付けられた情報である。実装機情報J20は、実装機1を識別するID番号である。部品供給装置情報J21は、部品搭載基板の生産時に使用される部品供給部20A〜20D装置に関する情報であり、部品供給部20A〜20Dの種類(部品供給方式の種類)を表す装置種情報J211と、部品供給部20A〜20Dに装着された各フィーダー装置(テープフィーダー2(AF)、トレイフィーダー又はスティックフィーダー)を識別するための装置識別情報(装置ID)J212とを含む。
部品残数情報J22は、各フィーダー装置における部品の部品残数に関する情報であって、部品の消費に伴って逐次更新される。部品残数警告値情報J23は、各フィーダー装置において、部品切れが近い部品残数であるとして警告を報知する設定値(部品残数警告値)である。部品残数情報J22の部品残数が、部品残数警告値情報J23の設定値に至ると、実装機1は部品残数警告を発報する。図10には示していないが、各フィーダー装置からの部品供給動作を停止させる部品残数の設定値(残数停止情報)を含んでいても良い。
図8に戻って、操作制御部62は、操作部601を制御する。表示制御部63は、表示部602による情報の表示動作を制御する。
取得部64は、生産ラインS2を構成する実装機1の各々に装着された各フィーダー装置に対する、部品補給作業の管理の開始時刻を表す管理開始時刻TS(図11)を取得する。取得部64は、部品搭載基板の生産を開始する時刻を管理開始時刻TSとして取得してもよいし、管理開始を指令する指令情報が操作部601を介して入力された場合に、その指令情報が入力された時刻を管理開始時刻TSとして取得してもよい。
部品補給管理部65は、各実装機1の各フィーダー装置に対する部品の補給作業の計画を管理する。部品補給作業としては、テープフィーダー2の各々に対して新たなリールを補給する補給作業、トレイフィーダーの各々に対して新たなパレットを補給する補給作業、並びにスティックフィーダーに対して新たなスティックを補給する補給作業が含まれる。部品補給管理部65は、これら補給作業について、同一の補給タイミングで実行可能な補給作業をまとめて実行させる「まとめ補給」の作業用データD6を作成する。
図11は、「まとめ補給」の考え方を説明するための図である。ここでは、説明を簡略的に行うために、7台の自動ローディング方式のテープフィーダー2A〜2Gを対象とした「まとめ補給」を説明する。図11の時刻TSは、「まとめ補給」のリクエストが有った時刻であって、上述の取得部64が取得した管理開始時刻TSである。部品補給管理部65は、操作部601からの入力情報に基づいて、管理開始時刻TSから所定の特定時間経過後の特定時刻TTまでの特定期間TW1を設定する。更に、部品補給管理部65は、特定期間TW1内において、特定時刻TTが最も遅い時刻(以下、「最遅時刻」という)となる、予め定められた管理期間TW2を設定する。
部品補給管理部65は、機能的に部品消費予測部651、補給対象特定部652及び作業計画部653を備えている。部品消費予測部651は、図1に示した予測結果データD4を導出する機能部であって、テープフィーダー2A〜2Gの各々における部品Eの消費状況を予測する演算を行う。この予測演算に際し、部品消費予測部651は、基板データD1、生産計画情報D2及び取り付け情報D3を参照する。
補給対象特定部652は、テープフィーダー2A〜2Gの各々における部品の供給情報を予測結果データD4に基づいて監視し、補給作業が実行可能な補給時間帯及びその補給作業の対象となる対象実装機1を特定する。すなわち、補給対象特定部652は、上記の予測結果データD4に基づき、テープフィーダー2A〜2G毎に、新たなリールの補給が可能となる補給可能時刻を特定する。補給可能時刻は、テープフィーダー2A〜2Gの各々において、第1、第2リールホルダ43、44に各々装着された第1、第2リール45、46のうちの、部品供給が先行して行われる部品収納テープ3A又は3Bが巻回された方のリールが部品切れとなる時刻である。先行のリールが部品切れとなると、当該先行リールの代替として、新たなリールの補給が可能となる。この補給可能時刻は、図11において、テープフィーダー2A〜2Gの各タイムチャート上において、「△」印で示されている。さらに、補給対象特定部652は、テープフィーダー2A〜2G毎に残数警告時刻を特定する。残数警告時刻は、図11において、「▲」印で示されている。
上記補給可能時刻は、例えば次の手順で求められる。ここでは、図5の第1部品収納テープ3Aが先行テープ、第2部品収納テープ3Bが後続テープであるとする。まず、補給対象特定部652は、取り付け情報D3(図10)の部品残数情報J22にて表される部品残数から、後続の第2部品収納テープ3Bが巻回された第2リール46における部品残数を減算することで、先行の第1部品収納テープ3Aが巻回された第1リール45における部品残数を求める。なお、前記減算の演算を不要とするために、部品残数情報J22において第1リール45の残数と、第2リール46の残数とを分離して格納しておいても良い。次に、補給対象特定部652は、生産計画情報D2の部品必要数情報J153にて表される、1枚の搭載基板の生産に必要な部品の必要数を、サイクルタイム情報J154にて表される当該部品の実装時間で除算し、1秒当たりの使用部品数を求める。そして、補給対象特定部652は、先行の第1リール45における前記部品残数を、1秒当たりの前記使用部品数で除算することにより、補給可能時刻を求める。また、上記残数警告時刻は、部品残数情報J22の部品残数から、部品残数警告値情報J23の部品残数警告値を減算した部品数を、1秒当たりの前記使用部品数で除算することによって求められる。
図11の例では、テープフィーダー2Aについては補給可能時刻T1が特定されている。補給可能時刻T1は、特定時刻TTよりも早く、且つ管理期間TW2の最も早い時刻(以下、「最早時刻」という)よりも早い時刻であって、特定期間TW1内に含まれている。テープフィーダー2Aの残数警告時刻は、図11には表されておらず、特定時刻TTよりも後の時間帯TW3に含まれることになる。
テープフィーダー2B、2Cについては、それぞれ補給可能時刻T2、T3が特定されている。補給可能時刻T2、T3は、いずれも特定時刻TTよりも早く、且つ管理期間TW2の最早時刻よりも遅い時刻であって、管理期間TW2内に含まれている。テープフィーダー2B、2Cの残数警告時刻は、図11には表されておらず、特定時刻TTよりも後の時間帯TW3に含まれている。
テープフィーダー2Dの補給可能時刻は、図11には表されていない。テープフィーダー2Dの補給可能時刻は、特定時刻TTよりも早く、且つ、管理開始時刻TSよりも早い時刻ということになる。つまり、「まとめ補給」のリクエストが有る前に、既に補給可能時刻が到来している。一方、テープフィーダー2Dに対しては残数警告時刻T6が特定されている。この残数警告時刻T6は、特定時刻TTよりも遅い時間帯TW3に含まれている。
テープフィーダー2E、2F、2Gに対しては、それぞれ補給可能時刻T4、T5、T6が特定されている。補給可能時刻T4、T5、T6は、いずれも特定時刻TTよりも遅い時間帯TW3に含まれている。テープフィーダー2E、2F、2Gの残数警告時刻は、図11には表されておらず、各々の補給可能時刻T4、T5、T6よりも遅い時刻であって、特定時刻TTよりも後の時間帯TW3に含まれることになる。
作業計画部653は、補給時間帯が重複する複数の対象実装機1を抽出し、これら対象実装機を巡回して前記補給作業を実行する作業計画を作成する。作業計画部653は、図1に示した、マスターデータD5から作業用データD6を切り取る処理を行う機能部である。具体的には作業計画部653は、テープフィーダー2A〜2Gのうち、補給可能時刻(補給時間帯)が特定時刻TTよりも早い時刻となるものを、特定期間TW1内の管理期間TW2での新たなリールの補給対象となる部品補給対象として特定する。図11に示す例では、作業計画部653は、補給可能時刻が特定時刻TTよりも早い時刻となる全てのテープフィーダー2A〜2Dを部品補給対象として特定し、作業者がこれらテープフィーダー2A〜2Dの装着されている実装機1を巡回して補給作業を実行する作業用データD6を作成する。
作業用データD6の作成に際し、作業計画部653は、管理期間TW2において、補給対象のテープフィーダー2A〜2Dに対して同じタイミングで新たなリールの補給作業を行うことができる補給タイミングTHを特定する。図11の例では、テープフィーダー2A〜2Dのうち、補給可能時刻が最も遅いのは、テープフィーダー2Cの補給可能時刻T3である。つまり、時刻T3が到来すれば、全てのテープフィーダー2A〜2Dに対し、補給作業が実行可能となる。従って、作業計画部653は、補給可能時刻T3と特定時刻TTとの間の任意の時刻を、補給タイミングTHとして特定する。図11の「○」印は、補給タイミングTHを示しており、ここでは時刻T3が選ばれている例を示している。
このように、本実施形態の作業管理システムS1では、作業計画部653によって、特定時刻TTを基準とした管理期間TW2で新たなリールの補給が可能な全てのテープフィーダー2A〜2Dを、補給作業の対象として特定とする。これにより、管理期間TW2で新たなリールを補給可能なテープフィーダー2A〜2Dに対しては、作業者が複数のリールの補給作業をまとめて行う「まとめ補給」が可能となる。このため、作業者は、「まとめ補給」のリクエストを出した時刻TSから、補給タイミングTHを補給作業の作業開始時刻の目安とし、新たなリールの「まとめ補給」を行うことができる。従って、生産ラインS2を構成する実装機1のもとに、補給作業のために作業者が出向く頻度を抑制することができ、作業負荷を軽減することができる。
回収管理部66は、生産ラインS2を構成する複数の実装機1の各々における廃材の発生状況に関する廃材データを収集し、今後実行すべき前記廃材の回収作業を、実装機1毎に管理する。前記廃材データは、例えば上掲の廃テープ、空リール、空トレイ、空スティック等が、各実装機1において、どれくらいの量(重さ、数、嵩)だけ発生しているかを示すデータである。また、上記の管理として、例えば回収管理部66は、前記廃材データに基づいて、実装機1毎に前記回収作業が必要となる回収時間帯を特定する処理を行う。
廃材発生予測部67は、各実装機1の部品供給部20A〜20Dの各々における部品の供給状況若しくは部品搭載基板の生産計画に基づいて、前記廃材の発生量を予測する処理を行う。この予測処理のために廃材発生予測部67は、生産計画情報D2及び取り付け情報D3を参照する。これは、一般に廃材の発生量が、部品の使用量、つまり基板の生産数が増えるに連れて増加する傾向があり、上記情報D2、D3の参照によって廃材発生量が予測できるからである。
回収管理部66は、廃材発生予測部67が予測する前記廃材の発生量を、前記回収作業の管理のための前記廃材データとして取得する。図12は、回収管理部66による廃材データの管理例を説明するためのグラフである。ここでは、3つの実装機1;Y01実装機、Y02実装機及びY03実装機の各々が備える全てのフィーダーにおいて発生する廃材の発生総量L1(Y01)、L2(Y02)、L3(Y03)が示されている。実際には、廃材の発生総量は時間軸に対してリニアには増加しないが、ここでは簡略的に廃材発生総量が増加傾向にあることを示している。
図12では、第1閾値Th1と第2閾値Th2とが設定されている例を示している。例えば、第1閾値Th1を、実装機1が備える廃材回収部において廃材を収容する余裕は未だ有るが、廃材回収作業の実行が推奨される廃材発生総量として設定することができる。また、第2閾値Th2を、前記廃材回収部において収容余裕度が少なくなり、廃材回収作業の実行を求めるアラームを発報せねばならないレベルの廃材発生総量として設定することができる。
回収管理部66は、図12の例の場合、管理処理の実行時刻を示す「現在時刻」において第1閾値Th1を超過しているY01実装機の廃材発生総量L1について、「回収作業要」と判定する。この判定結果は、当該Y01実装機の識別番号等に関連付けてフラグを付すなどして、マスターデータD5(図1)に反映される。このため、マスターデータD5から切り出される作業用データD6にも、「回収作業要」とのデータが反映されることになる。
ここで、本実施形態では、上述の「まとめ補給」の対象となる対象実装機1において、実行すべき廃材の回収作業が発生している場合には、作業者にその対象実装機1に対して、部品の補給作業に加えて廃材の回収作業を実行させる作業計画を作成することをコンセプトとしている。具体的には、作業計画部653は、回収管理部66における前記回収作業の管理状況(例えば図12)を参照し、対象実装機1について「回収作業要」とのフラグが付されている場合には、当該対象実装機1に対して前記補給作業と前記回収作業との双方を実行させる作業用データD6を作成する。
図8に戻って、マスターデータ記憶部681は、前記補給作業及び前記回収作業の管理ベースとなるマスターデータD5を記憶する。作業用データ記憶部682は、マスターデータD5から所定の管理タイミングで切り出された作業用データD6を保管する記憶領域である。一旦切り出された作業用データD6は、この作業用データ記憶部682において独自に更新される。回収データ記憶部683は、廃材発生予測部67が導出した廃材データを含め、回収管理部66による廃材作業の管理に必要なデータを保管する記憶領域である。
実装機1は、上述の実装機制御部10及び回収指示ランプ19に加え、回収判定部17と、廃材センサ18(センサ)とを備える。回収判定部17は、実装機1において発生した空リール等の廃材において、当該実装機1からの回収の許可又は不許可を判定する処理を行う。回収判定部17の具体例については、後記(図18)で詳述する。廃材センサ18は、実装機1における廃材の発生量を検知するセンサである。廃材センサ18は、実装機1の廃材回収部に配置され、例えば、台車4に設けられた廃材回収部である回収箱54中の廃材の重さを計測する重量センサ、廃材の嵩を計測する光センサである。上述の回収管理部66は、廃材発生予測部67が求める廃材発生総量の予測データに代えて、或いは前記予測データに加えて、廃材センサ18の検知情報を前記廃材データとして受け取るようにしても良い。また、空リールに関して回収管理部66は、テープフィーダー2からの部品収納テープ3の排出完了通知に基づく空リール有りのフラグ、回収箱54を引き出して回収スロット542、543から空リールを回収したときのフラグ消去通知に基づく空リール無しのデータ、或いは、空リールを検出するセンサによる空リール有無の検出結果に基づく空リールの有無データ、等を廃材データとして受け取るようにしても良い。
[廃材の回収作業の具体例]
以下、「まとめ補給」に絡めて廃材の回収作業を実行させるいくつかの具体例について説明する。
<第1実施形態>
図13は、作業管理システムS1により策定される、廃材の回収作業の第1実施形態を示す図である。ここでは、生産ラインS2が、Y01、Y02、Y03、Y04、Y05及びY06の6台の実装機1にて構成されている例を示している。また、補給巡回ルートは、Y01実装機からY06実装機に向かう方向と予め定められているものとする。
そして、Y01〜Y06実装機のうち、Y02実装機及びY05実装機が、部品の補給作業が必要な対象実装機1として特定されているものとする。すなわち、図11の例に当て嵌めれば、「まとめ補給」の対象として特定されたテープフィーダー2A〜2Dの一部がY02実装機に、残部がY05実装機に存在し、残りのY01、Y03、Y04、Y06実装機には「まとめ補給」の対象のテープフィーダーが存在していない。この場合、作業者は、補給タイミングTHに、Y02実装機、Y05実装機の順に巡回して、テープフィーダー2A〜2Dに対して補給リールRを順次装着する補給作業を実行する。
一方、廃材の回収作業については、回収管理部66がY02実装機、Y04実装機及びY05実装機において「回収作業要」と判定(回収可能廃材:有)しているものとする。残りのY01、Y03、Y06実装機においては、廃材の発生総量がゼロ若しくは図12の第1閾値Th1に至らない少量レベルであるとする。この場合、「回収作業要」の3つの実装機のうち、Y02実装機及びY05実装機が、「まとめ補給」の対象でもある。
このようなケースにおいて作業計画部653は、図13に図示している作業手順に沿った作業用データD6を作成する。すなわち、Y01〜Y06実装機を巡回するに際し、
・Y01実装機=スキップ(作業を行わず通過する)、
・Y02実装機=部品の補給作業及び廃材の回収作業を実行、
・Y03実装機=スキップ、
・Y04実装機=スキップ、
・Y05実装機=部品の補給作業及び廃材の回収作業を実行、
・Y06実装機=スキップ、
という作業計画を行う作業用データD6が作成される。この作業用データD6は、作業者が携帯する端末機73及びAGV74へ配信される。作業者は、この作業用データD6を視認しつつY01実装機からY06実装機に向けて巡回しながら、Y02実装機及びY05実装機において、前記補給作業及び前記回収作業を実行する。
図14(A)は、端末機73に配信され、当該端末機73が備えるディスプレイに表示される作業用データD6の一例を示す図である。作業用データD6は、補給タイミング情報J31及び補給数情報J32と、補給部品情報J33とが含まれている。補給タイミング情報J31は、作業計画部653による補給タイミングTHの特定結果を表す情報である。補給数情報J32は、一回の「まとめ補給」において、対象実装機1に対して補給される補給リールRの合計数を表す情報である。「まとめ補給」において、トレイフィーダー用の補給トレイ、スティックフィーダー用の補給スティックが含まれている場合は、これらの合計数も補給数情報J32として表示される。
補給部品情報J33は、補給対象のテープフィーダーに補給される補給リールRに関する情報である。補給部品情報J33は、実装機種特定情報J20、部品供給部位置情報J34、台車識別情報J35、フィーダー識別情報J36、部品識別情報J151、部品種特定情報J152及び廃材回収情報J37が関連付けられた情報である。実装機種特定情報J20は、「まとめ補給」の対象となるテープフィーダー2を含む実装機1を特定するための情報である。部品供給部位置情報J34は、実装機1において、「まとめ補給」の対象となるテープフィーダー2が装着される部品供給部20A〜20Dの配置位置を特定するための情報である。台車識別情報J35は、当該「まとめ補給」において使用される台車75を識別するための情報である。部品識別情報J151及び部品種特定情報J152は、図9に基づき説明した通りである。廃材回収情報J37は、廃材の回収作業の要否を示す情報である。
作業者は、台車75と共に実装機種特定情報J20の欄に表示された実装機1を巡回し、部品の補給作業を実行する。そして、当該実装機1についての廃材回収情報J37の欄に「要」と表示されている場合には、作業者は廃材の回収作業も実行する。この回収作業を作業者が見過ごさないように、端末機73のディスプレイに明確な表示を行うことが望ましい。
図14(B)は、端末機73で表示させるメッセージの一例を示す図である。端末機73のディスプレイ101には、メッセージ表示欄102と回収作業表示部103とが備えられている。メッセージ表示欄102には「ゴミ回収が必要です」といった、回収作業を促すメッセージが表示される。回収作業表示部103には、回収作業を実行すべき実装機の識別番号、回収作業の対象物が表示される。このような表示は、「まとめ補給」のための巡回時において、対象実装機1の識別子の読取や、対象実装機1と端末機73との二者間通信にて、当該対象実装機1が認識された際に、端末機73に表示させることが望ましい。
以上説明した第1実施形態によれば、「まとめ補給」の対象として特定された対象実装機1については、部品の補給作業だけでなく廃材の回収作業も実行させる作業用データD6が作成される。つまり、作業者が前記補給作業のために巡回した対象実装機1において、前記補給作業と前記回収作業とをセットで実行させることができる。従って、作業者が、前記回収作業だけのために実装機1に向かうといった事象を抑制でき、前記回収作業を前記補給作業に絡めて効率的に実行させることができる。
なお、「まとめ補給」の対象とはならなかった実装機1については補給巡回においてスキップされ、前記回収作業も行われない。図13の例では、Y04実装機については、「回収作業要」と判定(回収可能廃材:有)されているが、今回の「まとめ補給」の補給巡回では、前記回収作業は実行されない。つまり、前記補給作業の存在しない実装機1には、たとえ前記回収作業が発生していても、立ち寄らない。しかし、前記補給作業の発生しない実装機1は通常は存在しないので、いずれ発生する補給作業に絡めて前記回収作業を実行させることができる。
<第2実施形態>
第1実施形態では、部品の補給作業を実行する実装機1のみにおいて、廃材の回収作業を実行させる例を示した。第2実施形態では、「まとめ補給」の補給巡回ルート上に、補給作業は不要であるが回収作業が実行可能な実装機1が存在している場合には、その実装機1に立ち寄って前記回収作業を実行させる例を示す。
図15は、作業管理システムS1により策定される、廃材の回収作業の第2実施形態を示す図である。生産ラインS2の構成、部品の補給作業の要否、廃材の回収作業の要否は、先に示した図13の第1実施形態と同じである。第1実施形態と相違する点は、補給作業が不要であるゆえ「まとめ補給」の対象ではないが、廃材の回収作業が発生しているY04実装機に立ち寄らせるように作業用データD6が作成される点である。
図15の事例では、「まとめ補給」において、補給巡回ルートに沿ってY02実装機とY05実装機とに順次立ち寄ることになる。Y04実装機は、部品の補給作業の対象ではない非対象実装機1であるが、廃材の回収作業が発生している。そして、Y04実装機は、Y02、Y05実装機を巡回する補給巡回ルート上に存在している。このような状況では、補給巡回のついでに、Y04実装機について前記回収作業を実行させても、作業効率をさほど低下させることはない。従って、Y04実装機に対する前記回収作業を割り入れて、作業用データD6を作成させるようにする。
このようなケースにおいて作業計画部653は、図15に図示している作業手順に沿った作業用データD6を作成する。すなわち、Y01〜Y06実装機を巡回するに際し、
・Y01実装機=スキップ(作業を行わず通過する)、
・Y02実装機=部品の補給作業及び廃材の回収作業を実行、
・Y03実装機=スキップ、
・Y04実装機=回収作業を実行、
・Y05実装機=部品の補給作業及び廃材の回収作業を実行、
・Y06実装機=スキップ、
という作業計画を行う作業用データD6が作成される。
Y04実装機に対する前記回収作業を割り入れは、例えば、Y04実装機の実装機制御部10から作業管理システムS1又は端末機73への回収要求の発報により実現させることができる。作業管理システムS1へ発報させる場合、実装機1が発信する取り付け情報D3に、廃材の回収要求を示す記述を添付させる。例えば、Y04実装機の廃材回収部の余裕度が少ないような場合に、回収要求を発報させるようにする。この回収要求は、マスターデータD5に反映される(図14(A)に示す廃材回収情報J37)。作業計画部653は、マスターデータD5から作業用データD6を作成するに際し、Y04実装機の如く、非対象実装機1ではあるが回収要求が有り、且つ、「まとめ補給」の補給巡回ルート上に存在する実装機1があれば、当該実装機1に対する補給作業を割り入れる。
一方、端末機73へ発報させる場合、端末機73及び作業管理システムS1の作業用データ記憶部682で共有されている作業用データD6が、実装機1から発報される回収要求によって更新されることになる。つまり、一旦マスターデータD5から切り出された作業用データD6の作業リストに、Y04実装機に対する回収作業を加えるよう、作業用データD6が更新される。
<第3実施形態>
上記第1、第2実施形態では、「まとめ補給」の補給作業に、廃材の回収作業を付随させる形態を示した。これに対し、第3実施形態では、前記回収作業の発生をきっかけとして、「まとめ補給」を実行させる例を示す。この第3実施形態は、生産ラインS2を構成する実装機1のいずれかにおいて、廃材の回収作業が緊急に必要となった場合に、その緊急の回収作業の実行タイミングにおいて「まとめ補給」を実行できる実装機1(テープフィーダー2等)をサーチし、前記緊急の回収作業と、「まとめ補給」とを同じタイミングで実行させる作業用データD6を作成させることを企図したものである。
図16は、緊急の廃材回収作業にリンクさせて「まとめ補給」の対象を特定する例を示す図であって、先に説明した図11をベースとしている。図11では、時刻TSは、「まとめ補給」のための部品補給作業の管理開始時刻であって、部品搭載基板の生産を開始する時刻、又は、管理開始を指令する指令情報が操作部601を介して入力された時刻であるとした。これに対し、第3実施形態では、時刻TSは、生産ラインS2のいずれかの実装機1から、緊急の廃材回収要求が発報され、これがマスターデータD5に反映されたタイミングとなる。すなわち、取得部64は、緊急の廃材回収要求が受領された時刻を、部品補給作業の管理の開始時刻を表す管理開始時刻TSとして取得する。なお、緊急の廃材回収要求は、例えば図12に示す第2閾値Th2を超過するレベルの廃材発生総量となっている場合に発報される。
部品補給管理部65は、管理開始時刻TSを基準として特定時刻TTを設定するが、第3実施形態では特定時刻TTは、緊急の廃材回収要求が発報された緊急回収実装機1において、ほぼ廃材回収限界となる時刻に設定される。この場合、時刻TS〜時刻TTの範囲内が、緊急回収実装機1に対する回収作業を実行させるべき特定時間帯となる。また、部品補給管理部65は、このような特定時刻TTが最遅時刻となる管理期間TW2(補給時間帯)を設定する。
作業計画部653は、テープフィーダー2A〜2Gのうち、管理期間TW2において補給可能なフィーダーを特定する。これにより、緊急回収実装機1に対して回収作業を行うべき特定時間帯に、補給作業の時間帯が重複する対象実装機1が抽出可能となる。そして、対象実装機1が存在するとき、作業計画部653は、緊急回収実装機1及び対象実装機1を巡回して緊急の前記回収作業及び前記補給作業を実行させる作業計画(作業用データD6)を作成する。図16の例では、特定時刻TTよりも早い時刻T3が、前記回収作業及び前記補給作業の実行タイミングTHとされている。もちろん、補給作業の時間帯が重複する実装機1が存在しない場合は、緊急の回収作業だけが実行されることになる。
このような第3実施形態によれば、緊急に廃材の回収作業が必要な実装機1の発生をトリガとして、「まとめ補給」のための部品補給作業が実行可能な対象実装機が抽出されるようになる。従って、緊急回収実装機1に対する廃材の回収作業に絡めて、部品の補給作業を実行させることが可能となる。このため、廃材の回収だけのための作業者の移動が削減され、前記補給作業及び回収作業の効率化を図ることができる。
[回収作業の実行タイミングの設定]
部品収納部材に関する廃材は、実装機1において常時発生すると言えるが、各実装機1が備える廃材収容部はそれなりの容量を有しており、「まとめ補給」による部品補給の巡回周期において、毎回回収作業を実行する必要はない。部品の補給作業にリンクさせて廃材の回収作業を実行させる上記の各実施形態においては、回収作業の実行のタイミングをどのように設定するかが問題となる。
部品補給管理部65の作業計画部653は、回収管理部66によって特定される前記回収作業が必要となる回収時間帯と、補給対象特定部652によって特定される部品の補給作業が実行可能な補給時間帯とを参照して、対象実装機1に対して前記補給作業と前記回収作業との双方を実行させるか、或いは、前記補給作業のみを実行させるかを判定する。つまり、廃材発生予測部67が導出する廃材発生総量の予測値、若しくは廃材センサ18が検知する廃材の発生量からなる廃材データに基づいて、作業計画部653は、前記回収作業の実行タイミングをコントロールする。例えば廃材収容部に余裕のある対象実装機1については前記回収作業を回避する一方、廃材収容部の残容量に余裕のない対象実装機1については確実に前記回収作業を実行させるよう、作業計画部653は作業用データD6を作成する。
回収作業の実行タイミング設定の具体例を説明する。図17は、各実装機1における廃材の回収タイミングと部品の補給巡回タイミングとの関係を模式的に示す図である。生産ラインS2を構成する複数の実装機1の各々について、巡回して前記補給作業を実行する補給巡回タイミングが、巡回周期(1)〜(3)の時刻に予め設定されているものとする。この巡回周期(1)〜(3)は、例えば部品消費予測部651による部品の消費予測値に基づき想定される「まとめ補給」のタイミング(補給タイミングTH)である。
図17には、回収管理部66において管理されるY01実装機、Y02実装機、Y03実装機における廃材発生総量L1(Y01)、L2(Y02)、L3(Y03)の予測値と、図12において説明した第1閾値Th1と第2閾値Th2とが示されている。巡回周期(1)の時刻において、廃材回収作業の実行が推奨される第1閾値Th1を超過しているのは、Y01実装機の廃材発生総量L1のみである。Y02実装機、Y03実装機の廃材発生総量L2、L3は、次の巡回周期(2)の時刻においても、第1閾値Th1を超過しないことが予測されている。一方、廃材発生総量L1は、巡回周期(2)の時刻では、アラームが発報される第2閾値Th2を超過する。つまり、今回の巡回周期(1)から次回の巡回周期(2)の間に、回収管理部66が特定する回収時間帯が満了する。
このような場合において、作業計画部653は、Y01実装機については前記回収作業を実行させる一方、Y02、Y03実装機については前記回収作業を実行させない作業用データD6を作成する。ここで、Y01実装機が「まとめ補給」の対象である場合、作業計画部653は、Y01実装機に対して前記補給作業と前記回収作業との双方を実行させる作業用データD6を作成する(第1実施形態)。Y01実装機が「まとめ補給」の対象ではない場合、Y01実装機に対する前記回収作業が作業用データD6に割り入れられるか(第2実施形態)、或いは、Y01実装機に対する前記回収作業をきっかけとして、「まとめ補給」の作業用データD6が作成される(第3実施形態)。
Y02実装機の廃材発生総量L2の予測値に注目すると、巡回周期(2)の時刻では第1閾値Th1を超過しないが、次の巡回周期(3)の時刻には第1閾値Th1を超過する。このため、Y02実装機については、巡回周期(2)の補給タイミングにおいて廃材の回収作業が実行される。一方、Y03実装機の廃材発生総量L3は、巡回周期(2)だけでなく、及び巡回周期(3)の時刻でも第1閾値Th1を超過しない。従って、Y03実装機については、巡回周期(2)の補給タイミングにおいて廃材の回収作業の対象から外されることになる。このように、各実装機1について、今回の補給巡回タイミングで廃材の回収作業も実行させるか、或いは、今回はスルーして次回の補給巡回タイミングで前記回収作業を実行させるかを見極めることで、前記回収作業の効率化を図ることができる。
[実装機における廃材の回収許可]
実装機1は、自身の実装機1において発生した廃材において、当該実装機1からの回収の許可又は不許可を判定する回収判定部17(図8)を備える。実装機1に対して部品を供給する部品収納部材の中には、一見すると廃材であるが、廃材として回収してはならない部材が存在する。作業計画部653は、回収判定部17が回収許可を与えている廃材のみを、前記回収作業の対象として作業用データD6を作成する。これにより、実装機1で発生する廃材のうち、現時点で廃材と扱うことが不適正なものを、作業者が誤って回収してしまう不具合を防止することができる。
回収時期が問題となる廃材の一例は、自動ローディング方式のテープフィーダー2における、部品収納テープ3が巻回されるリールである。前記リールは、巻回されている部品収納テープ3が全量繰り出されると空リールとなり、一見すると廃材に見えてしまう。しかし、空リールを直ちに回収してしまうと不具合の生じることがある。この点を、図18に基づいて説明する。
図18(A)は、自動ローディング方式のテープフィーダー2において、先行の第1部品収納テープ3Aが第1リール45から繰り出され、第1部品収納テープ3Aによって部品取り出し位置HTへ部品が供給されている状態を示している。後続の第2部品収納テープ3Bは、第2リール46に巻回された状態で、その先端部がテープ装着治具25にプリセットされている。第1リール45には、リールIDを記録するバーコード等からなる第1記録部451(管理用の識別子)が付設され、第2リール46には、同様な第2記録部461が付設されている。マスターデータD5では、第1、第2記録部451、452によって示されるリールIDに関連付けて、第1、第2部品収納テープ3A、3Bの部品残数が管理されている。
図18(B)は、先行の第1部品収納テープ3Aが第1リール45から全量繰り出されているが、第1部品収納テープ3Aの後端付近がまだテープフィーダー2内に残存している状態を示している。つまり、第1リール45は空リール化しているが、先行の第1部品収納テープ3Aからは部品供給が継続されている状態である。この段階では、図6に示す前記第1タイプに係るリールホルダ41Aの場合、第1リール45は空リールの状態で第1ホルダ部43Aに保持されている。また、図7に示す前記第2タイプに係るリールスロット付き回収箱54の場合、第1リール45は空リールの状態で第1回収スロット542へ落下している。従って、作業者は、この空リールを廃材と認識してもやむを得ない状態に至っている。
図18(B)の状態で、先行の第1部品収納テープ3Aにおいて部品供給トラブルが生じることがある。例えば、第1部品収納テープ3Aの引っ掛かりなどの搬送異常、部品吸着エラーなどである。このようなトラブルが発生すると、図18(C)に示すように、第1部品収納テープ3Aをテープフィーダー2から取り出し、トラブル原因を解消させた後、当該第1部品収納テープ3Aをテープフィーダー2に再装着する必要がある。この再装着の際、作業者は、バーコードリーダ77を用いて第1リール45の第1記録部451(リールID)を読み取る作業を行う。これは、テープフィーダー2に如何なる部品(第1部品収納テープ3A)が装着されているかを実装機1に認識させるため、ひいては作業管理システムS1に認識させるために必須となるプロセスである。
図18(B)の状態で第1リール45が回収されてしまうと、上記のプロセスを作業者は実行することができなくなる。つまり、まだ部品が残存している第1部品収納テープ3Aを、リールIDの認証ができないことから、テープフィーダー2に再装着できないという不具合が生じる。従って、図18(B)のように、先行の第1部品収納テープ3Aが第1リール45から全量繰り出されたものの、まだ第1部品収納テープ3Aからの部品の取り出しが完了していない時点では、回収判定部17は第1リール45の回収許可を与えない。
図18(D)は、先行の第1部品収納テープ3Aからの部品の取り出しが完了(第1部品収納テープ3Aの廃テープがテープフィーダー2から排出された状態)し、後続の第2部品収納テープ3Bのローディングが完了した状態を示している。第1部品収納テープ3Aからの部品の取り出しが完了すると、もはや第1リール45の第1記録部451をバーコードリーダ77で読み取る作業は発生し得ない。従って、回収判定部17は、第1部品収納テープ3Aが第1リール45から全量繰り出され、且つ、第1部品収納テープ3Aからの部品の取り出しが完了した時点で、第1リール45の回収許可を与える。
前記回収許可の発報タイミングを、テープフィーダー2が備えるセンサの検知結果を利用して設定することができる。テープフィーダー2は、部品取り出し位置HTの近傍に第1センサSN1を備えている。この第1センサSN1が、後続の第2部品収納テープ3Bの存在を検知した段階で、第2部品収納テープ3Bのローディング完了が確認される。この段階では、第1部品収納テープ3Aからの部品の取り出しが確実に完了していることになる。従って、第1センサSN1の検知結果に依存して回収判定部17に回収許可判定を行わせることで、前記判定を正確に行わせることができる。
上記のほか、ヘッド14Hによる第1部品収納テープ3Aからの部品の取り出しにおいて、複数回連続して部品の取り出しのエラーが検出されると、第1部品収納テープ3Aからの部品の取り出しが完了したと判定される。この場合、第1部品収納テープ3Aがテープフィーダー2から排出される。そうすると、いずれ第1センサSN1が、第1部品収納テープ3Aが「無」を検出することになる。この「無」の検出時点で、第1部品収納テープ3Aからの部品の取り出しが確実に完了していることを知見することができるので、当該検出時点を前記回収許可の発報タイミングとしても良い。
好ましい実施形態では、回収判定部17が第1リール45に対して回収許可を与えたとき、実装機制御部10は、その第1リール45が保持されているリールホルダ41Aに対応する回収指示ランプ19(図6(B)参照)、若しくは、第1リール45が収容されている第1回収スロット542に対応する回収指示ランプ19(図7(A)参照)を点灯させる。これにより作業者は、回収指示ランプ19の点灯/消灯に基づいて、回収可能な空リールであるか否かを即時に判断することができる。
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
本発明の一局面に係る作業管理システムは、部品収納部材を装着可能な部品供給装置が付設され、当該部品供給装置から供給された部品を基板に搭載し部品搭載基板を生産する実装機を複数備えた生産ラインにおいて、各実装機に対して前記部品収納部材を補給する補給作業と、前記部品収納部材に関する廃材を各実装機から回収する回収作業とを管理する作業管理システムであって、前記複数の実装機が備える前記部品供給装置に対する前記補給作業の計画を管理する部品補給管理部と、前記複数の実装機における前記廃材の発生状況に関する廃材データを収集し、今後実行すべき前記回収作業を、前記複数の実装機毎に管理する回収管理部と、を備え、前記部品補給管理部は、前記部品供給装置の各々における部品の供給状況を監視し、前記補給作業が実行可能な補給時間帯及びその補給作業の対象となる対象実装機を特定する補給対象特定部と、前記補給時間帯が重複する複数の前記対象実装機を抽出し、これら対象実装機を巡回して前記補給作業を実行する作業計画を作成する作業計画部と、を含み、前記作業計画部は、前記回収管理部における前記回収作業の管理状況を参照し、前記対象実装機について実行すべき前記回収作業が発生している場合には、当該対象実装機に対して前記補給作業と前記回収作業との双方を実行させる作業計画を作成する。
この作業管理システムによれば、前記対象実装機として特定された実装機については、前記補給作業だけでなく前記回収作業も実行される。つまり、作業者が前記補給作業のために巡回した前記対象実装機において、前記補給作業と前記回収作業とをセットで実行させることができる。従って、作業者が、前記回収作業だけのために実装機に向かうといった事象を抑制でき、前記回収作業を前記補給作業に絡めて効率的に実行させることができる。なお、前記補給作業の無い実装機については前記巡回においてスキップされ、前記回収作業も行われない。しかし、前記補給作業の発生しない実装機は通常は存在しないので、いずれ発生する補給作業に絡めて前記回収作業を実行させることができる。
上記の作業管理システムにおいて、前記作業計画部は、前記補給作業の対象ではない非対象実装機において前記回収作業が発生している場合であって、前記複数の対象実装機を巡回するルート上に当該非対象実装機が存在している場合に、前記非対象実装機に対する前記回収作業を割り入れて、前記作業計画を作成することが望ましい。
前記補給作業のための作業者が生産ラインを巡回するルート上に、前記補給作業の対象ではない非対象実装機が存在している場合には、ついでにその非対象実装機について前記回収作業を実行させても、作業効率をさほど低下させることはない。従って、上記の作業管理システムによれば、効率的な廃材回収に寄与することができる。
上記の作業管理システムにおいて、前記作業計画部は、前記回収作業を特定時間帯の範囲内で実行すべき緊急回収実装機が発生した場合に、前記特定時間帯と前記補給時間帯が重複する前記対象実装機を抽出する処理を行い、前記対象実装機が存在するとき、前記緊急回収実装機及び前記対象実装機を巡回して前記回収作業及び前記補給作業を実行させる作業計画を作成することが望ましい。
この作業管理システムによれば、前記緊急回収実装機の発生をトリガとして、前記補給作業が実行可能な対象実装機が抽出されるようになる。従って、前記緊急回収実装機に対する前記回収作業に絡めて、前記補給作業を実行させることが可能となるので、前記補給作業の効率化を図ることができる。
上記の作業管理システムにおいて、前記回収管理部は、前記廃材データに基づいて、前記複数の実装機毎に前記回収作業が必要となる回収時間帯を特定し、前記作業計画部は、前記対象実装機について前記補給時間帯と前記回収時間帯とを参照して、当該対象実装機に対して前記補給作業と前記回収作業との双方を実行させるか、或いは、前記補給作業のみを実行させるかを判定することが望ましい。
この作業管理システムによれば、前記廃材データに基づいて前記回収作業の実行タイミングをコントロールすることができる。これにより、例えば廃材の収容部に余裕のある前記対象実装機については前記回収作業を回避する一方、前記収容部に余裕のない前記対象実装機については確実に前記回収作業を実行させるといった運用が可能となる。
上記の作業管理システムにおいて、前記複数の実装機は、前記廃材の発生量を検知するセンサを備え、前記回収管理部は、前記センサの検知情報を前記廃材データとして取得することが望ましい。
この作業管理システムによれば、前記実装機側に配備された前記センサによって、直接的に前記廃材の発生量が検知される。従って、前記回収管理部は、実際の前記廃材の発生量に基づき、正確に前記回収時間帯を特定することができる。
上記の作業管理システムにおいて、前記部品供給装置の各々における部品の供給状況若しくは前記部品搭載基板の生産計画に基づいて、前記廃材の発生量を予測する処理を行う廃材発生予測部をさらに備え、前記回収管理部は、前記廃材発生予測部が予測する前記廃材の発生量を前記廃材データとして取得することが望ましい。
この作業管理システムによれば、前記実装機側にセンサ等を配備することなく、各実装機における前記廃材の発生量を把握することができる。
上記の作業管理システムにおいて、前記複数の実装機の各々について、巡回して前記補給作業を実行する補給巡回タイミングが予め設定されている場合において、前記作業計画部は、前記対象実装機について今回の補給巡回タイミングから次回の補給巡回タイミングの間に前記回収時間帯が満了する場合に、今回の補給巡回タイミングにおいて当該対象実装機に対して前記補給作業と前記回収作業との双方を実行させることが望ましい。
この作業管理システムによれば、前記対象実装機について、今回の補給巡回タイミングで前記回収作業も実行させるか、或いは、今回はスルーして次回の補給巡回タイミングで前記回収作業を実行させるかを見極めることができる。従って、前記回収作業を効率的に実行させることができる。
上記の作業管理システムにおいて、前記実装機において発生した前記廃材において、当該実装機からの回収の許可又は不許可を判定する回収判定部をさらに備え、前記作業計画部は、前記回収判定部が回収許可を与えている前記廃材のみを、前記回収作業の対象とすることが望ましい。
この作業管理システムによれば、前記回収許可が与えている前記廃材だけが前記回収作業の対象とされる。このため、前記廃材のうち、現時点で廃材と扱うことが不適正なものを、作業者が誤って回収してしまう不具合を防止することができる。
この場合、前記部品収納部材が部品収納テープであり、前記部品供給装置が複数の前記部品収納テープが装着可能な自動ローディング方式のフィーダーであって、前記廃材として前記部品収納テープが巻回されるリールを含み、前記リールには管理用の識別子が付設されている場合において、前記回収判定部は、前記フィーダーにおいて先行して供給されている先行部品収納テープが前記リールから全量繰り出され、且つ、前記先行部品収納テープからの部品の取り出しが完了した時点で、前記リールの回収許可を与えることが望ましい。
一般に、先行部品収納テープにおいて部品供給のトラブル等が発生し、前記トラブルの解消後に前記先行部品収納テープを前記フィーダーに再度取り付ける際に、前記リールに付設された前記識別子を用いた認証が必要とされることがある。上記の作業管理システムによれば、前記リールの回収許可が与えられるのは、先行部品収納テープが前記リールから全量繰り出され、且つ、前記先行部品収納テープからの部品の取り出しが完了した時点であるので、もはや前記識別子を用いた認証が行われることがない。つまり、前記リールが無用となった時点で前記回収許可が与えられるので、無駄に早く前記リールが回収されてしまう不具合を防止することができる。
上記の作業管理システムにおいて、前記実装機は、複数の前記部品供給装置を備え、前記回収作業の対象となる前記部品供給装置の位置を示す表示手段をさらに備えることが望ましい。
この作業管理システムによれば、前記回収作業において回収すべき廃材を、作業者に確実に認知させることができる。
本発明の他の局面に係る部品実装システムは、部品収納部材を装着可能な部品供給装置が付設され、当該部品供給装置から供給された部品を基板に搭載し部品搭載基板を生産する複数の実装機と、前記複数の実装機の各実装機に対して前記部品収納部材を補給する補給作業と、前記部品収納部材に関する廃材を各実装機から回収する回収作業とを管理する、上記の作業管理システムとを備える。
以上説明した本発明によれば、実装機が備える部品供給装置への部品収納部材の補給作業と、実装機から廃材を回収する回収作業とを効率的に実行させることが可能な作業管理システム、及びこれを用いた部品実装システムを提供することができる。