JP6885842B2 - エレベータシステムにおける安全装置の無用な作動の回避方法、同方法を実行する制御装置、同制御装置を各々有する調速機ブレーキおよびエレベータシステム - Google Patents

エレベータシステムにおける安全装置の無用な作動の回避方法、同方法を実行する制御装置、同制御装置を各々有する調速機ブレーキおよびエレベータシステム Download PDF

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Description

本発明は、エレベータシステムにおける安全装置の無用な作動の回避方法、同方法を実行する制御装置、同制御装置を各々有する調速機ブレーキおよびエレベータシステムに関するものである。
以下の背景技術に関する記載および例は、見識、発見、認識あるいは開示、または関連する従来技術において公知でない開示に加えて、本発明の実施形態の少なくともいくつかの例に関連する本発明によって得られる事項を含み得る。このような本発明の寄与の一部を以下に詳細に示すが、本発明のそのような他の寄与については関連する文脈から明らかとなろう。
図15は、関連背景技術によるエレベータシステム101を示す。当該エレベータシステム101は、懸垂ロープ113を介してカウンタウェイト107に連結されたエレベータ乗りかご106を備え、懸垂ロープは巻上機(図示せず)で駆動されるトラクションホイール112を通って走行する。エレベータ乗りかご106およびカウンタウェイト107はいずれも、昇降路(図示せず)内に設けられたガイドレールによりそれぞれ上下に案内される。以下、エレベータ乗りかご106およびカウンタウェイト107を走行質量と称す。
エレベータシステム101はさらに、正常運転におけるエレベータの安全状態をモニタする複数の常時閉成型安全スイッチを有する。エレベータの安全性が何らかの理由で損なわれると、少なくとも1つの安全スイッチが開放され、巻上機の電源が遮断され、機械ブレーキ116が作動して、走行質量を減速させて急停止させる。安全スイッチは、エレベータ乗りかご106の非常用脱出口が開いた場合、昇降路内における許容走行限界端に達した場合、エレベータ乗りかご106のドアが開いた場合などに、開放可能である。
エレベータシステム101はさらに、エレベータ乗りかご106用の過速度調速機システム102を備え、過速度調速機システムは調速機ロープループ103を有し、これは、エレベータ乗りかご106から上に向かい、過速度調速機プーリ108を越えると下に向かい、張力ウェイト110に連結された張力ウェイトプーリ109の下を通った後、エレベータ乗りかご106に向かって再度上昇して、エレベータ乗りかご安全装置104を作動させる同期連結機構114に連結されている。同様の過速度調速機システム152をカウンタウェイト107に取り付けてもよい。過速度調速機システム152の各要素には、エレベータ乗りかご106の過速度調速機システム102の参照符号の値に値50を加算した参照符号を割り当てる。
同期連結機構114は同期レバーを有し、同期レバーは、調速機ロープ103によって少なくとも所定の力が同期連結機構114に加わると、走行質量の安全装置104を走行質量のガイドレールに係合させる。当該所定の力は同期レバーのばねのばね力に抗して作用するものであり、調速機ロープ103によって加わる力が同期レバーのばね力を上回ると、同期レバーが安全装置に係合する。
過速度調速機システム102は、走行質量の速度を管理して、走行質量の速度がエレベータの定格速度を上回る所定の作動速度を超えると、上記安全チェーンの別の安全スイッチを開放して上述の機械装置急停止動作を開始し、それと同時に、調速機ロープ103を減速させる。調速機ロープ103の減速が同期レバーのばね力に抗することで、同期レバーが安全装置104に係合して、エレベータ乗りかご106を緊急停止させる。
要約すると、機械装置の急停止動作は、エレベータ安全回路がエレベータの安全状態の低下を示すと、開始される。また、安全状態の低下が過速度調速機の検出した走行質量の過速度に起因する場合、走行質量の安全装置を作動させることにより緊急停止動作が開始される。
しかし、高層階用エレベータでは、エレベータの走行距離および速度が増すと、調速機ロープ103の慣性も実質的に大きくなる。そのため、巻上機ブレーキ116によるエレベータの急停止時に、新たな課題が生じる。すなわち、上記急停止時に調速機ロープ103の減速を行う距離が長くなると、調速機ロープ103の慣性が大きいため、同期連結機構114に大きな力が掛かる。これにより、減速する調速機ロープ103は、走行質量の減速時に安全装置104を作動させるのに必要な力より大きい力を同期連結機構114に与えることができる。言い換えると、安全装置104を作動させる所定の作動速度を走行質量の速度が上回っていないにもかかわらず、急停止時に安全装置104が無用に係合すなわち作動する可能性がある。
安全装置の無用な作動を防止する解決策の1つとして、同期レバーばね力を大きくする方法がある。しかし、調速機ロープの牽引力は、同期連結機構を介して安全装置を作動させるために必要な力の2倍の大きさとすることがEN-81規格において義務付けられているため、この方法では過速度調速機の設計に影響がでてしまう。同期が強力になると、過速度調速機の牽引力も大きくなるため、必要な安全率に応じて過速度調速機ロープの強度が大きくなり、その結果ロープが重くなる。最終的にはエレベータシステムにまで影響が及ぶことになり、実現可能な過速度調速機および安全装置システムに対する設計尤度がなくなってしまうことは、明らかである。
そこで本発明は、過速度調速機ロープの慣性によって安全装置が無用に作動することを防止する手段を提供することを目的とする。
本発明によれば、上述の目的は、次のようなエレベータシステムの過速度調速機システムにおける安全装置の無用な作動回避方法によって達成される。すなわち、過速度調速機システムは、エレベータシステムの走行質量に連結された調速機ロープと、走行質量を減速させて走行質量の急停止を行う機械ブレーキと、走行質量に取り付けられた安全装置と、安全装置を作動させる同期連結機構と、同期連結機構をブロックする同期連結機構ブロック装置および/または調速機ロープを制動する調速機ブレーキとを有し、本方法は、走行質量の急停止が行われたか否かを判断し、走行質量の急停止が行われると、調速機ブレーキおよび/または同期連結機構を作動させる工程を含む。
本方法によると、走行質量の急停止が行われ、その結果、調速機ロープの減速度が許容減速度を超える場合、第1の選択的な方法によれば、調速機ブレーキが作動される。調速機ブレーキが作動することにより、調速機ロープの運動エネルギーが消散され、同期連結機構に掛かる力が減少する。そのため、エレベータ乗りかごの減速時に安全装置が無用に作動することはない。第2の選択的な方法によれば、走行質量の急停止が行われると、同期連結機構ブロック装置を作動させる。その結果、大きな力が同期連結機構に掛かったとしても、同期レバーの動作が抑制されて、エレベータ乗りかごの減速時に安全装置が無用に作動することはない。
好適な一実施形態によると、エレベータシステムは、安全回路の安全回路スイッチが開放されるとエレベータシステムの安全性が低下したことを示すように構成された安全回路を備え、本発明による方法はさらに、安全回路が安全性の低下を示しているか否かを判断し、安全性の低下が示されると、走行質量の急停止が行われたと推断することを含む。本実施形態によると、既設の安全回路を使用し、急停止が行われたかの判断を行う手段を別途設けることなく、急停止が行われたことを推断することも可能である。言い換えると、安全回路が開放されると、エレベータシステムが急停止を実行することにより、エレベータ乗りかごの減速度が許容減速度を超える。
別の好適な実施形態によると、エレベータシステムは、走行質量の終着階における停止を制御する制御装置と、制御装置の制御による走行質量の終着階での停止が危険な場合に正常終着階減速信号を出力するように構成された正常終着階減速装置とを備え、本方法はさらに、正常終着階減速信号が出力されたか否かを判断し、正常終着階減速信号が出力されると、急停止が行われたと推断することを含む。本実施形態によると、既設の正常終着階減速装置(NTS装置)を使用し、急停止が行われたかの判断を行う手段を別途設けることなく、急停止が行われたかの推断を行うことも可能である。言い換えると、正常終着階減速信号、すなわちNTS装置が作動すると、エレベータシステムが急停止を行い、その結果、エレベータ乗りかごの減速度が所定の減速度制限値を上回る。
別の好適な実施形態によると、エレベータシステムは、それぞれが走行質量の役割を果たすエレベータ乗りかごおよびカウンタウェイトを備え、1つの過速度調速機システムがエレベータ乗りかご用に設けられ、別の過速度調速機システムがカウンタウェイト用に設けられ、本方法はさらに、エレベータ乗りかごが上昇走行しているか下降走行しているかの判断を行うことを含み、エレベータ乗りかごが上昇走行していると、エレベータ乗りかご用の過速度調速機システムの調速機ブレーキおよび/または同期連結機構ブロック装置が作動され、エレベータ乗りかごが下降走行していると、カウンタウェイト用の過速度調速機システムの調速機ブレーキおよび/または同期連結機構ブロック装置が作動される。エレベータ乗りかごが上昇走行している場合、エレベータ乗りかごにおいて安全装置の無用な作動が起きる危険性がある。これに対し、カウンタウェイトが上昇走行している場合、すなわちエレベータ乗りかごが下降走行している場合、カウンタウェイトにおいて安全装置の無用な作動が起きる可能性がある。よって、それぞれ対応する調速機ブレーキおよび/または同期連結機構ブロック装置を作動させることにより、安全装置の無用な作動が起こる危険性がない場合の調速機ブレーキおよび/または同期連結機構ブロック装置の無用な作動を回避する。その結果、調速機ブレーキの耐用年数および同期連結機構をブロックする装置の耐用年数が延びる。
上記目的はまた、次のようなエレベータシステムにおける安全装置の無用な作動を回避する安全装置無用作動回避制御装置によって達成される。すなわち、安全装置無用作動回避制御装置は上述の方法の各工程を実行するように構成されている。本制御装置を使用することで、上述の利点と同様の利点を得ることができる。
上記目的はまた、次のような調速機ロープを制動してエレベータシステムにおける安全装置の無用な作動を回避する調速機ブレーキによって達成される。すなわち、エレベータシステムは、エレベータシステムの走行質量に連結された少なくとも1本の調速機ロープを有する過速度調速機システムと、走行質量を減速させて急停止を行う機械ブレーキと、走行質量に取り付けられた安全装置とを備え、調速機ブレーキはさらに、上記安全装置無用作動回避制御装置を備えている。本調速機ブレーキを使用することにより、本発明を既設のエレベータシステムおよび過速度調速機システムに簡単に組み込むことができる。調速機ブレーキがあらかじめ安全装置無用作動回避制御装置を備えているため、エレベータシステムおよび過速度調速機システムの制御装置を入れ替える必要がなく、その理由は、制御が全体的に調速機ブレーキの安全装置無用作動回避制御装置によって行えるからである。
別の好適な実施形態によると、調速機ブレーキの安全装置無用作動回避制御装置は、エレベータシステムの安全回路および/または正常終着階減速装置をモニタして、走行質量の急停止が行われたか否かを推断するように構成されている。これにより、調速機ブレーキは、専用の装置を別途設けることなく、安全回路および/または正常終着階減速装置の情報を用いて走行質量の急停止が行われたかの推断を行うことができる。
別の好適な実施形態によると、調速機ブレーキはさらに、調速機ロープのエレベータ減速を検出するエレベータ動作検出装置を備え、安全装置無用作動回避制御装置はエレベータ動作検出装置をモニタして、走行質量の急停止が行われたか否かを推断する。これにより、エレベータ制御システムに変更を加えたり、新たな機能を持たせたりすることなく、十分に独立したシステムを提供できる。
別の好適な実施形態によると、エレベータ動作検出装置は、調速機ロープの速度を測定するように構成された速度センサ、または調速機ロープの減速度を直接あるいは間接的に測定するように構成された加速度計もしくはジャイロスコープである。
さらに、上記目的は、以下のようなエレベータシステムによって達成される。すなわちこのエレベータシステムは、エレベータシステムの走行質量に連結された少なくとも1本の調速機ロープを有する過速度調速機システムと、走行質量を減速させて走行質量の急停止を行う機械ブレーキと、走行質量に取り付けられた安全装置と、安全装置を作動させる同期連結機構と、同期連結機構をブロックする同期連結機構ブロック装置および/または調速機ロープを制動する調速機ブレーキと、上述の各特徴を有する安全装置無用作動回避制御装置とを備えている。
別の好適な実施形態によると、エレベータシステムはさらにエレベータ乗りかご制御装置を備え、安全装置無用作動回避制御装置はエレベータ制御装置に組み込まれる。これにより、本発明を既設のエレベータ制御装置に組み込むことができる。既設のエレベータ乗りかご制御装置がLANまたはCANなどの低遅延バスを使用すれば、調速機ブレーキを作動させたり同期連結機構をブロックしたりする反応時間が影響を受けることはない。
別の好適な実施形態によると、調速機システムはさらにOSGブレーキ制御装置(過速度調速機ブレーキ制御装置)を備え、安全装置無用作動回避制御装置はOSGブレーキ制御装置に組み込まれる。
別の好適な実施形態によると、エレベータシステムは、それぞれが走行質量の役割を果たすエレベータ乗りかごおよびカウンタウェイトを備え、1つの過速度調速機がエレベータ乗りかご用に設けられ、別の過速度調速機がカウンタウェイト用に設けられ、エレベータシステムはさらにエレベータ制御装置を備え、過速度調速機システムはさらに過速度調速機システム制御装置を備え、どちらの制御装置も安全装置無用作動回避制御装置を構成するものであり、エレベータ制御装置はエレベータ乗りかごが上昇走行しているか下降走行しているかの判断を行い、さらにエレベータ乗りかごの走行速度が所定の速度制限値を超えたか否かの判断を行うように構成され、エレベータ乗りかご制御装置は、エレベータ乗りかごの走行速度が所定の速度制限値を超えると作動信号および走行方向信号をOSGブレーキ制御装置に送信するように構成され、OSGブレーキ制御装置は、作動信号および走行方向信号を受信すると急停止が行われたか否かの判断を行い、急停止が行われると、走行方向信号がエレベータ乗りかごの上昇走行を示していたら、エレベータ乗りかご用の過速度調速機システムの調速機ブレーキおよび/または同期連結機構ブロック装置を作動させ、走行方向信号がエレベータ乗りかごの下降走行を示していたら、カウンタウェイト用の過速度調速機システムの調速機ブレーキおよび/または同期連結機構ブロック装置を作動させるように構成されている。本実施形態によると、エレベータ制御装置は、エレベータ乗りかごの減速によって安全装置が無用に作動する可能性のある所定の速度制限値をエレベータ乗りかごの走行速度が上回っているか否かを判断する。そこで、エレベータ乗りかごの走行速度が当該速度制限値を下回っていれば、安全装置が無用に作動する恐れはなく、過速度調速機システム制御装置を作動させずにすむ。しかし、エレベータ乗りかごの走行速度が速度制限値を上回れば、過速度調速機システム制御装置を作動させて、さらに走行方向信号を受信する。そこで過速度調速機システム制御装置は、受信した情報に基づいて、該当する走行質量用の、すなわちエレベータ乗りかごが上昇走行中ならエレベータ乗りかご用の、またエレベータ乗りかごが下降走行中ならカウンタウェイト用の調速機ブレーキおよび/または同期連結機構ブロック装置を作動させることができる。これにより、他方の該当しない走行質量の調速機ブレーキが無用に作動したり、同期連結機構がブロックされたりするのを回避できる。そのため、ブロック装置の調速機ブレーキの耐用年数を延ばすことができる。
また、本実施形態によると、急停止が行われたか否かは、安全回路が開放されたか否か、または正常輸送減速装置が作動したか否かに基づいて判断することもできる。
別の好適な実施形態によると、速度調速機システムはさらに、過速度調速機プーリおよび張力ウェイトプーリを備え、調速機ブレーキは、過速度調速機プーリに作用する制動装置、調速機ロープに作用する制動装置、または張力ウェイトプーリに作用する制動装置である。
また、上記目的は、以下のような同期連結機構をブロックしてエレベータシステムにおける安全装置の無用な作動を回避する同期連結機構ブロック装置によって達成される。すなわち、エレベータシステムは、同期連結機構を介してエレベータシステムの走行質量に連結された少なくとも1本の調速機ロープを有する過速度調速機システムと、走行質量を減速させて走行質量の急停止を行う機械ブレーキと、走行質量に取り付けられた安全装置とを備え、同期連結機構ブロック装置はさらに上記安全装置無用作動回避制御装置を備えている。
別の好適な実施形態によると、同期連結機構ブロック装置の安全装置無用作動回避制御装置は、エレベータシステムの安全回路および/または正常終着階減速装置をモニタして、エレベータ乗りかごの減速度が所定の減速度制限値を超えたか否かを推断するように構成されている。これにより、同期連結機構ブロック装置は、安全回路および/または正常終着階減速装置の情報を用いてエレベータ乗りかごが所定の減速度制限値を超えたか否かを推断でき、当該推断専用の装置を別途に設けずともすむ。
別の好適な実施形態によると、同期連結機構ブロック装置は、調速機ロープのエレベータ減速を検出するエレベータ動作検出装置を備えている。これにより、エレベータ制御システムに変更を加えたり、新たな機能を加えたりすることなく、十分全に独立したシステムを提供できる。
上記ならびにその他の目的、特徴、詳細および利点は、添付図面とともに例示する以下の本発明の実施形態の詳細な説明により十分に理解可能であろう。
本発明の第1の実施形態によるエレベータシステムを示す図である。 図1に示すエレベータシステムの変形例を示す図である。 図1に示すエレベータシステムの別の変形例を示す図である。 ないし 図1ないし図3に示す調速機ブレーキの例を示す図である。 図1ないし図3に示すエレベータシステムの同期連結機構を示す図である。 第1の実施形態によるエレベータシステムおよびOSGシステムの制御機構を示す図である。 図5に示すエレベータ乗りかご制御装置の制御のフローチャートである。 図5に示す調速機ブレーキ制御装置およびエレベータ乗りかご制御装置モニタ装置のフローチャートである。 第2の実施形態によるエレベータシステムの制御機構を示す図である。 図8に示すエレベータシステムのフローチャートである。 第3の実施形態によるOSGシステムの制御機構を示す図である。 図10に示すOSGシステムのフローチャートである。 調速機ブレーキが設けられていない昇降路の底部における同期レバー角度を示す図である。 調速機ブレーキが設けられている昇降路の底部における同期レバー角度を示す図である。 調速機ブレーキが設けられていない昇降路の中央部における同期レバー角度を示す図である。 調速機ブレーキが設けられている昇降路の中央部における同期レバー角度を示す図である。 調速機ブレーキが設けられていない昇降路の頂部における同期レバー角度を示す図である。 調速機ブレーキが設けられている昇降路の頂部における同期レバー角度を示す図である。 従来技術によるエレベータシステムを示す図である。
以下に、本発明の実施形態について述べる。ただし、実施形態の説明は一例にすぎず、本発明をこれに限定するものではないことを理解されたい。
具体的には、本発明の実施形態を適用するエレベータシステムの一例として、図1および図2に関連して図示し説明するエレベータシステムを用いて、様々な実施例について説明する。
以下の例および実施形態は、例示的なものにすぎないことに留意されたい。本明細書において、「ある」、「1つの」または「いくつかの」例または実施形態について様々な箇所で言及する場合があるが、このような各言及は必ずしも同一の例または実施形態に関連するものではなく、また、その特徴が必ずしも単一の例または実施形態にのみ当てはまるとも限らない。異なる実施形態の各単一の特徴を組み合わせて、別の実施形態を得ることもできよう。さらに、「備える」および「含む」などの用語は、説明した実施形態をその記載の特徴事項のみで構成するように限定するものではなく、このような例および実施形態は、具体的に記載のない特徴事項、構成、ユニット、モジュールなども含んでよいことを理解されたい。
上記エレベータシステムの全体的な構成要素および機能については、その詳細も実際のエレベータシステムの種類によって異なるものの、当業者には周知のものであるため、ここでは詳述しない。ただし、以下に詳述する装置および機能の他に、いくつかの別の装置および機能をエレベータシステムに採り入れることも可能であることを理解されたい。
図1はエレベータ乗りかご6およびカウンタウェイト7を有するエレベータシステム1を示し、エレベータ乗りかごおよびカウンタウェイトはいずれも走行質量の役割を果たし、懸垂ロープ13によって互いに連結されている。懸垂ロープ13は、巻上機(図示せず)によって駆動されるトラクションホイール12の周回している。懸垂ロープ13の両端には重い質量が吊り下げられているため、懸垂ロープ13はトラクションホイール12上で摺動しない。トラクションホイール12が巻上機によって駆動されて回転すると、エレベータ乗りかご6およびカウンタウェイト7が動く。エレベータ乗りかご6およびカウンタウェイト7は、エレベータシステム1の設置されている昇降路(図示せず)の壁に取り付けられたガイドレール(図示せず)によって案内される。
図1はさらに、エレベータ乗りかご6用の過速度調速機(OSG)システム2を示し、OSGシステムは調速機ロープ3を備え、調速機ロープの両端はエレベータ乗りかご6(走行質量)に連結されている。調速機ロープ3は、エレベータシステムの頂部側において調速機プーリ8を周回し、エレベータシステムの底部側において張力ウェイト10に連結された張力ウェイトプーリ9を周回する。調速機ロープ3は同期連結機構14を介してエレベータ乗りかご6に連結され、同期連結機構は、エレベータ乗りかご6の両ガイドレールに対して安全装置4を作動させる同期レバーを有する。
図1はさらに、カウンタウェイト7用の過速度調速機(OSG)システム52を示し、OSGシステムは調速機ロープ53を備え、調速機ロープの両端はカウンタウェイト7(走行質量)に連結されている。調速機ロープ53は、エレベータシステムの頂部側において調速機プーリ58を周回し、エレベータシステムの底部側において張力ウェイト60に連結された張力ウェイトプーリ59を周回する。調速機ロープ53は同期連結機構64を介してカウンタウェイト7に連結され、同期連結機構は、カウンタウェイト7の両ガイドレールに対して安全装置54を作動させる同期レバーを有する。
また、図1は、OSGシステム2、52に調速機ブレーキ5、55が設けられていることを示し、これらは、調速機ブレーキ5、55が作動すると、同期連結機構14に掛かる力を調速機ロープ3、53によって低減するように構成されている。さらに詳細には、調速機ブレーキ5、55は、調速機ロープ3、53の運動エネルギーを消散するように構成されている。図1は、調速機ブレーキ5、55が調速機プーリ8、58に作用する様子を簡略的に示している。しかし、図2によると、調速機ブレーキ5’、55’は調速機ロープ3に直接作用でき、また図3によると、調速機ブレーキ5’’、55’’は張力ウェイトプーリ9、59に作用可能である。
図4Aないし図4Cは、調速機ブレーキ5、5’および5’’の別の実施形態を示し、これらの実施形態は調速機ブレーキ55、55’および55’’にも適用される。図4Aによると、調速機プーリ8または張力ウェイトプーリ9に作用する調速機ブレーキ5および5’’では、制動力をプーリ側に掛けることができる。図4Bによると、調速機プーリ8または張力ウェイトプーリ9に作用する調速機ブレーキ5および5’’では、制動力をプーリ溝縁部に掛けることができる。図4Cによると、調速機プーリ8または張力ウェイトプーリ9に作用する調速機ブレーキ5および5’’では、制動力を溝内の調速機ロープ3に掛けることができる。図4Aおよび図4Bの方式によると、制動力を必要な大きさにする要因は、溝内におけるロープ摩擦である。図4Cの方式によると、制動力を必要な大きさにする要因は、ロープの損傷に対する強靭性である。
図4Dは、図2に示すエレベータシステムの調速機ブレーキ5’の細部を示す。本ブレーキ装置は、調速機ロープ3に作用する独立した装置であり、ロープに作用するOSGロープクランプと同様のメカニズムを有するが、作用する力はOSGの作動力より小さい。
図4Eは、同期連結機構14、64をより詳細に示す。一実施形態によると、同期連結機構14、64は同期連結機構ブロック装置15を備え、ブロック装置は同期連結機構14、64の動作をブロックするように構成されている。
このように、調速機ブレーキ5、5’、5’’のうちの1つによって、さらに/または同期連結機構ブロック装置15によって、安全装置4、54の無用な作動を防止できる。したがって、安全装置4、54の無用な作動の防止が必要な場合、調速機ブレーキ5、5’、5’’または同期連結機構ブロック装置15のいずれかを作動させることができる。あるいは、両方とも同時に作動させることもできる。
以下に、第1の実施形態による制御機構について、図5、図6および図7を参照して述べる。
図5は、第1の実施形態によるエレベータシステム1の制御機構を示す。第1の実施形態では、エレベータシステム1は、上記の構成要素の他に、安全回路21、およびNTS(正常終着階減速)装置22、ならびにエレベータ制御装置23を備えている。
安全回路21は、背景技術に関して述べたスイッチとして、複数の安全スイッチを備えている。安全スイッチは、常時閉スイッチであり、エレベータシステム1が機能的に不適合であると開放される。安全スイッチの1つが開放されると、安全回路21はエレベータシステム1の機能的不適合を表示し、この状態はエレベータシステムの安全性低下を意味する。エレベータ制御装置23は、安全回路から当該表示を受けると、エレベータシステム1の巻上機ブレーキ16を作動させ、エレベータ乗りかご6を急停止させる。
さらに、エレベータ制御装置23は、終着階である最上階または最下階におけるエレベータ乗りかご6の停止を制御するように構成されている。しかし、エレベータ乗りかご6が終着階で停止できなかった場合、正常終着階減速装置22が正常終着階減速信号を発する。正常終着階減速信号はエレベータ制御装置23に送られ、エレベータ制御装置23は巻上機械から供給される電力を遮断し、エレベータシステム1の巻上機ブレーキ16を作動させて、エレベータ乗りかご6を急停止させる。
また、この制御機構にはOSGブレーキ制御装置30が含まれ、これは調速機ブレーキ制御装置31およびエレベータ制御装置モニタ装置32を有する。調速機ブレーキ制御装置31は、調速機ブレーキ5、5’、5’’を動作させるように構成されている。調速機ブレーキ制御装置31は、同期連結機構ブロック装置15を動作させるように構成された同期連結機構ブロック装置制御装置に置き換えてもよく、あるいは同期連結機構ブロック装置制御装置によって補完してもよい。
図6は、図5に示すエレベータ制御装置23によって実行される制御手順を示すフローチャートである。工程S1によると、エレベータ乗りかご制御装置23は、エレベータ乗りかご6が上昇中か下降走行中か、およびエレベータ乗りかご6の走行速度が所定の速度制限値を超えているか否かを判断する。工程S2では、エレベータ乗りかごの走行速度が所定速度制限値を超えると、制御手順の工程S3に移行し(S2のYES)、OSGシステム制御装置30に作動信号および走行方向信号を送信する。走行方向信号は、エレベータ乗りかご6が上昇走行中か下降走行中かを示す。
上記所定速度制限値は例えば0.5m/sでよく、エレベータの点検運転の速度に相当する。この場合、点検運転時の安全装置の調速機ブレーキの作動または同期連結機構のブロックは、消勢される。ただし、本発明はエレベータ乗りかご6の走行速度が所定の速度制限値を超えた場合に限定されるものでなく、速度制限値を基準とせずに安全装置の調速機ブレーキの作動または同期連結機構のブロックを行うことも可能である。第1の実施形態の第1の変形例によると、速度制限値は0.0m/sでよい。この場合、エレベータ乗りかご6が少しでも動いていれば、すなわち点検運転時も、作動信号は図6の工程S3においてOSGブレーキ制御装置に送信される。
一方、図7に示すように、図5に示すOSGブレーキ制御装置は工程S11において、エレベータ制御装置23から作動信号を受信したか否かをモニタする。上記第1の変形例では、エレベータ乗りかご6が少しでも動いていると、つまり点検運転時にも、作動信号は受信される。作動信号を受信すると(工程S11のYES)、図5に示すエレベータ制御装置モニタ装置32が工程S12において作動される。言い換えると、エレベータ制御装置モニタ装置32は、エレベータシステム1の安全回路21が開放されたかどうか、つまり安全回路21の安全スイッチの1つが開放されたか否かをモニタして、エレベータ制御装置23による急停止を行う。また、エレベータ制御装置モニタ装置32はNTS装置が起動したか否かをモニタして、エレベータ制御装置23による急停止を行う。どちらの場合においても、急停止はエレベータ乗りかご6に大きな減速をもたらす。
エレベータ制御装置モニタ装置32において、安全回路21が開放された、またはNTS装置が作動あるいは起動したと判断されると(工程S13のYES)、制御手順は工程S14に進む。そうでない場合、制御手順は工程S12に戻る。
工程S14では、走行方向信号がエレベータ乗りかご6の上昇走行を示しているか否かを判断する。信号が上昇走行を示すと(工程S14のYES)、制御手順は工程S15に進み、エレベータ乗りかご6用のOSGシステム2の調速機ブレーキ5が調速機ブレーキ制御装置31によって作動される。補完的実施形態、あるいは代替え的実施形態では、調速機ブレーキ制御装置31または別のブロック装置制御装置(図示せず)によって各ブロック装置15を作動させることにより、エレベータ乗りかご6用のOSGシステム2の同期連結機構14をブロックする。
反対に、走行方向信号がエレベータ乗りかご6の下降走行を示すと(工程S14のNO)、制御手順は工程S16に移行し、カウンタウェイト7用のOSGシステム52の調速機ブレーキ55が調速機ブレーキ制御装置31によって作動される。補完的方法、あるいは代替え的方法として、調速機ブレーキ制御装置31または別のブロック装置制御装置(図示せず)によって各ブロック装置15を作動させることにより、カウンタウェイト7用のOSGシステム52の同期連結機構64をブロックする。
このような制御により、エレベータ乗りかご6の速度が速いために急停止をすればエレベータ乗りかご6の減速度がある程度になってしまう場合、OSGブレーキ制御装置30は、エレベータ制御装置23からエレベータ乗りかご6の急停止を行うことを通知される。
また、エレベータ乗りかご6が上昇走行中に減速すると、調速機ロープ3の慣性がエレベータ乗りかご6の同期連結機構14に作用して、エレベータ乗りかご6用のOSGシステムの安全装置4が無用に作動する恐れがある。したがって、この場合、急停止が行われてエレベータ乗りかご6の減速度がある減速度を超えると、エレベータ乗りかご6用のOSGシステムの調速機ブレーキ5が作動することで、エレベータ乗りかご6用のOSGシステムの調速機ロープ3が制動される。そのため、調速機ロープ3の慣性が消散され、エレベータ乗りかご6用のOSGシステムの同期連結機構14が安全装置4に無用に係合することはない。補完的方法、あるいは代替え的方法として、ブロック装置15が作動し、エレベータ乗りかご6用のOSGシステムの同期連結機構14がブロックされて、調速機ロープ3の慣性が同期連結機構14の動作に十分な大きさであったとしても安全装置4が係合しないようにする。
反対に、エレベータ乗りかご6が下降走行中に減速すると、調速機ロープ3の慣性がカウンタウェイト7の同期連結機構64に作用して、カウンタウェイト7用のOSGシステム52の安全装置54が無用に作動する恐れがある。したがって、この場合、急停止が行われてエレベータ乗りかご6の減速度がある減速度を超えると、カウンタウェイト7用のOSGシステム52の調速機ブレーキ55を作動させて、調速機ロープ53を制動する。そのため、調速機ロープ3の慣性が消散され、カウンタウェイト7用のOSGシステム52の同期連結機構64が安全装置54に無用に係合することはない。補完的方法、あるいは代替え的方法として、ブロック装置15が作動し、カウンタウェイト7用のOSGシステム52の同期連結機構64がブロックされて、調速機ロープ53の慣性が同期連結機構64を動作に十分な大きさであったとしても安全装置54が係合しないようにする。
以下に、第2の実施形態による制御機構について図8および図9を参照して述べる。
第1の実施形態では、本発明の安全装置無用作動回避制御装置は、エレベータ制御装置23とOSGシステム制御装置30の両方において共通の仕方で実現されている。すなわち、OSGシステム制御装置30は、エレベータ制御装置23から得たエレベータ速度に関する情報を利用してエレベータ制御装置23の安全回路21およびNTS装置22をモニタし、急停止が行われてエレベータ乗りかご6の減速度がある程度になったと判断することにより、安全装置の無用な作動に対する措置を行う。
これに対し、第2の実施形態では、調速機ブレーキ5および/またはブロック装置15がエレベータ制御装置203によって十分に制御される。そのため、図8に示すように、エレベータシステム1は、安全回路201、NTS装置202およびエレベータ制御装置203の他に、調速機ブレーキ制御装置204を備えている。第1の実施形態とは異なり第2の実施形態では、エレベータ制御装置モニタ装置32を備えた別のOSGブレーキ制御装置30が設けられていない。
図9は、図8に示すエレベータ制御装置203によって実行される制御手順を示すフローチャートである。工程S200によると、エレベータ制御装置203は、エレベータ乗りかご6が上昇または下降走行中か否かの判断を行い、走行方向信号を調速機ブレーキ制御装置204に送信してエレベータ乗りかご6が上昇走行中か下降走行中かを表示する。
また、エレベータ乗りかご制御装置203において、エレベータシステム1の安全回路201が開放されているか、すなわち安全回路201の安全スイッチの1つが開放されているか否かをモニタすることにより、エレベータ制御装置203による急停止を実行するようにする。さらに、エレベータ制御装置203において、NTS装置202が起動されたか否かをモニタすることにより、急停止を実行するようにする。どちらの例においても、急停止を行うことにより、エレベータ乗りかご6が大幅に減速する。
エレベータ制御装置203が安全回路201の開放またはNTS装置の作動を確認すると(工程S201のYES)、制御手順は工程S202に移行する。その他の場合は、制御手順は開始に戻る(工程S201のNOを参照)。
工程S202では、走行方向信号がエレベータ乗りかご6の上昇走行を示しているか否かを判断する。乗りかごの上昇走行を示すと(工程S202のYES)、制御手順は工程S203に進み、エレベータ乗りかご6用のOSGシステム2の調速機ブレーキ4が調速機ブレーキ制御装置204によって作動される。補完的実施形態、あるいは代替え的実施形態では、各ブロック装置15がブロック装置制御装置(図示せず)によって作動して、エレベータ乗りかご6用のOSGシステム2の同期連結機構14がブロックされる。
一方、走行方向信号がエレベータ乗りかご6の下降走行を示すと(工程S203のNO)、制御手順は工程S204に移行し、カウンタウェイト7用のOSGシステム52の調速機ブレーキ55が調速機ブレーキ制御装置204によって作動される。補完的方法、あるいは代替え的方法として、各ブロック装置15がブロック装置制御装置(図示せず)によって作動して、カウンタウェイト7用のOSGシステム52の同期連結機構64がブロックされる。
このような制御により、エレベータ制御装置203は、ある程度のエレベータ乗りかご6の減速を招き得るエレベータ乗りかご6の急停止の事象の存否を判断する。また、エレベータ乗りかご6が上昇走行中に減速されると、調速機ロープ3の慣性がエレベータ乗りかご6の同期連結機構に作用することで、エレベータ乗りかご6用のOSGシステムの安全装置4の無用な作動が起こる可能性がある。そのため、この場合は、急停止が行われてエレベータ乗りかご6の減速度が許容減速度を超えると、エレベータ乗りかご6用のOSGシステムの調速機ロープ3がエレベータ乗りかご6用のOSGシステムの調速機ブレーキ5によって制動される。その結果、調速機ロープ3の慣性が消散されるため、エレベータ乗りかご6用のOSGシステムの同期連結機構14が安全装置4を無用に作動させることはない。補完的方法、あるいは代替え的方法として、ブロック装置15を作動させて同期連結機構14の動作をブロックすることにより、調速機ロープ3の慣性が同期連結機構14の動作に十分な大きさであっても、安全装置が係合しないようにする。
これに対し、エレベータ乗りかご6が下降走行中に減速されると、調速機ロープ3の慣性がカウンタウェイト7の同期連結機構64に作用して、カウンタウェイト7用のOSGシステム52の安全装置54の無用な作動が起こる可能性がある。そこで、この場合、急停止が行われ、この急停止によりエレベータ乗りかご6の減速度が所定の減速度を超えると、カウンタウェイト7用のOSGシステム52の調速機ブレーキ55が作動され、カウンタウェイト7用のOSGシステム52の調速機ロープ53が制動される。したがって、調速機ロープ53の慣性が消散されるため、カウンタウェイト7用のOSGシステム52の同期連結機構64が安全装置54に無用に係合することはない。補完的方法、あるいは代替え的方法として、ブロック装置15を作動させて同期連結機構64の動作をブロックすることにより、調速機ロープ53の慣性が同期連結機構64を動作させるのに十分な大きさであっても、安全装置が係合しないようにする。
第1の実施形態に見られるように、エレベータ制御装置203は、追加的に、エレベータ速度が所定の速度制限値を超えるか否かの判断を工程S200において行ってもよい。この変形例では、工程S201は、実際のエレベータ速度が所定の速度制限値を超えた場合にのみ実行されるものである。それ以外の場合は、制御手順を終了する。そのため、調速機ブレーキ5および/またはブロック装置15は、急停止によってエレベータ速度が所定の速度制限値を上回った場合にのみ、作動される。よって、急停止時における減速度が大きいためにこれに応じて調速機ロープ3の慣性が大きくなり、安全装置4が無用に作動する恐れがある場合にのみ、調速機ブレーキ5またはブロック装置15が作動される。したがって、エレベータ速度が所定の速度制限値を下回り、安全装置の無用な作動が起こる恐れがない場合、調速機ブレーキ5またはブロック装置15を作動させなくてよい。
上記所定の速度制限値は、例えば0.5m/sでよい。
以下に、第3の実施形態による制御手順について、図10および図11を参照して述べる。
第1および第2の実施形態とは対照的に、第3の実施形態では、調速機ブレーキ5および/またはブロック装置15は、OSGブレーキ制御装置300によって十分に制御される。そのため、図10に示すように、OSGブレーキ制御装置300は、エレベータ動作検出装置301および調速機ブレーキ制御部302を備えている。
エレベータ動作検出装置301は、速度センサ、加速度計またはジャイロスコープでよく、エレベータ速度、エレベータの走行方向、ならびにエレベータ乗りかご6およびカウンタウェイト7の加速度および減速度、ひいては調速機ロープ3、53の加速度および減速度を導出するか、もしくは検出するのに適している。
図11は、図10のOSGブレーキ制御装置300によって実行される制御のフローチャートを示す。工程S300によると、エレベータ動作検出装置301は、エレベータ乗りかご6が上昇走行中か下降走行中かを判断して、エレベータ乗りかご6の減速を検出する。
工程S301では、エレベータ乗りかご6の減速度が所定の減速度制限値を超えたか否かの判断を行う。減速度が所定の減速度制限値を超えたことが検出されると、制御手順は工程S302に進む。それ以外の場合は、制御を終了する。
工程S302では、エレベータ乗りかご6が上昇走行したか否かの判断が行われる。上昇走行した場合(工程S302のYES)、制御手順は工程S303に進み、エレベータ乗りかご6用のOSGシステム2の調速機ブレーキ5が調速機ブレーキ制御装置302によって作動される。補完的方法、あるいは代替え的方法として、ブロック装置制御装置(図示せず)によって各ブロック装置15を作動させることで、エレベータ乗りかご6用のOSGシステム2の同期連結機構14をブロックする。
これに対し、エレベータ乗りかご6が下降走行したと判断されると(工程S302のNO)、制御手順は工程S304に移行し、カウンタウェイト7用のOSGシステム52の調速機ブレーキ55が調速機ブレーキ制御装置302によって作動される。補完的方法、あるいは代替え的方法として、ブロック装置制御装置(図示せず)によって各ブロック装置15を作動させることで、カウンタウェイト7用のOSGシステム52の同期連結機構64をブロックする。
このような制御により、エレベータ動作検出装置301は、エレベータ乗りかご6の減速度が所定の減速度制限値を上回っているか否かの判断をする。また、エレベータ乗りかご6が上昇走行中に減速されると、調速機ロープ3の慣性がエレベータ乗りかご6の同期連結機構14に作用するため、エレベータ乗りかご6用のOSGシステムの安全装置の無用な作動が起こる可能性がある。そこで、この場合、エレベータ乗りかご6の減速度が急停止により所定の減速度制限値を超えると、エレベータ乗りかご6用のOSGシステムの調速機ブレーキ5を作動させることで、エレベータ乗りかご6用のOSGシステム2の調速機ロープ3を制動する。その結果、調速機ロープ3の慣性が消散されるため、エレベータ乗りかご6用のOSGシステムの同期連結機構14が安全装置4に無用に係合することはない。補完的方法、あるいは代替え的方法として、ブロック装置15を作動させて、同期連結機構14の動作をブロックすることにより、調速機ロープ3の慣性が同期連結機構14を作動させるのに十分な大きさであったとしても、安全装置4が係合しないようにする。
これに対し、エレベータ乗りかご6が下降走行中に減速されると、調速機ロープ3の慣性はカウンタウェイト7の同期連結機構64に作用するため、カウンタウェイト7用のOSGシステム52の安全装置54の無用な作動が起こる恐れがある。したがって、この場合、エレベータ乗りかご6が急停止により所定の減速度制限値を超えると、カウンタウェイト7用のOSGシステム52の調速機ブレーキ55を作動させてカウンタウェイト7用のOSGシステム52の調速機ロープ53を制動する。その結果、調速機ロープ53の慣性が消散され、カウンタウェイト7用のOSGシステム52の同期連結機構64が安全装置54に無用に係合することはない。補完的方法、あるいは代替え的方法として、ブロック装置15を作動させることで、調速機ロープ53の慣性が同期連結機構64を作動させるのに十分な大きさであったとしても、同期連結機構64の動作をブロックすることができる。
第3の実施形態によるシステムは、エレベータ制御システムから十分に独立している。例えば、第3の実施形態における制御は、調速機ブレーキ5、55または同期連結機構14、64のブロック装置15に対して直接実現される。
上述の実施形態では、エレベータシステムは、安全回路およびNTS装置を有している。しかし、変形例によると、エレベータシステムは、安全回路およびNTS装置のどちらか一方のみを有している。
上述の実施形態では、エレベータ乗りかごの走行方向を判断し(図6のS1、図7のS14、図9のS200およびS202、ならびに図11のS300およびS302を参照)、エレベータ乗りかごの走行方向に応じてエレベータ乗りかごもしくはカウンタウェイトに対し調速機ブレーキを作動させるか、またはエレベータ乗りかごの走行方向に応じて、エレベータ乗りかごもしくはカウンタウェイトに対し安全装置の同期連結機構をブロックする。ただし、上述の実施形態の変形例では、走行方向の判断を行う工程を省略することも可能であり、エレベータ乗りかごおよびカウンタウェイトの両方に対して調速機ブレーキを作動させてもよく、または安全回路が開放された場合、NTS装置が起動された場合、もしくはエレベータの減速度が所定の制限値を超えた場合に、エレベータ乗りかごおよびカウンタウェイトの両方に対して安全装置の同期連結機構をブロックしてもよい。
実施例の説明
上述の各実施形態によると、調速機ロープの運動エネルギーを吸収する方法の1つとして、別のブレーキを用いてOSGプーリおよび/または張力ウェイト転向プーリを停止させ、ロープ牽引力によって調速機ロープを減速させる。その際、プーリを牽引する能力は、以下の式から得られるロープ力によって決まる。
調速機プーリにおける牽引力
Figure 0006885842
上記の式を解くことで、減速時の牽引力およびエネルギーが得られる。
Figure 0006885842
張力ウェイトプーリに関しても同様の式を適用できるが、ここでは調速機ロープの質量はゼロである。
したがって、吸収されるエネルギーの総量は、次の通りである。
Figure 0006885842
以下に、2つの異なる走行高さにおけるプーリ牽引力吸収力の計算例を示す。
Figure 0006885842
同期連結機構14を含む過速度調速機システム2の急停止のシミュレーションを行った。エレベータ乗りかご6の走行距離は750mとし、定格速度は10m/sとした。急停止時の線形減速度は5m/s2と仮定する。シミュレーションは、昇降路内の異なる3カ所の位置、すなわち昇降路の底部、中央部および頂部で行った。また、別の調速機ロープブレーキ5がある場合とない場合とで、シミュレーションを行った。制動力の選択は、上記の式で計算した通り、ならびに表1に示す通りである。したがって、OSG牽引力に対し1538Nを用い、張力ウェイトの転向プーリに対しては884Nを用いた。同期連結機構14は、OSGロープから得られる力1100Nが安全装置を作動させるのに十分な大きさとなるような寸法とした。
図13ないし図15は同期レバー角度を時間関数として示し、エレベータの急停止はt=0sで付勢する。下側の横線は同期レバーの下限値(正常位置)を示し、上部の横線は安全装置が作動したと考えられる角度を示す。シミュレーションでは、安全装置の制動動作は考慮しない。すなわち、安全装置のウエッジ/ブレーキパッドとエレベータガイドレールの間の接触は含まれない。
OSGシステムがこのような別の調速機ブレーキを含まない場合、昇降路内の全同期位置において、安全装置が予期せずに作動する可能性がある。上述の昇降路位置のすべてにおいて、急停止が行われると、同期レバー角度がほぼ瞬時に上部の横線に達する。
このような別の調速機ブレーキが作動すると、同期レバー角度が上部横線に達しないため、安全装置が無用に作動することはあり得ない。
1 エレベータシステム
2、52 過速度調速機システム
3、53 調速機ロープ
4、54 安全装置
5、55 調速機ブレーキ
6、7 走行質量
15 同期連結機構ブロック装置

Claims (15)

  1. エレベータシステムの走行質量に連結された調速機ロープと、該走行質量を減速させて該走行質量の急停止を行う機械ブレーキと、該走行質量に取り付けられた安全装置と、該安全装置を作動させる同期連結機構と、該同期連結機構をブロックする同期連結機構ブロック装置、および/または前記調速機ロープを制動する調速機ブレーキとを有するエレベータシステムの過速度調速機システムにおける安全装置の無用な作動の回避方法において、該方法は、
    前記走行質量の急停止が行われたか否かを判断し、
    該走行質量の急停止が行われると、前記調速機ブレーキまたは前記同期連結機構ブロック装置を作動させることを含むことを特徴とするエレベータシステムの過速度調速機システムにおける安全装置の無用な作動の回避方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、前記エレベータシステムは、該エレベータシステムの安全性の低下を示すように構成された安全回路を含み、該方法はさらに、
    前記安全回路が安全性の低下を示しているか否かを判断し、
    該安全性の低下表示が存在すると、前記走行質量の急停止が行われたと推断することを含むことを特徴とする方法。
  3. 請求項1に記載の方法において、前記エレベータシステムは、前記走行質量を終着階で停止させる制御を行う制御装置と、該制御装置による該走行質量の終着階での停止が危険であると正常終着階減速信号を出力するように構成された正常終着階減速装置とを含み、該方法はさらに、
    前記正常終着階減速信号が出力されたか否かを判断し、
    該正常終着階減速信号が出力されると、前記走行質量の急停止が行われたと推断することを含むことを特徴とする方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の方法において、前記エレベータシステムは、それぞれが走行質量の役割を果たすエレベータ乗りかごおよびカウンタウェイトを含み、1つの過速度調速機システムが前記エレベータ乗りかご用に設けられ、別の過速度調速機システムが前記カウンタウェイト用に設けられ、該方法はさらに、
    前記エレベータ乗りかごが上に動いたか下に動いたかを判断し、
    該エレベータ乗りかごが上に動くと、該エレベータ乗りかごの過速度調速機システムの調速機ブレーキおよび/または同期連結機構ブロック装置を作動させ、
    前記エレベータ乗りかごが下に動くと、前記カウンタウェイトの過速度調速機システムの調速機ブレーキおよび/または同期連結機構ブロック装置を作動させることを含むことを特徴とする方法。
  5. エレベータシステムにおける安全装置の無用な作動を回避する安全装置無用作動回避制御装置において、該安全装置無用作動回避制御装置は、請求項1ないし4のいずれかに記載の方法の工程を実行するように構成されていることを特徴とする安全装置無用作動回避制御装置。
  6. エレベータシステムの走行質量に連結された少なくとも1本の調速機ロープを有する過速度調速機システムと、前記走行質量を減速させて該走行質量の急停止を行う機械ブレーキと、該走行質量に取り付けられた安全装置とを含み、前記調速機ロープを制動して前記エレベータシステムにおける安全装置の無用な作動を回避する調速機ブレーキにおいて、該調速機ブレーキはさらに、請求項5に記載の安全装置無用作動回避制御装置を含むことを特徴とする調速機ブレーキ。
  7. 請求項6に記載の調速機ブレーキにおいて、前記安全装置無用作動回避制御装置はさらに
    請求項2および3の少なくともいずれかに記載の方法の工程を実行するとともに、
    前記エレベータシステムに含まれる前記安全回路および/または前記正常終着階減速装置をモニタして、前記走行質量の急停止が行われた否かを推断するように構成されていることを特徴とする調速機ブレーキ。
  8. 請求項6に記載の調速機ブレーキにおいて、該調速機ブレーキはさらに、
    前記調速機ロープの減速を検出するエレベータ動作検出装置を含み、前記安全装置無用作動回避制御装置は、該エレベータ動作検出装置をモニタして前記走行質量の急停止が行われたか否かを推断するように構成されていることを特徴とする調速機ブレーキ。
  9. 請求項8に記載の調速機ブレーキにおいて、前記エレベータ動作検出装置は、
    前記調速機ロープの速度を測定するように構成された速度センサ、または
    該調速機ロープの減速度を測定するように構成された加速度計もしくはジャイロスコープであることを特徴とする調速機ブレーキ。
  10. エレベータシステムの走行質量に連結された少なくとも1本の調速機ロープを有する過速度調速機システムと、前記走行質量を減速させて該走行質量の急停止を行う機械ブレーキと、該走行質量に取り付けられた安全装置と、該安全装置を作動させる同期連結機構と、該同期連結機構をブロックする同期連結機構ブロック装置および/または前記調速機ロープを制動する調速機ブレーキと、請求項5に記載の安全装置無用作動回避装置とを含むことを特徴とするエレベータシステム。
  11. 請求項10に記載のエレベータシステムにおいて、該エレベータシステムはさらにエレベータ制御装置を含み、前記安全装置無用作動回避制御装置は該エレベータ制御装置に組み込まれていることを特徴とするエレベータシステム。
  12. 請求項10に記載のエレベータシステムにおいて、前記過速度調速機システムはさらにOSGブレーキ制御装置を含み、前記安全装置無用作動回避制御装置は該OSGブレーキ制御装置に組み込まれていることを特徴とするエレベータシステム。
  13. 請求項10に記載のエレベータシステムにおいて、
    該エレベータシステムは、それぞれが走行質量の役割を果たすエレベータ乗りかごおよびカウンタウェイトを含み、1つの過速度調速機システムが該エレベータ乗りかご用に設けられ、別の過速度調速機システムがカウンタウェイト用に設けられ、
    該エレベータシステムはさらにエレベータ制御装置を含み、前記調速機システムはさらに前記安全装置無用作動回避制御装置を構成するOSGブレーキ制御装置を含み、
    前記エレベータ制御装置は、前記エレベータ乗りかごが上昇走行しているか下降走行しているかを判断し、さらに該エレベータ乗りかごの走行速度が所定の速度制限値を超えているか否かを判断するように構成され、
    前記エレベータ制御装置は、前記エレベータ乗りかごの走行速度が前記所定速度制限値を超えると、作動信号および走行方向信号を前記OSGブレーキ制御装置に送るように構成され、
    該OSGブレーキ制御装置は、前記作動信号および走行方向信号を受信すると、
    前記走行質量の急停止が行われたか否かを判断し、該走行質量の急停止が行われた場合、
    前記走行方向信号が前記エレベータ乗りかごの上昇走行を示していれば、該エレベータ乗りかご用の過速度調速機システムの前記調速機ブレーキおよび/または前記同期連結機構ブロック装置を作動させ、
    前記走行方向信号が前記エレベータ乗りかごの下降走行を示していれば、前記カウンタウェイト用の過速度調速機システムの前記調速機システムまたは前記同期連結機構ブロック装置を作動させるように構成されていることを特徴とするエレベータシステム。
  14. 請求項10ないし13のいずれかに記載のエレベータシステムにおいて、
    前記過速度調速機システムはさらに過速度調速機プーリおよび張力ウェイトプーリを含み、
    前記調速機ブレーキは、該過速度調速機プーリに作用する制動装置、前記調速機ロープに作用する制動装置、または前記張力ウェイトプーリに作用する制動装置であることを特徴とするエレベータシステム。
  15. 同期連結機構をブロックしてエレベータシステムの安全装置の無用な作動を回避する同期連結機構ブロック装置において、前記エレベータシステムは、前記同期連結機構を介して該エレベータシステムの走行質量に連結された少なくとも1本の調速機ロープと、該走行質量を減速させて該走行質量の急停止を行う機械ブレーキと、該走行質量に取り付けられた安全装置とを含み、該同期連結機構ブロック装置はさらに、請求項5に記載の安全装置無用作動回避制御装置を含むことを特徴とする同期連結機構ブロック装置。
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