JP6885560B2 - モルヒナン誘導体及びその医薬用途 - Google Patents

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Description

本発明は、オレキシン受容体に対し優れた選択性及び拮抗作用を有する、モルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩、及びその医薬用途に関する。
オレキシンは、脳視床下部外側野で産生される脳内神経ペプチドであり、前駆体であるプレプロオレキシンから酵素的に切り出されるオレキシンA(以下、「OX−A」;33アミノ酸残基)及びオレキシンB(以下、「OX−B」;28アミノ酸残基)の2種類が知られている。また、オレキシンの受容体には、2種類のGタンパク質共役型受容体であるオレキシン1(以下、「OX1」)受容体及びオレキシン2(以下、「OX2」)受容体が知られており、OX1受容体はGqに共役し、OX2受容体はGq及びGi/oに共役すると考えられている。OX−Aは、OX1受容体及びOX2受容体を同程度の効力で活性化するのに対して、OX−Bは、比較的OX2受容体を選択的に活性化する(非特許文献1)。オレキシンの関与が推定されている生理学的な作用は、OX1受容体及びOX2受容体の一方又は両方を介して発現していると考えられる。
オレキシンは、生命にとって必須である摂食行動の制御と睡眠・覚醒の維持において重要な役割を果たすことが知られており、エネルギー代謝及び糖代謝調節に関わっている。例えば、マウスやラットを絶食させるとオレキシンの発現量が増加し、マウスやラットにオレキシンを脳内投与すると摂食量が増加することが観察されている。また、オレキシンは、ヒトの代謝状態に応じて覚醒レベルや情動を変化させることにより、摂食を引き起こす因子であり、肥満や摂食障害、睡眠障害等多くの病態生理に関与すると考えられることが報告されている(非特許文献2、3)。ナルコレプシーは、日中の過剰な眠気、情動脱力発作、入眠時幻覚及び睡眠麻痺を特徴とする睡眠障害であり、注意欠陥多動障害(ADHD)様の症状も観察される疾患であるが、オレキシン神経系の機能不全により発症することが報告されている(非特許文献4)。
オレキシン受容体拮抗薬が、マウスのうつ病モデルにおいて抗うつ様の作用を示すことも報告されている(非特許文献5)。また、OX1受容体ノックアウトマウスやOX1受容体拮抗薬を用いた最近の研究では、OX1受容体に対して阻害作用を有する化合物がエタノール、ニコチン、コカイン、カンナビノイド及びモルヒネといった薬物の嗜癖及び乱用、過食症、不安症に対する治療剤の候補となる可能性が示されている(非特許文献6)。さらに、OX1受容体に対して阻害作用を有する化合物がパニック発作及びその予期不安等のパニック障害の治療剤候補となり得ることも報告されている(非特許文献7)。
さらには、オレキシン受容体が、うつ;不安症;耽溺性;強迫性障害;情動性神経症;抑うつ性神経症;不安神経症;気分変調障害;行動障害;気分障害;性機能障害;精神性機能障害;性的機能不全;統合失調症;躁うつ;せん妄;認知症;重症精神遅滞及び運動障害(例えばハンチントン病及びトゥレット症候群等);摂食障害(例えば食欲不振、食欲亢進、悪疫及び肥満等);耽溺性摂食行動(例えば過食/嘔吐摂食行動);心血管系疾患;糖尿病;食欲/味覚障害;嘔吐;吐くこと;吐き気;喘息;癌;パーキンソン病;クッシング症候群/疾患;好塩基性腺腫;プロラクチノーマ;高プロラクチン血症;下垂体腫瘍/腺腫;視床下部疾患;炎症性腸疾患;胃ジスキネジア;胃潰瘍;フレーリッヒ症候群;アドレノハイポフィジス疾患;下垂体疾患;アドレノハイポフィジス機能低下;アドレノハイポフィジス機能亢進;視床下部性性腺機能低下症;カルマン症候群(例えば無臭覚症及び嗅覚低下);機能性又は精神性無月経;下垂体機能低下症;視床下部性甲状腺機能低下症;視床下部性副腎機能不全;特発性高プロラクチン血症;成長ホルモン欠乏の視床下部障害;特発性発育不全;小人症;巨人症;先端巨大症;生体及びサーカディアンリズムの障害;神経障害;神経障害性疼痛及びレストレスレッグス症候群等の疾患と関連する睡眠障害;心及び肺の疾患;急性及びうっ血性心不全;低血圧;高血圧;尿閉;骨粗しょう症;狭心症;心筋梗塞;虚血性又は出血性脳卒中;くも膜下出血;潰瘍;アレルギー;良性前立腺肥大症;慢性腎不全;腎臓疾患;耐糖能低下;偏頭痛;痛覚過敏;疼痛;痛覚過敏、灼熱痛及び異痛症などの疼痛に対する増強又は過剰な過敏症;急性痛;灼熱痛;非定型顔面痛;神経障害性疼痛;背痛;複合性局所凍雨痛症候群I及びII;関節痛;スポーツ傷害痛;感染(例えばHIV)に関する疼痛;化学療法後疼痛;脳卒中後疼痛;術後疼痛;神経痛;過敏性腸症候群等の内臓痛及びアンギナと関連する状態;膀胱失禁(例えば緊急失禁);麻薬に対する耐性又は麻薬からの離脱;睡眠障害;睡眠時無呼吸;ナルコレプシー;不眠症;錯眠;時差ぼけ症候群;疫病分類学的事象を含む神経変性障害(例えば、脱抑制−認知症−パーキンソン病−筋萎縮の複合疾患;淡蒼球−橋−黒質変性);てんかん;発作性疾患並びにオレキシン系機能不全に関する他の疾患等の様々な病態に関与し得ることが報告されている(特許文献1)。
従って、オレキシン受容体の拮抗作用を示す化合物は、睡眠障害、糖尿病患者で観察される肥満を含む肥満、摂食障害、不安症、うつ病、薬物依存症、強迫性障害及び注意欠陥多動障害(ADHD)、その他のオレキシン受容体に関連する様々な疾患、症状の予防剤又は治療剤として大きな期待が寄せられている。
オレキシン受容体拮抗作用を示す化合物としては種々の化合物が知られているが、例えば、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン誘導体である(2R)−2−{(1S)−6,7−ジメトキシ−1−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)エチル]−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル}−N−メチル−2−フェニルアセトアミド(almorexant)が不眠症治療薬として臨床開発されていた(特許文献2)。
また、ジアゼパン化合物である[(7R)−4−(5−クロロ−1,3−ベンゾキサゾール−2−イル)−7−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン(suvorexant、特許文献3)や、シクロプロパン化合物である(1R,2R)−2−{[2,4−ジメチルピリミジン−5−イル)オキシ]メチル}−2−(3−フルオロフェニル)−N−(5−フルオロピリジン−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド等もオレキシン受容体拮抗作用を示す不眠症治療薬として知られている(特許文献4)。さらに、非特許文献1には、OX受容体拮抗活性を有する種々の化合物が開示されている。
一方、非特許文献8には、強力なオピオイドκ受容体作動性(特許文献5)、ORL1受容体拮抗作用(特許文献6)及び薬物依存症治療作用(特許文献7)を示す特定のモルヒナン構造を有する化合物が、弱いOX1受容体拮抗活性を示すことが開示されている。
国際公開 第13/181174号パンフレット 国際公開 第05/118548号パンフレット 国際公開 第08/069997号パンフレット 国際公開 第12/039371号パンフレット 国際公開 第93/015081号パンフレット 特開2000−53572号公報 国際公開 第99/011289号パンフレット
Boss C and Roch C,Recent trends in orexin research−2010 to 2015. Bioorg.Med.Chem.Lett., Vol.25,p.2875−2887,2015. 原 淳子 他著、「オレキシン−摂食行動と覚醒システムをリンクする物質−」、生体の科学 62巻1号、2011年2月、p.31−36. 恒枝 宏史 他著、「オレキシンによる代謝調節機構」、日本薬理学雑誌、142巻、2013年、p.316−317. 伊藤 弘道 他著、「5歳発症のナルコレプシーの1例」、日本小児科学会雑誌 116巻11号、2012年、p.1728−1732. Nollet M, et al., Neurogenesis−Independent Antidepresssant−Like Effects on Behavior and Stress Axis Response of a Dual Orexin Receptor Antagonist in a Rodent Model of Depression. Neuropsychopharmacology, Vol.37,p.2210−2221,2012. Pich EM and Melotto S, Orexin 1 receptor antagonists in compulsive behavior and anxiety:possible therapeutic use. Front.Neurosci., Vol.8,p.1−6,2014. Johnson PL, et al., Orexin 1 receptors are a novel target to modulate panic responses and the panic brain network, Physiol.Behav., Vol.105,p.733―742,2012. 斉藤 毅 他著、「ナルフラフィンの新規受容体対する親和性」、第32回メディシナルケミストリーシンポジウム講演要旨集、p.74、1P−11、2014年、公益社団法人 日本薬学会 医薬化学部会 発行.
しかしながら、従来公開されている特許文献1〜7及び非特許文献1〜8には、オレキシン受容体に対する優れた選択性及び拮抗作用を示す、特定の構造を有するモルヒナン誘導体類については開示も示唆もされていない。
そこで本発明は、オレキシン受容体に関連する様々な疾患、症状の治療又は予防に有用な、新規のモルヒナン骨格を有する化合物を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、モルヒナン骨格を有する化合物の中でも特定の構造を有する化合物又はその薬理学的に許容される酸付加塩が、オレキシン受容体に対する優れた選択性及び拮抗作用を発現することを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、以下の(1)〜(10)に関する。
(1)下記一般式(I)で示されるモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩。
Figure 0006885560
[式中、L−L−Lは、C(R)−CH−CH、C(R)−CH=CH又はC=CH−CHを表し、ここでRは、水素、ヒドロキシ、ニトロ、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜5のアルキル、アミノ、モノアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ジアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、炭素数1〜5のアルカンアミド、ベンズアミド又は炭素数7〜14のアリールアルカンアミドを表し;
Aは、−C(=O)−又は−SO−を表し;
は、炭素数1〜7の直鎖若しくは分岐アルキル、炭素数3〜6のシクロアルキル、炭素数4〜7のシクロアルキルアルキル、炭素数4〜6のシクロアルケニル、炭素数5〜7のシクロアルケニルアルキル、炭素数7〜13のアラルキル、炭素数4〜7のアルケニル、アリル、アニリノ、スチリル、又は下記の基本骨格IIの何れか基を表し、ここで、下記基本骨格II中、QはN、O若しくはSを表し、TはCH、NH、S若しくはOを表し、lは0〜5の整数を表し、m及びnはそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、mとnの合計は5以下であり、Rが表す上記基本骨格IIの何れかの基は、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アミノ、モノアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ジアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、N,N−ジアルキルカルバモイル(アルキル部の炭素数は1〜5)、アミジノ、グアニジノ、イソチオシアナート、トリフルオロメチル、フェニル、トリフルオロメトキシ及びメチレンジオキシからなる群から選ばれる少なくとも一種の置換基により置換されていてもよく;
Figure 0006885560
及びRは、共に水素を表すか、何れか一方が水素で他方がヒドロキシを表すか、又は一緒になってオキソを表し;
は、水素、ヒドロキシ、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数3〜7のアルケニルオキシ、炭素数7〜13のアラルキルオキシ又は炭素数1〜5のアルカノイルオキシを表し;
とRは、結合して−O−を表し
は、水素、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、又は炭素数7〜13のアラルキルを表し;
は、−N(R10)C(=O)−又は−NR10−を表し、ここでR10は水素、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐アルキルを表し;
は、原子価結合、炭素数1〜14の直鎖若しくは分岐アルキレン(ただし、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アミノ、モノアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ジアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、アミジノ、グアニジノ、トリフルオロメチル、フェニル及びフェノキシからなる群から選ばれた少なくとも一種の置換基により置換されていてもよく、1〜3個のメチレン基がカルボニル基で置き換わっていてもよい);二重結合及び/若しくは三重結合を1〜3個含む炭素数2〜14の直鎖若しくは分岐の、二価の非環状不飽和炭化水素基(ただし炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アミノ、モノアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ジアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、アミジノ、グアニジノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フェニル及びフェノキシからなる群から選ばれた少なくとも一種の置換基により置換されていてもよく、1〜3個のメチレン基がカルボニル基で置き換わっていてもよい);又はチオエーテル結合、エーテル結合及び/若しくはアミノ結合(−N(H)−)を1〜5個含む炭素数1〜14の直鎖若しくは分岐の、二価の飽和若しくは不飽和炭化水素基(ただし、上記チオエーテル結合、エーテル結合又はアミノ結合を構成するヘテロ原子は直接Bに結合することはなく、1〜3個のメチレン基がカルボニル基又はスルホニル基で置き換わっていてもよい)を表し;
は、水素又は下記の基本骨格IIIの何れか基を表し、ここで、下記基本骨格III中、QはN、O若しくはSを表し、TはCH、NH、S若しくはOを表し、lは0〜5の整数を表し、m及びnはそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、mとnの合計は5以下であり、Rが表す上記基本骨格IIIの何れかの基は、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アミノ、モノアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ジアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ニトロ、シアノ、イソチオシアナート、トリフルオロメチル、フェニル、フェノキシ、トリフルオロメトキシ及びメチレンジオキシからなる群から選ばれる少なくとも一種の置換基により置換されていてもよく;
Figure 0006885560

上記一般式(I)は(+)体、(−)体、(±)体を包含する]
(2)L−L−Lが、C(R)−CH−CH(ここでRは上記定義と同じである)又はC=CH−CH である、(1)記載のモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩。
(3)Rが、下記の基本骨格の何れか基である、(1)又は(2)記載のモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩。
Figure 0006885560
(4)Rが、下記の基本骨格の何れか基である、(1)〜(3)のいずれかに記載のモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩。
Figure 0006885560
(5)Rが、炭素数1〜5のアルコキシ若しくは炭素数7〜13のアラルキルオキシである、(1)〜(4)のいずれかに記載のモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩。
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載のモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩を有効成分として含有する、医薬。
(7)(1)〜(5)のいずれかに記載のモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩を有効成分として含有する、医薬組成物。
(8)(1)〜(5)のいずれかに記載のモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩を有効成分として含有する、オレキシン受容体拮抗剤。
(9)(1)〜(5)のいずれかに記載のモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩を有効成分として含有する、薬物依存症の治療剤又は予防剤。
10)薬物依存症の治療又は予防に用いるための、下記一般式(I)で示されるモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩。
Figure 0006885560
[式中、L−L−Lは、C(R)−CH−CH、C(R)−CH=CH又はC=CH−CHを表し、ここでRは、水素、ヒドロキシ、ニトロ、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜5のアルキル、アミノ、モノアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ジアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、炭素数1〜5のアルカンアミド、ベンズアミド又は炭素数7〜14のアリールアルカンアミドを表し;
Aは、−C(=O)−又は−SO−を表し;
は、炭素数1〜7の直鎖若しくは分岐アルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル、炭素数4〜7のシクロアルキルアルキル、炭素数4〜6のシクロアルケニル、炭素数5〜7のシクロアルケニルアルキル、炭素数7〜13のアラルキル、炭素数4〜7のアルケニル、アリル、アニリノ、スチリル、又は下記の基本骨格IIの何れか基を表し、ここで、下記基本骨格II中、QはN、O若しくはSを表し、TはCH、NH、S若しくはOを表し、lは0〜5の整数を表し、m及びnはそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、mとnの合計は5以下であり、Rが表す上記基本骨格IIの何れかの基は、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アミノ、モノアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ジアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、N,N−ジアルキルカルバモイル(アルキル部の炭素数は1〜5)、アミジノ、グアニジノ、イソチオシアナート、トリフルオロメチル、フェニル、トリフルオロメトキシ及びメチレンジオキシからなる群から選ばれる少なくとも一種の置換基により置換されていてもよく;
Figure 0006885560
及びRは、共に水素を表すか、何れか一方が水素で他方がヒドロキシを表すか、又は一緒になってオキソを表し;
は、水素、ヒドロキシ、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数3〜7のアルケニルオキシ、炭素数7〜13のアラルキルオキシ又は炭素数1〜5のアルカノイルオキシを表し;
とRは、結合して−O−を表し
は、水素、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、又は炭素数7〜13のアラルキルを表し;
は、−N(R10)C(=O)−又は−NR10−を表し、ここでR10は水素、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐アルキルを表し;
は、原子価結合、炭素数1〜14の直鎖若しくは分岐アルキレン(ただし、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アミノ、モノアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ジアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、アミジノ、グアニジノ、トリフルオロメチル、フェニル及びフェノキシからなる群から選ばれた少なくとも一種の置換基により置換されていてもよく、1〜3個のメチレン基がカルボニル基で置き換わっていてもよい);二重結合及び/若しくは三重結合を1〜3個含む炭素数2〜14の直鎖若しくは分岐の、二価の非環状不飽和炭化水素基(ただし炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アミノ、モノアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ジアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、アミジノ、グアニジノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フェニル及びフェノキシからなる群から選ばれた少なくとも一種の置換基により置換されていてもよく、1〜3個のメチレン基がカルボニル基で置き換わっていてもよい);又はチオエーテル結合、エーテル結合及び/若しくはアミノ結合(−N(H)−)を1〜5個含む炭素数1〜14の直鎖若しくは分岐の、二価の飽和若しくは不飽和炭化水素基(ただし、上記チオエーテル結合、エーテル結合又はアミノ結合を構成するヘテロ原子は直接Bに結合することはなく、1〜3個のメチレン基がカルボニル基又はスルホニル基で置き換わっていてもよい)を表し;
は、水素又は下記の基本骨格IIIの何れか基を表し、ここで、下記基本骨格III中、QはN、O若しくはSを表し、TはCH、NH、S若しくはOを表し、lは0〜5の整数を表し、m及びnはそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、mとnの合計は5以下であり、Rが表す上記基本骨格IIIの何れかの基は、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アミノ、モノアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ジアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ニトロ、シアノ、イソチオシアナート、トリフルオロメチル、フェニル、フェノキシ、トリフルオロメトキシ及びメチレンジオキシからなる群から選ばれる少なくとも一種の置換基により置換されていてもよく;
Figure 0006885560


前記一般式(I)は(+)体、(−)体、(±)体を包含する]

本発明に係るモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩は、オレキシン受容体に対し優れた選択性及び拮抗活性を有するため、オレキシン受容体に関連する様々な疾患及び症状に対する予防剤又は治療剤として有用である。
マウスのモルヒネ身体依存形成に対する実施例45の化合物(化合物26)の効果を示す図(体重減少)である。*印は、統計学的に有意(p<0.05)であることを示す。 モルヒネ身体依存マウスの離脱症状に対する実施例45の化合物(化合物26)の効果を示す図(体重減少)である。*印は、統計学的に有意(p<0.05)であることを示す。
本発明のモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩は、下記一般式(I)で示される。
Figure 0006885560
一般式(I)中、L−L−Lは、C(R)−CH−CH、C(R)−CH=CH又はC=CH−CHを表し、ここでRは、水素、ヒドロキシ、ニトロ、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜5のアルキル、アミノ、モノアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ジアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、炭素数1〜5のアルカンアミド、ベンズアミド又は炭素数7〜14のアリールアルカンアミドを表す。中でも、L−L−Lとしては、C(R)−CH−CH(ここでRは上記定義と同じである)又はC=CH−CHであるのが好ましい。
Aは、−C(=O)−又は−SO−を表す。
は、炭素数1〜7、好ましくは炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐アルキル、炭素数3〜6、好ましくは炭素数3〜5のシクロアルキル、炭素数4〜7のシクロアルキルアルキル、炭素数4〜6のシクロアルケニル、炭素数5〜7のシクロアルケニルアルキル、炭素数7〜13のアラルキル、炭素数4〜7のアルケニル、アリル、又は下記の基本骨格IIの何れかを含む有機基を表す。
Figure 0006885560
上記基本骨格II中、QはN、O若しくはSを表し、TはCH、NH、S若しくはOを表し、lは0〜5の整数を表し、m及びnはそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、mとnの合計は5以下である。
が表す、上記基本骨格IIの何れかを含む有機基としては、フェニル基、ナフチル基又はキノリニル基などの、上記基本骨格IIの何れかの環から水素を除いて誘導される一価の基、又は、スチリル基(CCH=CH−)又はア二リノ基(CN(H)−)などの、上記基本骨格IIの何れかが有する側鎖から水素を除いて誘導される一価の基が挙げられる。
中でも、Rは、下記の基本骨格の何れかを含む有機基であるのが好ましい。
Figure 0006885560
が表す、上記基本骨格IIの何れかを含む上記有機基は、炭素数1〜5、好ましくは炭素数1〜3のアルキル、炭素数1〜5、好ましくは炭素数1〜3のアルコキシ、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アミノ、モノアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5、好ましくは1〜3)、ジアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5、好ましくは1〜3)、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、N,N−ジアルキルカルバモイル(アルキル部の炭素数は1〜5、好ましくは1〜3)、アミジノ、グアニジノ、イソチオシアナート、トリフルオロメチル、フェニル、トリフルオロメトキシ及びメチレンジオキシからなる群から選ばれる少なくとも一種の置換基により置換されていてもよい。中でも、上記基本骨格II自体が、上記の群から選ばれる少なくとも一種の置換基により置換されている有機基が好ましい。
及びRは、共に水素を表すか、何れか一方が水素で他方がヒドロキシを表すか、又は一緒になってオキソを表すが、中でも、共に水素を表すものが好ましい。
は、水素、ヒドロキシ、炭素数1〜5、好ましくは炭素数1〜3のアルコキシ、炭素数3〜7のアルケニルオキシ、炭素数7〜13のアラルキルオキシ又は炭素数1〜5のアルカノイルオキシを表すが、中でも、炭素数1〜5のアルコキシ又は炭素数7〜13のアラルキルオキシであるのが好ましい。
とRは、結合して−O−、−S−若しくは−CH−を表すか、又はRが水素で、Rが水素、ヒドロキシ、炭素数1〜5のアルコキシ若しくは炭素数1〜5のアルカノイルオキシを表すが、中でも、RとRが結合して−O−であるのが好ましい。
は、水素、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、又は炭素数7〜13のアラルキルを表すが、中でも水素であるのが好ましい。
は、−N(R10)C(=O)−又は−NR10−を表し、ここでR10は水素、炭素数1〜5、好ましくは炭素数1〜3の直鎖若しくは分岐アルキルを表す。
は、原子価結合、炭素数1〜14、好ましくは炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐アルキレン(ただし、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アミノ、モノアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ジアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、アミジノ、グアニジノ、トリフルオロメチル、フェニル及びフェノキシからなる群から選ばれた少なくとも一種の置換基により置換されていてもよく、1〜3個のメチレン基がカルボニル基で置き換わっていてもよい);二重結合及び/若しくは三重結合を1〜3個含む炭素数2〜14、好ましくは炭素数2〜5の直鎖若しくは分岐の、二価の非環状不飽和炭化水素基(ただし炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アミノ、モノアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ジアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、アミジノ、グアニジノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フェニル及びフェノキシからなる群から選ばれた少なくとも一種の置換基により置換されていてもよく、1〜3個のメチレン基がカルボニル基で置き換わっていてもよい);又はチオエーテル結合、エーテル結合及び/若しくはアミノ結合(−N(H)−)を1〜5個含む炭素数1〜14の直鎖若しくは分岐の、二価の飽和若しくは不飽和炭化水素基(ただし、上記チオエーテル結合、エーテル結合又はアミノ結合を構成するヘテロ原子は直接Bに結合することはなく、1〜3個のメチレン基がカルボニル基又はスルホニル基で置き換わっていてもよい)を表す。
なお、Bが−NR10−(但し、R10は上記定義と同じ)を表す場合には、Bは−C(=O)N(H)−、−C(=O)N(H)CH−及び−S(=O)N(H)−から選ばれる基を表すことが好ましい。
は、水素又は下記の基本骨格IIIの何れかを含む有機基を表す。
Figure 0006885560
上記基本骨格III中、QはN、O若しくはSを表し、TはCH、NH、S若しくはOを表し、lは0〜5の整数を表し、m及びnはそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、mとnの合計は5以下である。
が表す、上記基本骨格IIIの何れかを含む有機基としては、フェニル基又はフリル基などの、上記基本骨格IIIの何れかの環から水素を除いて誘導される一価の基が挙げられる。
としては、中でも、下記の基本骨格の何れかを含む有機基が好ましい。
Figure 0006885560
が表す、上記基本骨格IIIの何れかを含む有機基は、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アミノ、モノアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ジアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ニトロ、シアノ、イソチオシアナート、トリフルオロメチル、フェニル、フェノキシ、トリフルオロメトキシ及びメチレンジオキシからなる群から選ばれる少なくとも一種の置換基により置換されていてもよい。
上記一般式(I)は(+)体、(−)体、(±)体を包含する。
本発明の一般式(I)で示されるモルヒナン誘導体は以下の方法により製造することができる。例えば、一般式(I)中のAが「−SO−」であり、Rが上記基本骨格IIIの内の「2−フリル基」である、(E)−3−(フラン−3−イル)−N−[(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−4a−ヒドロキシ−9−メトキシ−3−(フェニルスルホニル)−2,3,4,4a,5,6,7,7a−オクタヒドロ−1H−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−7−イル]−N−メチルアクリルアミド(化合物6)は、下記の反応スキーム1の工程(1)及び(2)により製造することができる。
Figure 0006885560
上記スキーム1の工程(1)においては、例えば、Chem.Pharm.Bull.,Vol.52,No.6,p.670−674,2004に記載の方法に従って合成した化合物4を、アルゴン雰囲気下、塩化水素−メタノールに溶解させ、室温で所定時間撹拌する。次いで、反応混合物を減圧下にて濃縮し、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び炭酸カリウムを加えた後、2−プロパノール/クロロホルムで抽出する。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下にて濃縮する。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製することにより、化合物5が得られる。
次いで、上記スキーム1の工程(2)において、アルゴン雰囲気下、化合物5を無水ジクロロメタン等の溶媒に溶解させ、トリエチルアミンを加えて得られた溶液に、氷冷下でベンゼンスルホニルクロリドを加えた後、室温で所定時間撹拌する。次いで、反応混合物をジクロロメタン等の溶媒で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下にて濃縮する。得られた粗生成物を分取薄層クロマトグラフィーにて精製することにより、化合物6を製造することができる。
上記スキーム1の工程(1)で合成した化合物5と所望の構造のスルホニルクロリドを用い、上記スキームの工程(2)と同様の手法を用いることにより、一般式(I)中のAが「−SO−」で示される種々の構造のモルヒナン誘導体を製造することができる。
また、一般式(I)中のAが「−C(=O)−」である化合物は、上記スキーム1の工程(2)において、ベンゼンスルホニルクロリドの代わりに所望の構造の酸塩化物を用いることにより、一般式(I)の種々の構造のモルヒナン誘導体を製造することができる。
例えば、一般式(I)中のAが「−SO−」であり、Rが上記基本骨格IIIの内の「フェニル基」である、N−[(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−4a−ヒドロキシ−9−メトキシ−3−(フェニルスルホニル)−2,3,4,4a,5,6,7,7a−オクタヒドロ−1H−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−7−イル]−N−メチルシンナミド(化合物14)は、下記の反応スキーム2の工程(1)〜工程(4)により製造することができる。
Figure 0006885560
上記スキーム2の工程(1)においては、例えば、Chem.Pharm.Bull.,Vol.52,No.6,p.670−674,2004に記載の方法に従って合成した化合物3を、アルゴン雰囲気下、塩化水素−メタノールに溶解させた後、室温で所定時間撹拌する。さらに50℃付近で所定時間撹拌した後、反応混合物を減圧下にて濃縮し、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、2−プロパノール/クロロホルムで抽出する。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下にて濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、化合物11を得ることができる。
上記スキーム2の工程(2)においては、上記反応スキーム1の工程(2)において、化合物5の代わりに化合物11を用いたこと以外は、同様の手法を用いることにより化合物12を得ることができる。
上記スキーム2の工程(3)においては、工程(2)で得られた化合物12をTHF等の溶媒に溶解させ、5%パラジウム−活性炭素を加え、水素雰囲気下、室温で所定時間撹拌する。次いで、反応混合物をセライト濾過し、濾液を減圧下にて濃縮する。得られた粗生成物を再びTHF等の溶媒に溶解させ、5%パラジウム−活性炭素を加え、水素雰囲気下、室温で所定時間撹拌する。反応混合物をセライト濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、化合物13を得ることができる。
上記スキーム2の工程(4)においては、アルゴン雰囲気下、工程(3)で得られた化合物13を無水ジクロロメタン等の溶媒に溶解させ、トリエチルアミンを加える。得られた溶液に、氷冷下でシンナモイルクロリドを加えた後、室温で所定時間撹拌する。次いで、反応混合物をジクロロメタン等の溶媒で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下にて濃縮する。得られた粗生成物を分取薄層クロマトグラフィーにて精製し、化合物14を製造することができる。
また、上記スキーム2の工程(4)において、化合物13と所望の構造の酸塩化物やイソシアネートを用い、工程(4)と同様の手法を用いることにより、一般式(I)の種々の構造のモルヒナン誘導体を製造することができる。
本発明における薬理学的に許容される酸付加塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩若しくはリン酸塩などの無機酸塩、酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、グルタル酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マンデル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩若しくはフタル酸塩などの有機カルボン酸塩、又はメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩若しくはカンファースルホン酸塩などの有機スルホン酸塩などが挙げられる。中でも塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、酒石酸塩又はメタンスルホン酸塩などが好ましく用いられるが、これらに限られるものではない。
本発明のオレキシン受容体拮抗剤は、上記一般式(I)で示されるモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩を有効成分として含有し、オレキシン受容体に対して拮抗作用を有する薬剤であれば特に限定されない。オレキシン受容体は、Gタンパク質共役型受容体であり、OX1受容体とOX2受容体の2種類のサブタイプが存在する。本発明のオレキシン受容体拮抗剤が有効成分として含む一般式(I)で示されるモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩は、OX1受容体又はOX2受容体のいずれか一方、又は両方に対して拮抗作用を有していればよいが、中でも、OX1受容体に対し選択的に結合して拮抗作用を有するものが好ましい。
オレキシン受容体への拮抗作用は、例えば、下記試験例1に記載する方法により、被験化合物及びOX−Aとの競合反応による細胞内カルシウムイオン濃度の変化を測定し、アンタゴニスト活性の濃度反応曲線から算出したIC50(50%阻害濃度)により確認することができる。
本発明のオレキシン受容体拮抗剤のOX1受容体又はOX2受容体のいずれかに対するIC50は、通常100μM以下であり、好ましくは10μM以下であり、更に好ましくは1.0μM以下である。中でも、本発明のオレキシン受容体拮抗剤のOX1受容体に対すIC50は、好ましくは1000nM以下であり、更に好ましくは700nM以下であり、特に好ましくは300nM以下である。
本発明のオレキシン受容体拮抗剤により治療又は予防が可能な疾患は、オレキシン受容体、好ましくはOX1受容体へのオレキシンリガンドの結合によって症状の発現が促進される疾患であり、本発明のオレキシン受容体拮抗剤を患者に投与することにより、患者体内で該リガンドと本発明の薬剤が競合し、本発明の薬剤がオレキシン受容体−リガンドの結合に拮抗的に作用することになるため、患者の症状を改善することができる。OX1受容体及びOX2受容体は、生命にとって必須である摂食行動の制御メカニズムと睡眠・覚醒の維持メカニズム、エネルギー代謝調節及び糖代謝調節において重要な役割を果たしている。従って、本発明により治療又は予防が可能な疾患又は症状としては、特に限定されないが、睡眠障害、糖尿病患者で観察される肥満を含む肥満、摂食障害、不安症、うつ病、薬物依存症、強迫性障害及び注意欠陥多動障害(ADHD)等を挙げることができ、薬物依存症の治療薬及び予防薬として好ましく用いられる。
本発明の治療薬又は予防薬が対象とする薬物依存症としては、麻薬依存症、覚醒剤依存症、ニコチン依存症、アルコール依存症、及び中枢神経系抑制剤依存症等を挙げることができる。上記依存症の原因となる薬物のうち、麻薬としては、モルヒネ、ヘロイン、コカイン及び大麻等が挙げられ、覚醒剤としてはアンフェタミン及びメタンフェタミン等が挙げられ、中枢神経系抑制剤としてはバルビツレート類やベンゾジアゼピン類等が挙げられる。本発明のオレキシン受容体拮抗剤は、中でも、ニコチン、アルコール、モルヒネ、及びコカインの薬物依存症に好ましい。
本発明のオレキシン受容体拮抗剤の優れた薬物依存症の治療及び予防作用は、適切な動物モデルを用いて評価することができる。例えば、下記試験例2及び3に記載する方法により、マウスに麻薬であるモルヒネを反復投与する薬物依存症モデルを用いて、オピオイド受容体拮抗薬であるナロキソンを投与した後に発現する退薬症候を観察する方法が挙げられる。
さらに、その他のオレキシン受容体に関連する様々な疾患又は症状も治療又は予防が可能である。
オレキシン受容体拮抗剤は、従来から不眠症等の睡眠障害の治療薬として用いられることが知られており、本発明における一般式(I)で示されるモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩も、睡眠障害の治療薬の有効成分として有用である。
本発明における睡眠障害としては、おもに不眠を訴える障害を示し、原発性不眠症、概日リズム睡眠障害による不眠、うつ病による不眠症、他の精神疾患に付随する不眠症、ストレスによる不眠症、身体疾患による不眠症及び物質(例えばアルコール、アンフェタミン類、抗不安薬、カフェイン、コカイン、オピオイド、鎮静剤及び催眠薬など)による不眠症などの二次的不眠症を含むがこれらに限定されるものではない。不眠症の症状には入眠障害、中途覚醒、早期覚醒及び熟眠障害がある。
本発明のオレキシン受容体拮抗剤は、一般式(I)で示されるモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩を、疾患の治療若しくは予防や、症状の減少若しくは抑制に対して従来用いられる1種以上の他の薬剤と組み合わせて投与することができる。他の薬剤を組み合わる方法としては、それぞれの薬剤を併用して投与してもよいし、合剤として投与してもよい。
一般式(I)で示されるモルヒナン誘導体又は薬理学的に許容される酸付加塩は、医薬品用途にまで純化され、必要な安全性試験に合格した後、そのままで医薬として、又は公知の薬理学的に許容される酸、担体、賦形剤などと混合した医薬組成物として、経口的又は非経口的に、哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、イヌ、サル、ウシ、ヒツジ又はヒ卜)、好ましくはヒトに対して投与することができる。経口投与における剤形は、錠剤、カプセル剤、口腔内崩壊剤、散剤、顆粒剤、シロップ剤又はゼリー剤などを選択でき、非経口的な投与としては静脈内急速注入、静脈内持続注入、筋肉内注射、皮下注射、皮内注射、テープ剤、パッチ剤などを選択できるが、これらに限られるものではない。
医薬組成物中の一般式(I)で示されるモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩の含量は、特に限定されないが、例えば経口剤の場合には、1服用あたり通常0.1μg〜100mgとなるように調製される。また、投与量は、患者の症状、年齢、体重、投与方法などに応じて適宜選択できるが、通常、成人1日当り、一般式(I)で示されるモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩の量として、0.1μg〜20mg、好ましくは1μg〜10mgであり、それぞれ1回又は数回に分けて投与することができる。
以下、本発明を比較例、実施例及び試験例に基づき具体的に説明し、一般式(I)で示されるモルヒナン誘導体及びその薬理学的に許容される酸付加塩の具体例を示すが、これらは本発明を限定するものではない。
以下の比較例及び実施例において使用する略語は、当業者に周知の慣用的な略語である。いくつかの略語を以下に示す。
COMU:(1−シアノ−2−エトキシ−2−オキソエチリデンアミノオキシ)ジメチルアミノ−モルホリノ−カルベニウムヘキサフルオロリン酸塩
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
THF:テトラヒドロフラン
プロトン核磁気共鳴スペクトルの化学シフトは、テトラメチルシランに対するδ(ppm)で記録し、カップリング定数はヘルツ(Hz)で記録した。カップリングパターンはs;シングレット、d;ダブレット、t;トリプレット、m;マルチプレット、br;ブロードである。
また、比較例及び実施例中の「室温」は約10℃〜約35℃を示し、「%」は特記しない限り重量パーセントを示す。
(比較例1)(E)−N−[(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−3−(シクロプロピルメチル)−4a,9−ジヒドロキシ−2,3,4,4a,5,6,7,7a−オクタヒドロ−1H−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−7−イル]−3−(フラン−3−イル)−N−メチルアクリルアミド塩酸塩(ナルフラフィン塩酸塩、化合物1)の合成:
Figure 0006885560
上記構造を有する化合物1を、Bioorg.Med.Chem.2008,16,9188−9201.に記載の方法に従って合成した。
(参考例1)(E)−N−[(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−3−(シクロプロピルメチル)−4a−ヒドロキシ−9−メトキシ−2,3,4,4a,5,6,7,7a−オクタヒドロ−1H−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−7−イル]−3−(フラン−3−イル)−N−メチルアクリルアミド塩酸塩(化合物2)の合成:
Figure 0006885560
アルゴン雰囲気下、ナルフラフィン(200mg,0.42mmol)を無水DMF(2.1mL)に溶解させ、炭酸カリウム(174mg,1.26mmol)及びヨードメタン(31μL,0.498mmol)を加えた。得られた溶液を遮光し、室温で18時間撹拌した後、反応混合物を水(6mL)にあけ、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を合わせ、水及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下にて濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(2−9%(v/v)メタノール/クロロホルム)にて精製し、表題化合物2のフリー体(169mg,82%)を無色アモルファスとして得た。これを塩化水素−酢酸エチル溶液を用いて塩酸塩とし、表題化合物2を得た。
(フリー体)
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):0.09-0.18(m,2H),0.50-0.59(m,2H),0.79-0.91(m,1H),1.40-1.73(m,4H),2.06-2.42(m,5H),2.64(dd,J=18.4,5.6Hz,1H),2.64-2.71(m,1H),3.02(s,2.4H),3.04(s,0.6H),3.06-3.18(m,2H),3.72-3.87(m,0.8H),3.81(s,2.4H),3.84(s,0.6H),4.39-4.55(s,0.2H),4.62(d,J=8.4Hz,0.8H),4.72(d,J=8.4Hz,0.2H),5.10(brs,1H),6.44-6.64(m,2.2H),6.67(d,J=8.4Hz,0.8H),6.72(d,J=8.4Hz,0.2H),6.80(d,J=8.4Hz,0.8H),7.36-7.62(m,3H).
MS(ESI)[M+H]+=491
(塩酸塩)
mp(dec.):235-240℃
元素分析:C29H34N2O5・HCl・0.2H2Oとして
計算値:C,65.64;H,6.72;N,5.28.
実測値:C,65.53;H,6.97;N,5.21.
(比較例2)tert−ブチル(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−7−[ベンジル(メチル)アミノ]−4a−ヒドロキシ−9−メトキシ−1,2,4,4a,5,6,7,7a−オクタヒドロ−3H−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−3−カルボキシレート(化合物3)の合成:
Figure 0006885560
上記構造を有する化合物3を、Chem.Pharm.Bull.,Vol.52,No.6,p.670−674,2004に記載の方法に従って合成した。
(参考例2)tert−ブチル(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−7−[(E)−3−(フラン−3−イル)−N−メチルアクリルアミド]−4a−ヒドロキシ−9−メトキシ−1,2,4,4a,5,6,7,7a−オクタヒドロ−3H−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−3−カルボキシレート(化合物4)の合成:
Figure 0006885560
上記構造を有する化合物4を、Chem.Pharm.Bull.,Vol.52,No.6,p.670−674,2004に記載の方法に従って合成した。
(実施例1)(E)−3−(フラン−3−イル)−N−[(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−4a−ヒドロキシ−9−メトキシ−3−(フェニルスルホニル)−2,3,4,4a,5,6,7,7a−オクタヒドロ−1H−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−7−イル]−N−メチルアクリルアミド(化合物6)の合成:
Figure 0006885560
工程(1)
(E)−3−(フラン−3−イル)−N−[(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−4a−ヒドロキシ−9−メトキシ−2,3,4,4a,5,6,7,7a−オクタヒドロ−1H−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−7−イル]−N−メチルアクリルアミド(化合物5)の合成:
アルゴン雰囲気下、化合物4(960mg,0.179mmol)を10%塩化水素−メタノール(10mL)に溶解させ、室温で25時間撹拌した。反応混合物を減圧下にて濃縮し、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)及び炭酸カリウム(1g)を加えた後、2−プロパノール/クロロホルム(1:3)で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下にて濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(アンモニア水:メタノール:クロロホルム=0:0:100→3:27:170)にて精製し、表題化合物5(753mg,96%)を淡黄色アモルファスとして得た。
H−NMR(400MHz,CDCl
δ(ppm):1.38-1.58(m,3H),1.69-1.81(m,1H),2.22-2.43(m,2H),2.66-2.80(m,1.3H),2.84(dd,J=12.0,4.4Hz,0.7H),2.93-3.30(m,3.7H),3.01(s,2.1H),3.12(s,0.9H),3.40-3.49(m,0.3H),3.70-3.80(m,0.7H),3.81(s,2.1H),3.86(s,0.9H),3.94-4.20(m,0.3H),4.63(d,J=8.0Hz,0.7H),4.89(d,J=8.0Hz,0.3H),6.42-6.51(m,1.4H),6.54-6.62(m,0.6H),6.68(d,J=8.4Hz,0.3H),6.71(d,J=8.4Hz,0.7H),6.77(d,J=8.4Hz,0.3H),6.82(d,J=8.4Hz,0.7H),7.35-7.62(m,3H).1H(OH)は検出されなかった。
MS(ESI)[M+Na]+=459
工程(2)
(E)−3−(フラン−3−イル)−N−[(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−4a−ヒドロキシ−9−メトキシ−3−(フェニルスルホニル)−2,3,4,4a,5,6,7,7a−オクタヒドロ−1H−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−7−イル]−N−メチルアクリルアミド(化合物6)の合成:
アルゴン雰囲気下、化合物5(30mg,0.0687mmol)を無水ジクロロメタン(0.7mL)に溶解させ、トリエチルアミン(30μL,0.215mmol)を加えた。得られた溶液に、氷冷下でベンゼンスルホニルクロリド(10.5μL,0.0823mmol)を加えた後、室温で2時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(5mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下にて濃縮した。得られた粗生成物を分取薄層クロマトグラフィー(メタノール:クロロホルム=1:20)にて精製し、表題化合物6(35.2mg,89%)を無色アモルファスとして得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):1.37-1.90(m,4H),2.13-2.40(m,2H),2.56(d,J=18.4Hz,0.3H),2.58(d,J=18.4Hz,0.7H),2.73(ddd,J=12.4,12.4,3.6Hz,1H),2.86(dd,J=18.4,5.2Hz,1H),2.99(s,2.1H),3.05(s,0.9H),3.13(s,1H),3.64-3.87(m,1.7H),3.78(s,2.1H),3.82(s,0.9H),4.11-4.23(m,1H),4.24-4.38(m,0.3H),4.60(d,J=8.0Hz,0.7H),4.74(d,J=8.0Hz,0.3H),6.40(d,J=14.8Hz,0.7H),6.40-6.63(m,2.3H),6.70(d,J=8.4Hz,0.3H),6.77(d,J=8.4Hz,0.7H),7.32-7.70(m,6H),7.79-7.90(m,2H).
MS(ESI)[M+Na]+=599
下記表に示す構造を有する実施例2−28の化合物は、実施例1の工程(1)で合成した化合物5と所望の構造のスルホニルクロリドを用い、実施例1の工程(2)と同様の手法により合成した。下記表に、各化合物のH−NMR及びMSデータを示す。
Figure 0006885560
Figure 0006885560
Figure 0006885560
Figure 0006885560
Figure 0006885560
Figure 0006885560
Figure 0006885560
(実施例29)3−({(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−7−[(E)−3−(フラン−3−イル)−N−メチルアクリルアミド]−4a−ヒドロキシ−9−メトキシ−1,2,4,4a,5,6,7,7a−オクタヒドロ−3H−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−3−イル}スルホニル)−N,N−ジメチルベンズアミド(化合物7)の合成:
Figure 0006885560
アルゴン雰囲気下、化合物5(30mg,0.0687mmol)を無水ジクロロメタン(0.7mL)に溶解させ、トリエチルアミン(30μL,0.215mmol)を加えた。得られた溶液に、氷冷下で3−(クロロスルホニル)安息香酸(10.5μL,0.0823mmol)を加えた後、室温で2時間撹拌した。反応溶液に無水DMF(0.7mL)を加え、氷冷下でCOMU(38.4mg,0.0897mmol)を加えた。5分後にジメチルアミン塩酸塩(7.8mg,0.0957mmol)を加え、室温で26時間撹拌した。反応混合物を1M塩酸(5mL)にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下にて濃縮した。得られた粗生成物を分取薄層クロマトグラフィー(メタノール:クロロホルム=1:20)にて精製し、表題化合物7(35.3mg,79%)を淡茶色アモルファスとして得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):1.39-1.76(m,4H),2.13-2.38(m,2H),2.65(d,J=18.4Hz,1H),2.70-2.82(m,1H),2.93(dd,J=18.4,5.2Hz,1H),2.93-3.19(m,1H),2.99(s,5.1H),3.14(s,3.9H),3.63-3.85(m,1.7H),3.78(s,2.1H),3.82(s,0.9H),4.10-4.31(m,0.3H),4.17(d,J=5.2Hz,1H),4.60(d,J=8.0Hz,0.7H),4.75(d,J=8.0Hz,0.3H),6.40(d,J=15.2Hz,0.7H),6.40-6.46(m,0.7H),6.49(d,J=8.4Hz,0.3H),6.53-6.61(m,0.6H),6.55(d,J=8.4Hz,0.7H),6.70(d,J=8.4Hz,0.3H),6.78(d,J=8.4Hz,0.7H),7.34-7.72(m,5H),7.85-7.95(m,2H).
MS(ESI)[M+Na]+=670
(実施例30)(E)−N−[(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−3−{[2−(ジメチルアミノ)フェニル]スルホニル}−4a−ヒドロキシ−9−メトキシ−2,3,4,4a,5,6,7,7a−オクタヒドロ−1H−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−7−イル]−3−(フラン−3−イル)−N−メチルアクリルアミド(化合物8)の合成:
Figure 0006885560
アルゴン雰囲気下、(E)−3−(フラン−3−イル)−N−{(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−4a−ヒドロキシ−9−メトキシ−3−[(2−ニトロフェニル)スルホニル]−2,3,4,4a,5,6,7,7a−オクタヒドロ−1H−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−7−イル}−N−メチルアクリルアミド(105.6mg,0.170mmol)をジクロロメタン(3mL)及びエタノール(3mL)に溶解させ、濃塩酸(120μL)を加えた。得られた溶液を、撹拌しつつ40℃に昇温し、塩化スズ(II)(800mg,4.22mmol)を加え2時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)を加えてpH9とした後、析出物をセライト濾過した。セライト上の固形物をクロロホルム(100mL)で洗浄し、有機層を分離した後、水層をクロロホルムで抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下にて濃縮した。得られた粗生成物を酢酸(8mL)に溶解し、パラホルムアルデヒド(153mg)及び水素化シアノホウ素ナトリウム(106.8mg,1.7mmol)を加えた。得られた反応液を、アルゴン雰囲気下、40℃で3時間撹拌した後、減圧下にて濃縮した。残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてpH9とし、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下にて濃縮した。分取薄層クロマトグラフィー(アンモニア水:メタノール:クロロホルム=1:9:400)にて精製し、表題化合物のフリー体(74.6mg,71%)を黄色油状物質として得た。これを塩化水素−メタノール溶液を用いて塩酸塩とし、表題化合物8を得た。
(フリー体)
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):1.20-1.33(m,0.7H),1.36-1.58(m,3.3H),1.58-1.75(m,1H),2.03-2.37(m,2H),2.75-3.24(m,6H),2.84(s,4.2H),3.00(s,1.8H),3.71-3.86(m,0.7H),3.80(s,2.1H),3.84(s,0.9H),4.10-4.24(m,1H),4.25-4.40(m,0.3H),4.58(d,J=8.0Hz,0.7H),4.68-4.81(m,0.6H),4.91-5.01(m,0.7H),6.39-6.88(m,4H),7.15-7.67(m,6H),8.07-8.19(m,1H).
MS(ESI)[M+H]+=620
(塩酸塩)
mp(dec.):129-130℃
元素分析:C33H37N3O7S・HCl・2H2Oとして
計算値:C,57.26;H,6.12;N,6.07.
実測値:C,57.04;H,6.06;N,5.98.
(実施例31及び実施例32)
出発原料として、(E)−3−(フラン−3−イル)−N−{(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−4a−ヒドロキシ−9−メトキシ−3−[(3−ニトロフェニル)スルホニル]−2,3,4,4a,5,6,7,7a−オクタヒドロ−1H−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−7−イル}−N−メチルアクリルアミド(実施例31)又は(E)−3−(フラン−3−イル)−N−{(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−4a−ヒドロキシ−9−メトキシ−3−[(4−ニトロフェニル)スルホニル]−2,3,4,4a,5,6,7,7a−オクタヒドロ−1H−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−7−イル}−N−メチルアクリルアミド(実施例32)を用い、実施例30と同様の手法により、下記表2に示した構造の化合物を合成した。
Figure 0006885560
(実施例33)(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−7−[(E)−3−(フラン−3−イル)−N−メチルアクリルアミド]−4a−ヒドロキシ−9−メトキシ−N−フェニル−1,2,4,4a,5,6,7,7a−オクタヒドロ−3H−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−3−カルボキサミド(化合物9)の合成:
Figure 0006885560
実施例1の工程(2)において、ベンゼンスルホニルクロリドの代わりにフェニルイソシアネートを用いたこと以外は、同様の手法により合成を行い、表題化合物9(32.6mg,85%)を無色固体として得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):1.40-1.79(m,4H),2.18-2.35(m,1H),2.40(ddd,J=12.8,12.8,5.6Hz,1H),2.90-3.26(m,3H),3.00(s,2.1H),3.16(s,0.9H),3.23(s,0.7H),3.36(brs,0.3H),3.59-3.72(m,1H),3.73-3.89(m,0.7H),3.82(s,2.1H),3.86(s,0.9H),4.13-4.30(m,0.3H),4.50(d,J=5.2Hz,0.3H),4.58(d,J=5.2Hz,0.7H),4.64(d,J=7.6Hz,0.7H),4.81(d,J=7.6Hz,0.3H),6.40-6.50(m,1.4H),6.54-6.62(m,0.6H),6.62-6.75(m,2H),6.78(d,J=8.4Hz,0.3H),6.85(d,J=8.4Hz,0.7H),7.01-7.10(m,1H),7.25-7.62(m,7H).
MS(ESI)[M+Na]+=578
下記表に示す構造を有する実施例34−36の化合物は、実施例1の工程(2)において、ベンゼンスルホニルクロリドの代わりに所望の構造の酸塩化物を用いたこと以外は、同様の手法により合成した。下記表に、各化合物のH−NMR及びMSデータを示す。
Figure 0006885560
(実施例37)(E)−3−(フラン−3−イル)−N−[(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−4a−ヒドロキシ−9−メトキシ−3−(キノリン−6−カルボニル)−2,3,4,4a,5,6,7,7a−オクタヒドロ−1H−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−7−イル]−N−メチルアクリルアミド(化合物10)の合成:
Figure 0006885560
アルゴン雰囲気下、6−キノリンカルボン酸(14.3mg,0.0825mmol)を無水DMF(0.4mL)に懸濁させ、得られた溶液に、氷冷下でN,N−ジイソプロピルエチルアミン(36μL,0.207mmol)及びCOMU(36mg,0.0841mmol)を加えて撹拌した。5分後に化合物5(30mg,0.0687mmol)の無水DMF(0.4mL)溶液を加え、室温で19時間撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5mL)にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下にて濃縮した。得られた粗生成物を分取薄層クロマトグラフィー(メタノール:クロロホルム=1:20)にて精製し、表題化合物10(35.5mg,87%)を無色アモルファスとして得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):1.24-1.79(m,4H),2.01-2.51(m,3H),2.68-2.85(m,0.2H),2.86-3.19(m,5.2H),3.25(dd,J=18.4,5.6Hz,0.6H),3.47-3.68(m,1H),3.68-3.92(m,3.6H),3.99-4.10(m,0.2H),4.18-4.70(m,1.2H),4.74-4.88(m,0.3H),5.14(d,J=3.6Hz,0.7H),6.34-6.90(m,4H),7.33-7.64(m,4H),7.76(d,J=8.4Hz,0.7H),7.83-8.09(m,1.3H),8.09-8.23(m,2H),8.92-9.01(m,1H).
MS(ESI)[M+Na]+=614
(実施例38)N−[(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−4a−ヒドロキシ−9−メトキシ−3−(フェニルスルホニル)−2,3,4,4a,5,6,7,7a−オクタヒドロ−1H−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−7−イル]−N−メチルシンナミド(化合物14)の合成:
Figure 0006885560
工程(1)
(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−7−[ベンジル(メチル)アミノ]−9−メトキシ−1,2,3,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−4aH−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−4a−オール(化合物11)の合成:
アルゴン雰囲気下、化合物3(1.92g,3.79mmol)を10%塩化水素−メタノール(10mL)に溶解させ、室温で37時間撹拌した。さらに50℃で7時間撹拌した後、反応混合物を減圧下にて濃縮した。残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)を加え、2−プロパノール/クロロホルム(1:3)で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下にて濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(アンモニア水:メタノール:クロロホルム=0:0:100→3:27:170)にて精製し、表題化合物11(1.53g,99%)を無色アモルファスとして得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):1.36(ddd,J=13.6,11.6,4.0Hz,1H),1.44-1.59(m,2H),1.68(ddd,J=13.6,4.0,4.0Hz,1H),1.90-2.04(m,1H),2.27-2.38(m,1H),2.32(s,3H),2.60(ddd,J=11.6,6.8,4.4Hz,1H),2.74(ddd,J=12.8,12.8,4.0Hz,1H),2.90(dd,J=12.8,4.0Hz,1H),3.08(dd,J=18.4,5.6Hz,1H),3.14(d,J=18.4Hz,1H),3.37(d,J=4.0Hz,1H),3.70(d,J=14.0Hz,1H),3.77(d,J=14.0Hz,1H),3.88(s,3H),4.76(d,J=6.8Hz,1H),6.61(d,J=8.4Hz,1H),6.72(d,J=8.4Hz,1H),7.16-7.24(m,1H),7.25-7.32(m,2H),7.33-7.40(m,2H).2H(NH,OH)は検出されなかった。
MS(ESI)[M+H]+=407
工程(2)
(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−7−[ベンジル(メチル)アミノ]−9−メトキシ−3−(フェニルスルホニル)−1,2,3,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−4aH−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−4a−オール(化合物12)の合成:
実施例3の工程(2)において、化合物5の代わりに化合物11(1.5g,3.69mmol)を用いたこと以外は、同様の手法により表題化合物12(1.8g,89%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):1.32(ddd,J=12.8,12.8,3.2Hz,1H),1.48-1.59(m,2H),1.64(ddd,J=12.8,4.0,4.0Hz,1H),1.98(dddd,12.8,12.8,12.8,3.2Hz,1H),2.24(ddd,J=12.8,12.8,5.6Hz,1H),2.33(s,3H),2.51-2.64(m,2H),2.75(ddd,J=12.8,12.8,3.2Hz,1H),2.84(dd,J=18.4,5.6Hz,1H),3.20(brs,1H),3.60-3.72(m,2H),3.76(d,J=14.0Hz,1H),3.85(s,3H),4.14(d,J=5.6Hz,1H),4.72(d,J=6.8Hz,1H),6.41(d,J=8.4Hz,1H),6.65(d,J=8.4Hz,1H),7.17-7.23(m,1H),7.23-7.31(m,2H),7.31-7.39(m,2H),7.51-7.58(m,2H),7.58-7.65(m,1H),7.80-7.90(m,2H).
MS(ESI)[M+H]+=547
工程(3)
(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−9−メトキシ−7−(メチルアミノ)−3−(フェニルスルホニル)−1,2,3,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−4aH−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−4a−オール(化合物13)の合成:
化合物12(1.35g,2.47mmol)をTHF(13.5mL)に溶解させ、5%パラジウム−活性炭素(デグサタイプ)(330mg)を加え、水素雰囲気下、室温で47時間撹拌した。反応混合物をセライト濾過し、濾液を減圧下にて濃縮した。得られた粗生成物を再びTHF(13.5mL)に溶解させ、5%パラジウム−活性炭素(デグサタイプ)(500mg)を加、水素雰囲気下、室温で37.5時間撹拌した。反応混合物をセライト濾過し、濾液を減圧下にて濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(アンモニア水:メタノール:クロロホルム=1:9:95→3:27:170)にて精製し、表題化合物13(913mg,81%)を無色固体として得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):1.30-1.42(m,1H),1.46-1.59(m,2H),1.61-1.77(m,2H),2.30(ddd,J=12.8,12.8,5.6Hz,1H),2.44(s,3H),2.54(ddd,J=9.2,4.4,4.4Hz,1H),2.65(d,J=18.4Hz,1H),2.80(ddd,J=12.8,12.8,4.0Hz,1H),2.92(dd,J=18.4,5.6Hz,1H),3.62(dd,J=12.8,5.6Hz,1H),3.85(s,3H),4.22(d,J=5.6Hz,1H),4.39(d,J=5.6Hz,1H),6.48(d,J=8.0Hz,1H),6.70(d,J=8.0Hz,1H),7.47-7.65(m,3H),7.81-7.93(m,2H).2H(NH,OH)は検出されなかった。
MS(ESI)[M+H]+=457
工程(4)
N−[(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−4a−ヒドロキシ−9−メトキシ−3−(フェニルスルホニル)−2,3,4,4a,5,6,7,7a−オクタヒドロ−1H−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−7−イル]−N−メチルシンナミド(化合物14)の合成:
アルゴン雰囲気下、化合物13(20mg,0.0438mmol)を無水ジクロロメタン(440μL)に溶解させ、トリエチルアミン(18.5μL,0.133mmol)を加えた。得られた溶液に、氷冷下でシンナモイルクロリド(9.2mg,0.0552mmol)を加えた後、室温で2時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(5mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下にて濃縮した。得られた粗生成物を分取薄層クロマトグラフィー(アセトン:n−ヘキサン=1:1)にて精製し、表題化合物14(20mg,78%)を無色アモルファスとして得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):1.38-1.80(m,4H),2.14-2.40(m,2H),2.57(d,J=18.4Hz,0.3H),2.58(d,J=18.4Hz,0.7H),2.68-2.80(m,1H),2.88(dd,J=18.4,5.6Hz,1H),2.93-3.09(m,1H),3.01(s,2.1H),3.16(s,0.9H),3.64-3.90(m,1.70H),3.71(s,2.1H),3.83(s,0.9H)4.11-4.23(m,1H),4.23-4.40(m,0.3H),4.62(d,J=8.0Hz,0.7H),4.76(d,J=8.0Hz,0.3H),6.46(d,J=8.0Hz,0.3H),6.52(d,J=8.0Hz,0.7H),6.68(d,J=15.2Hz,0.7H),6.70(d,J=8.4Hz,0.3H),6.75(d,J=8.4H,0.7H),6.86(d,J=15.2Hz,0.3H),7.24-7.43(m,4H),7.48-7.71(m,5H),7.79-7.90(m,2H).
MS(ESI)[M+Na]+=609
(実施例39及び実施例40)
化合物13と所望の構造の酸塩化物を用い、実施例38の工程(4)と同様の手法により、下記表4に示した構造の化合物を合成した。
Figure 0006885560
(実施例41及び実施例42)
化合物13と所望の構造のイソシアネートを用い、実施例38の工程(4)と同様の手法により、下記表5に示した構造の化合物を合成した。
Figure 0006885560
(実施例43)
N−[(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−4a−ヒドロキシ−9−メトキシ−3−(フェニルスルホニル)−2,3,4,4a,5,6,7,7a−オクタヒドロ−1H−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−7−イル]−N−メチル−N’−フェニルスルファミド(化合物15)の合成:
Figure 0006885560
アルゴン雰囲気下、N−フェニルスルファミン酸(100mg,0.577mmol)に無水ベンゼン(5.8mL)及び五塩化リン(120mg,0.577mmol)を加え、24時間還流した。得られた溶液を放冷後、析出した固体を濾過により除去し、濾液を減圧下にて濃縮した。アルゴン雰囲気下、得られた粗生成物(79mg)の無水ジクロロメタン(880μL)溶液を、化合物21(20mg,0.0438mmol)、トリエチルアミン(115μL,0.824mmol)及び無水ジクロロメタン(440μL)の混合溶液に氷冷下で加えた。得られた溶液を室温で20時間撹拌した後、トリエチルアミン(115μL,0.824mmol)を加えてさらに20時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(5mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下にて濃縮した。得られた粗生成物を分取薄層クロマトグラフィー(アセトン:n−ヘキサン=2:3、次いでメタノール:クロロホルム=1:40)にて精製し、表題化合物15(19.5mg,73%)を無色アモルファスとして得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):1.38-1.54(m,2H),1.62(dd,J=12.8,2.8Hz,1H),1.69(ddd,J=12.8Hz,2.8,2.8Hz,1H),2.08(dddd,J=12.8,12.8,12.8,2.8Hz,1H),2.29(ddd,J=12.8,12.8,5.6Hz,1H),2.53(d,J=18.4Hz,1H),2.70-2.92(m,2H),2.79(s,3H),2.90(s,1H),3.71-3.85(m,2H),3.83(s,3H),4.14(d,J=5.6Hz,1H),4.64(d,J=8.0Hz,1H),6.52(d,J=8.4Hz,1H),6.74(d,J=8.4Hz,1H),7.09-7.19(m,1H),7.28-7.35(m,2H),7.40-7.47(m,2H),7.52-7.61(m,2H),7.61-7.68(m,1H),7.80-7.88(m,2H).1H(OH)は検出されなかった。
MS(ESI)[M+Na]+=634
(実施例44)(E)−3−(フラン−3−イル)−N−[(4R,7R,7aR,12bS)−9−メトキシ−3−(フェニルスルホニル)−2,3,4,6,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−7−イル]−N−メチルアクリルアミド(化合物18)の合成:
Figure 0006885560
工程(1)
(4R,7R,7aR,12bS)−N−ベンジル−9−メトキシ−N−メチル−3−(フェニルスルホニル)−2,3,4,6,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−7−アミン(化合物16)の合成:
アルゴン雰囲気下、化合物12(163mg,0.298mmol)を無水ピリジン(6mL)に溶解させ、氷冷下で撹拌しつつ塩化チオニル(220μL,3.02mmol)を加えた。得られた溶液を氷冷下で30分間撹拌した後、室温で6時間撹拌した。氷冷下で反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)をゆっくりと加え、次いで炭酸カリウム(2g)を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下にて濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(0−3%(v/v)メタノール/クロロホルム)にて精製し、表題化合物16(115mg,73%)を無色アモルファスとして得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):1.64(ddd,J=12.8,12.8,5.2Hz,1H),1.76-1.84(m,1H),1.93-2.10(m,2H),2.34(s,3H),2.67(ddd,J=10.4,10.4,5.2Hz,1H),2.79(d,J=18.0Hz,1H),2.95(dd,J=18.0,6.8Hz,1H),3.16(ddd,J=12.8,12.8,2.8Hz,1H),3.66-3.87(m,3H),3.89(s,3H),4.74(d,J=9.6Hz,1H),4.87(d,J=6.8Hz,1H),5.52-5.58(m,1H),6.49(d,J=8.4Hz,1H),6.68(d,J=8.4Hz,1H),7.11-7.37(m,5H),7.47-7.62(m,3H),7.81-7.88(m,2H).
MS(ESI)[M+H]+=529
工程(2)
(4R,7R,7aR,12bS)−9−メトキシ−N−メチル−3−(フェニルスルホニル)−2,3,4,6,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−7−アミン(化合物17)の合成:
化合物16(71mg,0.134mmol)をメタノール(4mL)に溶解させ、5%パラジウム−活性炭素(デグサタイプ)(75mg)を加えた。得られた溶液を、水素雰囲気下、室温で13時間撹拌した。反応混合物をセライト濾過し、濾液を減圧下にて濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(アンモニア水:メタノール:クロロホルム=1:9:95→1:9:30)にて精製し、表題化合物17(53.7mg,86%)を淡茶色アモルファスとして得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):1.69(ddd,J=12.8,12.8,5.2Hz,1H),1.79(ddd,J=12.8,3.6,1.6Hz,1H),2.00(ddd,J=16.0,11.6,1.6Hz,1H),2.41(ddd,J=16.0,6.8,5.2Hz,1H),2.53-2.68(m,1H),2.57(s,3H),2.91(d,J=18.4Hz,1H),3.00(dd,J=18.4,6.8Hz,1H),3.12-3.24(m,1H),3.69-3.77(m,1H),3.83(s,3H),4.63(d,J=9.2Hz,1H),4.91(d,J=6.8Hz,1H),5.52(dd,J=6.8,1.6Hz,1H),6.55(d,J=8.4Hz,1H),6.69(d,J=8.4Hz,1H),7.46-7.52(m,2H),7.53-7.59(m,1H)7.80-7.87(m,2H).1H(NH)は検出されなかった。
MS(ESI)[M+H]+=439
工程(3)
(E)−3−(フラン−3−イル)−N−[(4R,7R,7aR,12bS)−9−メトキシ−3−(フェニルスルホニル)−2,3,4,6,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−7−イル]−N−メチルアクリルアミド(化合物18)の合成:
実施例38の工程(4)において、化合物13の代わりに化合物17(20mg,0.0456mmol)を用いたこと以外は、同様の手法により表題化合物18(20.9mg,82%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):1.62-1.92(m,2H),2.01(ddd,J=16.4,6.8,4.8Hz,1H),2.22-2.55(m,1H),2.76-3.16(m,2H),2.96(s,1.8H),3.12(s,1.2H),3.18(ddd,J=12.8,12.8,3.2Hz,1H),3.64-3.89(m,1.6H),3.69(s,1.8H),3.80(s,1.2H),3.93-4.20(m,0.4H),4.59(d,J=10.0Hz,0.6H),4.92(d,J=6.4Hz,0.4H),4.96(J=7.2Hz,1H),5.58(d,J=6.4Hz,0.4H),5.62(d,J=6.4Hz,0.6H),6.10-6.18(m,1H),6.50-6.65(m,2H),6.68(d,J=8.4Hz,0.4H),6.75(d,J=8.4Hz,0.6H),7.31-7.65(m,6H),7.82-7.90(m,2H).
MS(ESI)[M+Na]+=581
(実施例45)(E)−N−[(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−3−{[2−(ジメチルアミノ)フェニル]スルホニル}−4a−ヒドロキシ−9−メトキシ−2,3,4,4a,5,6,7,7a−オクタヒドロ−1H−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−7−イル]−N−メチル−3−(ピリジン−2−イル)アクリルアミド(化合物25)の合成:
Figure 0006885560
工程(1)
(4’R,4a’S,7a’R,12b’S)−9’−メトキシ−3’−[(2−ニトロフェニル)スルホニル]−1’,2’,3’,4’,5’,6’−ヘキサヒドロ−4a’H,7a’H−スピロ[[1,3]ジオキソラン−2,7’−[4,12]メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン)−4a’−オール(化合物20)の合成:
アルゴン雰囲気下、(4’R,4a’S,7a’R,12b’S)−9’−メトキシ−1’,2’,3’,4’,5’,6’−ヘキサヒドロ−4a’H,7a’H−スピロ[[1,3]ジオキソラン−2,7’−[4,12]メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン]−4a’−オール(化合物19)(5.94g,17.2mmol)を無水ジクロロメタン(100mL)に溶解し、トリエチルアミン(6.0mL,43.0mmol)を加えた。氷冷下で2−ニトロベンゼンスルホニルクロリド(4.57g,20.6mmol)を加えた後、室温で1時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(80mL)を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下にて濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0→5%(V/V)メタノール/クロロホルム)にて精製し、表題化合物20(9.06g,99%)を黄色アモルファス固体として得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):1.47(ddd,J=13.6,3.6,3.6Hz,1H),1.52-1.63(m,3H),2.11(ddd,J=13.2,9.2,6.8Hz,1H),2.40(ddd,J=12.8,12.8,5.6Hz,1H),3.03(ddd,J=13.2,13.2,4.0Hz,1H),3.06-3.15(m,2H),3.19(d,J=18.4Hz,1H),3.74(dd,J=13.2,5.6Hz,1H),3.79(dd,J=12.8,6.8Hz,1H),3.87(s,3H),3.89(dd,J=13.2,6.8Hz,1H),3.96(d,J=4.8Hz,1H),4.01(dd,J=13.2,6.8Hz,1H),4.17(dd,J=12.8,6.8Hz,1H),4.51(s,1H),6.64(d,J=8.4Hz,1H),6.78(d,J=8.4Hz,1H),7.66-7.78(m,3H),8.14(dd,J=6.8,2.4Hz,1H).
MS(ESI)[M+Na]+=553
工程(2)
(4’R,4a’S,7a’R,12b’S)−3’−{[2−(ジメチルアミノ)フェニル]スルホニル}−9’−メトキシ−1’,2’,3’,4’,5’,6’−ヘキサヒドロ−4a’H,7a’H−スピロ[[1,3]ジオキソラン−2,7’−[4,12]メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン]−4a’−オール(化合物21)の合成:
アルゴン雰囲気下、4’R,4a’S,7a’R,12b’S)−9’−メトキシ−3’−[(2−ニトロフェニル)スルホニル]−1’,2’,3’,4’,5’,6’−ヘキサヒドロ−4a’H,7a’H−スピロ[[1,3]ジオキソラン−2,7’−[4,12]メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン]−4a’−オール(化合物20)(9.06g,17.1mmol)をエタノール(180mL)に懸濁し、水(36mL)、飽和塩化アンモニウム水溶液(25mL)及び鉄粉(9.6g,172mmol)を加えて90℃で撹拌した。1時間後に加熱を停止し、室温まで放冷後、反応混合物をセライト濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)を加えてクロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下にて濃縮した。アルゴン雰囲気下、得られた粗生成物を酢酸(200mL)に溶解し、パラホルムアルデヒド(12.8g,426mmol)及びシアノ水素化ホウ素ナトリウム(10.7g,170mmol)を加えて40℃で撹拌した。3時間後、反応混合物をセライト濾過し、濾液を減圧下にて濃縮した。残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(300mL)を加えてpH9とし、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下にて濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0→10%(V/V)メタノール/クロロホルム)にて精製し、表題化合物21(9.32g,97%)を無色アモルファス固体として得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):1.42-1.63(m,4H),2.10(ddd,J=12.8,12.8,5.6Hz,1H),2.24(ddd,J=13.6,13.6,3.6Hz,1H),2.83(s,6H),2.93(ddd,J=12.8,12.8,3.6Hz,1H),3.04(dd,J=18.4,4.8Hz,1H),3.07-3.14(m,1H),3.14(d,J=18.4Hz,1H),3.78(dd,J=12.8,6.8Hz,1H),3.87(s,3H),3.89(dd,J=13.6,6.8Hz,1H),4.01(dd,J=13.6,6.8Hz,1H),4.12-4.2(m,2H),4.53(s,1H),4.92(brs,1H),6.62(d,J=8.4Hz,1H),6.76(d,J=8.4Hz,1H),7.21-7.28(m,1H),7.37(dd,J=8.0,0.8Hz,1H),7.58(ddd,J=8.0,8.0,1.6 Hz,1H),8.13(dd,J=8.0,1.6Hz,1H).
MS(ESI)[M+Na]+=551
工程(3)
(4R,4aS,7aR,12bS)−3−{[2−(ジメチルアミノ)フェニル]スルホニル}−4a−ヒドロキシ−9−メトキシ−2,3,4,4a,5,6−ヘキサヒドロ−1H−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−7(7aH)−オン(化合物22)の合成:
アルゴン雰囲気下、4’R,4a’S,7a’R,12b’S)−3’−{[2−(ジメチルアミノ)フェニル]スルホニル}−9’−メトキシ−1’,2’,3’,4’,5’,6’−ヘキサヒドロ−4a’H,7a’H−スピロ([1,3]ジオキソラン−2,7’−[4,12]メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン)−4a’−オール(化合物21)をTHF(100mL)に溶解し、2M塩酸(100mL)を加えて90℃で撹拌した。9時間後に加熱を停止し、室温まで放冷後、反応混合物を減圧下にて濃縮した。残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(120mL)を加えてpH9とし、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下にて濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジオールシリカゲル、酢酸エチル:n−ヘキサン=1:5→1:2)で精製し、表題化合物22(5.4g,90%)を無色アモルファス固体として得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):1.53-1.69(m,2H),1.92(ddd,J=13.2,4.8,3.2Hz,1H),2.26(ddd,J=12.8,12.8,5.2Hz,1H),2.30(ddd,J=14.0,2.8,2.8Hz,1H),2.86(s,6H),2.92(ddd,J=12.8,12.8,3.6Hz,1H),2.99-3.17(m,3H),3.17(d,18.8Hz,1H),3.87(s,3H),4.29(d,J=5.2Hz,1H),4.64(s,1H),5.38(s,1H),6.65(d,J=8.4Hz,1H),6.73(d,J=8.4Hz,1H),7.23-7.30(m,1H),7.41(dd,J=8.0,0.8Hz,1H),7.62(ddd,J=8.0,8.0,1.6Hz,1H), 8.15(dd,J=8.0,1.6Hz,1H)
MS(ESI)[M+Na]+=507
工程(4)
(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−7−[ベンジル(メチル)アミノ]−3−{[2−(ジメチルアミノ)フェニル]スルホニル}−9−メトキシ−1,2,3,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−4aH−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−4a−オール(化合物23)の合成:
アルゴン雰囲気下、(4R,4aS,7aR,12bS)−3−{[2−(ジメチルアミノ)フェニル]スルホニル}−4a−ヒドロキシ−9−メトキシ−2,3,4,4a,5,6−ヘキサヒドロ−1H−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−7(7aH)−オン(化合物22)(1.07g,2.20mmol)をベンゼン(30mL)に溶解し、安息香酸(273mg,2.24mmol)及びN−ベンジルメチルアミン(0.57mL,4.41mmol)を加えた。ディーンスタークトラップを取り付け、水を除きつつ21時間還流し、その後減圧下にて濃縮した。アルゴン雰囲気下、残渣に無水メタノール(13mL)及び無水THF(20mL)を加えて溶解し、氷冷下で撹拌した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(167mg,2.65mmol)を加え、45分間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)及び飽和食塩水(20mL)を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下にて濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NHシリカゲル、酢酸エチル:n−ヘキサン=3:1)で精製し、表題化合物23(1.04g,80%)を無色アモルファス固体として得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):1.27-1.38(m,1H),1.47(dd,J=12.8,2.4Hz,1H),1.52-1.66(m,2H),1.92-2.11(m,2H),2.32(s,3H),2.57(ddd,J=12.4,7.6,4.8Hz,1H),2.83(s,6H),2.89(ddd,J=12.8,12.8,3.6Hz,1H),2.99(dd,J=18.4,5.2Hz,1H),3.09(d,J=18.4Hz,1H),3.09-3.17(m,1H),3.67(d,J=13.6Hz,1H),3.79(d,J=13.6Hz,1H),3.87(s,3H),4.11(d,J=4.8Hz,1H),4.68(d,J=8.0Hz,1H),4.73(s,1H),6.58(d,J=8.4Hz,1H),6.70(d,J=8.4Hz,1H),7.16-7.32(m,4H),7.37(d,J=7.6Hz,3H),7.55-7.61(m,1H),8.12(dd,J=7.6,1.2Hz,1H)
MS(ESI)[M+H]+=590
工程(5)
(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−3−{[2−(ジメチルアミノ)フェニル]スルホニル}−9−メトキシ−7−(メチルアミノ)−1,2,3,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−4aH−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−4a−オール(化合物24)の合成:
(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−7−[ベンジル(メチル)アミノ]−3−{[2−(ジメチルアミノ)フェニル]スルホニル}−9−メトキシ−1,2,3,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−4aH−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−4a−オール(化合物23)(698mg,1.18mmol)をメタノール(20mL)及びTHF(10mL)に溶解させ、5%パラジウム−活性炭素(デグサタイプ)(678mg)を加えた。水素雰囲気下、室温で7.5時間撹拌した後、反応混合物をセライト濾過し、濾液を減圧下にて濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(アンモニア水:メタノール:クロロホルム=1:9:490→1:9:40)にて精製し、表題化合物24(570mg,96%)を無色アモルファス固体として得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):1.34(ddd,J=12.8,12.8,3.2Hz,1H),1.45(dd,J=12.8,1.6Hz,1H),1.58-1.67(m,1H),1.68-1.89(m,2H),2.08(ddd,J=12.8,12.8,5.6Hz,1H),2.45-2.53(m,1H),2.51(s,3H),2.82(m,6H),2.89(ddd,J=12.8,12.8,3.2Hz,1H),3.04(dd,J=18.4,5.2,1H),3.06-3.14(m,1H),3.15(d,J=18.4Hz,1H),3.86(s,3H),4.15(d,J=5.2Hz,1H),4.46(d,J=6.8Hz,1H),6.64(d,J=8.4Hz,1H),6.74(d,J=8.4Hz,1H),7.20-7.26(m,1H),7.34-7.39(m,1H),7.55-7.61(m,1H),8.10-8.14(m,1H).2H(OH,NH)は検出されなかった。
MS(ESI)[M+H]+=500
工程(6)
(E)−N−[(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−3−{[2−(ジメチルアミノ)フェニル]スルホニル}−4a−ヒドロキシ−9−メトキシ−2,3,4,4a,5,6,7,7a−オクタヒドロ−1H−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−7−イル]−N−メチル−3−(ピリジン−2−イル)アクリルアミド(化合物25)の合成:
アルゴン雰囲気下、(4R,4aS,7R,7aR,12bS)−3−{[2−(ジメチルアミノ)フェニル]スルホニル}−9−メトキシ−7−(メチルアミノ)−1,2,3,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−4aH−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−4a−オール(化合物24)(229mg,0.461mmol)をDMF(8mL)に溶解し、3−(2−ピリジル)アクリル酸(75.7mg,0.508mmol)、HATU(437mg,1.15mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.25mL,1.38mmol)を加えた。室温で2時間撹拌後、反応液を酢酸エチル(70mL)にあけ、水(100mL×4)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下にて濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(アンモニア水:メタノール:クロロホルム=1:9:990→1:9:490)にて精製し、フリー体である表題化合物25(277mg,95%)を無色アモルファス固体として得た。得られたフリー体をメタノールに溶解し、硫酸のメタノール溶液を加えた後、ジエチルエーテルを加えて表題化合物25の二硫酸塩(化合物26)を析出させた。
Figure 0006885560
(フリー体(化合物25))
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):1.41-1.59(m,3H),1.62-1.75(m,1H),2.04-2. 37(m,2H),2.75-2.97(m,7H),2.98-3.24(m,6H),3.50(s,1.8H),3.81-3.92(m,1.8H),4.14(d,J=4.0Hz,0.4H),4.18(d,J=4.0Hz,0.6H),4.30-4.33(m,0.4H),4.57(d,J=7.6Hz,0.6H),4.71-4.80(m,0.8H),4.93(s,0.6H),6.60-6.71(m,1.6H),6.75(d,J=8.4Hz,0.4H),7.11-7.43(m,4.6H),7.48(d,J=15.2Hz,0.4H),7.54-7.73(m,3H),8.13(d,J=7.6Hz,1H),8.52(d,J=4.4Hz,0.6H),8.62(d,J=4.4Hz,0.4H).
MS(ESI)[M+H]+=631
(二硫酸塩(化合物26))
mp(dec.):217-220℃
元素分析:C34H38N4O6S・2H2SO4・4H2Oとして
計算値:C,45.43;H,5.61;N,6.23.
測定値:C,45.49;H,5.52;N,6.10.
(試験例1:オレキシン受容体拮抗活性の測定)
チャイニーズハムスター卵巣由来細胞株であるCHO細胞にNFAT−ルシフェラーゼ遺伝子及びヒトOX1R遺伝子又はヒトOX2R遺伝子をそれぞれ恒常的に発現させた細胞株(CHOOX1R,CHOOX2R)を樹立した。それらの細胞を96ウェルマルチプレート中に10,000個/ウェルで播種し、5%FBS(サーモサイエンティフィック社製)添加DMEM培地(シグマアルドリッチ社製)で、37℃、5%COの条件下に、48時間培養した。培地を除去後、5μM Fura−2AM(ケイマンケミカル社製)を含むアッセイ用緩衝液(20mM HEPES(シグマアルドリッチ社製)、Hanks’ balanced salt solution(ギブコ社製)、0.1%BSA(シグマアルドリッチ社製)、2.5mMプロベネシド酸(和光純薬工業社製)、pH7.4)を100μL添加し、37℃、5%COの条件下で、60分間インキュベートした。Fura−2AMを含む緩衝液を除去した後、アッセイ用緩衝液75μLを添加した。そこに種々の濃度の被験化合物及びOX−A(ペプチド研究所製)を含むアッセイ用緩衝液25μLを添加し、反応を開始した。反応による細胞内カルシウムイオン濃度の変化は、FDSS7000(浜松ホトニクス社製)を用いて、340nm及び380nmの二波長励起による蛍光波長510nMの蛍光強度比を測定することにより評価した。OX−Aを300pM添加したときの最大蛍光強度比を100%、アッセイ用緩衝液のみを添加したときの最大蛍光強度比を0%とし、OX−Aの300pM存在下で種々の濃度の被験化合物を添加した際の最大蛍光強度比の値から、拮抗活性の濃度反応曲線を作成し、非線形回帰曲線より50%阻害濃度(IC50)を算出した。なお、被験化合物は10mMとなるようにDMSOに溶解(DMSOの最終濃度は1%)した後、最終濃度が3.0×10−10M〜1.0×10−5M(公比3)となり、かつOX−Aが300pMになるようにアッセイ用緩衝液で希釈した。実験は、4ウェルで行い、その平均を各々の値として、1例のIC50を算出した。なお、例数が2例以上の場合は、その平均値をIC50とした。
比較例及び実施例で合成した化合物のIC50を表6に示す。表6の結果から明らかな通り、実施例1、2、3、4、5、8、11、15、18、20、21、23、25、27、28、32、34、35、38、41、42及び45の化合物は強力なヒトOX1受容体選択的拮抗活性を示した。一方、比較例1及び比較例2の化合物は極めて弱いヒトOX1受容体拮抗活性を示した。
Figure 0006885560
以上の結果から、本発明のモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩が、優れたヒトOX1受容体選択的拮抗活性を有することは明らかである。
(試験例2:薬物依存症予防作用の評価)
7週齢のICR系雄性マウスに生理食塩水で溶解したモルヒネ塩酸塩を漸増法により1日2回(投与間隔:約12時間)で4日間皮下投与した(1日目:8mg/kgと15mg/kg、2日目:20mg/kgと25mg/kg、3日目:30mg/kgと35mg/kg、4日目:40mg/kgと45mg/kg)。1日目〜4日目の各1回目のモルヒネ塩酸塩投与の30分前に実施例45の化合物(化合物26)10mg/kg又は溶媒である生理食塩水を腹腔内投与した。5日目に実施例45の化合物(化合物26)10mg/kg又は生理食塩水を皮下投与し、その30分後にモルヒネ塩酸塩を最終投与として45mg/kg皮下投与した。モルヒネ塩酸塩最終投与の2時間後にナロキソン塩酸塩を3mg/kgで皮下投与後60分間に発現する退薬症候(跳躍(Jumping)、身震い(Body shake)、眼瞼下垂(Ptosis)、前肢振戦(Forepaw tremor)、立ち上がり行動(Rearing)、体重減少(Body weight loss)、下痢(Diarrhea))を観察した。なお、体重は、ナロキソン塩酸塩投与前及び投与後15分ごとに測定した。また、下痢は、通常便(Normal)、軟便(Slightly)、水溶性便又は水溶性下痢(Severe)の3段階でスコア化した。それ以外の退薬症候は、発現の有無を指標にした。統計解析はカイ2乗検定及び2元配置分散分析で行い、有意水準はp<0.05に設定した。
表7、表8及び図1に示した通り、実施例45の化合物(化合物26)を麻薬であるモルヒネ塩酸塩と併用で反復投与することにより、退薬症候の内の跳躍、下痢及び体重減少が統計学的に有意に抑制された。また、眼瞼下垂及び立ち上がり行動が抑制される傾向も認められた。この結果は、モルヒネによる身体依存の形成を抑制することを示すものであり、予防作用を有することが明らかとなった。
Figure 0006885560
表中の*印は、生理食塩水+モルヒネ投与群と実施例45の化合物(化合物26)+モルヒネ投与群の比較で統計学的に有意(p<0.05)であることを示す。
Figure 0006885560
表中の*印は、生理食塩水+モルヒネ投与群と実施例45の化合物(化合物26)+モルヒネ投与群の比較で統計学的に有意(p<0.05)であることを示す。
(試験例3:薬物依存症治療作用の評価)
7週齢のICR系雄性マウスに生理食塩水で溶解したモルヒネ塩酸塩を漸増法により1日2回(投与間隔:約12時間)で4日間皮下投与した(1日目:8mg/kgと15mg/kg、2日目:20mg/kgと25mg/kg、3日目:30mg/kgと35mg/kg、4日目:40mg/kgと45mg/kg)。5日目にモルヒネ塩酸塩を最終投与として45mg/kg皮下投与した。モルヒネ塩酸塩最終投与の2時間後にナロキソン塩酸塩を3mg/kgで皮下投与した。ナロキソン塩酸塩投与の30分前に実施例45の化合物(化合物26)10mg/kg又は溶媒である生理食塩水を腹腔内投与した。ナロキソン塩酸塩投与後60分間に発現する退薬症候(跳躍、身震い、眼瞼下垂、前肢振戦、立ち上がり行動、体重減少、下痢)を観察した。なお、体重はナロキソン塩酸塩投与前及び投与後15分ごとに測定した。また、下痢は、通常便、軟便、水溶性便又は水溶性下痢の3段階でスコア化した。それ以外の退薬症候は、発現の有無を指標にした。統計解析はカイ2乗検定及び2元配置分散分析で行い、有意水準はp<0.05に設定した。
表9、表10及び図2に示した通り、実施例45の化合物(化合物26)をモルヒネ塩酸塩反復投与後のナロキソン塩酸塩投与前に投与することにより、退薬症候の内の跳躍、下痢及び体重減少が統計学的に有意に抑制された。また、眼瞼下垂が抑制される傾向が認められた。この結果は、モルヒネによる身体依存時の離脱症状を抑制することを示すものであり、治療作用を有することが明らかとなった。
Figure 0006885560
表中の**印は、生理食塩水+モルヒネ投与群と実施例45の化合物(化合物26)+モルヒネ投与群の比較で統計学的に有意(p<0.01)であることを示す。
Figure 0006885560
表中の*印は、生理食塩水+モルヒネ投与群と実施例45の化合物(化合物26)+モルヒネ投与群の比較で統計学的に有意(p<0.05)であることを示す。
以上の結果から、本発明のモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩が、薬物依存症に対して優れた予防作用及び治療作用を有することは明らかである。
本発明のモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩は、オレキシン受容体に対し優れた選択性及び拮抗作用を発揮できるため、オレキシン受容体に関連する様々な疾患及び症状に対する医薬として利用できる。

Claims (10)

  1. 下記一般式(I)で示されるモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩。
    Figure 0006885560
    [式中、L−L−Lは、C(R)−CH−CH、C(R)−CH=CH又はC=CH−CHを表し、ここでRは、水素、ヒドロキシ、ニトロ、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜5のアルキル、アミノ、モノアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ジアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、炭素数1〜5のアルカンアミド、ベンズアミド又は炭素数7〜14のアリールアルカンアミドを表し;
    Aは、−C(=O)−又は−SO−を表し;
    は、炭素数1〜7の直鎖若しくは分岐アルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル、炭素数4〜7のシクロアルキルアルキル、炭素数4〜6のシクロアルケニル、炭素数5〜7のシクロアルケニルアルキル、炭素数7〜13のアラルキル、炭素数4〜7のアルケニル、アリル、アニリノ、スチリル、又は下記の基本骨格IIの何れかの基を表し、ここで、下記基本骨格II中、QはN、O若しくはSを表し、TはCH、NH、S若しくはOを表し、lは0〜5の整数を表し、m及びnはそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、mとnの合計は5以下であり、Rが表す上記基本骨格IIの何れかの基は、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アミノ、モノアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ジアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、N,N−ジアルキルカルバモイル(アルキル部の炭素数は1〜5)、アミジノ、グアニジノ、イソチオシアナート、トリフルオロメチル、フェニル、トリフルオロメトキシ及びメチレンジオキシからなる群から選ばれる少なくとも一種の置換基により置換されていてもよく;
    Figure 0006885560
    及びRは、共に水素を表すか、何れか一方が水素で他方がヒドロキシを表すか、又は一緒になってオキソを表し;
    は、水素、ヒドロキシ、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数3〜7のアルケニルオキシ、炭素数7〜13のアラルキルオキシ又は炭素数1〜5のアルカノイルオキシを表し;
    とRは、結合して−O−を表し
    は、水素、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、又は炭素数7〜13のアラルキルを表し;
    は、−N(R10)C(=O)−又は−NR10−を表し、ここでR10は水素、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐アルキルを表し;
    は、原子価結合、炭素数1〜14の直鎖若しくは分岐アルキレン(ただし、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アミノ、モノアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ジアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、アミジノ、グアニジノ、トリフルオロメチル、フェニル及びフェノキシからなる群から選ばれた少なくとも一種の置換基により置換されていてもよく、1〜3個のメチレン基がカルボニル基で置き換わっていてもよい);二重結合及び/若しくは三重結合を1〜3個含む炭素数2〜14の直鎖若しくは分岐の、二価の非環状不飽和炭化水素基(ただし炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アミノ、モノアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ジアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、アミジノ、グアニジノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フェニル及びフェノキシからなる群から選ばれた少なくとも一種の置換基により置換されていてもよく、1〜3個のメチレン基がカルボニル基で置き換わっていてもよい);又はチオエーテル結合、エーテル結合及び/若しくはアミノ結合(−N(H)−)を1〜5個含む炭素数1〜14の直鎖若しくは分岐の、二価の飽和若しくは不飽和炭化水素基(ただし、上記チオエーテル結合、エーテル結合又はアミノ結合を構成するヘテロ原子は直接Bに結合することはなく、1〜3個のメチレン基がカルボニル基又はスルホニル基で置き換わっていてもよい)を表し;
    は、水素又は下記の基本骨格IIIの何れかの基を表し、ここで、下記基本骨格III中、QはN、O若しくはSを表し、TはCH、NH、S若しくはOを表し、lは0〜5の整数を表し、m及びnはそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、mとnの合計は5以下であり、Rが表す上記基本骨格IIIの何れかの基は、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アミノ、モノアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ジアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ニトロ、シアノ、イソチオシアナート、トリフルオロメチル、フェニル、フェノキシ、トリフルオロメトキシ及びメチレンジオキシからなる群から選ばれる少なくとも一種の置換基により置換されていてもよく;
    Figure 0006885560
    前記一般式(I)は(+)体、(−)体、(±)体を包含する]
  2. −L−Lが、C(R)−CH−CH(ここでRは前記定義と同じである)又はC=CH−CH である、請求項1記載のモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩。
  3. が、下記の基本骨格の何れかの基である、請求項1又は2記載のモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩。
    Figure 0006885560
  4. が、下記の基本骨格の何れかの基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩。
    Figure 0006885560
  5. が、炭素数1〜5のアルコキシ基若しくは炭素数7〜13のアラルキルオキシ基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項記載のモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩を有効成分として含有する、医薬。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項記載のモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩を有効成分として含有する、医薬組成物。
  8. 請求項1〜5のいずれか一項記載のモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩を有効成分として含有する、オレキシン受容体拮抗剤。
  9. 請求項1〜5のいずれか一項記載のモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩を有効成分として含有する、薬物依存症の治療剤又は予防剤。
  10. 薬物依存症の治療又は予防に用いるための、下記一般式(I)で示されるモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩。
    Figure 0006885560
    [式中、L−L−Lは、C(R)−CH−CH、C(R)−CH=CH又はC=CH−CHを表し、ここでRは、水素、ヒドロキシ、ニトロ、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜5のアルキル、アミノ、モノアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ジアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、炭素数1〜5のアルカンアミド、ベンズアミド又は炭素数7〜14のアリールアルカンアミドを表し;
    Aは、−C(=O)−又は−SO−を表し;
    は、炭素数1〜7の直鎖若しくは分岐アルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル、炭素数4〜7のシクロアルキルアルキル、炭素数4〜6のシクロアルケニル、炭素数5〜7のシクロアルケニルアルキル、炭素数7〜13のアラルキル、炭素数4〜7のアルケニル、アリル、アニリノ、スチリル、又は下記の基本骨格IIの何れかの基を表し、ここで、下記基本骨格II中、QはN、O若しくはSを表し、TはCH、NH、S若しくはOを表し、lは0〜5の整数を表し、m及びnはそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、mとnの合計は5以下であり、Rが表す上記基本骨格IIの何れかの基は、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アミノ、モノアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ジアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、N,N−ジアルキルカルバモイル(アルキル部の炭素数は1〜5)、アミジノ、グアニジノ、イソチオシアナート、トリフルオロメチル、フェニル、トリフルオロメトキシ及びメチレンジオキシからなる群から選ばれる少なくとも一種の置換基により置換されていてもよく;
    Figure 0006885560
    及びRは、共に水素を表すか、何れか一方が水素で他方がヒドロキシを表すか、又は一緒になってオキソを表し;
    は、水素、ヒドロキシ、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数3〜7のアルケニルオキシ、炭素数7〜13のアラルキルオキシ又は炭素数1〜5のアルカノイルオキシを表し;
    とRは、結合して−O−を表し
    は、水素、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、又は炭素数7〜13のアラルキルを表し;
    は、−N(R10)C(=O)−又は−NR10−を表し、ここでR10は水素、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐アルキルを表し;
    は、原子価結合、炭素数1〜14の直鎖若しくは分岐アルキレン(ただし、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アミノ、モノアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ジアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、アミジノ、グアニジノ、トリフルオロメチル、フェニル及びフェノキシからなる群から選ばれた少なくとも一種の置換基により置換されていてもよく、1〜3個のメチレン基がカルボニル基で置き換わっていてもよい);二重結合及び/若しくは三重結合を1〜3個含む炭素数2〜14の直鎖若しくは分岐の、二価の非環状不飽和炭化水素基(ただし炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アミノ、モノアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ジアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、アミジノ、グアニジノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フェニル及びフェノキシからなる群から選ばれた少なくとも一種の置換基により置換されていてもよく、1〜3個のメチレン基がカルボニル基で置き換わっていてもよい);又はチオエーテル結合、エーテル結合及び/若しくはアミノ結合(−N(H)−)を1〜5個含む炭素数1〜14の直鎖若しくは分岐の、二価の飽和若しくは不飽和炭化水素基(ただし、上記チオエーテル結合、エーテル結合又はアミノ結合を構成するヘテロ原子は直接Bに結合することはなく、1〜3個のメチレン基がカルボニル基又はスルホニル基で置き換わっていてもよい)を表し;
    は、水素又は下記の基本骨格IIIの何れかの基を表し、ここで、下記基本骨格III中、QはN、O若しくはSを表し、TはCH、NH、S若しくはOを表し、lは0〜5の整数を表し、m及びnはそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、mとnの合計は5以下であり、Rが表す上記基本骨格IIIの何れかの基は、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アミノ、モノアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ジアルキルアミノ(アルキル部の炭素数は1〜5)、ニトロ、シアノ、イソチオシアナート、トリフルオロメチル、フェニル、フェノキシ、トリフルオロメトキシ及びメチレンジオキシからなる群から選ばれる少なくとも一種の置換基により置換されていてもよく;
    Figure 0006885560
    前記一般式(I)は(+)体、(−)体、(±)体を包含する]
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