JP6885519B2 - 成形材料用樹脂組成物、成形体および構造体 - Google Patents

成形材料用樹脂組成物、成形体および構造体 Download PDF

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Description

本発明は、成形材料用樹脂組成物、成形体および構造体に関する。
エポキシ樹脂の硬化を促進するための技術として、特許文献1に記載のものがある。同文献によれば、特定のホスホニウム系化合物を使用することにより、エポキシ樹脂の硬化を促進でき、モールディング時の流動性に優れ、高い硬化強度を示し、短い硬化時間でも硬化が可能な硬化触媒用化合物を提供するという課題が解決できるとされている。
特開2016−084342号公報
しかしながら、上述した特許文献に記載の技術について、本発明者が検討したところ、低温硬化性の点で依然として改善の余地を有していることが明らかになった。
本発明によれば、
(A)エポキシ樹脂と、
(B)硬化剤と、
(C)硬化促進剤と、
を含む、成形材料用樹脂組成物であって、
前記成分(C)はイミダゾール系硬化促進剤を含み、
25〜200℃を5℃/分の条件で当該成形材料用樹脂組成物の示差走査熱量測定をおこなったとき、
発熱開始温度が70℃以上90℃以下であり、
最高発熱温度が90℃以上130℃未満であって、
当該成形材料用樹脂組成物が、前記成分(C)を含むコアの外側に、前記成分(A)および(B)を含むシェルを備えたコアシェル粒子である、成形材料用樹脂組成物が提供される。
本発明によれば、上記本発明における成形材料用樹脂組成物の硬化物からなる、成形体が提供される。
また、本発明によれば、上記本発明における成形体を有する、構造体が提供される。
本発明によれば、低温硬化性に優れる成形材料用樹脂組成物を提供することができる。
実施形態における攪拌装置の構成を模式的に示す断面図である。 実施形態における攪拌装置の構成を模式的に示す断面図である。 実施形態における構造体の構成の一例を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について、各成分の具体例を挙げて説明する。なお、本実施形態において、組成物は、各成分をいずれも単独でまたは2種以上を組み合わせて含むことができる。また、すべての図面において、同様な構成要素には共通の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは必ずしも一致していない。また、数値範囲の「X〜Y」は、断りがなければ、「X以上Y以下」を表す。
本実施形態において、成形材料用樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」とも呼ぶ。)は、以下の成分(A)〜(C)を含む。
(A)エポキシ樹脂
(B)硬化剤
(C)硬化促進剤
そして、樹脂組成物の示差走査熱量測定を25〜200℃を5℃/分の条件でおこなったとき、発熱開始温度が70℃以上90℃以下であり、最高発熱温度が90℃以上130℃未満である。
本発明者は、成形材料に用いる樹脂組成物の低温硬化性を向上させるべく検討をおこなった。その結果、樹脂組成物が上述の成分(A)〜(C)を含むとともに、示差走査熱量測定(Differential scanning calorimetry:DSC)における発熱開始温度および最高発熱温度がそれぞれ特定の範囲である構成とすることにより、低温硬化性を効果的に向上させることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本実施形態においては、たとえば100℃以下の低温条件下においても良好な硬化特性が得られる成形材料用樹脂組成物を得ることができる。
以下、成形材料用樹脂組成物の各構成をさらに具体的に説明する。
(成分(A))
成分(A)は、エポキシ樹脂である。成分(A)として、成形材料用のエポキシ樹脂組成物の分野で公知のエポキシ樹脂を用いることができる。エポキシ樹脂としては、1分子内にエポキシ基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般を用いることができ、その分子量や分子構造は限定されない。
成分(A)の具体例としては、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂等の結晶性エポキシ樹脂;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;フェニレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェニレン骨格含有ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂等のフェノールアラルキル型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂等の3官能型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、テルペン変性フェノール型エポキシ樹脂等の変性フェノール型エポキシ樹脂;トリアジン核含有エポキシ樹脂等の複素環含有エポキシ樹脂等が挙げられる。
樹脂組成物の低温硬化性を向上する観点から、成分(A)は、好ましくはオルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂およびビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂からなる群から選択される1種または2種以上を含む。
樹脂組成物中の成分(A)の含有量は、樹脂組成物の流動性を向上させ、成形性を向上する観点から、樹脂組成物の全固形分に対して、好ましくは8質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは12質量%以上である。また、樹脂組成物の硬化物からなる成形体や、かかる成形体を備える半導体装置およびその他の構造体について、耐湿信頼性や耐リフロー性、耐温度サイクル性を向上する観点から、成分(A)の含有量は、樹脂組成物の全固形分に対して、好ましくは35質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。
本実施形態において、樹脂組成物の全固形分とは、樹脂組成物中における不揮発分を指し、水や溶媒等の揮発成分を除いた残部を指す。また、本実施形態において、樹脂組成物全体に対する含有量とは、溶媒を含む場合には、樹脂組成物のうちの溶媒を除く固形分全体に対する含有量を指す。
(成分(B))
成分(B)は、硬化剤である。成分(B)は、成分(A)のエポキシ樹脂と反応して、エポキシ樹脂を硬化させるものであれば限定されず、たとえば成形材料用のエポキシ樹脂組成物の分野で公知の硬化剤を用いることができる。
成分(B)として、具体的には、アミン系硬化剤すなわちアミノ基を有する硬化剤、フェノール系硬化剤などを挙げることができる。
アミン系硬化剤としては、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の炭素数2〜20の直鎖脂肪族ジアミン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、パラキシレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルプロパン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジアミノジシクロヘキサン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルメタン、1,5−ジアミノナフタレン、メタキシレンジアミン、パラキシレンジアミン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン、ジシアノジアミド等を挙げることができる。
フェノール系硬化剤としては、アニリン変性レゾール樹脂やジメチルエーテルレゾール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert−ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;フェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂、ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂等のフェノールアラルキル樹脂;ナフタレン骨格やアントラセン骨格のような縮合多環構造を有するフェノール樹脂などを挙げることができる。
その他、成分(B)として、ポリパラオキシスチレン等のポリオキシスチレン;ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)などの脂環族酸無水物、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)などの芳香族酸無水物などを含む酸無水物等;ポリサルファイド、チオエステル、チオエーテルなどのポリメルカプタン化合物;イソシアネートプレポリマー、ブロック化イソシアネートなどのイソシアネート化合物;カルボン酸含有ポリエステル樹脂などの有機酸類等を挙げることができる。
また、樹脂組成物またはその硬化物からなる成形体が半導体封止材料に用いられるとき、成分(B)としては、耐湿性や信頼性を向上する観点から、1分子内に少なくとも2個のフェノール性水酸基を有する化合物が好ましい。より具体的には、成分(B)として、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert−ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;レゾール型フェノール樹脂;ポリパラオキシスチレン等のポリオキシスチレン;フェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂、ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂等が好ましく挙げられる。
樹脂組成物中の成分(B)の含有量は、たとえば、成分(A)および(B)の配合比として、以下のようにすることができる。すなわち、本実施形態における樹脂組成物の製造安定性を高める観点、および、樹脂組成物を封止材料として用いる際の封止材料としての性能を好ましいものとする観点から、成分(A)および(B)の合計量を100質量部としたとき、好ましくは成分(A)を50〜90質量部、成分(B)を10〜50質量部の割合とする。
また、樹脂組成物中の成分(B)の含有量は、樹脂組成物の硬化特性を好ましいものとする観点から、樹脂組成物の全固形分に対して、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは6質量%以上であり、また、好ましくは22質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは17質量%以下、さらにより好ましくは10質量%以下である。
(成分(C))
成分(C)は、硬化促進剤である。成分(C)は、具体的には、エポキシ樹脂と硬化剤との架橋反応を促進させるものであればよく、エポキシ樹脂組成物に使用されるものを用いることができる。
成分(C)は、低温での硬化性を向上する観点から、好ましくはイミダゾール系硬化促進剤を含む。
イミダゾール系硬化促進剤の具体例として、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2'−メチルイミダゾリル(1')]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2'−ウンデシルイミダゾリル(1')]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2'−エチル−4−メチルイミダゾリル(1')]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2'−メチルイミダゾリル(1')]−エチル−s−トリアジンのイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールが挙げられる。
これらの中でも、低温硬化性と充填性の向上の観点から、成分(C)が、2−フェニルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、および2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールからなる群から選択される1または2以上の化合物を含むことが好ましく、より好ましくは、2−フェニルイミダゾールおよび2−メチルイミダゾールの1つ以上を含む。
また、低温硬化性と充填性のバランスを向上する観点から、イミダゾール系硬化促進剤の官能基は、たとえば、3個以下が好ましく、1個以下がより好ましい。
樹脂組成物中の成分(C)の含有量は、成形時における硬化性を向上する観点から、樹脂組成物の全固形分に対して好ましくは0.20質量%以上であり、より好ましくは0.40質量%以上、さらに好ましくは0.70質量%以上である。また、成形時における流動性を向上する観点から、樹脂組成物中の成分(C)の含有量は、樹脂組成物の全固形分に対して好ましくは3.5質量%以下であり、より好ましくは3.0質量%以下、さらに好ましくは2.0質量%以下である。
また、樹脂組成物は、成分(A)〜(C)以外の成分を含んでもよい。
たとえば、樹脂組成物は、好ましくは(D)無機充填材をさらに含む。
(成分(D))
成分(D)の無機充填材の具体例として、溶融破砕シリカ、溶融球状シリカ、結晶シリカ、2次凝集シリカ等のシリカ;アルミナ;チタンホワイト;水酸化アルミニウム;タルク;クレー;マイカ;ガラス繊維等が挙げられる。これらの中でも、樹脂組成物の製造安定性・歩留まりを高めること、および樹脂組成物の成形時の充填性・体積抵抗率など信頼性に関与する樹脂特性向上の観点から、シリカが好ましく、溶融球状シリカがより好ましい。
成分(D)の粒子形状は、樹脂組成物の製造安定性・歩留まりを高めること、および樹脂組成物の成形時の充填性・体積抵抗率など信頼性に関与する樹脂特性向上の観点から、好ましくは略真球状である。
成分(D)の平均粒径は、限定されないが、樹脂組成物の製造安定性を高める観点、および、樹脂組成物を半導体封止材として使用するときに、金型キャビティ内での半導体素子周辺への充填性を高める観点から、たとえば1〜100μm、好ましくは1〜50μm、より好ましくは1〜20μmである。
また、成分(A)〜(D)以外の成分として、シランカップリング剤等のカップリング剤;天然ワックス、合成ワックス、高級脂肪酸もしくはその金属塩類、パラフィン、酸化ポリエチレン等の離型剤;シリコーンオイル、シリコーンゴム等の低応力剤;カーボンブラック等の着色剤;ハイドロタルサイト、ビスマス酸化物、イットリウム酸化物等のイオン捕捉剤;無機系難燃剤(たとえば水酸化アルミニウム等の水和金属系化合物)、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、有機金属塩系難燃剤等の難燃剤;フェノール系酸化防止剤(ジブチルヒドロキシトルエン等)、イオウ系酸化防止剤(メルカプトプロピオン酸誘導体等)、リン系酸化防止剤(9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド等)等の酸化防止剤を挙げることができ、樹脂組成物はこれらの成分の1種または2種以上を含んでもよい。
樹脂組成物中のこれら各成分の量は、成分(A)および(B)の合計量を100質量部としたとき、それぞれ、0.1〜10質量部程度の量とすることができる。
次に、樹脂組成物の熱特性について説明する。
本実施形態における樹脂組成物は、示差走査熱量測定において、昇温速度5℃/分の条件25℃から200℃まで昇温させたとき、発熱開始温度が70℃以上90℃以下であり、最高発熱温度が90℃以上130℃未満である。
ここで、樹脂組成物の発熱開始温度および最高発熱温度は、示差走査熱量計を用いて上述の条件で樹脂組成物を測定して得られるDSC曲線から求めることができる。
樹脂組成物の発熱開始温度については、低温での硬化時の樹脂組成物の粘度を低く維持し、成形時の充填性を向上する観点から、70℃以上であり、好ましくは72℃以上、より好ましくは75℃以上である。
また、低温硬化性を向上する観点から、樹脂組成物の発熱開始温度は90℃以下であり、好ましくは89℃以下、より好ましくは88℃以下であり、また、81℃以下であることも好ましい。
ここで、発熱開始温度とは、60℃における発熱量高さH1と最高発熱温度における発熱量高さHmaxとの差をΔH1とし、発熱量高さH1を基準にしたときに、発熱量高さが、ΔH1の10%に達した時の温度とする。
また、樹脂組成物のDSC曲線中、ΔH1の30%を超える発熱ピークの数は、樹脂組成物の製造安定性を向上する観点から、好ましくは1つである。
また、樹脂組成物のDSC曲線中、最高発熱温度におけるピーク高さは、60℃における発熱量と最高発熱温度における発熱量との発熱量差で表す。
また、樹脂組成物の最高発熱温度については、低温での硬化時の樹脂組成物の粘度を低く維持し、成形時の充填性を向上する観点から、90℃以上であり、好ましくは92℃以上、より好ましくは95℃以上である。
また、低温硬化性を向上する観点から、樹脂組成物の最高発熱温度は、130℃未満であり、好ましくは120℃以下、より好ましくは118℃以下、さらに好ましくは115℃以下である。
樹脂組成物のDSCにより得られる発熱曲線において、最高発熱温度における発熱量高さHmaxと発熱開始温度における発熱量高さHsとの差であるΔHの50%に達したときの温度については、低温形時の流動性と硬化性との両立の観点、および、保管時の保存性を向上する観点から、好ましくは70℃以上であり、より好ましくは80℃以上、さらに好ましくは85℃以上、さらにより好ましくは90℃以上である。
また、低温成形時の流動性と硬化性との両立の観点、および、保管時の保存性の観点から、DSCにより得られる発熱曲線においてΔHの50%に達したときの温度は、好ましくは150℃以下であり、より好ましくは147℃以下、さらに好ましくは140℃以下、さらにより好ましくは130℃以下、さらにまた好ましくは125℃以下である。
また、同様の観点から、ΔHの50%に達したときの温度のうち、最高発熱温度よりも低温側の温度および高温側の温度が、いずれも、80℃以上150℃以下の範囲にあることが好ましく、80℃以上145℃以下の範囲にあることがより好ましく、90℃以上140℃以下の範囲にあることがさらに好ましい。
樹脂組成物のDSCにより得られる発熱曲線において、最高発熱温度における発熱量高さHmaxと上述の発熱開始温度における発熱量高さHsとの差であるΔHの50%に達したときの温度のうち最高発熱温度よりも低温側の温度は、低温成形時の流動性と硬化性との両立の観点、および、保管時の保存性の観点から、好ましくは80℃以上であり、より好ましくは82℃以上、さらに好ましくは85℃以上である。
また、低温成形時の流動性と硬化性との両立の観点、および、保管時の保存性の観点から、ΔHの50%に達したときの温度のうち最高発熱温度よりも低温側の温度は、たとえば110℃以下であり、好ましくは105℃以下であり、より好ましくは95℃以下であり、また、92℃以下または90℃以下であることも好ましい。
ここで、ΔHの50%に達したときの温度のうち最高発熱温度よりも低温側の温度は、具体的には、発熱開始温度と最高発熱温度との間の温度帯において、ΔHの50%に達したときの温度をいう。
本実施形態においては、樹脂組成物の構成成分および製造方法を適切に選択することにより、DSCにおける発熱開始温度および最高発熱温度が特定の範囲にある樹脂組成物を得ることができる。
殊に、樹脂組成物の製造方法において、後述する手順で、粒子状の、好ましくはコアシェル粒子状の樹脂組成物を形成することが、DSCにおける発熱開始温度および最高発熱温度を制御する上で重要である。また、これにより、たとえば樹脂組成物の発熱開始温度および最高発熱温度を特定の範囲内とすることができる。この理由は必ずしも明らかではないが、樹脂組成の制御によって樹脂組成物の硬化特性に影響を与えられていると考えられる。
以下、樹脂組成物の製造方法を説明する。
樹脂組成物は、具体的には、以下の溶融混合工程、投入工程および造粒工程を含む製造方法により得ることができる。以下、樹脂組成物が成分(A)〜(D)を含む場合を例に説明する。
(溶融混合工程)成分(A)のエポキシ樹脂と成分(B)の硬化剤との溶融混合物(M)を得る工程
(投入工程)溶融混合物(M)、成分(C)の硬化促進剤、成分(D)の無機充填材、および、適宜成分(A)〜(D)以外の成分を、攪拌羽根を備えた攪拌装置に投入する工程
(造粒工程)投入工程の後に、攪拌装置に投入された成分を、攪拌羽根を先端の線速度0.たとえば1m/s以上の速さで駆動させて混合しつつ加熱してたとえば110℃以上とし、成分(C)、(D)および適宜その他の成分を含むコアの外側に溶融混合物(M)を含むシェルを備えたコアシェル粒子を得る工程
詳細なメカニズムは不明であるが、造粒工程において、たとえば110℃以上という温度で適度に軟化した溶融混合物(M)が、一定速度以上での撹拌(具体的には攪拌羽根の回転)により大きなせん断力を受けることで、成分(C)、(D)および適宜その他の成分を含むコアの表面に薄く均一にコーティングされやすくなると考えられる。そして、シェルの厚みが略均一であるコアシェル粒子が得られるものと考えられる。
また、一定速度以上での撹拌での大きなせん断力により、成分(C)、(D)および適宜その他の成分が適度に混合される。その結果、成分(C)、(D)および適宜その他の成分を含むコアの周りに、溶融混合物(M)のシェルを形成することができる。つまり、上述の樹脂組成物の製造方法でコアシェル粒子を製造すると、1つの粒子中に、樹脂組成物の成分をバランスよく含めやすくなると考えられる。このことは、粒子の均質性だけでなく成分の分布の均質性という面からも好ましい。
以下、上述した各工程、任意に含んでもよい工程などについてさらに具体的に説明する。
(溶融混合工程)
溶融混合工程では、成分(A)および(B)を用い、適当な方法によりこれらの溶融混合物(M)を得る。
溶融混合の方法は限定されない。たとえば、(1)まず、成分(A)および(B)を適当な容器、たとえば、加熱釜等の加熱混合できる容器に入れ、(2)次に、それらを加熱混合し、(3)その後、冷却、粉砕工程を経て粉砕物とする3段階の方法で、粉砕物である溶融混合物(M)を得ることができる。得られる粉砕物の形状は、たとえば顆粒状または粒子状である。
また、上述した工程(1)の前に、予備混合をおこなってもよい。
上記工程(2)の加熱混合は、たとえば、加熱釜にジャケットを設けて熱媒体油を循環させたうえで、攪拌羽根による攪拌機を用いるなどして、120〜180℃で1〜60分の条件でおこなうことができる。
上記(3)の冷却、粉砕工程は、たとえば、上記工程(2)で得られた混合物を40℃以下まで、好ましくは10℃以下まで冷却し、その後、グラニュレーター等の公知の粉砕装置を用いるなどしておこなうことができる。なお、粉砕工程後、粗大粒子や微小すぎる粒子を除いて粒度を揃える工程をおこなってもよく、かかる工程は、たとえば、ふるい等を用いた分級工程とすることができる。
粉砕物である溶融混合物(M)の平均粒径は、好ましくは5mm以下、より好ましくは0.1〜2mmである。溶融混合物(M)の平均粒径をある程度小さくすることで、後述の造粒工程で、シェルの厚みをより均一にしやすくなる傾向がある。
溶融混合工程では、原料として少なくとも成分(A)および(B)を用いて溶融混合物(M)を得るが、これら以外の原料を追加で用いてもよい。
追加で用いることのできる原料としては、たとえば、前述したカップリング剤、離型剤、低応力剤を挙げることができる。これら原料を用いる場合、その量は、成分(A)および(B)の合計量を100質量部としたとき、たとえば0.1〜10質量部程度の量とすることができる。
なお、原料の劣化抑制や経時安定性などの観点から、溶融混合物(M)は、好ましくは、エポキシ樹脂の硬化触媒である成分(C)を含有しない。
(投入工程)
投入工程では、少なくとも、上述の溶融混合物(M)、成分(C)、(D)および適宜その他の成分を、攪拌羽根を備えた攪拌装置に投入する。
投入工程で使用可能なその他成分の具体例として、前述した着色剤、イオン捕捉剤、難燃剤、酸化防止剤が挙げられる。
攪拌羽根を備えた攪拌装置(以下、単に「攪拌装置」とも呼ぶ。)は、溶融混合物(M)、成分(C)、(D)および適宜その他の成分を撹拌できる攪拌羽根を備え、また、攪拌羽根を駆動させたときに、羽根先端の線速度を後述の造粒工程にてたとえば0.1m/s以上の速さとすることができるものであればよく、限定されない。ここで、攪拌羽根は、しばしば「攪拌翼」とも呼ばれる。また、羽根先端の線速度については追って詳述する。
後述する造粒工程において減圧する場合があるため、攪拌装置は減圧下での攪拌が可能であることが好ましい。
攪拌装置については、たとえば、図1、図2(i)、図2(ii)等を示すことができる。これらの図は、攪拌装置の例を模式的に示す断面図である。
攪拌装置1は、攪拌羽根2、軸3および槽本体4を備える。また、図示していないが、攪拌羽根2および軸3を回転させるためのモーター;モーターの回転を攪拌に適した回転数に減速するための減速機;密閉状態で攪拌するための蓋;減圧または加圧のための機器;ヒーター、冷却装置、温度計などの温度調節のための機器;その他必要な機器を備えることができる。
攪拌羽根2の形状は、図1、図2(i)および図2(ii)に示された形状のものに限られず、アンカー形状、ヘリカルリボン形状、プロペラ形状、ディスクタービン形状、傾斜パドル形状、エッジドタービン形状など、攪拌装置の分野で知られている種々のものを用いることができる。
投入工程において装置内に投入される溶融混合物(M)、成分(C)、(D)および適宜その他の成分の量比を適切に調整することで、シェルの厚みの均一性などの粒子の均質性をさらに高めることができる。
たとえば、投入工程で攪拌装置1に投入される全成分中の溶融混合物(M)の割合を、たとえば50質量%以下とすることができ、好ましくは30質量%以下、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは0.1〜10質量%、さらにより好ましくは0.1〜5質量%とすることで、シェルの厚みの均一性などの粒子の均質性をさらに高めることができる。
投入される成分(D)の量は、投入工程で攪拌装置1に投入される全成分中、好ましくは40〜99.9質量%であり、より好ましくは50〜99.9質量%、さらに好ましくは85〜99.9質量%である。
投入される成分(C)およびその他成分の量は、投入工程で攪拌装置1に投入される全成分中、それぞれ、好ましくは0.1〜3質量%、より好ましくは0.1〜1質量%である。
(造粒工程)
投入工程の後の造粒工程では、投入工程で攪拌装置1に投入された成分を、攪拌羽根2を駆動させて混合しつつ加熱してたとえば110℃以上とする。この温度は、好ましくは110〜180℃、より好ましくは120〜170℃である。温度たとえば110℃以上であることで溶融混合物(M)が適度に軟化し、均一なシェルをコーティングしやすくなる。また、温度がたとえば180℃以下であることで原料の劣化等が抑えられ、最終的に得られるコアシェル粒子およびそれを用いた樹脂組成物の性能をより高めることができる。
ここで、「投入工程で攪拌装置1に投入された成分を110℃以上とする」とは、投入工程で攪拌装置1に投入された成分自体、すなわち最終的には造粒される成分自体が110℃以上になることを意味する。このことは、たとえば、造粒工程を一時中断して攪拌装置1内の内容物の温度を測定することで確認することができる。または、攪拌装置1として覗き窓があるものを用い、その覗き窓から放射温度計で温度測定することで確認してもよい。
造粒工程では、攪拌羽根2の先端の線速度がたとえば0.1m/s以上の速さとなるように、ある程度大きな回転数で軸3および攪拌羽根2を回転させる。これにより、適度に軟化した溶融混合物(M)が、高速度での撹拌により大きなせん断力を受ける。そして、成分(C)、(D)および適宜その他の成分を含むコアの外側に、溶融混合物(M)を含むシェル(厚みが略均一)を備えたコアシェル粒子を得ることができると考えられる。また、大きなせん断力により、成分(C)、(D)および適宜その他の成分が適度に混合され、その結果、成分(C)、(D)および適宜その他の成分を含むコアの周りに、溶融混合物のシェルを形成することができると考えられる。
「攪拌羽根2の先端」について補足しておく。
攪拌羽根2の先端とは、典型的には、攪拌羽根2が回転したときに、単位時間あたりの移動距離が一番大きい部分のことである。換言すると、攪拌羽根2が回転したときに一番速く動く部分、具体的には一番速い線速度を示す部分と表現することもできる。
図1の攪拌羽根2では、その両端、すなわち、図中右端および左端の部分が「先端」になる。
図2(i)の場合は、形式上、3つの攪拌羽根2があるが、回転半径が一番大きい、図中の一番下の攪拌羽根2の先端が「攪拌羽根2の先端」に該当する。
図2(ii)の場合、図に示された攪拌羽根2には、軸3を基準として左右対称に5つずつの突出部が存在しているが、このうち、一番下の突出部の先端が回転したときに移動距離が一番大きく、「攪拌羽根2の先端」に該当する。
また、「攪拌羽根2の先端の線速度」について補足しておく。
攪拌羽根2の先端の線速度とは、典型的には、槽本体4に対する、攪拌羽根2の先端の相対速度の最大値のことをいう。ここで、槽本体4は通常固定されている。
回転軸が1つである場合には、攪拌羽根2の直径(回転直径)をD(m)、回転数をN(rpm)として、πND/60の式により求められる値が、攪拌羽根2の先端の線速度(m/s)となる。ここで、πは円周率である。
たとえばプラネタリーミキサーのように、攪拌羽根が自転および公転する場合には、上記のような単純な式で羽根先端の線速度を求めることはできないが、自転速度と公転速度とを適切に合成するなどして、攪拌羽根の先端の相対速度の最大値を求めればよい。または、羽根先端の線速度は、計算ではなく実測で求めてもよい。たとえば、材料を入れずに攪拌装置1を駆動させて羽根先端の動きを動画撮影するなどし、その動画を解析することで求めてもよい。
攪拌羽根2の先端の線速度は、たとえば0.1m/s以上であればよく、好ましくは0.4m/s以上、より好ましくは1.0m/s以上である。線速度の上限に制限はないが、装置の制約等の観点から、たとえば好ましくは10m/s以下、より好ましくは8m/s以下、さらに好ましくは5m/s以下である。
攪拌羽根2の先端と槽本体4との間には、通常、クリアランスすなわちすき間が存在する。図1、図2(i)および図2(ii)では、このクリアランスの大きさをaと明記している。詳細は不明だが、適度なクリアランスがあることで、造粒工程の際、攪拌羽根2と衝突した成分がクリアランスのほうに適度に逃げ、これが造粒をよりいっそう促進すると推定される。これにより、粒子の粒径分布をよりいっそう揃えることができると考えられる。
具体的には、クリアランスの大きさは、好ましくは0.5〜10mm、より好ましくは1〜8mmである。
造粒工程において、攪拌装置1に投入された成分をたとえば110℃以上とする時間、具体的には、成分をたとえば110℃以上に保つ時間は、好ましくは5〜200分であり、より好ましくは10〜180分、さらに好ましくは20〜150分ある。この時間を10分以上とすることで、十分な厚みのシェルを形成しやすくなる、シェルの厚みをよりいっそう均一にすることができる、等の効果がある。また、この時間を200分以下とすることで、素材の劣化等が抑えられる。よって、このコアシェル粒子を樹脂組成物に適用した場合、各種性能をよりいっそう良化させることができる。
造粒工程の一部または全部は、好ましくは、減圧下でおこなわれる。具体的には、造粒工程の一部または全部は、好ましくは30kPa以下の減圧下、より好ましくは0.01〜20kPaの減圧下、さらに好ましくは0.05〜15kPaの減圧下、さらにより好ましくは0.1〜10kPaの減圧下でおこなわれる。
減圧は、たとえば、攪拌時の減圧が可能な攪拌装置1を用いることで、減圧下で造粒工程をおこなうことができる。
減圧は、好ましくは、造粒工程の全時間中の少なくとも半分以上の時間でおこなわれることが好ましい。
造粒工程の一部または全部が減圧下でおこなわれることで、攪拌装置1に投入された成分に含まれる水分がよりいっそう低減されると考えられる。より具体的には、減圧(およびたとえば110℃以上での加熱)により、投入された成分(D)等に付着する水分の多くが除去されると考えられる。これにより、成分(C)、(D)および適宜その他の成分を含むコアの一部分のみに溶融混合物(M)が固まる等の事態がよりいっそう抑えられ、より均一な厚みのシェルを形成できるものと考えられる。
中でも、成分(D)がシリカである場合、シリカはその性質上、水を吸着しやすいから、減圧(脱気)による水分除去が好ましいと考えられる。
ここで、造粒工程では、投入された成分をたとえば110℃以上で加熱するため、減圧せずともある程度の水分は除去される。つまり、減圧は造粒工程において必須ではない。ただし、水分をよりいっそう低減する観点からは減圧をおこなうことが好ましい。
なお、「水分を除去する」という観点からは、成分(D)等が含む水分を低減させる水分低減工程を設けてもよい。上記の「減圧」は、この水分除去工程に該当しうるが、減圧とは別の方法で、成分(D)等が含む水分を低減させてもよい。
たとえば、投入工程の前に、成分(C)、(D)および適宜その他の成分を加熱して、水分を十分に乾燥させてから投入することが考えられる。また、投入工程の前に、成分(C)、(D)および適宜その他の成分を脱気処理して、付着する水分を低減させてもよい。
ただし、製造工程の簡略化やコスト削減等の観点からは、造粒工程において減圧することで水分を低減させることが好ましい。
以上の手順により、本実施形態における樹脂組成物をコアシェル粒子として得ることができる。
(冷却攪拌工程)
また、本実施形態において、粒子状の樹脂組成物の製造方法は、好ましくは、造粒工程の後に、攪拌羽根2を回転させて、攪拌装置内の成分を攪拌しつつ冷却する冷却攪拌工程を含む。これにより、上述の造粒工程で得られたコアシェル粒子の冷却時の凝集や塊状体の形成がよりいっそう抑えられる。
冷却攪拌工程における攪拌羽根2を回転させる速さは、限定されないが、攪拌羽根2の先端の線速度として、たとえば0.01〜10m/s、好ましくは0.1〜5m/sの範囲で適宜設定することができる。
冷却攪拌工程の時間は、限定されず、適宜設定することができる。たとえば、10〜200分であり、好ましくは20〜180分、より好ましくは30〜150分である。
コアシェル粒子は、冷却攪拌工程により、溶融混合物(M)の軟化点以下の温度まで冷却されることが好ましい。典型的には、コアシェル粒子は、冷却攪拌工程により60℃以下まで冷却されることが好ましく、55℃以下まで冷却されることがより好ましく、50℃以下まで冷却されることがさらに好ましく、室温まで冷却されることがさらにより好ましい。
冷却攪拌工程においても、造粒工程と同様、その一部または全部で減圧がおこなわれてもよい。減圧の際の圧力としては、たとえば20kPa以下、好ましくは0.01〜20kPa、より好ましくは0.05〜15kPaである。冷却時にも減圧することで、水分の低減や水分の再付着が抑えられ、結果、粒子の凝集等をよりいっそう低減できると考えられる。
(粉砕工程)
また、造粒工程で得られた粒子が、もし凝集している、たとえば2つ以上のコアシェル粒子がくっついている場合などには、その凝集物を粉砕するための粉砕工程をおこなってもよい。
粉砕の具体的な方法は、限定されないが、たとえば、ハンマーミル等の衝撃式のもの用いておこなうことができる。原料供給速度は1〜1000kg/hの条件とすることができる。
また、粉砕に際しては、振動ボールミル、連続式回転ボールミル、バッチ式ボールミル等のボールミル;湿式ポットミル、遊星ポットミル等のポットミル;ローラーミル等を用いてもよい。
上記の各工程を経て最終的に得られる樹脂組成物のコアシェル粒子のシェルの厚みは、たとえば0.1〜10μm、好ましくは0.5〜5μm、さらに好ましくは1〜3μmである。なお、シェルの厚みや、シェルの厚みの均一性は、たとえば、コアシェル粒子を樹脂包埋したものを切断機で切断し、その切断面を研磨して、その研磨された切断面に現れているコアシェル粒子(粒子の切断面が観察できるもの)の断面を観察することで評価することができる。観察には、たとえば、拡大鏡、光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡等の電子顕微鏡を用いることができる。
また、最終的に得られるコアシェル粒子におけるコアの平均粒径は、たとえば2〜55μm、好ましくは4〜50μm、さらに好ましくは10〜45μmである。
また、最終的に得られるコアシェル粒子の平均粒径は、たとえば3〜60μm、好ましくは5〜50μm、さらに好ましくは10〜45μmである。
コアシェル粒子の平均粒径は、たとえば、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置(たとえば、堀場製作所社製の湿式粒度分布測定機LA−950)により体積基準の粒子径分布のデータを取得し、そのデータを処理することで求めることができる。
以上に述べた製造方法により、コアシェル粒子として得られる。コアシェル粒子は、本実施形態における樹脂組成物の構成成分として用いられる。そして、コアシェル粒子は、成分(C)、(D)および適宜その他の成分を含むコアの外側に、成分(A)および(B)を含むシェルを備える。コアシェル粒子の平均粒径、コアの平均粒径、シェルの厚み等は、上述のとおりである。
ここで、コアシェル粒子が樹脂組成物の構成成分として用いられるとは、以下の両方を含む。
(i)コアシェル粒子を単独で樹脂組成物として用いること
(ii)コアシェル粒子とその他の成分とに、混合および混練の一方または両方を施し樹脂組成物として用いること
上記(ii)の場合の「その他の成分」としては、たとえば、前述の溶融混合工程で説明した溶融混合物(M)、前述の成分(C)および(D)、着色剤、イオン捕捉剤、カップリング剤、硬化触媒、離型剤、低応力剤、難燃剤、酸化防止剤等を挙げることができる。
また、上記(i)(ii)いずれの場合であっても、コアシェル粒子、または、コアシェル粒子とその他の成分との混合/混練物として得られる樹脂組成物は、実用に供される際に、適切な形態に打錠されてもよい。
本実施形態で得られる樹脂組成物において、以下の条件で測定される、25℃、3日間の保存前後におけるマックストルク10%到達時間T1の比は、樹脂組成物の保存安定性を向上する観点から、好ましくは0.85以上であり、より好ましくは0.88以上、さらに好ましくは0.9以上である。また、同様の観点から、上記T1の比は、好ましくは1.15以下であり、好ましくは1.12以下、さらに好ましくは1.1以下、さらにより好ましくは1.0以下、よりいっそう好ましくは1.0未満である。
(条件)
TABサイズ35φ、金型温度100℃、測定時間5分、トルクレンジ300kgf・cm、マックスに至ったときのトルク値を100%としたときの、10%の到達時間をT1とする。
(成形体)
本実施形態において、成形体は、上述した本実施形態における樹脂組成物の硬化物からなる。
(構造体)
本実施形態において、構造体は、本実施形態における成形体を有する。すなわち、構造体は、本実施形態における樹脂組成物の硬化物を有する。
構造体は、限定されないが、半導体パッケージ等の他、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)等の表示体付きモジュール;乾電池、コイン電池等の電池付きモジュールまたは装置;プラスチックレンズ複合赤外線センサ、カメラ等が挙げられる。
また、本実施形態において、構造体は、たとえば耐熱性が100℃以下である製品またはその構成部材中に用いることもできる。
図3は、構造体の一例として、樹脂組成物を用いた半導体装置の構造を模式的に示す断面図である。図3に示した半導体装置10においては、ダイパッド13上に、ダイボンド材硬化体12を介して半導体素子11が固定されている。半導体素子11の電極パッドとリードフレーム15との間はボンディングワイヤ14によって接続されている。半導体素子11は、本実施形態の樹脂組成物の硬化物からなる成形体16によって封止されている。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、参考形態の例を付記する。
[1]
(A)エポキシ樹脂と、
(B)硬化剤と、
(C)硬化促進剤と、
を含む、成形材料用樹脂組成物であって、
25〜200℃を5℃/分の条件で当該成形材料用樹脂組成物の示差走査熱量測定をおこなったとき、
発熱開始温度が70℃以上90℃以下であり、
最高発熱温度が90℃以上130℃未満である、成形材料用樹脂組成物。
[2]
以下の条件で測定される、25℃、3日間の保存前後におけるマックストルク10%到達時間T1の比が0.85以上1.15以下である、上記[1]に記載の成形材料用樹脂組成物。
(条件)
TABサイズ35φ、金型温度100℃、測定時間5分、トルクレンジ300kgf・cm
[3]
前記示差走査熱量測定により得られる発熱曲線において、前記最高発熱温度における発熱量高さHmaxと前記発熱開始温度における発熱量高さHsとの差であるΔHの50%に達したときの温度のうち、前記最高発熱温度よりも低温側の温度および高温側の温度が、いずれも、80℃以上150℃以下の範囲にある、上記[1]または[2]に記載の成形材料用樹脂組成物。
[4]
前記示差走査熱量測定により得られる発熱曲線において、前記最高発熱温度における発熱量高さHmaxと前記発熱開始温度における発熱量高さHsとの差であるΔHの50%に達したときの温度のうち前記最高発熱温度よりも低温側の温度が、80℃以上95℃以下である、上記[1]乃至[3]いずれか1つに記載の成形材料用樹脂組成物。
[5]
前記成分(C)が、イミダゾール系硬化促進剤を含む、上記[1]乃至[4]いずれか1つに記載の成形材料用樹脂組成物。
[6]
上記[1]乃至[5]いずれか1つに記載の成形材料用樹脂組成物の硬化物からなる、成形体。
[7]
[6]に記載の成形体を有する、構造体。

以下に本実施形態を、実施例および比較例を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
まず、以下の例で用いた原料を示す。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂1:オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、長春人造樹脂社製、CNE−195LL
エポキシ樹脂2:トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、三菱ケミカル社製、E−1032H60
エポキシ樹脂3:ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、日本化薬社製、NC3000
(無機充填材)
無機充填材1:結晶シリカ、森村商事社製、CH−A
無機充填材2:球状アルミナ、デンカ社製、DAM−40K
無機充填材3:シリカ、アドマテックス社製、SC−2500−SQ
無機充填材4:シリカ、デンカ社製、FB−105FC
(硬化剤)
硬化剤1:フェノールノボラック樹脂、住友ベークライト社製、PR−55617
硬化剤2:フェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂、日本化薬社製、GPH−65
(硬化促進剤)
硬化促進剤1:イミダゾール硬化促進剤(2−フェニルイミダゾール)、四国化成社製、2PZ−PW
硬化促進剤2:イミダゾール硬化促進剤(2−メチルイミダゾール)、四国化成社製、2MZ−H
硬化促進剤3:触媒(テトラフェニルフォスフォニウム 4,4'−スルフォニルジフェノラート)、住友ベークライト社製、C03−MB
(添加剤)
添加剤1:カップリング剤、東レ・ダウコーニング社製、CF4083
添加剤2:製造例1により得られた離型剤
添加剤3:着色剤、三菱ケミカル社製、カーボン#5
添加剤4:低応力材、東レ・ダウコーニング社製、FZ−3730
添加剤5:離型剤、東亜化成社製、C−WAX
添加剤6:カップリング剤、チッソ社製、GPS−M
(製造例1)
以下の方法により、上記添加剤2(離型剤)を得た。
1−オクタコセン、1−トリアコンテン、1−テトラコンテン、1−ペンタコンテン、1−ヘキサコンテン等の混合物と無水マレイン酸との共重合物(三菱化学社製ダイヤカルナ(登録商標)30)300g、ステアリルアルコール(東京化成工業社製)141gを100℃で溶解させ、トリフルオロメタンスルホン酸(東京化成社製)の10%水溶液5gを滴下して160℃で8時間反応させた後、減圧下160℃で2時間反応をおこなうことにより、436gの離型剤、軟化点55℃を得た。
(実施例1〜4、比較例1および2)
(樹脂組成物の製造)
(実施例1〜4および比較例2)
各例について、表1に記載の成分および配合に基づき、以下の手順でコアシェル状の樹脂組成物を製造した。
1.溶融混合工程
表1に示した原料のうち、エポキシ樹脂、硬化剤および添加剤2(離型剤)を加熱釜中に投入し、150℃の熱媒体油により加温した。材料温度が100℃を超えたところで攪拌羽根での攪拌を開始し、また、材料温度が120℃を超えたところで添加剤1(カップリング剤)を添加し、その後5分攪拌した。
攪拌終了後、混合物を別の容器に移し替え、10℃で冷却した。材料温度が20℃以下となるまで冷却し、その後ハンマーミルで粉砕した。
以上により、平均粒径700μmの、溶融混合物の粉砕物を得た。
2.投入工程
攪拌装置の槽本体の中に、上記1.で得られた溶融混合物の粉砕物、硬化促進剤、無機充填材、添加剤3(着色剤)および添加剤4(低応力材)を投入した。
攪拌装置としては、クリアランス(攪拌羽根の先端と槽本体との距離)が3.0mmであるものを用いた。この攪拌装置は、攪拌のためのモーターや速度調整器、密閉状態で攪拌するための蓋、減圧の為のポンプ、温度調節のためのヒーター、覗き窓などを備えていた。
3.造粒工程
上記2.で槽本体内に投入した成分を、先端の線速度が1.0m/sとなるように攪拌羽根を回転させて混ぜつつ、攪拌装置が備えるヒーターにより加熱した。槽本体内の内容物の温度が120℃となるように維持して、30分間、常圧下で、攪拌羽根の回転を続けた。なお、槽本体内の内容物の温度は、攪拌装置が備える覗き窓から放射温度計で確認した。
これにより、無機充填材および添加剤3(着色剤)を含むコアの外側に、溶融混合物を含むシェル(平均厚さ0.1〜10μm)を備えたコアシェル粒子を造粒した。
4.冷却攪拌工程
上記3.の工程後、ヒーターの加熱を弱めたうえで、先端の線速度が1.0m/sとなるように攪拌羽根を回転させて、コアシェル粒子の温度が45℃以下になるまで120分冷却した。
5.粉砕工程
コアシェル粒子の一部凝集が確認された場合には、上記4.で冷却されたコアシェル粒子をハンマーミルに投入して処理した。
以上の工程により、各実施例における樹脂組成物を得た。
(比較例1)
まず、表1に従い配合された各原料を常温でミキサーを用いて混合した後、70〜100℃でロール混練した。次いで、得られた混練物を冷却した後、これを粉砕することにより、粉粒状の樹脂組成物を得た。
(DSC)
各例で得られた樹脂組成物の熱特性をDSCにより測定した。
示差走査熱量計(SII製、DSC7020)を用い、窒素気流下で、昇温速度を5℃/分で25℃から200℃の温度範囲条件にて、10mgの樹脂組成物について測定した。60℃における発熱量高さH1と最高発熱温度における発熱量高さHmaxとの差をΔH1とし、発熱量高さH1を基準にしたときに発熱量高さが、ΔH1の10%に達した時の温度を、発熱開始温度とした。発熱ピークは、ΔH1の30%を超えるものとした。
(キュラストトルク)
各例で得られた樹脂組成物について、キュラストメーター(エー・アンド・デイ社製、キュラストメーターMODEL7)を用い、TABサイズ35φ、金型温度100℃、測定時間5分、トルクレンジ300kgf・cmの条件にて、樹脂組成物のトルク値を経時的に測定し、測定開始から、マックストルク10%到達時間T1(s)を求めた。
測定は、25℃、3日間の保存前後におこない、保存前後の上記T1の比を算出した。
(低温での硬化特性)
各例で得られた樹脂組成物の低温での硬化特性を以下の方法および基準で評価した。評価結果を表1にあわせて示す。
(スパイラルフロー)
各実施例で得られた樹脂組成物のスパイラルフロー測定をおこなった。低圧トランスファー成形機(コータキ精機社製、KTS−30)にて、EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用の金型を用い、金型温度100℃、測定時間5分とし、パウダー状態で樹脂組成物を投入し、流動長(cm)の測定をおこなった。
比較例1については、金型温度100℃では、測定時間5分で硬化不可のため測定をおこなっておらず、金型温度を175℃とし、上述の方法に準じて測定した結果、140cmであった。
比較例2については、金型温度100℃では、測定時間5分で硬化不可のため測定をおこなっておらず、金型温度を120℃とし、上述の方法に準じて測定した結果、15cmであった。
(曲げ強度/弾性率)
成形物成形による測定にて、各例で得られた樹脂組成物について、金型温度100℃、測定時間5分で樹脂組成物を硬化し成形体を得た後、25℃の雰囲気下、JIS K6911に準拠した方法にて、三点曲げ試験を実施した。各実施例の硬化物が比較例1の硬化物と比較して低温で成形した際にも充分な曲げ強度(MPa)および弾性率(MPa)を有するか評価した。
ここで、比較例1の硬化物の評価は以下の方法でおこなった。すなわち、成形物成形による測定にて得られた樹脂組成物について、金型温度175℃、測定時間3分で樹脂組成物を硬化し成形体を得た後、25℃の雰囲気下、JIS K6911に準拠した方法にて、三点曲げ試験を実施し、比較例1の樹脂組成物の硬化物の曲げ強度(MPa)および弾性率(MPa)を評価した。結果は、曲げ強度165MPa、弾性率17500MPaであった。
比較例2については、成形物成形による測定にて得られた樹脂組成物について、金型温度120℃、測定時間3分で樹脂組成物を硬化し成形体を得た後、25℃の雰囲気下、JIS K6911に準拠した方法にて、三点曲げ試験を実施し、比較例2の樹脂組成物の硬化物の曲げ強度(MPa)および弾性率(MPa)を評価した。結果は、曲げ強度105MPa、弾性率19000MPaであった。
Figure 0006885519
表1より、各実施例で得られた樹脂組成物は、比較例のものに比べて、低温における硬化特性に優れていた。
1 攪拌装置
2 攪拌羽根
3 軸
4 槽本体
10 半導体装置
11 半導体素子
12 ダイボンド材硬化体
13 ダイパッド
14 ボンディングワイヤ
15 リードフレーム
16 成形体
この出願は、2019年3月20日に出願された日本出願特願2019−052396号を基礎とする優先権を主張し、その開示のすべてをここに取り込む。

Claims (9)

  1. (A)エポキシ樹脂と、
    (B)硬化剤と、
    (C)硬化促進剤と、
    を含む、成形材料用樹脂組成物であって、
    前記成分(C)はイミダゾール系硬化促進剤を含み、
    25〜200℃を5℃/分の条件で当該成形材料用樹脂組成物の示差走査熱量測定をおこなったとき、
    発熱開始温度が70℃以上90℃以下であり、
    最高発熱温度が90℃以上130℃未満であって、
    当該成形材料用樹脂組成物が、前記成分(C)を含むコアの外側に、前記成分(A)および(B)を含むシェルを備えたコアシェル粒子である、成形材料用樹脂組成物。
  2. 以下の条件で測定される、25℃、3日間の保存前後におけるキュラストトルクのマックストルク10%到達時間T1の比が0.85以上1.15以下である、請求項1に記載の成形材料用樹脂組成物。
    (条件)
    TABサイズ35φ、金型温度100℃、測定時間5分、トルクレンジ300kgf・cm
  3. 前記示差走査熱量測定により得られる発熱曲線において、前記最高発熱温度における発熱量高さHmaxと前記発熱開始温度における発熱量高さHsとの差であるΔHの50%に達したときの温度のうち、前記最高発熱温度よりも低温側の温度および高温側の温度が、いずれも、80℃以上150℃以下の範囲にある、請求項1または2に記載の成形材料用樹脂組成物。
  4. 前記示差走査熱量測定により得られる発熱曲線において、前記最高発熱温度における発熱量高さHmaxと前記発熱開始温度における発熱量高さHsとの差であるΔHの50%に達したときの温度のうち前記最高発熱温度よりも低温側の温度が、80℃以上95℃以下である、請求項1乃至3いずれか1項に記載の成形材料用樹脂組成物。
  5. 当該成形材料用樹脂組成物の平均粒径が3〜60μmである、
    請求項1乃至4いずれか1項に記載の成形材料用樹脂組成物。
  6. 当該成形材料用樹脂組成物の前記コアの平均粒径が2〜55μmである、
    請求項1乃至5いずれか1項に記載の成形材料用樹脂組成物。
  7. 当該成形材料用樹脂組成物の前記シェルの厚みが0.1〜10μmである、
    請求項乃至いずれか1項に記載の成形材料用樹脂組成物。
  8. 請求項1乃至いずれか1項に記載の成形材料用樹脂組成物の硬化物からなる、成形体。
  9. 請求項に記載の成形体を有する、構造体。
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