JP6885453B1 - Soiウェーハの片面研磨システム及びそれを用いたsoiウェーハの片面研磨方法 - Google Patents

Soiウェーハの片面研磨システム及びそれを用いたsoiウェーハの片面研磨方法 Download PDF

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Abstract

【課題】SOI層の膜厚分布をより均一化できるSOIウェーハの片面研磨システム及びそれを用いたSOIウェーハの片面研磨方法を提供する。【解決手段】定盤と、研磨パッドと、研磨ヘッドと、研磨ヘッド駆動機構と、光学式膜厚測定部と、制御部と、記憶部と、を備える片面研磨システムにおいて、制御部が、前記研磨ヘッド駆動機構を用いて、前記研磨ヘッドに保持されたSOIウェーハを前記定盤の窓部の上に移動させるとともに、前記窓部を介して、前記光学式膜厚測定部によって前記SOIウェーハのSOI層の少なくとも径方向の膜厚分布を測定して、前記記憶部に前記膜厚分布を記録し、前記記憶部に記録させた前記膜厚分布に基づき、前記膜厚分布を均一化する実行用加圧分布を決定して、前記研磨ヘッドの加圧分布に設定し、前記研磨ヘッドに保持された前記SOIウェーハの前記SOI層の表面を研磨する。【選択図】図1

Description

本発明は、SOIウェーハの片面研磨システム及びそれを用いたSOIウェーハの片面研磨方法に関する。
近年、高集積CMOS素子、高耐圧素子、イメージセンサ等の種々の半導体デバイス用途において、SOI(Silicon on Insulator)構造を有するSOIウェーハが注目されている。
SOIウェーハは一般的に、単結晶シリコンウェーハからなる支持基板ウェーハ上に、酸化シリコン(SiO)等の絶縁層及びデバイス活性層として使用される単結晶シリコン層などの半導体層が順次形成された構造を有する。なお、この半導体層は活性層又はSOI層とも呼ばれ、以下、本明細書では「SOI層」と称する。バルクの単結晶シリコンウェーハでは素子と基板部分との間に発生し得る寄生容量が比較的大きいものの、SOI層は絶縁層上に設けられるために寄生容量を大幅に低減できる。そのため、SOIウェーハはデバイスの高速化、高耐圧化、低消費電力化等の点で有利である。
半導体デバイスの高集積化はますます加速しており、半導体ウェーハの平坦度などの表面品質の改善が求められている。この要望に応えるため、半導体ウェーハの研磨装置及び研磨方法の改良が幅広く行われている。
例えば特許文献1に記載の半導体ウェーハの研磨装置では、研磨圧力に伴う半導体ウェーハの変形を防止するため、複数の圧力室を具える研磨ヘッドが用いられている。
また、特許文献2には、半導体ウェーハの周方向における膜厚分布を取得し、この周方向膜厚分布に基づいて、第1の領域を決定し、研磨パッドが貼付された定盤を回転させ、研磨ヘッドで半導体ウェーハを回転させながら、この半導体ウェーハの表面を研磨パッドに押し付け、上記第1の領域を、半導体ウェーハの表面内の第2の領域の除去レートとは異なる除去レートで研磨する研磨方法が開示されている。特許文献2に記載の研磨方法では、定盤及び研磨ヘッドの回転を利用しつつ、定盤に設けられた膜厚センサを用いて上記周方向膜厚分布を測定することにより、周方向に沿った膜厚分布のばらつきを研磨によって解消しようとするものである。
また、特にSOIウェーハの場合、SOI層の優れた膜厚均一性も要求されており、SOIウェーハに特化した研磨方法の改善も試みられている(例えば特許文献3、4を参照)。
特開2009−131920号公報 特開2017−64801号公報 特開2014−63894号公報 特開2014−63878号公報
ところで、SOIウェーハのSOI層の膜厚分布は支持基板ウェーハの凹凸形状の影響及び研磨前の製造工程の影響を受けやすい。特許文献3、4に記載されるように特定方向にテーパ状に膜厚分布がばらつく場合もある一方で、径方向にばらつく場合も見られる。また、SOIウェーハでは、上述のとおりSOI層の膜厚均一化が求められており、SOIウェーハ全体の厚さ分布のばらつきを一部犠牲にしてでも、SOI層の膜厚均一化を優先する必要がある。先に参照した特許文献2に開示される研磨方法は、半導体ウェーハ全体の周方向膜厚分布のばらつきを解消しようとするものである。そのため、SOIウェーハのSOI層の膜厚分布をより均一化するためには、そのままでは当該研磨方法を適用することはできない。
そこで本発明は、SOI層の膜厚分布をより均一化できるSOIウェーハの片面研磨システム及びそれを用いたSOIウェーハの片面研磨方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく本発明者らは鋭意検討した。そして、定盤に設けられた窓部を介して、少なくとも径方向におけるSOI層の膜厚分布を研磨に先立って測定し、この測定結果に基づいて研磨ヘッドにおける加圧制御室の加圧分布を適正制御すれば、SOI層の膜厚分布を均一化できることを本発明者らは知見した。上記知見に基づき完成した本発明の要旨構成は以下のとおりである。
(1)支持基板ウェーハと、前記支持基板ウェーハの一方の表面に設けられた絶縁層と、前記絶縁層の表面に設けられたSOI層とを有するSOIウェーハの、前記SOI層の表面を研磨するSOIウェーハの片面研磨システムであって、
前記片面研磨システムは、定盤と、研磨パッドと、研磨ヘッドと、研磨ヘッド駆動機構と、光学式膜厚測定部と、制御部と、記憶部と、を備え、
前記定盤は窓部を有し、
前記研磨パッドは前記定盤の片面に貼付され、
前記研磨ヘッドは、ヘッド本体部と、前記ヘッド本体部の下面中央部に設けられ、前記支持基板ウェーハの他方の面を吸着可能なバッキングプレートを有し、前記ヘッド本体部は前記バッキングプレートを介して径方向の複数領域のそれぞれに加圧分布を設定可能な加圧制御室を具え、
前記研磨ヘッド駆動機構は前記研磨ヘッドに連結して、前記研磨ヘッドを並進駆動及び回転駆動可能であり、
前記制御部は、
(i)前記研磨ヘッド駆動機構を用いて、前記研磨ヘッドに保持された前記SOIウェーハを前記定盤の前記窓部の上に移動させるとともに、前記窓部を介して、前記光学式膜厚測定部によって前記SOI層の少なくとも径方向の膜厚分布を測定して、前記記憶部に前記膜厚分布を記録し、
(ii)前記記憶部に記録させた前記膜厚分布に基づき、前記膜厚分布を均一化する実行用加圧分布を決定し、
(iii)前記実行用加圧分布を、前記加圧制御室の前記加圧分布に設定し、
(iv)前記研磨ヘッドに保持された前記SOIウェーハの前記SOI層の表面を前記研磨パッドに擦り当てて研磨する
ことを特徴とするSOIウェーハの片面研磨システム。
(2)前記制御部は、(i)前記SOI層の全面の膜厚分布を測定する、前記(1)に記載のSOIウェーハの片面研磨システム。
(3)前記SOIウェーハの片面研磨システムは、前記研磨パッドの表面に研磨スラリーを供給可能なスラリー供給ノズルをさらに備え、
前記制御部は、(iv)前記スラリー供給ノズルから前記研磨パッドへ前記研磨スラリーを供給しながら、前記SOI層の表面を研磨する、前記(1)又は(2)に記載のSOIウェーハの片面研磨システム。
(4)前記光学式膜厚測定部は、前記窓部を介して測定光を入射可能な光源と、前記測定光の反射光を受光可能な受光センサとを有し、
前記制御部は、(i)前記SOIウェーハが前記窓部の上に位置したときに前記測定光を入射する、前記(1)〜(3)のいずれかに記載のSOIウェーハの片面研磨システム。
(5)前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のSOIウェーハの片面研磨システムを用いて、前記SOIウェーハの前記SOI層を片面研磨することを特徴とするSOIウェーハの片面研磨方法。
本発明によれば、SOI層の膜厚分布をより均一化できるSOIウェーハの片面研磨システム及びそれを用いたSOIウェーハの片面研磨方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に従うSOIウェーハの片面研磨システムの模式図である。 本発明の一実施形態に従うSOIウェーハの片面研磨システムにおける拡大図である。 本発明の一実施形態に従うSOIウェーハの片面研磨システムにおける加圧制御室の模式平面図である。 (A)、(B)はそれぞれ、本発明の一実施形態に従うSOIウェーハの片面研磨システムにおける加圧分布の模式図である。 (A)、(B)はそれぞれ、本発明の一実施形態に従うSOIウェーハの片面研磨システムを用いて研磨することにより得られる研磨取代の一例である。 実施例1において測定した研磨前後におけるSOI層の径方向膜厚分布である。 実施例1及び比較例1において測定したSOI層の膜厚の変動幅を示すグラフであり、(A)は研磨前を示し、(B)は研磨後を示す。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、同一の構成要素には原則として同一の参照番号を付して、重複する説明を省略する。また、図1〜図4に図示した各構成は模式図であり、実際の縦横比とは異なる。なお、図2は、図1に模式的に図示するSOIウェーハ10が研磨ヘッド40に保持されつつ、SOIウェーハ10が定盤20の窓部21上に位置するときの様子を図示した拡大模式図である。
(SOIウェーハの片面研磨システム)
図1及び図2を参照する。本発明の一実施形態に従うSOIウェーハの片面研磨システム100の研磨対象は、支持基板ウェーハ11と、支持基板ウェーハ11の一方の表面に設けられた絶縁層12と、絶縁層12の表面に設けられたSOI層13とを有するSOIウェーハ10の、SOI層13の表面である。そして、このSOIウェーハの片面研磨システム100(以下、「片面研磨システム100」)は、定盤20と、研磨パッド30と、研磨ヘッド40と、研磨ヘッド駆動機構50と、光学式膜厚測定部60と、制御部70と、記憶部80と、を少なくとも備える。そして、制御部70を介して、光学式膜厚測定部60によりSOI層13の少なくとも径方向の膜厚分布を測定し、これに基づき研磨ヘッド40によるSOIウェーハ10への加圧分布を制御してSOI層13の表面を研磨する。こうすることで、SOI層の膜厚分布を均一化することができる。以下、各構成の詳細を順次説明する。
<定盤>
片面研磨システム100は定盤20を備える。この定盤20は窓部21を有する。一般的な半導体ウェーハの片面研磨装置に用いられる定盤を、片面研磨システム100の定盤20に適用することができる。定盤20における窓部21の位置は特に制限されず、研磨ヘッド駆動機構50による研磨ヘッド40の移動により、SOIウェーハ10の少なくとも直径全域を走査できる位置であればよい。この窓部21を介して、光学式膜厚測定部60がSOIウェーハ10のSOI層13の膜厚を測定することになる。窓部21の大きさ及び形状は光学式膜厚測定部60による測定が可能であれば特に制限されない。窓部21は貫通孔であってもよいし、可視光又は赤外光等の測定光60Lを透過できる透明部材で構成されていてもよい。また、図1に図示されるように、定盤に20の下面には回転軸25が設けられることが一般的であり、回転軸25の回転により定盤20を回転させることができる。
<研磨パッド>
片面研磨システム100は研磨パッド30を備える。この研磨パッド30は定盤20の片面に貼付される。なお、研磨パッド30には窓部21に合わせた穴の加工が施されており、その穴と窓部21の位置とを合わせて、貼付を行えばよい。また、例えば、研磨パッド30には、ポリエステル製の不織布からなるパッド、ポリウレタン製のパッド等の、一般的な半導体ウェーハの片面研磨装置に用いられる研磨パッドを適用することができる。
<研磨ヘッド>
図2を特に参照する。片面研磨システム100は研磨ヘッド40を備え、研磨ヘッド40によってSOIウェーハ10を保持することができる。この研磨ヘッド40は、ヘッド本体部41と、ヘッド本体部41の下面中央部に設けられ、支持基板ウェーハ11の他方の面(すなわち、絶縁層12とは反対側の面)を吸着可能なバッキングプレート43を有する。バッキングプレート43は浸透可能な多孔質の発泡樹脂パッドやメンブレンゴム等の弾性体を具えることが一般的である。なお、バッキングプレート43のチャック方式は水等の液体を用いた表面張力による吸着方式および真空チャック方式など、任意である。
また、研磨ヘッド40には、研磨中のSOIウェーハ10の飛び出しを防止するためのリテーナリング47を設けてもよい。図1及び図2では、リテーナリング47はヘッド本体部41の下面周縁部に設けられているが、これは一例にすぎない。一般的な半導体ウェーハの片面研磨装置の研磨ヘッドに用いられるリテーナリング(ガイドリング又はテンプレートとも呼ばれる)を、リテーナリング47に適用することができる。
<<加圧制御室>>
そして、ヘッド本体部41はこのバッキングプレート43を介して径方向の複数領域のそれぞれに加圧分布を設定可能な加圧制御室45(45A、45B、45C、45D)を具える(図2参照)。加圧制御室45の模式平面図を図3に図示する。なお、図2及び図3では、径方向に対称に配置された圧力制御室45A、45B、45C、45Dが加圧制御室45を構成する場合を図示するもののが、これは例示に過ぎない。2以上の圧力制御室があれば加圧分布を設定することは可能である。圧力制御室45A、45B、45C、45Dを隔壁膜などにより区分することができ、加圧空気などの流体によって各圧力制御室の加圧力を制御することができる。図4(A)及び図4(B)に、加圧制御室45による加圧分布の一例を図示する。図4(A)は、SOIウェーハ10の周縁部(エッジ部)の研磨取代を大きくするために、SOIウェーハ10の中央部の加圧を小さく、かつ、SOIウェーハ10の周縁部の加圧を大きくする場合の加圧分布を模式的に図示した。図中の矢印が加圧力を意味する。また、図4(B)は、図4(A)の場合とは反対に、SOIウェーハ10の中央部の研磨取代を大きくするために、SOIウェーハ10の中央部の加圧を大きく、かつ、SOIウェーハ10の周縁部の加圧を小さくする場合の加圧分布を模式的に図示した。
<研磨ヘッド駆動機構>
図1に戻る。片面研磨システム100は研磨ヘッド駆動機構50を備え、研磨ヘッド駆動機構50は研磨ヘッド40に連結して、研磨ヘッド40を並進駆動及び回転駆動させる。SOIウェーハ10を保持するとき、SOIウェーハ10におけるSOI層13の膜厚分布を測定するとき、SOI層13を研磨するとき、などの種々の用途で用いるものであり、一般的な半導体ウェーハの片面研磨装置の研磨ヘッド駆動機構を用いることができる。
<光学式膜厚測定部>
片面研磨システム100は光学式膜厚測定部60を備える。SOI層13の膜厚を測定できるものであれば特に制限されないが、光学式膜厚測定部60は、例えば測定光60Lを入射可能な光源61及びこの測定光60Lの反射光を受光可能な受光センサ62を有することができる(図2参照)。窓部21上に位置する部分のSOI層13の膜厚を測定するときの測定態様の一例を説明する。光源61からの測定光60Lの入射光を、光ファイバ63を経由してレンズ65により集光し、定盤20の窓部21を介して測定光60LをSOIウェーハ10のSOI層13の露出面に入射する。絶縁層12によって測定光60Lは反射され、レンズ65及び光ファイバ63を経由した後、受光センサ62が測定光60Lの反射光を受光する。こうしてSOI層13の膜厚を求めることができる。SOIウェーハ10を研磨ヘッド駆動機構50によって移動させた後、光学式膜厚測定部60による同様の測定を行えば、SOI層13の膜厚分布を求めることができる。なお、光源61の波長は、例えば可視光域であり、赤外光域であってもよい。
<制御部>
片面研磨システム100は制御部70を備える。制御部70は、1つ以上のプロセッサを含めばよく、マイクロプロセッサ等によって実現することができる。制御部70は、片面研磨システム100全体の動作を制御し、具体的な制御プロセスについては後述する。
<記憶部>
片面研磨システム100は記憶部80を備え、記憶部80は1つ以上のメモリを含めばよい。記憶部80に含まれうる各メモリには、主記憶装置、補助記憶装置、キャッシュメモリ等を用いることができる。
<制御プロセス>
上述した片面研磨システム100の各構成を用いた制御部70による制御プロセスを説明する。概略すれば、制御部70は、(i)SOI層13の膜厚分布を測定して記録し、(ii)測定した膜厚分布に基づき実行用加圧分布を決定し、(iii)決定した実行用加圧分布を、加圧制御室45の加圧分布に設定し、(iv)この加圧分布を用いてSOI層13の研磨を行う。
<<(i)膜厚分布測定>>
まず、制御部70は研磨ヘッド駆動機構50を用いて、研磨ヘッド40に保持されたSOIウェーハ10を定盤20の窓部21の上に移動させる。そして、窓部21を介して、光学式膜厚測定部60によって窓部21上に位置するSOI層13の膜厚を測定する。制御部70は、SOIウェーハ10が窓部21の上に位置するときに、光学式膜厚測定部60から測定光60LをSOI層13に入射させればよい。そして、研磨ヘッド駆動機構50を用いて研磨ヘッド40ごとSOIウェーハ10を移動し、この膜厚測定を繰り返し行うことで、SOI層13の少なくとも径方向の膜厚分布を測定する。そして、制御部70は、記憶部80に測定した膜厚分布を記録する。SOI層13の全面の膜厚分布を測定することも好ましい。この場合、周方向でのSOI層13の膜厚を平均化して、径方向の加圧分布に反映することが好ましい。
<<(ii)実行用加圧分布の決定>>
次に、制御部70は、記憶部80に記録させた膜厚分布に基づき、膜厚分布を均一化するための、研磨に用いる実行用加圧分布を決定する。制御部70は、実行用加圧分布を、記憶部80に予め記憶された加圧分布候補群の中から選択してもよい。また、制御部70は、記憶部80に記録させた膜厚分布から径方向の膜厚ばらつきが解消するよう実行用加圧分布を演算してもよい。いずれの場合も、測定結果に基づく膜厚分布の平均膜厚よりも膜厚が大きい部分の加圧を大きくし、平均膜厚よりも膜厚が小さい部分の加圧を小さくした実行用加圧分布を採用すればよい。
<<(iii)加圧分布の設定>>
その後、制御部70は、実行用加圧分布を、加圧制御室45の加圧分布に設定する。例えば、加圧制御室45の各圧力制御室の圧力を実行用加圧分布に対応させればよい。
<<(iv)研磨>>
そして、制御部70は、研磨ヘッド40に保持されたSOIウェーハ10のSOI層13の表面を研磨パッド30に擦り当てて研磨する。一般的には、図1と同様に、研磨ヘッド40の回転方向と、定盤の回転方向とは同方向である。また、研磨中、研磨ヘッド40を揺動させることも好ましい。
これまで説明した片面研磨システム100は、制御部70を介して、光学式膜厚測定部60によりSOI層13の少なくとも径方向の膜厚分布を測定する。そして、この測定結果に基づき研磨ヘッド40によるSOIウェーハ10への加圧分布を制御してSOI層13の表面を研磨する。したがって、片面研磨システム100を用いた片面研磨では、SOI層13の径方向の膜厚分布のばらつきを考慮しつつ、これを解消するための加圧分布を設定するため、SOI層13の膜厚分布をより均一化することができる。また、この片面研磨システム100を用いれば、工程数を過剰に増大させることなく、SOI層13の研磨前の膜厚分布を測定できる点でも有利である。研磨前のSOI層13の平均膜厚は概ね10μm〜100μmまで薄膜化されており、別途の膜厚測定器を用いてSOI層13の膜厚を測定すると膜厚測定器のステージの影響を受けやすい。しかしながら、片面研磨システム100を用いればSOIウェーハ10を研磨ヘッド40に装着したまま膜厚測定及び研磨を行うことができるため、ステージの影響による測定誤差も排除できる。
<スラリー供給ノズル>
なお、図1に図示するとおり、片面研磨システム100は、研磨パッド30の表面に研磨スラリー91を供給可能なスラリー供給ノズル90をさらに備えることも好ましい。遊離砥粒を含むアルカリ性水溶液などを研磨スラリー91に用いることができる。SOI層13の研磨中に研磨スラリー91を供給することで、化学機械研磨(CMP; Chemical Mechanical Polishing)を行うことができるためである。この場合、制御部70は、(iv)スラリー供給ノズル90から研磨パッド30へ研磨スラリー91を供給しながら、SOI層13の表面を研磨すればよい。ただし、SOI層13の膜厚分布を正確に測定するためには、(i)膜厚分布測定の場合には、制御部70は研磨スラリー91を供給せず、スラリー供給ノズル90を閉塞することが好ましい。
<SOIウェーハ>
上述のとおり、片面研磨システム100の研磨対象であるSOIウェーハ10は、支持基板ウェーハ11と、支持基板ウェーハ11の一方の表面に設けられた絶縁層12と、絶縁層12の表面に設けられたSOI層13とを有する。周方向ばらつきよりも径方向ばらつきが大きいSOIウェーハの研磨に片面研磨システム100を適用することが好ましい。もっとも、周方向ばらつきの方が径方向ばらつきより大きいとしても、研磨前の状態で径方向ばらつきのないSOIウェーハは事実上皆無であり、片面研磨システム100の効果が失われるわけではない。なお、研磨前のSOIウェーハの全体の厚みは概ね700〜1200μm程度である。以下では、SOIウェーハ10の具体的態様を説明する。ただし、本発明が以下の具体例に限定されないことは当然に理解される。
<<支持基板ウェーハ>>
シリコン単結晶からなる単結晶シリコンウェーハを支持基板ウェーハ11に用いることができる。単結晶シリコンウェーハは、チョクラルスキー法(CZ法)や浮遊帯域溶融法(FZ法)等により育成された単結晶シリコンインゴットをワイヤーソー等でスライスしたものを使用することができる。また、単結晶シリコンウェーハには炭素および/または窒素が添加されていてもよい。さらに、任意の不純物を添加して、n型またはp型としてもよい。
<<絶縁層>>
絶縁層12は、酸化雰囲気で熱処理を行うなどして、支持基板ウェーハ11の表面に形成することができる。また、絶縁層12は熱処理により形成される酸化シリコンに限られず、種々の電気的絶縁体を用いることができ、例えば、窒化シリコンを用いてもよいし、ダイヤモンドライクカーボン(DLC; Diamond Like Carbon)などを用いることもできる。なお、絶縁層12の膜厚は制限されないが、一般的には0.1μm〜5μmである。
<<SOI層>>
SOI層13は、シリコン単結晶からなる単結晶シリコンウェーハを、絶縁層12を介して支持基板ウェーハ11と貼合せた後、研削するなどして薄膜化したものである。支持基板ウェーハと導電型(p型およびn型)を揃えてもよいし、異ならせても構わない。
(SOIウェーハの片面研磨方法)
また、本発明の一実施形態に従うSOIウェーハの片面研磨方法は、上述したSOIウェーハの片面研磨システム100を用いて、SOIウェーハ10のSOI層13を片面研磨する。この片面研磨方法は、SOI層13の膜厚分布を測定する工程と、測定した膜厚分布に基づき実行用加圧分布を決定する工程と、決定した実行用加圧分布を、加圧制御室45の加圧分布に設定する工程と、この加圧分布を用いてSOI層13を研磨する工程と、を含むことができる。この片面研磨方法によりSOI層13の膜厚分布をより均一化することができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
上述したSOIウェーハの片面研磨システム100を用いて1枚のSOIウェーハの片面研磨を行った。まず、SOI層13の全面の膜厚分布を測定し、測定結果に基づき実行用加圧分布を、記憶部80に予め記憶させた加圧分布候補群の中から選択して、SOI層13の片面をCMP研磨した。記憶部80に記憶された加圧分布候補群を選択した際に得られる研磨取代分布の一例を、図5(A)及び図5(B)に示す。図5(A)は、SOI層13の膜厚分布において、中心部の膜厚が周縁部よりも約0.1μm薄い場合に選択される加圧分布候補群から得られる径方向の研磨取代分布である。また、図5(B)は、SOI層13の膜厚分布において、中心部の膜厚が周縁部よりも0.2μm厚い場合に選択される加圧分布候補群から得られる径方向の研磨取代分布である。なお、加圧制御室45における圧力制御室の個数は、例示的に図示した図2等と同様に4つであり、径方向に圧力分布を設定可能である。
実施例1による片面研磨を行う前後での径方向膜厚分布を図6に示す。なお、この研磨前の膜厚分布では、中心部の膜厚が周縁部よりも約0.2μm大きかったので、図5(B)のグラフに図示した研磨取代分布が得られる加圧分布を採用した。図6から、研磨後のSOI層の膜厚分布を均一化できていることが確認される。
(比較例1)
SOI層13の膜厚分布を測定することなく、SOIウェーハ10の全体の厚さ分布が均一となるよう、SOI層13の片面をCMP研磨した。装置構成は膜厚分布測定及び加圧分布制御を伴う制御手法を除き、実施例1と同様である。
図7(A)及び図7(B)のグラフに、実施例1及び比較例1において測定したSOI層の膜厚の変動幅を示す。なお、これらグラフは、実施例1及び比較例1のそれぞれのSOIウェーハの全面における膜厚の測定値を各点毎にプロットしたものであり、それぞれ1枚のSOIウェーハから得た測定値である。図7(A)は研磨前の膜厚分布の変動幅を示し、(B)は研磨後の膜厚の変動幅を示す。ロットの違いもあり、研磨前のSOI層の膜厚の変動幅は、比較例1の方が少ない。こうした事情があるにも関わらず、研磨後のSOI層の膜厚分布の変動幅を実施例1と比較例1とで比較すると、実施例1の方が膜厚の変動幅の方が小さく、大幅な膜厚精度の向上を確認することができた。なお、SOI層の膜厚の変動幅における標準偏差は、実施例1では0.014μmであり、比較例1では0.032μmであった。
本発明によれば、SOI層の膜厚分布をより均一化できるSOIウェーハの片面研磨システム及びそれを用いたSOIウェーハの片面研磨方法を提供することができる。
10 SOIウェーハ
20 定盤
21 窓部
30 研磨パッド
40 研磨ヘッド
41 ヘッド本体部
43 バッキングプレート
45 加圧制御室
50 研磨ヘッド駆動機構
60 光学式膜厚測定部
70 制御部
80 記憶部
90 スラリー供給ノズル
91 研磨スラリー
100 SOIウェーハの片面研磨システム

Claims (5)

  1. 支持基板ウェーハと、前記支持基板ウェーハの一方の表面に設けられた絶縁層と、前記絶縁層の表面に設けられたSOI層とを有するSOIウェーハの、前記SOI層の表面を研磨するSOIウェーハの片面研磨システムであって、
    前記片面研磨システムは、定盤と、研磨パッドと、研磨ヘッドと、研磨ヘッド駆動機構と、光学式膜厚測定部と、制御部と、記憶部と、を備え、
    前記定盤は窓部を有し、
    前記研磨パッドは前記定盤の片面に貼付され、
    前記研磨ヘッドは、ヘッド本体部と、前記ヘッド本体部の下面中央部に設けられ、前記支持基板ウェーハの他方の面を吸着可能なバッキングプレートを有し、前記ヘッド本体部は前記バッキングプレートを介して径方向の複数領域のそれぞれに加圧分布を設定可能な加圧制御室を具え、
    前記研磨ヘッド駆動機構は前記研磨ヘッドに連結して、前記研磨ヘッドを並進駆動及び回転駆動可能であり、
    前記制御部は、
    (i)前記研磨ヘッド駆動機構を用いて、前記研磨ヘッドに保持された前記SOIウェーハを前記定盤の前記窓部の上に移動させるとともに、前記窓部を介して、前記光学式膜厚測定部によって前記SOI層の少なくとも径方向の膜厚分布を測定して、前記記憶部に前記膜厚分布を記録し、
    (ii)前記記憶部に記録させた前記膜厚分布に基づき、予め記憶させた加圧分布候補群の中から、前記膜厚分布を均一化する実行用加圧分布を選択し、
    (iii)前記実行用加圧分布を、径方向に前記加圧制御室の前記加圧分布設定し、
    (iv)前記研磨ヘッドに保持された前記SOIウェーハの前記SOI層の表面を前記研磨パッドに擦り当てて研磨する
    ことを特徴とするSOIウェーハの片面研磨システム。
  2. 前記制御部は、(i)前記SOI層の全面の膜厚分布を測定する、請求項1に記載のSOIウェーハの片面研磨システム。
  3. 前記SOIウェーハの片面研磨システムは、前記研磨パッドの表面に研磨スラリーを供給可能なスラリー供給ノズルをさらに備え、
    前記制御部は、(iv)前記スラリー供給ノズルから前記研磨パッドへ前記研磨スラリーを供給しながら、前記SOI層の表面を研磨する、請求項1又は2に記載のSOIウェーハの片面研磨システム。
  4. 前記光学式膜厚測定部は、前記窓部を介して測定光を入射可能な光源と、前記測定光の反射光を受光可能な受光センサとを有し、
    前記制御部は、(i)前記SOIウェーハが前記窓部の上に位置したときに前記測定光を入射する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のSOIウェーハの片面研磨システム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のSOIウェーハの片面研磨システムを用いて、前記SOIウェーハの前記SOI層を片面研磨することを特徴とするSOIウェーハの片面研磨方法。
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