JP6885270B2 - スラブの溶削方法 - Google Patents
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Description
このようなスラブの表面欠陥を除去する際には、例えば特許文献1−3に開示されたスカーファー設備が用いられる。これらのスカーファー設備は、スラブの表面を局所的に加熱して溶融し、表面欠陥を除去するものである。
上述のスカーファー設備においては、スラブ表面に対向するようにスカーファーユニットが配設されている。
次に、前記スラブの表面に溶削用酸素を供給するとともにスラブを搬送し、上述の湯溜まり部を熱源として溶削用酸素と鉄とを酸化反応させ、この酸化反応熱によってスラブ表面を深さ1〜3mm程度溶融し、表面欠陥を除去する(溶削工程)。
なお、前記溶削用酸素の噴出流が前記湯溜まり部を通過する領域における前記溶削用酸素の圧力の適正値は、スラブの鋼種、サイズ、溶削量(溶削深さ)、スラブ温度、スカーファー設備の構成等によって異なるため、安定した溶削が可能な条件を予め求めておくことになる。
この構成のスラブの溶削方法によれば、前記マニホールド内の圧力上昇速度、前記スラブの搬送開始タイミング、前記スラブの搬送開始後の加速度のいずれか一つ以上を調整することで、スラブの幅によってマニホールドの容積が異なる場合であっても、前記溶削用酸素の噴出流が前記湯溜まり部を通過する領域での前記溶削用酸素の圧力を適正値とすることが可能となる。
このスカーファー設備10は、スラブ1の表面を局所的に加熱して溶融することにより、スラブ1の表面欠陥を除去するものである。なお、溶削の対象となるスラブ1の幅は、例えば550mm以上2000mm以下の範囲内とされている。
また、スラブ1は、図1の矢印X方向に搬送されるように搬送テーブル(図なし)上に載置されている。
なお、溶削用ガス噴出部22から噴出される溶削用酸素の噴出流は、予熱用ガス噴出部21から噴出される可燃性ガス及び予熱用酸素の噴出流よりも、スラブ1の搬送方向Xの前方側に衝突するように配置されている。
そして、スカーファーユニット20には、それぞれのブロック25に対して溶削用酸素を供給するマニホールド27が設けられている。このマニホールド27には、溶削用酸素が供給される供給口29が設けられている。また、このマニホールド27は、図2に示すように、溶削するスラブ1の幅に対応するブロック25に対して溶削用酸素を供給するように、マニホールド27の容積を変更するシリンダー28を備えている。
すると、溶削用ガス噴出部22から噴出される溶削用酸素の噴出流が、搬送されるスラブ1の湯溜まり部3を通過し、この湯溜まり部3を熱源として溶削用酸素と鉄とを酸化反応させ、この酸化反応熱によって、スラブ1の表面を深さ1〜3mm程度溶融させ、スラブ1の表面を溶削する(溶削工程)。すなわち、湯溜まり部3の搬送方向Xの後方側が、酸化反応熱によって溶削されることになる。
一方、溶削用酸素の噴出流が湯溜まり部3を通過する領域における溶削用酸素の圧力PSが低すぎると、酸化反応の進行が不十分となり、酸化反応熱によって十分にスラブ1の表面を溶削することができなくなるおそれがある。
本実施形態では、溶削用酸素が湯溜まり部3と衝突する際における溶削用酸素の圧力PSの適正範囲は、定常条件における到達圧力Pに対して、0.5×P≦PS≦0.9×Pの範囲内としている。なお、本実施形態におけるPは 0.15MPa〜0.3MPa程度である。
ここで、本実施形態においては、溶削するスラブ1の幅に対応するブロック25に対して溶削用酸素を供給するように、マニホールド27の容積を変更するシリンダー28を備えていることから、図3に示すように、マニホールド27の圧力の上昇速度が異なることになる。
その際には、「幅広のスラブ1において、湯溜まり部3が時刻B’で移動を開始してから、時刻C’で溶削用ガス噴出部22からの噴出ガス(圧力PSは所定の範囲)が幅広のスラブ1に衝突する位置まで移動した際の移動距離」が、「幅狭のスラブ1において、湯溜まり部3が時刻Bで移動を開始してから、時刻Cで溶削用ガス噴出部22からの噴出ガス(圧力PSは所定の範囲)が幅狭のスラブ1に衝突する位置まで移動した際の移動距離」と等しくなるという条件を満足するように、幅広のスラブ1の搬送開始のタイミングを、幅狭のスラブ1よりも遅くする。
すなわち、図3(b)における△ABCと△A’B’C’とが同一の面積を有し、かつ、A’点に相当する時間帯における溶削用酸素の圧力PSが所定の範囲内となるように、幅広のスラブ1の搬送開始のタイミングを、幅狭のスラブ1よりも遅くする。
この場合、図3(c)における△ABCと△A”BC”とが同一の面積を有し、かつ、△A”点に相当する時間帯における溶削用酸素の圧力PSが所定の範囲内となるように、幅広のスラブ1の搬送開始後の加速度を、幅狭のスラブ1よりも小さくする。
また、溶削用酸素の噴出流が湯溜まり部3を通過する領域における溶削用酸素の圧力PSを、定常条件における到達圧力Pに対して、0.9×P以下となるように調整しているので、湯溜まり部3の溶鋼が吹き飛ばされることを抑制することができ、湯溜まり部3を維持し、溶削工程を安定して実施することが可能となる。
3 湯溜まり部
10 スカーファー設備
20 スカーファーユニット
27 マニホールド
Claims (2)
- スラブの表面に可燃性ガスと酸素を吹き付けて燃焼させ、前記スラブの表面に湯溜まり部を形成する予熱工程と、前記スラブの表面に溶削用酸素を吹き付けるとともに前記スラブを搬送し、前記溶削用酸素と鉄との酸化反応熱によって、搬送される前記スラブの表面を溶削する溶削工程と、を有し、
予め、前記溶削用酸素を供給するマニホールドへの酸素注入開始からの経過時間と、前記溶削用酸素の圧力の関係を求めておき、
前記関係に基づいて、前記予熱工程から前記溶削工程への移行の際に、前記溶削用酸素の噴出流が前記湯溜まり部を通過する領域における前記溶削用酸素の圧力を所定の範囲内とすることを特徴とするスラブの溶削方法。 - 前記溶削用酸素の圧力が所定の範囲内となるように、前記マニホールド内の圧力上昇速度、前記スラブの搬送開始タイミング、前記スラブの搬送開始後の加速度、のいずれか一つ以上を調整することを特徴とする請求項1に記載のスラブの溶削方法。
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JP2017173894A JP6885270B2 (ja) | 2017-09-11 | 2017-09-11 | スラブの溶削方法 |
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JP2017173894A JP6885270B2 (ja) | 2017-09-11 | 2017-09-11 | スラブの溶削方法 |
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