JP5020910B2 - 鋼鋳片の表層改質方法 - Google Patents
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Description
(1) 銅を含有する鋼鋳片の表層を複数の等間隔に配置されたプラズマトーチからのプラズマ照射によって加熱・溶融させ、この溶融した鋼鋳片の表層部分に、ワイヤー形状のニッケル又はニッケル合金を添加する鋼鋳片の表層改質方法において、前記ワイヤーのオシレーション幅を±Lo(mm)、オシレーション速度をFo(mm/sec)、プラズマトーチの間隔をPL(mm)、鋼鋳片の溶融処理速度をV(mm/sec)、鋼鋳片の表層部分が溶融して形成された溶融プールの長さをLp(mm)、前記ワイヤーの溶滴落下頻度をFw(個/分)とするとき、これらが下記(1)式の関係を満たすように、前記ワイヤーを、オシレーション中心位置を中心として前記鋼鋳片の搬送方向と直交する方向にオシレーションしながら当該ワイヤーを溶滴として前記溶融プールに供給することを特徴とする、鋼鋳片の表層改質方法。
(3) 前記ワイヤーを供給する際、ワイヤー先端で振幅±2mm以上、±5mm以下で、かつ周波数が20Hz以上、80Hz以下の振動を付与することを特徴とする、上記(1)に記載の鋼鋳片の表層改質方法。
(4) 前記ワイヤーに含有される不純物元素のOおよびNが、O≦50質量ppm、N≦200質量ppmであることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の鋼鋳片の表層改質方法。
本発明の鋼鋳片の表層改質方法においては、銅を含有する鋼鋳片の表層をプラズマ加熱により溶融させ、この溶融した鋼鋳片の表層部分に、ニッケル又はニッケル合金からなるワイヤーによってニッケル元素を添加する。
以下に、本発明を適用した第1の実施形態について詳細に説明する。図1は、本発明の鋼鋳片の表面改質方法の第1の実施形態を模式的に示す斜視図である。
先ず、本実施形態の鋼鋳片の表面改質方法に用いる表面改質処理装置について説明する。
図1に示すように、表面改質処理装置は、鋼鋳片1の搬送方向上流側に配置された誘導加熱コイル2と、誘導加熱コイル2の搬送方向下流側であって鋼鋳片1の上方に配置されたプラズマトーチ3と、プラズマトーチ3の上記上流側に配置されたワイヤー7と、プラズマトーチ3から放射されるプラズマジェット4を制御する一対のプラズマ制御用コイル5とから概略構成されている。
ワイヤー7は、ニッケル又はニッケル合金から構成されている。
また、供給するワイヤー7中のO濃度が200質量ppmを越えると、鋼鋳片1が中炭素系の場合にはCO反応による生成ガスによってブローホールが発生し、溶融処理部の表面性状が劣化するのでO濃度を200質量ppm以下にすることが好ましい。なお、O濃度が50質量ppmを超えると溶融部で酸化物が生成し易く、表面品質が劣化する場合があるため、O濃度を50質量ppm以下にすることがより好ましい。また、供給するワイヤー7中のN濃度が200質量ppmを越えると、窒素によるブローホールが発生し、溶融処理部の表面性状が劣化するのでN濃度は200質量ppm以下にすることが好ましい。
図1に示すように、本実施形態の鋼鋳片の表層改質方法においては、例えば、鋼鋳片1の表層を誘導加熱コイル2により誘導加熱した後、鋼鋳片1の上方に配置されたプラズマトーチ3から鋼鋳片1の表面に向けてプラズマジェット4を吹きつけ、鋼鋳片1の表層を加熱溶融する。その際、鋼鋳片1とプラズマトーチ3との間に配置されたプラズマ制御用コイル5により、プラズマジェット4の幅を制御・拡大する。そして、鋼鋳片1の表層における溶融部、即ち、溶融プール8に向けて、ワイヤー供給用水冷ノズル6からワイヤー7を供給する。このとき、ワイヤー7は、プラズマジェット4等により加熱されて溶融し溶滴状となって、ワイヤー7の成分(ニッケル又はニッケル合金)が、溶融プール8に添加される。
プラズマトーチ間隔PLは、大きいほどプラズマトーチ総本数を減らすことができ効率的であるが、プラズマ振幅(扁平したプラズマの幅)よりも狭くする必要がある。このプラズマ振幅は、プラズマ制御用コイルに流す電流が大きいほど、プラズマ電流が小さいほど大きくなり、その限界は100mm程度である。その結果、プラズマトーチ間隔PLは、100mm以下が現状の限界である。但し、制御コイルの開発により、この限界は拡大できる可能性がある。一方、プラズマトーチ間隔PLの下限は、使用するプラズマトーチのサイズに依存し、大よそトーチ外径+10mmとなる。この10mmの差は、プラズマトーチ間隔がこれより狭いとプラズマトーチ間で異常放電する可能性があるからである。
以下に、本発明を適用した第2の実施形態について詳細に説明する。図4は、本実施形態の鋼鋳片の表面改質方法の一形態を模式的に示す斜視図である。
先ず、本実施形態の鋼鋳片の表面改質方法に用いる表面改質処理装置について説明する。
図4に示すように、本実施形態の表層改質処理装置は、第1の実施形態の表層改質処理装置の構成におけるオシレーション機能に代えて振動器10を設けた構成となっている。これにより、ワイヤー7を溶滴として不連続的に溶融プール8に添加する場合に、振動器10から水冷ノズル6を介してワイヤー7に搬送方向と直交する方向の振動11を付与しながら供給する構成となっている。なお、図4に示す構成要素において、図1に示す構成要素と同一の構成要素には、図1と同一の符号を付してその説明を省略する。
次に、本発明を適用した第3の実施形態について詳細に説明する。図5は、本発明の鋼鋳片の表面改質方法の第3の実施形態を模式的に示す斜視図である。
先ず、本実施形態の鋼鋳片の表面改質方法に用いる表面改質処理装置について説明する。
図5に示すように、本実施形態の表層改質処理装置は、第1の実施形態および第2の実施形態の表層改質処理装置の構成を併せて有するものである。すなわち、ワイヤー7のニッケル成分を高頻度(20個/分以上)で滴下する溶滴として溶融プール8に添加する場合に、水冷ノズル6に振動器10を取り付けて水冷ノズル6を介してワイヤー7に振動11を付与すると共に、当該ワイヤー7をオシレーションしながら供給する構成となっている。なお、図5に示す構成要素は、図1および図4に示す構成要素と同一の構成要素には、図1および図4と同一の符号を付してその説明を省略する。
また、比較例2は、オシレーション速度が遅いため上記(2)式を満足できず、さらに溶滴落下頻度が改善できず上記(4)式を満足できないため、ニッケル濃度のばらつきが100%であった。
比較例3は、溶滴落下頻度が改善できず、ニッケル濃度のばらつきが200%であった。
比較例4は、オシレーション及び振動が与えられず、溶滴落下頻度が改善できないために上記(4)式を満足できず、ニッケル濃度のばらつきが200%であった。
比較例5は、バイブレーターの圧力が不足し、振幅及び振動周波数が不足したため、溶滴の落下頻度が改善できず、ニッケル濃度のばらつきが160%であった。
比較例6は、バイブレーターの圧力が高すぎ、振幅が大きくなりすぎたため、溶滴の飛散過多となって歩留まりが低下した例である。
比較例7は、プラズマトーチ間隔が広すぎるため、鋼鋳片表面の幅方向で溶融部が繋がらずに溶融不完全となった例である。
比較例8は、溶滴落下頻度が改善できず、ニッケル濃度のばらつきが200%であった。
比較例9は、溶滴落下頻度は上記(4)式を満たしているが、オシレーション速度が遅いため上記(2)式を満足できず、ニッケル濃度のばらつきが150%であった。
2 誘導加熱コイル
3 プラズマトーチ
4 プラズマジェット
5 プラズマ制御用コイル
6 ワイヤー供給用水冷ノズル
7 ワイヤー
8 溶融プール
9 オシレーション
10 振動器
11 振動
Claims (4)
- 銅を含有する鋼鋳片の表層を複数の等間隔に配置されたプラズマトーチからのプラズマ照射によって加熱・溶融させ、この溶融した鋼鋳片の表層部分に、ワイヤー形状のニッケル又はニッケル合金を添加する鋼鋳片の表層改質方法において、
前記ワイヤーのオシレーション幅を±Lo(mm)、オシレーション速度をFo(mm/sec)、プラズマトーチの間隔をPL(mm)、鋼鋳片の溶融処理速度をV(mm/sec)、鋼鋳片の表層部分が溶融して形成された溶融プールの長さをLp(mm)、前記ワイヤーの溶滴落下頻度をFw(個/分)とするとき、これらが下記(1)式の関係を満たすように、前記ワイヤーを、オシレーション中心位置を中心として前記鋼鋳片の搬送方向と直交する方向にオシレーションしながら当該ワイヤーを溶滴として前記溶融プールに供給することを特徴とする、鋼鋳片の表層改質方法。
- 銅を含有する鋼鋳片の表層を複数の等間隔に配置されたプラズマトーチからのプラズマ照射によって加熱・溶融させ、この溶融した鋼鋳片の表層部分に、ワイヤー形状のニッケル又はニッケル合金を添加する鋼鋳片の表層改質方法において、
ワイヤー先端で振幅±2mm以上、±5mm以下で、かつ周波数が20Hz以上、80Hz以下の、オシレーション中心位置を中心として前記鋼鋳片の搬送方向と直交する方向の振動を付与しながら、溶滴落下頻度Fw(個/分)が20個/分以上となるようにニッケル又はニッケル合金からなるワイヤーを、溶滴として、鋼鋳片の表層部分が溶融して形成された溶融プールに供給することを特徴とする、鋼鋳片の表層改質方法。 - 前記ワイヤーを供給する際、ワイヤー先端で振幅±2mm以上、±5mm以下で、かつ周波数が20Hz以上、80Hz以下の振動を付与することを特徴とする、請求項1に記載の鋼鋳片の表層改質方法。
- 前記ワイヤーに含有される不純物元素のOおよびNが、
O≦50質量ppm、
N≦200質量ppm
であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の鋼鋳片の表層改質方法。
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