JP6885239B2 - 電池用包装材料及び電池 - Google Patents

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Description

本発明は、電池用包装材料及び電池に関する。
従来、様々なタイプの電池が開発されているが、あらゆる電池において、電極や電解質などの電池素子を封止するために包装材料が不可欠な部材になっている。従来、電池用包装として金属製の包装材料が多用されていた。
一方、近年、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、パソコン、カメラ、携帯電話などの高性能化に伴い、電池には、多様な形状が要求されると共に、薄型化や軽量化が求められている。しかしながら、従来多用されていた金属製の包装材料では、形状の多様化に追従することが困難であり、しかも軽量化にも限界があるという欠点がある。
そこで、近年、多様な形状に加工が容易で、薄型化や軽量化を実現し得る電池用包装材料として、基材/バリア層/熱融着性樹脂層が順次積層されたフィルム状の積層体が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
このような電池用包装材料は、金型によって成型されて使用される成型タイプのものと、金型によって成型されないパウチタイプのものとに大きく二分される。成型タイプの電池用包装材料では、金型による成型によって、シート状の電池用包装材料に凹部が形成され、当該凹部によって形成された空間に電極や電解液などの電池素子を配し、当該凹部の周縁部の熱融着性樹脂層同士を熱融着させることにより、電池用包装材料の内部に電池素子が収容された電池が製造されている。
一方、パウチタイプの電池用包装材料においては、金型による成型が施されず、例えばガセット袋などのように、シート状の電池用包装材料を屈曲させるなどして袋状に成形して、電池素子を収容する空間を形成し、周縁部の熱融着性樹脂層同士を熱融着させることにより、電池用包装材料の内部に電池素子が収容されたパウチ型電池が製造されている。
パウチ型電池の製造工程においては、金型による凹部の成型がなされないため、パウチ型電池用包装材料は、硬質アルミニウムやステンレス鋼など、金型による成型性に劣るが、機械的強度や耐電解液性には優れる素材をバリア層に好適に使用することができるという利点を備えている。
特開2008−287971号公報
前述の通り、パウチ型電池用包装材料には、機械的強度や耐電解液性に優れる素材をバリア層に好適に使用することができるという利点を備えている。ところが、金型による成型タイプの電池用包装材料とは異なり、パウチ型電池用包装材料では、シート状の電池用包装材料を屈曲させるなどして袋状に成形して、電池素子を収容する空間を形成し、周縁部の熱融着性樹脂層同士を熱融着させることにより、電池素子を収容する空間を形成する必要がある。
例えば図1から図3の模式図に示すガセット袋を一例として説明すると、図1の模式図に示されるような3つの包装材料10a、10b、10cを熱融着させて、図2の模式図に示されるようなパウチ型電池用包装体11を製造する場合には、3つの包装材料10a、10b、10cの各周縁部を熱融着させて電池素子を収容する空間が形成される。この際、図2や図3(図2の底面図において、包装材料10cの折半部Mを拡げた図)に示すように、3つの包装材料10a、10b、10cが屈曲されて接する部分Pの周辺部においては、包装材料10a及び10bのX方向両端部と包装材料10cのX方向両端部を、加熱された金属板などによって熱融着される際に、底ガセット部が3枚、底ガセット部の上部は2枚となり、段差が生じ、底ガセット部の周縁熱接着部にて熱融着による包装材料の密封が不完全になりやすいという問題がある。なお、図3の底面図において、破線で囲まれた領域が、包装材料が熱融着される周縁部に対応している。
また、パウチ型電池用包装材料には、パウチ型電池用包装体11を形成する際に、図2や図3に示すように折り曲げ部が形成される場合があることから、優れた耐屈曲性や、高い機械的強度も要求される。
このような状況下、本発明は、高い密封性を発揮することができ、さらに、優れた耐屈曲性と高い機械的強度を備える、電池用包装材料を提供することを主な目的とする。さらに、本発明は、当該電池用包装材料を用いた電池を提供することも目的とする。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、少なくとも、バリア層及び熱融着性樹脂層を備える積層体から構成されており、積層体の厚さに占める熱融着性樹脂層の厚さの割合が30%以上であり、さらに、下記の測定条件によって測定されるループスティフネス値が、0.08N/15mm以上、0.3N/15mm以下である包装材料は、パウチ型電池の包装材料に使用された場合に、高い密封性を発揮することができ、さらに、優れた耐屈曲性と高い機械的強度を備えることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、さらに検討を重ねることにより完成したものである。
(測定条件)
幅15mm長さ150mmの前記積層体を測定サンプルとする。測定サンプルの前記熱融着性樹脂層が内側となるようにして、測定サンプルの両端部をクリップに挟んで固定し長さ方向の中央部分において、ループ長さが80mmの円形ループを形成する。得られた円形ループをクリップの反対側から押込み、押込み量が10mmとなるのに要する荷重をループスティフネス値とする。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 少なくとも、バリア層及び熱融着性樹脂層を備える積層体から構成されており、
前記積層体の厚さに占める前記熱融着性樹脂層の厚さの割合が、30%以上であり、
下記の測定条件によって測定されるループスティフネス値が、0.08N/15mm以上、0.3N/15mm以下である、電池用包装材料。
(測定条件)
幅15mm長さ150mmの前記積層体を測定サンプルとする。測定サンプルの前記熱融着性樹脂層が内側となるようにして、測定サンプルの両端部をクリップに挟んで固定し、長さ方向の中央部分において、ループ長さが80mmの円形ループを形成する。得られた円形ループをクリップの反対側から押込み、押込み量が10mmとなるのに要する荷重をループスティフネス値とする。
項2. 前記バリア層の厚さが、10μm以上、40μm以下である、項1に記載の電池用包装材料。
項3. 前記積層体の前記バリア層側の表面から測定された突刺し強さが、15N以上である、項1又は2に記載の電池用包装材料。
項4. 前記電池用包装材料は、前記バリア層の前記熱融着性樹脂層側と反対側に保護層を備える、項1〜3のいずれかに記載の電池用包装材料。
項5. 前記バリア層が、硬質アルミニウム又はステンレス鋼により構成されている、項1〜4のいずれかに記載の電池用包装材料。
項6. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、項1〜5のいずれかに記載の電池用包装材料により形成された包装体中に収容されている、電池。
本発明によれば、高い密封性を発揮することができ、さらに、優れた耐屈曲性と高い機械的強度を備える、電池用包装材料を提供することができる。さらに、本発明は、当該電池用包装材料を用いた電池を提供することもできる。
パウチ型電池用包装材料の構成を説明するための模式図の一例である。 パウチ型電池用包装体の構成を説明するための模式図の一例である。 パウチ型電池用包装体の構成を説明するための模式図の一例である。 本発明の電池用包装材料の断面構造の一例を示す模式図である。 本発明の電池用包装材料の断面構造の一例を示す模式図である。 本発明の電池用包装材料の断面構造の一例を示す模式図である。
本発明の電池用包装材料は、パウチ型電池に用いられるための包装材料であって、包装材料は、少なくとも、バリア層及び熱融着性樹脂層を備える積層体から構成されており、積層体の厚さに占める熱融着性樹脂層の厚さの割合が30%以上であり、下記の測定条件によって測定されるループスティフネス値が、0.08/15mmN以上、0.3N/15mm以下であることを特徴とする。以下、本発明の電池用包装材料について詳述する。
(ループスティフネス値の測定条件)
幅15mm長さ150mmの積層体を測定サンプルとする。測定サンプルの熱融着性樹脂層が内側となるようにして、測定サンプルの両端部をクリップに挟んで固定し長さ方向の中央部分において、ループ長さが80mmの円形ループを形成する。得られた円形ループをクリップの反対側から押込み、押込み量が10mmとなるのに要する荷重をループスティフネス値とする。
なお、本明細書において、「〜」で示される数値範囲は「以上」、「以下」を意味する。例えば、2〜15mmとの表記は、2mm以上15mm以下を意味する。
1.包装材料の積層構成と用途
本発明の電池用包装材料10は、例えば図1の模式図に示すように、3つの包装材料10a、10b、10cを熱融着させて、図2の模式図に示されるようなパウチ型電池用包装体11を製造する場合には、3つの包装材料10a、10b、10cの各周縁部を熱融着させて電池素子を収容する空間が形成される。図1から図3の模式図は、3つの包装材料10a、10b、10c(電池用包装材料10)を組み合わせて、ガセット袋形状のパウチ型電池用包装体11を形成する様子を示している。
前述の通り、パウチ型電池用包装材料においては、金型による成型が行われない代わりに、包装材料を屈曲させることによって、電池素子を収容する空間が形成されるため、屈曲部を熱融着させる必要があり、密封性が低下しやすいという問題を有している。例えば、図2及び図3に示すガセット袋形状のパウチ型電池用包装体11であれば、特に、3つの包装材料10a、10b、10cが屈曲されて接する部分Pの周辺部において、包装材料10a及び10bのX方向両端部と包装材料10cのX方向両端部を、加熱された金属板などを用いて各包装材料を熱融着する際に、底ガセット部が3枚、底ガセット部の上部は2枚となり、段差が生じ、底ガセット部の周縁熱接着部にて熱融着による包装材料の密封が不完全になりやすいという問題がある。
これに対して、本発明の電池用包装材料においては、包装材料を構成する積層体の厚さ(総厚さ)に占める熱融着性樹脂層の厚さの割合が30%以上であり、さらに、上記ループスティフネス値が0.08〜0.3N/15mmの範囲内に設定されていることにより、電池用包装材料の熱融着の際の屈曲部、段差部などにおいて熱融着が好適に行われ、結果として、密封性が好適に高められている。さらに、本発明の電池用包装材料は、このような構成を備えていることにより、優れた耐屈曲性と高い機械的強度を発揮することもできる。
電池用包装材料の密封性をより一層効果的に高めつつ、優れた耐屈曲性と高い機械的強度を発揮させる観点から、当該ループスティフネス値としては、好ましくは0.10〜0.30N/15mm程度の範囲内、より好ましくは0.13〜0.30N/15mm程度の範囲内、さらに好ましくは0.15〜0.28N/15mm程度の範囲内が挙げられる。ループスティフネス値の測定条件は、前述の通りであり、より具体的には、実施例に記載の方法により測定することができる。
さらに、同様の観点から、包装材料を構成する積層体の厚さ(総厚さ)に占める熱融着性樹脂層2の厚さの割合としては、下限は、好ましくは約35%以上、より好ましくは約37%以上が挙げられ、上限は、好ましくは約80%以下、より好ましくは約70%以下、さらに好ましくは約60%以下が挙げられる。また、当該割合の好ましい範囲としては、35〜80%程度、35〜70%程度、35〜60%程度、37〜80%程度、37〜70%程度、37〜60%程度が挙げられる。
本発明の電池用包装材料において、積層体の厚さに占める熱融着性樹脂層2の厚さの割合を30%以上とし、さらに、前述の測定条件によって測定されるループスティフネス値が、0.08〜0.3N/15mmとなるように設計にするには、バリア層1及び熱融着性樹脂層2の組成、厚さ、さらには各種物性を調整する。
本発明の電池用包装材料は、パウチ型電池に用いられる形状を有していればよく、その形状としては、図1から図3の模式図に示された一例に限定されず、例えば、四方袋、スタンディングパウチ、ピロー袋、ピローガセット袋、四柱ピローガセット袋、変形四柱ピローガセット袋、角底袋、半折底ガセット袋、半折袋などが挙げられる。
本発明の電池用包装材料は、正極、負極、電解質などの電池素子を密封して収容するための包装体に使用される。すなわち、本発明の電池用包装材料によって形成された包装体中に、少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子を収容して、パウチ型電池とすることができる。
具体的には、少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子を、本発明の電池用包装材料で、前記正極及び負極の各々に接続された金属端子を外側に突出させた状態で、電池素子の周縁に熱融着部(熱融着性樹脂層同士が接触する領域)が形成できるようにして被覆し、前記熱融着部の熱融着性樹脂層同士を熱融着して密封させることによって、電池用包装材料を使用した電池が提供される。なお、本発明の電池用包装材料により形成された包装体中に電池素子を収容する場合、本発明の電池用包装材料の熱融着性樹脂部分が内側(電池素子と接する面)になるようにして、包装体を形成する。
本発明の電池用包装材料は、一次電池、二次電池のいずれに使用してもよいが、好ましくは二次電池である。本発明の電池用包装材料が適用される二次電池の種類については、特に制限されず、例えば、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、鉛畜電池、ニッケル・水素畜電池、ニッケル・カドミウム畜電池、ニッケル・鉄畜電池、ニッケル・亜鉛畜電池、酸化銀・亜鉛畜電池、金属空気電池、多価カチオン電池、コンデンサー、キャパシターなどが挙げられる。これらの二次電池の中でも、本発明の電池用包装材料の好適な適用対象として、リチウムイオン電池及びリチウムイオンポリマー電池が挙げられる。
本発明の電池用包装材料10は、例えば図4に示すように、少なくとも、バリア層1及び熱融着性樹脂層2を備える積層体からなる。本発明の電池用包装材料10において、熱融着性樹脂層2が最内層になる。即ち、電池の組み立て時に、電池素子の周縁に位置する熱融着性樹脂層2同士が熱融着して電池素子を密封することにより、電池素子が封止される。
本発明の電池用包装材料10は、図5に示すように、意匠性、耐電解液性、耐擦過性、成形性、保形性の向上などを目的として、必要に応じて、保護層3を有していてもよい。本発明の電池用包装材料10が保護層3を有する場合、保護層3、バリア層1、及び熱融着性樹脂層2をこの順に備える積層構成となる。保護層3は、本発明の電池用包装材料10の外側表面を構成していてもよい。
また、本発明の電池用包装材料10には、図6に示すように、保護層3とバリア層1との間に、これらの接着性を高める目的で、必要に応じて接着剤層4が設けられていてもよい。また、図6に示すように、バリア層1と熱融着性樹脂層2との間には、これらの接着性を高める目的で、必要に応じて接着層5が設けられていてもよい。
本発明の電池用包装材料10を構成する積層体の厚さとしては、特に制限されないが、電池用包装材料の厚さを薄くして電池のエネルギー密度を高める観点からは、上限は、例えば約250μm以下、好ましくは約200μm以下、より好ましくは約180μm以下、さらに好ましくは約150μm以下が挙げられ、下限は、例えば約60μm以上が挙げられる。当該積層体の厚さの範囲としては、好ましくは、60〜250μm程度、60〜200μm程度、60〜180μm程度、60〜150μm程度が挙げられる。
2.包装材料を形成する各層
[バリア層1]
本発明の電池用包装材料において、バリア層1は、包装材料の強度向上の他、電池内部に水蒸気、酸素、光などが侵入することを防止する機能を有する層である。バリア層1を構成する金属としては、具体的には、アルミニウム、ステンレス鋼、チタンなどが挙げられ、好ましくはアルミニウム又はステンレス鋼が挙げられる。バリア層1は、例えば、金属箔や金属蒸着膜、無機酸化物蒸着膜、炭素含有無機酸化物蒸着膜、これらの蒸着膜を設けたフィルムなどにより形成することができ、金属箔により形成することが好ましく、アルミニウム箔又はステンレス鋼箔により形成することがさらに好ましい。
本発明の電池用包装材料は、電池の製造工程において、金型による凹部の成型が行われないため、バリア層1を構成する素材として、硬質アルミニウム、ステンレス鋼などを好適に使用することができる。硬質アルミニウム及びステンレス鋼は、機械的強度や耐電解液性には優れるという利点を備えている。
バリア層1を構成する好ましい硬質アルミニウムとしては、例えば、「JIS H4160:1994 1N30」、「JIS H4160:1994 3003」、「JIS H4160:1994 3004」、「JIS H4160:1994 8021」、「JIS H4160:1994 8079」など組成を備えるものが挙げられ、これらの中でも、「JIS H4160:1994 A3004H−H18」、「JIS H4160:1994 A8021H−H18」など組成を備えるものが好ましい。また、ステンレス鋼としては、SUS304、SUS403などが挙げられる。
バリア層1の厚さとしては、包装材料を構成する積層体の厚さに占める熱融着性樹脂層2の厚さの割合が30%以上となれば、特に制限されないが、好ましくは10〜50μm程度、より好ましくは10〜40μm程度が挙げられる。
また、バリア層1は、接着の安定化、溶解や腐食の防止などのために、少なくとも一方の面、好ましくは両面が化成処理されていることが好ましい。ここで、化成処理とは、バリア層の表面に耐酸性皮膜を形成する処理をいう。化成処理としては、例えば、硝酸クロム、フッ化クロム、硫酸クロム、酢酸クロム、蓚酸クロム、重リン酸クロム、クロム酸アセチルアセテート、塩化クロム、硫酸カリウムクロムなどのクロム化合物を用いたクロメート処理;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸アンモニウム、ポリリン酸などのリン酸化合物を用いたリン酸処理;下記一般式(1)から(4)で表される繰り返し単位を有するアミノ化フェノール重合体を用いた化成処理などが挙げられる。クロム化合物の中でも、クロム酸化合物が好ましい。なお、当該アミノ化フェノール重合体において、下記一般式(1)から(4)で表される繰り返し単位は、1種類単独で含まれていてもよいし、2種類以上の任意の組み合わせであってもよい。
Figure 0006885239
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一般式(1)〜(4)中、Xは、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アリル基又はベンジル基を示す。また、R1及びR2は、それぞれ同一又は異なって、ヒドロキシル基、アルキル基、又はヒドロキシアルキル基を示す。一般式(1)〜(4)において、X、R1及びR2で示されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などの炭素数1〜4の直鎖又は分枝鎖状アルキル基が挙げられる。また、X、R1及びR2で示されるヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基などのヒドロキシル基が1個置換された炭素数1〜4の直鎖又は分枝鎖状アルキル基が挙げられる。一般式(1)〜(4)において、X、R1及びR2で示されるアルキル基及びヒドロキシアルキル基は、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。一般式(1)〜(4)において、Xは、水素原子、ヒドロキシル基又はヒドロキシアルキル基であることが好ましい。一般式(1)〜(4)で表される繰り返し単位を有するアミノ化フェノール重合体の数平均分子量は、例えば、500〜100万であることが好ましく、1000〜2万であることがより好ましい。
また、バリア層1に耐食性を付与する化成処理方法として、リン酸中に、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化セリウム、酸化スズなどの金属酸化物や硫酸バリウムの微粒子を分散させたものをコーティングし、150℃以上で焼付け処理を行うことにより、バリア層1の表面に耐食処理層を形成する方法が挙げられる。また、耐食処理層の上には、カチオン性ポリマーを架橋剤で架橋させた樹脂層をさらに形成してもよい。ここで、カチオン性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミンとカルボン酸を有するポリマーからなるイオン高分子錯体、アクリル主骨格に1級アミンをグラフト重合させた1級アミングラフトアクリル樹脂、ポリアリルアミン又はその誘導体、アミノフェノールなどが挙げられる。これらのカチオン性ポリマーとしては、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、架橋剤としては、例えば、イソシアネート基、グリシジル基、カルボキシル基、及びオキサゾリン基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する化合物、シランカップリング剤などが挙げられる。これらの架橋剤としては、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
化成処理は、1種類の化成処理のみを行ってもよいし、2種類以上の化成処理を組み合わせて行ってもよい。さらに、これらの化成処理は、1種の化合物を単独で使用して行ってもよく、また2種以上の化合物を組み合わせて使用して行ってもよい。化成処理の中でも、クロメート処理や、クロム化合物、リン酸化合物、及びアミノ化フェノール重合体を組み合わせた化成処理などが好ましい。
化成処理においてバリア層1の表面に形成させる耐酸性皮膜の量については、特に制限されないが、例えば、上記のクロメート処理を行う場合であれば、バリア層1の表面1m2当たり、クロム酸化合物がクロム換算で0.5〜50mg程度、好ましくは1.0〜40mg程度、リン化合物がリン換算で0.5〜50mg程度、好ましくは1.0〜40mg程度、及びアミノ化フェノール重合体が1〜200mg程度、好ましくは5.0〜150mg程度の割合で含有されていることが望ましい。
化成処理は、耐酸性皮膜の形成に使用する化合物を含む溶液を、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、浸漬法などによって、バリア層の表面に塗布した後に、バリア層の温度が70〜200℃になるように加熱することにより行われる。また、バリア層に化成処理を施す前に、予めバリア層を、アルカリ浸漬法、電解洗浄法、酸洗浄法、電解酸洗浄法などによる脱脂処理に供してもよい。このように脱脂処理を行うことにより、バリア層の表面の化成処理をより効率的に行うことが可能となる。
[熱融着性樹脂層2]
本発明の電池用包装材料10において、熱融着性樹脂層2は、最内層に該当し、電池の組み立て時に熱融着性樹脂層同士が熱融着して電池素子を密封する層である。
熱融着性樹脂層2に使用される樹脂成分については、熱融着可能であることを限度として特に制限されないが、例えば、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、酸変性ポリオレフィン、酸変性環状ポリオレフィンが挙げられる。すなわち、熱融着性樹脂層2は、ポリオレフィン骨格を含んでいてもよく、ポリオレフィン骨格を含んでいることが好ましい。熱融着性樹脂層2がポリオレフィン骨格を含むことは、例えば、赤外分光法、ガスクロマトグラフィー質量分析法などにより分析可能であり、分析方法は特に問わない。例えば、赤外分光法にて無水マレイン酸変性ポリオレフィンを測定すると、波数1760cm−1付近と波数1780cm−1付近に無水マレイン酸由来のピークが検出される。ただし、酸変性度が低いとピークが小さくなり検出されない場合がある。その場合は核磁気共鳴分光法にて分析可能である。
前記ポリオレフィンとしては、具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン;ホモポリプロピレン、ポリプロピレンのブロックコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのブロックコポリマー)、ポリプロピレンのランダムコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのランダムコポリマー)などのポリプロピレン;エチレン−ブテン−プロピレンのターポリマーなどが挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンが挙げられる。
前記環状ポリオレフィンは、オレフィンと環状モノマーとの共重合体であり、前記環状ポリオレフィンの構成モノマーであるオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。また、前記環状ポリオレフィンの構成モノマーである環状モノマーとしては、例えば、ノルボルネンなどの環状アルケン;具体的には、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ノルボルナジエンなどの環状ジエンなどが挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、好ましくは環状アルケン、さらに好ましくはノルボルネンが挙げられる。
前記酸変性ポリオレフィンとは、前記ポリオレフィンをカルボン酸などの酸成分でブロック重合又はグラフト重合することにより変性したポリマーである。変性に使用される酸成分としては、例えば、マレイン酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などのカルボン酸又はその無水物が挙げられる。
前記酸変性環状ポリオレフィンとは、環状ポリオレフィンを構成するモノマーの一部を、α,β−不飽和カルボン酸又はその無水物に代えて共重合することにより、或いは環状ポリオレフィンに対してα,β−不飽和カルボン酸又はその無水物をブロック重合又はグラフト重合することにより得られるポリマーである。カルボン酸変性される環状ポリオレフィンについては、前記と同様である。また、変性に使用されるカルボン酸としては、前記ポリオレフィンの変性に使用されるものと同様である。
これらの樹脂成分の中でも、好ましくはポリプロピレンなどのポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン;さらに好ましくはポリプロピレン、酸変性ポリプロピレンが挙げられる。
熱融着性樹脂層2は、1種の樹脂成分単独で形成してもよく、また2種以上の樹脂成分を組み合わせたブレンドポリマーにより形成してもよい。さらに、熱融着性樹脂層2は、1層のみで成されていてもよいが、同一又は異なる樹脂成分によって2層以上で形成されていてもよい。
熱融着性樹脂層2を構成する樹脂のメルトマスフローレート(MFR)としては、特に制限されないが、パウチ型電池用包装材料の密封性をより一層効果的に高めつつ、優れた耐屈曲性と高い機械的強度を発揮させる観点から、好ましくは5〜30g/10分程度、より好ましくは7〜25g/10分程度、さらに好ましくは10〜15g/10分程度が挙げられる。MFRがこのような範囲にあることにより、樹脂の流れが適切で、パウチ形成時に段差シール部が埋まりやすく、優れた密封性が得られやすくなる。なお、メルトマスフローレート(MFR)は、JIS K7210:2014の規定に準拠した方法により、測定温度230℃、加重2.16kgをかけ、メルトインデクサーを用いて測定した値である。
本発明において、パウチ型電池用包装材料のライン適性を高める観点からは、熱融着性樹脂層の表面には、滑剤が付着していることが好ましい。滑剤としては、特に制限されないが、好ましくはアミド系滑剤が挙げられる。
アミド系滑剤の具体例としては、例えば、飽和脂肪酸アミド、不飽和脂肪酸アミド、置換アミド、メチロールアミド、飽和脂肪酸ビスアミド、不飽和脂肪酸ビスアミドなどが挙げられる。飽和脂肪酸アミドの具体例としては、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミドなどが挙げられる。不飽和脂肪酸アミドの具体例としては、オレイン酸アミド、エルカ酸アミドなどが挙げられる。置換アミドの具体例としては、N−オレイルパルチミン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、N−ステアリルオレイン酸アミド、N−オレイルステアリン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミドなどが挙げられる。また、メチロールアミドの具体例としては、メチロールステアリン酸アミドなどが挙げられる。飽和脂肪酸ビスアミドの具体例としては、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルアジピン酸アミド、N,N’−ジステアリルセバシン酸アミドなどが挙げられる。不飽和脂肪酸ビスアミドの具体例としては、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドなどが挙げられる。脂肪酸エステルアミドの具体例としては、ステアロアミドエチルステアレートなどが挙げられる。また、芳香族系ビスアミドの具体例としては、m−キシリレンビスステアリン酸アミド、m−キシリレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドなどが挙げられる。滑剤は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
熱融着性樹脂層の表面に滑剤が存在する場合、その存在量としては、特に制限されないが、温度24℃、相対湿度60%の環境において、好ましくは約3mg/m2以上、より好ましくは4〜15mg/m2程度、さらに好ましくは5〜14mg/m2程度が挙げられる。
熱融着性樹脂層2の中には、滑剤が含まれていてもよい。また、熱融着性樹脂層2の表面に存在する滑剤は、熱融着性樹脂層2を構成する樹脂に含まれる滑剤を滲出させたものであってもよいし、熱融着性樹脂層2の表面に滑剤を塗布したものであってもよい。
また、熱融着性樹脂層2の厚さとしては、包装材料を構成する積層体の厚さに占める熱融着性樹脂層2の厚さの割合が30%以上となれば、特に制限されないが、下限は、好ましくは約15μm以上、より好ましくは約20μm以上、さらに好ましくは約30μm以上が挙げられ、上限は、好ましくは約100μm以下、より好ましくは約80μm以下、さらに好ましくは約60μm以下が挙げられる。また、熱融着性樹脂層2の厚さの範囲としては、好ましくは、15〜100μm程度、15〜80μm程度、15〜60μm程度、20〜100μm程度、20〜80μm程度、20〜60μm程度、30〜100μm程度、30〜80μm程度、30〜60μm程度が挙げられる。
[保護層3]
本発明の電池用包装材料10において、保護層3は、意匠性、耐電解液性、耐擦過性、成形性、保形性、ライン適性の向上などを目的として、必要に応じて設けられる層である。前述の通り、本発明の電池用包装材料10が保護層3を有する場合、保護層3、バリア層1、及び熱融着性樹脂層2をこの順に備える積層構成となる。保護層3は、本発明の電池用包装材料10の外側表面を構成していてもよい。
保護層3を形成する素材については、絶縁性を備えるものであることを限度として特に制限されるものではない。保護層3を形成する素材としては、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン、珪素樹脂、フェノール樹脂、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリカーボネート、及びこれらの混合物や共重合物などが挙げられる。これらの中でも、保護層3は、ポリエステルにより形成された層及びポリアミドにより形成された層のうち少なくとも一方の層を有していることが好ましい。
ポリオレフィンとしては、熱融着性樹脂層2で例示したポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。ポリオレフィンの具体例についても、熱融着性樹脂層2で例示したものが使用できる。保護層3として、ポリオレフィンを用いると、電池用包装材料10の使用面積が少なくなるという利点がある。保護層3が熱融着性ポリオレフィンの場合、保護層3と熱融着性樹脂層が融着できるため、所謂キャラメル包装が可能となり、より電池素子に密着した包装が可能となる為、小型化が可能となり、電池の体積エネルギー密度を向上させることができる。
ポリエステルとしては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステル、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステルなどが挙げられる。また、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステルとしては、具体的には、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体としてエチレンイソフタレートと重合する共重合体ポリエステル(以下、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)にならって略す)、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリエチレン(テレフタレート/ナトリウムスルホイソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/ナトリウムイソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/フェニル−ジカルボキシレート)、ポリエチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)などが挙げられる。また、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステルとしては、具体的には、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体としてブチレンイソフタレートと重合する共重合体ポリエステル(以下、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)にならって略す)、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリブチレン(テレフタレート/セバケート)、ポリブチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)、ポリブチレンナフタレートなどが挙げられる。これらのポリエステルは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。ポリエステルは、耐電解液性に優れ、電解液の付着に対して白化などが発生し難いという利点があり、保護層3の形成素材として好適に使用される。
また、ポリアミドとしては、具体的には、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン6とナイロン66との共重合体などの脂肪族系ポリアミド;テレフタル酸及び/又はイソフタル酸に由来する構成単位を含むナイロン6I、ナイロン6T、ナイロン6IT、ナイロン6I6T(Iはイソフタル酸、Tはテレフタル酸を表す)などのヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸−テレフタル酸共重合ポリアミド、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)などの芳香族を含むポリアミド;ポリアミノメチルシクロヘキシルアジパミド(PACM6)などの脂環系ポリアミド;さらにラクタム成分や、4,4’−ジフェニルメタン−ジイソシアネートなどのイソシアネート成分を共重合させたポリアミド、共重合ポリアミドとポリエステルやポリアルキレンエーテルグリコールとの共重合体であるポリエステルアミド共重合体やポリエーテルエステルアミド共重合体;これらの共重合体などが挙げられる。これらのポリアミドは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。延伸ポリアミドフィルムは延伸性、耐屈曲性に優れており、成形時の保護層3の樹脂割れによる白化の発生を防ぐことができ、保護層3の形成素材として好適に使用される。
保護層3は、1軸又は2軸延伸された樹脂フィルムで形成されていてもよく、また未延伸の樹脂フィルムで形成してもよい。中でも、1軸又は2軸延伸された樹脂フィルム、とりわけ2軸延伸された樹脂フィルムは、配向結晶化することにより耐熱性が向上しているので、保護層3として好適に使用される。また、保護層3は、上記の素材をバリア層1上にコーティングして形成されていてもよい。
これらの中でも、保護層3を形成する樹脂フィルムとして、好ましくはポリオレフィン、ナイロン、ポリエステル、さらに好ましくは2軸延伸ナイロン、2軸延伸ポリエステル、特に好ましくは2軸延伸ナイロンが挙げられる。
保護層3は、耐ピンホール性及び電池の包装体とした時の絶縁性を向上させるために、異なる素材の樹脂フィルム及びコーティングの少なくとも一方を積層化(多層構造化)することも可能である。具体的には、ポリエステルフィルムとナイロンフィルムとを積層させた多層構造、ナイロンフィルムを複数層積層させた多層構造、ポリエステルフィルムを複数層積層させた多層構造などが挙げられる。保護層3が多層構造である場合、2軸延伸ナイロンフィルムと2軸延伸ポリエステルフィルムの積層体、2軸延伸ナイロンフィルムを複数積層させた積層体、2軸延伸ポリエステルフィルムを複数積層させた積層体が好ましい。例えば、保護層3を2層の樹脂フィルムから形成する場合、ポリエステル樹脂とポリエステル樹脂を積層する構成、ポリアミド樹脂とポリアミド樹脂を積層する構成、又はポリエステル樹脂とポリアミド樹脂を積層する構成にすることが好ましく、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートを積層する構成、ナイロンとナイロンを積層する構成、又はポリエチレンテレフタレートとナイロンを積層する構成にすることがより好ましい。また、2軸延伸ポリエステルは、例えば電解液が表面に付着した際に変色し難いことなどから、保護層3が2軸延伸ナイロンフィルムと2軸延伸ポリエステルフィルムの積層体の多層構造である場合、保護層3は、バリア層1側から2軸延伸ナイロンと2軸延伸ポリエステルをこの順に有する積層体であることが好ましい。保護層3を多層構造とする場合、各層の厚さとして、好ましくは3〜25μm程度が挙げられる。
保護層3を多層構造にする場合、各樹脂フィルムは接着剤を介して接着してもよく、また接着剤を介さず直接積層させてもよい。接着剤を介さず接着させる場合には、例えば、共押出しラミネート法、サンドイッチラミネート法、サーマルラミネート法などの熱溶融状態で接着させる方法が挙げられる。また、接着剤を介して接着させる場合、使用する接着剤は、2液硬化型接着剤であってもよく、また1液硬化型接着剤であってもよい。さらに、接着剤の接着機構についても、特に制限されず、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型、電子線硬化型や紫外線硬化型などのいずれであってもよい。接着剤の具体例としては、後述の接着剤層4で例示した接着剤と同様のものが挙げられる。また、接着剤の厚さについても、接着剤層4と同様とすることができる。
本発明において、パウチ型電池用包装材料のライン適性を高める観点からは、保護層3側の表面には、滑剤が付着していることが好ましい。滑剤としては、特に制限されないが、好ましくはアミド系滑剤が挙げられる。アミド系滑剤の具体例としては、熱融着性樹脂層2において例示したものと同じものが例示できる。
保護層3側の表面に滑剤が存在する場合、その存在量としては、特に制限されないが、温度24℃、相対湿度60%の環境において、好ましくは約3mg/m2以上、より好ましくは4〜15mg/m2程度、さらに好ましくは5〜14mg/m2程度が挙げられる。
保護層3の中には、滑剤が含まれていてもよい。また、保護層3の表面に存在する滑剤は、保護層3を構成する樹脂に含まれる滑剤を滲出させたものであってもよいし、保護層3の表面に滑剤を塗布したものであってもよい。
保護層3の厚さとしては、電池用包装材料10の厚さを薄くしつつ、成形性に優れた電池用包装材料10とする観点からは、好ましくは約3μm以上、より好ましくは10〜75μm程度、さらに好ましくは10〜50μm程度が挙げられる。
[接着剤層4]
本発明の電池用包装材料10において、接着剤層4は、保護層3を設ける場合において、保護層3とバリア層1を強固に接着させるために、必要に応じて、これらの間に設けられる層である。
接着剤層4は、保護層3とバリア層1とを接着可能である接着剤によって形成される。接着剤層4の形成に使用される接着剤は、2液硬化型接着剤であってもよく、また1液硬化型接着剤であってもよい。さらに、接着剤層4の形成に使用される接着剤の接着機構についても、特に制限されず、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型などのいずれであってもよい。
接着剤層4の形成に使用できる接着成分としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、共重合ポリエステルなどのポリエステル系樹脂;ポリエーテル系接着剤;ポリウレタン系接着剤;エポキシ系樹脂;フェノール樹脂系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ポリアミドなどのポリアミド系樹脂;ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン、金属変性ポリオレフィンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂;セルロース系接着剤;(メタ)アクリル系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリカーボネート;尿素樹脂、メラミン樹脂などのアミノ樹脂;クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴムなどのゴム;シリコーン系樹脂などが挙げられる。これらの接着成分は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの接着成分の中でも、好ましくはポリウレタン系接着剤が挙げられる。
接着剤層4の厚さについては、接着層としての機能を発揮すれば特に制限されないが、例えば、1〜10μm程度、好ましくは2〜5μm程度が挙げられる。
[接着層5]
本発明の電池用包装材料において、接着層5は、バリア層1と熱融着性樹脂層2を強固に接着させるために、これらの間に必要に応じて設けられる層である。
接着層5は、バリア層1と熱融着性樹脂層2とを接着可能である樹脂によって形成される。接着層5の形成に使用される樹脂としては、その接着機構、接着剤成分の種類などは、接着剤層4で例示した接着剤と同様のものが使用できる。また、接着層5の形成に使用される樹脂としては、前述の熱融着性樹脂層2で例示したポリオレフィン、環状ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン、カルボン酸変性環状ポリオレフィンなどのポリオレフィン系樹脂も使用できる。バリア層1と熱融着性樹脂層2との密着性に優れる観点から、ポリオレフィンとしては、カルボン酸変性ポリオレフィンが好ましく、カルボン酸変性ポリプロピレンが特に好ましい。すなわち、接着層5は、ポリオレフィン骨格を含んでいてもよく、ポリオレフィン骨格を含んでいることが好ましい。接着層5がポリオレフィン骨格を含むことは、例えば、赤外分光法、ガスクロマトグラフィー質量分析法などにより分析可能であり、分析方法は特に問わない。例えば、赤外分光法にて無水マレイン酸変性ポリオレフィンを測定すると、波数1760cm−1付近と波数1780cm−1付近に無水マレイン酸由来のピークが検出される。ただし、酸変性度が低いとピークが小さくなり検出されない場合がある。その場合は核磁気共鳴分光法にて分析可能である。
さらに、電池用包装材料の厚さを薄くしつつ、成形後の形状安定性に優れたパウチ型電池用包装材料とする観点からは、接着層5は、酸変性ポリオレフィンと硬化剤を含む樹脂組成物の硬化物であってもよい。酸変性ポリオレフィンとしては、好ましくは、熱融着性樹脂層2で例示したカルボン酸変性ポリオレフィン、カルボン酸変性環状ポリオレフィンと同じものが例示できる。
また、硬化剤としては、酸変性ポリオレフィンを硬化させるものであれば、特に限定されない。硬化剤としては、例えば、エポキシ系硬化剤、多官能イソシアネート系硬化剤、カルボジイミド系硬化剤、オキサゾリン系硬化剤などが挙げられる。
エポキシ系硬化剤は、少なくとも1つのエポキシ基を有する化合物であれば、特に限定されない。エポキシ系硬化剤としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、変性ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ノボラックグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテルなどのエポキシ樹脂が挙げられる。
多官能イソシアネート系硬化剤は、2つ以上のイソシアネート基を有する化合物であれば、特に限定されない。多官能イソシアネート系硬化剤の具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、これらをポリマー化やヌレート化したもの、これらの混合物や他ポリマーとの共重合物などが挙げられる。
カルボジイミド系硬化剤は、カルボジイミド基(−N=C=N−)を少なくとも1つ有する化合物であれば、特に限定されない。カルボジイミド系硬化剤としては、カルボジイミド基を少なくとも2つ以上有するポリカルボジイミド化合物が好ましい。
オキサゾリン系硬化剤は、オキサゾリン骨格を有する化合物であれば、特に限定されない。オキサゾリン系硬化剤としては、具体的には、日本触媒社製のエポクロスシリーズなどが挙げられる。
接着層5によるバリア層1と熱融着性樹脂層2との密着性を高めるなどの観点から、硬化剤は、2種類以上の化合物により構成されていてもよい。
接着層5を形成する樹脂組成物における硬化剤の含有量は、0.1〜50質量%程度の範囲にあることが好ましく、0.1〜30質量%程度の範囲にあることがより好ましく、0.1〜10質量%程度の範囲にあることがさらに好ましい。
接着層5の厚さについては、接着層としての機能を発揮すれば特に制限されないが、接着剤層2で例示した接着剤を用いる場合であれば、好ましくは1〜10μm程度、より好ましくは1〜5μm程度が挙げられる。また、熱融着性樹脂層2で例示した樹脂を用いる場合であれば、好ましくは2〜50μm程度、より好ましくは10〜40μm程度が挙げられる。また、酸変性ポリオレフィンと硬化剤との硬化物である場合であれば、好ましくは30μm以下、より好ましくは0.1〜20μm程度、さらに好ましくは0.5〜5μm程度が挙げられる。なお、接着層5が酸変性ポリオレフィンと硬化剤を含む樹脂組成物の硬化物である場合、当該樹脂組成物を塗布し、加熱などにより硬化させることにより、接着層5を形成することができる。
[表面被覆層]
本発明の電池用包装材料においては、意匠性、耐電解液性、耐擦過性、成形性、ライン適性の向上などを目的として、必要に応じて、保護層3の外側(保護層3のバリア層1とは反対側)に、必要に応じて、さらに表面被覆層(図示を省略する)を設けてもよい。
表面被覆層は、例えば、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などにより形成することができる。表面被覆層は、これらの中でも、2液硬化型樹脂により形成することが好ましい。表面被覆層を形成する2液硬化型樹脂としては、例えば、2液硬化型ウレタン樹脂、2液硬化型ポリエステル樹脂、2液硬化型エポキシ樹脂などが挙げられる。また、表面被覆層には、添加剤を配合してもよい。
添加剤としては、例えば、粒径が0.5nm〜5μm程度の微粒子が挙げられる。添加剤の材質については、特に制限されないが、例えば、金属、金属酸化物、無機物、有機物などが挙げられる。また、添加剤の形状についても、特に制限されないが、例えば、球状、繊維状、板状、不定形、バルーン状などが挙げられる。添加剤として、具体的には、タルク,シリカ,グラファイト、カオリン、モンモリロイド、モンモリロナイト、合成マイカ、ハイドロタルサイト、シリカゲル、ゼオライト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛,酸化マグネシウム,酸化アルミニウム,酸化ネオジウム,酸化アンチモン、酸化チタン、酸化セリウム、硫酸カルシウム,硫酸バリウム、炭酸カルシウム,ケイ酸カルシウム、炭酸リチウム、安息香酸カルシウム,シュウ酸カルシウム,ステアリン酸マグネシウム、アルミナ、カーボンブラック、カーボンナノチューブ類、高融点ナイロン、架橋アクリル、架橋スチレン、架橋ポリエチレン、ベンゾグアナミン、金、アルミニウム、銅、ニッケルなどが挙げられる。これらの添加剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの添加剤の中でも、分散安定性やコストなどの観点から、好ましくはシリカ、硫酸バリウム、酸化チタンが挙げられる。また、添加剤には、表面に絶縁処理、高分散性処理などの各種表面処理を施しておいてもよい。
表面被覆層を形成する方法としては、特に制限されないが、例えば、表面被覆層を形成する2液硬化型樹脂を保護層3の外側の表面に塗布する方法が挙げられる。添加剤を配合する場合には、2液硬化型樹脂に添加剤を添加して混合した後、塗布すればよい。
表面被覆層の厚さとしては、表面被覆層としての上記の機能を発揮すれば特に制限されないが、例えば、0.5〜10μm程度、好ましくは1〜5μm程度が挙げられる。
3.電池用包装材料の製造方法
本発明の電池用包装材料の製造方法については、所定の組成の各層を積層させた積層体が得られる限り、特に制限されず、少なくとも、バリア層1及び熱融着性樹脂層2を積層する工程を備えており、積層体の厚さに占める熱融着性樹脂層2の厚さの割合を30%以上とし、さらに、前述の測定条件によって測定されるループスティフネス値が、0.08〜0.3N/15mmとなるように設計すればよい。積層体の厚さに占める熱融着性樹脂層2の厚さの割合を30%以上とし、さらに、前述の測定条件によって測定されるループスティフネス値が、0.08〜0.3N/15mmとなるように設計にするには、前述のように、バリア層1及び熱融着性樹脂層2の組成、厚さ、さらには各種物性を調整すればよい。
本発明の電池用包装材料の製造方法の一例としては、以下の通りである。まず、保護層3、接着剤層4、バリア層1が順に積層された積層体(以下、「積層体A」と表記することもある)を形成する。積層体Aの形成は、具体的には、保護層3上又は必要に応じて表面が化成処理されたバリア層1に接着剤層4の形成に使用される接着剤を、グラビアコート法、ロールコート法などの塗布方法で塗布・乾燥した後に、当該バリア層1又は保護層3を積層させて接着剤層4を硬化させるドライラミネート法によって行うことができる。
次いで、積層体Aのバリア層1上に、接着層5及び熱融着性樹脂層2をこの順になるように積層させる。例えば、(1)積層体Aのバリア層1上に、接着層5及び熱融着性樹脂層2を共押出しすることにより積層する方法(共押出しラミネート法)、(2)別途、接着層5と熱融着性樹脂層2が積層した積層体を形成し、これを積層体Aのバリア層1上にサーマルラミネート法により積層する方法、(3)積層体Aのバリア層1上に、接着層5を形成させるための接着剤を押出し法や溶液コーティングし、高温で乾燥さらには焼き付ける方法などにより積層させ、この接着層5上に予めシート状に製膜した熱融着性樹脂層2をサーマルラミネート法により積層する方法、(4)積層体Aのバリア層1と、予めシート状に製膜した熱融着性樹脂層2との間に、溶融させた接着層5を流し込みながら、接着層5を介して積層体Aと熱融着性樹脂層2を貼り合せる方法(サンドイッチラミネート法)などが挙げられる。
表面被覆層を設ける場合には、保護層3のバリア層1とは反対側の表面に、表面被覆層を積層する。表面被覆層は、例えば表面被覆層を形成する上記の樹脂を保護層3の表面に塗布することに形成することができる。なお、保護層の表面にバリア層1を積層する工程と、保護層3の表面に表面被覆層を積層する工程の順番は、特に制限されない。例えば、保護層3の表面に表面被覆層を形成した後、保護層3の表面被覆層とは反対側の表面にバリア層1を形成してもよい。
上記のようにして、必要に応じて設けられる表面被覆層/必要に応じて設けられる保護層3/必要に応じて設けられる接着剤層4/バリア層1/必要に応じて設けられる接着層5/熱融着性樹脂層2からなる積層体が形成されるが、接着剤層4又は接着層5の接着性を強固にするために、さらに、熱ロール接触式、熱風式、近又は遠赤外線式などの加熱処理に供してもよい。このような加熱処理の条件としては、例えば150〜250℃程度で1〜5分間程度が挙げられる。
本発明の電池用包装材料において、積層体を構成する各層は、必要に応じて、製膜性、積層化加工、最終製品2次加工(パウチ化、エンボス成形)適性などを向上又は安定化するために、コロナ処理、ブラスト処理、酸化処理、オゾン処理などの表面活性化処理を施していてもよい。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。但し本発明は実施例に限定されるものではない。
<電池用包装材料の製造>
(実施例1)
保護層としての2軸延伸ナイロンフィルム(厚さ25μm)の上に、バリア層としてのアルミニウム箔(JIS H4160:1994 1N30、厚さ40μm)をドライラミネート法により積層させた。具体的には、耐酸性皮膜が表面に形成されたアルミニウム箔の一方面に、2液型ウレタン接着剤(ポリオール化合物と芳香族イソシアネート系化合物)を塗布し、アルミニウム箔上に接着剤層(厚さ3μm)を形成した。次いで、バリア層上の接着剤層と保護層をドライラミネート法で積層した後、エージング処理を実施することにより、保護層/接着剤層/バリア層の積層体を作製した。なお、アルミニウム箔の表面に形成された耐酸性皮膜は、フェノール樹脂、フッ化クロム化合物、及びリン酸からなる処理液をクロムの塗布量が10mg/m2(乾燥質量)となるように、ロールコート法によりアルミニウム箔の両面に塗布し、焼付けすることにより形成されたものである。
次に、熱融着性樹脂層としてのポリプロピレンフィルム(CPP、厚さ45μm)を、アルミニウム箔の他方面にドライラミネート法により積層することにより、バリア層の表面に、接着層(3μm)/熱融着性樹脂層を積層させた。なお、接着層としては、オレフィン系樹脂組成物(酸変性ポリプロピレンとエポキシ化合物)を用いた。次に、得られた積層体をエージングし、加熱することにより、保護層/接着剤層/バリア層/接着層/熱融着性樹脂層が順に積層された電池用包装材料を得た。具体的な積層構成を表1に示す。
(実施例2)
保護層として、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)と2軸延伸ナイロンフィルム(15μm)とが2液型ウレタン接着剤(ポリオール化合物と芳香族イソシアネート系化合物、厚さ3μm)により接着されたものを用いた。保護層の2軸延伸ナイロンフィルム側の表面に、バリア層としてのアルミニウム箔(JIS H4160:1994 1N30、厚さ40μm)をドライラミネート法により積層させた。具体的には、耐酸性皮膜が表面に形成されたアルミニウム箔の一方面に、2液型ウレタン接着剤(ポリオール化合物と芳香族イソシアネート系化合物)を塗布し、アルミニウム箔上に接着剤層(厚さ3μm)を形成した。次いで、バリア層上の接着剤層と保護層をドライラミネート法で積層した後、エージング処理を実施することにより、保護層/接着剤層/バリア層の積層体を作製した。なお、アルミニウム箔の表面に形成された耐酸性皮膜は、実施例1と同様である。
次に、熱融着性樹脂層としてのポリプロピレンフィルム(CPP、厚さ45μm)を、アルミニウム箔の他方面にドライラミネート法により積層することにより、バリア層の表面に、接着層(3μm)/熱融着性樹脂層を積層させた。なお、接着層としては、オレフィン系樹脂組成物(酸変性ポリプロピレンとエポキシ化合物)を用いた。次に、得られた積層体をエージングし、加熱することにより、保護層/接着剤層/バリア層/接着層/熱融着性樹脂層が順に積層された電池用包装材料を得た。具体的な積層構成を表1に示す。
(実施例3)
保護層としての2軸延伸ナイロンフィルム(厚さ15μm)の上に、バリア層としてのアルミニウム箔(JIS H4160:1994 1N30、厚さ20μm)をドライラミネート法により積層させた。具体的には、耐酸性皮膜が表面に形成されたアルミニウム箔の一方面に、2液型ウレタン接着剤(ポリオール化合物と芳香族イソシアネート系化合物)を塗布し、アルミニウム箔上に接着剤層(厚さ3μm)を形成した。次いで、バリア層上の接着剤層と保護層をドライラミネート法で積層した後、エージング処理を実施することにより、保護層/接着剤層/バリア層の積層体を作製した。なお、アルミニウム箔の表面に形成された耐酸性皮膜は、実施例1と同様である。
次に、熱融着性樹脂層としてのポリプロピレンフィルム(CPP、厚さ45μm)を、アルミニウム箔の他方面にドライラミネート法により積層することにより、バリア層の表面に、接着層(3μm)/熱融着性樹脂層を積層させた。なお、接着層としては、オレフィン系樹脂組成物(酸変性ポリプロピレンとエポキシ化合物)を用いた。次に、得られた積層体をエージングし、加熱することにより、保護層/接着剤層/バリア層/接着層/熱融着性樹脂層が順に積層された電池用包装材料を得た。具体的な積層構成を表1に示す。
(実施例4)
バリア層として、アルミニウム箔(JIS H4160:1994 1N30、厚さ20μm)の代わりに、ステンレス鋼箔(SUS304、厚さ15μm)を用いたこと以外は、実施例3と同様にして、電池用包装材料を得た。具体的な積層構成を表1に示す。
(実施例5)
保護層として、2軸延伸ナイロンフィルム(厚さ25μm)の代わりに、未延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ30μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池用包装材料を得た。具体的な積層構成を表1に示す。
(比較例1)
保護層としての2軸延伸ナイロンフィルム(厚さ15μm)の上に、バリア層としてのアルミニウム箔(JIS H4160:1994 1N30、厚さ7μm)をドライラミネート法により積層させた。具体的には、耐酸性皮膜が表面に形成されたアルミニウム箔の一方面に、2液型ウレタン接着剤(ポリオール化合物と芳香族イソシアネート系化合物)を塗布し、アルミニウム箔上に接着剤層(厚さ3μm)を形成した。次いで、バリア層上の接着剤層と保護層をドライラミネート法で積層した後、エージング処理を実施することにより、保護層/接着剤層/バリア層の積層体を作製した。なお、アルミニウム箔の表面に形成された耐酸性皮膜は、実施例1と同様である。
次に、熱融着性樹脂層としてのポリプロピレンフィルム(CPP、厚さ45μm)を、アルミニウム箔の他方面にドライラミネート法により積層することにより、バリア層の表面に、接着層(3μm)/熱融着性樹脂層を積層させた。なお、接着層としては、オレフィン系樹脂組成物(酸変性ポリプロピレンとエポキシ化合物)を用いた。次に、得られた積層体をエージングし、加熱することにより、保護層/接着剤層/バリア層/接着層/熱融着性樹脂層が順に積層された電池用包装材料を得た。具体的な積層構成を表1に示す。
(比較例2)
バリア層として、アルミニウム箔(JIS H4160:1994 1N30、厚さ7μm)の代わりに、アルミニウム箔(JIS H4160:1994 1N30、厚さ80μm)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして、電池用包装材料を得た。具体的な積層構成を表1に示す。
(比較例3)
保護層としての2軸延伸ナイロンフィルム(厚さ15μm)の上に、バリア層としてのアルミニウム箔(JIS H4160:1994 1N30、厚さ40μm)をドライラミネート法により積層させた。具体的には、耐酸性皮膜が表面に形成された硬質アルミニウム箔の一方面に、2液型ウレタン接着剤(ポリオール化合物と芳香族イソシアネート系化合物)を塗布し、アルミニウム箔上に接着剤層(厚さ3μm)を形成した。次いで、バリア層上の接着剤層と保護層をドライラミネート法で積層した後、エージング処理を実施することにより、保護層/接着剤層/バリア層の積層体を作製した。なお、アルミニウム箔の表面に形成された耐酸性皮膜は、実施例1と同様である。
次に、熱融着性樹脂層としてのポリプロピレンフィルム(CPP、厚さ120μm)を、アルミニウム箔の他方面にドライラミネート法により積層することにより、バリア層の表面に、接着層(3μm)/熱融着性樹脂層を積層させた。なお、接着層としては、オレフィン系樹脂組成物(酸変性ポリプロピレンとエポキシ化合物)を用いた。次に、得られた積層体をエージングし、加熱することにより、保護層/接着剤層/バリア層/接着層/熱融着性樹脂層が順に積層された電池用包装材料を得た。具体的な積層構成を表1に示す。
(比較例4)
熱融着性樹脂層としてのポリプロピレンフィルム(CPP、厚さ120μm)の代わりに、ポリプロピレンフィルム(CPP、厚さ25μm)を用いたこと以外は、比較例3と同様にして、電池用包装材料を得た。具体的な積層構成を表1に示す。
<ループスティフネス値の測定>
ループスティフネス値の測定には、東洋精機株式会社製の商品名「LOOP STIFFNESS TESTER」を測定装置として用いた。上記で得られた各包装材料を構成している積層体を、それぞれ、幅15mm、長さ150mm(製膜時の流れ方向:MD)のサイズに裁断して、測定サンプルとした。次に、測定サンプルの熱融着性樹脂層が内側となるようにして、測定サンプルの両端部をクリップに挟んで固定し長さ方向の中央部分において、ループ長さが80mmの円形ループを形成した。得られた円形ループをクリップの反対側から押込み速度3.3mm/secで押込み、押込み量が10mmとなるのに要する荷重をループスティフネス値とした。なお、当該測定装置によって測定される単位は「g」であるため、1kgF≒9.8Nと換算して、表1に測定結果を示した。
<突刺し強さの測定>
JIS Z1707:1995の規定に準拠し、上記で得られた各包装材料を構成している積層体のバリア層側の表面(保護層の表面)から、突刺し速度50mm/分の条件で、針を突刺し、当該針が積層体を貫通するまでの最大強度を突刺し強さとした。結果を表1に示す。なお、突刺し強さの測定装置としては、イマダ社製のZP−50N(フォースゲージ)とMX2−500N(測定スタンド)を使用した。先端部直径0.5mm、直径1mmの針を用いた。結果を表1に示す。
<耐屈曲性の評価>
上記で得られた各包装材料を120mm、120mmのサイズに裁断して測定サンプルとした。次に、測定サンプルを製膜時の流れ方向であるMD(Machine Direction)に平行な方向に、中心部で2つ折りにして、120mm(MD)×60mm(TD)の2つ折りサンプルを作成した。さらに、これをTD(Transverse Direction)に平行な方向に、中心部で2つ折りにした後にもどして、一方の端部側の60mmを2枚の樹脂板で挟み、他方の端部側の60mmが2枚の金属板の外にとび出した状態にする。このサンプルをTDに平行な方向に左右に180度折り返す操作を繰り返し、MDに平行な折れ線とTDに平行な折れ線の交点部分のバリア層にピンホールが確認されるまでの、TDに平行な方向に折り返した回数を測定した。結果を表1に示す。
<密封性評価>
上記で得られた各包装材料について、100mm、150mmのサイズに裁断した部材(図1の10a、10b)を2枚と、100mm、70mmの裁断した部材(図1の10c)1枚を用意した。次に、図1〜図3の模式図に示されるようなガセット袋となるようにして、3枚の部材の周縁部を、熱融着性樹脂層が内側となるようにして熱融着させた。各箇所を熱融着させる際の加熱・加圧条件は、温度170℃、圧力1MPa、時間3秒間で2回加熱・圧着し、シール幅5mmとした。このとき、図1〜3のy方向の最上部(y方向において底面と反対の部分)については、開封部とし、熱融着させなかった。次に、室温(25℃)、常圧(1atm)の環境において、浸透液(ミクロチェック浸透液 株式会社イチネンケミカルズ)3gを開封部に投入し、15分経過後に図2,3に示された2箇所のPの部分から浸透液が漏れているか否かを目視で確認した。浸透液が漏れていなかった場合を密封性良好「A」と評価し、浸透液が漏れていた場合を密封性不良「C」と評価した。結果を表1に示す。
Figure 0006885239
表1に示す積層構成において、ONyは2軸延伸ナイロンフィルム、DLはドライラミネート法によって形成された接着剤層又は接着層、PETは2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、ALMはアルミニウム箔、SUSはステンレス鋼箔、CPPは未延伸ポリプロピレンフィルムを意味する。また、積層構成の各層の後ろの記載された数値は、厚さ(μm)を意味し、例えは、「ONy25」は、「厚さ25μmの2軸延伸ナイロンフィルム」を意味する。
表1に示される結果から明らかなとおり、積層体の厚さに占める熱融着性樹脂層の厚さの割合が30%以上であり、かつ、前記ループスティフネス値が、0.08〜0.3N/15mmの範囲内にある実施例1〜5の型電池用包装材料においては、高い密封性を発揮することができ、さらに、優れた耐屈曲性と高い機械的強度を備えることが分かる。これに対して、積層体の厚さに占める熱融着性樹脂層の厚さの割合が30%以上ではないか、又は、ループスティフネス値が0.08〜0.3N/15mmの範囲外である、比較例1〜4の電池用包装材料においては、高い密封性、優れた耐屈曲性、及び高い機械的強度を全て満足することはできなかった。
1 バリア層
2 熱融着性樹脂層
3 保護層
4 接着剤層
5 接着層
10 電池用包装材料
10a 包装材料
10b 包装材料
10c 包装材料
11 パウチ型電池用包装体

Claims (6)

  1. 少なくとも、バリア層及び熱融着性樹脂層を備える積層体から構成されており、
    前記積層体の厚さに占める前記熱融着性樹脂層の厚さの割合が、30%以上であり、
    下記の測定条件によって測定されるループスティフネス値が、0.08N/15mm以上、0.3N/15mm以下である、電池用包装材料。
    (測定条件)
    幅15mm長さ150mmの前記積層体を測定サンプルとする。測定サンプルの前記熱融着性樹脂層が内側となるようにして、測定サンプルの両端部をクリップに挟んで固定し、長さ方向の中央部分において、ループ長さが80mmの円形ループを形成する。得られた円形ループをクリップの反対側から押込み、押込み量が10mmとなるのに要する荷重をループスティフネス値とする。
  2. 前記バリア層の厚さが、10μm以上、40μm以下である、請求項1に記載の電池用包装材料。
  3. 前記積層体の前記バリア層側の表面から測定された突刺し強さが、15N以上である、請求項1又は2に記載の電池用包装材料。
  4. 前記電池用包装材料は、前記バリア層の前記熱融着性樹脂層側と反対側に保護層を備える、請求項1〜3のいずれかに記載の電池用包装材料。
  5. 前記バリア層が、硬質アルミニウム又はステンレス鋼により構成されている、請求項1〜4のいずれかに記載の電池用包装材料。
  6. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、請求項1〜5のいずれかに記載の電池用包装材料により形成された包装体中に収容されている、電池。
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