JP6885169B2 - 磁気熱量効果材料、複合材料、カスケード、磁気ヒートポンプシステム、及び磁気熱量効果材料の製造方法 - Google Patents

磁気熱量効果材料、複合材料、カスケード、磁気ヒートポンプシステム、及び磁気熱量効果材料の製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、磁気熱量効果材料、複合材料、カスケード、磁気ヒートポンプシステム、及び磁気熱量効果材料の製造方法に関する。
磁気ヒートポンプシステムは、フロン等の環境負荷の大きな作業物質を使用しなくても、高効率のヒートポンプ機能を実現できる技術として期待されている。磁気ヒートポンプシステムの熱サイクルとして、磁場のオン又はオフにより発熱又は吸熱を生じる磁気熱量効果材料を用いたAMRサイクルが提案されている。
磁気ヒートポンプシステムのCOPを向上させるには、エントロピー変化(以下ではΔSとする)が大きい磁気熱量効果材料が必要となる。特許文献1には、NaZn13型結晶構造を有する原料に水素化処理を行うことで磁気熱量効果材料を製造する方法が開示されている。
特表2012−503099号広報
従来の磁気熱量効果材料は、ΔSを大きくすることが困難であった。本開示は、ΔSが大きい磁気熱量効果材料、複合材料、カスケード、磁気ヒートポンプシステム、及び磁気熱量効果材料の製造方法を提供する。
本開示の一局面は、NaZn13型結晶構造を有する原料に表面酸化膜を形成し、不活性ガス雰囲気において加熱し、水素を吸収させ、急冷する磁気熱量効果材料の製造方法である。
本開示の一局面である磁気熱量効果材料の製造方法によれば、ΔSが大きい磁気熱量効果材料を製造できる。
本開示の他の局面は、NaZn13型結晶構造を有する原料に表面酸化膜を形成し、不活性ガス雰囲気において加熱し、水素を吸収させ、急冷して成る磁気熱量効果材料である。本開示の他の局面である磁気熱量効果材料は、ΔSが大きい。
表面酸化膜の膜厚dを測定する方法を表す説明図である。 磁気ヒートポンプシステム21の構成を表す説明図である。 製造装置51の構成を表す説明図である。 磁気熱量効果材料を製造するときの処理条件を表す説明図である。 磁気熱量効果材料における温度とΔSとの関係を表すグラフである。 磁気熱量効果材料を製造するときの処理条件を表す説明図である。 磁気熱量効果材料における温度とΔSとの関係を表すグラフである。 磁気作業物質の特性を表す説明図である。 磁気熱量効果材料を製造するときの処理条件を表す説明図である。 磁気熱量効果材料における温度とΔSとの関係を表すグラフである。 磁気熱量効果材料を製造するときの処理条件を表す説明図である。 磁気熱量効果材料における温度とΔSとの関係を表すグラフである。 粒子径DとΔSとの関係を表すグラフである。
本開示の実施形態を説明する。
1.磁気熱量効果材料及びその製造方法
本開示の磁気熱量効果材料は、NaZn13型結晶構造を有する原料に表面酸化膜を形成し、不活性ガス雰囲気において加熱し、水素を吸収させ、急冷することで製造できる。
原料として、例えば、La(Fe0.88Si0.12)13等が挙げられる。原料は、粒子径が1〜1000μmである粒子の集合体であることが好ましい。この場合、磁気熱量効果材料のΔSを一層大きくすることができる。原料の粒子径は、50〜500μmの範囲内であることが一層好ましい。この範囲内である場合、磁気熱量効果材料のΔSを一層大きくすることができる。
ΔSは、外部磁場H印加時と、無磁場状態とにおける、材料の重量当たりの磁気エントロピーの差である。ΔSの値が大きいほど磁気冷凍作業物質として優れている。ΔSは、以下の式(1)に示すマクスウェルの式を用いて求めることができる。
Figure 0006885169
式(1)において、Mは磁化であり、Tは温度である。Mの測定にはカンタムデザイン社製Versalabを用いる。樹脂製のカプセルにアスペクト比が1:1となるように充填し、測定する。
粒子径の測定方法は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定である。この測定方法は、液体に分散させた試料にレーザー光を照射し、散乱した光の特徴から粒度分布を算出する方法である。測定装置として、株式会社堀場製作所製のレーザー回折/散乱式粒子径分布測定LA−960を使用する。レーザー回折/散乱式粒子径分布測定の測定結果として、粒子径ごとの粒子の頻度が得られる。最も頻度が高い粒子径を、原料の粒子径として採用する。粒子の形状は、破砕形状であってもよいし、球状であってもよい。
表面酸化膜を形成する方法として、例えば、酸素を含む雰囲気において原料を加熱する方法が挙げられる。酸素を含む雰囲気として、例えば、大気雰囲気、酸素雰囲気等が挙げられる。表面酸化膜を形成するときの温度は、100〜300℃の範囲が好ましい。この範囲内である場合、磁気熱量効果材料のΔSを一層大きくすることができる。磁気熱量効果材料における表面酸化膜の膜厚は、5〜100nmの範囲内であることが好ましく、20〜50nmの範囲内であることがさらに好ましい。これらの範囲内である場合、磁気熱量効果材料のΔSを一層大きくすることができる。表面酸化膜の膜厚の測定方法は以下のとおりである。
磁気熱量効果材料の断面TEM像を取得する。図1は、磁気熱量効果材料1の断面の模式図である。この像には、磁気熱量効果材料の表面3が含まれる。また、磁気熱量効果材料1の深さ方向に関して、EDXを用いて、酸素の検出信号5の分布を取得する。酸素の検出信号5の強度は、表面3の付近では、表面酸化膜7の存在によりピーク9を有する。表面3から十分離れた深さでは、酸素の検出信号5の強度は、一定のバックグラウンド強度となる。ピーク9のうち、表面3とは反対側の傾斜部において、傾きが最大である接線11を引く。接線11と、バックグラウンド強度を表す直線13との交点をXとする。表面3から、交点Xまでの深さ方向での距離を、表面酸化膜の膜厚dとする。表面3の位置は、TEM像から読み取った位置である。
原料を加熱する時間を長くするほど、膜厚dを大きくすることができる。また、原料を加熱する温度を高くするほど、膜厚dを大きくすることができる。
不活性ガス雰囲気において加熱する工程(以下では活性化工程とする)における不活性ガスとしては、例えば、水素、窒素、アルゴン等が挙げられる。活性化工程における温度は、300〜500℃の範囲が好ましい。この範囲内である場合、磁気熱量効果材料のΔSを一層大きくすることができる。活性化工程の時間は、10分間〜4時間が好ましい。この範囲内である場合、磁気熱量効果材料のΔSを一層大きくすることができる。不活性ガス雰囲気において加熱することにより、表面酸化膜が原料の内部に拡散すると推測される。
水素を吸収させる工程(以下では水素吸収工程とする)では、例えば、原料を水素雰囲気におき、加熱する。加熱するときの温度は、100〜500℃の範囲が好ましい。この範囲内である場合、磁気熱量効果材料のΔSを一層大きくすることができる。水素の圧力は、0.1〜1.5気圧の範囲が好ましい。この範囲内である場合、磁気熱量効果材料のΔSを一層大きくすることができる。水素吸収工程の時間は、10分間〜6時間が好ましい。この範囲内である場合、磁気熱量効果材料のΔSを一層大きくすることができる。
活性化工程は、水素吸収工程とは別の工程であってもよいし、水素吸収工程の少なくとも一部が活性化工程を兼ねていてもよい。
原料に吸収させる水素の量を変えることにより、磁気熱量効果材料のキュリー温度を変えることができる。水素吸収工程における温度を変えることにより、水素の吸収量を変え、さらには、磁気熱量効果材料のキュリー温度を変えることができる。
急冷の工程では、水素吸収工程における温度から、150℃以下まで温度を下げる。水素吸収工程における温度から、150℃に達するまでの時間は1分間以下である。急冷の工程における雰囲気は、例えば、不活性ガス雰囲気である。不活性ガス雰囲気として、例えば、水素雰囲気が挙げられる。急冷を行うことにより、キュリー温度が過度に高くなることを抑制できる。水素吸収工程における温度が高いほど、キュリー温度は低くなる。
2.複合材料
本開示の複合材料は、上述した磁気熱量効果材料と、樹脂と、を含む。樹脂としては、熱硬化性樹脂、若しくは熱可塑性樹脂であればよく、例えば、エポキシ樹脂、ナイロン等が挙げられる。複合材料の全質量に対する樹脂の比率は、例えば、5〜20質量%とすることができる。複合材料の全質量に対する磁気熱量効果材料の比率は、例えば、80〜95質量%とすることができる。複合材料は、磁気熱量効果材料、及び樹脂に加えて、さらに他の成分を含んでいてもよい。複合材料の形態は、例えば、樹脂の海の中に、磁気熱量効果材料の粒子が分散した形態とすることができる。複合材料は、例えば、磁気熱量効果材料と、樹脂とを混合することで製造できる。
3.カスケード
本開示のカスケードは、キュリー温度が異なる複数の磁気作業物質を組み合わせたものである。磁気作業物質の少なくとも一部は、上述した磁気熱量効果材料、又は、上述した複合材料である。隣接する磁気作業物質におけるキュリー温度の差は、例えば、3℃以下である。本開示のカスケードは、ΔSが大きい磁気熱量効果材料、又は、複合材料から成る磁気作業物質を備えるので、性能が高い。
4.磁気ヒートポンプシステム
本開示の磁気ヒートポンプシステムは、上述したカスケードを備える。磁気ヒートポンプシステムの基本的な形態は、公知の磁気ヒートポンプシステムから適宜選択することができる。図2に、磁気ヒートポンプシステム21の例を示す。
磁気ヒートポンプシステム21は、容器23と、カスケード25と、作動液体27と、第1ピストン29と、第2ピストン31と、第1熱交換部33と、第2熱交換部35と、永久磁石37と、を備える。
容器23は、中空形状の部材である。カスケード25は容器23の内部に固定されている。カスケード25は、複数の列39から構成される。複数の列39は、容器23の軸方向に沿って並んでいる。それぞれの列39は、複数の作業物質41から構成される。それぞれの列39において、複数の作業物質41は、容器23の軸方向と直交する方向に並んでいる。作業物質41は、本開示の磁気熱量効果材料又は本開示の複合材料から成る。
作業物質41のキュリー温度は、列39ごとに異なる。第1ピストン29に近い列39であるほど、その列39に含まれる作業物質41のキュリー温度が高い。
作動液体27は容器23内に充填されている。作動液体27はLLCである。第1ピストン29は、容器23における一方の端部から、容器23内に差し込まれている。第2ピストン31は、容器23における反対の端部から、容器23内に差し込まれている。第1ピストン29及び第2ピストン31は、同期して、容器23の軸方向に移動可能である。第1ピストン29及び第2ピストン31が移動すると、作動液体27も、容器23の軸方向に沿って移動する。
第1熱交換部33は、容器23の外周面であって、第1ピストン29側の位置に接合している。第2熱交換部35は、容器23の外周面であって、第2ピストン31側の位置に接合している。永久磁石37は、容器23の側面と対向する位置に設けられている。永久磁石37は、容器23との距離が変化するように移動可能である。
永久磁石37を容器23に近づけると、磁気熱量効果により、カスケード25及び作動液体27の温度は上昇する。永久磁石37を容器23から遠ざけると、カスケード25及び作動液体27の温度は低下する。
永久磁石37の動きに関連付けて、第1ピストン29及び第2ピストン31を移動させることにより、第1熱交換部33及び第2熱交換部35において熱交換を行うことができる。
5.実施例
(1)実施例1
図3に基づき、磁気熱量効果材料の製造に用いる製造装置51の構成を説明する。製造装置51は、炉53と、ヒーター55と、トレイ57と、ガス導入管59と、冷却板61と、を備える。炉53は内部に空間を有する箱状の部材である。炉53は図示しない開閉扉を備えている。ヒーター55は、炉53の内部に設けられている。トレイ57は上方が開口した容器である。トレイ57はヒーター55の上に設置される。トレイ57に、磁気熱量効果材料の製造に用いる原料62を収容することができる。ヒーター55をオンにしたとき、炉53内の温度(以下では炉内温度とする)は上昇し、原料62は加熱される。
ガス導入管59は、トレイ57の上方に配置されている。ガス導入管59は図示しないガス供給部に接続している。ガス導入管59は、複数の導入口63を備えており、そこからガス64を炉53の内部に導入することができる。導入可能なガス64として、空気、窒素、水素がある。
冷却板61はヒーター55の下方に設けられている。冷却板61は上下動が可能である。冷却板61は、上昇したときはヒーター55に当接し、ヒーター55を冷却する。ヒーター55が冷却されると、トレイ57に収容された原料62も冷却される。冷却板61は、下降したときはヒーター55から離間する。このとき、冷却板61はヒーター55を冷却しない。
製造装置51は、図示しない排気ユニットを備えている。その排気ユニットは、炉53の内部のガスを排気することができる。炉53内に第1のガスが存在するとき、まず、排気ユニットにより第1のガスを排気し、次に、ガス導入管59から第2のガスを導入することで、炉53の内部のガスを置換することができる。
次に、図3、図4に基づき、磁気熱量効果材料の製造方法を説明する。トレイ57に原料62を収容する。原料はLa(Fe0.88Si0.12)13である。原料62は粒子の集合体であって、粒子径Dは200μmである。
炉53内の初期の状態は、大気雰囲気、室温とする。冷却板61はヒーター55から離間している。図4に示す工程P1aにおいて、炉内温度を150℃まで上げ、150℃で維持する。工程P1aのうち、炉内温度が150℃である部分が、原料に表面酸化膜を形成する工程に対応する。表面酸化膜の膜厚dは50μmであった。
次に、工程P1bにおいて、炉53内を排気しながら、炉内温度を450℃まで上げる。次に、工程P1cにおいて、炉53内を水素雰囲気とし、炉内温度を450℃に維持する。工程P1cは、活性化工程に対応する。水素の圧力は常圧である。
次に、工程P1dにおいて、炉内温度をT℃まで下げ、T℃で維持する。Tは、355.7、371.2、381.6、392.0、及び404.9のいずれかである。工程P1dは水素吸収工程に対応する。
次に、工程P1eにおいて、冷却板61をヒーター55に当接させ、炉内温度を急冷し、室温付近まで下げる。急冷の速度は、T℃から150℃に達するまでの時間が1分間以下となる速度である。工程P1eは急冷工程に対応する。
次に、工程P1fにおいて炉53内を排気し、工程P1gにおいて炉53内を窒素雰囲気とする。
以上の工程により、磁気熱量効果材料が得られた。磁気熱量効果材料には、Tが355.7の場合のものと、371.2の場合のものと、381.6の場合のものと、392.0の場合のものと、404.9の場合のものとがある。
磁気熱量効果材料のΔSを測定した。その結果を図5に示す。なお、1条件につき3個の試料を測定した。いずれの磁気熱量効果材料においてもΔSが大きかった。また、Tの違いに応じて、磁気熱量効果材料のキュリー温度を変化させることができた。
(2)実施例2
実施例2は、基本的な内容は実施例1と同様であるため、相違点について以下に説明する。前述した実施例1では、図4に示す工程で磁気熱量効果材料を製造した。これに対し、実施例2では、図6に示す工程で磁気熱量効果材料を製造した。
炉53内の初期の状態は、大気雰囲気、室温とする。冷却板61はヒーター55から離間している。図6に示す工程P2aにおいて、炉内温度を150℃まで上げ、150℃で維持する。工程P2aのうち、炉内温度が150℃である部分が、原料62に表面酸化膜を形成する工程に対応する。
次に、工程P2bにおいて、炉53内を排気しながら、炉内温度をT℃まで上げる。Tは404.9である。次に、工程P2cにおいて、炉53内を水素雰囲気とし、炉内温度をT℃に維持する。工程P2cは、活性化工程及び水素吸収工程に対応する。
次に、工程P2dにおいて、冷却板61をヒーター55に当接させ、炉内温度を急冷し、室温付近まで下げる。急冷の速度は、T℃から150℃に達するまでの時間が1分間以下となる速度である。工程P2dは急冷工程に対応する。
次に、工程P2eにおいて炉53内を排気し、工程P2fにおいて炉53内を窒素雰囲気とする。
以上の工程により、磁気熱量効果材料が得られた。磁気熱量効果材料のΔSを測定した。その結果を図7に示す。図7に示すように、ΔSの値は大きかった。
(3)実施例3
18個の磁気作業物質を組み合わせたカスケードを製造した。個々の磁気作業物質は、実施例1と同様の方法で製造した磁気熱量効果材料から成る。製造のときにTを変更することにより、18個の磁気作業物質は、少しずつキュリー温度が異なる。図8に、キュリー温度が高い順に並べた18個の磁気作業物質を示す。図8において「Tcピッチ」とは、図8において1つ下の行に記載された磁気作業物質のキュリー温度との差である。いずれのTcピッチも3℃以下である。
なお、キュリー温度は、以下のように決定した。例えば図5のグラフのように、ΔSの温度依存性を取得する。ΔSは、上記式(1)により求められるものである。そして、ΔSが最大となる温度をキュリー温度とする。
それぞれの磁気作業物質のΔSを測定し、図8に示す。いずれの磁気作業物質においても、ΔSの値は大きかった。
(4)実施例4
実施例4は、基本的な内容は実施例1と同様であるため、相違点について以下に説明する。実施例4では、原料62における粒子径Dを様々に変えて磁気熱量効果材料を製造した。そして、それぞれの磁気熱量効果材料のΔSを測定した。その結果を図13に示す。粒子径Dが小さいほど、ΔSは大きかった。
(5)比較例1
前述した実施例1では、図4に示す工程で磁気熱量効果材料を製造した。これに対し、比較例1では、図9に示す工程で磁気熱量効果材料を製造した。
炉53内の初期の状態は、大気雰囲気、室温とする。冷却板61はヒーター55から離間している。図9に示す工程P3aにおいて、炉53内を排気しながら、炉内温度を450℃まで上げる。次に、工程P3bにおいて、炉53内を水素雰囲気とし、炉内温度を450℃に維持する。工程P3bは、活性化工程に対応する。
次に、工程P3cにおいて、炉内温度をT℃まで下げ、T℃で維持する。Tは、404.9である。工程P3cは水素吸収工程に対応する。
次に、工程P3dにおいて、冷却板61をヒーター55に当接させ、炉内温度を急冷し、室温付近まで下げる。急冷の速度は、T℃から150℃に達するまでの時間が1分間以下となる速度である。工程P3dは急冷工程に対応する。
次に、工程P3eにおいて炉53内を排気し、工程P3fにおいて炉53内を窒素雰囲気とする。
以上の工程により、磁気熱量効果材料が得られた。磁気熱量効果材料のΔSを測定した。その結果を図10に示す。図10に示すように、ΔSの値は小さかった。
(6)比較例2
前述した実施例1では、図4に示す工程で磁気熱量効果材料を製造した。これに対し、比較例2では、図11に示す工程で磁気熱量効果材料を製造した。
図11に示す工程P4aにおいて、炉内温度を150℃まで上げ、150℃で維持する。工程P4aのうち、炉内温度が150℃である部分が、原料に表面酸化膜を形成する工程に対応する。
次に、工程P4bにおいて、炉53内を排気しながら、炉内温度を450℃まで上げる。次に、工程P4cにおいて、炉53内を水素雰囲気とし、炉内温度を450℃に維持する。工程P4cは、活性化工程に対応する。
次に、工程P4dにおいて、炉内温度をT℃まで下げ、T℃で維持する。Tは、404.9である。工程P4dは水素吸収工程に対応する。次に、工程P4eにおいて、炉内温度を徐冷し、室温付近まで下げる。徐冷の速度は、T℃から150℃に達するまでの時間が400分間となる速度である。
次に、工程P4fにおいて炉53内を排気し、工程P4gにおいて炉53内を窒素雰囲気とする。
以上の工程により、磁気熱量効果材料が得られた。磁気熱量効果材料のΔSを測定した。その結果を図12に示す。図12に示すように、キュリー温度が過度に高くなった。
6.他の実施形態
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(1)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
(2)上述した磁気熱量効果材料の他、当該磁気熱量効果材料を構成要素とする製品、カスケードの製造方法、磁気ヒートポンプシステムの製造方法等、種々の形態で本開示を実現することもできる。
21…磁気ヒートポンプシステム、25…カスケード、41…作業物質

Claims (9)

  1. NaZn13型結晶構造を有する原料に表面酸化膜を形成し、
    不活性ガス雰囲気において加熱し、
    水素を吸収させ、
    水素を吸収させるときの温度から、150℃に達するまでの時間が1分間以下となるように急冷する磁気熱量効果材料の製造方法。
  2. 請求項1に記載の磁気熱量効果材料の製造方法であって、
    前記原料は、粒子径が1〜1000μmである粒子の集合体である磁気熱量効果材料の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の磁気熱量効果材料の製造方法であって、
    前記表面酸化膜の膜厚が5〜100nmである磁気熱量効果材料の製造方法。
  4. NaZn13型結晶構造を有する原料に、前記原料の酸化物から成る表面酸化膜を形成し、
    不活性ガス雰囲気において加熱し、
    水素を吸収させ、
    水素を吸収させるときの温度から、150℃に達するまでの時間が1分間以下となるように急冷して成る磁気熱量効果材料。
  5. 請求項4に記載の磁気熱量効果材料であって、
    前記原料は、粒子径が1〜1000μmである粒子の集合体である磁気熱量効果材料。
  6. 請求項4又は5に記載の磁気熱量効果材料であって、
    前記表面酸化膜の膜厚が5〜100nmである磁気熱量効果材料。
  7. 請求項4〜6のいずれか1項に記載の磁気熱量効果材料と、樹脂と、を含む複合材料。
  8. キュリー温度が異なる複数の磁気作業物質(41)を組み合わせたカスケード(25)であって、
    前記磁気作業物質の少なくとも一部が、請求項4〜6のいずれか1項に記載の磁気熱量効果材料、又は、請求項7に記載の複合材料であるカスケード。
  9. 請求項8に記載のカスケードを備える磁気ヒートポンプシステム(21)。
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