JP6884614B2 - 殺菌装置及び殺菌方法 - Google Patents

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本発明は、殺菌ガスにより室内の殺菌を行う殺菌装置及び殺菌方法に関する。
クリーンルーム内の殺菌には、ホルムアルデヒドガスが使用されてきた。しかし、急性毒性や発癌性などの人体への有害性が問題視されるようになったことから、代替ガスを使用することが求められている。過酸化水素(H)はその中で有望な薬剤の一つである。
ガスによる殺菌方法には、ウェット方式とドライ方式がある。ウェット方式は、Hガスと水蒸気が凝縮してH水が発生することにより、室内の備品が腐食するなどの問題がある。一方、ドライ方式は、凝縮を防止する殺菌方法であるが、Hガスと水蒸気は相互作用により凝縮しやすいため、除湿を行うなどの対策が必要となる。
特開2003−339829号公報 特開2007−202628号公報
ドライ方式による殺菌では、相対湿度を上昇させることで殺菌効果が高くなり、低いHガス濃度、あるいは短い殺菌時間としても、相対湿度を上昇させない場合と同一の殺菌効果を得ることができる。
しかし、ドライ方式においては凝縮を防ぐためにむしろ除湿を行い、相対湿度を低くしているのが一般的である。
本発明は、上記のような問題点を解決するために提案されたものである。本発明の目的は、Hガスと水蒸気を凝縮させずに加湿をすることで、Hガスによる効率の良い殺菌、すなわちHガス濃度を低く抑えて短時間で所定の効果を得られる殺菌を行うことができる殺菌装置及び殺菌方法を提供することである。
本発明の殺菌装置は、対象となる室内の殺菌をHガスによって行う殺菌装置において、Hガスを発生させるガス発生部と、水蒸気を発生させる水蒸気発生部と、室温を上昇させる加熱部と、Hガス及び水蒸気が凝縮しないように前記加熱部を制御しながら、Hガス濃度の目標値に基づいて前記ガス発生部を制御し、相対湿度の目標値に基づいて前記水蒸気発生部を制御する制御部と、前記H ガス濃度の目標値と、前記室温と、前記室内の相対湿度と、に基づいて、H ガス及び水蒸気が凝縮する凝縮温度を算出する凝縮温度算出部と、を備え、前記制御部が、前記凝縮温度よりも高くなるように前記室温を制御すること、を特徴とする。
前記Hガス濃度の目標値と、前記相対湿度の目標値と、に基づいて、前記室内の予熱に用いる事前室温を算出する事前室温算出部を更に備え、前記制御部が、Hガスの発生に先だって、前記室温を事前室温まで加熱しても良い。
前記ガス発生部が前記加熱部の熱によりHガスを発生させても良いし、前記水蒸気発生部が前記加熱部の熱により水蒸気を発生させても良い。
また、所定の濃度のHガスにより、対象となる室内の殺菌を行う殺菌方法も本発明の一態様である。
本発明によれば、腐食を抑制しながら、殺菌ガスの殺菌効果を効率良く発揮できる相対湿度で室内を殺菌することが可能となる。
第1実施形態の殺菌装置の構成を示すブロック図である。 第1実施形態の殺菌装置の構成を示す模式図である。 第1実施形態の制御部の機能ブロック図である。 ガス濃度を一定にした時にHガスと水蒸気が凝縮する空気条件と、相対湿度一定の空気条件を示すグラフである。 第1実施形態の殺菌装置の動作を示すフローチャートである。 バイオロジカルインジケータによるH殺菌評価のイメージを示す図である。 第1実施形態の変形例における凝縮温度を示すグラフである。
以下、本発明に係る殺菌装置の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
[第1実施形態]
[概略構成]
本実施形態の殺菌装置1では、まず室内の予熱を行い、その後に凝縮温度より高く室温を維持しながら、殺菌ガスを発生させ、加湿を行い、殺菌ガス濃度と相対湿度を目標値以上に所定の時間維持することで殺菌を行う。殺菌ガスには、気体状態で殺菌能力を有する薬剤を用いる。前記薬剤は、常温で固体のもの、常温で水に溶解したもの、または常温で液体のものを気化させて使用する。前記薬剤としては、Hが望ましい。以下では、H使用時を例に挙げ説明する。
まず、殺菌装置1では、運転開始後に事前室温と凝縮温度とを算出し、両方の温度を超えるように室内を予熱する。ここで、事前室温とは、Hガス濃度と相対湿度がいずれも目標値である場合に、Hガスと水蒸気が凝縮し始める温度である。また、凝縮温度とは、前記室内の絶対湿度が一定のままHガス濃度が目標値まで上昇した場合に、Hガスと水蒸気が凝縮し始める温度であり、Hガス濃度の目標値と絶対湿度の実測値を用いて算出する温度である。
予熱後は、殺菌工程が終了するまで室温を凝縮温度より高く維持し続ける。その際、凝縮温度の算出に用いるHガス濃度の目標値は一定であるが、絶対湿度が変化するため連続的に凝縮温度の再計算を行う。なお、予熱後の凝縮温度の算出ではHガス濃度の目標値の代わりに実測値を用いても良い。
予熱後にはHガスを発生させ、次に必要であれば水蒸気を発生させる。先にHガスを発生させるのは、Hガス発生時に水蒸気も同時に発生するためである。Hガス濃度と相対湿度の目標値は、凝縮防止に必要となる室温、殺菌レベル、殺菌時間などにより、ユーザが任意に決定する。
[1−1.構成]
以下で、本実施形態の殺菌装置の構成について説明する。図1に示すように、殺菌装置1は、入力用インターフェース部(以下、入力IF部)2を備え、ガス濃度設定値C、相対湿度設定値RH、及び殺菌を行う時間である殺菌時間について、ユーザからの入力を受け付ける。殺菌装置1は、室温t、ガス濃度c、相対湿度rhをそれぞれ計測するセンサを備える。ここでは、形式的にセンサ3とする。殺菌装置1は、各種設定値や測定値を表示する表示用インターフェースIF(以下、出力IF部)4を備える。また、殺菌装置1は、ガス発生部5、水蒸気発生部6、加熱部7、制御部8を備える。
ガス発生部5は、制御部8からの信号に基づいてHガスを発生する。水蒸気発生部6は、制御部8からの信号に基づいて水蒸気を発生する。加熱部7は、制御部8からの信号に基づいて室温を上昇させる。
図2に示すように、ガス発生部5はH水を貯蔵するH水タンク9、H水供給用配管10、及び加熱プレート11を備える。
水タンク9は、内部にH水を貯えるタンクである。H水は、例えば、H濃度が35%のH水が使用される。H水タンク9は、H水を補充する蓋が設けられた構造でも良いし、発生装置1と容易に着脱して交換できるような着脱部が設けられた構造でも良い。H水タンク9には、H水供給用配管10が接続されており、H水タンク9はH水供給用配管10へH水を供給する。
水供給用配管10は、H水タンク9から供給されるH水の流れを調整するための弁を備える。H水供給用配管10は制御部8からのガス濃度制御信号により弁を開閉する。H水供給用配管10から供給されるH水を受ける位置には、加熱プレート11が備えられる。
加熱プレート11は、H水供給用配管10から流れるH水を受けるプレートと、プレートを加熱するヒータを備える。加熱プレート11は、制御部8からのガス濃度制御信号により、ヒータを加熱する。
以上のように、ガス発生部5は、制御部8からのガス濃度制御信号を受信すると、加熱プレート11を加熱し、加熱プレート11へH水を供給する。これにより、加熱プレート11に滴下したH水を加熱し、蒸発させることで、Hガスを発生する。
水蒸気発生部6は、水を貯蔵する水タンク12、水供給用配管13、及びガス発生部5と共用の加熱プレート11を備える。
水タンク12は、H水タンク9と同一の構造である。水タンク12には水供給用配管13が接続されており、水タンク12は水供給用配管13へ水を供給する。水供給用配管13は、H水供給用配管10と同一の構造である。水供給用配管13は、制御部8からの相対湿度制御信号に基づいて弁を開閉する。水供給用配管13が水を供給する位置には、加熱プレート11が備えられる。加熱プレート11は、制御部8からの相対湿度制御信号により、ヒータを加熱する。以上のように、水蒸気発生部6は、制御部8からの相対湿度制御信号を受信すると、加熱プレート11を加熱し、水供給用配管13から加熱プレート11へ水を供給する。これにより、加熱プレート11に滴下した水を加熱し、蒸発させることで、水蒸気を発生する。
加熱部7は、ガス発生部5及び水蒸気発生部6と共用の加熱プレート11を備える。
加熱プレート11は、制御部8からの室温制御信号を受信するとヒータを加熱する。これにより、室内の空気を加熱し、室温を上昇させる。
制御部8は、ガス発生部5,水蒸気発生部6、加熱部7の制御を行う。
図3に示すように、制御部8は、ガス濃度設定部14、相対湿度設定部15、事前室温算出部16、凝縮温度算出部16a、室温制御部17、ガス濃度制御部18、相対湿度制御部19、表示制御部20を備える。
ガス濃度設定部14は、入力IFを介して入力される目標Hガス濃度をガス濃度設定値Cとして設定する。
相対湿度設定部15は、入力IFを介して入力される目標相対湿度を相対湿度設定値RHとして設定する。
事前室温算出部16は、ガス濃度設定値Cと相対湿度設定値RHとに基づいて、事前室温Taを算出する。
凝縮温度算出部16aは、ガス濃度設定値Cと、センサ3から入力される室温t及び相対湿度rhとに基づいて、凝縮温度Tbを算出する。
図4は、横軸に温度、縦軸に絶対湿度を示し、通常空気の湿り空気線図で相対湿度100%を曲線A、相対湿度60%を曲線Bで示す。曲線Aより温度が低い左側、水分が多い上側では、水蒸気が凝縮する。Hガスと空気が共存する場合には、通常空気の水蒸気が凝縮する曲線Aよりも少ない水蒸気量でHガスと水蒸気が同時に凝縮することがRaoultの法則により明らかになっている。例として、Hガス濃度を400ppmとした場合におけるHガス及び水蒸気が凝縮する空気状態を、Matthewらの算出方法を元にScumbの式を用いて算出し、曲線Cで示す。すなわち、Hガスが共存しない場合に水蒸気が凝縮する相対湿度100%の曲線Aと同様に、曲線Cの左側、上側は凝縮が起こる領域、右側、下側は凝縮が起きない領域である。また、Hガス濃度と殺菌時間の設定から殺菌に必要な相対湿度が60%以上である場合、凝縮を起こさない空気状態の領域は領域Dとなる。
これらの関係において、事前室温Taは、曲線Bと曲線Cの交点となり、23.6℃となる。つまり、Hガス濃度400ppmで凝縮が起こらず、且つ相対湿度60%以上となる空気条件を示す領域Dの最低温度に該当する。ここで、の式を用いて曲線Cを算出すると、交点の温度は23.6℃となる。また、凝縮温度Tbについては、水分量に応じた曲線C上の温度となる。殺菌工程初期の室内の水分量や、Hガスの分解量などによって設定以上の相対湿度となる可能性があるが、凝縮温度Tbよりも高い室温を維持することで確実に凝縮が防止される。
曲線Cの絶対湿度は、水蒸気とHガスが共存する時の水蒸気圧を絶対湿度に換算したものである。換算前の水蒸気圧の算出式を以下に示す、以下の(2)式がScumbの式である。なお、算出式において、Pwは水のモル濃度がXwの時の水蒸気圧(mmHg)、Rwが水の活量係数、Pwが水だけの場合のPwと同温における水蒸気圧(mmHg)を示す。
Pw=RwXwPw・・・(1)
Rwは、温度ごと、及びXwごとに変化する。Xwの算出式としては以下が知られている。Rが気体定数、Tが絶対温度(K)を示す。
B=−1017+0.97T
lnRw=(1−Xw)/(RT)×{B+85(1−4Xw)+13(1−2Xw)(1−6Xw)}・・・(2)
ここで、(2)式においてRwの算出にはXwが必要であるが、式(1)を用いた場合、Xwの算出にはRwが必要である。つまり、単純に方程式を解くだけでは正確な解が得られない。式(1)と式(2)の式を反復して計算することで値が収束し、解を得ることができる。計算手順の例を以下に示す。
1)(1)式を組み替えて Xw=Pw/(RwPw)・・・(4)
2)Rwを仮に1とする。
3)Rwを(4)式に代入し、Xwを得る。
4)3)で得たXwを(2)式に代入し、Rwを得る。
5)4)のRwが3)のRwの値と異なっている場合は、4)のRwの値を用いて3)に戻る。
上記1)〜5)で得たRwとXwを(1)式に代入することで、Pwが得られる。
室温制御部17は、事前室温Ta及び凝縮温度Tbに基づいて室温の制御を行う。室温制御部17には、センサ3から現在の室温tが入力される。室温制御部17は、室温tが事前室温Ta以下、あるいは凝縮温度Tb以下の場合は、加熱プレート11へ室温制御信号を出力する。
ガス濃度制御部18は、ガス濃度設定部14で設定したガス濃度設定値Cと、センサ3から入力されるガス濃度cに基づいて、室内のHガス濃度を制御する。ガス濃度制御部18は、ガス濃度cがガス濃度設定値Cより低い場合には、ガス発生部5へガス濃度制御信号を出力する。
相対湿度制御部19は、相対湿度設定部15で設定した相対湿度設定値RHと、センサ3から入力される相対湿度rhに基づいて、室内の相対湿度を制御する。相対湿度制御部19は、相対湿度rhが相対湿度設定値RHより低い場合には、水蒸気発生部6へ相対湿度制御信号を出力する。
表示制御部20は、表示制御信号を出力し、表示IFの制御を行う。表示制御部20には、相対湿度設定値RH、ガス濃度設定値C、事前室温Taと凝縮温度Tbの値が入力される。表示制御部20は、それらの値を元に表示制御信号を生成し、出力する。表示制御信号には、室温t、ガス濃度c、相対湿度rh、事前室温Ta、または凝縮温度Tbを含ませても良い。
[1−2.作用]
以下では、本実施形態に係る殺菌装置1の動作について説明する。図5は、殺菌装置1の動作を示すフローチャートである。
殺菌装置1の動作は、事前加熱工程(S101〜S104)と、殺菌工程(S105〜S112)とに分けることができる。以下、それぞれの工程ごとに詳細に説明する。
(事前加熱工程)
事前加熱工程では、事前室温Taの算出を行い、算出した事前室温Taに基づいて室温の調整を行う。事前室温Taの算出の為に、ガス濃度設定値Cと相対湿度設定値RHについて、ユーザからの入力を受け付ける(S101)。また、殺菌時間について受け付けても良い。殺菌時間とは、殺菌工程において、室内のHガス濃度がガス濃度設定値Cに到達し、さらに室内の相対湿度が相対湿度設定値RH以上となった時点からの経過時間である。
入力されたガス濃度設定値Cと相対湿度設定値RHに基づいて、事前室温算出部16は事前室温Taを算出する(S102)。室温制御部17は、室温tと、事前室温Taとの比較を行う(S103)。室温tが事前室温Ta以下の場合(S103のYes)、室温制御部17は加熱部7へ室温制御信号を出力する。これにより、室内は加熱される(S104)。そして、一定時間経過後、再度、室温tと、事前室温Taとの比較を行う(S103)。これを室温tが事前室温Taより高くなるまで、繰り返す。
事前加熱工程においては、初期の室内の状態によっては室温tが事前室温Taより高いことも考えられる。その場合は、S104の工程を経ずに殺菌工程へと進む。
(殺菌工程)
殺菌工程では、Hガスの濃度を一定に、相対湿度を目標値以上に制御することで、殺菌を行う。殺菌工程では、室温tが凝縮温度Tbよりも高くなるように加熱部7の制御を行う。
殺菌工程では凝縮温度Tbを算出する(S105)。室温tと、凝縮温度Tbとを比較する(S106)。室温tが凝縮温度Tb以下の場合(S106のYes)には、室温制御部17は、加熱部7に室温制御信号を出力する。これにより、室内は加熱される(S107)。そして、一定時間経過後、再度、室温tと、凝縮温度Tbとの比較を行う(S106)。これを室温tが凝縮温度Tbより高くなるまで、繰り返す。
室温tが凝縮温度Tbより高い場合(S106のNo)には、ガス濃度cと、ガス濃度設定値Cとの比較を行う(S108)。ガス濃度cがガス濃度設定値Cより低い場合(S108のYes)には、ガス濃度制御部18は、ガス発生部に対してHガスを発生させるためのガス濃度制御信号を出力する。これにより、ガス濃度cが上昇する(S109)。Hガス発生後は、S105に戻り、再度室温tを凝縮温度Tbと比較する。
ガス濃度cがガス濃度設定値C以上の場合(S108のNo)には、相対湿度rhと、相対湿度設定値RHとの比較を行う(S110)。相対湿度rhが相対湿度設定値RHより低い場合(S110のYes)には、相対湿度制御部19は、水蒸気発生部6に対して水蒸気を発生させるための相対湿度制御信号を出力する。これにより、室内は加湿される(S111)。室内の加湿後は、S105に戻る。
一方、相対湿度rhが相対湿度設定値RH以上の場合(S110のNo)には、殺菌時間が経過しているかの判定を行う(S112)。殺菌時間が経過していれば(S112のYes)、殺菌工程は終了となる。殺菌時間が経過していない場合(S112のNo)には、S105に戻る。
[1−3.効果]
(1)以上のように殺菌装置1は、まず室内の予熱を行い、その後はHガスと水蒸気が凝縮しないような室温を維持しながら、殺菌ガスを発生させ、加湿を行う。これにより、Hガス濃度と相対湿度を設定値以上に所定の時間以上維持することで殺菌を行う。殺菌装置1は、Hガスを発生させるガス発生部5と、水蒸気を発生させる水蒸気発生部6と、室内の空気を加熱する加熱部7と、Hガスと水蒸気が凝縮しないように室温tを制御しながら、ガス濃度cがガス濃度設定値Cとなるようにガス発生部5を制御し、相対湿度rhが相対湿度設定値RH以上となるように水蒸気発生部6を制御する制御部8と、を備える。これにより、殺菌装置1では、凝縮を防止しながら、例えばHガス濃度400ppm、相対湿度60%以上といった高湿度とすることができるため、腐食を抑制しながらHガスによる効率の良い殺菌をすることが可能となる。
図6は、相対湿度の調整を行わない従来の殺菌装置においてHガス濃度200ppm〜400ppmとした場合のバイオロジカルインジケータ(以下、BI)による殺菌評価のイメージ図である。殺菌時間が長い、Hガス濃度が高い、あるいは相対湿度が高いと殺菌効果が高くなる。本実施形態の殺菌装置では、殺菌工程におけるガス濃度c、及び相対湿度rhをコントロールすることが可能である。相対湿度を高く設定することで、必要な殺菌レベルを達成しながらも、殺菌ガス濃度を低くする、あるいは殺菌時間を短くすることが可能となる。
(2)本実施形態では、ガス濃度設定値Cと、室温tと相対湿度rhから算出する絶対湿度と、に基づいて、Hガスと水蒸気が凝縮する凝縮温度Tbを算出する凝縮温度算出部16aを備えても良い。Hガスの発生源が殺菌装置1のみである場合、凝縮温度Tbをガス濃度設定値Cに基づいて算出することで、ガス濃度cがガス濃度設定値Cとなった時を想定して室温を上昇させておくことになる。これにより、例えば、室内の壁面や生産装置が室温より低い場合でも、室内の壁面や生産装置などを予熱することができ、Hガスと水蒸気の凝縮を防止することが可能となる。
(3)本実施形態では、ガス濃度設定値Cと相対湿度設定値RHとに基づいて、事前温度Taを算出する事前室温算出部16を備えても良い。これにより、ガス濃度cがガス濃度設定値Cとなり、相対湿度rhが相対湿度RHとなった場合を想定して室温を上昇させ、室内の壁面や生産装置などを予熱することができ、Hガスと水蒸気の凝縮を防止することが可能となる。
(4)本実施形態では、ガス発生部5が加熱部7の熱によりHガスを発生させ、また水蒸気発生部が加熱部7の熱により水蒸気を発生させている。これにより、殺菌装置1を小型化することが可能となる。さらに、殺菌装置1の電源容量を小さくすることができる。
(5)本実施形態では、事前室温Taと凝縮温度を曲線Bから算出したが、曲線Bより高い温度としても良い。凝縮が起こる室温に余裕を持たせることで、より確実な凝縮防止が可能となる。図7は、ガス濃度設定値Cで凝縮が起こる室温に余裕を持たせた曲線Eを示す図である。例として、図7は、Hガスを400ppmとした場合におけるHガス及び水蒸気が同時に凝縮する空気条件を示す曲線Cと、相対湿度60%示す曲線Bと、曲線Cを温度上昇方向に平行移動することで算出する曲線Eを示している。曲線Eに基づいて事前室温Taを算出する場合には、曲線Bと曲線Eとの交点の温度が事前室温Taとなる。
[第2実施形態]
[2−1.構成]
本実施形態に係る殺菌装置1では、前記実施形態の殺菌装置1の構成に加えて、室温制御部17からの室温制御信号を加熱部7だけでなく、室温上昇能力を持つ例えば空調機などへも送信する。
[2−2.作用・効果]
以上のような殺菌装置1では、前実施形態の図5のS104及びS107において、室内を加熱する場合には、室温制御部22は、室温調整用のヒータ及びファン27に対して一定時間電力を供給する指示を含めた室温制御信号を出力する。これにより、事前室温Taあるいは凝縮温度Tbと室温tとに大きな差があった場合でも、効率良く迅速に室温を上昇させることが可能となる。
[3.他の実施形態]
本明細書においては、本発明に係る複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。具体的には、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

Claims (4)

  1. 対象となる室内の殺菌をHガスによって行う殺菌装置において、
    ガスを発生させるガス発生部と、
    水蒸気を発生させる水蒸気発生部と、
    室温を上昇させる加熱部と、
    ガス及び水蒸気が凝縮しないように前記加熱部を制御しながら、Hガス濃度の目標値に基づいて前記ガス発生部を制御し、相対湿度の目標値に基づいて前記水蒸気発生部を制御する制御部と、
    前記H ガス濃度の目標値と、前記室温と、前記室内の相対湿度と、に基づいて、H ガス及び水蒸気が凝縮する凝縮温度を算出する凝縮温度算出部と、
    を備え
    前記制御部が、前記凝縮温度よりも高くなるように前記室温を制御すること、
    を特徴とする殺菌装置。
  2. 前記Hガス濃度の目標値と、前記相対湿度の目標値と、に基づいて、前記室内の予熱に用いる事前室温を算出する事前室温算出部を更に備え、
    前記制御部が、Hガスの発生に先だって、前記室温を事前室温まで加熱することを特徴とする請求項1の殺菌装置。
  3. 前記ガス発生部が前記加熱部の熱によりHガスを発生させ、前記水蒸気発生部が前記加熱部の熱により水蒸気を発生させることを特徴とする請求項1又は2の殺菌装置。
  4. 対象となる室内の殺菌をHガスによって行う殺菌方法において、
    ガスの目標値に基づいてHガス濃度を制御し、相対湿度の目標値に基づいて相対湿度を制御し、 ガス及び水蒸気の凝縮が発生しないように室温を制御する制御ステップと、
    前記室内の空気を加熱する加熱ステップと、
    ガスを発生させるガス発生ステップと、
    水蒸気を発生させる水蒸気発生ステップと、
    を含み、
    前記制御ステップでは、前記H ガス濃度の目標値と、前記室温と、前記室内の相対湿度と、に基づいて、H ガス及び水蒸気が凝縮する凝縮温度を算出し、前記凝縮温度よりも高くなるように前記室温を制御すること、
    を特徴とする殺菌方法。
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