JP6884147B2 - 注射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体薬剤を含む注射装置に関する。
充填済み注射装置は、典型的には、2つのカテゴリー:すなわち手動装置および自動注射器に分けられる。従来の手動装置では、薬剤を針の中に通すのに、使用者は力を加えなければならない。これは、典型的には、注射の間に継続して押さなければならない何らかの形態のボタン/プランジャによって行われる。どちらのカテゴリーも、共通して、生産現場で薬剤リザーバに薬剤が予め充填され、したがって使用者は、バイアルから所望の量の薬剤を注射デバイスのリザーバに抜き取るなどの注射準備工程に着手する必要がない。
その1つの例は、薬剤が典型的にはガラスから形成される中空シリンダに収納されている充填済みシリンジである。貯蔵寿命の期間中、薬剤は、シリンダ内で動くことができるプランジャ、およびシリンジの遠位端に流体連結された針によって、環境から封止されている。針は、薬剤を滅菌状態で維持するためにキャップがかぶされたままでなければならない。
注射デバイスの他の形態は、シリンジではなく、シリンジの針の代わりに遠位封止部を有するカートリッジを使用する。典型的には、患者は、注射の前に両頭針をカートリッジに連結し、両頭針の近位先端によりカートリッジの封止部を穿孔する。
自動注射器は、患者にとっての自己注射をより簡単にする。従来の自動注射器は、ばねによって注射の投与のための力を加えることができ、トリガボタンまたは他の機構は、注射の起動または開始に使用される。自動注射器は、単回使用または再使用可能装置であってよい。自動注射器は、カートリッジもしくは充填済みシリンジの中身全部を送達する、単回用量であってよく、または、カートリッジもしくは充填済みシリンジから所定量を送達する、固定用量であってもよい。再使用可能自動注射器は、使い捨て安全針、およびカートリッジまたは充填済みシリンジを使用する。
カートリッジは、シリンジと比べて収納における利点を提供することができるが、欠点がないわけではない。たとえば、カートリッジに対する針の取り付けには、追加の工程が必要である。この工程は、器用さが限定され、協調不全のある患者、または手の感覚がない患者にとって、問題となることがある。
そのような欠点があるとしても、ある状況において、特に薬剤処方が注射針を形成する金属材料に長期にわたって曝されることに影響されやすい場合、患者が注射を始めようとするときまで、針が薬剤から隔てられた状態にある注射デバイスを提供することが望まれている。本明細書に記載の注射デバイスは、従来のデバイスに関連する1つまたはそれ以上の問題を克服することを目的としている。
一態様では、注射装置が提供される。注射装置は、中空針が配置されるまたは配置可能な第1の端部を有する中空本体を含む。破断封止膜を含む栓は、中空本体内に配置される。ピストンも中空本体内に配置される。ピストン、中空本体および栓は、液体薬剤を含む容積を画成する。栓は、中空本体の第1の端部に対してピストンよりも近くにあり、破断封止膜は、初期において、薬剤から針を隔離している。破断封止膜は、薬剤に圧力を加えるようにピストンが動かされたときに、破断封止膜が針に接触することなく流体圧力だけで破断し薬剤が針を通って排出されるように構成される。ピストンは、ピストンの中空本体の第1の端部の方に向く側に配置された突起を含む。突起は、薬剤の排除の終わりに栓のアパーチャ内へと延びるような形状である。
針は、中空本体の第1の端部に連結され、針の中空本体の内部にある端部は、中空本体の第1の端部に対して破断封止膜よりも近くにあってよい。
栓のアパーチャは、円形であってよく、その場合、ピストンの突起は、円柱形である。
栓のアパーチャは、栓の長手方向軸上にあってよく、その場合、ピストンの突起は、該ピストンの長手方向軸上にある。
栓のアパーチャの直径は、突起の外径と同じであってよい。
突起の長さは、栓のアパーチャの長さと同じ、または実質的に同じであってよい。
栓は、少なくとも2つの反対向きの破断封止膜を含むことができ、破断封止膜のうちの少なくとも1つは、栓の第1の側からの圧力により破断するように構成され、破断封止膜のうちの少なくとも1つは、栓の他方の側からの圧力により破断するように構成される。
1つまたはそれ以上の破断封止膜は、応力のない位置において凸状であってよい。
注射装置は、注射器で使用される薬剤カートリッジであってよい。
液体物質は、中空本体の第1の端部と栓との間に配置される。
中空本体は、首部を含むことができ、栓は、首部に対して配置される。
注射装置は、シリンジデバイスであってよく、中空本体は、シリンジデバイスの外側ハウジングを形成することができる。
栓は、中空本体の第1の端部に対して配置される。
他の態様は、注射装置を組み立てる方法を提供する。方法は:
中空針を収容するように構成された前端と開いた後端とを含む中空本体を支持する工程と;
流体圧力だけで破断するように構成された破断封止膜を含む栓を、中空本体の後端から挿入する工程と;
中空本体の内壁に対する封止を形成するその栓を、前端の方に向かって中空本体に沿って押す工程と;
液体薬剤を中空本体に供給する工程と;
ピストンを、中空本体の後端から挿入する工程と;
このピストンと中空本体と栓とによって画成される容積内の薬剤を封止するように中空本体の内壁に対する封止を形成するそのピストンを、ピストンが薬剤に達するまで栓の方に向かって中空本体に沿って押す工程と
を含む。
さらなる態様は、注射装置を提供する。注射装置は、中空針が配置されるまたは配置可能な第1の端部を有する中空本体を含む。注射装置は、中空本体内に配置される栓をさらに含む。栓は、少なくとも2つの反対向きの破断封止膜を含む。破断封止膜のうちの少なくとも1つは、栓の第1の側からの流体圧力により破断するように構成され、破断封止膜のうちの少なくとも1つは、栓の他方の側からの流体圧力により破断するように構成される。ピストンは、中空本体内に配置される。ピストン、中空本体および栓は、液体薬剤を含む容積を画成する。栓は、中空本体の第1の端部に対してピストンよりも近くにある。破断封止膜は、初期において、薬剤から針を隔離している。
破断封止膜の少なくとも1つは、破断封止膜の少なくとも1つの他のものに対して反対方向に湾曲している。
1つまたはそれ以上の破断封止膜は、応力のない位置において、凸状であってよい。
針は、中空本体の第1の端部に連結され、針の、中空本体の内部にある端部は、中空本体の第1の端部に対して破断封止膜よりも近くにあってよい。
注射装置は、注射器で使用される薬剤カートリッジであってよい。
液体物質は、中空本体の第1の端部と栓との間に配置される。
中空本体は、首部を含むことができ、栓は、首部に対して配置される。
注射装置は、シリンジデバイスであってよく、中空本体は、シリンジデバイスの外側ハウジングを形成することができる。
栓は、中空本体の第1の端部に対して配置される。
さらなる他の態様は、注射装置を組み立てる方法を提供する。方法は:
中空針を収容するように構成された前端と開いた後端とを含む中空本体を支持する工程と;
中空本体の後端から挿入する工程であって、栓は、少なくとも2つの反対向きの破断封止膜を含み、破断封止膜のうちの少なくとも1つは、栓の第1の側からの流体圧力により破断するように構成され、破断封止膜のうちの少なくとも1つは、栓の他方の側からの流体圧力により破断するように構成される、工程と;
中空本体の内壁に対する封止を形成する栓を、前端の方に向かって中空本体に沿って押す工程と;
液体薬剤を中空本体に供給する工程と;
ピストンを、中空本体の後端から挿入する工程と;
このピストンと中空本体と栓とによって画成される容積内の薬剤を封止するように中空本体の内壁に対する封止を形成するそのピストンを、ピストンが薬剤に達するまで栓の方に向かって中空本体に沿って押す工程と
を含む。
本明細書で相互交換可能に使用する用語「薬物」または「薬剤」は、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味する。
用語「薬物送達デバイス」は、薬物をヒトまたは(獣医学用途が本開示によって明確に企図される場合)動物の体内に直ちに投薬するように設計されたあらゆるタイプのデバイス、システムまたは装置を包含すると理解されたい。「直ちに投薬」とは、薬物送達デバイスからの薬物の放出と、ヒトまたは動物の体内への投与との間に、使用者による薬物の任意の必須の中間操作がないことを意味する。限定されることなく、薬物送達デバイスの典型的な例は、注射デバイス、吸入器、および胃管用の供給システムに見られる。やはりまた限定されることなく、例示的な注射デバイスは、たとえばシリンジ、自動注射器、注射ペンデバイスおよび脊髄(spinal)注射システムを含むことができる。
添付の図面を参照して、本発明の例示的な実施形態について述べる。
注射デバイスの等角図である。 注射デバイスの等角図である。 図1の注射デバイスのカートリッジの断面図である。 図2のカートリッジ内に示される栓の等角図である。 図2のカートリッジとともに使用することができるピストンの等角図である。 使用のときの、図3Aの栓および図3Bのピストンの等角図である。 図2に示される栓の断面図である。 一代替栓の断面図である。 他の代替栓の平面図である。 図2に示されるカートリッジの製造の流れ図である。 シリンジデバイスの図である。 注射デバイスが異なる使用段階にある、図1の一代替カートリッジの断面図である。 注射デバイスが異なる使用段階にある、図1の一代替カートリッジの断面図である。 注射デバイスが異なる使用段階にある、図1の一代替カートリッジの断面図である。
第1の実施形態では、自動注射器のカートリッジが提供される。カートリッジは、標準的なサイズおよび形状であり、同じタイプの標準的なカートリッジを受け入れるあらゆる注射デバイスでの使用に適している。カートリッジは、液体薬剤を保持する中空本体を含む。中空針は、中空本体の一方端に連結される。中空本体は、ピストンまたはストッパと、栓とを含み、それらの間に薬剤が収容される。ピストンおよび栓は、実質的に、中空本体と同じ断面をそれぞれ有し、したがって、それらはともに中空本体に対する封止を形成する。カートリッジの初期構造では、栓は、薬剤と針が接触しないように、薬剤と針との間に配置されている。栓は、ピストンが栓の方に向かって動かされた結果として薬剤によってそれに及ぼされる圧力が増加すると破断するように構成された破断封止膜を含む。破断封止膜が破断した後、薬剤は、針の方に向かって流れ、針を通って患者体内に排出される。
さらに、ピストンの、栓の方に向いた側には、突起が追加される。突起は、破断封止膜が破断した後にアパーチャ内へと延び栓内に留まるように形作られる。これによって患者に送達される薬剤の量が増加し(好ましくは最大になり)、それによって、ピストンが最長距離に押される、すなわち栓に当接するまで押されたときに無駄になる薬剤の量が減少する。
突起は、アパーチャ内に適合するようなあらゆる適切な形状をとることができる。アパーチャが円形の場合、突起は円柱形である。突起は、円柱形であってよく、ピストンの面の中央、すなわちその長手方向軸上に位置し、その一方、アパーチャは、円形であり、栓の長手方向軸上に位置することができる。この配置は回転対称なので、栓およびピストンを中空本体内にあらゆる回転配向で配置することができることから、カートリッジの製造が簡単になる。
栓は、反対向きの少なくとも2つの破断封止膜を含むことができる。破断封止膜の少なくとも1つは、栓の第1の側からの圧力により破断するように構成され、破断封止膜の少なくとも1つは、栓の他方側からの圧力により破断するように構成される。それによって、栓はどちらの向きでも中空本体内に配置することができるので、カートリッジの製造が簡単になる。
第2の実施形態では、充填済みシリンジが提供される。充填済みシリンジは、液体薬剤を保持する中空本体から構成される。中空針は、中空本体の一方端に連結される。中空本体は、ピストンと、栓とを含み、その間に薬剤が収容される。ピストンおよび栓は、実質的に、中空本体と同じ断面をそれぞれ有し、したがって、それらはともに中空本体に対する封止を形成する。充填済みシリンジの初期構造では、栓は、薬剤と針が接触しないように、薬剤と針との間に配置されている。栓は、ピストンが栓の方に向かって動かされた結果として薬剤によってそれに及ぼされる圧力が増加すると破断するように構成された破断封止膜を含む。破断封止膜が破断した後、薬剤は、針の方に向かって流れ、針を通って患者の体内に排出される。シリンジは、カートリッジに関して記載した、突起機能と/または互いに反対に向いた破断膜を含むことができる。
本明細書に記載の薬物送達デバイスは、薬剤を患者に注射するように構成される。たとえば、送達は、皮下、筋肉内、または静脈内であってよい。そのようなデバイスは、患者、または看護師もしくは内科医などの介護者によって操作され、様々なタイプの安全シリンジ、ペン注射器または自動注射器を含むことができる。デバイスは、使用前に、封止されているアンプルを穿孔する必要のあるカートリッジベースのシステムを含むことができる。これらの様々なデバイスにより送達される薬剤の量は、約0.5ml〜約2mlの範囲内であってよい。さらに他のデバイスは、「大」量(典型的には、約2ml〜約10ml)の薬剤を送達するために、ある時間にわたって(たとえば、約5、15、30、60または120分間)患者の皮膚に付着されるように構成される、大容量デバイス(「LVD」)またはパッチポンプを含むことができる。
特定の薬剤と組み合わせて、上述したデバイスは、必要な仕様内で動作するようにカスタマイズすることができる。たとえば、デバイスは、ある時間をかけて(たとえば、自動注射器なら約3〜約20秒間、LVDなら約10分〜約60分間で)薬剤を注射するようにカスタマイズすることができる。他の仕様は、低いレベルまたは最低限のレベルの不便さ、すなわち人的要因、保存可能期間、満期、生体適合性、環境的考慮などに関する一定の条件に対する不便さを含むことがある。そのような変化は、たとえば粘度が約3cP〜約50cPの範囲の薬物など、様々な要因により起こることがある。したがって、薬物送達デバイスは、しばしば、サイズ約25〜約31ゲージの中空針を含むことになる。通常のサイズは27ゲージおよび29ゲージである。
本明細書に記載の送達デバイスは、1つまたはそれ以上の自動化された機能を含むこともできる。たとえば、針の挿入、薬剤の注射および針の後退のうちの1つまたはそれ以上を自動化することができる。1つまたはそれ以上の自動化工程のためのエネルギーは、1つまたはそれ以上のエネルギー源によってもたらされる。エネルギー源は、たとえば、機械、空気、化学または電気エネルギーを含むことができる。たとえば、機械エネルギー源は、ばね、レバー、エラストマー、または、エネルギーを蓄えるもしくは解放する他の機械機構を含むことができる。1つまたはそれ以上のエネルギー源は、単一デバイスに組み合わせられてもよい。デバイスは、さらに、ギア、弁またはエネルギーをデバイスの1つもしくはそれ以上の構成要素の動きに変換する他の機構を含むことができる。
自動注射器の1つまたはそれ以上の自動化された機能は、起動機構を介してそれぞれ起動される。そのような起動機構は、ボタン、レバー、針スリーブまたは他の起動構成要素のうちの1つまたはそれ以上を含むことができる。自動化された機能の起動は、単一工程または複数工程からなるプロセスであってよい。すなわち、使用者は、自動化された機能を引き起こすために、1つまたはそれ以上の起動構成要素を起動させる必要がある。たとえば、単一工程プロセスでは、使用者は、薬剤の注射を引き起こすために、身体に対して針スリーブを押し下げることができる。他のデバイスは、自動化された機能の複数工程の起動を必要とすることがある。たとえば、使用者は、注射を引き起こすために、ボタンを押し下げ、ニードルシールドを後退させる必要があることがある。
さらに、自動化された機能の起動は、その後の1つまたはそれ以上の自動化された機能を起動させることができ、それによって起動シーケンスが形成される。たとえば、第1の自動化された機能の起動は、針の挿入、薬剤の注射および針の後退のうちの少なくとも2つを起動させることができる。デバイスのなかには、1つまたはそれ以上の自動化された機能が行われるようにする特定の工程のシーケンスを必要とするものもある。他のデバイスは、独立した工程のシーケンスにより動作することができる。
送達デバイスのなかには、安全シリンジ、ペン注射器または自動注射器の1つまたはそれ以上の機能を含むことができるものもある。たとえば、送達デバイスは、(典型的には自動注射器で見られるような)薬剤を自動的に注射するように構成された機械エネルギー源と、(典型的にはペン注射器で見られるような)用量設定機構とを含むことができる。
図1Aおよび図1Bには、本開示のいくつかの実施形態による例示的な薬物送達デバイス10が示されている。デバイス10は、上述したように、薬剤を患者の体内に注射するように構成される。デバイス10は、ハウジング11を含む。ハウジング11は、典型的には、注射予定の薬剤を含むリザーバ(たとえば、シリンジ)と、送達プロセスの1つまたはそれ以上の工程を円滑化するのに必要な構成要素とを含む。デバイス10は、さらに、ハウジング11に取り外し可能に取り付けることができるキャップアセンブリ12を含むことができる。典型的には、使用者は、デバイス10を動作可能にする前に、キャップ12をハウジング11から除去しなければならない。
図示のように、ハウジング11は、長手方向軸Xに沿って、実質的に円筒形であり、実質的に一定の直径を有する。ハウジング11は、遠位領域20と、近位領域21とを有する。用語「遠位」は、注射部位に相対的により近い位置を示し、用語「近位」は、注射部位から相対的に離れた位置を示す。
デバイス10は、さらに、針スリーブ13を含むことができる。針スリーブ13は、ハウジング11に対してスリーブ13が動くことができるようにハウジング11に連結される。たとえば、スリーブ13は、長手方向軸Xに対して平行な長手方向に動くことができる。具体的には、スリーブ13が近位方向に動かされることで、針17は、ハウジング11の遠位領域20から延びることができる。
針17の挿入は、いくつかの機構により行われる。たとえば、針17は、ハウジング11に対して固定的に配置され、最初は、延長された針スリーブ13内に位置している。患者の身体にスリーブ13の遠位端を当ててハウジング11を遠位方向に動かすと、スリーブ13が近位方向に動き、それによって針17の遠位端が現れる。このような相対的な動きによって、針17の遠位端は、患者の体内へと延びることが可能になる。そのような挿入は、患者がスリーブ13に対してハウジング11を手動で動かすことで針17が手動で挿入されることから、「手動」挿入と呼ばれる。
挿入の他の形態は、針17がハウジング11に対して、「自動的に」動く。そのような挿入は、スリーブ13の動きによって、またはたとえばボタン22などの他の起動形態によって、トリガされる。図1Aおよび図1Bに示されるように、ボタン22は、ハウジング11の近位端に位置する。しかし、他の実施形態では、ボタン22は、ハウジング11の側面に位置してもよい。
他の手動または自動の機能は、薬物の注射、針の後退またはその両方を含むことができる。注射は、薬剤をシリンジから針17を通って押し出すために、栓またはピストン23がシリンジ(図示せず)内の近位位置からよりシリンジ内の遠位の位置まで動かされるプロセスである。いくつかの実施形態では、駆動ばね(図示せず)は、デバイス10が起動される前は圧縮状態にある。駆動ばねの近位端は、ハウジング11の近位領域21内に固定され、駆動ばねの遠位端は、ピストン23の近位面に圧縮力を加えるように構成される。駆動ばねが駆動されると、それに蓄えられていた(stored)エネルギーの少なくとも一部がピストン23の近位面に加えられる。この圧縮力は、ピストン23に作用し、それによってピストン23は遠位方向に動かされる。そのような遠位運動は、シリンジ内の液体薬剤を圧縮するように働き、それによって液体薬剤は針17を通って押し出される。
注射の後、針17は、スリーブ13内またはハウジング11内に後退することができる。後退は、使用者が患者の身体からデバイス10を取り除いたとき、スリーブ13が遠位方向に動いたときに行われる。これは、針17がハウジング11に対して固定的に配置されたままで行われる。スリーブ13の遠位端が針17の遠位端を越えて動かされ針17を覆うと、スリーブ13はロックされる。そのようなロックすることは、ハウジング11に対するスリーブ13のあらゆる近位運動をロックすることを含むことができる。
針17がハウジング11に対して動かされる場合、別の形態で針の後退が行われる。そのような動きは、ハウジング11内のシリンジがハウジング11に対して近位方向に動かされた場合に行われる。この近位運動は、遠位領域20に位置する後退ばね(図示せず)を用いることによって達成することができる。圧縮状態にある後退ばねは、起動されると、シリンジにそれを近位方向に動かすのに十分な力を供給することができる。十分な後退の後、針17とハウジング11との間の相対運動がロッキング機構によってロックされる。さらに、ボタン22またはデバイス10の他の構成要素を必要に応じてロックすることができる。
本開示の第1の実施形態による薬剤カートリッジは、自動注射器のカートリッジ200である。カートリッジは、カートリッジ本体210から構成される。本体210は、中空の、環状になった円筒形の形状であり、患者に注射される液体薬剤215を保持する。カートリッジ200は、その長手方向軸周りに回転対称である。カートリッジ本体210は、透明であってよく、プラスチックまたはガラスなどの任意の適当な材料から作ることができる。カートリッジ本体210の形状は、カートリッジ200が挿入される自動注射器によって必然的に決まる。自動注射器は、特定の容量、たとえば1ml、1.5ml、3mlのカートリッジを受けるように構成されることが多い。標準的なカートリッジを収容するように設計された多くの自動注射デバイス構造の任意のいずれかでそのようなカートリッジを使用することができるので、特定の容量のカートリッジの形状およびサイズを標準に合わせることが有益である。
カートリッジ200は、標準的な形状およびサイズのものである。したがって、カートリッジ200は、注射デバイスに修正を加えることなく、同じタイプの標準的なカートリッジを収容するように設計された注射デバイスにおいて使用することができる。カートリッジ200のカートリッジ本体210は、その前端近くに首部211を有する。カートリッジ本体210の直径は、図2から見られるように、カートリッジ本体210の残りの部分よりも首部211においてより小さくなっている。
中空針220は、カートリッジ本体210の前端に連結される。針220は、任意の適当な針であってよく、標準的なサイズおよび形状のものが有利である。針220は、セプタム225によってカートリッジ本体210に連結される。セプタム225は、カートリッジ本体210の口部の壁によって定位置に保持される。というのも、セプタム225の断面の外径は、カートリッジ本体210の口部の断面の内径と実質的に同じであるからである。このように、セプタム225は、カートリッジ本体210の口部に封止を形成する。
セプタム225の中心にあるアパーチャは、実質的に、針220と同じ直径である。針220は、カートリッジ200の長手方向軸上に位置しセプタム225によって定位置に保持されるように、セプタム225のアパーチャを通って直交方向に延びている。針220の一方端は、カートリッジ本体210の内部に位置し、したがって、その内部と流体連結している。針220の他方端は、患者に挿入されるように、カートリッジ本体210の外に位置する。カートリッジ本体の外に位置する針220の端部は、患者の皮膚に対して押されて簡単に入ることが可能な鋭い先端を有する。図2から見られるように、針220は、セプタム225の両側に、ほぼ同じ長さに延びることができる。
カートリッジ200は、さらに、ピストン230を含む。ピストン230は、カートリッジ本体210に収容されカートリッジ本体210と実質的に同じ断面を有する。ピストン230の形状は円筒形である。ピストン230は、カートリッジ本体210の壁に対する封止を形成する。ピストン230は、たとえばゴムまたはプラスチックである、あらゆる適当な材料から作ることができる。
カートリッジ200は、さらに、栓240を含む。栓240は、カートリッジ本体210に収容されカートリッジ本体210と実質的に同じ断面を有する。栓240の形状は円筒形であるが、以下により詳細に述べるように、環状の円柱である。栓240は、カートリッジ本体210の壁に対する封止を形成する。
薬剤215は、カートリッジ本体210、ピストン230および栓240によって画成される容積内に収容される。栓240は、ピストン230よりも針220のより近くに位置し、したがって、薬剤215と針220を互いに隔てた状態に保つバリアとして働く。
栓240と、セプタム225とカートリッジ本体210との間に画成される容積は、以降、分離容積212と呼ぶことにする。針220と薬剤215との間の分離距離は、セプタムからカートリッジ本体210内に延びる針220の部分の長さによって部分的に定まる。あるいは、分離容積212は、セプタム225を栓240の方に向かってさらに伸ばしカートリッジ内の針の端部を囲繞するようにすることによって減少させることもできる。これは、破線260、261によって図示されている。この代替形態では、内側針端部は、セプタム225の内側面と同一平面にあってよい。
ピストン230は、カートリッジ本体210の壁に対する封止を維持しながら、カートリッジ本体210の長手方向軸に沿って動くことができるように構成される。これは、たとえば、ピストン230とカートリッジ本体210の壁との摩擦係数が比較的低くなるように、ピストン230の材料を選択することによって達成することができる。
栓240は、その中央に円形アパーチャを含み、したがって環状の形をしている。栓240の中央のアパーチャは、破断封止膜245によって封止されている。破断封止膜245は、栓240の主本体と同じ材料から作られ、それと一体に形成される。栓240および破断封止膜245は、単一の成形体であってもよい。破断封止膜245は、円形であり、流体圧力だけで破断するように構成される。破断封止膜245は、針220と接触しない。破断封止膜245は、圧力が上に及ぼされて破断する前に部分的に伸びるが、分離距離は、針220と接触する前に破断封止膜245が破断するのに十分に長い。
カートリッジ200は、ニードルホルダ250をさらに含む。ニードルホルダ250は、カートリッジ本体210の前端に配置され、針220およびセプタム225を定位置に保持する助けとなる。ニードルホルダ250は、カートリッジ本体210の首部211の周りにクリンプされる。それによって、ニードルホルダ250はカートリッジ本体210に対して動かないようにされる。
ニードルホルダ250は、針220を覆い針の滅菌を維持するベローズ255を支持する。ベローズ255は、可撓性であり、したがって、カートリッジが皮膚の方に向かって押されたときに、患者の皮膚に当接すると屈曲して止まる。しかし、針220は、カートリッジ本体210にしっかりと固定されているので、患者の皮膚に入り続ける。針220は、ベローズを貫通しさらに患者の皮膚を貫通するのに十分に鋭く、したがって、患者の皮膚に接触するときまで針の先端の滅菌が保証される。
使用のとき、破断封止膜245は、ピストン230が栓240の方に向かって押し進められたときに薬剤215によって及ぼされる流体圧力が増加することによって、結果的に破断する。破断封止膜245は、破断封止膜245が破断する限界点に達するまで、流体圧力によって伸ばされる。破断封止膜245が破断すると、薬剤215が栓240のアパーチャを通って分離容積212に流入する。ピストン230が栓240の方に向かって押され続けると、薬剤215の流体圧力が増加し、それによって薬剤215が針220を通って流出する。栓240の方に向かうピストン230の動きは、薬剤215をカートリッジ200から排出し患者に投与する機構である。
上述のカートリッジ200には、関連するいくつかの利点がある。第一に、破断封止膜245は、使用前、薬剤215と針220との間のバリアとして働くが、薬剤215の投与が予定されると(すなわち、ピストン230が動かされ、破断封止膜245が破断することによって)、2つの間の流体連結を有効にする。それによって、針220と薬剤215との間の望ましくない相互作用を引き起こす恐れのある、薬剤215と針220との間の長期にわたる接触が防止される。それは、さらに、自動注射デバイスによる薬剤215の通常のやり方(ピストン230を押すこと)による投与を可能にし、したがって、カーsトリッジ200は、標準的なカートリッジを収容する自動注射器において使用することができ、カートリッジ200の使用に特殊な自動注射デバイスを提供する必要なない。
カートリッジ本体210の前端に栓240およびその破断封止膜245が収容されることで、カートリッジ200は、標準的な薬剤カートリッジの形状を有する、すなわちその前端近くに首部211を有することが可能になる。
次に、図3A、図3Bおよび図3Cに関して、図2のカートリッジに場合により追加される機能について述べる。図3Aは、図2に示される栓240をより詳細に示している。栓240は、たとえばゴムまたはプラスチックである任意の適当な材料から作ることができる。栓240は、その中央を貫通する円形アパーチャ310を含む円筒形である。アパーチャ310は、流体圧力を受けるだけで破断するように構成された破断封止膜245によって閉じられる。
図3Bは、図2に示されるピストン230と類似した、ピストン230と全く同じようにカートリッジ200内に位置する、ピストン320を示している。ピストン320の主本体321は、図2のピストン230と同じである。しかし、ピストン320は、ピストン320の主本体321の中央から直交方向に延びる円柱形の突起322をさらに含む。突起322は、ピストンの主本体と一体になっている。ピストン320は、主本体321と突起322とを含む単一成形体である。しかし、他の実施形態では、突起は、主本体321とは別個であり、主本体321に適当な手段を用いて取り付けられ、たとえば主本体321にねじ込まれる、または接着剤で取り付けられる。栓240およびピストン320は、同じ直径を有する。突起322は、アパーチャ310に適合するような形状にされ、そのアパーチャを塞ぐ(fill)ことが有利である。図3A、図3Bおよび図3Cに示される実施形態では、アパーチャ310および突起322は、突起322がアパーチャ310を塞ぐように同じ直径を有する。
図3Cは、使用のときの栓240およびピストン320を示している。図面では、破断封止膜245は破断し、アパーチャ310が開いた状態にある。ピストン320は、図3Cにおいて矢印によって示されるように、栓240の方に向かって押され続ける。それによって、上述したように、薬剤215が針220を通って排出される。
使用後にカートリッジ200内に残って無駄になる薬剤の量を減少させるようにするには、カートリッジ200からできる限り多くの薬剤が排出されることが望ましい。
最適構造は、以降、廃棄容積と称する、ピストン320とセプタム225との間に残る容積が、ピストン320が栓240と当接するところまで押されたときに最小になる構造である。廃棄容積は、分離容積212にアパーチャ310の容積を加えたものと等しい。突起322は、アパーチャ310を通って延び、したがって廃棄容積を減少させる。突起322の長さは、有利には、アパーチャ310の長さ以上である。突起322の最適な長さは、図2の栓240と針220との間の距離に応じて決まる。効果を最大にするため、突起322は、針220に接触せずに、廃棄容積を可能な限り占有する。したがって、突起322の最適な長さは、針220と、(針220に対する)栓240の近位端との間の距離よりもわずかに短い長さである。
したがって、突起322の追加は、無駄になる薬剤の量を減少させる。さらに、栓240の中心を貫通して位置する円形アパーチャ310と、ピストン320の中心に位置する円柱形突起322が回転対称であることは、ピストン320および栓240が、カートリッジ本体210内であらゆる回転配向に配置可能であることを意味し、それによってカートリッジ200の製造が簡単になる。
図4Aは、栓240の可能な構造を示している。破断封止膜245は、応力のない位置では、凸状になっている。破断封止膜245は、湾曲しており、その凹面に及ぼされる圧力により破断するように構成される。栓240は、薬剤215が、破断封止膜245の凹面に接触するような正しい向きに、カートリッジ本体210内に配置される。
図4Bに示される栓410は、2つの反対に向いた破断封止膜412−A、412−Bによってそれぞれ封止される2つのアパーチャ411−A、411−Bを含む。破断封止膜412−A、412−Bは、それらが反対方向に湾曲しているという意味で、反対に向いている。栓410のどちらの側から見ても、応力のない位置にあるとき、破断封止膜412−A、412−Bの一方は凸状であり、他方は凹状である。破断封止膜412−Aは、図4Bに示されるように、栓410の上から及ぼされる圧力により破断し、その一方で、破断封止膜412−Bは、下から及ぼされる圧力により破断する。したがって、栓410は、カートリッジ本体210内の栓240の位置にどちらの向きでも配置することができ、それでもカートリッジ200は適当に機能することができる。したがって、栓410の使用は、その挿入のときに(少なくとも長手方向ではなく)正しい向きにする必要がないので、カートリッジ200の製造を簡単にする。
一代替実施形態では、栓240に代わって、さらなる形態である栓420がカートリッジ200内に提供される。図4Cには、上から見た栓420が示されている。栓は、4つのアパーチャ421−1、421−2、422−1、422−2を含む。アパーチャ421−1、421−2は、(図4Cのように)上から見ると凸状の破断封止部423−1、423−2によって封止される。アパーチャ422−1、422−2は、上から見ると凹状の破断封止部424−1、424−2によって封止される。したがって、アパーチャ424−1、424−2は、上から及ぼされる流体圧力により破断し、その一方で、アパーチャ422−1、422−2は、下から及ぼされる流体圧力により破断する。
栓420は、各方向において破断するように構成された破断封止膜を含むので、どちらの向きでも適合可能である。さらに、2つの破断封止膜を各方向に破断するように構成することで、栓420が作用しなくなる可能性が低くなり;すなわち破断封止膜のうちの1つが破断しそこなった場合でも、他のものが破断するはずとなり、カートリッジの機能性が保証される。したがって、栓420は、カートリッジからの薬剤の送達が失敗する可能性を減少させるといえる。
次に、図5に関して、カートリッジ200の製造方法について述べる。方法は、工程S1から開始する。工程S2では、カートリッジ本体210が、しっかりと定位置に保持されるように支持される。カートリッジ本体210の製造の詳細は、簡潔にするために省略する。
次に、工程S3で、栓240が(栓410または栓420も同じく使用することができる)、カートリッジ本体210内にその後端(すなわち首部211とは反対の端部)から挿入される。栓240の周辺部は、カートリッジ本体210の内面に完全に接触している。栓240は、栓240が首部211に達するまで、カートリッジ本体210の内面に沿って押し進められる。首部211のより小さな直径は、栓240のさらなる動きを制限する。
工程S4では、カートリッジ本体210に、その後端から薬剤215が充填される。栓240は、薬剤215が流れ出ることができないように、カートリッジ本体210の前端近くを封止する。カートリッジ本体への薬剤215の充填のとき、薬剤に加えられる圧力が栓240の破断封止膜245の破断に十分な圧力にならないように注意する。
工程S5では、ピストン230が(ピストン320も同じく使用することができる)、カートリッジ本体210に挿入され、薬剤215がカートリッジ本体210内で封止される。
ピストン230は、低い圧力環境の下でカートリッジ本体210に挿入される。それによって、カートリッジ内に閉じ込められる空気量が減少する。
工程S6では、針220と、セプタム225と、ニードルホルダ250と、ベローズ255とを含むニードルアセンブリが、カートリッジ本体210の前端に装着される。方法は、工程S7で終わる。
本開示の他の実施形態は、図6に示されるような充填済みシリンジ600を提供する。充填済みシリンジは、図2に示され詳細に上述したカートリッジ200といくつかの点で類似している。同じ要素には同じ参照番号を使用する。シリンジ600とカートリッジ200を区別する機能のみ、詳細に述べることにする。
シリンジ600は、1つの開端および1つの閉端を含む円筒形の中空ハウジング610を含む。ハウジング610は、この実施形態では、ガラスであるが、他の実施形態では、プラスチックを使用することもできる。ハウジング610の直径は、その長さの大部分に沿って一定であり、ハウジングが中空針620に一体に取り付けられている閉端の方に向かって減少する。ハウジング610は、針620の一方端がハウジング610の内部にあり他方端がハウジング610の外にあるように、針620の周りに成形される。
栓240、破断封止膜245およびピストン230は、カートリッジ200の場合と同じように機能する。あるいは、栓410もしくは420またはピストン320が上述と同じように含まれてもよい。この実施形態では、栓240は、ハウジング610の閉端近くにあり、(図6に見られるように)ハウジングの直径はそこから減少し始める。
シリンジ600は、カートリッジ200と同じように動作し、カートリッジ200と同じように自動注射器において使用することができる。
あるいは、シリンジ600は、患者への薬剤215の投与に直接使用されるように構成することができる。換言すると、ピストン230は、自動注射器によってではなく、使用者によって加えられる手動の力によって動かされる。したがって、自動注射器での使用のための特定の形状を取らなくて済むので、シリンジ600が首部211のような首部を含む必要がなくなる。したがって、シリンジ600は、単に、製造の観点から非常に好都合な形状をとることができる。
針620がハウジング610に一体に取り付けられていることで必要な部品の数が減少する(すなわち、セプタム225がこの実施形態では必要ない)ので、製造プロセスが簡単になる。
本開示の他の代替実施形態は、図7に示されるシリンジ700である。シリンジ700は、いくつかの態様において、図6に示される充填済みシリンジ600と類似している。同じ要素を示すのに同じ参照番号を使用する。シリンジ600と異なるシリンジ700の詳細だけを詳しく述べることにする。
栓240は、シリンジ700のハウジング610に沿った途中に設けられる。栓240は、2つの異なる流体である、流体A710と流体B720を隔てる。栓240は、上述の実施形態のように、破断封止膜245を含む。ハウジング610および栓240は、ハウジング610の遠位端に、流体A710が収容される容積を画成する。栓240、ハウジング610およびピストン230は、ハウジング610の近位に、流体B720が収容される容積を画成する。
動作において、ピストン230に、シリンジ700の針端の方に向かう長手方向の力が掛けられる。力は、非圧縮性流体B720を介して栓240に伝わる。破断封止膜245は、破断封止膜245を破断させるのに必要な力が、ハウジング610内における栓240の動きに抵抗する摩擦力に打ち勝ち流体A710をシリンジ700から針630を介して排出するのに必要な力を上回るように、適当な弾性を有する。したがって、栓240に働く力Fによって、栓240は、ハウジング610の内側面に沿って摺動し、それによって、流体A710がシリンジから針620を通って外に変位させられる。
流体A710がシリンジ700からほぼ完全に排出されると、栓240は、ハウジング610の針端に当接する(図6のシリンジ600と同様)。そして、ピストン230のさらなる動きによって、流体B720内の圧力が、破断封止膜245を破断させるのに十分な高さまで増加される。破断封止膜245が破断すると、ハウジング610の針端の方に向けたピストン230のさらなる動きによって、流体B720がシリンジ700から針620を通って排出される。破断封止膜が破断した後、流体A710と流体B720の混合物がいくらか残ることがあるが、この段階では、流体A710の大半は排出されている。
一代替実施形態では、類似の修正がカートリッジ200に関して加えられる。
たとえば、図5bに示される製造プロセスは、2つの液体を含むカートリッジ200を充填するように修正することができる。第1の液体(流体A)は、上述した工程S2と工程S3との間においてカートリッジ本体210に挿入される。上述したピストン230と同様、栓240は、閉じ込められる空気量を減少させるために、真空環境でハウジング610に挿入される。栓240は、カートリッジ本体210の長さに沿ったあらゆる位置に置くことができる。
そして、上述したように、方法は、工程S3に続く。
第1の液体(流体A)は、活性成分が入っていない、たとえば水または食塩水の注射を目的とする生理学的に許容可能な「不活性」液体であってよい。この場合、第1の液体(流体A)の目的は、分離容積212に含まれる空気量を減少させることである。
あるいは、第1の液体(流体A)は、活性成分の第1の薬剤であってもよい。しかし、この第1の薬剤は、針220、620の材料に対する曝露に感受性が低い薬剤である。そのような構造は、2つの別個の薬剤が、注射の前にこれらの薬剤が混合されずに同じ注射部位に送達される必要がある治療の場合に適用される。
第2の液体(流体B)は、薬剤215であり、栓240とピストン230との間に(上述したように)配置される。
このように、シリンジ700は、注射に先立ってまたは注射の間に2つの異なる流体が混合されずに同じ針からこれらの流体を順次注射することを可能にする。
上記では、栓240、410、420およびピストン230、320は円形であるが、カートリッジ本体210またはシリンジハウジング610が非円形断面形状(たとえば、楕円形、矩形、三角形など)を有する実施形態では、栓およびピストンは、対応する断面形状を備える。
さらに、上述した実施形態は、カートリッジまたはシリンジに固定的に取り付けられた針を含むが、いくつかの実施形態では、針は、別個に提供される。そのような実施形態では、針は、たとえば、使用者によって取り付けられる。さらに、カートリッジまたはシリンジが再使用可能、または固定用量の場合、使用者は、しばしば、用量の間に針を交換する必要がある。
さらに、破断封止膜245、412−A、412−B、423−1、423−2、424−1、424−2およびアパーチャ310、411−A、411−B、421−1、421−2、422−1、422−2は、上記では円形であるが、他の実施形態では、たとえば、楕円形、方形および三角形など、異なる形状である。
したがって、アパーチャ310が非円形の実施形態では、ピストンには対応する形状の突起322が設けられる。たとえば、アパーチャ310が方形の場合、突起322は、正四角柱である。
さらに、いくつかの実施形態では、アパーチャ310、411−A、411−B、421−1、421−2、422−1、422−2は、栓の中心からオフセットすることができる。これらの実施形態では、設けられる場合は突起322もアパーチャ310と一致できるようにピストンの中心からオフセットされる。
上記では、破断封止膜245は、栓240と一体であるが、他の実施形態では、破断封止膜245は、栓240のアパーチャ310を封止するように別個に提供される。
用語「薬物」または「薬剤」は、本明細書において同意語として使用され、1つまたはそれ以上の医薬品有効成分または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物と、場合により、薬学的に許容される担体とを含む医薬製剤を示す。医薬品有効成分(「API」)とは、最も広範な言い方で、ヒトまたは動物に生物学的影響を及ぼす化学構造のことである。薬理学では、薬物または薬剤が、疾患の処置、治療、予防、または診断に使用され、またはそれとは別に、身体的または精神的健康を向上させるために使用される。薬物または薬剤は、限られた継続期間、または慢性疾患では定期的に、使用される。
以下に説明されるように、薬物または薬剤は、1つまたはそれ以上の疾患を処置するための、様々なタイプの製剤の少なくとも1つのAPI、またはその組み合わせを含むことができる。APIの例としては、分子量が500Da以下である低分子;ポリペプチド、ペプチド、およびタンパク質(たとえばホルモン、成長因子、抗体、抗体フラグメント、および酵素);炭水化物および多糖類;ならびに核酸、二本鎖または一本鎖DNA(裸およびcDNAを含む)、RNA、アンチセンスDNAおよびRNAなどのアンチセンス核酸、低分子干渉RNA(siRNA)、リボザイム、遺伝子、およびオリゴヌクレオチドが含まれ得る。核酸は、ベクター、プラスミド、またはリポソームなどの分子送達システムに組み込まれる。1つまたはそれ以上の薬物の混合物もまた企図される。
用語「薬物送達デバイス」は、薬物または薬剤をヒトまたは動物の体内に投薬するように構成されたあらゆるタイプのデバイスまたはシステムを包含するものである。それだけには限らないが、薬物送達デバイスは、注射デバイス(たとえばシリンジ、ペン型注射器、自動注射器、大容量デバイス、ポンプ、潅流システム、または眼内、皮下、筋肉内、もしくは血管内送達にあわせて構成された他のデバイス)、皮膚パッチ(たとえば、浸透圧性、化学的、マイクロニードル)、吸入器(たとえば鼻用または肺用)、埋め込み型デバイス(たとえば、薬物またはAPIコーティングされたステント、カプセル)、または胃腸管用の供給システムとすることができる。ここで説明される薬物は、たとえば24以上のゲージ数を有する、たとえば皮下針である針を含む注射デバイスでは特に有用であり得る。
薬物または薬剤は、薬物送達デバイスで使用するように適用された主要パッケージまたは「薬物容器」内に含まれる。薬物容器は、たとえば、カートリッジ、シリンジ、リザーバ、または1つもしくはそれ以上の薬物の保存(たとえば短期または長期保存)に適したチャンバを提供するように構成された他の固体もしくは可撓性の容器とすることができる。たとえば、場合によって、チャンバは、少なくとも1日(たとえば1日から少なくとも30日まで)の間薬物を収納するように設計される。場合によって、チャンバは、約1カ月から約2年の間薬物を保存するように設計される。保存は、室温(たとえば約20℃)または冷蔵温度(たとえば約−4℃から約4℃まで)で行うことができる。場合によって、薬物容器は、投与予定の医薬製剤の2つまたはそれ以上の成分(たとえばAPIおよび希釈剤、または2つの異なるタイプの薬物)を別々に、各チャンバに1つずつ保存するように構成された二重チャンバカートリッジとすることができ、またはこれを含むことができる。そのような場合、二重チャンバカートリッジの2つのチャンバは、ヒトまたは動物の体内に投薬する前、および/または投薬中に2つまたはそれ以上の成分間で混合することを可能にするように構成される。たとえば、2つのチャンバは、これらが(たとえば2つのチャンバ間の導管によって)互いに流体連通し、所望の場合、投薬の前にユーザによって2つの成分を混合することを可能にするように構成される。代替的に、またはこれに加えて、2つのチャンバは、成分がヒトまたは動物の体内に投薬されているときに混合することを可能にするように構成される。
本明細書において説明される薬物送達デバイス内に含まれる薬物または薬剤は、数多くの異なるタイプの医学的障害の処置および/または予防に使用される。障害の例としては、たとえば、糖尿病、または糖尿病性網膜症などの糖尿病に伴う合併症、深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症が含まれる。障害の別の例としては、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、がん、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症および/または関節リウマチがある。APIおよび薬物の例としては、たとえば、それだけには限らないが、ハンドブックのRote Liste 2014、主グループ12(抗糖尿病薬物)または主グループ86(腫瘍薬物)、およびMerck Index、第15版などに記載されているものがある。
1型もしくは2型の糖尿病、または1型もしくは2型の糖尿病に伴う合併症の処置および/または予防のためのAPIの例としては、インスリン、たとえばヒトインスリン、またはヒトインスリン類似体もしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、GLP−1類似体もしくはGLP−1受容体アゴニスト、またはその類似体もしくは誘導体、ジペプチジルペプチダーゼ−4(DPP4)阻害剤、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物、またはそれらの任意の混合物が含まれる。本明細書において使用される用語「類似体」および「誘導体」は、元の物質と構造的に十分に類似しており、それによって同様の機能または活性(たとえば治療効果性)を有することができる任意の物質を指す。特に、用語「類似体」は、天然のペプチドの構造、たとえばヒトのインスリンの構造から、天然のペプチド中に見出される少なくとも1つのアミノ酸残基を欠失させるおよび/もしくは交換することによって、ならびに/または少なくとも1つのアミノ酸残基を付加することによって式上で得られる分子構造を有するポリペプチドを指す。付加および/または交換されるアミノ酸残基は、コード可能なアミノ酸残基、または他の天然の残基もしくは完全に合成によるアミノ酸残基とすることができる。インスリン類似体は「インスリン受容体リガンド」とも呼ばれる。特に、用語「誘導体」は、1つまたはそれ以上の有機置換基(たとえば、脂肪酸)が1つまたはそれ以上のアミノ酸に結合している、天然のペプチドの構造、たとえばヒトのインスリンの構造から式上で得られる分子構造を有するポリペプチドを指す。場合により、天然のペプチド中に見出される1つまたはそれ以上のアミノ酸が、欠失され、かつ/もしくはコード不可能なアミノ酸を含む他のアミノ酸によって置換されていてもよく、または、コード不可能なアミノ酸を含むアミノ酸が、天然のペプチドに付加されていてもよい。
インスリン類似体の例としては、Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)ヒトインスリン(インスリングラルギン);Lys(B3),Glu(B29)ヒトインスリン(インスリングルリジン);Lys(B28),Pro(B29)ヒトインスリン(インスリンリスプロ);Asp(B28)ヒトインスリン(インスリンアスパルト);B28位におけるプロリンがAsp、Lys、Leu、Val、またはAlaで置き換えられており、B29位において、LysがProで置換されているヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリンおよびDes(B30)ヒトインスリンがある。
インスリン誘導体の例としては、たとえば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;Lys(B29)(N−テトラデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン(インスリンデテミル、Levemir(登録商標))、B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ω−カルボキシヘプタデカノイル−γ−L−グルタミル−des(B30)ヒトインスリン(インスリンデグルデク、Tresiba(登録商標))、B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、およびB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンがある。
GLP−1、GLP−1類似体およびGLP−1受容体アゴニストの例としては、たとえば、リキシセナチド(Lyxumia(登録商標)、エキセナチド(エキセンディン−4、Dyetta(登録商標)、Bydureon(登録商標)、アメリカドクトカゲの唾液腺によって産生される39アミノ酸ペプチド)、リラグルチド(Victoza(登録商標))、セマグルチド、タスポグルチド、アルビグルチド(Syncria(登録商標))、デュラグルチド(Trulicity(登録商標))、rエキセンディン−4、CJC−1134−PC、PB−1023、TTP−054、ラングレナチド/HM−11260C、CM−3、GLP−1エリゲン(Eligen)、ORMD−0901、NN−9924、NN−9926、NN−9927、ノデキセン(Nodexen)、ビアドール(Viador)−GLP−1、CVX−096、ZYOG−1、ZYD−1、GSK−2374697、DA−3091、MAR−701、MAR709、ZP−2929、ZP−3022、TT−401、BHM−034、MOD−6030、CAM−2036、DA−15864、ARI−2651、ARI−2255、エキセナチド−XTENおよびグルカゴン−Xtenがある。
オリゴヌクレオチドの例としては、たとえば:家族性高コレステロール血症の処置のためのコレステロール低下アンチセンス治療薬である、ミポメルセンナトリウム(Kynamro(登録商標))がある。
DPP4阻害剤の例としては、ビルダグリプチン、シタグリプチン、デナグリプチン、サキサグリプチン、ベルベリンがある。
ホルモンの例としては、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、およびゴセレリンなどの、脳下垂体ホルモンまたは視床下部ホルモンまたは調節性活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニストが含まれる。
多糖類の例としては、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、もしくは超低分子量ヘパリン、またはそれらの誘導体、または上述の多糖類の硫酸化形態、たとえば、ポリ硫酸化形態、および/または、薬学的に許容されるそれらの塩が含まれる。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩の例としては、エノキサパリンナトリウムがある。ヒアルロン酸誘導体の例としては、ハイランG−F20(Synvisc(登録商標))、ヒアルロン酸ナトリウムがある。
本明細書において使用する用語「抗体」は、免疫グロブリン分子またはその抗原結合部分を指す。免疫グロブリン分子の抗原結合部分の例には、抗原を結合する能力を保持するF(ab)およびF(ab’)フラグメントが含まれる。抗体は、ポリクローナル、モノクローナル、組換え型、キメラ型、非免疫型またはヒト化、完全ヒト型、非ヒト型(たとえばネズミ)、または一本鎖抗体とすることができる。いくつかの実施形態では、抗体はエフェクター機能を有し、補体を固定することができる。いくつかの実施形態では、抗体は、Fc受容体と結合する能力が低く、または結合することはできない。たとえば、抗体は、アイソタイプもしくはサブタイプ、抗体フラグメントまたは変異体とすることができ、これはFc受容体との結合を支持せず、たとえば、突然変異した、または欠失したFc受容体結合領域を有する。用語の抗体はまた、四価二重特異性タンデム免疫グロブリン(TBTI)および/または交差結合領域の配向性を有する二重可変領域抗体様結合タンパク質(CODV)に基づく抗体結合分子を含む。
用語「フラグメント」または「抗体フラグメント」は、全長抗体ポリペプチドを含まないが、抗原と結合することができる全長抗体ポリペプチドの少なくとも一部分を依然として含む、抗体ポリペプチド分子(たとえば、抗体重鎖および/または軽鎖ポリペプチド)由来のポリペプチドを指す。抗体フラグメントは、全長抗体ポリペプチドの切断された部分を含むことができるが、この用語はそのような切断されたフラグメントに限定されない。本発明に有用である抗体フラグメントは、たとえば、Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、scFv(一本鎖Fv)フラグメント、直鎖抗体、単一特異性抗体フラグメント、または二重特異性、三重特異性、四重特異性および多重特異性抗体(たとえば、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ)などの多重特異性抗体フラグメント、一価抗体フラグメント、または二価、三価、四価および多価抗体などの多価抗体フラグメント、ミニボディ、キレート組換え抗体、トリボディまたはバイボディ、イントラボディ、ナノボディ、小モジュラー免疫薬(SMIP)、結合ドメイン免疫グロブリン融合タンパク質、ラクダ化抗体、およびVHH含有抗体を含む。抗原結合抗体フラグメントのさらなる例が当技術分野で知られている。
用語「相補性決定領域」または「CDR」は、特異的抗原認識を仲介する役割を主に担う重鎖および軽鎖両方のポリペプチドの可変領域内の短いポリペプチド配列を指す。用語「フレームワーク領域」は、CDR配列ではなく、CDR配列の正しい位置決めを維持して抗原結合を可能にする役割を主に担う重鎖および軽鎖両方のポリペプチドの可変領域内のアミノ酸配列を指す。フレームワーク領域自体は、通常、当技術分野で知られているように、抗原結合に直接的に関与しないが、特定の抗体のフレームワーク領域内の特定の残基が、抗原結合に直接的に関与することができ、またはCDR内の1つまたはそれ以上のアミノ酸が抗原と相互作用する能力に影響を与えることができる。
抗体の例としては、アンチPCSK−9mAb(たとえばアリロクマブ)、アンチIL−6mAb(たとえばサリルマブ)、およびアンチIL−4mAb(たとえばデュピルマブ)がある。
本明細書において説明される任意のAPIの薬学的に許容される塩もまた、薬物送達デバイスにおける薬物または薬剤の使用に企図される。薬学的に許容される塩は、たとえば酸付加塩および塩基性塩である。
本明細書に記載のAPI、配合、装置、方法、システムおよび実施形態の様々な構成要素の改変(追加および/または削除)は、本発明の全範囲および趣旨から逸脱することなく行うことができ、本発明は、そのような改変、および本発明のあらゆる均等物もすべて包含することが当業者には理解されよう。

Claims (23)

  1. 注射装置であって:
    中空針が配置されるまたは配置可能な第1の端部を有する中空本体と;
    該中空本体内に配置される、破断封止膜を含む栓と;
    中空本体内に配置されるピストンとを含み、
    ここで、該ピストン、中空本体および栓は、液体薬剤を含む容積を画成し、
    栓は、中空本体の第1の端部に対してピストンよりも近くにあり、
    破断封止膜は、初期において、薬剤から針を隔離しており、
    破断封止膜は、薬剤に圧力を加えるようにピストンが動かされたときに、破断封止膜が針に接触することなく流体圧力だけで破断し薬剤が針を通って排出されるように構成され、
    ピストンは、該ピストンの中空本体の第1の端部の方に向く側に配置された突起を含み、該突起は、薬剤の排除の終わりに栓のアパーチャ内へと延びるような形状であり、ここで、中空本体は、第1の端部に設けられた首部と、首部から延びる実質的に円筒状の部分とからなり、そして、栓とピストンの両方が、中空本体の実質的に円筒状の部分内に配置される
    前記注射装置。
  2. 栓のアパーチャは円形であり、ピストンの突起は円柱形である、請求項1に記載の注射装置。
  3. 栓のアパーチャは、栓の長手方向軸上にあり、ピストンの突起は、ピストンの長手方向軸上にある、請求項2に記載の注射装置。
  4. 栓のアパーチャの直径は、突起の外径と同じである、請求項2または3に記載の注射装置。
  5. 突起の長さは、栓のアパーチャの長さと同じ、または実質的に同じである、請求項2〜4のいずれか1項に記載の注射装置。
  6. 針は、中空本体の第1の端部に連結され、針の、中空本体の内部にある端部は、中空本体の第1の端部に対して破断封止膜よりも近くにある、請求項1〜5のいずれか1項に記載の注射装置。
  7. 1つまたはそれ以上の破断封止膜は、応力のない位置において凸状である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の注射装置。
  8. 注射器で使用される薬剤カートリッジである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の注射装置。
  9. 液体物質は、中空本体の第1の端部と栓との間に配置される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の注射装置。
  10. は、首部に対して配置される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の注射装置。
  11. 注射装置は、シリンジデバイスであり、中空本体は、シリンジデバイスの外側ハウジングを形成する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の注射装置。
  12. 栓は、中空本体の第1の端部に対して配置される、請求項11に記載の注射装置。
  13. 注射装置を組み立てる方法であって:
    中空針を収容するように構成された前端と開いた後端とを含む中空本体を支持する工程と;
    流体圧力だけで破断するように構成された破断封止膜を含む栓を、中空本体の後端から挿入する工程と;
    中空本体の内壁に対する封止を形成する栓を、前端の方に向かって中空本体に沿って押す工程と;
    液体薬剤を中空本体に供給する工程と;
    ピストンであって、該ピストンの中空本体の第1の端部の方に向く側に配置され薬剤の排除の終わりに栓のアパーチャ内へと延びるような形状の突起を含むピストンを、中空本体の後端から挿入する工程と;
    ピストンと中空本体と栓とによって画成される容積内の薬剤を封止するように、中空本体の内壁に対する封止を形成するピストンを、該ピストンが薬剤に達するまで栓の方に向かって中空本体に沿って押す工程と
    を含み、
    ここで、中空本体は、第1の端部に設けられた首部と、首部から延びる実質的に円筒状の部分とからなり、そして、栓とピストンの両方が、中空本体の実質的に円筒状の部分内に配置される、前記方法。
  14. 注射装置であって:
    中空針が配置されるまたは配置可能な第1の端部を有する中空本体と;
    該中空本体内に配置され、少なくとも2つの反対向きの破断封止膜を含む栓であって、破断封止膜のうちの少なくとも1つは、栓の第1の側からの流体圧力により破断するように構成され、破断封止膜のうちの少なくとも1つは、栓の他方の側からの流体圧力により破断するように構成される、栓と;
    中空本体内に配置されるピストンとを含み、
    ここで、該ピストン、中空本体および栓は、液体薬剤を含む容積を画成し、
    栓は、中空本体の第1の端部に対してピストンよりも近くにあり、
    破断封止膜は、初期において、薬剤から針を隔離している、前記注射装置。
  15. 破断封止膜の少なくとも1つは、破断封止膜の少なくとも1つの他のものに対して反対方向に湾曲している、請求項14に記載の注射装置。
  16. 1つまたはそれ以上の破断封止膜は、応力のない位置において、凸状である、請求項14または15に記載の注射装置。
  17. 針は、中空本体の第1の端部に連結され、針の、中空本体の内部にある端部は、中空本体の第1の端部に対して破断封止膜よりも近くにある、請求項14〜16のいずれか1項に記載の注射装置。
  18. 注射器で使用される薬剤カートリッジである、請求項14〜17のいずれか1項に記載の注射装置。
  19. 液体物質は、中空本体の第1の端部と栓との間に配置される、請求項14〜18のいずれか1項に記載の注射装置。
  20. 中空本体は、首部を含み、栓は、首部に対して配置される、請求項14〜19のいずれか1項に記載の注射装置。
  21. 注射装置は、シリンジデバイスであり、中空本体は、シリンジデバイスの外側ハウジングを形成する、請求項14〜17のいずれか1項に記載の注射装置。
  22. 栓は、中空本体の第1の端部に対して配置される、請求項21に記載の注射装置。
  23. 注射装置を組み立てる方法であって:
    中空針を収容するように構成された前端と開いた後端とを含む中空本体を支持する工程と;
    栓を中空本体の後端から挿入する工程であって、栓は、少なくとも2つの反対向きの破断封止膜を含み、該破断封止膜のうちの少なくとも1つは、栓の第1の側からの流体圧力により破断するように構成され、破断封止膜のうちの少なくとも1つは、栓の他方の側からの流体圧力により破断するように構成される、工程と;
    中空本体の内壁に対する封止を形成する栓を、前端の方に向かって中空本体に沿って押す工程と;
    液体薬剤を中空本体に供給する工程と;
    ピストンを、中空本体の後端から挿入する工程と;
    ピストンと中空本体と栓とによって画成される容積内の薬剤を封止するように中空本体の内壁に対する封止を形成するピストンを、該ピストンが薬剤に達するまで栓の方に向かって中空本体に沿って押す工程と
    を含む、前記方法。
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