JP6883795B2 - 地絡要因判定装置 - Google Patents

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Description

本発明は高圧需要家構内で発生した地絡事故の原因を判定する地絡要因判定装置に関する。
一般に、高圧需要家構内の低圧電路の電気使用場所における地絡は、漏電遮断器による保護であり、地絡電流の閾値で漏洩電流の有無を判断し、その設定の閾値を上回ると漏電遮断器が動作し電路を遮断する。これは、事故判定が地絡電流の閾値で判断され、停電後の事故調査で地絡原因がはじめて判明することとなっていた。
一方、配電系統の地絡事故について地絡事故の原因を判別するものとして、地絡電流I0を目視で3つに分類し、地絡電流I0の高調波含有率の総和から事故原因を大まかに絞り込み、さらに、零相電圧V0の値から求まる推定原因とを重ね合わせて原因を選び出すようにしたものがある(非特許文献1参照)。また、地絡電流の波形形状の特徴を位相面軌跡を用いて数値化し、より詳細に地絡電流の波形形状の特徴を識別できるようにしたものがある(非特許文献2参照)。
また、地絡電流波形をスペクトル解析し、地絡故障の原因を金属接触、鳥獣接触、樹木接触の3群のいずれに属するかを推定するとともに、鳥獣接触と樹木接触の判別が困難な場合にも、地絡電流値の最大値を基準として地絡電流が最大値の20%に達したときから90%に達するまでの時間からなる変数を判別分析に算入して、両者を明確に判別するようにしたものがある(特許文献1参照)。
電気学会論文誌B、115巻1号18頁〜23頁、平成7年、「配電線地絡事故時の波形と原因判別法」 電気学会論文誌B、117巻2号196頁〜202頁、平成9年、「位相面軌跡による配電線地絡事故波形分類法」
特開平8−265959号公報
しかし、非特許文献1のものでは、地絡電流I0を目視で3つに分類し、地絡電流I0の高調波含有率の総和から事故原因を大まかに絞り込むものであるので、地絡電流波形の固有の特徴を捉え切れていない。また、非特許文献2のものでは、地絡電流の波形形状の特徴を位相面軌跡を用いて数値化するので、非特許文献1のものより詳細に地絡電流の波形形状の特徴を捉えることができるが、故障原因の詳細な特定までには至っていない。
また、特許文献1のものは、地絡電流波形をスペクトル解析し、地絡故障の原因を金属接触、鳥獣接触、樹木接触の3群のいずれに属するかを推定し、鳥獣接触と樹木接触の判別が困難な場合には、地絡電流値の最大値を基準として地絡電流が最大値の20%に達したときから90%に達するまでの時間からなる変数を判別分析に算入して、両者を明確に判別するようにしているが、地絡電流の波形形状を基にして個別的に故障原因を特定するまでには至っていない。
本発明の目的は、地絡電流の波形形状を基にして個別的に地絡事故原因をより詳細に特定できる地絡要因判定装置を提供することである。
請求項1の発明に係る地絡要因判定装置は、実験により、樹木接触、鳥獣接触、碍子劣化を原因とする地絡事故を発生させて得られた各地絡事故原因ごとの地絡電流を予め記憶しておく地絡電流記憶部と;前記予め記憶された地絡電流に対して、分析要素として、地絡電流のひずみ成分と基本波電流との比である総合ひずみ率、前記地絡電流の波形モデルの瞬時値と地絡電流の波形データの瞬時値との差分値、地絡電流波形の波高値と地絡電流波形の実効値との比であるクレストファクタを求める分析要素生成部と;決定木分析の目的変数として地絡事故原因である樹木接触、鳥獣接触、碍子劣化を設定し、説明変数として分析要素である総合ひずみ率、クレスタファクタ、差分値を設定し、前記予め記憶された地絡電流に対して樹木図の根ノードから葉ノードまでに分岐するにあたり分岐ノードの各々の説明変数による情報利得または情報利得比を求める分岐基準作成部と;前記分岐基準作成部で作成された前記情報利得または前記情報利得比の大きい順番に前記分岐ノードに対して前記説明変数を含めて地絡事故原因の判定精度が高くなる閾値を選択し分岐ができなくなるまで分岐を多段階繰り返して前記根ノードから前記葉ノードまでの樹木図を作成する樹木図作成部と;地絡事故判定対象の地絡電流が入力されたとき地絡事故判定対象の地絡電流に対して前記分析要素生成部で前記分析要素を求めその分析要素を前記樹木図作成部で作成された前記樹木図に適用して地絡事故原因の判定を行いその判定結果を出力する地絡事故原因判定部とを備えたことを特徴とする。
請求項2の発明に係る地絡要因判定装置は、請求項1の発明において、前記地絡事故原因判定部は、前記地絡事故原因の判定により地絡事故原因が特定されたときは、地絡事故原因が特定された地絡電流波形を前記地絡電流記憶部に更新記憶するとともに、前記樹木図作成部は更新された地絡電流に基づいて樹木図を更新作成することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、決定木分析の目的変数として地絡事故原因である樹木接触、鳥獣接触、碍子劣化を設定し、説明変数として分析要素である総合ひずみ率、クレスタファクタ、差分値を設定し、予め記憶された地絡電流に対して樹木図の根ノードから葉ノードまでに分岐するにあたり分岐ノードの各々の説明変数による情報利得または情報利得比を求め、求めた情報利得または情報利得比の大きい順番に分岐ノードに対して説明変数を含めて地絡事故原因の判定精度が高くなる閾値を選択し、分岐ができなくなるまで分岐を多段階繰り返して根ノードから葉ノードまでの樹木図を作成しておき、地絡事故判定対象の地絡電流が入力されたとき地絡事故判定対象の地絡電流に対して分析要素生成部で分析要素を求め、その分析要素を樹木図作成部で作成された樹木図に適用して地絡事故原因の判定を行いその判定結果を出力するので、最適な分割値や分析要素を情報利得または情報利得比より導くことが可能となり、その結果、1種類の事故原因について、複数の分析要素で事故原因を判定でき、すべての地絡電流データに対して事故原因の判定が行えることになる。また、分岐ノードに対して説明変数を含めて判定精度が高くなる閾値を選択できるため線路インピーダンスが異なる需要家においても、事故原因の判定が可能となる。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、地絡事故原因の判定により地絡事故原因が特定されたときは、地絡事故原因が特定された地絡電流波形を地絡電流記憶部に更新記憶し、樹木図作成部は更新された地絡電流に基づいて樹木図を更新作成するので、地絡事故原因判定の精度が向上する。
本発明の第1実施形態に係る地絡要因判定装置の一例を示す構成図。 本発明の第1実施形態における分析要素生成部で得られた各分析要素ごとの各地絡事故原因の正規分布の一例を示す正規分布図。 本発明の第1実施形態における地絡要因判定装置での地絡事故原因の判定処理内容の一例を示すフローチャート。 本発明の第2実施形態に係る地絡要因判定装置の一例を示す構成図。 本発明の第2実施形態における決定木分析の際にデータを地絡電流とし目的変数を地絡事故原因とし説明変数を分析要素とし決定木分析したツリー構造の一例を示す樹木図。 本発明の第2実施形態における決定木分析の際にデータを地絡電流とし目的変数を地絡事故原因とし説明変数を分析要素とし決定木分析したツリー構造の他の一例を示す樹木図。 本発明の第2実施形態における決定木分析の際の分岐数の変化による判定精度の推移を示すグラフ。 本発明の第2実施形態に係る地絡要因判定装置の他の一例を示す構成図。
以下、本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る地絡要因判定装置の一例を示す構成図である。
地絡電流記憶部11には、実験により、樹木接触、鳥獣接触、碍子劣化を原因とする地絡事故を発生させて得られた各地絡事故原因ごとの地絡電流が予め記憶されている。各地絡事故原因ごとの地絡電流は、樹木接触による地絡電流、鳥獣接触による地絡電流、碍子劣化による地絡電流である。
実験回路として充電露出部を作り、その部位に、樹木、鳥獣、碍子を接触させて簡易な地絡を発生させ、樹木接触、鳥獣接触、碍子劣化による複数個の地絡電流波形をそれぞれデータ収集した。樹木接触による地絡電流を300個、鳥獣接触による地絡電流を300個、碍子劣化による地絡電流を300個の合計900個の地絡電流を取得した。
分析要素生成部12は、地絡電流に対して地絡原因を判定するための分析要素を求めるものである。4つの分析要素は、第1実施形態では、地絡電流のひずみ成分と基本波電流との比である総合ひずみ率、地絡電流の波形モデルの瞬時値と地絡電流の波形データの瞬時値との差分値、地絡電流のひずみ波に含まれている第3調波の高周波実効値と基本波電流の実効値との比である第3調波含有率、地絡電流波形の波高値と地絡電流波形の実効値との比であるクレストファクタである。分析要素生成部12は、地絡電流記憶部11に予め記憶された地絡電流に対して4つの分析要素を求め分析要素記憶部13に記憶する。
以下、4つの分析要素について、それらを用いた分析について説明する。
[1]総合ひずみ率(THD値)を用いた分析
総合ひずみ率(THD値)を用いた分析とは、第1実施形態の実験で取得した地絡電流の波形全体のひずみ成分と地絡電流の基本波電流の比である。ひずみの度合いは各地絡事故原因(樹木接触、鳥獣接触、碍子劣化)によって異なり、総合ひずみ率は(1)式で表すことができる。
Figure 0006883795
ここで、Tn:総合ひずみ率「%」、I1:基本波電流[A]、In:各次高調波電流[A]、N:50(50次調波)
[2]差分値を用いた分折
差分値を用いた分折では、各地絡事故原因(樹木接触、鳥獣接触、碍子劣化)における地絡電流波形の波形モデルを作成する。波形モデルの各サンプリング点の瞬時値電流は(2)式で表される。
Figure 0006883795
ここで、k:サンプル波形数(1〜100)、xa:波形モデルの各サンプリング点(1〜334点)の瞬時値電流[A]、ik:データごとの各サンプリングにおける瞬時値電流[A]、K:データ数(100件)
波形モデルは100件の地絡電流波形データから構築した。このモデルを構築する際、地絡電流波形の位相を合わせ、同時に、比率合わせをしたのち1周期分を抽出する。比率合わせの方法として、まず代表的な1つの地絡電流波形の実効値を基準とし、新たに取得した地絡電流波形の実効値との比率を求める。そして、求めた比率を新たに取得した地絡電流波形の瞬時値に乗じることで振幅値を合わせている。
差分値を用いた分析では、波形モデルと新たに取得した各地絡電流波形の瞬時値との差分を(3)式により求める。ここで、nはサンプリング点数(1、2、...、N)である。
Figure 0006883795
ここで、Dk:差分値[A]、xan:波形モデルの各サンプリング点の瞬時値電流[A]、in:新たに取得した地絡電流波形データの各サンプリング点の瞬時値電流[A]、N:1周期分のサンプリング点数(334点)
[3]第3調波含有率を用いた分析
第3調波含有率を用いた分析では、ひずみ波に含まれている第3調波の高周波実効値と基本波の実効値との比を取り分析要素とする。各地絡電流波形では、第3調披成分の割合が高かったため、同成分を用いた分析は有効である。第3波含有率は(4)式で表される。
Figure 0006883795
ここで、I3:第3調波電流[A]、I3hdf:第3調波含有率[%]
[4]クレストファクタを用いた分析
クレストファクタを用いた分析では、地絡電流波形における波高値と実効値との比を算出し判定する。地絡電流波形の実効値は(5)式、クレストファクタは(6)式で求められる。なお、Nはサンプリング点数1002であり、また、Inはサンプリング点ごとの電流瞬時値、nはサンプリング点(1,2,…,N)である。
Figure 0006883795
Figure 0006883795
ここで、CFI:クレストファクタ、Imax:地絡電流波形の波高値[A]、Irms:地絡電流波形の実効値[A]、サンプリング点数*1002点
このようにして、分析要素生成部13で得られた地絡電流波形ごとの分析要素(総合ひずみ率、差分値、第3調波含有率、クレスタファクタ)は分析要素記憶部13に記憶される。正規分布生成部14は分析要素生成部13で得られた分析要素を基に、分析要素ごとに各地絡事故原因(樹木接触、鳥獣接触、碍子劣化)の正規分布を求める。そして、正規分布記憶部15に記憶する。
図2は、分析要素生成部12で得られた各分析要素ごとの各地絡事故原因の正規分布の一例を示す正規分布図である。図2(a)は分析要素が総合ひずみ率である場合の各地絡事故原因(樹木接触、鳥獣接触、碍子劣化)の正規分布図、図2(b)は分析要素が差分値である場合の各地絡事故原因(樹木接触、鳥獣接触、碍子劣化)の正規分布図、図2(c)は分析要素が第3調波含有率である場合の各地絡事故原因(樹木接触、鳥獣接触、碍子劣化)の正規分布図、図2(d)は分析要素がクレスタファクタである場合の各地絡事故原因(樹木接触、鳥獣接触、碍子劣化)の正規分布図である。
図2(a)〜(d)において、曲線C1は樹木接触の分布曲線、曲線C2は鳥獣接触の分布曲線、曲線C3は碍子劣化の分布曲線である。図2(a)〜(d)から分かるように、各分析要素(総合ひずみ率、差分値、第3調波含有率、クレスタファクタ)での地絡事故原因(樹木接触、鳥獣接触、碍子劣化)の分布は大きく重なっており、1種類の分析要素では地絡事故原因の判定が難しいことが分かる。そこで、本発明の第1実施形態では、4つの分析要素(総合ひずみ率、差分値、第3調波含有率、クレスタファクタ)を組み合わせて地絡事故原因の判定精度を向上させる。そこで、4つの分析要素を組み合わせるために地絡事故原因ごとに閾値を定める。
ここで、各分析要素の地絡事故原因における尖度及び歪度は、それぞれ尖度:−83〜8.21、歪度:−1.42〜2.33の値であった。尖度においては特に樹木接触の差分値とクレストファクタとの分析要素が8.21と7.23と高い値となったが、それ以外の分析要素の尖度は最大で2.55である。樹木接触の差分値及びクレストファクタは標準偏差が低いことから尖度は高くなったが、それ以外の分析要素の尖度は低い値を示しており、正規分布のそれと近い値となっている。また、全分析要素の歪度については最大で2.33であり、左右のぱらつきが小さいことが分かる。
以上から、本発明の第1実施形態では正規分布の尖度とは離れている分布は一部にあるものの各分析要素の地絡事故原因は正規分布に従っていることとし、分布の重なり度合いから閾値を求める。
閾値選定部16は、正規分布生成部14で得られた分析要素ごとの各地絡事故原因の正規分布ごとに地絡事故原因を判定するための閾値を選定するものであり、閾値選定部16で選定された閾値は閾値記憶部17に記憶される。閾値選定部16は、分析要素ごとの各地絡事故原因の正規分布の重なり度合いから地絡事故原因の分布の重なりが小さく一つの地絡事故原因の分布を多く含むように閾値を選定する。
閾値は意味を理解しやすい分布の平均値μと標準偏差σ及び分布の交点±1%を用い、平均値±標準偏差× xというように閾値を定める。なお、xは1〜3の整数であり、地絡事故原因ごとの分布の重なりが小さくなるように、かつ、一つの地絡事故原因の分布を多く含むように選定する。
すなわち、樹木接触の平均値μT及び標準偏差σT、鳥獣接触の平均値μw及び標準偏差σw、碍子劣化の平均値μI及び標準偏差σIの整数倍の組み合わせを用いることとする。そして、各地絡事故原因のμ及びσの整数倍の組み合わせのうち、一つの地絡事故原因の分布を多く含むこと、かつ、分布の重なりが確率密度の低い箇所になるような組み合わせを用いることとし、それを閾値とした。また、総合ひずみ率と第3調波含有率においては、μ、σのせい数倍の組み合わせでは表せなく確率密度が低い箇所に鳥獣接触と碍子劣化における分布の交点が存在している。その交点に±1%の幅を取り、鳥獣接触と碍子劣化とを分ける閾値とした。決定した各分析要素の閾値とその閾値式を表1に示す。
Figure 0006883795
表1に示すように、分析要素が総合ひずみ率の場合、鳥獣接触の閾値式は「μT +σT〜交点−1%」、碍子劣化の閾値式は「交点+1%〜μI+ 3σI」であり、この閾値式により定まる閾値(26.145≦55.143)、閾値(56.257≦133.053)で、地絡事故原因の鳥獣接触と碍子劣化とを判別する。分析要素が差分値の場合、樹木接触の閾値式は「μT−3σT〜μI−σI」であり、この閾値式により定まる閾値(ー0.012≦0.063)で、地絡事故原因の樹木接触を判別する。
分析要素が第3調波含有率の場合、鳥獣接触の閾値式は「μT +σT〜交点−1%」、碍子劣化の閾値式は「交点+1%〜μI+3σI」であり、この閾値式により定まる閾値(23.148≦48.594)、閾値(49.576≦116.825)で、地絡事故原因の鳥獣接触と碍子劣化とを判別する。分析要素がクレストファクタの場合、樹木接触の閾値式は「μT−3σT〜μI+2σI」であり、この閾値式により定まる閾値(1.338≦1.823)で、地絡事故原因の樹木接触を判別する。
このように、複数の分布が一定以上重なっている地絡事故原因については判定しないこととし、分布の重なりが小さい地絡事故原因のみ各分折要素で閾値を定めて判定する。また、総合ひずみ率及び第3調波含有率において樹木接触と鳥獣接触とを分離するために、樹木接触と鳥獣接触との閾値としては、樹木接触のμT+σTを用いている。このように選定された閾値は閾値記憶部17に記憶される。
次に、地絡事故原因判定部18は、入力部19から地絡事故判定対象の地絡電流を入力し地絡事故原因の判定を行い、その判定結果を地絡事故原因記憶部20に記憶すると共に出力部21に出力する。地絡要因判定装置18は、地絡事故判定対象の地絡電流を入力すると、地絡事故判定対象の地絡電流に対して分析要素生成部12で4つの分析要素を求め、分析要素生成部12で求めた4つの分析要素につき順番に閾値の範囲内か否かにより地絡事故原因の判定を行う。
分析要素は4つ(総合ひずみ率、差分値、第3調波含有率、クレスタファクタ)であるため、その順列は4!(24)のパターンがあるが、どの順番で判定するようにしてもよい。すなわち、まず、ある1種類の分析要素で判定を行い、各地絡事故原因の閾値の数値内であれば出力し、各地絡事故原因の閾値の範囲に含まれなかったデータは、次の分析要素で判定される。この工程を4つの分析要素まで続け、最後まで判定しきれなかったデータはエラーデータとして出力する。
ここで、4つの分析要素(総合ひずみ率、差分値、第3調波含有率、クレスタファクタ)の順列4!(24)のパターンごとの判定精度を表2に示す。
Figure 0006883795
表2に示す判定精度を得るにあたって、実験により得られた900個の地絡電流(樹木接触:300個、鳥獣接触:300個、碍子劣化:300個)を地絡事故判定対象の地絡電流として入力部19から入力し、分析要素生成部12で4つの分析要素を求め、分析要素生成部12で求めた4つの分析要素につき24個の順列を作成し、それらについて地絡事故判定を行い判定精度を求めた。
表2から分かるように、表2の最下段の「クレスタファクタ→第3調波含有率→総合ひずみ率→差分値」の判定精度が最も高く、全体の一致件数は702件で判定精度は78.0%となった。そこで、地絡事故原因判定部18は、分析要素生成部12で得られた分析要素のすべての順列のパターンのうち、最も地絡事故原因の判定精度がよい順列「クレスタファクタ→第3調波含有率→総合ひずみ率→差分値」を選択して以降の地絡事故判定を行う。
図3は、地絡要因判定装置での地絡事故原因の判定処理内容の一例を示すフローチャートである。図3では、最も地絡事故原因の判定精度がよい順列「クレスタファクタ→第3調波含有率→総合ひずみ率→差分値」で地絡事故判定を行う場合を示している。地絡事故判定対象の地絡電流を入力し(S1)、まず、最初に地絡事故判定対象の地絡電流が分析要素のクレストファクタの閾値(1.338≦1.823)内に入っているか否かを判定し(S2)、クレストファクタの閾値(1.338≦1.823)に入っているときは地絡事故原因は樹木接触であると判定し処理を終了する(S3)。
ステップS2の判定でクレストファクタの閾値(1.338≦1.823)に入っていないときは、第3調波含有率の第1閾値(23.148≦48.594)に入っているか否かを判定し(S4)、第3調波含有率の第1閾値(23.148≦48.594)に入っているときは地絡事故原因は鳥獣接触であると判定し処理を終了する(S5)。ステップS4の判定で第3調波含有率の第1閾値(23.148≦48.594)に入っていないときは、第3調波含有率の第2閾値(49.576≦116.825)に入っているか否かを判定し(S6)、第3調波含有率の第2閾値(49.576≦116.825)に入っているときは地絡事故原因は碍子劣化であると判定し処理を終了する(S7)。
以下、同様に、ステップS6の判定で第3調波含有率の第2閾値(49.576≦116.825)に入っていないときは、総合ひずみ率の第1閾値(26.145≦55.143)に入っているか否かを判定し(S8)、総合ひずみ率の第1閾値(26.145≦55.143)に入っているときは地絡事故原因は鳥獣接触であると判定し処理を終了する(S9)。ステップS8の判定で総合ひずみ率の第1閾値(26.145≦55.143)に入っていないときは、総合ひずみ率の第2閾値(56.257≦133.053)に入っているか否かを判定し(S10)、総合ひずみ率の第2閾値(56.257≦133.053)に入っているときは地絡事故原因は碍子劣化であると判定し処理を終了する(S11)。ステップS10判定で総合ひずみ率の第2閾値(56.257≦133.053)に入っていないときは、差分値の閾値(ー0.012≦0.063)に入っているか否かを判定し(S12)、差分値の閾値(ー0.012≦0.063)に入っているときは地絡事故原因は樹木接触であると判定し処理を終了する(S13)。そして、ステップS12判定で差分値の閾値(ー0.012≦0.063)に入っていないときは、地絡事故原因の判定ができないエラーデータであると判定し処理を終了する(S14)。
閾値は確率密度が高い範囲に設定しているので、図3に示すように、閾値内に含まれたデータを優先的に出力するため、確率密度が低い分析要素の影響を受けなくなり、表2に示すように、地絡事故判定対象の地絡電流900件のうち地絡事故原因の一致件数は702件であり、不一致件数198件のうち、誤判定が95件、判定しきれない判定不能の地絡事故原因が103件であった。
また、樹木接触ではクレストファクタを第1段階で適用することで285件のデータが判定でき、差分値で5件判定ができた。クレストファクタの正規分布からも見て取れるように、樹木接触においてクレストファクタを用いた分析は有効であると言える。また、碍子劣化においては、総合ひずみ率、第3調波含有率の正規分布より鳥獣接接触と分布が大きく重なっている箇所があったため23件のデータが鳥獣接触と誤判定となったが、268件は碍子劣化として正しく判定が行えた。
なお、鳥獣接触においては、他の地絡事故原因と分布の重なりが多く、正しく判定が行えた件数が144件と最も少なかった。鳥獣接触の分布は全分析要素において、樹木接触、碍子劣化の分布と重なっている箇所が多いため高精度で事故原因を判定することは困難となり、その精度は48.0%となった。一方、樹木接触や碍子劣化のような分布の重なりが小さい事故原因の判定の精度は樹木接触96.7%・碍子劣化89.3%となった。以上より、本発明の 第1実施形態の地絡要因判定装置を用いれば、需要家構内における地絡事故原因をより詳細に特定できる。
本発明の第1実施形態によれば、地絡電流の分析要素である「クレストファクタ」、「第3調波含有率」、「総合ひずみ率」、「差分値」を活用して、地絡事故時に原因判定を行い判定精度は全体として70%を超えているので、地絡事故原因の探査に大きな有益性をもたらす。また、電力品質に対する要求が高まっている状況下において、地絡事故発生時に事故原因を判定できると共に、漏電遮断器の検出動作レベルに満たない漏洩電流を検出できるので、漏電遮断器が動作する前に事故の予測が可能となる。特に、低レベルの漏洩電流が常態化している需要家に適用すれば漏電遮断器動作前の事故予測にも活用でき高度な保安体制が構築できる。
次に、本発明の第2実施形態を説明する。図4は本発明の第2実施形態に係る地絡要因判定装置の一例を示す構成図である。この第2実施形態は、図1に示した第1実施形態に対し、正規分布生成部14及び閾値選定部16に代えて、分岐基準作成部22及び樹木図作成部23を設け、データマイニング手法の一種である決定木分析を適用することで分布の重なりが大きい地絡事故原因を高い判定精度で判定できるようにしたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
第1実施形態では、地絡電流に対し総合ひずみ率、第3調波含有率、差分値、クレストファクタなどの分析要素を用いて、各事故原因で異なっている特徴量を抽出し、各分析要素における事故原因ごとの正規分布に基づいて分布の重なりが小さい箇所を閾値を適用することによって地絡事故原因を判定するようにした。従って、分布の重なりが小さい事故原因については高い精度で判定されるが、需要家構内の対地静電容量が格段に大きい場合や、誘導性負荷などの影響により線路インピーダンスが変化する場合などで、分布の重なりが大きい事故原因については、固定的な閾値が定められず判定が困難となる。
そこで、第2実施形態では、新たにデータマイニング手法の一種である決定木分析を用い、設定したクラスに対して関係性が強い分析要素を選択し、その分析要素を優先的に使用して事故原因を判定するようにする。決定木分析を用いることにより、各分析要素の閾値ごとで次の判定に用いる最適な分析要素とその閾値を定めることができる。第1実施形態では、図3に示すように、クレストファクタ→第3調波含有率→THD→差分値の一定の判定フローだったが、決定木分析を用いた第2実施形態では、次の判定に用いる分析要素と閾値とを分岐基準により、ある分析要素で分岐したノードごとに決定することができる。分岐基準については後述する。
地絡電流記憶部11には、第1実施形態の場合と同様に、実験により、樹木接触、鳥獣接触、碍子劣化を原因とする地絡事故を発生させて得られた各地絡事故原因における地絡電流が予め記憶されている。
決定木分析による地絡事故原因判定では第3調波含有率を用いていない。これは、総合ひずみ率と第3調波含有率で判定できる地絡電流データがほぼ一致するためである。これにより、1つの説明変数による過剰分岐を防止する。
このことから、第2実施形態では、地絡電流のひずみ成分と基本波電流との比である総合ひずみ率、地絡電流の波形モデルの瞬時値と地絡電流の波形データの瞬時値との差分値、地絡電流波形の波高値と地絡電流波形の実効値との比であるクレストファクタの3つの分析要素を用いる。分析要素生成部12は予め記憶された地絡電流に対してこれら3つの分析要素を求め、分析要素記憶部13に記憶する。
ここで、決定木分析とは、全データの中で分析したい変数(目的変数)とデータを分岐させる変数(説明変数)とを設定し、分岐を多段階繰り返していき、分析を図5に示すようなツリー構造の樹木図で表現する手法である。図5に示すようなツリー構造の樹木図は後述の樹木図作成部23で作成される。
図5は、2実施形態における決定木分析の際にデータを地絡電流とし、目的変数を地絡事故原因{樹木接触(Tree contact)、鳥獣接触(Wildlife contact)、碍子劣化(Insulator deterioration)}とし、説明変数を分析要素{総合ひずみ率(THD)、差分値(Differential Value)、クレストファクタ(Crest factor)}とし、分析したツリー構造の一例を示す樹木図である。
図5では、地絡電流記憶部11に記憶された地絡電流データは各地絡事故原因ごとに300個、計900個のデータが存在するが、このうちの半分の450個のデータを学習用データとし、この学習用データを用いて決定木分析によりツリー構造の樹木図を作成した場合を示している。
図5の第1段階目のノードn1は、分岐の最初となるノードであり根ノードである。すべての地絡電流データが450個であるので「Weight=450」であり、目的変数{樹木接触(Tree contact)、鳥獣接触(Wildlife contact)、碍子劣化(Insulator deterioration)}は1/3ずつで表されている。またノードn1のクラス(Class)は樹木接触(Tree contact)で表されている。また、説明変数である分析要素として総合ひずみ率(THD)が選択されている。ノードのクラス(Class)は、目的変数{樹木接触(Tree contact)、鳥獣接触(Wildlife contact)、碍子劣化(Insulator deterioration)}のうち最も大きいものが選択される。ノードn1の場合はすべての目的変数が1/3ずつなので、便宜上、樹木接触(Tree contact)で表されている。
ノードn1は説明変数である総合ひずみ率(THD)が50%未満(Less than 50%)と50%以上(More than 50%)との範囲で分岐され、50%未満で分岐されたノードn2は、地絡電流データの個数がWeight=285であり、樹木接触が52.5%、鳥獣接触が42.1%、碍子劣化が5.2%で分類されている。樹木接触が最も大きいのでノードn2のクラスは樹木接触である。また、説明変数である分析要素としてクレストファクタ(Crest factor)が選択されている。
一方、50%以上で分岐されたノードn3では、地絡電流データの個数がWeight=165であり、鳥獣接触が18.2%、碍子劣化の事故原因が81.8%で分類されている。碍子劣化が最も大きいのでノードn3のクラスは碍子劣化である。また、説明変数である分析要素として差分値(Differential Value)が選択されている。
さらに、ノードn2は、次段階にクレストファクタで分岐されたノードn21、n22があり、それぞれ地絡事故原因が分類されその割合が異なっている。同様に、ノードn3は、次段階に差分値で分岐されたノードn31、n32があり、それぞれ地絡事故原因が分類されその割合が異なっている。そして、それ以上の分岐ができない分岐の終端となるノードが葉ノードとなり出力値となる。
このように決定木分析では、分岐から結果までの過程を視覚的に理解することができる。また、これまで1種類の分析要素の閾値で地絡事故原因の判定を行っていたが、決定木分析を用いることで全分析要素で分岐基準に基づき地絡事故原因を判定することが可能となる。
次に、分岐基準作成部22は、分岐基準を求めるものである。すなわち、分岐基準作成部22は、決定木分析の目的変数として地絡事故原因である樹木接触、鳥獣接触、碍子劣化を設定し、説明変数として分析要素である総合ひずみ率、クレスタファクタ、差分値を設定し、地絡電流に対して樹木図の根ノードから葉ノードまでに分岐するにあたり分岐ノードの各々の説明変数による分岐基準を求める。分岐基準作成部22で作成された分岐基準は分岐基準記憶部24に記憶される。
分岐基準作成部22では、決定木分析を地絡電流データに適用するにあたり、目的変数、説明変数及び分岐基準は、以下のように設定する。目的変数:地絡事故原因(樹木接触、鳥獣接触、碍子劣化)、説明変数:分析要素(総合ひずみ率、差分値、クレストファクタ)、分岐基準.:Info Gain Ratio(情報利得比)のように設定する。
分岐基準として、情報利得または情報利得比を用いることができる。情報利得または情報利得比については後述する。分岐基準としては、情報利得または情報利得比のいずれを用いてもよいが、分岐基準として情報利得を使うと、分岐数が多くなる傾向になり、よい決定木を構築できないことがある。そこで、情報利得に代えて、情報利得比Info Gain Ratioと呼ばれる情報利得基準の改良型が現在幅広く使用されているので、以下の説明では、分岐基準として情報利得比Info Gain Ratioを用いる場合について説明する。
前述したように、決定木分析による地絡事故原因判定では第3調波含有率を用いていない。これは、総合ひずみ率と第3調波含有率で判定できる地絡電流データがほぼ一致するためである。これにより、1つの説明変数による過剰分岐を防止する。
分岐基準はInfo Gain Ratio(情報利得比)を適用しており、分岐基準によってノードごとに最適な分岐となる説明変数を決定する。Info Gain Ratioは、以下の(7)〜(9)式によって算出される。(7)式は分岐前のノードのエントロピー(平均情報量)である。
ここで、jは目的変数の要素の数を表し、3つの事故原因(樹木接触、鳥獣接触、碍子劣化)を用いていることから、j=3である。
Figure 0006883795
ここで、Info(S):ノード内のエントロピー、|S|:ノードのデータ数、|Cj|:クラスCjのデータ致
(7)式により分岐前のノードのエントロピー、つまり目的変数のばらつき度合いが表される。また、ある説明変数Aによって分岐させたことによる情報利得E(S,A)は(8)式によって算出される。
ここで、Sjはある説明変数Aによって分岐された後の各ノード内に含まれているデータ数を表しており、jは分岐後のノード数である。また、Info(Sj)は分岐後の各ノードのエントロピーを表している。
Figure 0006883795
(7)、(8)式を用い、説明変数Aによる分岐後のInfo Gain Ratio(情報利得比)は(9)式より表される。
Figure 0006883795
Figure 0006883795
このようにして、分岐基準作成部22で作成された分岐基準であるInfo Gain Ratio(情報利得比)は分岐基準記憶部24に記憶される。Info Gain Ratioでは、まず、各説明変数で1段階のみノードを分岐し、(7)式により分岐後の各ノードにおける目的変数のバラツキを求める。そして、(8)、(9)式によって分岐前のノードと各説明変数で分岐した後のモードのInfoから最適な説明変数を導出する。
決定木分析では、分岐の終端となる葉ノードが出力値となり目的変数がカテゴリ値の場合、目的変数の要素の最頻度が出力値となるため、ノード内に含まれる目的変数が単一の状態に近い程、分岐による事故原因の判定精度は向上する。すなわち、分岐後のノードのInfoが低く、Info Gain Ratioの値が最大となる説明変数が分岐に最適な説明変数とみなされ、次段回の分岐に用いることにより、終端ノードのばらつきを最小化していく。
次に、樹木図作成部23は、分岐基準作成部22で作成された分岐基準(情報利得または情報利得比)の大きい順番に分岐ノードに対して、説明変数を含めて地絡事故原因の判定精度が高くなる閾値を選択し分岐ができなくなるまで分岐を多段階繰り返して根ノードから葉ノードまでの樹木図を作成し、作成した樹木図は樹木図記憶部25に記憶される。
ここで、地絡電流記憶部11に記憶された地絡電流データは各地絡事故原因ごとに300個、計900個のデータが存在するが、このうちの半分の450個のデータを学習用データとし、樹木図作成部23は、この学習用データを用いて決定木分析によりツリーを作成する。
図6は、図5と同様に、データを地絡電流とし、目的変数を地絡事故原因{樹木接触(Tree contact)、鳥獣接触(Wildlife contact)、碍子劣化(Insulator deterioration)}とし、説明変数を分析要素{総合ひずみ率(THD)、差分値(Differential Value)、クレストファクタ(Crest factor)}とし、図5の分析要素を異ならせて分析したツリー構造の他の一例を示す樹木である。
図6の第1段階目のノードN1は、分岐の最初となるノードであり根ノードであり、ノード番号は「1」である。ノード番号はクラス(Class)の前に記載されている。すべての地絡電流データが450であるので「Weight=450」であり、目的変数{樹木接触(Tree contact)、鳥獣接触(Wildlife contact)、碍子劣化(Insulator deterioration)}は1/3ずつで表されている。またノードN1のクラス(Class)は樹木接触(Tree contact)で表されている。また、ノードN1のInfoは1.585であり、目的変数のばらつき度合いであるノードのエントロピー(平均情報量)を示している。説明変数である分析要素としてクレストファクタ(Crest factor)が選択されている。
ノードN1は説明変数であるクレストファクタ(Crest factor)の値により複数に分岐され、図6では66個のノードに分岐された場合を示しており、クレストファクタ(Crest factor)が1.641以下(ーinf,1.641)で分岐されたノードN2は、地絡電流データの個数がWeight=92である。そして、樹木接触が100%で分類されているので、ノードN2のクラス(Class)は樹木接触(Tree contact)であり、Info=0であるから、それ以上の分岐ができない葉ノードである。これにより、Leafと記載されている。
2.25〜2.257(2.25,2.257)で分岐されたノードN55は、地絡電流データの個数がWeight=5であり、碍子劣化が100%で分類されているので、ノードN55のクラス(Class)は碍子劣化(Insulator deterioration)であり、Info=0であるから、それ以上の分岐ができない葉ノードである。これにより、Leafと記載されている。
2.328以上(2.328,inf)で分岐されたノードN66は、地絡電流データの個数がWeight=114であり、鳥獣接触43.0%、碍子劣化が57.0%で分類されているので、ノードN66のクラス(Class)は碍子劣化(Insulator deterioration)であり、Info=0.986であるから、さらに分岐できるノードであるので、説明変数である分析要素として総合ひずみ率(THD)が選択されている。
以下同様に、ノードN66は説明変数である総合ひずみ率(THD)の値により複数に分岐され、ノードN77は地絡電流データの個数がWeight=17であり、鳥獣接触17.6%、碍子劣化が82.4%で分類されているのでクラス(Class)は碍子劣化(Insulator deterioration)であり、Info=0.672であるから、さらに分岐できるノードであるので、説明変数である分析要素として差分値(Differential Value)が選択されている。ノードN67、N81は、それ以上の分岐ができない葉ノードであるのでLeafと記載されている。ノードN77は説明変数である差分値(Differential Value)の値により複数に分岐され、分岐されたノードN78、N79、N80は、それ以上の分岐ができない葉ノードであるのでLeafと記載されている。
このように、樹木図作成部23は、分岐基準作成部22で作成された分岐基準(情報利得または情報利得比)の大きい順番に分岐ノードに対して、説明変数を含めて地絡事故原因の判定精度が高くなる閾値を選択し、分岐ができなくなるまで分岐を多段階繰り返して根ノードから葉ノードまでの樹木図を作成する。そして、作成した樹木図を樹木図記憶部25に記憶する。
次に、地絡事故原因判定部18は、入力部19から地絡事故判定対象の地絡電流を入力し地絡事故原因の判定を行い、その判定結果を地絡事故原因記憶部20に記憶すると共に出力部21に出力する。
地絡要因判定装置18は、地絡事故判定対象の地絡電流が入力されたとき分析要素生成部12を起動し、地絡事故判定対象の地絡電流の分析要素を求める。地絡要因判定装置18は、樹木図作成部23で作成された樹木図に地絡事故判定対象の地絡電流の分析要素を適用し地絡事故原因の判定を行い、その判定結果を地絡事故原因記憶図20に記憶すると共に出力部21に出力する。
例えば、入力した地絡事故判定対象の地絡電流に対し、図6の樹木図に適用する場合には、入力した1個の地絡事故判定対象の地絡電流に対し求めた分析要素のうち、まず、最初にクレストファクタで分割対象とし、クレストファクタがどの閾値範囲にあるかを第2段目のノードで調べ、閾値が「−inf.1.641」、「2.25〜2.257」ならば、葉ノードであるので樹木接触と判定し、「2.328,inf」、ならば、第3段目のノードで地絡事故原因を調べ、以下、葉ノードになるまで調べる。
次に、決定木分析では、最適な説明変数の分岐数は導出できないため、5〜20までの最大分岐数の範囲で分岐し判定精度を比較する。以下、指定した分岐数を「最大分岐数」とする。ツリー構造の樹木図は視覚的にも理解しやすい構造となり、感覚的な判定が可能となる。決定木分析における最大分岐数を5〜20の範囲で変更し、分岐数の変化による判定精度の推移を図7に示し、地絡事故原因の判定精度を表3に示す。
表3は、900個の地絡事故電流のうち樹木図を作成した450個以外の残りの450個の地絡事故電流を地絡事故判定対象の地絡事故電流として用いて事故原因判定を実施した結果である。
Figure 0006883795
ここで、判定精度とは全予測用データに対する地絡事故原因の予測が正しく行われた割合を示す。図7に示すように、最も地絡事故原因の判定精度が高い最大分岐数は10となった。決定木分析では、地絡事故原因ごとに最適な分割値を定めることはできないため、すべての地絡事故原因一括で決定される。そのため、最適な最大分岐数は各地絡事故原因の判定精度を総合的に評価して求めている。
図7に示すように、最大分岐数が5〜10の領域では、分岐数が増えていくにつれて判定精度は86.4%から89.3%まで向上しているが、最大分岐数10以降は最大分岐数が増加するにつれて判定精度は減少し、最小値は85.1%となった。最大分岐数が上昇していくにつれて1ノードあたりのInfo 値が減少して判定精度が上昇するが、分岐数が適正値を超えるとノード内のデータ数が少なくなり、2段階目以降の分岐の効果が減少したことが原因と考える。この結果から最も判定精度の高い分岐数と最も判定精度の低い分岐数の判定精度の差は4.2%である。
表3に示す判定精度を得るにあたって、実験により得られた900個の地絡電流(樹木接触:300個、鳥獣接触:300個、碍子劣化:300個)の半分の450個を地絡事故判定対象の地絡電流として入力部19から入力し、決定木分析を適用して樹木図を作成し、それらについて地絡事故判定を行い判定精度を求めた。
第2実施形態での決定木分析では、最大分岐数が10のとき、樹木接触98、7%、鳥獣接触89.3%、碍子劣化80.0%の精度で地絡事故原因を判定している。一方、第1実施形態の場合の図2(d)を見れば明らかなように、クレストファクタを横軸としたとき、樹木接触の分布は、他の目的変数の分布とほとんど重なっていない。
このような場合には、図6の中のノードN2に示すようにエントロピーInfo(S)は0になる。すなわち、このノードN2内の全データは樹木接触であると判定されている。従って、まず最初にクレストファクタを用いて樹木接触を判定することで、98.7%という高い判定を得ることができている。
鳥獣接触は他の地絡原因事故と各分析要素の分布が大きく重なっていたため第1実施形態では判定しきれなかったが、Info Gain Ratioで最適な分割値や説明変数を送出することにより正確に判定することが可能となった。一方、碍子劣化の判定精度については、第1実施形態では89.3%であったのが第2実施形態の決定本分折では80.0%となっており9.3%減少している。
この場合、一見すると第2実施形態の決定木分析よりも第1実施形態の方が高精度であることのように思われるが、必ずしもそうとは言えない。その理由は、第1実施形態の場合には、やむを得ずに判定不能のデータが残ってしまうと問題点を含んでいるためである。
第2実施形態の決定木分析の適用によりエラーデータを残すことなく80%程度の精度を得ることができている点は高く評価できる。また、地絡事故原因の判定精度は第1実施形態では78%の精度であったが、第2実施形態の決定木分析による判定梢度は85%以上で、Info Gain Ratioを適用した決定木分析の効果が現れており、最大で判定精度89.3%となり、判定精度を向上することができた。
図6では、最も判定精度が高い分岐10で作成した樹木図一部を示しており、これより一段目(ノードN1)にクレストファクタが適用されており、第1実施形態の場合と同様に樹木接触と鳥獣接触、碍子劣化とを判定している。これは(7)〜(9)式と最大分岐数に基づいて分析要素の順位が決定される。
また、2段目以降は、差分値、総合ひずみ率、Info Gain Ratioに従って分岐している。第1実施形態では使用する分析要素の順番は組み合わせにより一律のパターンであったが、第2実施形態の決定木分析では、Info Gain Ratioに従い説明変数を適用させることで、最適な地絡事故原因判定を行うことが可能となる。
また、同分析手法では図6の各ノードの上端に示すように、総合ひずみ率0〜18.887%。66.419〜78.894%、差分値0〜0.097A、0.097〜0.105Aといった細かい分割値で判定している。この結果は、第1実施形態では分布の重なりが大きい鳥獣接触において効果的な閾値を決定できなかったが、第2実施形態の決定木分析では、1つのデータに対して複数の手法で詳細な閾値により事故原因の分析が可能となり分布の重なりが大きい鳥獣接触においても判定が行えることを示している。判定精度を最大とするための精細な閾値を作成することがinfo Gain Ratioを適用した決定木分析を用いることで実現可能となるので、地絡事故原因の判定精度を向上させることができる。
以上の説明では、分岐基準としてInfo Gain Ratio(情報利得比)を用いた場合について説明したが、(8)式で示す情報利得E(S,A)を用いてもよい。また、図8に示すように、地絡事故原因判定部18は、地絡事故原因の判定により地絡事故原因が特定されたときは、地絡事故原因が特定された地絡電流波形を学習用データとして地絡電流記憶部11に追加して蓄積し、予め記憶した地絡電流を更新するようにしてもよい。また、樹木図作成部23は更新された地絡電流波形に基づいて樹木図を更新作成する。樹木図作成部23は、地絡電流記憶部11に地絡電流波形が更新記憶される都度に樹木図を更新作成してもよいし、予め定めた個数分の地絡事故波形が蓄積されたときに樹木図を更新作成してもよい。樹木図を更新作成することにより、地絡事故原因が特定された地絡電流が学習され、更新作成された樹木図により地絡事故原因を判定できるので、地絡事故原因の判定精度が向上する。
第2実施形態によれば、第1実施形態の78%の判定精度に対して、89.3%の判定精度で判定でき、実運用上有効な判定精度の目標値である85%以上を達成できる。第1実施形態では、需要設備の規模や対地静電容量の大きな負荷設備、また線路インピーダンスが変化するような場合などの分布の重なりが大きい事故原因は判定の閾値が定められず十分に判断できなかったが、第2実施形態の決定木分析を用いることで個々の設備環境に応じた事故結果を学習用データとして判定に加えることにより、可変的な判定値の設定が可能となる。また、1つのデータに対して複数の手法で詳細な閾値を求めることができ、分布の重なりが大きい事故原因も判定が可能となる。
高圧需要家の需要設備の保全に欠かせない絶縁監視装置の高度化を図り、的確な絶縁状態を把握することで需要家の保安に寄与することができる。これまでの地絡事故原因は、電気主任技術者が需要家構内を調査した後でないと判明できなかったが、第2実施形態を用いれば絶縁監視装置からの通報の時点で事故原因を予想することが可能となる。さらには、漏電に至らない低いレベルの漏洩電流値を検出することも可能となり、地絡事故に至る予兆も検出することが可能であり予防保全にもつながる。このことは、自家用電気工作物の大半を占める500kW未満の主任技術者が常駐していない小規模の需要家にとって、高度な保全を適用できることとなり、高圧需要家の需要設備の保安の品質を大きく向上することにつながる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11…地絡電流記憶部、12…分析要素生成部、13…分析要素記憶部、14…正規分布生成部、15…正規分布記憶部、16…閾値選定部、17…閾値記憶部、18…地絡事故原因判定部、19…入力部、20…地絡事故原因記憶部、21…出力部、22…分岐基準作成部、23…樹木図作成部、24…分岐基準記憶部、25…樹木図記憶部

Claims (2)

  1. 実験により、樹木接触、鳥獣接触、碍子劣化を原因とする地絡事故を発生させて得られた各地絡事故原因ごとの地絡電流を予め記憶しておく地絡電流記憶部と;
    前記予め記憶された地絡電流に対して、分析要素として、地絡電流のひずみ成分と基本波電流との比である総合ひずみ率、前記地絡電流の波形モデルの瞬時値と地絡電流の波形データの瞬時値との差分値、地絡電流波形の波高値と地絡電流波形の実効値との比であるクレストファクタを求める分析要素生成部と;
    決定木分析の目的変数として地絡事故原因である樹木接触、鳥獣接触、碍子劣化を設定し、説明変数として分析要素である総合ひずみ率、クレスタファクタ、差分値を設定し、前記予め記憶された地絡電流に対して樹木図の根ノードから葉ノードまでに分岐するにあたり分岐ノードの各々の説明変数による情報利得または情報利得比を求める分岐基準作成部と;
    前記分岐基準作成部で作成された前記情報利得または前記情報利得比の大きい順番に前記分岐ノードに対して前記説明変数を含めて地絡事故原因の判定精度が高くなる閾値を選択し分岐ができなくなるまで分岐を多段階繰り返して前記根ノードから前記葉ノードまでの樹木図を作成する樹木図作成部と;
    地絡事故判定対象の地絡電流が入力されたとき地絡事故判定対象の地絡電流に対して前記分析要素生成部で前記分析要素を求めその分析要素を前記樹木図作成部で作成された前記樹木図に適用して地絡事故原因の判定を行いその判定結果を出力する地絡事故原因判定部とを備えたことを特徴とする地絡要因判定装置。
  2. 前記地絡事故原因判定部は、前記地絡事故原因の判定により地絡事故原因が特定されたときは、地絡事故原因が特定された地絡電流波形を前記地絡電流記憶部に更新記憶するとともに、前記樹木図作成部は更新された地絡電流に基づいて樹木図を更新作成することを特徴とする請求項1に記載の地絡要因判定装置。
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