JP3019236B2 - 送配電線の事故原因診断方法 - Google Patents

送配電線の事故原因診断方法

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JP3019236B2
JP3019236B2 JP4258680A JP25868092A JP3019236B2 JP 3019236 B2 JP3019236 B2 JP 3019236B2 JP 4258680 A JP4258680 A JP 4258680A JP 25868092 A JP25868092 A JP 25868092A JP 3019236 B2 JP3019236 B2 JP 3019236B2
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正人 戸上
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株式会社戸上電機製作所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、送配電線の事故原因診
断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、送配電線事故発生時の事故検出な
らびに保護は、配電用変電所に取り付けられた地絡継電
器ならびに短絡継電器により行われていた。しかしなが
らこのような計器による事故検出方法では、事故が発生
した場合、その事故がどのような事故原因で発生したか
はわからなかった。さらには、変電所のみならず、配電
系統の各所にセンサを配置し、その情報を計測し、その
結果を光ファイバーケーブルを用いた情報伝送網を通じ
て一個所に収集し、事故診断ならびに事故区間判定を行
い、変電所の遮断器が遮断する前に事故区間を切り離す
方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この場
合においても、事故区間判定を行うが、どのような事故
原因で事故が発生するかはわかっていない。このような
システムでも、事故区間の判定は可能であるが、事故原
因を推定できれば事故の探査を容易にできると考えられ
る。
【0004】さらに、配電系統では、ケーブルや碍子等
の絶縁不良などによる微地絡や間欠弧光地絡に伴う事故
の中には供給支障となる永久地絡に発展する前に短時間
で消滅するため、遮断器の遮断に至らない事象や、遮断
器の遮断後に自然消滅する再閉路成功事故などの前駆現
象を繰り返すものがある。
【0005】このような前駆現象の段階で不良個所を発
見できれば、事前にこれを修理して供給支障を防止する
ことができ、事故の予防保全を行うことができる。また
通常の事故においても事故原因を推定することができれ
ば、事故の探査を容易にすることができると考えられ
る。
【0006】本発明が解決すべき課題は、事故情報に基
づいて事故原因を診断し、早急な対策を行うことにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明は、 (a)波形データを高速フーリエ解析を行い、その結果
得られた属性データを収集するステップと、 (b)データを分類するカテゴリーC〜C〜C
設定し、それぞれのカテゴリーが持つ属性T〜T
毎に測定データを集計するかあるいは計算によりシ
ミュレートするステップと、 (c)集計または計算されたデータ対応するカテゴリ
ーに区分けして各属性毎の分布をとるステップと、 (d)集計または計算されたデータ毎の分布に着目した
カテゴリーCと他のカテゴリーCとの属性値の分布
の重なりの状態に基づいて、少なくとも1つの属性の分
布においてカテゴリーCからCを完全に識別できる
状態(i)か、カテゴリーCとCにおいてCの属
性の分布がCの属性の分布と一部分重なりのある状態
(ii)かまたはカテゴリーCとCにおいてC
属性の分布がCの属性の分布に包含される状態(ii
i)に判別するステップと、 (e)前記カテゴリーCとC前記状態(i)にあ
る任意の一つのカテゴリーと他の任意の一つのカテゴリ
を分類可能とする属性集合の組を選択する場合、分
類可能な属性を1、分類できない属性を0という係数を
前記属性集合の各属性に乗じたブール変数を設定し、
記係数を乗じた各属性を論理和の形の論理式に表現する
ステップと、 (f)前記カテゴリーCとC前記状態(i)の組
合せすべてのカテゴリーにおいて前記ステップ(e)で
求めた論理式の論理積をとることにより、すべてのカテ
ゴリーを互いに分類可能とするための属性の組を求める
ステップと、 (g)前記ステップ(f)で求めた属性の組の任意の1
組の属性を選択し、その属性の組の中で任意の属性を親
ノードとして配置し、その親ノードの属性の分布が他の
カテゴリーと重なっていない範囲の値であれば前記親ノ
ードとして配置した属性でカテゴリーの分類を完了さ
せ、前記親ノードの属性の分布が他のカテゴリーと重な
っている範囲においては、前記他のカテゴリーと分類で
きなかったカテゴリーを子ノードとして配置し、その子
ノードの組の間で前記ステップ()〜(f)の処理を
行って前記親ノードとして配置した属性を除いた属性を
前記子ノードに対する親ノードとして配置し、これらの
処理をカテゴリーC前記状態(i)にあるカテゴリ
ーCとの間において分類すべき子ノードがなくなるま
で行うステップと、 (h)前記ステップ(g)において分類できなかった子
ノードにおいては前記ステップ(d)における前記状態
(ii)または(iii)の場合を考え、カテゴリーの
分割を、ある属性分布Tにおいてあるs個のカテゴリ
ーC,…,C,…,Cが重なり合っている場合、
ある属性Tにおいて任意のカテゴリーCは他のすべ
てのカテゴリーと重なりのない部分、任意のカテゴリー
と他の任意の1個のカテゴリーが重なる部分、任意
のカテゴリーCと他の任意の2個のカテゴリーが重な
る部分、・・・、任意のカテゴリーCと他の任意のs
−2個のカテゴリーが重なる部分、任意のカテゴリーC
と他の任意のs−1個のカテゴリーが重なる部分に分
け、この分割により、分割された新たなカテゴリーを作
り、分割したカテゴリーがすべての属性Tに対して空
集合の場合、新たなカテゴリーは作らないとするステッ
プと、 (i)属性値の確率分布を求めるステップと、 (j)ある任意の2つのカテゴリーにおいて、属性の分
布に重なりのある場合、それぞれのカテゴリーの重なり
のある部分の確率と重なりのない部分の確率を求めるス
テップと、 (k)前記ステップ(h)で求めたカテゴリーの分割に
よってできた新しいカテゴリーに対し、属性値の分布の
重なりの確率に基づく評価関数により評価を行い、最も
効率的な属性を選択し、(g)までのステップで分類で
きなかった子ノードに対し、最も効率的な属性によって
分類するステップと、 (l)前記(a)〜(k)のステップにより作成した
定木よりデータの分類のフローチャートを作成するス
テップとを有し、このフローチャートに従って、事故発
生時に測定した波形データにより事故原因診断を行うこ
とを特徴とする送配電線の事故原因診断方法である。
【0008】
【作用】事故原因により波形データが異なるため、波形
データを高速フーリエ解析し、その結果得られた属性デ
ータに機械学習の手法を適用して事故原因診断を行う。
これにより事故データの増加ならびに事故原因の対象の
変化等に対し、柔軟な対応が可能となる。
【0009】
【実施例】図1は本発明に係る事故原因診断方法を実施
するための試験回路の一例を示す電気系統図である。同
図において、1は遮断器、2はZPD(零相電圧検出
器)、3は電源側コンデンサ、4は零相変流器、5は負
荷側コンデンサ、6は事故発生用開閉器、7は高圧開閉
器、8は制御器、9は変圧器である。試験した事故発生
方法は、碍子、架橋ポリエチレンケーブル、鳥肉、完全
地絡、抵抗地絡、ギャップ地絡である。
【0010】故障時の零相電流をデジタル波形記録計
(サンプリングレートは48KHz)に記録した。記録
した波形の一部を200ms分切り出し、FFT(高速
フーリエ変換)波形により60Hzを基本波とする2次
から8次までの歪率(%)と全高調波歪率(%)(2次
から20次)を求めた。測定系の構成を図2のブロック
図に示す。また、代表的な波形とFFT解析結果を図3
に示す。
【0011】a)決定木学習方法 ここでは決定木学習方法について述べる。ここで選択す
べきm個のカテゴリーをC1 ,…,Ci ,…,Cm
し、これらのカテゴリーが個々にもつn個の属性を
1 ,…,Ai ,…,An とする。
【0012】事故原因診断における選択すべきカテゴリ
ーを、CI :碍子、CC :架橋ポリエチレンケーブル、
N :鳥肉、CK :完全地絡、CR :抵抗地絡、CG
ギャップ地絡とする。
【0013】また上記のカテゴリーが個々にもつ属性
を、A2 :2次高調波歪率、A3 :3次高調波歪率、A
4 :4次高調波歪率、A5 :5次高調波歪率、A6 :6
次高調波歪率、A7 :7次高調波歪率、A8 :8次高調
波歪率、AT :全高調波歪率とする。
【0014】各属性値の範囲は各属性値の最大値と最小
値とした。各属性値の範囲を表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】b)分離されているカテゴリーの組合せに
よる決定木の作成 すべてのカテゴリーを識別するためにまず任意の2つの
カテゴリーの属性値の分布を考えると、図4に示すよう
に三つの場合が考えられる。属性AK に関する分布に対
して、Ci から見たCj の相対的な関係は、 状態(i) Ci の属性値の分布とCj の属性値の分布は
重なっていない。 状態(ii) Ci の属性値の分布はCj の属性値の分布と
すべて重なっている。 状態(iii) Ci の属性値の分布はCj の属性値の分布と
一部重なっている。
【0017】ここで、属性AK によりCi とCj を完全
に識別できるのは状態(i) だけである。つまり、属性A
K でCi とCj が完全に識別可能であるためには、その
二つのカテゴリーの属性値の分布の状態が状態(i) であ
ることが必要条件となる。
【0018】CiとCjを属性AK により完全に識別でき
る場合を1、完全に識別できない場合を0と、ブール変
数に対応させ、式(1)に示すような係数bK を定義す
る。
【0019】 bK =1 状態(i) であり、属性AK により識別可能 bK =0 属性AK により完全には識別不可能 (1)
【0020】したがってf(Ci,Cj)により、AK
ブール変数と考え、Ci とCj を識別可能とする属性は
K を用い、論理和の形に表現すると次式のようにな
る。また属性AK のブール変数の記号を新たに定義する
必要があるが、計算結果を見れば識別にどの属性を用い
ればよいかわかるので、新たに定義しないこととする。
【0021】 f(Ci,Cj)=b1・A1+…+bK・AK+…+bn・An (2)
【0022】例えばカテゴリーC1とC2に属する対象が
属性A1,A2,A3を有し、属性A1とA2が状態(i)であ
る場合、属性A1又はA2を用いればC1とC2を識別でき
ることは明らかであるが、これは(2)式ではf
(C1,C2)=1・A1+1・A2+0・A3=A1+A2
となる。〔又は〕が論理和に相当する。
【0023】つまり、(2)式においてCiとCjはf
(Ci,Cj)=1となる場合に識別可能となり、f(C
i,Cj)の項の少なくとも一つの属性を用いればCi
jは完全に識別できる。
【0024】(2)式から任意の二つのカテゴリーを識
別する属性を求めることができる。例えばCIとCCを識
別する属性は次式で求めることができる。
【0025】 f(CI,CC)=A2 +A5 +A8 +AT (3)
【0026】少なくとも一つ以上の属性値の分布が完全
に分離しているカテゴリーの組合せを識別可能な属性集
合の組は、f(Ci,Cj)=1となるすべての組合せに
対してf(Ci,Cj)(i=1,・・・,n, j=
1,・・・,m, i≠j)の論理積Eをとることによ
り求めることができる。
【0027】 E=Πf(Ci,Cj) 但し、i∈{1,…,n}、j∈{1,…,m}, i≠j (4)
【0028】E=Πf(Ci,Cj)の演算結果は積和形
で表すことができ、積の形に表した一項をASx (属性
の組)とすると次のように表せる。
【0029】 E=AS1+・・・+ASx+・・・+ASp 但しAS
x=Aabc…(5)
【0030】従って、AS1,…,ASx,…,ASp
それぞれの一項は少なくとも一つ以上の属性AK の属性
値の分布が完全に分離しているカテゴリーの組合せを識
別可能な属性集合である。
【0031】式(5)によって少なくとも一つ以上の属
性値の分布が完全に分離しているカテゴリーの組合せす
べてを識別可能な属性集合の組が選択できる。
【0032】 E=A23+A25+A27+A29+A35+AT (6) となる。これを次のように置き換える。
【0033】 AS1 =A2 3 , AS2 =A2 5 , AS3 =A2 7 , AS4 =A2 9 , AS5 =A3 5 , AS6 =AT (7)
【0034】求められた6組の属性の組、AS1,A
2,AS3,AS4,AS5,AS6の属性を使うことに
より、分離しているカテゴリーの組合せによるカテゴリ
ーが識別できる。しかし碍子と鳥肉は識別できない。
【0035】c)識別木の各ノードへの属性の配置 (7)式で求めた6組の属性の組の内で任意の組を選び
出す。ここではAS6はAT を選択するとする。
【0036】識別木の各ノードへの配置は次のようにす
る。(7)式で得られた属性の組が2つ以上の属性を持
つ場合には、任意の属性を上位のノードに配置する。こ
の場合は1つしかないのでAT の属性を配置する。
(7)式で得られた属性の組が2つ以上ある場合は属性
の重なりの状態により、属性の分布に重なりのない領
域、属性の分布に重なる領域に分かれる。
【0037】属性がこれらの重なりのない領域の値にな
った場合には、根ノードで分類が完了する。
【0038】重なりのある領域はカテゴリー間の分類が
不可能であり、他の属性で再度分類する。その場合、重
なりのある領域のカテゴリーの識別に必要な属性の組を
再帰的に(2)及び(4)式により求める。その内で
(7)式で得られた属性の組の集合の内に入るものの中
で任意の属性を選ぶ。これらの処理をカテゴリーCi
状態(i) にあるカテゴリーCj との間において再識別ノ
ードがなくなるまで行う。
【0039】d)分離した属性を持たないカテゴリー識
別 CiとCjの二つのカテゴリーの属性値の分布の状態が状
態(i) となる属性AKを得ることができず、どの属性A
K に対しても、CiとCjの二つのカテゴリーの属性値の
分布が状態(ii)または状態(iii) である場合、つまりf
(Ci,Cj)=0の場合が考えられる。もしこのような
カテゴリーが存在するとCi,Cjの識別は不可能とな
る。以下、任意の二つのカテゴリーの属性値の分布が状
態(ii)または状態(iii) である場合の方法について説明
する。具体的には識別できない碍子と鳥肉はカテゴリー
の分類が必要である。
【0040】(1)カテゴリーの分割 ある属性値の分布AK に関してあるs個のカテゴリーC
1,…,Ci,…,Cs0が部分的に重なり合っている場
合、すなわちs個のカテゴリーのすべての組合せが図4
の状態(ii)または状態(iii) にある場合においても、部
分的にはカテゴリーの識別が可能な値の範囲が存在する
と考えられる。これらを用いれば部分的な識別が可能と
なるため、以下の方法でカテゴリーの分割を行う。
【0041】ある属性AK について任意のカテゴリーC
i と他の全てのカテゴリーと重なりのない部分、任意の
カテゴリーCi と他の任意の一個のカテゴリーが重なる
部分、任意のカテゴリーCi と他の任意の二個のカテゴ
リーが重なる部分、・・・、任意のカテゴリーCi と他
の任意のs−2個のカテゴリーが重なる部分、任意のカ
テゴリーCi と他の任意のs−1個のカテゴリーが重な
る部分に分けることができる。上記の分割により、分割
した新たなカテゴリーを作ることができる。また任意の
カテゴリーCi と他の任意のs−n個のカテゴリーが重
なる部分の組合せの数は ss-n+1 で与えられる。また
分割したカテゴリーがすべての属性AKに対して空集合
の場合、新たなカテゴリーは作らないとする。
【0042】具体的に図5で子ノードが3個のカテゴリ
ーC1,C2,C3 が区別できない場合を考える。ここで
の属性をA1 ,A2 とする。
【0043】ここでカテゴリーCi と他のすべてのカテ
ゴリーとの重なりのない部分によって新しく作られたカ
テゴリーをCi*とする。例えば図5の属性A1 に関して
作られたCi*のように属性値の分布が分離される場合も
ある。任意のカテゴリーCiと他の任意の一つのカテゴ
リーCj が重なる部分によって新しく作られたカテゴリ
ーをCij* とする。例えば図5の属性A1 に関して作ら
れたC13* である。新たに作られたC13* はカテゴリー
1 かカテゴリーC3 を意味する。以下任意のカテゴリ
ーCi と他の任意の二つのカテゴリーが重なる部分か
ら、新しく作られたカテゴリーを同様に定義する。図5
の属性A1 に関してはC2*とC3*は空集合のため、新た
なカテゴリーを作らないとする。このとき新たに作られ
たカテゴリーは、すべての任意の二つの組合せにおいて
状態(i) を満たすので、属性AK を使って上記の方法に
よりカテゴリーの分割を行うことができる。
【0044】識別できない碍子と鳥肉はカテゴリーの分
離が必要である。属性AK に関して任意のカテゴリーC
i は他のすべてのカテゴリーと重なりのない部分のカテ
ゴリーに分割できる。碍子と鳥肉の場合はCI*,CN*
カテゴリーを作ることができる。以下同様に任意のカテ
ゴリーCi と他の任意の一つのカテゴリーが重なる部分
のカテゴリーCIN* を作ることができる。そのカテゴリ
ーの属性値の分布を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】(2)分離した属性を持たないカテゴリー
識別 属性値の分布が完全に分離していないカテゴリーの集合
に対してカテゴリーの分割により、新たなカテゴリーを
生成する。どの属性を使って新たなカテゴリーを生成す
るかを属性の確率分布により決定する。
【0047】属性の確率分布は以下のように表現するこ
とができる。属性AK の表す確率変数をZとし、属性値
K での確率をpi とすると、属性AK の確率分布は
【0048】 P(Z=zK )=pi (8) とおくことができ、任意の属性AK の属性値の分布にお
いてa≦Z≦bの範囲の確率は、
【0049】
【数1】
【0050】上式よりa≦Z≦bの範囲の確率を求める
ことができる。上記で求めた確率を用い、子ノードの識
別に効果的な属性の選択を行う。
【0051】任意のカテゴリーCi とCj の属性値の分
布において、他の分布と重なりのない部分の確率の高い
属性値はより高い確度でどのカテゴリーに属するか識別
できる。そこで、ある属性AK におけるカテゴリーCi
のCj に対して全く重なっていない領域の属性値の確率
分布を求め、その確率をp(DJAK(Ci,Cj))とす
る。これはAK がCi の識別に対してどの程度Cj の影
響があるかを示すものである。
【0052】確率p(DJAK(Ci,Cj))を使い、次
の評価関数を定める。評価値の一番高い属性を用い、子
ノードの識別を行う。
【0053】
【数2】
【0054】次に属性の確率分布を考える必要がある
が、ここでは計算を簡単にするために、属性値の確率分
布が最大値と最小値の間で一様に分布しているものとし
て考える。次に評価値F*(AK)の算出ならびに子ノード
の識別を行う。式(10)を用いて算出する。その結果
を表3に示す。その結果F*(A3)が最大であるので、属
性A3 を用いてカテゴリーCI*,CN*,CIN* を識別す
ることができる。図6に決定木による学習結果を示す。
図6の決定木により碍子と鳥肉以外は完全に識別でき
る。完全に識別できない碍子と鳥肉はカテゴリー分割に
より碍子のサンプルの95%は碍子と識別できるが、5
%は碍子もしくは鳥肉と識別できる。また鳥肉のサンプ
ルは70%が識別できるが30%は碍子もしくは鳥肉と
識別できる。
【0055】
【表3】
【0056】図6を用いた識別木学習の結果を用いて事
故原因診断のフローチャートを作成すると、図7のよう
になる。
【0057】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば下記の
効果を奏する。 地絡事故原因を診断することにより、事故の探査を
容易にすることができる。 永久地絡に発展する前に短時間で消滅する地絡事故
に対し、事故原因を診断して前駆現象の段階で不良個所
を発見し、事前に電力供給支障を防止することができ
る。 機械学習を用いることにより、人間の主観の入らな
い診断アルゴリズムを自動的に作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る事故原因診断方法を実施するた
めの試験回路の例を示す電気系統図である。
【図2】 本発明に係る事故原因診断方法の試験装置の
構成例を示すブロック図である。
【図3】 本発明に係る各事故原因についての代表的な
波形とFFT解析結果を示す図である。
【図4】 二つのカテゴリー間の属性値分布関係を示す
説明図である。
【図5】 本発明に係るカテゴリーの分割を示す説明図
である。
【図6】 本発明に係る識別木学習の結果を示す説明図
である。
【図7】 本発明に係る事故原因診断のフローチャート
である。
【符号の説明】
1 遮断器、2 ZPD(零相電圧検出器)、3 電源
側コンデンサ、4 零相変流器、5 負荷側コンデン
サ、6 事故発生用開閉器、7 高圧開閉器、8制御
器、9 変圧器
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−78420(JP,A) 特開 平2−241333(JP,A) 情報処理学会第43回(平成3年後期) 全国大会講演論文集 7D−6「配電線 事故診断システムにおける決定木学習の 検討」 岩波講座 情報科学−21 長尾真編 「パターン認識と図形処理」

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)波形データを高速フーリエ解析を行
    い、その結果得られた属性データを収集するステップ
    と、 (b)データを分類するカテゴリーC〜C〜C
    設定し、それぞれのカテゴリーが持つ属性T〜T
    毎に測定データを集計するかあるいは計算によりシ
    ミュレートするステップと、 (c)集計または計算されたデータ対応するカテゴリ
    ーに区分けして各属性毎の分布をとるステップと、 (d)集計または計算されたデータ毎の分布に着目した
    カテゴリーCと他のカテゴリーCとの属性値の分布
    の重なりの状態に基づいて、少なくとも1つの属性の分
    布においてカテゴリーCからCを完全に識別できる
    状態(i)か、カテゴリーCとCにおいてCの属
    性の分布がCの属性の分布と一部分重なりのある状態
    (ii)かまたはカテゴリーCとCにおいてC
    属性の分布がCの属性の分布に包含される状態(ii
    i)に判別するステップと、 (e)前記カテゴリーCとC前記状態(i)にあ
    る任意の一つのカテゴリーと他の任意の一つのカテゴリ
    を分類可能とする属性集合の組を選択する場合、分
    類可能な属性を1、分類できない属性を0という係数を
    前記属性集合の各属性に乗じたブール変数を設定し、
    記係数を乗じた各属性を論理和の形の論理式に表現する
    ステップと、 (f)前記カテゴリーCとC前記状態(i)の組
    合せすべてのカテゴリーにおいて前記ステップ(e)で
    求めた論理式の論理積をとることにより、すべてのカテ
    ゴリーを互いに分類可能とするための属性の組を求める
    ステップと、 (g)前記ステップ(f)で求めた属性の組の任意の1
    組の属性を選択し、その属性の組の中で任意の属性を親
    ノードとして配置し、その親ノードの属性の分布が他の
    カテゴリーと重なっていない範囲の値であれば前記親ノ
    ードとして配置した属性でカテゴリーの分類を完了さ
    せ、前記親ノードの属性の分布が他のカテゴリーと重な
    っている範囲においては、前記他のカテゴリーと分類で
    きなかったカテゴリーを子ノードとして配置し、その子
    ノードの組の間で前記ステップ()〜(f)の処理を
    行って前記親ノードとして配置した属性を除いた属性を
    前記子ノードに対する親ノードとして配置し、これらの
    処理をカテゴリーC前記状態(i)にあるカテゴリ
    ーCとの間において分類すべき子ノードがなくなるま
    で行うステップと、 (h)前記ステップ(g)において分類できなかった子
    ノードにおいては前記ステップ(d)における前記状態
    (ii)または(iii)の場合を考え、カテゴリーの
    分割を、ある属性分布Tにおいてあるs個のカテゴリ
    ーC,…,C,…,Cが重なり合っている場合、
    ある属性Tにおいて任意のカテゴリーCは他のすべ
    てのカテゴリーと重なりのない部分、任意のカテゴリー
    と他の任意の1個のカテゴリーが重なる部分、任意
    のカテゴリーCと他の任意の2個のカテゴリーが重な
    る部分、・・・、任意のカテゴリーCと他の任意のs
    −2個のカテゴリーが重なる部分、任意のカテゴリーC
    と他の任意のs−1個のカテゴリーが重なる部分に分
    け、この分割により、分割された新たなカテゴリーを作
    り、分割したカテゴリーがすべての属性Tに対して空
    集合の場合、新たなカテゴリーは作らないとするステッ
    プと、 (i)属性値の確率分布を求めるステップと、 (j)ある任意の2つのカテゴリーにおいて、属性の分
    布に重なりのある場合、それぞれのカテゴリーの重なり
    のある部分の確率と重なりのない部分の確率を求めるス
    テップと、 (k)前記ステップ(h)で求めたカテゴリーの分割に
    よってできた新しいカテゴリーに対し、属性値の分布の
    重なりの確率に基づく評価関数により評価を行い、最も
    効率的な属性を選択し、(g)までのステップで分類で
    きなかった子ノードに対し、最も効率的な属性によって
    分類するステップと、 (l)前記(a)〜(k)のステップにより作成した
    定木よりデータの分類のフローチャートを作成するス
    テップとを有し、このフローチャートに従って、事故発
    生時に測定した波形データにより事故原因診断を行うこ
    とを特徴とする送配電線の事故原因診断方法。
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