JP3213304B2 - 配電線事故診断方法及びその装置 - Google Patents

配電線事故診断方法及びその装置

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JP3213304B2 JP06271889A JP6271889A JP3213304B2 JP 3213304 B2 JP3213304 B2 JP 3213304B2 JP 06271889 A JP06271889 A JP 06271889A JP 6271889 A JP6271889 A JP 6271889A JP 3213304 B2 JP3213304 B2 JP 3213304B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、配電線において発生した事故の原因を診断
する事故診断方法及び装置に関する。
〔従来の技術〕
従来、配電系統の故障発生時の保護及び事故診断は、
基本的には各配電用変電所に取り付けられている配電線
保護リレーで行われてきた。また、事故区間検出の方法
としては、変電所の遮断器が開放後、時限順送により、
区分開閉器を順次投入し、再度、変電所の遮断器が開放
することにより、事故区間の切り離し、及び健全区間に
再送電をする時限順送式故障区間検出方式、あるいは区
分開閉器をコンピュータで遠方制御し、事故区間の切り
離しや融通送電をする遠方制御システムなどが採用され
てきた。
このような場合、従来は、変電所のみにおける計測に
よって行ってきた配電系統の保護を、近時は、変電所に
おける計測とともに、広く配電系統の各所にわたって計
測し、その結果を光ファイバーケーブル等を用いた情報
伝送網を通じて一個所(変電所端局)に収集・処理する
ことにより、配電系統全体に対して総合的に保護・制御
するようになった。
配電線各所に配置されている遠方制御用開閉器(第1
図参照)の設置個所及びその中間の必要個所には、各相
電圧センサ、零相電圧センサ、各相電流センサ、零相電
流センサを装備し、常時測定している。それらの値は、
開閉器等の設置個所に設けられた前記センサ類からの信
号をそれぞれの個所に設けられた端局(子局)において
ディジタル量の実効値や位相角に変換され、または各電
圧電流の波形をそのまま情報として開閉器の投入・開放
の情報とともに変電所端局(親局)に伝送される。親局
は、配電系統の構成・接続状態、各開閉器類の種類(遠
方制御用開閉器,手動開閉器,線路用遮断器)、電流セ
ンサの方向性、回路容量等、制御に必要なデータを記憶
しており、それらの情報と、子局から送られてくる情報
を合わせて、総合的に事故処理の判断をし、最適制御を
行う。
第1図に一般の配電線の例を示す。これは、時限順送
式故障区間検出方式又は遠方制御方式による配電系統の
ブロック図である。この配電系統は、変電所SS1,SS2に
それぞれ、遮断器CB1,CB2、常閉区分開閉器S1〜S5,S11
〜S13、逆送融通用の常開区分開閉器S10、前記遮断器CB
1,CB2によって送電されている配電線路L1〜L6,L11〜L1
4、変電所の事故検出装置(親局)R0及び前記各区分開
閉器の事故区間検出用制御装置(子局)R1〜R5,R10〜R1
3により構成されている。
従来においては、たとえば特公昭45−8460号公報に記
載された制御方法では、配電線路L3に事故が発生すると
事故検出信号により変電所SSの遮断器CB1をトリップさ
せ、遮断器CB1の再閉路を待って電源側より順次、区分
開閉器S1を投入し、次に区分開閉器S2により事故区間を
投入し、次に区分開閉器S2により事故区間を投入した
時、再度遮断器CB1がトリップすることによって、事故
区間L3の判定を行うというものである。
これにより、事故停電範囲、時間の縮小、短縮等の電
力供給信頼性を図るようにしている。
しかしながら、この従来の方法の場合は、遮断器CB1
のトリップ後、再度遮断器CB1の再閉路によって事故区
間を検出し、再々閉路により健全区間のみに送電し、事
故区間の電源側の区間L1,L2には配電線L1より送電し、
その後、負荷側の区間L4〜L6には配電線L11よりL12〜L1
4を経て逆送融通送電を行う必要があった。前記の方法
では、事故区間L3以外の区間L1,L2,L4〜L6についても長
時間の停電を伴うために電力安定供給に支障を及ぼして
いる。
近年においては、OA化,FA化が進展し、高度情報社会
への変貌等から、短時間の停電であっても社会に与える
影響が大となり、より高品質、高信頼度の電力供給が要
望されるようになった。この要望は、事故発生から健全
区間の配電に至るまでに1〜2回の停電を伴うという従
来の時限順送方式の機能,性能では満足できず、また事
故点の早期発見、事故原因の早期診断、事故の未然防止
など、新しい事故処理方式の開発が要求されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
このような社会的要求に鑑み、地絡事故時に健全区間
の停電を極力減らすため、配電線の各区分点における事
故情報を収集・分析し、事故点を判定するシステムある
いはその判定結果に基づいて各区分開閉器を遠方制御す
るシステムなどが採用されている。たとえば、特公昭57
−43021号公報に記載されたもの等がある。しかしなが
ら、それでもなお、事故原因の早期診断、事故の未然防
止という点については不十分であった。
配電系統における事故現象は、複数多岐にわたり、同
様の原因であっても事故現象が異なり、さらに周辺の回
路条件も刻々変動し、その影響が加わる。そのため、事
故時に各所で線路情報を検出、計測して事故情報として
収集しても、それらによって事故現象を的確に解析し、
早急に事故原因を診断するのは至難のことであった。
配電系統において、ケーブルや碍子等の絶縁不良や樹
木接触による微地絡や間欠弧光地絡に伴う事故の中に
は、供給支障となる永久地絡に発展する前に、短時間で
消滅するため、遮断器トリップにまで到らない事象や、
遮断器トリップ後に自然消滅する再閉路成功事故などの
前駆現象を繰り返すものがある。このような前駆現象の
段階で、不良個所を発見することができれば、事前にこ
れを修理して、供給支障を防止することができるが、そ
の発見は極めて困難であるため、不良個所の推定手法の
開発が望まれている。
複雑な事故の様相を呈するものに断線事故がある。断
線事故を分類すると次の3種類のものがある。
1)雷によるアーク断線 2)応力腐食断線 3)他物接触などの機械的衝撃に起因する機械断線1)
の場合は、短時間であるが短絡電流が流れる。その中に
は、変電所の遮断器が開放する前に消弧してしまうもの
もある。2),3)の場合は断線するまで電気的な変化が
ない。
断線検出のシステムは、種々の方式が検討されている
が、あらゆる断線事故を検出できる有効な方式はいまだ
確立されていないのが現状である。
雷アーク断線は短絡を伴うものであり、事故区間の検
出、事故遮断、健全区間の復旧は一般の短絡事故と全く
同様である。断線かどうかの判断は、 1)地絡を伴う短絡事故は一応断線と判断する。
2)変電所のリレートリップ以前に消滅する地絡短絡に
ついては、事故区間判定の後、その負荷側配電線の零相
電圧をチェックし、発生していれば断線と判断する。
などの方法が考えられる。
機械的断線は、 1)変電所における零相電流変化 2)断線点より負荷側における零相電圧の発生あるいは
線間電圧の異常の組み合わせで、断線事故の発生ならび
にその区間を検出する方式が有力である。
零相電流の変化は、柱上変圧器カットアウト断などに
よっても発生するので、必ずしも断線事故に結びつくと
は限らない。また、検出できる断線事故は開閉器どうし
を結ぶ配電線幹線であり、分岐線に適用範囲を広げるた
めには、分岐線末端に電圧センサを設置し、その情報を
変電所端局(親局)に伝送する機能が必要となる。
断線の検出は、下記によって判断する。
1)事故区間の負荷側の相電流Ia,Ib,Icのいずれかが流
れないか異常に減少する。また、線間電圧Vab,Vbc,Vca
の異常低下がある。
2)事故発生によりV0(零相電圧)が発生する。
3)電線サイズ、短絡電流,短絡電流の継続条件より断
線かどうか判断する。但し、条件の設定が問題である。
これらの現象のうち、1つだけで判断できる場合もあ
るが、判断できないことも多いので、総合的に判断する
ことにより、より確実に判定することができる。
前記2)の零相電圧V0は以下の式で与えられる。
但し、VOA1は1線断線の場合の零相電圧 VOA2は2線断線の場合の零相電圧 Eは相電圧 ZOBは断線点以降の零相インピーダンス ZOAは断線点より電源側の零相インピーダンス 末端における零相電圧V0は以下の式で与えられる。
但し、VOB1は1線断線の場合の零相電圧 VOB2は2線断線の場合の零相電圧 上述のような状況の中で、事故時の零相電圧,零相電
流,線路電流などの波形が事故原因の違いによって変化
することから、波形分析によって事故原因を判別しよう
とする研究もなされている。これは、模擬実験とフィー
ルド試験を繰り返し行い、データを収集し、事故原因種
別毎の波形をパターン化や、高調波含有率の分類等を行
って蓄積しておき、実事故時の収集情報の波形や高調波
含有率を分析して比較することにより、事故原因の判別
をしようとするものである。
しかしながら、事故現象を満遍なく実験するには、膨
大なデータ数が必要となり、その収録も煩雑で多大な手
数を必要とする。
また、実事故情報の解析に当たって、各事故原因に対
するパターンが明確に分別できず確率的な判断を要する
ため、比較判別に多大な工数を要し、かつ的確に適合す
るパターンの特定ができないとか手間取るなどにより、
的確な早期の判定が期待できないおそれがある。また閾
値の近くでは不適当な判断をする場合が出てくる。
本発明は、配電系統において事故が発生した場合、配
電系統の各所から送られてくる各種データすなわち多地
点多元情報に基づき、事故検出、事故種別の判定、事故
区間検出はもとより、事故原因診断を的確、早期に行う
ことを目的とし、あわせて事故頻度データより危険度表
示を可能とすることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本願は、配電用変電所母線、配電用遮断器、事故診断
装置を備えた親局、区分開閉器、及び該区分開閉器を制
御し、配電線路に配置されたセンサの情報と遮断器や区
分開閉器などの入切動作情報と継電器類の動作情報を含
む区分された配電線の情報を前記親局に送信する子局か
らなる配電系統における配電線事故診断に係る発明であ
って、あらかじめ、事故原因別ごとに統合歪率、直流成
分ならびに高調波成分の値を事故原因別にデータを収集
し、それぞれの値が事故原因別ごとに、どの程度関与す
るかを表わす評価関数を決め、配電線路より零相電圧な
らびに零相電流の事故波形を入力し、その波形から統合
歪率、直流成分ならびに高調波成分の値を求め、前記事
故波形における統合歪率、直流成分ならびに高調波成分
のそれぞれの値がどの程度、各種事故原因に関与してい
るかを、前記評価関数を用いて評価し、前記それぞれの
値の評価関数を用いて事故原因を推論し、この推論結果
に基づき事故原因を診断する事故原因診断工程と装置を
有することを特徴とする。
〔実施例〕
以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて具体的に
説明する。
本発明が適用される配電線の構成をたとえば第1図の
ブロックに示すようなものとし、親局R0で各区分開閉器
を遠方制御するものとする。
この配電線において、各所センサにもたせる機能は、
区分開閉器側では、零相電圧V0及び各相間電圧Vab,Vbc,
Vca、零相電流I0及び各相線電流Ia,Ib,Ic、V0とI0の位
相角φ、区分開閉器の入切、変電所側では零相電圧V0
及び各相間電圧Vab,Vbc,Vcaの検出値及び波形、零相電
流I0及び各相線電流Ia,Ib,Ic、の検出値及び波形、V0
I0の位相角φである。
また、配電線路要素情報としては、上記の配電線路に
設置されたセンサの情報のほか、遮断器や区分開閉器な
どの入、切動作情報、継電器類の動作情報を含む。
いま、区間L3に地絡事故が発生したとすると、各区分
開閉器に内蔵するなど区分点に設けられた各種センサの
測定データが変化し、これらの線路情報を各子局Ri(i
=1〜5,11〜14)を通じて親局R0に収集する。
親局R0は、これらの線路情報に基づき事故区間を判定
し、指令を出す。指令により、まず連絡開閉器S10を投
入し、そのあと事故区間両端の開閉器S2,S3を開放す
る。これにより、事故区間L3が切り離され、健全区間L
1,L2,L4〜L6,L11〜L14に送電される。
本発明においては、親局R0において事故区間判定する
とともに、事故原因の診断を行うものである。
特に、配電線路の事故原因診断に際し、想定される事
故原因毎のメンバーシップ関数(帰属度関数)を設定
し、実事故の情報が送信されてくれば、このメンバーシ
ップ関数あるいは評価関数計算などを用い、あるいはフ
ァジー計算,手法を用いるなど、近似的な推論、そし
て、早急に判定結果を求めることができ、しかも的確な
診断を可能にすることができる。
メンバーシップ関数等の評価関数の設定の際は、適度
な数のデータ検証を行えばよく、膨大な実験やデータ収
集,登録,判定に当たっての比較手段を必要とせず、簡
単でしかも的確な処理が可能になる。
なお、ここでは、メンバーシップ関数と評価関数とを
区別して説明するが、後述のように、メンバーシップ関
数は広義の評価関数の一つであり、総括して「評価関
数」と表現することができる。
この事故原因診断のフローチャートを第2図に示す。
この親局R0におけるシステムの入力情報ならびにシステ
ム構成を第3図に示す。この診断システムは、図に示す
ように4つのサブシステムに機能別に階層化している。
これにより、知識の構築ならびに検証、修正を容易にし
ている。
図中、V0は零相電圧、I0は零相電流、Iは線路電流、
φは零相電圧V0と零相電流I0の位相角である。
この場合、サブシステム1は数値情報と波形情報とし
て採り入れ、サブシステム2は数値情報として採り入
れ、また、サブシステム3は数値情報と波形情報として
取り入れる。サブシステム3にはサブシステム1,2の情
報を加味するとより的確な判断ができる。
サブシステム1は、事故検出ならびに事故種別判定を
するもので、従来、変電所に取り付けられている保護リ
レーにより、短絡ならびに地絡を検出するだけであった
が、本システムでは、微地絡、断線、雷サージなどの検
出が総合的に行なえる。また、知識をプロダクションル
ール(制御則)で書くため、より複雑な事故や、修正,
追加に対しても対応可能となる。
サブシステム2は事故区間探索をするもので、配電線
各所のポーリング情報による事故区間探索をする。この
サブシステム2では事故区間探索とともに、配電線各所
のポーリング情報により、再度事故種別判定を行うこと
ができる。例えば、地絡,短絡を伴う雷断線事故のよう
な場合、前記サブシステムの事故種別判定では地絡又は
短絡と判定されてもポーリング情報により断線の判定が
可能になる。
サブシステム3は、事故原因診断をするものである。
事故原因別により、零相電流I0ならびに零相電圧V0の波
形が異なる。また、その波形は線路インピーダンス、対
地静電容量、地絡抵抗などで微妙に波形が異なるため、
通常のプロダクションシステムでは、診断ルールの記述
が困難である。したがって、第4図に示すような事故原
因診断システムで、各入力データの事故判定に対する関
与の度合をファジー表現し、これに基づく推論より事故
原因診断を可能にするとともに、修正、変更に対し柔軟
性を与える。
サブシステム4は、事故頻度データ収集をするもので
ある。事故頻度データの収集により微地絡と事故発生の
危険度の予知が可能で、また雷予知も可能になる。
サブシステム2における事故区間判定は、この場合、
比較方式としており、零相電圧V0、零相電流I0のいずれ
かが検出された時、事故区間を判定する順番は例えば以
下のようにする。
(1)ポーリングを行う順番に事故を判定する。
(2)地絡事故が起こったらどのフィーダ(回線)に事
故が起こったかをまず判定し、そのフィーダのみ事故区
間と判定する。
なお、事故区間を検出した場合、地絡検出から事故区
間切り離しまでのデータは後刻の検証確認等のために、
記憶あるいは記録しておく。
次にサブシステム3をさらに詳細に説明する。第4図
は事故原因診断システムのフローチャートで、事故波形
入力31、波形解析32、各要素の事故関与度のファジー表
現33、プロダクションルールによる推論34、事故原因診
断35、従来から用いられている手続き形プログラムによ
る推論工程36、及び評価結果のファジー表現による推論
工程37よりなる。工程33、34あるいは37を組み合わせた
部分は総括的にファジー推論Fに属し、総括的な表し方
としてファジー推論Fとすることができる。
なお、診断の方法としては、 前記Aルート(31→32→33→34→35)のほか、 Bルート(31→32→33→37→35)や、 Cルート(31→32→34→35)、 Dルート(31→32→33→36→35)、 Eルート(31→32→36→35)、 Fルート(31→32→34→37→35) などがある。
これらは事故現象の複雑さによって随時選択され得る
もので、事故現象が簡明な場合は、A→Eになるにした
がって診断処理は簡単にかつ早急になるが、事故現象が
複雑になるにしたがってE→Aへバージョンアップしな
ければ診断処理が誤ったり困難になったりする。Fルー
トはBルートと同等である。
第5図は工程36で用いられる論理形解析による推論の
アルゴリズムの例を示したものである。この場合は、工
程33で算出された評価関数fg,fj(定義は後述する)の
値を用いて、工程36で数値解析により推論する。波形解
析工程32では零相電圧V0ならびに零相電流I0の波形を、
統合歪率、直流成分ならびに高調波成分などに分解す
る。
第6図は、工程33において、工程32の波形解析結果か
らの事故関与度に関するファジー表現の一例を示す。
ここで、Shvgは碍子不良時の零相電圧統合歪率の事故
関与度のメンバーシップ関数、Shvjは樹木接触時の零相
電流統合歪率の事故関与度のメンバーシップ関数であ
り、縦軸はメンバーシップ関数の値、横軸は前提条件の
値である。
同様にして、零相電流の統合歪率、零相電流の直流成
分ならびに零相電流の直流成分についても事故関与度に
関してファジー表現を行う。それぞれのメンバーシップ
関数を第1表に示す。
ファジー係数のメンバーシップ関数は、データ数が多
ければ正規分布もとれるが、一般に多くのデータを集め
ることは困難性があり、また判断の際の裕度がかなり大
きいので、メンバーシップ関数の精度はそれ程必要でな
く、近似的なもので充分である。この場合、山形三角形
で表す。
次に、事故原因別の事故可能性の評価関数を、前記の
事故関与度に関するメンバーシップ関数の和として定義
する。すなわち、 fg=Shvg+Shig+Sdvg+Sdig ……(1) fj=Shvj+Shij+Sdvj+Sdij ……(2) これを用いて、第2表に示すようなプロダクションル
ールにより、事故原因を診断する。
このような手法を用いれば、微地絡などの場合は変電
所の遮断器が開放する事故に発展する前に事故予知が可
能となる。
前記計算式(1),(2)は評価関数の一例を示した
もので、他の例として、重み付けをすることもできる。
すなわち、 fg′=k11Shvg+k12Shig+k13Sdvg+k14Sdig ……(3) fj′=k21Shvj+k22Shij+k23Sdvj+k24Sdij ……(4) ただし、k11〜k14,k21〜k24は重み付けの係数であ
る。
これらの係数の決め方は、実験を行って実情に合うよ
うに決める。そのほか、評価関数の定義はシミュレーシ
ョン結果等の実情に合わせて種々のものが選定できる。
上記の(3),(4)式が評価関数の一般的表し方で
あるが、この評価関数の表し方はこれに限定されるもの
ではない。また、前記(1),(2)式や個々のメンバ
ーシップ関数は、(3),(4)式から重み付けの計数
のとり方で導出され、それぞれ評価関数の一種と考えら
れ、これらを総括して一般に「評価関数」と表現するこ
とができる。
上記において、プロダクションルールを用いる場合
は、情報をうまく活用するというやり方でルール(規
則)が設定できる。そしてモデルが如何に現実にうまく
合うかあるいは如何に作り易いかという観点からモデル
を成長させ、人間の判断に近づけていく。その場合、フ
ァジーのルール型モデルを考えると、ルールの個数が余
り多くなく、具体的には数十個止まり位であると、大体
ファジーの推論方式が現場でうまく当てはまる。ファジ
ーを用いたプロダクションルールは、本質的に少数のル
ールに絞り込むところに特徴がある。
通常の例えばエキスパートシステムのプロダクション
システムではルール数が多くなる。なぜなら、エキスパ
ートシステムでは閾値で表すため、どこかで区画するこ
とになり、その境目が接点になる。それを防ぐため、柔
軟性を持たせようとすると、一つのパラメータに対し、
閾値で多く分割し、それぞれにルール化を施すことにな
り、ルール数が多くなる。
その一例として第7図を示す。縦軸にメンバーシップ
関数として「若さ」、横軸に前提値として「年令」をと
った例で説明する。ファジー表現をa曲線で、エキスパ
ートシステムによるものをb曲線とする。例えば若いか
若くないかということになると全体から見て25歳前後が
接点となる。この辺で僅かの年令の差で若いと若くない
とに画然と別れ、実際の感覚と違った不適当な判断をす
る場合が生じる。これを避けるため、0〜50歳の間を細
分すると各区画ごとにルールを必要とし、ルール数が増
すことになる。このような場合に「若さ」を表すのにフ
ァジー表現すると、境目がぼやけるので、区画を減らす
ことができ、したがってルール数も少なくできる。
他の例として、接地線(以下GWという)電流による故
障区間標定の例をとると、故障時のGW電流の大きさは、
故障条件、故障点、故障時の系統条件(片回線停止な
ど)によって大幅に変化する。したがって、閾値を高く
設定すると故障区間を逃がすケースがあり、逆に低く設
定すると故障区間と判定される区間が多数現れ、標定本
来の意味がなくなってしまう。以上のことから、最適な
閾値を選ぶことは非常に難しく、たとえ最適な値を選ん
でも不良標定をなくすことができない場合も生じる。
一方、故障シュミレーションを繰り返すうちに、得ら
れるGW電流分布情報はあいまいながらも地絡故障地点で
急峻な電流変化を生じるという現象が見られる。したが
って、この分布を見れば故障区間を確実に指摘できると
いうことである。そこで、このような人間の思考に近い
標定論理としてファジー理論を応用すれば、標定率の高
い手法が開発できると考えられる。
通常の集合論では電流値差のある閾値を与えてその集
合に属するかどうかを明確にする。これに対し、ファジ
ー理論では電流値差が大きい集合というあいまいな集合
を考え、得られたデータがその集合にどの程度帰属して
いるかを評価するものである。故障時に得られた各区間
のデータがその集合に属する度合が大きいほど、その区
間で故障が発生した可能性が高いと考え、最も大きい区
間を故障区間と標定するというものである。この集合に
属する度合の設定を帰属度関数(メンバーシップ関数)
と呼ぶ。この関数は理論的に導出される必要はなく、任
意に設定できるものである。
第4図におけるファジー推論Fの工程33,37等の態様
について、さらに説明する。
第8図(a),(b)は、前記(1)式又は(2)式
で示されたメンバーシップ関数の和fg又はfjを横軸とし
て事故の可能性の確からしさを表したメンバーシップ関
数であり、特に第8図(b)はその形からシグモイド関
数とも称する。この関数の形は一般的には次式で与えら
れる。
ここで横軸χはfg又はfjの値、縦軸yはメンバーシッ
プ関数の値で碍子不良の可能性を表す。αはメンバーシ
ップ関数が0.5になるχの値で曲線の中心になる。βは
曲線の傾斜を表す値で、この値が小さくなると曲線が立
ってくる。α,βの各値に対する曲線の形は第8図
(b)のようになる。このような曲線の形や、α,βの
値のとり方は、実験や経験によって決めるもので、この
式に限定されることなく、第8図(a)のような形であ
ってもよい。第8図(a),(b)のような図を用いて
推論するのは、第4図に示す工程34のプロダクションル
ールによる推論工程34をファジー表現して推論する工程
37で置き換えたもので、前記診断方法のBルートであ
る。
これを例えばアレスタ不良のファジー推論に適用した
場合を考える。
第9図(a)〜(d)に下記の各メンバーシップ関数
を示す。
これら4つのファジー表現したメンバーシップ関数を
条件として、 fc=Shvc+Shic+Sdvc+Sdic ……(6) を求め、第9図(e)のメンバーシップ関数(シグモイ
ド関数)で推論し、判定する。この方法は前記のfgやfj
にも同様に適用できる。
ファジー関数の導入に当たって実験した結果は次の通
りである。なお、メンバーシップ関数は正規分布とし、
第10図(a)〜(d)に示す。
第10図(a)は零相電圧統合歪率、(b)は零相電流
統合歪率、(c)は零相電圧直線成分、(d)は零相電
流直流成分についてそれぞれ示している。
中実碍子(x1)、絶縁電線がコンクリート路面へ落下
(x2)、アレスタ不良(x3)、樹木接触・金属アース
(x4)の4つの場合について、Shv(xi)、Shi(xi)、
Sdv(xi)、Sdi(xi)(i=1〜4)及び評価関数を計
算する。
(5) 評価関数の計算 f(xi)=Shv(xi)+Shi(xi)+Sdv(xi)+S
di(xi) 但し(i=1〜4) の値を求める。その結果は前記表の合計欄のようにな
る。
この結果について考察する。例えば中実碍子不良の場
合、得られたデータを各場合のメンバーシップ関数に当
てはめて評価関数を算出すると、前記(1)表のように
なり、中実碍子のメンバーシップ関数に対しては f(χ)=Shv(x1)+Shi(x1)+Sdv(x1)+Sdi
(x1)=4 が得られる。また、例えばアレスタ不良のメンバーシッ
プ関数に対しては、 f(χ)=Shv(x3)+Shi(x3)+Sdv(x3)+Sdi
(x3)=1.95 が得られる。
前記(1),(2),(3),(4)各表から明らか
なように、他の場合についても同様な結果が得られる。
以上のことから、該当しないメンバーシップ関数の
和、すなわち評価関数は、2以上になることはないこと
が分かる。そこで前記第2表のようにf(χ)(fg,f
i,‥‥)が2.5以上であれば、その事故であることが確
実として定めた。この値を決めることが前記実験の目的
である。第8図(a),(b)はこれをファジー表現し
たものである。
上記4つの場合の波形解析結果(ディジタルデータ)
の例を第4表に、アナログ波形の出力例を第11図に示
す。
次に、第4図におけるFルートによる診断についてさ
らに説明する。樹木接触事故時を例にとり、そのときの
零相電圧の統合歪率(χ)とメンバーシップ関数
(Shr)の関係を次のようにする。まず、樹木接触時の
メンバーシップ関数Shvjについて閾値に分ける。
についても求め、前記(1),(2)式よりfj又はfg
算出し、事故原因の可能性を前記工程37で推論し診断す
るものである。
この方法は、工程34において工程33におけるファジー
表現をプロダクションルールに置き換えるもので、メン
バーシップ関数を連続で考えるのでなく、離散的に考
え、多くの閾値に分けるところに特徴がある。
事故現象の特徴として実験結果から次のことが分かっ
た。
設備の自然劣化等による地絡の発生は、その大部分
のものは、異常状態が存在する。
異相地絡、短絡電流通過経路を把握することで、地
絡事故への発展を未然に防ぐことができる。
地絡事故種別とV0,I0の波形の高調波歪率との関係
は、 a. I0高調波歪率がV0高調波歪率より歪率に差があり判
別し易い。
b. I0高調波歪率が、地絡抵抗によって、その大きさが
変化する。しかし、そのパターンは余り大きく変化しな
い。
c. I0歪率はV0歪率に比し、ばらつきが大きい。
d. I0歪率の大きいグループと小さいグループに別れ、
I0歪率の小さいグループの内、樹木接触例は、直流分が
大きく、第3,第5高調波ともに漸減傾向にある。
e. 地絡抵抗値が高い程、I0高調波歪率は低い。
f. 地絡抵抗の変化によって、I0高調波歪率のグラフパ
ターンは、大きく変化しない。
高調波歪率から地絡事故種別を判別する場合、V0
率よりI0歪率で判別するのがよい。
一般的に、配電設備の内、碍子等にひび割れ等の不
良が生じても直ちに地絡事故に発展しない。
樹木接触等による微地絡検出は、検出レベル0.2A〜
0.3A以上、50ms以上程度で充分である。
次に、上記におけるサブシステム4についてさらに詳
述する。事故頻度データ収集は微地絡に関し、変電所の
地絡検出継電器(リレー)により、零相電圧V0,零相電
流I0,地絡発生区間の線路電流等を検出し、微地絡発生
と判定した時、微地絡発生計数回路のトリガー信号を出
し、その都度計数する。
このようにして、事故区間と事故原因が判明したもの
をコンピュータに記憶する。所定の時間間隔、例えば20
分の間に、同一区間、同一事故原因のものの発生がなけ
れば、上記の記憶を取り消し、前記所定の時間の間に同
一区間、同一事故原因のものの発生があれば順次計数を
増やす。
この所定の時間の間の回数が2回以上のものを「注
意」として、また10回以上のものは実事故に至る危険が
あるのでこれを「危険」としてCRT等に表示する。
上記のシステムでは、各区分開閉器毎にセンサを設け
て線路情報を取り込んでいるが、一般に地絡継電器は変
電所及び各高圧需要家にも取り付けられている。したが
って、それら相互の感度協調をとる必要がある。そこ
で、電源側に近づくほど地絡継電器の感度を鈍くなるよ
うにする。すなわち、 変電所の地絡継電器の感度≦各区分開閉の地絡センサの
感度≦各高圧需要家の地絡継電器の感度とする。
地絡事故の場合、地絡発生後0.5秒までに全地絡事故
の83%が自然消弧する。また、事故発生より変電所遮断
器の遮断までの時間は約0.5秒である。したがって、0.5
秒内に事故区間判定及び融通方法を決定しておかなけれ
ばならない。また、早く事故区間切り離しを行うと自然
消弧する地絡まで拾ってしまう。したがって、地絡事故
発生後、0.4秒経過した後も地絡が続いているか確認す
るなど時限協調をとるようにする。
以下、センサの検出値に応じて事故区間を判定する方
法について説明する。
(1) 地絡事故の場合の事故区間判定方法(方向比較
方式) (イ) 第12図(a)のように、線路区間の両側の区
分点における地絡方向が両方とも負荷側方向のとき、そ
の区間は事故区間ではない。したがって、さらに負荷側
の区間の判定をする。
(ロ) 第12図(b)のように、線路区間の両側の区
分点における地絡方向が異方向のとき、その区間を事故
区間と判定する。
(ハ) 第12図(c)のように、多分岐回路におい
て、電源側と負荷側は同方向、電源側と負荷側は異
方向、電源側と負荷側は異方向のとき、事故区間は負
荷側のさらに負荷側に事故があると判定する。
(ニ) 第12図(d)のように、多分岐回路におい
て、電源側と負荷側,,が異方向のとき、事故区
間は当該区間であるとする。
(2) 短絡事故の場合の事故区間判定方法(検出値対
設定値比較方式) 短絡事故の検出方法及び各センサにおける設定の仕方
について、例えば次のようにする。
過電流設定値は各点の最大負荷電流の150%とす
る。ここで、最大負荷電流とは、年間最大負荷電流に隣
接線路への融通最大電流を加えたものをいう。
末端での過電流設定値は末端最小短絡電流×75%
以下とすることもできる。これは絶対条件ではない。
各点での検出情報による事故判定を、第13図を参照し
て説明する。図中、検出値が設定値以上の場合をP、設
定値以下の場合をMで表す。
(イ) 第13図(a)のように、電源側から負荷側
へ順次たどり、PからMへ変化するとき、そのPとMと
の間に事故があると判定する。
(ロ) 第13図(b)のように、電源側はMであっ
ても中間でPとなり、PからMへ変化するとき、そのP
とMとの間に事故があると判定する。
(ハ) 第13図(c)のように、分岐点がある場
合、分岐点の後にPがありMへと変化するとき、そのP
とMとの間に事故があると判定する。
(ニ) 第13図(d)のように、分岐点がある場
合、分岐点の前がP、分岐点の後が全てMであるとき、
その分岐点に事故があると判定する。
以上を整理すると、 i)Pより負荷側に事故区間がある。
ii)Mでも負荷側にPがあればそれ以降にある。
iii)次区間が2区間以上分岐している場合、事
故区間はPがある方にある(単一事故の場合)。
また、全てMの場合はその分岐している区間にある。
(3) 断線事故の場合の事故区間判定方法(線電流検
出方式) 事故区間の負荷側のIa,Ib,Icのいずれかが流れな
いか異常に減少することを利用して断線区間の判定を行
う。例えば、第14図(a)に示すように、事故点より電
源側では線電流は正常値(記号Nで表す)を示し、負荷
側では電流が流れないか異常値(記号Dで表す)を示
す。NからDへ変化する点が事故区間である。
分岐点のまわりに事故がある場合、第14図
(b),(c)のように分岐の一方側でNからDへ変化
するとき、変化する側の分岐区間が事故区間である。
第14図(d)のように分岐側が両方ともDへ変化
する場合は分岐点から電源側の分岐区間が事故区間であ
る。
以上まとめると、 1)正常なセンサの次のセンサに異常センサがあれ
ば、正常センサと異常センサの間の区間が事故区間であ
る。
2)正常センサの次が2以上分岐している場合、そ
のうちの一つ以上のセンサに異常があれば、その正常セ
ンサ以降の区間が事故区間である。
3)正常センサの次が2以上分岐している場合、次
のすべてのセンサが異常の場合、分岐点から正常センサ
に近い方が事故区間である。
4)正常センサの次が2つ以上別れている場合、次
のセンサの一つが異常である場合、分岐点から異常セン
サに近い方が事故区間である。
この場合注意すべきことは、誘導負荷が多い場合は、
逆誘起電圧によって断線負荷側にも電流が流れ続け、N
とDの判別が必ずしも明確でないため、断線を検出した
り区間を判定したりすることが、この方法では確実では
ない。
(4) 断線事故の場合の事故区間判定方法(零相電圧
検出方式) 断線するとV0が発生する。但し零相インピーダンスが
分からないので、実際には計算できない。しかし事故点
を境界にしてV0の数値が異なることにより事故区間が判
明する。この場合、配電線の全体に対する事故点の位置
により電源側と負荷側とでV0の値が異なることを利用し
て判定する。断線点より電源側の零相インピーダンスを
ZOA,負荷側の零相インピーダンスをZOBとし、V0が大の
ときP、V0が小のときMで表す。
(イ) 配電線末端近くで断線 ZOA:ZOB=1:10と仮定すると、第15図(a)に示すよ
うな電圧分布となる。事故点の電源側でM、負荷側でP
となり、MからPへ変化する点が事故区間である。
(ロ) 配電線の電源端側で断線 ZOA:ZOB=10:1と仮定すると、第15図(b)に示すよ
うな電圧分布となる。電源側でP、負荷側でMとなり、
PからMへ変化する点が事故区間である。
(ハ) 配電線の中央部で断線 ZOA:ZOB=1:1と仮定すると、第15図(c)に示すよう
に電圧分布が一様になり、事故点の判定ができない。他
の判定手段を併用する必要がある。
(ニ) 事故点以下に分岐がある場合は、前記(イ)又
は(ロ)によって判定できる。第15図(d)の場合は第
15図(b)と同様に判定される。
(ホ) 事故点に分岐がある場合は、第15図(e)に示
すように、事故点より電源側の零相インピーダンスをZ
OA,事故点より負荷側の零相インピーダンスをZOB及びZ
OCとして以下説明する。
第15図(e)において、ZOA:ZOB:ZOC=1:1/10:1/2と
仮定して電圧分布を示す。分布点より電源側がM、第1
分岐側がM、第2分岐側がPであれば、PからMへ変化
する第1分岐側分岐区間が事故区間である。
(ヘ) 第15図(f)の場合、分岐点より電源側がP、
第1分岐側がM、第2分岐側がPとなり、分岐点より電
源側の分岐区間が事故区間である。
(ト) 第15図(g)の場合、分岐点より電源側がM、
第1分岐側がM、第2分岐点がMとなり、第2分岐側の
分岐区間が事故区間である。
以上、(ホ)〜(ト)のように分岐があった場合、分
岐を中心に区間を分け、数値が異なった方に事故区間が
ある。
以上をまとめると、 1) P又はMを示すセンサの次にM又はPを示すセ
ンサがあればその間の区間が断線事故区間である。
2) P又はMセンサの次のセンサが2つ以上に分岐
している場合、次の全てのセンサがM又はPの場合、分
岐点から電源側に近い方が断線事故区間である。
3) P又はMセンサの次のセンサが2つ以上に分岐
している場合、次のセンサの1つがM又はPである場合
は分岐点からそのセンサに近い方が断線事故区間であ
る。
〔発明の効果〕
以上に説明したように、本発明においては、事故診断
装置によって配電線路よりの入力情報の各要素の波形解
析を行い、その解析結果から各要素情報毎の事故関与度
を求め、その事故関与度の計算結果に基づき判定をする
推論をし、その推論結果に基づき事故原因を診断するこ
ととしている。これにより、配電系統の各所から送られ
てくる各種データに基づいて、事故検出、事故種別の判
定、事故区間検出を行うことができ、事故原因診断を的
確、早期に行うことができる。また、事故頻度データよ
り危険度表示を可能不確定要素の多い配電系統における
事故現象に基づいて、地絡事故に発展する可能性を的確
に推定できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は一般的な配電系統のブロック図、第2図は配電
系統の事故診断フローチャート、第3図は事故診断のシ
ステム構成を示す説明図、第4図は事故原因診断システ
ムのフローチャート、第5図は論理形解析による推論方
法を示す説明図、第6図は事故関与度のファジー表現を
示す説明図、第7図はメンバーシップ関数を説明する説
明図、第8図はメンバーシップ関数の例を示す説明図、
第9図(a)〜(e)はファジー推論のためのメンバー
シップ関数を示す説明図、第10図はメンバーシップ関数
の実験結果例を示す説明図、第11図は事故波形分析結果
データを示す説明図、第12図〜第15図は各種事故区間判
定方法を説明する説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−224830(JP,A) 特開 昭62−212581(JP,A) 特開 昭62−206465(JP,A) 特開 平2−151234(JP,A) 特開 平2−168827(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配電用変電所母線、配電用遮断器、事故診
    断装置を備えた親局、区分開閉器、及び該区分開閉器を
    制御し、配電線路に設置されたセンサの情報と遮断器や
    区分開閉器などの入切動作情報と継電器類の動作情報を
    含む区分された配電線の情報を前記親局に送信する子局
    からなる配電系統における配電線事故診断方法であっ
    て、 あらかじめ、事故原因別ごとに統合歪率、直流成分なら
    びに高調波成分の値を事故原因別にデータを収集し、そ
    れぞれの値が事故原因別ごとに、どの程度関与するかを
    表わす評価関数を決める工程と、 配電線路より零相電圧ならびに零相電流の事故波形を入
    力し、その波形から統合歪率、直流成分ならびに高調波
    成分の値を求める工程と、 前記事故波形における統合歪率、直流成分ならびに高調
    波成分のそれぞれの値がどの程度、各種事故原因に関与
    しているかを、前記評価関数を用いて評価する工程と、 前記それぞれの値の評価関数を用いて事故原因を推論す
    る工程と、 この推論結果に基づき事故原因を診断する工程とからな
    る 事故原因診断工程を有することを特徴とする配電線事故
    診断方法。
  2. 【請求項2】親局に、前記事故原因診断工程のほかに、
    事故種別判定工程、事故区間検出工程、事故頻度データ
    収集工程、を設けたことを特徴とする請求項1記載の配
    電線事故診断方法。
  3. 【請求項3】配電用変電所母線、配電用遮断器、事故診
    断装置を備えた親局、区分開閉器、及び該区分開閉器を
    制御し、配電線路に配置されたセンサの情報と遮断器や
    区分開閉器などの入切動作情報と継電器類の動作情報を
    含む区分された配電線の情報を前記親局に送信する子局
    からなる配電系統における配電線事故診断装置であっ
    て、 あらかじめ、事故原因別ごとに統合歪率、直流成分なら
    びに高調波成分の値を事故原因別にデータを収集し、そ
    れぞれの値が事故原因別ごとに、どの程度関与するかを
    表わす評価関数を決める装置と、 配電線路より零相電圧ならびに零相電流の事故波形を入
    力し、その波形から統合歪率、直流成分ならびに高調波
    成分の値を求める装置と、 事故波形における統合歪率、直流成分ならびに高調波成
    分の値がどの程度、各種事故原因に関与しているかを前
    記評価関数を用いて評価する装置と、 それぞれの値の評価関数を用いて事故原因を推論する装
    置と、 この推論結果に基づき事故原因を診断する装置とからな
    る 事故原因診断装置を有することを特徴とする配電線事故
    診断装置。
  4. 【請求項4】親局に、前記事故原因診断装置のほかに、
    事故種別判定装置、事故区間検出装置、事故頻度データ
    収集装置を設けたことを特徴とする請求項3記載の配電
    線事故診断装置。
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