JP5867466B2 - 油入電気機器の異常診断システム、決定木生成システム、決定木生成方法、及び決定木生成プログラム - Google Patents

油入電気機器の異常診断システム、決定木生成システム、決定木生成方法、及び決定木生成プログラム Download PDF

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本発明は、油が封入された油入電気機器において過去に生じた複数の事例に基づき、油入電気機器の状態を判断するための決定木を生成する決定木生成システム、決定木生成方法、決定木生成プログラム、及びその決定木により油入電気機器の状態を判断する油入電気機器の異常診断システムに関する。
油入電気機器の保守管理方法としては、油中ガス濃度を用いた分析方法が広く用いられている。例えば、運転中のOF(Oil-Filled)ケーブルなどの油入電気機器の内部で異常が生じた場合に、油入電気機器から採集した試料油について油中ガス濃度を測定し、油中ガスの種類とその濃度から油入電気機器内部の異常レベルを診断している(例えば、非特許文献1参照)。
しかし、近年、OFケーブルの撤去品を調査した結果によれば、上述の非特許文献1に記載の診断方法では、正しく診断できない事例が散見されており、異常診断の信頼性が低くなっている。
また、決定木を用いた診断方法や予測方法についての各種提案がされている(例えば、特許文献1、2参照)。情報利得比に基づき決定木を生成するC4.5アルゴリズムが知られている。
特開平6−113439号公報 特開2005−107940号公報
社団法人電気協同研究会、「OFケーブルの保守技術」、平成11年10月7日、第55巻、第2号、p95−97
しかしながら、油入電気機器において過去に生じた複数の異常事例に基づき、C4.5アルゴリズムによって決定木を生成すると、油入電気機器の異常判定には必ずしも適さない決定木が生成される場合があった。
本発明の目的は、油入電気機器の異常判定を行うために好適な決定木を生成可能な決定木生成システム、決定木生成方法、決定木生成プログラム、及びその決定木により油入電気機器の状態を判断する油入電気機器の異常診断システムを提供することである。
本発明に係る決定木生成システムは、油が封入された油入電気機器において過去に生じた複数の事例に基づき、前記油入電気機器の状態を判断するための決定木を生成する決定木生成システムであって、前記油入電気機器に封入された油に溶解していたガスの濃度に関する濃度情報を含む複数の属性情報と、前記油入電気機器の状態を異常の程度の順に3ランク以上にランク付けして示す異常ランク情報とが対応付けられた事例データを、前記各事例にそれぞれ対応して記憶する事例データ記憶部と、前記異常ランク情報の各ランクを、前記異常の程度の小さい小異常グループと、前記小異常グループより異常の程度が大きい大異常グループとにグルーピング可能なグルーピングパターンにそれぞれグルーピングすることにより、前記各グルーピングパターンに対応してグルーピングされた各目的グループを設定する目的グループ設定部と、前記複数の事例データに基づく集合に対して、前記各属性情報をそれぞれ判定するための閾値を基準に前記集合を複数の部分集合に分割した場合の前記各目的グループに基づく情報利得比を、前記各属性情報と前記各グルーピングパターンとの組み合わせに対応してそれぞれ算出する情報利得比算出部と、前記情報利得比算出部により算出された、前記各組み合わせに対応する各情報利得比のうち最大の情報利得比を選択し、前記選択された最大の情報利得比に対応する前記組み合わせに係る前記属性情報、及びその属性情報に対応する前記閾値を、前記決定木のノードの属性、及び分岐閾値として設定することにより、前記ノードを生成するノード生成部とを備える。
本発明に係る決定木生成方法は、油が封入された油入電気機器において過去に生じた複数の事例に基づき、前記油入電気機器の状態を判断するための決定木を生成する決定木生成方法であって、前記油入電気機器に封入された油に溶解していたガスの濃度に関する濃度情報を含む複数の属性情報と、前記油入電気機器の状態を異常の程度の順に3ランク以上にランク付けして示す異常ランク情報とが対応付けられた複数の事例データに基づいて、前記異常ランク情報の各ランクを、前記異常の程度の小さい小異常グループと、前記小異常グループより異常の程度が大きい大異常グループとにグルーピング可能なグルーピングパターンにそれぞれグルーピングすることにより、前記各グルーピングパターンに対応してグルーピングされた各目的グループを設定する目的グループ設定工程と、前記複数の事例データに基づく集合に対して、前記各属性情報をそれぞれ判定するための閾値を基準に前記集合を複数の部分集合に分割した場合の前記各目的グループに基づく情報利得比を、前記各属性情報と前記各グルーピングパターンとの組み合わせに対応してそれぞれ算出する情報利得比算出工程と、前記情報利得比算出工程により算出された、前記各組み合わせに対応する各情報利得比のうち最大の情報利得比を選択し、前記選択された最大の情報利得比に対応する前記組み合わせに係る前記属性情報、及びその属性情報に対応する前記閾値を、前記決定木のノードの属性、及び分岐閾値として設定することにより、前記ノードを生成するノード生成工程とを含む。
本発明に係る決定木生成プログラムは、油が封入された油入電気機器において過去に生じた複数の事例に基づき、前記油入電気機器の状態を判断するための決定木を生成する決定木生成プログラムであって、コンピュータを、前記油入電気機器に封入された油に溶解していたガスの濃度に関する濃度情報を含む複数の属性情報と、前記油入電気機器の状態を異常の程度の順に3ランク以上にランク付けして示す異常ランク情報とが対応付けられた事例データを、前記各事例にそれぞれ対応して記憶する事例データ記憶部、前記異常ランク情報の各ランクを、前記異常の程度の小さい小異常グループと、前記小異常グループより異常の程度が大きい大異常グループとにグルーピング可能なグルーピングパターンにそれぞれグルーピングすることにより、前記各グルーピングパターンに対応してグルーピングされた各目的グループを設定する目的グループ設定部、前記複数の事例データに基づく集合に対して、前記各属性情報をそれぞれ判定するための閾値を基準に前記集合を複数の部分集合に分割した場合の前記各目的グループに基づく情報利得比を、前記各属性情報と前記各グルーピングパターンとの組み合わせに対応してそれぞれ算出する情報利得比算出部、前記情報利得比算出部により算出された、前記各組み合わせに対応する各情報利得比のうち最大の情報利得比を選択し、前記選択された最大の情報利得比に対応する前記組み合わせに係る前記属性情報、及びその属性情報に対応する前記閾値を、前記決定木のノードの属性、及び分岐閾値として設定することにより、前記ノードを生成するノード生成部として機能させる。
C4.5アルゴリズムによって、各ランクをグルーピングすることなく、各ランクをそのまま目的属性(クラス)として情報利得比を算出すると、各ランクに属する事例数が不連続になるような分割がされる属性情報に係る情報利得比の値が最大値となる場合がある。このような最大の情報利得比に基づくノードによる判断分岐は、油入電気機器の異常判定には必ずしも適さない。
一方、これらの構成によれば、判定しようとする目的属性(クラス)である異常ランク情報の各ランクが、異常の程度の小さい小異常グループと、前記小異常グループより異常の程度が大きい大異常グループとにグルーピング可能なグルーピングパターンにそれぞれグルーピングされた各目的グループが設定される。そして、目的属性(クラス)として各目的グループを用いて、各属性情報をそれぞれ判定するための閾値を基準に集合を複数の部分集合に分割した場合の各目的グループに基づく情報利得比が、各属性情報と各グルーピングパターンとの組み合わせに対応してそれぞれ算出される。そして、その最大の情報利得比に対応する組み合わせに係る属性情報、及びその属性情報に対応する閾値が、決定木のノードの属性、及び分岐閾値として設定されることにより、ノードが生成される。
その結果、各ランクに属する事例数が不連続になるような分割(分岐)がなされるノードが生じにくいので、油入電気機器の異常判定を行うために好適な決定木を生成可能となる。
また、前記情報利得比算出部は、前記各属性情報の一つずつに対して、前記閾値の候補となる複数の候補閾値を前記閾値としてそれぞれ用いることにより得られる互いに異なる分割パターンと前記各グルーピングパターンとの組み合わせに対応して前記情報利得比をそれぞれ算出することにより、前記組み合わせを前記各属性情報、前記各グルーピングパターン、及び前記各閾値の組み合わせとすることが好ましい。
この構成によれば、属性情報に基づき集合を複数の部分集合に分割する際に、各属性情報をそれぞれ判定するための閾値として、最大の情報利得比が得られるような閾値を設定することができる。
また、前記ノード生成部は、前記各組み合わせについて、前記大異常グループであって前記高濃度グループに属する前記事例データの数が前記大異常グループであって前記低濃度グループに属する前記事例データの数より少ない第1の条件、及び前記小異常グループであって前記低濃度グループに属する前記事例データの数が前記小異常グループであって前記高濃度グループに属する前記事例データの数より少ない第2の条件の双方の条件が満たされた場合、その条件が満たされた前記組み合わせに対応する情報利得比を、前記最大の情報利得比の選択対象から除外することが好ましい。
油入電気機器においては、異常の程度が大きいほど、油に溶解しているガスの濃度が高くなると考えられる。従って、第1の条件、及び第2の条件が同時に満たされることは、その条件が満たされた前記組み合わせに対応するガスの濃度情報は、油入電気機器の異常の程度と直接関係が無いことを示している。そこで、この構成によれば、第1の条件、及び第2の条件の双方の条件が満たされた場合、その条件が満たされた組み合わせに対応する情報利得比が、最大の情報利得比の選択対象から除外される。その結果、油入電気機器とガス濃度の関係を鑑みて、不適切な分割(分岐)を行うノードが生成されるおそれが低減ざれる。
また、前記ガスは、CH4、C26、C24、C22、CO、及びH2の中から選択された少なくとも1種のガスを含み、前記濃度情報は、前記少なくとも1種のガスの濃度、前記少なくとも1種のガスの濃度の合計と前記少なくとも1種のガスの濃度との比率、及び前記少なくとも1種は複数種類であって、当該複数種類のガス相互間の濃度比率、のうち少なくとも一つの情報を含むことが好ましい。
CH4、C26、C24、C22、CO、及びH2の6種類のガスは、油入電気機器内で放電が発生したり、油入電気機器内の部材が劣化したりした場合に発生し易い。従って、これらのガスが油に溶解している濃度や、これらのガス濃度の合計値は、油入電気機器の異常を診断するための指標として有用である。また、油入電気機器内のどの部位で異常が生じたかによって、ガスの発生比率が異なる。従って、各ガスについて、ガス濃度の合計値に対する濃度比を属性情報として用いることによって、異常箇所を判定することが容易となる。また、異常の状態に応じて、発生するガスの比率が異なる。従って、各ガス相互間の濃度比率は、油入電気機器の異常を診断するための指標として有用である。
また、前記油入電気機器は、複数の導電ケーブルの端部同士が、圧着部材によって互いに接続されたOFケーブルであり、前記複数の属性情報には、前記圧着部材による圧着圧力が弱い小拘束力状態であるか、前記小拘束力状態よりも前記圧着圧力が強い大拘束力状態であるかを示す属性情報が含まれることが好ましい。
OFケーブルにおいては、圧着部材による圧着圧力の強弱によって、異常の発生度合いが異なる。従って、OFケーブルの状態を判断するための属性情報として、圧着部材による圧着圧力の強弱を示す情報は、属性情報として好適である。
また、前記油入電気機器は、複数の導電ケーブルの端部同士が互いに接続されたOFケーブルであり、前記各導電ケーブルには、絶縁のためのケーブル絶縁紙が巻回され、前記各導電ケーブル相互間の接続部には、絶縁のための補強絶縁紙が巻回され、前記異常ランク情報は、前記ケーブル絶縁紙及び前記補強絶縁紙の劣化の程度と、前記劣化が生じた部位との組み合わせに応じて前記油入電気機器の状態をランク付けした情報であることが好ましい。
この構成によれば、OFケーブルにおいて、ケーブル絶縁紙及び補強絶縁紙の劣化の程度と、劣化が生じた部位とを判定可能な決定木を生成することが可能となる。
また、前記油入電気機器は、複数の導電ケーブルの端部同士が互いに接続されたOFケーブルであり、前記各導電ケーブルには、絶縁のためのケーブル絶縁紙が巻回され、前記各導電ケーブル相互間の接続部には、絶縁のための補強絶縁紙が巻回され、前記異常ランク情報は、前記ケーブル絶縁紙の異常の有無と、前記補強絶縁紙の異常の有無との組み合わせに応じて前記油入電気機器の状態をランク付けした情報であってもよい。
この構成によれば、OFケーブルにおいて、ケーブル絶縁紙の異常の有無と、前記補強絶縁紙の異常の有無とを判定可能な決定木を生成することが可能となる。
また、前記ノード生成部によって生成されたノードにより分割される各部分集合を新たな前記集合とすることにより、前記情報利得比算出部と前記ノード生成部とによって、前記ノードを親とする新たなノードを生成させる決定木成長部をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、再帰的に演算処理を繰り返すことにより、決定木を成長させることができる。
また、前記情報利得比算出部は、下記の式(1)〜(4)に基づき前記情報利得比を算出することが好ましい。
Figure 0005867466
Figure 0005867466
Figure 0005867466
Figure 0005867466
但し、
X : 属性情報
D : 前記集合
|D|: 集合Dに属する前記事例データ(事例)の件数
Ci : i番目の前記目的グループに該当する前記事例データ(事例)の件数
αj : j番目の前記部分集合に属する前記事例データ(事例)の件数
βjk : j番目の前記部分集合に属するk番目の前記目的グループに該当する前記事例データ(事例)の件数
m、n : 集合D中の前記目的グループの総数
v : 前記集合の前記部分集合への分割数
G(X): 属性情報Xに基づき前記集合を分割した場合の情報利得比
M(D): 集合Dの前記目的グループに対する期待情報量
E(X): 属性情報Xに基づき集合Dが分割された後の期待情報量
S(X): 集合Dの属性情報Xに対する期待情報量
この構成によれば、情報利得比を算出することが容易である。
また、本発明に係る油入電気機器の異常診断システムは、上述の決定木生成システムによって生成された前記決定木を記憶する決定木記憶部と、診断対象となる油入電気機器についての前記複数の属性情報を、前記決定木記憶部に記憶された決定木に当て嵌めることによって、前記ランクを判定する診断部とを備える。
この構成によれば、上述の決定木生成システムによって生成された、油入電気機器の異常判定を行うために好適な決定木を用いて油入電気機器のランクを判断することができるので、油入電気機器の異常診断精度が向上する。
また、本発明に係る油入電気機器の異常診断システムは、複数の導電ケーブルの端部同士が互いに接続されたOFケーブルの診断を行う油入電気機器の異常診断システムであって、前記OFケーブルの状態を判断するための決定木を記憶する決定木記憶部と、診断対象となる前記OFケーブルについての診断対象属性情報を、前記決定木記憶部に記憶された決定木に当て嵌めることによって、4ランクにランク付けされた異常ランクを判定する診断部とを備え、前記各導電ケーブルには、絶縁のためのケーブル絶縁紙が巻回され、前記各導電ケーブル相互間の接続部には、絶縁のための補強絶縁紙が巻回され、前記異常ランクは、前記ケーブル絶縁紙の内部の層及び補強絶縁紙の内部において炭化の程度が所定の第1程度である場合を、最も異常の程度が重い異常ランクaとし、前記ケーブル絶縁紙の最外層/最内層及び前記補強絶縁紙の沿面において炭化の程度が前記第1程度の場合、及び前記ケーブル絶縁紙の内部の層及び前記補強絶縁紙の内部において炭化の程度が前記第1程度より小さい第2程度となった場合を、異常ランクbとし、前記ケーブル絶縁紙の最外層/最内層及び前記補強絶縁紙の沿面において炭化の程度が第2程度となった場合、及び前記ケーブル絶縁紙の内部の層及び前記補強絶縁紙の内部において変色となった場合を、異常ランクcとし、前記ケーブル絶縁紙の最外層/最内層及び前記補強絶縁紙の沿面において変色した場合を、最も異常の程度が軽い異常ランクdとするものであり、前記診断部は、前記決定木に基づき、前記診断対象属性情報であるC22の濃度が根ノードn0(C22)の分岐閾値を超えていればノードn2(C22)へ分岐し、ノードn2(C22)では、前記診断対象属性情報であるC22の濃度がノードn2(C22)の分岐閾値以下であれば、CH4、C26、C24、C22、CO、及びH2の6種類のガスの濃度の合計であるTCGを属性とするノードn5(TCG)へ分岐し、ノードn5(TCG)では、前記診断対象属性情報であるTCGの濃度がノードn5(TCG)の分岐閾値以下であればノードn11(C22/TCG)へ分岐し、TCGの濃度がノードn5(TCG)の分岐閾値を超えていればランクbと判定し、ノードn11(C22/TCG)では、前記診断対象属性情報である(C22/TCG)がノードn5(TCG)の分岐閾値以下であればランクdと判定する。
この構成によれば、上述の決定木生成システムによって生成された決定木に基づき、OFケーブルの診断を行うことができる。
また、本発明に係る油入電気機器の異常診断システムは、複数の導電ケーブルの端部同士が互いに接続されたOFケーブルの診断を行う油入電気機器の異常診断システムであって、前記OFケーブルの状態を判断するための決定木を記憶する決定木記憶部と、診断対象となる前記OFケーブルについての診断対象属性情報を、前記決定木記憶部に記憶された決定木に当て嵌めることによって、4ランクにランク付けされた異常ランクを判定する診断部とを備え、前記各導電ケーブルには、絶縁のためのケーブル絶縁紙が巻回され、前記各導電ケーブル相互間の接続部には、絶縁のための補強絶縁紙が巻回され、前記異常ランクは、前記ケーブル絶縁紙及び前記補強絶縁紙のいずれにも異常がない場合をランクI、前記ケーブル絶縁紙は異常あり、前記補強絶縁紙は異常なしの場合をランクII、前記ケーブル絶縁紙は異常なし、前記補強絶縁紙は異常ありの場合をランクIII、前記ケーブル絶縁紙及び前記補強絶縁紙のいずれにも異常がある場合をランクIVとするものであり、前記診断部は、前記決定木に基づき、前記診断対象属性情報であるC22の濃度が根ノードであるノードm0(C22)の分岐閾値を超えていればノードm2(C22/C26)へ分岐し、ノードm2(C22/C26)では、前記診断対象属性情報である(C22/C26)の濃度がノードm2(C22/C26)の分岐閾値を超えていればノードm6(C24/C26)へ分岐し、ノードm6(C24/C26)では、前記診断対象属性情報である(C24/C26)の濃度がノードm6(C24/C26)の分岐閾値以下であればランクIIIと判定し、ノードm6(C24/C26)の分岐閾値を超えていればランクIVと判定する。
この構成によれば、上述の決定木生成システムによって生成された決定木に基づき、OFケーブルの診断を行うことができる。
このような構成の決定木生成システム、決定木生成方法、及び決定木生成プログラムは、油入電気機器の異常判定を行うために好適な決定木を生成可能となる。また、このような油入電気機器の異常診断システムによれば、油入電気機器の異常診断精度が向上する。
本発明の一実施形態に係る決定木生成システムの一例である異常診断システムの構成の一例を示すブロック図である。 OFケーブルの構成の一例を示す構成図である。 図2に示す外部遮蔽層の詳細を説明するための説明図である。 図1に示す事例データ記憶部に記憶された事例データの一例を示す説明図である。 異常ランク情報に係るa,b,c,dの各ランクを説明するための説明図である。 異常ランク情報に係るI,II,III,IVの各ランクを説明するための説明図である。 図1に示す異常診断システムの動作の一例を示すフローチャートである。 図1に示す異常診断システムの動作の一例を示すフローチャートである。 図1に示す異常診断システムの動作の一例を示すフローチャートである。 図1に示す異常診断システムの動作の一例を示すフローチャートである。 異常ランク情報としてランクa,b,c,dを用いた場合に目的グループ設定部によりグルーピングされるグルーピングパターンの一例を示す説明図である。 異常ランク情報としてランクI,II,III,IVを用いた場合に目的グループ設定部によりグルーピングされるグルーピングパターンの一例を示す説明図である。 候補閾値の設定方法を説明するための説明図である。 候補閾値の設定方法を説明するための説明図である。 組み合わせ除外処理を説明するための説明図である。 目的グループ設定部が異常ランク情報の各ランクを目的グループにグルーピングすることによる効果を説明するための説明図である。 目的グループ設定部が異常ランク情報の各ランクを目的グループにグルーピングすることによる効果を説明するための説明図である。 決定木の一例を示す説明図である。 決定木の別の一例を示す説明図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。図1は、本発明の一実施形態に係る決定木生成システムの一例である異常診断システムの構成の一例を示すブロック図である。
図1に示す異常診断システム1は、例えばコンピュータを用いて構成され、油が封入された油入電気機器において過去に生じた複数の事例に基づき、油入電気機器の状態を判断するための決定木を生成する決定木生成システムとして機能する。また、異常診断システム1は、診断対象の油入電気機器から得られた事例データに対して決定木による異常診断を実行する。
油入電気機器は、例えば内部に絶縁油を封入し、電気絶縁性を高めたOF(Oil-Filled)ケーブルや油入変圧器等である。以下、油入電気機器としてOFケーブルを用いた例について説明する。
図2は、OFケーブル100の構成の一例を示す構成図である。図2は、二本のケーブル101,101の接続部分を示している。図2に示すOFケーブル100は、二本のケーブル101,101のケーブル導体102,102の端部同士が圧着スリーブ103(圧着部材)によって接続されて、構成されている。
ケーブル導体102,102の外周には、絶縁油110が含浸されたケーブル絶縁紙104,104が巻回され、さらにその外周が、ケーブル絶縁体105,105によって被覆されている。また、ケーブル101,101の接続部を覆うように、外部遮蔽層108が設けられ、さらにその外側に、保護管109が取り付けられている。保護管109の両端部は、ケーブル絶縁体105,105の外周に外嵌されている。
これにより、ケーブル絶縁体105,105と保護管109とで囲まれた空間が形成され、その密閉空間内に、絶縁油110が封入されている。保護管109には、弁111が取り付けられている。弁111により、保護管109内の絶縁油110を採取することが可能にされている。また、保護管109には、接地端子112が取り付けられている。
図3は、外部遮蔽層108の詳細を説明するための説明図である。図3においては、弁111及び接地端子112の記載を省略している。図3に示すように、外部遮蔽層108は、圧着スリーブ103及びケーブル絶縁紙104,104の端部を覆うように、補強絶縁紙108aが巻回されて構成されている。補強絶縁紙108aには、絶縁油110が含浸されている。
図1に示す異常診断システム1は、演算部2、記憶部3、表示部4、操作部5、及び外部インターフェイス部6を備える。表示部4は、例えば液晶表示器などを用いた表示装置である。操作部5は、キーボード、マウス、あるいはタッチパネル等、ユーザの操作入力を受け付ける操作入力装置である。
外部インターフェイス部6は、演算部2に対してデータを入出力するためのインターフェイス回路である。外部インターフェイス部6は、例えばLAN(Local Area Network)、インターネット、USB(Universal Serial Bus)等の通信インターフェイス回路であってもよく、メモリカードや光ディスク等の記憶媒体にアクセスするためのインターフェイス回路であってもよい。
記憶部3は、例えばハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置により構成されている。記憶部3は、事例データ記憶部31と、決定木記憶部32とを含む。また、記憶部3には、例えば本発明の一実施形態に係る決定木生成プログラム等が記憶されている。
事例データ記憶部31には、OFケーブル100に封入された絶縁油110に溶解していたガスの濃度に関する濃度情報を含む複数の属性情報と、OFケーブル100の状態を異常の程度の順に3ランク以上にランク付けして示す異常ランク情報とが対応付けられた事例データが、各事例にそれぞれ対応して記憶されている。各事例データは、例えばユーザが操作部5を操作することによって入力され、あるいは外部インターフェイス部6によって外部から受信されることによって、演算部2で取得され、事例データ記憶部31に記憶される。
図4は、図1に示す事例データ記憶部31に記憶された事例データの一例を示す説明図である。図4は、事例番号1〜Nが付されたN個の事例データが事例1〜事例Nとして事例データ記憶部31に記憶される例を示している。各事例データには、18種類の属性情報と、2種類の異常ランク情報A,Bとが含まれている。
18種類のうち17種類の属性情報は、OFケーブル100から採取された絶縁油110に溶解していたガスの濃度に関する濃度情報である。17種類の濃度情報のうち7種類は、ガスの濃度をPPMで表したものである。すなわち、CH4、C26、C24、C22、CO、及びH2の6種類のガスの濃度、及びこの6種類のガスの濃度を合計したTCGの合わせて7種類である。
上記6種類のガスは、OFケーブル100内で放電が発生したり、ケーブル絶縁紙104や補強絶縁紙108aが劣化したりした場合に発生し易い。従って、これらのガスが絶縁油110に溶解している濃度や、これらのガス濃度の合計であるTCGは、OFケーブル100の異常を診断するための指標として有用である。
また、17種類の濃度情報のうち他の6種類は、上記6種類のガスと上記TCGとの比、すなわちCH4/TCG、C26/TCG、C24/TCG、C22/TCG、CO/TCG、及びH2/TCGの6種類である。
OFケーブル100内のどの部位で異常が生じたかによって、ガスの発生比率が異なる。従って、各ガスについて、TCGに対する濃度比を属性情報として用いることによって、異常箇所を判定することが容易となる。異常箇所は、異常のレベルと密接に関連するため、各ガスの濃度とTCGとの比は、OFケーブル100の異常を診断するための指標として有用である。
17種類の濃度情報のうち残りの4種類は、上記6種類のガス相互間の濃度比率であり、CH4/H2、C22/C26、C24/C26、及びC22/C24の4種類である。
異常の状態によって、発生するガスの比率が異なる。例えば、CH4/H2は、放電と過熱の判断指標となる。C24/C26は、過熱温度の判断指標となる。C22/C24とC22/C26とは、過熱と放電とを分離判断する判断指標となる。従って、各ガス相互間の濃度比率は、OFケーブル100の異常を診断するための指標として有用である。
なお、TCG、CH4/TCG、C26/TCG、C24/TCG、C22/TCG、CO/TCG、H2/TCG、CH4/H2、C22/C26、C24/C26、及びC22/C24の11種類の濃度情報は、CH4、C26、C24、C22、CO、及びH2の6種類のガスの濃度から算出可能である。従って、上記11種類の濃度情報は、必ずしも予め事例データ記憶部31に記憶されている必要はなく、上記6種類のガスの濃度から算出されて、RAM(Random Access Memory)やハードディスクドライブ装置などの記憶装置に一時的に記憶される構成としてもよい。この場合、これらの濃度情報を一時的に記憶する記憶装置も、事例データ記憶部31に含まれる。
18種類の属性情報うち、残りの1種類は、圧着スリーブ103による圧着圧力が弱い小拘束力状態(弱)であるか、小拘束力状態よりも圧着圧力が強い大拘束力状態(強)であるかを示す情報である拘束力情報である。圧着スリーブ103にケーブル絶縁紙104が咬み込まれた状態となっている場合がある。このような場合、圧着スリーブ103が所定の圧力より高い圧力で圧着されて大拘束力状態になっていると、ケーブル絶縁紙104が圧着スリーブ103に強く拘束される。その結果、OFケーブル100が屈曲した際に、ケーブル絶縁紙104がケーブル101に追従できなくなり、ケーブル絶縁紙104とケーブル101との間にすき間が生じやすくなる。ケーブル絶縁紙104とケーブル101との間にすき間が生じると、放電が生じやすくなってOFケーブル100が劣化しやすくなる。
従って、拘束力情報は、OFケーブル100の異常を診断するための指標として有用である。なお、OFケーブル100の製造メーカーは、1980年頃〜1990年頃にかけて、拘束力(圧着圧力)を大拘束力状態から小拘束力状態へ切り替えを行っており、メーカ毎にその切り替え時期が分かっている。そのため、OFケーブル100の製造メーカーとその製造時期から、OFケーブル100の拘束力情報を特定することができる。あるいは、OFケーブル100の製造メーカーやその製造時期を示す情報を、拘束力情報として用いてもよい。
なお、属性情報は、上記18種類に限らない。これらのうち一部を属性情報として用いてもよく、これらとは異なる属性情報を用いてもよい。また、ガスの種類も上記6種類に限らず、他の種類のガスを用いてもよい。
図4においては、上記18種類の属性情報に1〜18の属性番号を付し、事例番号をカッコ書きすることにより、属性番号p、事例番号qの属性情報を、dp(q)のように表している。
異常ランク情報Aは、OFケーブル100の状態を異常の程度が重い順にa,b,c,dの4ランクにランク付けして示す情報である。図5は、異常ランク情報Aに係るa,b,c,dの各ランクを説明するための説明図である。異常ランク情報Aは、OFケーブル100におけるケーブル絶縁紙104及び補強絶縁紙108aの異常の程度と、その劣化が生じた部位との組み合わせに応じてOFケーブル100の状態の状態をランク付けした情報である。
具体的には、異常部位として、ケーブル絶縁紙104の最外層/最内層と、ケーブル絶縁紙104の内部の層と、補強絶縁紙108aの沿面と、補強絶縁紙108aの内部の4カ所が設定されている。ケーブル絶縁紙104の最外層/最内層とは、図2におけるケーブル絶縁紙104の巻き始めとなる最も内側の層と最も外側の層であり、ケーブル絶縁紙104の内部の層とは、最も内側の層と最も外側の層の間の層である。補強絶縁紙108aの沿面とは、図3に示す補強絶縁紙108aにおいて、最内周、最外周、及び傾斜部分で絶縁油110に接する表面部分である。
劣化の程度としては、炭化(小)(第2程度)、炭化(大)(第1程度)、変色の3段階が設定されている。炭化(小)は、予め設定されたスジ状又は点状の変色を示し、炭化(大)は、上記スジ状又は点状の変色を超える範囲の大きな変色を示している。変色は、炭化(小)及び炭化(大)以外の程度の小さな変色を示している。変色の程度が大きいほど、異常の程度が大きいと考えられる。
また、内層の方が絶縁性能への影響が大きいため、最外層/最内層と内部の層とでは、内部の層の炭化、変色の方が異常の程度が重いと考えられる。同様に、沿面と内部とでは、内部の炭化、変色の方が異常の程度が重いと考えられる。
そこで、図5に示す例では、ケーブル絶縁紙104の内部の層及び補強絶縁紙108aの内部において炭化(大)となった場合を、最も異常の程度が重い異常ランクaとし、ケーブル絶縁紙104の最外層/最内層及び補強絶縁紙108aの沿面において炭化(大)となった場合、及びケーブル絶縁紙104の内部の層及び補強絶縁紙108aの内部において炭化(小)となった場合を、異常ランクbとし、ケーブル絶縁紙104の最外層/最内層及び補強絶縁紙108aの沿面において炭化(小)となった場合、及びケーブル絶縁紙104の内部の層及び補強絶縁紙108aの内部において変色となった場合を、異常ランクcとし、ケーブル絶縁紙104の最外層/最内層及び補強絶縁紙108aの沿面において変色となった場合を、最も異常の程度が軽い異常ランクdとしている。
異常ランク情報Bは、OFケーブル100の状態を異常の程度が軽い順にI,II,III,IVの4ランクにランク付けして示す情報である。図6は、異常ランク情報Bに係るI,II,III,IVの各ランクを説明するための説明図である。異常ランク情報Bは、OFケーブル100におけるケーブル絶縁紙104の異常の有無と、補強絶縁紙108aの異常の有無との組み合わせに応じてOFケーブル100の状態をランク付けした情報である。
具体的には、ケーブル絶縁紙104及び補強絶縁紙108aのいずれにも異常がない場合をランクI、ケーブル絶縁紙104は異常あり、補強絶縁紙108aは異常なしの場合をランクII、ケーブル絶縁紙104は異常なし、補強絶縁紙108aは異常ありの場合をランクIII、ケーブル絶縁紙104及び補強絶縁紙108aのいずれにも異常がある場合をランクIVとしている。なお、ランクIIとランクIIIの異常の程度はほぼ同等である。
なお、各事例データは、異常ランク情報A,Bを共に含んでいる必要はなく、異常ランク情報A,Bのいずれか一方を含んでいればよい。あるいは、各事例データは、異常ランク情報A,Bとは異なる異常ランク情報を含んでいてもよい。
図1に示す演算部2は、例えば所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)と、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、これらの周辺回路等とを備えて構成されている。演算部2は、例えば記憶部3に記憶されたプログラムを実行することにより、目的グループ設定部21、情報利得比算出部22、ノード生成部23、決定木成長部24、及び診断部25として機能する。
目的グループ設定部21は、異常ランク情報の各ランクを、異常の程度の小さい小異常グループと、小異常グループより異常の程度が大きい大異常グループとにグルーピング可能なグルーピングパターンにそれぞれグルーピングすることにより、各グルーピングパターンに対応してグルーピングされた各目的グループをクラスとして設定する。
情報利得比算出部22は、複数の事例データに基づく集合に対して、各属性情報をそれぞれ判定するための閾値を基準に前記集合を複数の部分集合に分割した場合の各目的グループに基づく情報利得比を、各属性情報と各グルーピングパターンとの組み合わせに対応してそれぞれ算出する。
また、情報利得比算出部22は、上記情報利得比を算出する際に、各属性情報の一つずつに対して、閾値の候補となる複数の候補閾値を閾値としてそれぞれ用いることにより得られる互いに異なる分割パターンと各グルーピングパターンとの組み合わせに対応して情報利得比をそれぞれ算出することにより、前記組み合わせを各属性情報、各グルーピングパターン、及び各閾値の組み合わせとする。
具体的には、情報利得比算出部22は、下記の式(1)〜(4)に基づき各情報利得比を算出する。
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但し、
X : 属性情報
D : 前記集合
|D|: 集合Dに属する前記事例データ(事例)の件数
Ci : i番目の前記目的グループに該当する前記事例データ(事例)の件数
αj : j番目の前記部分集合に属する前記事例データ(事例)の件数
βjk : j番目の前記部分集合に属するk番目の前記目的グループに該当する前記事例データ(事例)の件数
m、n : 集合D中の前記目的グループの総数
v : 前記集合の前記部分集合への分割数
G(X): 属性情報Xに基づき前記集合を分割した場合の情報利得比
M(D): 集合Dの前記目的グループに対する期待情報量
E(X): 属性情報Xに基づき集合Dが分割された後の期待情報量
S(X): 集合Dの属性情報Xに対する期待情報量
ノード生成部23は、情報利得比算出部22により算出された、各組み合わせに対応する各情報利得比のうち最大の情報利得比を選択し、その選択された最大の情報利得比に対応する前記組み合わせに係る前記属性情報、及びその属性情報に対応する前記閾値を、決定木のノードの属性、及び分岐閾値として設定することにより、決定木のノードを生成する。
決定木成長部24は、ノード生成部23によって生成されたノードにより分割される各部分集合を新たな集合とすることにより、情報利得比算出部22とノード生成部23とによって、上記ノードを親とする新たなノードを生成させる。
診断部25は、診断対象のOFケーブル100から取得された属性情報を、決定木成長部24により生成された決定木に基づき判定することによって、その診断対象のOFケーブル100に対応する異常ランク情報を取得し、すなわち診断対象のOFケーブル100の状態を診断する。
図7〜図10は、図1に示す異常診断システム1の動作の一例を示すフローチャートである。図7〜図10に示すフローチャートは、本発明に係る決定木生成方法の一例に相当している。
まず、目的グループ設定部21は、異常ランク情報の各ランクを、異常の程度の小さい小異常グループと、小異常グループより異常の程度が大きい大異常グループとにグルーピング可能なグルーピングパターンにそれぞれグルーピングする(ステップS1)。
図11は、異常ランク情報としてランクa,b,c,dを用いた場合に目的グループ設定部21によりグルーピングされるグルーピングパターンの一例を示す説明図である。異常ランク情報のランクa,b,c,dを大異常グループと小異常グループとにグルーピング可能なグルーピングパターンは、図11に示すように、グルーピングパターン1,2,3で示す3パターン存在する。グルーピングパターン1,2,3によれば、大異常グループに属するランクは、いずれも小異常グループに属するランクよりも異常の程度が大きい。
図12は、異常ランク情報としてランクI,II,III,IVを用いた場合に目的グループ設定部21によりグルーピングされるグルーピングパターンの一例を示す説明図である。異常ランク情報のランクI,II,III,IVを大異常グループと小異常グループとにグルーピング可能なグルーピングパターンは、図12に示すように、グルーピングパターン1,2,3,4で示す4パターン存在する。グルーピングパターン1,2,3,4によれば、大異常グループに属するランクは、いずれも小異常グループに属するランクよりも異常の程度が大きい。
以下、図11に示すグルーピングパターン1,2,3を用いる例について説明を行う。また、大異常グループを目的グループU1、小異常グループを目的グループU2とする。
次に、情報利得比算出部22は、初期処理として、事例1〜N、すなわち事例データ記憶部31に記憶されているすべての事例データを処理対象の集合Dとし(ステップS2)、処理対象となる属性情報の番号p及びグルーピングパターンの番号gを1とする(ステップS3)。
次に、情報利得比算出部22は、集合Dに属する事例数(事例データの件数)を計数し、これを|D|とする(ステップS4)。集合Dが事例1〜Nからなる場合、|D|=Nである。
次に、情報利得比算出部22は、集合Dのうち、グルーピングパターンgのi番目の目的グループUiに属する事例数をCiとする。例えば、グルーピングパターン1のとき、目的グループU1に属する事例数、すなわちランクaに属する事例数が10件であった場合、C1は10となり、目的グループU2に属する事例数、すなわちランクb,c,dに属する事例数が合計30件であった場合、C2は30となる。
次に、情報利得比算出部22は、属性情報Xpが濃度情報であるか否かを判断する(S6)。属性情報Xpが濃度情報であった場合(ステップS6でYES)、情報利得比算出部22は、属性情報Xpを判定するための分岐閾値(閾値)について、複数の候補閾値thpを設定する(ステップS7)。図13、図14は、候補閾値thpの設定方法を説明するための説明図である。図13は、属性情報X3を判定するための候補閾値th3に関する説明図、図14は、属性情報X4を判定するための候補閾値th4に関する説明図を示している。
図13(a)、図14(a)に示す例では、属性情報X3,X4が、それぞれ事例1〜事例7の7つの事例データに対応する7つの濃度情報d3(1)〜d3(7)、d4(1)〜d4(7)を有している。d3(1)〜d3(7)は、20,10,5,50,0,12,20(PPM)であり、d4(1)〜d4(7)は、1,0.2,0.1,0,0.1,5,0.5(PPM)である。
情報利得比算出部22は、まず、属性情報Xpの各濃度情報を例えば値の小さい順にソートする。その結果、属性情報X3の濃度情報(濃度値)は、図13(b)に示すように、0,5,10,12,20,20,50の順に並び替えられる。そうすると、属性情報X3に基づき事例1〜事例7を2つの部分集合に分割可能な候補閾値th3として、0,5,10,12,20の5つの値が得られる。上記候補閾値th3は、ソート後に互いに異なり、かつ隣接する二つの濃度値のうち、値の小さな濃度値を選択したものである。
これらの候補閾値th3によれば、例えば候補閾値th3=0のとき、属性情報X3が0以下の低濃度グループ(事例5のみの部分集合)と、属性情報X3が0を超える高濃度グループ(事例3,2,6,1,7,4の部分集合)とが得られる。例えば候補閾値th3=12のとき、属性情報X3が12以下の低濃度グループ(事例5、3,2,6の部分集合)と、属性情報X3が12を超える高濃度グループ(事例1,7,4の部分集合)とが得られる。
なお、候補閾値th3として、ソート後に互いに異なり、かつ隣接する二つの濃度値のうち、値の大きな濃度値を選択し、5,10,12,20,50の5つの値を取得してもよい。そして、各候補閾値th3に満たないグループと各候補閾値th3以上のグループとに部分集合を分割してもよい。
しかしながら、候補閾値th3として、ソート後に互いに異なり、かつ隣接する二つの濃度値のうち、値の小さな濃度値を選択する方が、分割後の部分集合のうち、異常が生じている可能性が高いと考えられる高濃度グループに事例が分類され易くなり、その結果、異常の診断結果が厳しく診断されやすくなる(異常の程度が重く判断されやすくなる)。その結果、安全サイドの診断が行われる点で望ましい。
同様にして、属性情報X4からは、0,0.1,0.2,0.5,1の5つの候補閾値th4が得られる。情報利得比算出部22は、このようにして得られた各候補閾値thpに対し、例えば追い番で候補閾値番号を付与する。以下、属性情報Xpに関する候補閾値番号がrの候補閾値をthp(r)と表記する。
次に、情報利得比算出部22は、候補閾値番号rを1に初期化する(ステップS8)。
次に、情報利得比算出部22は、情報利得比G(X)算出処理を実行する(ステップS9)。図9は、情報利得比G(X)算出処理を説明するフローチャートである。
まず、情報利得比算出部22は、候補閾値thp(r)を基準に集合Dを、属性情報Xpが候補閾値thp(r)を超える高濃度グループである部分集合D1と、属性情報Xpが候補閾値thp(r)以下の低濃度グループである部分集合D2とに分割する(ステップS31)。以下、部分集合の番号をjで示す。
次に、情報利得比算出部22は、部分集合Djに属する事例数を計数し、αjとする(ステップS32)。例えば、部分集合D1に属する事例数が10件、部分集合D2に属する事例数が20件であれば、α1=10,α2=20となる。なお、図15〜図17に示す例では、α1=20,α2=20である。
次に、情報利得比算出部22は、部分集合Djに属し、かつ目的グループUkに属する事例数を計数し、βjkとする(ステップS33)。ここで、kは、グルーピングパターンgに属する各目的グループに付された番号である。
次に、情報利得比算出部22は、属性情報XpをXとし、式(1)〜(4)に基づき、属性情報Xp、グルーピングパターンg、及び候補閾値thp(r)に対応する情報利得比G(X)を算出し、ステップS10へ移行する(ステップS34)。
ステップS10において、ノード生成部23は、組み合わせ除外処理を実行する。図10は、組み合わせ除外処理の一例を示すフローチャートである。ステップS41において、ノード生成部23は、属性情報Xp、グルーピングパターンg、及び候補閾値thp(r)の組み合わせについて、大異常グループであって高濃度グループに属する事例データの数が大異常グループであって低濃度グループに属する事例データの数より少ない第1の条件、及び小異常グループであって低濃度グループに属する事例データの数が小異常グループであって高濃度グループに属する事例データの数より少ない第2の条件が共に満たされているか否かを判定する(ステップS41)。
そして、第1及び第2の条件が共に満たされていた場合(ステップS41でYES)、ノード生成部23は、その条件が満たされた上記組み合わせに対応する情報利得比G(X)を、ゼロとし(ステップS42)、ステップS11へ移行する。
情報利得比G(X)をゼロにすると、後述するステップS21において、そのゼロにされた情報利得比G(X)は、最大の情報利得比G(X)として選択されることがなくなる。すなわち、ノード生成部23は、情報利得比G(X)をゼロにすることによって、その情報利得比G(X)を、ステップS21における最大の情報利得比G(X)の選択対象から除外する。
なお、第1及び第2の条件が共に満たされた上記組み合わせに対応する情報利得比G(X)を、ゼロにする処理は、その組み合わせに対応する情報利得比G(X)を最大の情報利得比G(X)の選択対象から除外する方法の一例である。ノード生成部23は、他の方法により第1及び第2の条件が共に満たされた上記組み合わせに対応する情報利得比G(X)を、最大の情報利得比G(X)の選択対象から除外してもよい。
一方、第1及び第2の条件のうち少なくとも一方が満たされない場合(ステップS41でNO)、ノード生成部23は、ステップS42を実行することなくステップS11へ移行する。
図15は、組み合わせ除外処理を説明するための説明図である。例えば、図15(a)、(b)に示すように、高濃度グループ(部分集合D1)と低濃度グループ(部分集合D2)への分割、及び大異常グループ(ランクa,b)と小異常グループ(ランクc,d)へのグルーピングを行った場合、図15(a)に示す例では、大異常グループであって高濃度グループに属する事例データの数は17、大異常グループであって低濃度グループに属する事例データの数は3であるから、第1の条件を満たさない。また、小異常グループであって低濃度グループに属する事例データの数は17、小異常グループであって高濃度グループに属する事例データの数は3であるから、第2の条件を満たさない。
従って、図15(a)に示す例に対応する情報利得比G(X)は、最大の情報利得比G(X)の選択対象から除外されることはない。
高濃度グループに属する事例は、低濃度グループに属する事例よりも絶縁油110に溶解していた属性情報Xに係るガス濃度が高い。そして、ガス濃度が高いほど、OFケーブル100で生じている異常の程度が重い可能性が高い。図15(a)に示す例は、このようなOFケーブル100に関する知見と合致している。従って、図15(a)に示す例は、決定木を生成するための部分集合への分割方法として適切であり、最大の情報利得比G(X)の選択対象に含まれることが好ましい。このように、上述の組み合わせ除外処理によれば、図15(a)に示すような、適切な分割方法に係る情報利得比G(X)を最大の情報利得比G(X)の選択対象に含めることができる。
一方、図15(b)に示す例では、大異常グループであって高濃度グループに属する事例データの数は3、大異常グループであって低濃度グループに属する事例データの数は17であるから、第1の条件を満たす。また、小異常グループであって低濃度グループに属する事例データの数は3、小異常グループであって高濃度グループに属する事例データの数は17であるから、第2の条件を満たす。
従って、図15(b)に示す例では、第1及び第2の条件を共に満たすから、上述の組み合わせ除外処理によれば、図15(b)に示す例に対応する情報利得比G(X)は、最大の情報利得比G(X)の選択対象から除外される。
図15(b)に示す例は、上述のOFケーブル100に関する知見とは、異常ランクとガス濃度の関係が逆になっている。従って、図15(b)に示す分割方法の例は、決定木を生成するための部分集合への分割方法として不適切である。しかしながら、ステップS31〜S34の情報利得比G(X)算出処理によれば、図15(a),(b)に示す例から得られる情報利得比G(X)は、共に0.39となる。そのため、C4.5アルゴリズムのように、情報利得比G(X)によって集合の分割方法を決定し、すなわちノードを生成すると、本来、OFケーブル100の分析には不適切な図15(b)に係る分割方法がノードとして選択されてしまうおそれがある。
しかしながら、上述の組み合わせ除外処理によれば、OFケーブル100の分析には不適切な図15(b)に係る情報利得比G(X)が、最大の情報利得比G(X)の選択対象から除外される。その結果、不適切なノードが生成されるおそれを低減することができる。
次に、ステップS11において、情報利得比算出部22は、全候補閾値に対する情報利得比G(X)の算出が終了したか否かをチェックする(ステップS11)。そして、全候補閾値に対する情報利得比G(X)の算出が終了していなければ(ステップS11でNO)、情報利得比算出部22は、ステップS12へ移行し、候補閾値番号rに1を加算して再びステップS9〜S11を繰り返す。
一方、全候補閾値に対する情報利得比G(X)の算出が終了していれば(ステップS11でYES)、情報利得比算出部22は、ステップS14へ移行し、全グルーピングパターンに対する情報利得比G(X)の算出が終了したか否かをチェックする(ステップS14)。そして、全グルーピングパターンに対する情報利得比G(X)の算出が終了していなければ(ステップS14でNO)、情報利得比算出部22は、ステップS15へ移行し、グルーピングパターン番号gに1を加算して再びステップS5〜S14を繰り返す。
一方、全グルーピングパターンに対する情報利得比G(X)の算出が終了していれば(ステップS14でYES)、情報利得比算出部22は、ステップS16へ移行し、全属性情報に対する情報利得比G(X)の算出が終了したか否かをチェックする(ステップS16)。そして、全属性情報に対する情報利得比G(X)の算出が終了していなければ(ステップS16でNO)、情報利得比算出部22は、ステップS17へ移行し、属性番号pに1を加算して再びステップS5〜S16を繰り返す。
一方、全属性情報に対する情報利得比G(X)の算出が終了していれば(ステップS16でYES)、情報利得比算出部22は、ステップS21へ移行する。
他方、ステップS6において、属性情報Xpが濃度情報ではない場合(ステップS6でNO)、すなわち本実施形態においては属性情報Xpが拘束力情報である場合、情報利得比算出部22は、ステップS18へ移行する。ステップS18においては、情報利得比算出部22は、大拘束力状態(強)の事例を部分集合D1とし、小拘束力状態(弱)の事例を部分集合D2とした上で、ステップS31〜S34の情報利得比G(X)算出処理を実行し、情報利得比G(X)を算出した後、ステップS14へ移行する。
次に、ステップS21において、ノード生成部23は、各属性情報、各グルーピングパターン、各候補閾値の組み合わせに対して得られた情報利得比G(X)のうち、最大の情報利得比G(X)を選択する(ステップS21)。
次に、ノード生成部23は、最大の情報利得比G(X)に対応する属性情報、及びその属性情報に対応する候補閾値を、ノードの属性、及び分岐閾値として設定し、ノードを生成する(ステップS22)。決定木はノードから構成されているので、ノードを示す情報は、すなわち決定木を示す情報である。ノード生成部23は、生成されたノードを示す情報を、決定木を示す情報として決定木記憶部32に記憶する。
図16、図17は、ステップS1において、目的グループ設定部21が異常ランク情報の各ランクを目的グループにグルーピングすることによる効果を説明するための説明図である。図16は、例えば属性情報X1について情報利得比G(X)を求める例、図17は、例えば属性情報X2について情報利得比G(X)を求める例を示している。
図16(a)、図17(a)は、目的グループ設定部21を備えず、目的事例となる異常ランク情報をグルーピングすることなく、ランクa,b,c,dとしたまま候補閾値thp(r)を基準に集合Dを部分集合D1,D2に分割した場合に、各ランク及び部分集合D1,D2に属する事例数を示す表である。図16(a)、図17(a)に示すように、異常ランク情報のグルーピングを行わずに部分集合D1,D2に分割した場合の情報利得比G(X)は、共に0.40となる。
従って、目的グループ設定部21を備えず、ステップS1を実行しない場合、図16(a)、図17(a)に示す分割パターンは情報利得比G(X)が等しいため、いずれの分割パターンもノードとして選択される可能性がある。しかしながら、図16(a)に示す分割パターンでは、異常の程度の順に設定されたランクa,b,c,dに対して、部分集合D1に属する事例数は、9から2に減少してから8に増加し、さらに1になるというように、増減を繰り返している。同様に、部分集合D2についても、事例数が増減している。このような集合の分割パターンは、判断木のノードとして適さない。
図16(b),(c),(d)、及び図17(b),(c),(d)は、目的グループ設定部21がステップS1の処理により、目的事例となる異常ランク情報をグルーピングした場合の例を示している。
図16(b)、図17(b)は、図16(a)、図17(a)に示すデータについて、それぞれ図11に示すグルーピングパターン1に従いランクa,b,c,dをグルーピングした場合の例を示し、図16(c)、図17(c)は、図11に示すグルーピングパターン2に従いランクa,b,c,dをグルーピングした場合の例を示し、図16(d)、図17(d)は、図11に示すグルーピングパターン3に従いランクa,b,c,dをグルーピングした場合の例を示している。
図16(b),(c),(d)、及び図17(b),(c),(d)に示す例によれば、図17(c)の情報利得比G(X)が0.39となり、ステップS21において最大の情報利得比G(X)として選択されることとなる。従って、図17(c)に係る部分集合への分割パターンに対応する属性情報、及び候補閾値が、ステップS22においてノードの属性、及び分岐閾値として設定され、当該ノードが生成される。
この場合、図17(c)に示す部分集合への分割パターンでは、図17(a)に示す分割パターンのように、各ランクに対する事例数の不連続は生じない。その結果、図17(c)に係る部分集合への分割パターンに基づきノードを生成することによって、判断木のノードとして良好なノードが得られる。
すなわち、目的グループ設定部21を備え、ステップS1を実行することによって、OFケーブル100の異常診断に適した良好な判断木のノードを生成することが可能となる。
次に、決定木成長部24は、ノード生成部23によって生成されたノードによって、集合Dを部分集合D1,D2に分割する(ステップS23)。そして、決定木成長部24は、部分集合D1,D2のうち、集合の分割を停止させる条件である終了条件を満たす部分集合の異常ランク情報を判定結果として示す葉ノードを生成する(ステップS24)。
次に、決定木成長部24は、部分集合D1,D2のうちに終了条件を満たさない部分集合があるか否かを判定する(ステップS25)。そして、終了条件を満たさない部分集合がなければ(ステップS25でNO)、決定木成長部24は、決定木の成長を停止させ、生成された決定木を示す情報を決定木記憶部32に記憶し(ステップS27)、処理を終了する。
一方、終了条件を満たさない部分集合があれば(ステップS25でYES)、決定木成長部24は、終了条件を満たさない部分集合を新たな集合Dとして、再びステップS3〜S25を繰り返すことにより、判断木を成長させる(ステップS26)。
終了条件としては、例えば、部分集合に属する事例が同一のランク(クラス)に属する条件や、部分集合に属する事例件数が2件以下になる条件、あるいはその部分集合をさらに分割した場合に判定の誤り率が増加してしまう条件等、種々の条件を用いることができる。
以上、ステップS1〜S42の処理により、OFケーブル100の異常診断に適した判断木を生成することが可能となる。
図18は、ステップS1〜S42の処理により生成された決定木の一例を示す説明図である。図18に示す決定木の各ノードには、ノード番号n0〜n52が付されている。図19は、図6に示す異常ランクと図12に示すグルーピングパターンとを用いてステップS1〜S42を実行することにより生成された決定木の一例を示す説明図である。図19に示す決定木の各ノードには、ノード番号m0〜m58が付されている。
図18、図19に示す決定木においては、拘束力を属性とするノード以外の濃度情報を属性とするノードについては、これらのノードから分岐する2本の枝のうち、図中左側の枝が、各ノードの属性情報が、各ノードの分岐閾値以下であった場合に分岐する枝であり、図中右側の枝が、各ノードの属性情報が、各ノードの分岐閾値を超えた場合に分岐する枝である。
異常診断システム1によりOFケーブル100を診断する場合、ユーザは、診断対象のOFケーブル100から絶縁油110を採取し、その絶縁油110に溶解しているガスの濃度を測定することによって、例えば図4に示す17個の濃度情報を取得する。また、ユーザは、診断対象のOFケーブル100の拘束力情報を取得する。ユーザは、このようにして得られた複数の濃度情報と拘束力情報とを診断対象属性情報として、例えば操作部5を用いて演算部2に入力し、記憶部3に記憶させる。
診断部25は、決定木記憶部32に記憶された決定木を用いて、記憶部3に記憶された診断対象属性情報に対して異常診断を実行する。例えば、ユーザが操作部5を操作して、診断対象のOFケーブル100がランクa,b,c,dのいずれのランクに該当するかの診断を指示した場合、診断部25は、決定木記憶部32から、図18に記載の決定木を読み出す。また、ユーザが操作部5を操作して、診断対象のOFケーブル100がランクI,II,III,IVのいずれのランクに該当するかの診断を指示した場合、診断部25は、決定木記憶部32から、図19に記載の決定木を読み出す。
そして、診断部25は、読み出された決定木の根ノードから順に、診断対象属性情報を当て嵌め、葉ノードに到達するまで分岐を繰り返す。葉ノードに到達すれば、その葉ノードに対応付けられた異常ランクが、OFケーブル100の診断結果となる。診断部25は、このようにして得られた診断結果を表示部4に表示させる。このようにして、OFケーブル100の異常診断を行うことが可能となる。
以下、図18、図19に示す決定木に基づいて、診断部25の動作を具体的に説明する。以下の説明において、各ノードの属性を括弧で示し、例えば属性がC22のノードn0のことを、ノードn0(C22)と記載する。また、各ノードの分岐閾値をTで示し、例えばノードn0の分岐閾値をT(n0)と記載する。また、診断対象属性情報の濃度値をDで示し、例えば診断対象属性情報のC22の濃度値をD(C22)と示す。
図18に示す決定木によれば、診断部25は、まず根ノードであるノードn0(C22)を参照し、D(C22)≦T(n0)であればノードn1(CO)へ、D(C22)>T(n0)であればノードn2(C22)へ分岐する。また、診断部25は、ノードn2(C22)では、D(C22)≦T(n2)であればノードn5(TCG)へ、D(C22)>T(n2)であればノードn6(C22)へ分岐する。
また、診断部25は、ノードn5(TCG)では、D(TCG)≦T(n5)であればノードn11(C22/TCG)へ、D(TCG)>T(n5)であれば葉ノードn12へ分岐してランクbと判定する。診断部25は、ノードn11(C22/TCG)では、D(C22/TCG)≦T(n11)であれば葉ノードn23へ分岐してランクdと判定する。なお、T(n0)<T(n2)である。
また、診断部25は、ノードn1(CO)では、D(CO)≦T(n1)であればノードn3(C22)へ、D(CO)>T(n1)であればノードn4(拘束力)へ分岐する。
診断部25は、拘束力の分岐閾値を閾値T(拘束力)とした場合、ノードn4(拘束力)では、診断対象属性情報の拘束力Pが、P≦T(拘束力)であればノードn9(CO/TCG)へ、P>T(拘束力)であればノードn10(H2/TCG)へ分岐する。
なお、例えばノードn0,n2,n6のように、同じ属性(C22)のノードを複数回経由する場合、属性が同じ各ノードの分岐閾値は異なる値にされている。例えば、上流のノードから左側(診断対象の濃度値が分岐閾値以下の側)に分岐して下流のノードに到達した場合、下流のノードの分岐閾値は上流の分岐閾値より小さな値にされている。また、上流のノードから右側(診断対象の濃度値が分岐閾値より大きい側)に分岐して下流のノードに到達した場合、下流のノードの分岐閾値は上流の分岐閾値より大きな値にされている。
図19に示す決定木によれば、診断部25は、まず根ノードであるノードm0(C22)を参照し、D(C22)≦T(m0)であればノードm1(CO)へ、D(C22)>T(m0)であればノードm2(C22/C26)へ分岐する。また、診断部25は、ノードm2(C22/C26)では、D(C22/C26)≦T(m2)であればノードm5(C26/TCG)へ、D(C22/C26)>T(m2)であればノードm6(C24/C26)へ分岐する。
また、診断部25は、ノードm6(C24/C26)では、D(C24/C26)≦T(m6)であれば葉ノードm13へ分岐してランクIIIと判定し、D(C24/C26)>T(m6)であれば葉ノードm14へ分岐してランクIVと判定する。
診断部25は、このように診断対象属性情報に基づき分岐を繰り返し、葉ノード、例えばノードn26に到達した場合、診断対象のOFケーブル100はランクaであると判定し、例えばノードn43に到達した場合、診断対象のOFケーブル100はランクbであると判定し、ノードn41に到達した場合、診断対象のOFケーブル100はランクcであると判定し、ノードn35に到達した場合、診断対象のOFケーブル100はランクdであると判定する。
なお、情報利得比算出部22及びノード生成部23が、複数の候補閾値を用いる例を示したが、必ずしも複数の候補閾値を用いる例に限らない。各属性情報に対して適切な閾値を、例えば予め実験的に求めて記憶部3に記憶しておいてもよい。この場合、ステップS7,8,S11,S12は不要となる。
また、ノード生成部23は、ステップS10,S41,S42を実行しない構成であってもよい。また、ステップS31において、一つの候補閾値thp(r)を基準として集合Dを二つの部分集合に分割する例を示したが、複数の候補閾値を用いて集合Dを三つ以上の部分集合(例えば、高、中、低濃度の3グループ)に分割してもよい。
また、異常診断システム1は、診断部25及び決定木記憶部32を備えない決定木生成システムとして構成されていてもよい。また、異常診断システム1は、目的グループ設定部21、情報利得比算出部22、ノード生成部23、及び決定木成長部24を含まず、別の決定木生成システムにより生成され、決定木記憶部32に記憶された決定木に基づき異常診断を行う異常診断システムであってもよい。
1 異常診断システム(決定木生成システム)
2 演算部
3 記憶部
4 表示部
5 操作部
6 外部インターフェイス部
21 目的グループ設定部
22 情報利得比算出部
23 ノード生成部
24 決定木成長部
25 診断部
31 事例データ記憶部
32 決定木記憶部
100 OFケーブル
101 ケーブル
102 ケーブル導体
103 圧着スリーブ(圧着部材)
104 ケーブル絶縁紙
105 ケーブル絶縁体
108 外部遮蔽層
108a 補強絶縁紙
109 保護管
110 絶縁油
111 弁
112 接地端子
D 集合
D1,D2,Dj 部分集合
G(X) 情報利得比
X 属性情報
g グルーピングパターン番号
p 属性番号
q 事例番号
r 候補閾値番号
thp 候補閾値

Claims (14)

  1. 油が封入された油入電気機器において過去に生じた複数の事例に基づき、前記油入電気機器の状態を判断するための決定木を生成する決定木生成システムであって、
    前記油入電気機器に封入された油に溶解していたガスの濃度に関する濃度情報を含む複数の属性情報と、前記油入電気機器の状態を異常の程度の順に3ランク以上にランク付けして示す異常ランク情報とが対応付けられた事例データを、前記各事例にそれぞれ対応して記憶する事例データ記憶部と、
    前記異常ランク情報の各ランクを、前記異常の程度の小さい小異常グループと、前記小異常グループより異常の程度が大きい大異常グループとにグルーピング可能なグルーピングパターンにそれぞれグルーピングすることにより、前記各グルーピングパターンに対応してグルーピングされた各目的グループを設定する目的グループ設定部と、
    前記複数の事例データに基づく集合に対して、前記各属性情報をそれぞれ判定するための閾値を基準に前記集合を複数の部分集合に分割した場合の前記各目的グループに基づく情報利得比を、前記各属性情報と前記各グルーピングパターンとの組み合わせに対応してそれぞれ算出する情報利得比算出部と、
    前記情報利得比算出部により算出された、前記各組み合わせに対応する各情報利得比のうち最大の情報利得比を選択し、前記選択された最大の情報利得比に対応する前記組み合わせに係る前記属性情報、及びその属性情報に対応する前記閾値を、前記決定木のノードの属性、及び分岐閾値として設定することにより、前記ノードを生成するノード生成部とを備える決定木生成システム。
  2. 前記情報利得比算出部は、
    前記各属性情報の一つずつに対して、前記閾値の候補となる複数の候補閾値を前記閾値としてそれぞれ用いることにより得られる互いに異なる分割パターンと前記各グルーピングパターンとの組み合わせに対応して前記情報利得比をそれぞれ算出することにより、前記組み合わせを前記各属性情報、前記各グルーピングパターン、及び前記各閾値の組み合わせとする請求項1記載の決定木生成システム。
  3. 前記ノード生成部は、
    前記各組み合わせについて、前記大異常グループであって前記高濃度グループに属する前記事例データの数が前記大異常グループであって前記低濃度グループに属する前記事例データの数より少ない第1の条件、及び前記小異常グループであって前記低濃度グループに属する前記事例データの数が前記小異常グループであって前記高濃度グループに属する前記事例データの数より少ない第2の条件の双方の条件が満たされた場合、その条件が満たされた前記組み合わせに対応する情報利得比を、前記最大の情報利得比の選択対象から除外する請求項1又は2記載の決定木生成システム。
  4. 前記ガスは、
    CH4、C26、C24、C22、CO、及びH2の中から選択された少なくとも1種のガスを含み、
    前記濃度情報は、
    前記少なくとも1種のガスの濃度、前記少なくとも1種のガスの濃度の合計と前記少なくとも1種のガスの濃度との比率、及び前記少なくとも1種は複数種類であって、当該複数種類のガス相互間の濃度比率、のうち少なくとも一つの情報を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の決定木生成システム。
  5. 前記油入電気機器は、複数の導電ケーブルの端部同士が、圧着部材によって互いに接続されたOFケーブルであり、
    前記複数の属性情報には、前記圧着部材による圧着圧力が弱い小拘束力状態であるか、前記小拘束力状態よりも前記圧着圧力が強い大拘束力状態であるかを示す属性情報が含まれる請求項1〜4のいずれか1項に記載の決定木生成システム。
  6. 前記油入電気機器は、複数の導電ケーブルの端部同士が互いに接続されたOFケーブルであり、
    前記各導電ケーブルには、絶縁のためのケーブル絶縁紙が巻回され、
    前記各導電ケーブル相互間の接続部には、絶縁のための補強絶縁紙が巻回され、
    前記異常ランク情報は、前記ケーブル絶縁紙及び前記補強絶縁紙の劣化の程度と、前記劣化が生じた部位との組み合わせに応じて前記油入電気機器の状態をランク付けした情報である請求項1〜5のいずれか1項に記載の決定木生成システム。
  7. 前記油入電気機器は、複数の導電ケーブルの端部同士が互いに接続されたOFケーブルであり、
    前記各導電ケーブルには、絶縁のためのケーブル絶縁紙が巻回され、
    前記各導電ケーブル相互間の接続部には、絶縁のための補強絶縁紙が巻回され、
    前記異常ランク情報は、前記ケーブル絶縁紙の異常の有無と、前記補強絶縁紙の異常の有無との組み合わせに応じて前記油入電気機器の状態をランク付けした情報である請求項1〜5のいずれか1項に記載の決定木生成システム。
  8. 前記ノード生成部によって生成されたノードにより分割される各部分集合を新たな前記集合とすることにより、前記情報利得比算出部と前記ノード生成部とによって、前記ノードを親とする新たなノードを生成させる決定木成長部をさらに備える請求項1〜7のいずれか1項に記載の決定木生成システム。
  9. 前記情報利得比算出部は、下記の式(1)〜(4)に基づき前記情報利得比を算出する請求項1〜8のいずれか1項に記載の決定木生成システム。
    Figure 0005867466
    Figure 0005867466
    Figure 0005867466
    Figure 0005867466
    但し、
    X : 属性情報
    D : 前記集合
    |D|: 集合Dに属する前記事例データ(事例)の件数
    Ci : i番目の前記目的グループに該当する前記事例データ(事例)の件数
    αj : j番目の前記部分集合に属する前記事例データ(事例)の件数
    βjk : j番目の前記部分集合に属するk番目の前記目的グループに該当する前記事例データ(事例)の件数
    m、n : 集合D中の前記目的グループの総数
    v : 前記集合の前記部分集合への分割数
    G(X): 属性情報Xに基づき前記集合を分割した場合の情報利得比
    M(D): 集合Dの前記目的グループに対する期待情報量
    E(X): 属性情報Xに基づき集合Dが分割された後の期待情報量
    S(X): 集合Dの属性情報Xに対する期待情報量
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の決定木生成システムによって生成された前記決定木を記憶する決定木記憶部と、
    診断対象となる油入電気機器についての前記複数の属性情報を、前記決定木記憶部に記憶された決定木に当て嵌めることによって、前記ランクを判定する診断部とを備える油入電気機器の異常診断システム。
  11. 複数の導電ケーブルの端部同士が互いに接続されたOFケーブルの診断を行う油入電気機器の異常診断システムであって、
    前記OFケーブルの状態を判断するための決定木を記憶する決定木記憶部と、
    診断対象となる前記OFケーブルについての診断対象属性情報を、前記決定木記憶部に記憶された決定木に当て嵌めることによって、4ランクにランク付けされた異常ランクを判定する診断部とを備え、
    前記各導電ケーブルには、絶縁のためのケーブル絶縁紙が巻回され、
    前記各導電ケーブル相互間の接続部には、絶縁のための補強絶縁紙が巻回され、
    前記異常ランクは、前記ケーブル絶縁紙の内部の層及び補強絶縁紙の内部において炭化の程度が所定の第1程度である場合を、最も異常の程度が重い異常ランクaとし、前記ケーブル絶縁紙の最外層/最内層及び前記補強絶縁紙の沿面において炭化の程度が前記第1程度の場合、及び前記ケーブル絶縁紙の内部の層及び前記補強絶縁紙の内部において炭化の程度が前記第1程度より小さい第2程度となった場合を、異常ランクbとし、前記ケーブル絶縁紙の最外層/最内層及び前記補強絶縁紙の沿面において炭化の程度が第2程度となった場合、及び前記ケーブル絶縁紙の内部の層及び前記補強絶縁紙の内部において変色となった場合を、異常ランクcとし、前記ケーブル絶縁紙の最外層/最内層及び前記補強絶縁紙の沿面において変色した場合を、最も異常の程度が軽い異常ランクdとするものであり、
    前記診断部は、前記決定木に基づき、前記診断対象属性情報であるC22の濃度が根ノードn0(C22)の分岐閾値を超えていればノードn2(C22)へ分岐し、ノードn2(C22)では、前記診断対象属性情報であるC22の濃度がノードn2(C22)の分岐閾値以下であれば、CH4、C26、C24、C22、CO、及びH2の6種類のガスの濃度の合計であるTCGを属性とするノードn5(TCG)へ分岐し、ノードn5(TCG)では、前記診断対象属性情報であるTCGの濃度がノードn5(TCG)の分岐閾値以下であればノードn11(C22/TCG)へ分岐し、TCGの濃度がノードn5(TCG)の分岐閾値を超えていればランクbと判定し、ノードn11(C22/TCG)では、前記診断対象属性情報である(C22/TCG)がノードn5(TCG)の分岐閾値以下であればランクdと判定する油入電気機器の異常診断システム。
  12. 複数の導電ケーブルの端部同士が互いに接続されたOFケーブルの診断を行う油入電気機器の異常診断システムであって、
    前記OFケーブルの状態を判断するための決定木を記憶する決定木記憶部と、
    診断対象となる前記OFケーブルについての診断対象属性情報を、前記決定木記憶部に記憶された決定木に当て嵌めることによって、4ランクにランク付けされた異常ランクを判定する診断部とを備え、
    前記各導電ケーブルには、絶縁のためのケーブル絶縁紙が巻回され、
    前記各導電ケーブル相互間の接続部には、絶縁のための補強絶縁紙が巻回され、
    前記異常ランクは、前記ケーブル絶縁紙及び前記補強絶縁紙のいずれにも異常がない場合をランクI、前記ケーブル絶縁紙は異常あり、前記補強絶縁紙は異常なしの場合をランクII、前記ケーブル絶縁紙は異常なし、前記補強絶縁紙は異常ありの場合をランクIII、前記ケーブル絶縁紙及び前記補強絶縁紙のいずれにも異常がある場合をランクIVとするものであり、
    前記診断部は、前記決定木に基づき、前記診断対象属性情報であるC22の濃度が根ノードであるノードm0(C22)の分岐閾値を超えていればノードm2(C22/C26)へ分岐し、ノードm2(C22/C26)では、前記診断対象属性情報である(C22/C26)の濃度がノードm2(C22/C26)の分岐閾値を超えていればノードm6(C24/C26)へ分岐し、ノードm6(C24/C26)では、前記診断対象属性情報である(C24/C26)の濃度がノードm6(C24/C26)の分岐閾値以下であればランクIIIと判定し、ノードm6(C24/C26)の分岐閾値を超えていればランクIVと判定する油入電気機器の異常診断システム。
  13. 油が封入された油入電気機器において過去に生じた複数の事例に基づき、前記油入電気機器の状態を判断するための決定木を生成する決定木生成方法であって、
    前記油入電気機器に封入された油に溶解していたガスの濃度に関する濃度情報を含む複数の属性情報と、前記油入電気機器の状態を異常の程度の順に3ランク以上にランク付けして示す異常ランク情報とが対応付けられた複数の事例データに基づいて、前記異常ランク情報の各ランクを、前記異常の程度の小さい小異常グループと、前記小異常グループより異常の程度が大きい大異常グループとにグルーピング可能なグルーピングパターンにそれぞれグルーピングすることにより、前記各グルーピングパターンに対応してグルーピングされた各目的グループを設定する目的グループ設定工程と、
    前記複数の事例データに基づく集合に対して、前記各属性情報をそれぞれ判定するための閾値を基準に前記集合を複数の部分集合に分割した場合の前記各目的グループに基づく情報利得比を、前記各属性情報と前記各グルーピングパターンとの組み合わせに対応してそれぞれ算出する情報利得比算出工程と、
    前記情報利得比算出工程により算出された、前記各組み合わせに対応する各情報利得比のうち最大の情報利得比を選択し、前記選択された最大の情報利得比に対応する前記組み合わせに係る前記属性情報、及びその属性情報に対応する前記閾値を、前記決定木のノードの属性、及び分岐閾値として設定することにより、前記ノードを生成するノード生成工程とを含む決定木生成方法。
  14. 油が封入された油入電気機器において過去に生じた複数の事例に基づき、前記油入電気機器の状態を判断するための決定木を生成する決定木生成プログラムであって、
    コンピュータを、
    前記油入電気機器に封入された油に溶解していたガスの濃度に関する濃度情報を含む複数の属性情報と、前記油入電気機器の状態を異常の程度の順に3ランク以上にランク付けして示す異常ランク情報とが対応付けられた事例データを、前記各事例にそれぞれ対応して記憶する事例データ記憶部、
    前記異常ランク情報の各ランクを、前記異常の程度の小さい小異常グループと、前記小異常グループより異常の程度が大きい大異常グループとにグルーピング可能なグルーピングパターンにそれぞれグルーピングすることにより、前記各グルーピングパターンに対応してグルーピングされた各目的グループを設定する目的グループ設定部、
    前記複数の事例データに基づく集合に対して、前記各属性情報をそれぞれ判定するための閾値を基準に前記集合を複数の部分集合に分割した場合の前記各目的グループに基づく情報利得比を、前記各属性情報と前記各グルーピングパターンとの組み合わせに対応してそれぞれ算出する情報利得比算出部、
    前記情報利得比算出部により算出された、前記各組み合わせに対応する各情報利得比のうち最大の情報利得比を選択し、前記選択された最大の情報利得比に対応する前記組み合わせに係る前記属性情報、及びその属性情報に対応する前記閾値を、前記決定木のノードの属性、及び分岐閾値として設定することにより、前記ノードを生成するノード生成部として機能させる決定木生成プログラム。
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