ところで、特許文献1の振動篩用網では、被篩体の流れ方向において、上流側から下流側に向けて振動篩用網が下り傾斜になるように設置されるが、特許文献1の振動篩用網では、この下り傾斜のため、収納箱内の球体が低い側に偏在することになり、当該収納箱において偏在した球体による振動篩用網の叩打が行われることになり、叩打位置にむらが生じ、十分な閉塞防止効果が得られないという課題がある。
上記特許文献2の振動篩用網では、振動篩用網の上方から被篩体が投入されることになるが、被篩体が粒状体等で、振動篩用網の上部に被篩体が層状に投入され、上記ブロックが被篩体の層の上面に当接することになるが、該層が厚くなると、当該層上面に上記ブロックが当接しても層を叩き崩すことができず、閉塞防止効果が得られない、という課題があった。
このような場合、振動篩装置を一旦止めて、振動篩用網の上部の掃除をした上で再運転を行う、という動作を繰り返し行う必要があり、篩作業の効率が著しく低下する、という課題があった。
上記特許文献3の装置でも、上記特許文献2と同様の課題があり、振動篩用網の上面に層状に堆積すると、上記ブロックでは閉塞防止効果が得られない、という課題があった。
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、仮に篩上に被篩体が層状に堆積しても、容易に閉塞(目詰まり)を防止することのできる閉塞防止機能付振動篩用網及び振動篩装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、
第1に、合成樹脂製縦線と合成樹脂製横線とを交差部にて熱溶着して一体とされた振動篩用網が上記合成樹脂製縦線と平行な両側縁を以って振動篩装置に張設され得るものであり、当該振動篩装置によって振動されることで上面側に供給される被篩体の篩動作が行われる閉塞防止機能付振動篩用網において、上記振動篩用網の下側に上記合成樹脂製縦線に平行に一定幅の薄板帯状固定板が横方向の所定間隔を以って複数固定されると共に、上記振動篩用網の下側において、隣接する上記薄板帯状固定板間に両端部を固定されたロープが、上記合成樹脂製横線に平行な状態で、上記薄板帯状固定板間に縦方向の所定間隔を以って複数本張設され、上記各ロープには一つ又は複数の叩打体が固定されると共に、隣接する上記各ロープの上記各叩打体は互い違いになるように配列され、上記複数のロープ及び各叩打体から構成される下側叩打部を一単位とし、上記振動篩用網の下側に上記下側叩打部が上流側から下流側に複数単位で設けられ、さらに上記振動篩用網の下側の左右方向にも上記下側叩打部が複数単位で設けられ、上記叩打体が当接する上部の上記振動篩用網の下側には、各叩打体に対応した正方形の合成樹脂小板が熱溶着により固定され、上記振動篩用網が上記叩打体共々上記振動篩装置により振動されることにより、複数の上記叩打体が上記合成樹脂小板を介して上記振動篩用網を下側から叩打することにより、上記振動篩用網の閉塞を防止するものである閉塞防止機能付振動篩用網により構成される。
上記ロープは上記薄板帯状固定板間に両端部が固定されたものであるが、上記薄板帯状固定板に直接上記両端部を固定しても良いし、隣接する薄板帯状固定板に垂直固定小板(9,9)を各々設け、上記ロープの両端部を上記両垂直固定小板の内側面に固定しても良い。このように構成すると、振動篩用網の上側に被篩体が供給された場合、叩打体は振動篩用網の下側から振動篩用網を叩打するものであるから、振動篩用網の上側に被篩体が層状に供給されても、下側からの叩打によって効率的に閉塞(目詰まり)を解消し得る。また、閉塞防止機能付振動篩用網を傾斜して設置しても、叩打体はロープに挿通固定されているため、叩打体が一方に偏在することがなく、閉塞防止機能に影響はない。また、振動篩用網の叩打部分には合成樹脂小板が固定されているので、振動篩用網及び叩打体の寿命を長くすることができる。
第2に、合成樹脂製縦線と合成樹脂製横線とを交差部にて熱溶着して一体とされた振動篩用網が上記合成樹脂製縦線と平行な両側縁を以って振動篩装置に張設され得るものであり、当該振動篩装置によって振動されることで上面側に供給される被篩体の篩動作が行われる閉塞防止機能付振動篩用網において、上記振動篩用網の下側に上記合成樹脂製縦線に平行に一定幅の薄板帯状固定板が横方向の所定間隔を以って複数固定されると共に、上記薄板帯状固定板間において、上記合成樹脂製横線に平行に一定幅の横固定板が縦方向の所定間隔を以って複数固定されており、上記振動篩用網の下側において、隣接する上記横固定板間に両端部を固定されたロープが、上記合成樹脂製縦線に平行な状態で、上記横固定板間に横方向の所定間隔を以って複数本張設され、上記各ロープには一つ又は複数の叩打体が固定されると共に、隣接する上記各ロープの上記各叩打体は、互い違いになるように配列され、上記複数のロープ及び各叩打体から構成される下側叩打部を一単位とし、上記振動篩用網の下側に上記下側叩打部が上流側から下流側に複数単位で設けられ、さらに上記振動篩用網の下側の左右方向にも上記下側叩打部が複数単位で設けられ、上記叩打体が当接する上部の上記振動篩用網の下側には、各叩打体に対応した正方形の合成樹脂小板が熱溶着により固定され、上記振動篩用網が上記叩打体共々上記振動篩装置により振動されることにより、複数の上記叩打体が上記合成樹脂小板を介して上記振動篩用網を下側から叩打することにより、上記振動篩用網の閉塞を防止するものである閉塞防止機能付振動篩用網により構成される。
振動篩用網の下側に設置されるロープを合成樹脂製縦線に平行となるように固定したものであり、このように構成しても上記第1の発明と同様の効果が得られるものである。
このように構成すると、左右方向(横方向)の張力がかかる合成樹脂製横線内に金属製の芯線を入れたので、左右反対方向の張力を強くして、振動篩用網を強く張ることができ、しかも振動篩用網としての寿命を長くすることができる。
第3に、上記振動篩用網の上記両側縁は各々一対の振動縦板間に各々張設し得るものであり、かつ、上記薄板帯状固定板の下側に、上記振動縦板間に固定用横杆を以って固定された複数の支持部材の頭部が当接状態で設けられることにより、上記振動篩用網の中央部が上方に持ち上がった緩やかな円弧状となるように張設し得るものである上記第1〜3の何れかに記載の閉塞防止機能付振動篩用網により構成される。
上記支持部材の頭部は例えば防振ゴム(13)により構成することができる。このように構成すると、左右方向と上方向の張力を以って、振動篩用網を張設し得るため、振動篩用網を振動縦板間に強い張力を以って張設することができ、これにより閉塞防止機構を発揮しつつ、十分な篩機能を有する閉塞防止機構付振動篩用網を実現することができる。
第4に、上記ロープは3本を一単位とするものであり、3本の上記ロープの内、両側のロープには2個ずつの上記叩打体が固定され、中央の上記ロープにはその中心位置に1個の叩打体が固定されたものである上記第1〜4の何れかに記載の閉塞防止機能付振動篩用網により構成される。
上記両側とは、一単位の下側叩打部(H)において、ロープを合成樹脂製横線に平行に張設した場合は、上流側と下流側のロープをいい、ロープを合成樹脂製縦線に平行に張設した場合は、左側と右側のロープをいう。このように構成すると、3本のロープと5個の叩打体にて一単位の下側叩打部が構成され、かかる下側叩打部のエリアにおいて、例えばサイコロの5の目の形に配置された5個の叩打体が振動篩用網の下側を連続的に叩打することにより、振動篩用網の閉塞を効率的に解消することができる。
第5に、上記叩打体は、球形状、方形状、又は上記振動篩用網側が円弧状の半円筒形状である上記第1〜4の何れかに記載の閉塞防止機能付振動篩用網により構成される。
上記球形状は完全な球体でも良いし、上下方向の直径が左右方向の直径より長い縦長の球形状でも良い。上記方形状は例えば直方体形状である。このように叩打体の形状は、複数の形状が考えられ、その形状には限定されない。
第6に、合成樹脂製の上記振動篩用網に代えて、金属製縦線と金属製横線からなる金属製の振動篩用網とし、上記叩打体が当接する上部の金属製の上記振動篩用網の下側には、各叩打体に対応した正方形の合成樹脂小板が熱溶着に代えて接着により固定されたものである上記第1〜5の何れかに記載の閉塞防止機能付振動篩用網により構成される。
このように振動篩用網は、合成樹脂製に限定されずに、金属製の振動篩用網であっても良い。
第7に、上記振動篩用網の合成樹脂製横線を各々反対方向に伸長した張設状態で上記両側縁を固定する一対の上記振動縦板と、一対の上記振動縦板間に設けられた上記固定用横杆上に固定されるものであって、上記振動篩用網の上記各薄板帯状固定板の下側に頭部が当接されて上記振動篩用網を上方に持ち上げ、上記振動篩用網の中央部が上方に持ち上がった緩やかな円弧状となるように張設する複数の上記支持部材と、上記振動縦板を振動させるためのバイブレータ及び上記バイブレータを駆動するためのモータを具備し、上記モータにより上記振動縦板を振動させて上記振動篩用網を上記叩打体共々振動させることにより、上記薄板帯状固定板間の上記叩打体を上下方向に振動させ、上記叩打体により上記振動篩用網を下側から叩打するものである上記第3〜5の何れかに記載の閉塞防止機能付振動篩用網を使用した振動篩装置により構成される。
上記支持部材は、例えば支持棒(14)の上部に頭部としての防振ゴム(13)が固定されたものを使用することができる。このように構成すると、振動縦板を楕円軌道等を含む上下方向又は斜め上下方向に振動させると、振動篩用網の下側のロープが上下方向に振動し複数の叩打体が振動篩用網を下側から叩打するので、振動篩用網の閉塞を効果的に解消することができる。
本発明は上述のように構成されるので、振動篩用網の上側に被篩体が供給された場合、叩打体は振動篩用網の下側から振動篩用網を叩打するものであるから、振動篩用網の上側に被篩体が層状に供給されても、下側からの叩打によって効率的に閉塞を解消することができる。
また、閉塞防止機能付振動篩用網を傾斜して設置しても、叩打体はロープに固定されているため、叩打体が一方に偏在することがなく閉塞防止機能に影響はない。
また、振動篩用網の叩打部分には合成樹脂小板が固定されているので、振動篩用網及び叩打体の寿命を長くすることができる。この合成樹脂小板8は、各叩打体7の当接による衝撃を吸収し、振動篩用網1の損傷を防止すると共に、特に、合成樹脂製横線3の芯線3aが長時間の叩打により合成樹脂製横線3より外部に露出することを極力防止するためである。金属製の振動篩用網とした場合は、例えば天然ゴム製の叩打体7の金網29への叩打を長年繰り返すと、上記叩打体7に対する上記ロープ6の位置にずれが生ずることから(叩打の衝撃により、ロープ6の位置が叩打体7の球体の中心P1を通る位置から下側にずれる)、叩打の衝撃を和らげて、極力、叩打体7の寿命を延ばすためである。
また、振動篩用網の下側に設置されるロープを合成樹脂製縦線に平行となるように固定しても、上記と同様の効果が得られるものである。
また、左右方向(横方向)の張力がかかる合成樹脂製横線内に金属製の芯線を入れたので、左右反対方向の張力を強くして、振動篩用網を強く張ることができ、しかも振動篩用網としての寿命を長くすることができる。
また、左右方向と上方向の張力を以って、振動篩用網を張設し得るため、振動篩用網を振動縦板間に強い張力を以って張設することができ、これにより閉塞防止機構を発揮しつつ、十分な篩機能をも有する閉塞防止機構付振動篩用網を実現することができる。
また、3本のロープと5個の叩打体にて一単位の下側叩打部が構成され、かかる下側叩打部のエリアにおいて、5個の叩打体が振動篩用網の下側を連続的に叩打することにより、振動篩用網の閉塞を効率的に解消することができる。
また、本発明に係る振動篩装置によると、振動縦板を楕円軌道等を含む上下方向又は斜め上下方向に振動させると、振動篩用網の下側のロープが上下方向に振動し複数の叩打体が振動篩用網を下側から叩打するので、振動篩用網の閉塞を効果的に解消することができる。
以下、本発明に係る閉塞防止機能付振動篩用網を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1、図2において、合成樹脂製縦線2と合成樹脂製横線3とを交差部4にて熱溶着して一体とされた振動篩用網1が、上記合成樹脂製縦線2と平行な両側縁1a,1aを以って振動篩装置11(図9、図11参照)に張設され得るものであり、当該振動篩装置11によって振動されることで上面側に供給される被篩体の篩動作が行われる閉塞防止機能付振動篩用網10により構成される。
上記合成樹脂製縦線2と上記合成樹脂製横線3は例えばウレタン等の合成樹脂により構成されており、交差部4は熱溶着されることにより、格子の網状の振動篩用網1が構成されている。また、上記合成樹脂横線3には内部に金属製の芯線3aが埋設されている(図5参照)。
上記振動篩用網1の下側には、上記合成樹脂製縦線2に平行に一定幅の薄板帯状固定板(これもウレタン等の合成樹脂製)5,5が横方向の所定間隔(本実施形態では一定間隔T1)を以って複数枚、固定されると共に、上記振動篩用網1の下面において、隣接する上記薄板帯状固定板5,5間に両端部を固定されたロープ6が、上記合成樹脂製横線3に平行な状態で、上記薄板帯状固定板5,5間に縦方向の所定間隔をT2以って複数本(一単位は3本)張設されている(図2、図3参照)。
尚、図1において、被篩体の進行方向を矢印I(縦方向)にて示す。また、上記矢印I方向を基準として、川上側を「上流側」、「前方」、川下側を「下流側」、「後方」という。また、矢印Iに沿う方向を縦方向、矢印Iと直交する方向を横方向又は左右方向という。
上記ロープ6は例えばウレタンにより構成された合成樹脂製のある程度弾性のあるロープであり、各ロープ6には、予め叩打体7が挿通固定されている。上記叩打体7は図7に示すように例えば天然ゴムで製造された比較的硬質(例えばゴムの硬度は40〜60)の球状のものであり、内部中心点P1を通る内部に貫通孔7aを設け、上記貫通孔7aにロープ6を通し、叩打体7におけるロープ6の出口(2か所)に固定リング7b,7bを挿通し、上記固定リング7b,7bを上記ロープ6及び上記叩打体7に接着することで、ロープ6に対する叩打体7の位置(ロープ6に沿う方向の位置)を固定し得るように構成されている。
本実施形態では、図1、図2に示すように、1本のロープ6に2個の叩打体7,7を固定したものと、1本のロープ6に1個の叩打体7を固定したものを用意する。図8には、この叩打体の他の実施形態を示す。(a)は図7と同様の球体の叩打体7であり、上下方向の長さが左右方向の長さよりも長い饅頭型でも良い。(b)は天然ゴムで製造された直方体形状の叩打体7を示す。この叩打体7は、長手方向に沿う中央内部に貫通孔7aが設けられ、該貫通孔7aにロープ6が通されている。尚、同図(a)(b)のものは上記固定リング7bは描かれていないが、ロープ6の叩打体7からの出口には、上記と同様の固定リング7bが接着されることになる。同図(c)に示す叩打体7は、同じく天然ゴムにより構成されているが、上記振動篩用網1側が円弧状の半円筒形状から構成されており、下面の長手方向に沿う中央に、断面半円状の直線の溝7cが形成されている。そして、上記ロープ6と上記溝7cとを嵌合し、両者を接着することで、当該叩打体7は上記ロープ6に固定されている。このように叩打体7は各種の形状により構成することができ、上記形状に限定されない。
図2に示すように、上記薄板帯状固定板5,5間における上記ロープ6を固定する位置の両側には、垂直固定小板9,9が対向して固定されている。この垂直固定小板9,9は、各外側面9a,9aの上縁部が対応する薄板帯状固定板5,5の側面部5a,5aに熱溶着により固定されており、上記垂直固定小板9,9の各内側面9b,9bに上記ロープ6の両端部が熱溶着により固定されている(図5参照)。
そして、図1、図2に示すように、一対の薄板帯状固定板5,5間には、各々2個の叩打体7,7が固定された2本のロープ6を、上流側と下流側に各々張設する。具体的には、一対の上記垂直固定小板9,9間に、上記叩打体7が2個固定されたロープ6の両側が熱溶着により固定されたものを、2本用意し、一対の薄板帯状固定板5,5間の上流側に、上記1本のロープ6の上記垂直固定小板9,9の外側面9a,9aの上縁部を各々対応する薄板帯状固定板5,5間の内側の側面部5a,5aに、上記ロープ6が合成樹脂製横線3に平行となるように、熱溶着で固定する。また、上記固定したロープ6から縦方向にT2×2離間した位置(下流側)において、同様に、一対の薄板帯状固定板5,5間に、上記1本のロープ6の上記垂直固定小板9,9の外側面9a,9aの上縁部を各々対応する薄板帯状固定板5,5間の内側の側面部5a,5aに、上記ロープ6が上記合成樹脂製横線3に平行となるように、熱溶着で固定する。
さらに、上記垂直固定小板9,9間に、中心部に1個の叩打体7が固定されたロープ6の両側が熱溶着により固定されたものを1本用意し、上記上流側のロープ6と下流側のロープ6の縦方向の中間位置に、上記1本のロープの上記垂直固定小板9,9の外側面9a,9aの上縁部を各々対応する薄板帯状固定板5,5間の内側の側面部5a,5aに、上記ロープ6が上記合成樹脂製横線3に平行となるように、熱溶着で固定する。これにより、上流側のロープ6と中央のロープ6、下流側のロープ6と中央のロープ6との縦方向の距離は何れもT2となる(図2参照)。
また、各ロープ6における叩打体7の位置は、図3、図4に示すように、隣接する上記各ロープ6の上記各叩打体7は、互い違い(隣接する2つの叩打体7,7の中間位置に1つの叩打体7が配置されるように)になるように配列され、上記叩打体7が当接する上部の上記振動篩用網1の下側位置には、合成樹脂小板8が固定されている(図1、図2、図4参照)。即ち、上記ロープ6は3本を一単位(一組)とするものであり、3本の上記ロープ6の内、両上下流側のロープ6,6には2個ずつの上記叩打体7,7が固定され、上記中央の上記ロープ6にはその中心位置に1個の叩打体7が固定されている。
そして、3本の各ロープ6の縦方向の距離は何れもT2であり、また平面的にみると、一単位のロープには全部で5個の叩打体7が固定され、5個の叩打体7はサイコロの5の目のように、上流側のロープ6には2個の叩打体7,7、下流側のロープ6には2個の叩打体7,7、中央のロープ6には上下流のロープ6,6の叩打体7,7の左右方向(横方向)の中間位置、即ち、中央のロープ6の中心部に1個の叩打体7が固定されている。
尚、上記3本のロープ6は、上記薄板帯状固定板5,5間に上記垂直固定小板9,9を介して接続した事例を示したが、上記3本のロープ6の両端部を直接、上記薄板帯状固定板5,5に熱溶着により固定しても良い。この場合、上記ロープ6の両端部の一定範囲を上記薄板帯状固定板5の下面に熱溶着により接着すれば良い。
さらに、上述のように、5個の上記叩打体7の上側の上記振動篩用網1の対応部分(合成樹脂製横線3の下側)には、各々5個の正方形の合成樹脂小板8が熱溶着により固定されている(図1参照)。この合成樹脂小板8は、各叩打体7の当接による衝撃を吸収し、振動篩用網1の損傷を防止すると共に、特に、合成樹脂製横線3の芯線3aが長時間の叩打により合成樹脂製横線3より外部に露出することを極力防止するためである。
尚、ここで、図1、図2に示すように、一対の薄板帯状固定板5,5間に設けられた3本のロープ6及びサイコロの5の目のように配置された5個の叩打体7(上流側、下流側のロープ6の2個ずつの叩打体7,7、及び中央のロープ6の中央の1個の叩打体7)を「一単位」とし、これら3本のロープ6及び5個の叩打体7により構成される叩打部を「下側叩打部H」という。実際には、広い振動篩用網1の下側の全体に、下側叩打部Hが複数組配置されることになる。
また、上記下側叩打部の位置を特定しない場合は符号「H」を使用するが、位置を特定する場合は符号「H1,H2,H3・・・」のように添え字を付して示す。
即ち、上述のように構成された閉塞防止機能付振動篩用網10は、振動篩用網1が広い場合は、図3に示すように、合成樹脂製縦線2に平行に、距離T1を介して複数の薄板帯状固定板5(図3では3枚)が固定され、一対の薄板帯状固定板5,5間に、上記一単位の叩打体7が固定された3本のロープ6(下側叩打部H)が設けられている。
図3において、矢印I方向が被篩体の進行方向であるとすれば、上流側のロープ6のさらに上流側に距離T2離間した位置に、さらに一単位の下側叩打体Hが構成されており、下流側のロープ6のさらに下流側に距離T2離間した位置に、さらに一単位の下側叩打体Hが構成されている。さらに、左右方向にも、上記図3の紙面の右側の薄板帯状固定板5の右側にはさらに、横方向の距離T1を置いて、図示していないが薄板帯状固定板5が設けられており、当該薄板帯状固定板5との間にも、上記一単位の下側叩打部Hが設けられており、上記図3の紙面の左側の薄板帯状固定板5の左側にはさらに、横方向の距離T1を置いて、図示していないが薄板帯状固定板5が設けられており、当該薄板帯状固定板5との間にも、上記一単位の下側叩打部Hが設けられている。このように、上記一単位の下側叩打部Hは、振動篩用網1の縦方向又は横方向の広さに応じて複数単位で設けられるものである。
また、図4に示すように、上記閉塞防止機能付振動篩用網10を振動篩装置11に装着した場合は、上記薄板帯状固定板5の下側の垂直固定小板9,9間には、支持棒14上に支持された防振ゴム13が嵌合装着される。この防振ゴム13は、直方体のブロック状をなすもので、その横幅T3は、上記垂直固定小板9,9間の距離T3に等しく、図3に示すように、上記垂直固定小板9,9間の位置に各々嵌合装着される。これらの防振ゴム13の支持棒14は、図9に示すように、両サイドの振動縦板15,15’間に装着固定された固定用横杆30上に固定されており、上記振動篩用網1に対して上方向(矢印A方向)のテンションを与えて、振動篩用網1全体を上に凸の円弧状にするものである(図9参照)。
次に、上記閉塞防止機能付振動篩用網10を振動篩装置11に装着する構成について説明する(図9参照)。
振動篩装置11に装着する場合の閉塞防止機能付振動篩用網10は、図9に示すように、振動篩用網1の横方向に間隔T1を以って3枚の薄板帯状固定板5を裏面側に固定し、中央部の2か所、即ち、中央部の3枚の薄板帯状固定板5,5,5の内、2つの薄板帯状固定板5,5の間に上記一単位の下側叩打部H1を固定し、他方の一対の薄板帯状固定板5,5の間に上記一単位の下側叩打部H2を固定する。
さらに、図9中において、左側の薄板帯状固定板5に設けられた垂直固体小板9と、左端部のフック12(図10参照)の内側の振動篩用網1の下側(合成樹脂製横線3)に熱溶着により固定された薄板帯状固定板5’に同様に接着された垂直固定小板9’(図10参照)との間に上記一単位の下側叩打部H3が固定されており(左側の薄板帯状固定板5,5’間の距離はT1)、図9中において、右側の薄板帯状固定板5に設けられた垂直固定小板9と、右端部のフック12の内側の振動篩用網1の下側(合成樹脂製横線3)に熱溶着により固定された垂直固定小板9’(図示せず)との間に上記一単位の下側叩打部H4が固定されている(右側の薄板帯状固定板5,5’間の距離はT1)。尚、閉塞防止機能付振動篩用網10と振動縦板15,15’との接続は左右対称なので、図10を用いて左側の接続のみ詳述し、右側の説明は便宜上省略する。
図10において、閉塞防止機能付振動篩用網10の端縁にはフック12が上記合成樹脂製横線3の端縁に接続されており、かつ、上記フック12の内側の振動篩用網1の下側(合成樹脂製横線3の下側)には上記薄板帯状固定板5’が熱溶着により接続されており、該薄板帯状固定板5’の内側(側面部5a)には上記垂直固定板9’(本実施形態ではウレタン製)の外側上部が接着固定されている。そして、上記端部においては上記下側叩打部H3のロープ6の左端部は上記垂直固定板9’の内側面9b’に熱溶着により固定されている。よって、上記下側叩打部H3のロープ6(3本)の両端部は、上記図10に示す左端部の薄板帯状固定板5’の垂直固定小板9’と、上記薄板帯状固定板5’に隣接する上記薄板帯状固定板5に設けられた垂直固定小板9との間に熱溶着により固定されている(図9、図10参照)。
同図において、振動縦板15,15’の内側にはL型アングル16が固定され、当該L型アングル16の上部にはクラッピングバー19がその上端部19aを支点として、下端部19bを上記アングル16上に向けて配置され、かつテンションボルト17が上記クラッピングバー19の内側から斜め方向に設けられ、上記テンションボルト17の端部は上記振動縦板15を貫通して該振動縦板15の外側にてナット18にて固定されている。
かかる構造において、上記閉塞防止機能付振動篩用網10の左右端部の上記フック12を、上記クラッピングバー19の下端部19bに係合し、上記テンションボルト17をねじ込むことにより、上記フック12を上記下端部19bと上記L型アングル16の上面16aとの間に挟持することにより、上記一対の振動縦板15,15’の間に、上記閉塞防止機能付振動篩用網10を張設する。そして、上記テンションボルト17をねじ込むことにより、上記振動篩用網1に矢印B,B’方向(互いに水平の反対方向)のテンションをかけることができるように構成されている(図9参照)。
実際には、図9に示すように、上記閉塞防止機能付振動篩用網10に反対方向(矢印B,B’方向)のテンションをかけた状態で、上記振動篩用網1の下側に位置する上記固定用横杆30に、当該振動篩用網1の下側から上記中央の3か所の上記薄板帯状固定板5,5,5の対応位置に支持棒14を立設固定し、各支持棒14の上部に防振ゴム13を固定し、上記防振ゴム13を上記薄板帯状固定板5の下側の垂直固定板9,9の間に嵌合固定する(図4(a)(b)参照)。これらの防振ゴム13の支持棒14の高さは、上記閉塞防止機能付振動篩用網10を下側から若干持ち上げて、当該振動篩用網10に上方向(矢印A方向)のテンションをかけることができるように構成されており、さらに、中央の支持棒14の高さは、両側の支持棒14,14の高さより若干高く形成されており、上記振動篩用網1の中央部を若干持ち上げて、全体として中央が若干持ち上がった緩やかな円弧状(上に凸)となるように張設する(図9参照)。
振動篩装置11は、図11に示すように、地面Gに設置された固定機枠25に、支持装置21,21によって、上記振動縦板15,15’が振動可能に支持されている。上記地面G上にはモータ用の固定機枠22が設置され、該機枠22上に駆動用のモータMが固定されている。上記振動縦板15,15’上にはバイブレータ23が設けられ、上記バイブレータ23の回転体23aと上記モータMのプーリ26とには駆動ベルト24が掛け渡されている。上記バイブレータ23の回転体23aのドライブ軸には偏心錘(図示せず)が固定されており、上記モータMを駆動して上記回転体23aを回転することにより、バイブレータ23が振動し、その結果、上記振動縦板15,15’が振動することで、上記振動縦板15,15’間に張設された上記閉塞防止機能付振動篩用網10(図11中二点鎖線で示す)を、上記固定用横杆30及び支持棒14、防振ゴム13共々、振動させることができる。尚、上記防振ゴム13は上記薄板帯状固定板5の下面に上方向(矢印A方向)のテンションを以って嵌合固定されているため、振動縦板15,15’が振動すると、その振動に従って、上記閉塞防止機能付振動篩用網10と一体となって振動し、かかる振動時に振動篩用網1と防振ゴム13とが分離することはない。
振動の方向は、例えば、図11に矢印Cにて示すように、鉛直に対して45度傾斜した中心線P2の周りの楕円軌道に沿った振動であり、この楕円軌道に沿って上記閉塞防止機能付振動篩用網10が振動することになる。
本発明は上述のように構成されているため、以下、その作用について説明する。尚、図9において、左右方向(横方向)に下側叩打部H1〜H4が設けられているが、縦方向においても、各下側叩打部H1〜H4に続いて、縦方向の距離T2を介して同様の下側叩打部Hが複数設けられており、上記下側叩打部Hが振動篩用網1の下側の全面に設けられているものとする。また、閉塞防止機能付振動篩用網10は、図9に示すように、振動縦板15,15’間に横方向の反対方向(矢印B,B’方向)にテンションがかかり、かつ支持棒14により上方向(矢印A方向)にもテンションがかかった状態で張設されているものとする。さらに、中央の支持棒14は他の支持棒14より若干長く、閉塞防止機能付振動篩用網10は全体として、上に凸の円弧状に張設されているものとする。
かかる状態で、上記モータMを駆動して、バイブレータ23を回転駆動し、上記振動縦板15,15’を図11の矢印C方向の楕円軌道にて振動させる。その結果、上記閉塞防止機能付振動篩用網10の振動篩用網1は、上記楕円軌道Cに沿って振動すると共に、下側叩打部Hの3本のロープ6は、図4(a)(b)に示すように、略中央部を最も大きなストロークを以って上下方向(矢印D方向)に振動する。
この状態で下側叩打体Hの各ロープ6は、上昇したとき、中央の叩打体7が対向位置にある振動篩用網1の合成樹脂小板8に強く当接するため、上下方向の振動をくり返すことにより、上記叩打体7が上記合成樹脂小板8を介して振動篩用網1を連続的に強く叩打することになる(図4(a)参照)。また、上流側と下流側の上記ロープ6は、上昇したとき、2個ずつの叩打体7,7が、対向位置にある合成樹脂小板8,8に強く当接するため、振動をくり返すことにより、上記各叩打体7,7が上記合成樹脂小板8,8を介して振動篩用網1を連続的に強く叩打ことになる(図4(b)参照)。
結果として、図1に示す下側叩打部Hの一単位の対応エリアEにおいて(図1参照)、振動篩用網1を下側から、5つの叩打体7が、サイコロの「5」の目に対応する位置、即ち、上流側の2か所、下流側の2か所、及び、中央の1箇所を叩打することになる。
尚、この一単位の下側叩打部Hは、上述のように、振動篩用網1の下側のエリア全体に設けられているので、各々の一単位の下側叩打部HのエリアE(図1参照)において、5個の叩打体7が上記振動篩用網1の下側を連続して叩打する結果、振動篩用網1の全範囲において、その下側から叩打体7が連続的に叩打することになる。
このような状態において、振動篩装置11の投入口20aから被篩体、例えば骨材を投入する。上記振動篩用網1の上側から当該網1に投入された骨材は、閉塞防止機能付振動篩用網10上に落下すると共に、当該振動篩用網1の上記楕円軌道に沿う振動により、篩動作が行われる。即ち、上記振動篩用網1の升目(篩目)より小さい骨材は当該振動篩用網1を通過して下方に落下して集積され、上記振動篩用網1の升目(篩目)より大きい骨材は、上記楕円軌道Cに基づいて、前方(矢印I方向)への進行方向の力が作用し、当該振動篩用網1の上を矢印I方向に移動し、出口20bから矢印F方向に移動して、図示しない搬送用コンベア等により所定の集積場所に移送される。かかる動作により、上記骨材の篩分けを行うことができる。
ここで、上記振動篩用網1の下側には、上述のように、下側叩打部Hのロープ6に固定された叩打体7が常時上下方向に振動して、複数の叩打体7が振動篩用網1の合成樹脂小板8の部分を連続的に叩打しているので、上記振動篩用網1の升目(篩目)に細かい粒子が付着して升目(篩目)を塞いだとしても、直後に、叩打体7が下方から合成樹脂小板8に当接するので、上記升目を塞いだ細かい粒子は上記叩打の振動により、直ちに当該升目から離脱して下方に落下集積させることができる。
また、一単位の下側叩打体HのエリアEにおいて、5個の叩打体7がサイコロの「5」の目のように配置されているので、中央のロープ6の中央位置における1個の叩打体7が最も長い上下ストローク(最大ストローク)にて上下振動するため、上記エリアEの振動篩用網1の内、最も強く上記エリアEの中央部を叩打し、同時に、上流側と下流側の2本のロープ6に固定された2個ずつの叩打体7,7が、略最大ストロークにて、上流側2か所、及び、下流側2か所の振動篩用網1を叩打するため、振動篩用網1の上記エリアE内の如何なる位置の升目の箇所に閉塞が生じた場合であっても、上記5個の叩打体7の叩打に基づく叩打振動、及び、該叩打振動の伝達によって、上記エリアE内の振動篩用網1の全体が振動して、上記閉塞(目詰まり)は解消され、升目を覆っていた細かい粒子は全て下方に落下させることができる。
特に、図3に示すように、中央の叩打体7と上流側又は下流側の叩打体7との中間部分に閉塞(図3の閉塞箇所a,a)が生じた場合は、中央の1個の叩打体7の連続的な強い叩打による叩打振動、及び、上流側又は下流側の2個の叩打体7,7による連続的な叩打による叩打振動によって、閉塞箇所a,aの閉塞(目詰まり)は直ちに解消することができる。また、一単位の下側叩打部Hと下流側に隣接する下側叩打体Hとの間の閉塞bは、一方の下流側の叩打体7,7(2個)の叩打による叩打振動と、下流側に隣接する叩打体7,7(2個)の叩打による叩打振動とによって、円滑に閉塞を解消させることができる。
また、振動篩用網1の升目より大の骨材は、振動篩用網1上を矢印I方向に進行し、最終的には出口20bから矢印F方向に排出させることができる。
また、仮に、大量の骨材が閉塞防止機能付振動篩用網10上に投入され、振動篩用網1上に層状の骨材が形成されたとしても、叩打体7は振動篩用網1の下側に構成されているので、上記骨材の層が上記叩打動作に悪影響を与えることはない。従って、仮に、振動篩用網1の上側に骨材の層が構成されたとしても、叩打体7は下側から振動篩用網1を何ら問題なく叩打することが可能であり、その結果、上述のような状況においても、振動篩用網1の閉塞を十分に解消させることができる。即ち、振動篩用網1の下側からの叩打により、上記振動篩用網1上の骨材の層を崩すことができ、これにより升目の閉塞を容易に解消することができる。
(第2実施形態)
図12乃至図14に本発明の閉塞防止機能付振動篩用網10に係る第2の実施形態を示す。尚、この第2の実施形態において、第1の実施形態と同一部材については同一符号を付する。
図12に示すように、振動篩用網1の裏面側に、間隔T1を以って薄板帯状固定板5,5が熱溶着により接着され、上記薄板帯状固定板5,5間において、上記合成樹脂製横線3に平行に(左右方向に)一定幅の一対の横固定板27,27が縦方向の所定間隔T5を以って固定されている。上記横固定板27,27は、その両端部が上記薄板帯状固定板5の内側の側面部5a,5aに熱溶着により固定され、かつ、上記横固定板27,27の上面は上記振動篩用網1の合成樹脂製横線3の下面に熱溶着により固定されている。
そして、上記振動篩用網1の下面において、隣接する上記横固定板27,27間に両端部を固定されたロープ6(3本)が、上記合成樹脂製縦線2に平行な状態で、上記横固定板27,27間に横方向の所定間隔T4を以って複数本張設され、上記各ロープ6には一つ又は複数の叩打体7が固定されると共に、隣接する上記各ロープ6の上記各叩打体7は、互い違いになるように配列され、上記叩打体7が当接する上部の上記振動篩用網1の下側位置には、合成樹脂小板8が固定され、上記振動篩用網1が上記振動篩装置11により振動され、複数の上記叩打体7が上記合成樹脂小板8を介して上記振動篩用網1を下側から叩打することにより、上記振動篩用網1の閉塞(目詰まり)を防止するものである。
尚、上記第1の実施形態と同様に、図12に示す3本のロープ6と5個の叩打体7から構成されるものを一単位の下側叩打部Hとする。
本実施形態では、上記ロープ6は合成樹脂製縦線2に平行に設けられており、左側のロープ6に球状の叩打体7が2個固定され、右側のロープ6に球状の叩打体7が2個固定され、中央のロープ6の中央位置、即ち左右の2個の叩打体7,7の縦方向における中間位置に1個の叩打体7が固定されている。従って、一単位の下側叩打部Hにおいては、第1実施形態と同様に、全部で5個の叩打体7が、サイコロの5の目のように配置されており、各叩打体7の上側の上記振動篩用網1の下側には、各々5個の合成樹脂小板8が熱溶着により固定されている。
このように構成された閉塞防止機能付振動篩用網10は、図9に示すように第1の実施形態と同様に、合成樹脂製横線3に接続されたフック12によって、振動縦板15,15’間に同様に張設され(左右方向には矢印B,B’方向にテンションが掛けられ)、かつ防振ゴム13を薄板帯状固定板5,5の下側の上記横固定板27,27の設置位置に嵌合し(図13参照)、振動篩用網1を上方向(矢印A方向)にテンションをかけることにより、図9に示すように、全体が上の凸の緩やかな円弧状になるように振動篩装置11の振動縦板15,15’間に張設する。
その後、モータMの駆動により閉塞防止機能付振動篩用網10が楕円軌道に沿う矢印C方向に振動すると、図14に示すように、上記叩打体7が上下方向(矢印D方向)に振動して、上方に振動したとき、叩打体7が上方の合成樹脂製小板8に強く当接し、これにより振動篩用網1を下側から連続的に叩打するため、第1の実施形態と同様に、振動篩用網1の升目(篩目)の閉塞(目詰まり)を容易に解消することができる。
この第2の実施形態においても、一単位の下側叩打部Hにおけるロープ6の方向が、第1の実施形態では合成樹脂製横線3に平行であったものが、第2の実施形態では合成樹脂製縦線2に平行になるだけであり、その他の機能は同一であるので、第2の実施形態においても、仮に、大量の骨材が閉塞防止機能付振動篩装置10上に投入され、振動篩用網1上に層状の骨材が形成されたとしても、叩打体7は振動篩用網1の下側に構成されているので、上記骨材の層が上記叩打動作に悪影響を与えることはない。
(第3の実施形態)
図15に示すものは、本発明に係る第3の実施形態であり、合成樹脂製の上記振動篩用網1を金属製の金網29としたものである。即ち金属製縦線と金属製横線を図15に示すように編んで、周知の金網29により、振動篩用網1を構成したものである。尚、図15の実施形態においては、紙面に対して奥部方向から手前方向に被篩体が流れるものとする。この実施形態においては、金網29の横方向の一定間隔T6を介して、金網29を上下方向からサイドイッチ上に挟持する合成樹脂製の固定板28,28を縦方向に平行に設ける。そして、固定板28の下面の両側に合成樹脂小板9,9を熱溶着により接着し、上記固定板28,28における合成樹脂小板9,9間に2個の叩打体7を固定したロープ6の両端を熱溶着により接続する。尚,7bは上記叩打体7の固定リングである。また、上記叩打体7の上側の金網29には、合成樹脂小板8を接着により設けて、叩打体7の金網29への当接の衝撃を若干和らげる。これは、叩打体7の金網29への叩打を長年繰り返すと、上記叩打体7に対する上記ロープ6の位置にずれが生ずることから(叩打の衝撃により、ロープ6の位置が叩打体7の球体の中心P1を通る位置から下側にずれる)、叩打の衝撃を和らげて、極力、叩打体7の寿命を延ばすためである。
尚、上記第3の実施形態において、上記固定板28,28に代えて、上記固定板28,28の位置に、図4と同様の薄板帯状固定板5(但し金属製)を、振動篩用網1の下側から溶接等により固定し、当該薄板帯状固定板5の下面に図15に示す金属製小板9を溶接等により固定し、一対の金属製小板9,9間に叩打体7を有するロープ6の両端部を接着等により固定することもできる。
このように、上記金網29による振動篩用網1を使用した場合であっても、図1に示すように、3本のロープ6と5個の叩打体7によって、一単位の下側叩打部Hを構成することが可能である。この第3の実施形態においては、振動篩用網1が金属製になるだけで、その他の構成は第1の実施形態と略同様である。従って、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができるものである。
本発明は以上のように、振動篩用網1の上側に被篩体(例えば骨材)が供給された場合、叩打体7は振動篩用網1の下側から振動篩用網1を叩打するものであるから、振動篩用網1の上側に被篩体が層状に供給されても、下側からの叩打によって効率的に閉塞を解消することができる。
また、閉塞防止機能付振動篩用網10を傾斜して設置しても、叩打体7はロープ6に固定されているため、叩打体7が一方に偏在することがなく閉塞防止機能に影響はない。
また、振動篩用網1の叩打部分には合成樹脂小板8が固定されているので、振動篩用網1及び叩打体7の寿命を長くすることができる。
また、第2の実施形態のように、振動篩用網1の下側に設置されるロープ6を合成樹脂製縦線に平行となるように固定しても、上記第1の実施形態と同様の効果が得られるものである。
また、左右方向(横方向)の張力がかかる合成樹脂製横線3内に金属製の芯線3aを入れたので、左右反対方向の張力を強くして、振動篩用網1を強く張ることができ、しかも振動篩用網1としての寿命を長くすることができる。
また、左右方向と上方向の張力を以って、振動篩用網1を張設し得るため、振動篩用網1を振動縦板15,15’間に強い張力を以って張設することができ、これにより閉塞防止機構を発揮しつつ、十分な篩機能をも有する閉塞防止機構付振動篩用網10を実現することができる。
また、3本のロープ6と5個の叩打体7にて一単位の下側叩打部Hが構成され、かかる下側叩打部HのエリアEにおいて、5個の叩打体7が振動篩用網1の下側を連続的に叩打することにより、振動篩用網1の閉塞を効率的に解消することができる。
また、本発明に係る振動篩装置11によると、振動縦板15,15’を楕円軌道等を含む上下方向又は斜め上下方向に振動させると、振動篩用網1の下側のロープ6が上下方向に振動し複数の叩打体7が振動篩用網を下側から叩打するので、振動篩用網1の閉塞を効果的に解消することができる。