JP6881032B2 - ころ軸受の挙動測定装置及び挙動測定方法 - Google Patents

ころ軸受の挙動測定装置及び挙動測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、回転中のころ軸受の挙動、特にスキューなどのころの挙動を測定する挙動測定装置及び挙動測定方法に関する。
ころ軸受が回転するときには、ころが転動して、内輪または外輪が回転自在に支持されている。このとき、負荷される荷重の向きなどによって、ころの軸がころ軸受の回転軸に対して傾く場合がある。このように、ころ軸受の回転軸に対してころの軸が傾く現象をスキューという。スキューが生じると、ころと軌道輪とがすべり接触をするため、軸受の昇温や振動が大きくなる。
このため、ころ軸受が回転しているときの各ころのスキューの状態を測定することは、ころ軸受を開発するうえで重要な手段となる。特許文献1では、スキュー角を測定する方法として、レーザ光を照射して、ころの端面で反射されたレーザ光の向きを測定することによって、スキューの大きさを測定する方法が提案されている。
特許文献1の挙動測定装置は、円すいころの端面にレーザ光を照射し、反射したレーザ光を第1のミラーによって、円すいころ軸受の近傍に配置した投影部に投影している。このときの、投影されたレーザ光の位置と円すいころの位置とのずれ量によってスキュー角を測定している。
特開2016−70907号公報
特許文献1の測定方法では、スキュー角を正確に測定するためには、レーザ光の光軸と、転がり軸受の回転軸、及び第1ミラーの軸が完全に一致した状態で組み付けられる必要がある。ころ軸受の回転軸とレーザ光の光軸とが完全に一致させることにより、スキューがない場合には、ころ端面で反射したレーザ光は、ころ軸受の中心ところ端面を結ぶ直線上に再び投影されるので、スキュー角を算出する基準位置を明確にできるからである。
しかしながら、実際の測定装置においては、ころ軸受の回転軸とレーザ光の光軸の向きを完全に一致させるために精密な作業が必要であり、測定の準備に多大な工数を要していた。
そこで、本発明は、ころ軸受の挙動をレーザ光を用いて測定する場合に、レーザ光の向きの精密な調整をしなくても、その挙動を正確に測定することを目的としている。
本発明の一形態は、ころ軸受のころの一端面にレーザ光を出射する出射部と、前記ころと前記出射部との間に着脱自在に配置され、前記ころ軸受の回転軸に対する回転面からなる反射面を備えた基準ミラーと、前記ころの一端面で反射されたレーザ光が投影されて投影点Sが形成されるとともに、前記基準ミラーで反射されたレーザ光が投影されて基準投影点が形成される投影部と、前記基準ミラーと前記基準投影点とを撮影して、前記基準ミラーと前記基準投影点の位置情報を表す第1信号を出力するとともに、前記ころ軸受と前記投影点Sとを撮影して、前記ころと前記投影点Sの位置情報を表す第2信号を出力する撮影部と、前記第1信号及び前記第2信号に基づいて、前記ころ軸受の挙動情報を算出する挙動算出部とを備えることを特徴とする、ころ軸受の挙動測定装置である。
本発明の他の一形態は、上記一形態のころ軸受の挙動測定装置を使用して、ころ軸受の挙動を測定する挙動測定方法であって、前記基準ミラーを取り付けた状態で前記基準ミラーに向けてレーザ光を照射し、前記基準ミラーと前記基準投影点とを撮影して、前記基準ミラーと前記基準投影点の位置情報を取得する基準情報取得ステップと、前記基準ミラーを外した状態で前記ころ軸受に向けてレーザ光を照射し、前記ころ軸受と前記投影点Sとを撮影して、前記ころ軸受と前記投影点Sの位置情報を取得するころ位置情報取得ステップと、前記基準情報取得ステップで取得した前記基準ミラーと前記基準投影点の位置情報と、前記ころ位置情報取得ステップで取得した前記ころと前記投影点Sの位置情報とに基づいて、前記ころ軸受の挙動情報を算出する挙動演算ステップと、を備えたことを特徴としている。
本発明によると、ころ軸受の挙動をレーザ光を用いて測定する場合に、レーザ光の向きの精密な調整をしなくても、その挙動を正確に測定することができる。
本発明の一実施形態であるころ軸受の挙動測定装置の構成図である。 図1の挙動測定装置を矢印Vの向きに見た模式図である。 基準ミラーを装着したときの挙動測定装置の要部拡大図である。 図4(a)は、基準ミラーを装着したときの、Y軸方向から見たレーザ光の経路を示す模式図である。図4(b)は、図4(a)を回転軸mの方向から見た模式図である。 図5(a)は、円すいころのスキュー測定時に、Y軸方向から見たレーザ光の経路を示す模式図である。図5(b)は、図5(a)を回転軸mの方向から見た模式図である。 挙動演算部における挙動情報を算出する手順を説明する説明図である。
(ころ軸受の挙動測定装置)
本発明の一実施形態(本実施形態)を図を用いて詳細に説明する。 図1は、本実施形態にかかるころ軸受の挙動測定装置10の概略構成を示す概念図である。
ころ軸受の挙動測定装置10(以下、単に「挙動測定装置」という)は、回転中のころ軸受について、その挙動を測定する測定装置である。ころ軸受の挙動とは、例えば、ころのスキューやチルトなどの姿勢に関する情報をいう。スキューとは、ころ軸受の回転中に、ころの軸がころ軸受の回転軸mに対して周方向に傾く現象をいい、チルトとは、ころの軸が回転軸mに対して径方向に傾く現象をいう。
本実施形態では、ころ軸受の一つである円すいころ軸受11について、その挙動を測定している。以下の説明では、円すいころ軸受11の回転軸mの方向を軸方向といい、回転軸mと直交する方向を径方向、回転軸mの回りを周回する方向を周方向という。
円すいころ軸受11は、内輪12と、外輪13と、複数の円すいころ14と、これらの円すいころ14を周方向に一定の間隔で保持する保持器15とを備えている。
内輪12は、外周に円錐面状の内側軌道面16と鍔17とを有している。外輪13は、内周に円錐面状の外側軌道面18を有している。
円すいころ14は、円錐面状の外周面からなる転動面19と、この転動面19の小径側に位置する小端面20と、この転動面19の大径側に位置する一端面としての大端面21とを有している。円すいころ14は、外側軌道面18と内側軌道面16との間に転動自在に配置されている。円すいころ軸受11が回転すると、円すいころ14は、回転軸mの回りを公転する。
大端面21の中央には、円すいころ14の軸と直交する向きで、円形状の反射面Wが形成されている(図2参照)。反射面Wは、鏡面加工を施したり鏡面体を貼り付ける等により、照射されたレーザ光Lを反射することができる。反射面Wは、円すいころ14が転動するときに、軸方向から見て内輪12の鍔17と重ならない位置に形成されている。
挙動測定装置10は、円すいころ軸受11を回転させるシャフト24と、出射部としてのレーザ装置25と、第1ミラー26及び第2ミラー27と、投影部28と、撮影部としてのカメラ29と、挙動算出部としての演算装置30と、着脱自在の基準ミラー35とを備えている。
シャフト24は、図示しない転がり軸受で支持されており、図示しないモータ等によって回転するようになっている。シャフト24の軸端部には、挙動を測定する対象としての円すいころ軸受11が、取り付けられている。円すいころ軸受11は、円すいころ14の大端面21をレーザ装置25と対向する側に向けて、シャフト24の外周に締まりばめの状態で嵌め合わされている。
レーザ装置25は、円すいころ軸受11に向けてレーザ光Lを照射している。レーザ光Lの光軸は、回転軸mとほぼ同軸である。後述するように、レーザ光Lの光軸と回転軸mとを完全に一致させることは困難であり、互いにわずかに傾いて組み付けられる場合がある。
レーザ光Lは、その光軸に直交する断面が環状であり、その直径寸法は、円すいころ14のピッチ円直径(円すいころ14の大端面21の中心をつなぐ仮想円の直径)とほぼ同等である。こうして、レーザ光Lは、円すいころ軸受11に組込まれた全ての円すいころ14の大端面21に向けて照射されており、円すいころ14が回転軸mの回りを公転するときには、その軌跡の全範囲を照射することができる。レーザ光Lは、円すいころ14の大端面21で反射し、第1ミラー26に向けて進行する。
なお、本実施形態では、レーザ光Lの光軸に直交する断面が環状であるが、これに限らず、円すいころ14の公転時の軌跡を照射できる複数のレーザ光であってもよい。
第1ミラー26は、環状で、円すいころ軸受11とレーザ装置25との間に同軸に配置されている。第1ミラー26は、円筒形状の内周面39と、内周面39とつながって略径方向に形成された第1反射面40とを備えている。
第1反射面40は、内周面39から径方向外方に進むにしたがって円すいころ軸受11の側に向けて傾斜した円錐面であり、円すいころ軸受11と対向する向きに設置されている。第1反射面40には、全周にわたって鏡面加工が施されている。
なお、内周面39の直径寸法は、円すいころ軸受11の外径より大径である。これにより、レーザ装置25から第1ミラー26の内周側を通して、円すいころ14の大端面21にレーザ光Lを直接照射できる。
円すいころ14の大端面21で反射したレーザ光Lは、更に、第1ミラー26で反射し、投影部28に向けて進行する。
図2は、図1における円すいころ軸受11を矢印Vの向きに見たときの模式図である。
図2では、円すいころ軸受11と、Aの位置にある円すいころ14の大端面21で反射したレーザ光Lが、投影部28に投影されている状態を示している。
投影部28は、回転軸mの方向からみた形状が略正方形の板部材であって、中央に、円すいころ軸受11の外径寸法よりわずかに大きい孔41が設けられている。投影部28の第1ミラー26側の面は、第1ミラー26から入射したレーザ光Lが投影される投影面42である(図1参照)。
投影部28は、回転軸mに対して直交する向きで、孔41の中心位置と円すいころ軸受11の中心位置とを合わせて配置されている。投影面42は、円すいころ14の大端面21と、軸方向のほぼ同じ位置に設置されている。こうして、円すいころ軸受11の外周に沿って、投影面42が配置されており、投影面42には、第1ミラー26から入射したレーザ光Lによって投影点Sが形成されている。
再び図1によって説明する。第2ミラー27は、第1ミラー26とレーザ装置25との間で、円すいころ軸受11の回転軸m上に配置されている。第2ミラー27は、円すいころ軸受11の回転軸mに対して45°の角度で傾いた第2反射面43を備えている。
カメラ29は、第2ミラー27の径方向外方に設置されている。カメラ29は、第2ミラー27の第2反射面43に向けて設置されており、その中心軸は、円すいころ軸受11の回転軸mに対して略直交している。カメラ29は、第2ミラー27を介して回転軸mの方向から円すいころ軸受11及び投影部28に投影された投影点Sを撮影することができる。こうして、カメラ29は、図2に示すような、円すいころ14と投影点Sとが一画面に表示された画像を撮影している。
カメラ29は、CCDなどの撮像素子を搭載しており、撮影した画像を、円すいころ14と投影点Sの位置情報を表す画像信号として、演算装置30に出力するようになっている。
演算装置30は、挙動演算部46及びメモリ47を備えている。これらの演算部46とメモリ47は、マイクロコンピュータの一部である。演算装置30には、表示器48とレコーダ49とが接続されている。
メモリ47は、円すいころ14の挙動を測定するためのプログラムを予め記憶するとともに、スキュー角を算出するときの基準となる円すいころ14の位置情報などを記憶している。
挙動演算部46では、メモリ47に記憶されたプログラムに従って、カメラ29から送信された画像信号に基づいて、円すいころ軸受11の挙動としてのころのスキュー角やチルト量を測定している。測定されたスキュー角等は、表示器48に表示され、また、レコーダ49に記録されるようになっている。
図3によって、基準ミラー35について説明する。図3(a)は、基準ミラー35を装着したときの挙動測定装置10の要部拡大図であり、図3(b)は、図3(a)を回転軸mの方向から見た基準ミラー35の形態を示している。
基準ミラー35は、環状で、円すいころ軸受11の前方(円すいころ軸受11のレーザ装置25と対向する側である)で、シャフト24に嵌め合わされている。これにより、基準ミラー35は、円すいころ14とレーザ装置25との間に配置されている。基準ミラー35の内周は円筒形状であり、その内径は、円すいころ軸受11の内径寸法とほぼ同等である。また、外周の直径寸法は、円すいころ軸受11の外径寸法とほぼ同等である。
基準ミラー35では、軸方向の一方でレーザ装置25と対向する側に対向面36が形成されている。対向面36は径方向外方に向かうにしたがって円すいころ軸受11に近づく向きに傾斜する円錐面である。いい換えれば、対向面36は、軸方向断面における直線Jを、回転軸mの回りに回転させたときの回転面であり、対向面36の法線は、回転軸mを含む平面上に存在する。
本実施形態では、対向面36が、直線Jによる回転面で形成されているが、円弧などの曲線による回転面であってもよい。
また、基準ミラー35は、シャフト24に着脱自在であり、円すいころ軸受11の挙動を測定するときには取り外される。
図3(b)に示すように、対向面36には、円すいころ14の大端面21と軸方向に対向する位置に、円形の反射面Zが形成されている。対向面36は、その全面に鏡面加工が施されており、反射面Zは、当該反射面Zの部分を除くその他の部分を、レーザ光Lを反射しない塗料等でマスキングすることによって形成されている。図3(b)では、マスキングされている部分にハッチングが施されている。
こうして、基準ミラー35には、レーザ装置25及び第1ミラー26と対向するように配置された反射面Zが形成されており、反射面Zは、レーザ装置25側から見たときに円すいころ14の大端面21と重なる位置に形成されている。反射面Zの大きさは、円すい
ころ14の大端面21に形成された反射面Wの大きさとほぼ同等である。
図3(a)では、反射面Zで反射して投影面42に到達するレーザ光Lの経路をL1で示し、反射面Wで反射して投影面42に到達するレーザ光Lの経路をL2で示している。L2は、図3(a)の状態から基準ミラー35が取り外されて、スキューがないと仮定した場合の円すいころ14に直接レーザ光Lが照射されたときの、レーザ光Lの経路を示している。本実施形態では、対向面36の母線である直線Jの向きが、円すいころ14に形成された反射面Wの向きとわずかに異なっており、L1及びL2の経路で進行するレーザ光Lは、投影面42上では、互いに同一の位置に到達するようになっている。直線Jの向きは、円すいころ14と基準ミラー35との軸方向の寸法や、第1ミラー26の位置等に基づいて、設定することができる。
(円すいころ軸受の挙動の測定方法)
次に、挙動測定装置10によって、図を用いて、円すいころ軸受11の挙動を測定する挙動測定方法(以下、本測定方法)を説明する。
図2において、Aの位置にある円すいころ14(円すいころA)について、その挙動を測定する場合を例にして説明する。円すいころ軸受11の中心を原点Oとし、円すいころAの位置でピッチ円の接線方向をX軸に設定し、原点Oと円すいころAの中心を結ぶ方向をY軸に設定している。原点Oは、回転軸m上の点である。また、円すいころAの大端面21の中心を通って、Y軸に垂直な平面を平面qとし、X軸に垂直な平面を平面pとする。
本測定方法は、基準ミラー35を用いて位置情報を取得する基準情報取得ステップと、円すいころ軸受11の位置情報を取得するころ位置情報取得ステップと、を備えており、その後、基準情報取得ステップ及びころ位置情報取得ステップで取得した位置情報に基づいて、円すいころ軸受11の挙動情報を算出している。ここで、円すいころ軸受11の挙動情報とは、円すいころのスキュー角や、チルト量などをいう。
(基準情報取得ステップ)
基準情報取得ステップでは、上記構成の挙動測定装置10を使用して、図3に示すように、円すいころ軸受11の前方に、基準ミラー35を取り付けている。この状態で、シャフト24を回転させながら、基準ミラー35に向けて、レーザ光Lを照射している。
本測定方法は、レーザ装置25の取付誤差等によってレーザ光Lの光軸と円すいころ軸受11の回転軸mとが互いにわずかに傾いている場合において、これらの向きの精密な調整をしなくても、スキュー角を正確に測定することが出来る点に特徴がある。このため、基準情報取得ステップの説明では、円すいころ軸受11の回転軸mとレーザ光Lの光軸とがわずかに傾いている場合について説明する。
図4(a)は、基準ミラー35の反射面Zが円すいころAと対応する位置(図2におけるAの位置)にあるときに、Y軸方向から見たときのレーザ光Lの経路を示す模式図である。図4(b)は、反射面Zによって形成された投影点(以下、円すいころ14の大端面21で反射して形成される投影点Sと区別して「基準投影点Sb」という)を、回転軸mの方向から見た模式図である。
基準ミラー35の反射面Zは、対向面36の一部で形成されている。対向面36は、回転軸mと同軸に形成された円錐面である。このため、反射面Zの法線は、回転軸mを含む平面上に存在する。したがって、反射面Zの法線と、スキューを生じていないときの円すいころ14の大端面21の法線とは、いずれも平面p上に位置している。
このため、図4(a)に示すように、反射面Zで反射したレーザ光Lは、スキューを生じていない円すいころの端面で反射するときと同様に、平面pから離れる向きに進行する。その後、第1ミラー26で反射して、投影面42上に投影される。図4(b)に示すように、基準投影点Sbは、Y軸に対して位相角φbだけ傾いた位置に形成される。
こうして基準投影点Sbは、スキューが生じていないときに形成される投影点と同一の位相角φbの位置に形成される。なお、位相角とは、原点Oの回りで、Y軸とのなす角度をいう。
基準ミラー35が回転しているときには、基準投影点Sbは、反射面Zとともに回転軸mの周りを周回している。周方向の各位置では、原点Oから、反射面Zの中心に向かう方向をY軸として、基準投影点Sbの位相角φbを測定している。
カメラ29は、第2ミラー27を介して、基準ミラー35及び基準投影点Sbを回転軸mの方向から撮影している。こうして、図4(b)に示すように、基準ミラー35と基準投影点Sbを一画面の画像G1として撮影することにより、基準ミラー35と基準投影点Sbの位置情報を取得することが出来る。
また、カメラ29では、基準ミラー35の回転中に所定の時間間隔で繰り返し撮影することにより、画像G1を逐次取得しており、周方向の各位置において、基準ミラー35と基準投影点Sbの位置情報を逐次取得することができる。ここで、基準ミラー35と基準投影点Sbの位置情報とは、例えば、基準ミラー35の中心の位置、反射面Zの位置、基準投影点Sbの位相角などである。
カメラ29で撮影された画像G1は、基準ミラー35と基準投影点Sbの位置情報を表す第1信号として挙動演算部46に出力されるとともに、メモリ47に記憶されている。
(ころ位置情報取得ステップ)
ころ位置情報取得ステップでは、駆動装置とレーザ装置25との位置をそのまま維持した状態で、基準ミラー35を取り外している。この状態で、シャフト24を回転させながら、円すいころ軸受11に向けて、レーザ光Lを照射している。
図5(a)は、レーザ装置25から照射されたレーザ光Lが、円すいころAの大端面21で反射して、投影面42に到達するまでの経路を、Y軸方向から見たときの模式図で示している。図5(b)は、図5(a)を回転軸mの方向から見た模式図である。なお、円すいころAは、平面q内で図5(a)に示した向きに角度ξ分スキューしている。
円すいころの大端面21には、鏡面加工が施された反射面Wが形成されている。
円すいころがスキューしているとともに、レーザ光Lの光軸が回転軸mに対して傾いているために、反射面Wに入射したレーザ光Lは、図5(a)に実線で示したように、大端面21で反射した後、基準情報取得ステップで測定した場合に比べて、平面pから更に離れる向きに進行する。このため、レーザ光Lは、投影面42に到達するときには、Y軸に対して更に大きく離れており、投影点Sは、図5(b)に示すように、Y軸に対して位相角φa(φa>φbである)だけ傾いた位置に形成される。
カメラ29は、第2ミラー27を介して、円すいころ軸受11及び投影点Sを回転軸mの方向から撮影している。こうして、円すいころ軸受11と投影点Sを一画面の画像G2として撮影することにより、図5(b)に示すような円すいころ軸受11と投影点Sの位置情報を取得することが出来る。ここで、円すいころ軸受11と投影点Sの位置情報とは、例えば、円すいころ軸受11の中心の位置、円すいころの位置、投影点Sの位置などである。
なお、円すいころ軸受11が回転しているときには、投影点Sは、円すいころ14とともに回転軸mの周りを周回している。カメラ29では、基準情報取得ステップと同様に、円すいころ軸受11の回転中に所定の時間間隔で撮影することにより、画像G2を逐次取得しており、周方向の各位置において、円すいころ軸受11と投影点Sの位置情報を逐次取得することができる。
カメラ29で撮影された画像G2は、円すいころ軸受11と投影点Sの位置情報を表す第2信号として挙動演算部46に出力されている。
(挙動演算ステップ)
次に、挙動演算ステップについて説明する。
挙動演算ステップでは、カメラ29から送信された円すいころ軸受11と投影点Sの位置情報と、メモリ47から読み出した基準ミラー35と基準投影点Sbの位置情報とに基づいて、円すいころ軸受11の挙動情報を算出している。ここで、円すいころ軸受11の挙動情報とは、円すいころのスキューの状態や、チルトの状態をいい、具体的には、円周方向の各位置における円すいころのスキュー角やチルト量などを測定している。
以下、図6を用いて、円すいころAを例にして、挙動演算部46における円すいころ軸受の挙動情報を算出する手順を具体的に説明する。図6は、基準情報取得ステップで撮影された画像G1と、ころ位置情報取得ステップで撮影された画像G2を、原点Oの位置を合わせて重ねた図である。
一般的に、スキュー角は、スキューがない場合の投影点の位置と、スキューが生じたときの投影点の位置との周方向の位置ずれ量Rに基づいて算出される。位置ずれ量Rは、スキュー角の増大に伴ってほぼ比例して増大する。このため、あらかじめ、スキュー角と位置ずれ量Rとの関係を求めておくことにより、位置ずれ量Rを測定することによってスキュー角を求めることができる。
スキュー角と位置ずれ量Rとの関係は、種々のスキュー角の値について、そのスキュー角に対応する位置ずれ量Rの値を組み合わせたデータとして、あらかじめメモリ47に記憶されている。当該組合せデータは、静止した円すいころ14にレーザ光Lを照射し、円すいころ14の向きを順次変化させながら投影点Sの位置の変化を測定することによって、容易に取得することができる。
本測定方法では、ころ位置情報取得ステップで説明したように、挙動演算部46で、円すいころ軸受11と投影点Sの位置情報を表す第2信号を受信している。第2信号では、円すいころAに対応する投影点Sの位相角φa及びX,Y方向の位置座標が含まれている(図6参照)。
次に、挙動演算部46では、メモリ47に記憶されている基準ミラー35と基準投影点Sbの位置情報から、円すいころAの大端面21と同一の位置にある反射面Zに関する位置情報を取り出している。この位置情報には、反射面Zに対応する基準投影点Sbの位相角φbが含まれている(図6参照)。これにより、挙動演算部46では、円すいころ軸受の挙動情報として、基準投影点Sbに対する投影点Sの位置ずれ量R(=φa−φb)を算出している。
なお、位置ずれ量は、位相角に限らず、基準投影点Sbに対する投影点SのX方向やY方向の位置ずれ量であってもよい。
以上,Aの位置における円すいころAについて説明したが、同様にして円周方向の任意の位置における円すいころ14のスキュー角を測定することが出来る。この場合には、原点Oから、測定しようとする円すいころの大端面21の中心に向かう方向をY軸とする。なお、カメラ29が位置情報を撮影する時間間隔などにより、挙動を測定しようとする円すいころ14と同一の位置での基準ミラー35の位置情報がない場合、例えば、時刻tにおける円すいころ14の挙動を測定する場合に、メモリ47には、時刻t1と時刻t2の位置情報が記憶されている場合(t1<t<t2)には、線形補間などの処理により同一の位置における位置情報を算出することができる。
また、回転中の円すいころ軸受11について、特定の円すいころ14に対応する投影点Sの動きを連続して撮影することによって、スキュー角の変化を連続的に測定することができる。
以上説明したように、本測定方法では、レーザ光Lの光軸が円すいころ軸受11の回転軸mとずれている場合であっても、基準ミラー35による基準投影点Sbの位置情報を使用することにより、スキューが生じたときの投影点Sの位置ずれ量Rを正確に求めることができる。したがって、測定装置を精密に設定する必要がなく、簡単に精度良くスキュー角を測定することができる。
仮に、基準ミラー35を使用せずに、スキュー角を測定すると仮定した場合には、正確に測定できない。
これは、レーザ光Lの光軸が回転軸mに対して傾いている場合には、スキューを生じていない時であっても、円すいころの端面で反射したレーザ光Lの進路が、回転軸mに対して傾いてしまうからである。レーザ光Lの光軸と回転軸mとの傾き量は、レーザ装置25の取付誤差等に起因する。取付誤差等の大きさは不確定であり、基準ミラー35を使用しない場合には、基準投影点Sbの位置(すなわち位相角φb)を特定できない。このため、投影点Sの位相角φaを測定するだけでは位置ずれ量Rを測定できないので、スキュー角を正確に測定することができない。
なお、本測定方法では、基準ミラー35を用いて測定をした後、基準ミラー35を取り外してスキュー角を測定しているが、スキュー角を測定した後、基準ミラー35を装着して基準となる基準投影点Sbの位置を測定してもよい。
また、円すいころ軸受11の挙動情報として、スキュー角を測定する場合を例にして説明したが、同様にして、チルト量を測定することが出来る。円すいころ14がチルトを生じている場合には、図6において白丸で示したように、投影点Sが径方向に位置ずれする(チルトを生じている場合の投影点Sを「投影点So」と表示する)。そこで、投影点Soの、基準投影点Sbに対する位置ずれ量を測定することによって、チルト量を算出することが出来る。
なお、基準投影点Sbに対する位置ずれ量は、投影点Soの位相角φaに対応する投影点Sとの径方向の位置ずれ量Roや、図示を省略するが、基準投影点Sbに対するX方向やY方向の位置ずれ量等に基づいて算出できる。
本実施形態では、円すいころ軸受11の挙動を測定する方法について説明したが、円筒ころ軸受や自動調心ころ軸受など、その他のころ軸受についても、同様にして測定することが出来る。また、ころ軸受の大きさについては、カメラ29で撮影可能な大きさであれば適用できる。
また、円筒ころ軸受の場合には、プリズムを介してレーザ光Lをころの軸線に対して斜めに照射することによって、回転軸mに対して径方向に傾いた向きに照射できる。これによって、本実施形態と同様にして測定することができる。
こうして、本実施形態の測定方法では、ころ軸受の挙動をレーザ光を用いて測定する場合に、軸受の回転軸とレーザ光の光軸とがずれている場合であっても、測定誤差を低減して、正確な測定ができる。このため、ころ軸受の挙動の測定に当たって、レーザ光の向きなどの精密な調整を必要とせず、測定に要する工数を大幅に削減できる。また、軸受回転中の挙動の測定できるため、軸受の低トルク化、低昇温化、低騒音化などに貢献できる。
10:挙動測定装置、11:円すいころ軸受、12:内輪、13:外輪、14:円すいころ、15:保持器、21:大端面、24:シャフト、25:レーザ装置、26:第1ミラー、27:第2ミラー、28:投影部、29:カメラ、30:演算装置、35:基準ミラー、36:対向面、40:第1反射面、41:孔、42:投影面、43:第2反射面、45:位置計測部、46:挙動演算部、47:メモリ

Claims (2)

  1. ころ軸受のころの一端面にレーザ光を出射する出射部と、
    前記ころと前記出射部との間に着脱自在に配置され、前記ころ軸受の回転軸に対する回転面からなる反射面を備えた基準ミラーと、
    前記ころの一端面で反射されたレーザ光が投影されて投影点Sが形成されるとともに、前記基準ミラーで反射されたレーザ光が投影されて基準投影点が形成される投影部と、
    前記基準ミラーと前記基準投影点とを撮影して、前記基準ミラーと前記基準投影点の位置情報を表す第1信号を出力するとともに、前記ころ軸受と前記投影点Sとを撮影して、前記ころと前記投影点Sの位置情報を表す第2信号を出力する撮影部と、
    前記第1信号及び前記第2信号に基づいて、前記ころ軸受の挙動情報を算出する挙動算出部とを備えることを特徴とする、ころ軸受の挙動測定装置。
  2. 請求項1に記載するころ軸受の挙動測定装置を使用して、ころ軸受の挙動を測定する挙動測定方法であって、
    前記基準ミラーを取り付けた状態で前記基準ミラーに向けてレーザ光を照射し、前記基準ミラーと前記基準投影点とを撮影して、前記基準ミラーと前記基準投影点の位置情報を取得する基準情報取得ステップと、
    前記基準ミラーを外した状態で前記ころ軸受に向けてレーザ光を照射し、前記ころ軸受と前記投影点Sとを撮影して、前記ころ軸受と前記投影点Sの位置情報を取得するころ位置情報取得ステップと、
    前記基準情報取得ステップで取得した前記基準ミラーと前記基準投影点の位置情報と、前記ころ位置情報取得ステップで取得した前記ころと前記投影点Sの位置情報とに基づいて、前記ころ軸受の挙動情報を算出する挙動演算ステップと、を備えたことを特徴とするころ軸受の挙動測定方法。
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