JP6679440B2 - 回転速度計測装置及び回転速度計測方法 - Google Patents

回転速度計測装置及び回転速度計測方法 Download PDF

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Description

本発明は、回転体の回転速度を計測する回転速度計測装置、及び回転速度計測装置に用いられる回転速度計測方法に関する。
従来、回転体の回転速度を非接触で計測する回転速度計測装置が知られている。例えば特許文献1には、非接触式の回転速度計測装置の一例として、光学式の計測装置が開示されている。例えば、特許文献1に記載の回転速度計測装置は、撮影部により撮影した回転するタービン軸の回転時画像を、撮影部により予め撮影した静止時のタービン軸の数字の静止画像と比較する。回転速度計測装置は、静止時のタービン軸の数字の静止画像と一致するように、点滅光の周期を調整させて回転時画像を撮影し、一致した時の点滅光の周期から、タービン軸の回転速度を演算して、回転速度を表示部に表示する。
特開2013−101086号公報
特許文献1に記載の回転速度計測装置によれば、一旦、点滅光の周期が回転速度に同期すれば、速度変動の小さいタービン軸の回転速度を高い精度で逐次計測することができる。しかしながら、点滅光の周期が速度に同期するまでは、回転の向きを特定し、速度を一致させ、数字の位置を合わせるまでに多数回の撮像が必要となり、回転速度の計測中は回転体が安定して回転している必要があった。そのため、安定して回転している時間がそれほど長く確保できない回転体についてはその回転速度の計測が難しくなるおそれもあった。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、非接触での回転体の回転速度計測を容易にすることができる回転速度計測装置、及び回転速度計測装置に用いられる回転速度計測方法を提供することにある。
上記課題を解決する回転速度計測装置は、撮像可能な特徴点を有する回転体の回転速度を計測する回転速度計測装置であって、一定のスキャン速度によるスキャンで回転中の前記回転体の特徴点を含んでいるスキャン画像を取得するスキャン部と、前記回転体について予め登録された特徴点の配置から前記スキャンの開始時の画像を含む開始範囲を特定するとともに、前記開始範囲から離れた範囲である離間範囲における特徴点の画像を推定する推定部と、前記スキャン画像から前記離間範囲に対応する対応範囲における特徴点の画像を抽出する抽出部と、前記推定部が推定した特徴点の画像と前記抽出部が抽出した特徴点の画像との間のずれ量を算出する比較部と、前記比較部が算出したずれ量と前記一定のスキャン速度とに基づいて前記回転体の回転速度を計測する計測部とを備えることを特徴とする。
上記課題を解決する回転速度計測方法は、撮像可能な特徴点を有する回転体の回転速度を計測する回転速度計測装置で用いる回転速度計測方法であって、スキャン部で、一定のスキャン速度によるスキャンで回転中の前記回転体の特徴点を含んでいるスキャン画像を取得し、推定部で、前記回転体について予め登録された特徴点の配置から前記スキャンの開始時の画像を含む開始範囲を特定するとともに、前記開始範囲から離れた範囲である離間範囲における特徴点の画像を推定し、抽出部で、前記スキャン画像から前記離間範囲に対応する対応範囲における特徴点の画像を抽出し、比較部で、前記推定部が推定した特徴点の画像と前記抽出部が抽出した特徴点の画像との間のずれ量を算出し、計測部で、前記比較部が算出したずれ量と前記一定のスキャン速度とに基づいて前記回転体の回転速度を計測することを特徴とする。
このような構成又は方法によれば、推定部が推定した離間範囲の特徴点の画像と対応範囲の特徴点の画像との間のずれ量が算出されるため、少ない回数の撮像であっても回転の向きや、回転速度の絞り込みが可能である。また、離間範囲や対応範囲を広くとれば、回転速度をより広範囲の比較で推定可能にもなる。つまり、安定して回転している時間の短い回転体の回転速度であっても計測できる可能性が高まる。よって、非接触での回転体の回転速度の計測を容易にすることができる。
好ましい構成として、前記スキャン部は、二次元イメージセンサを備え、前記二次元イメージセンサは、並列に並ぶ複数の画素列を有し、各画素列は、ライン状のスキャン範囲の画像を一度の読み込みでスキャンする複数の画素で構成され、前記複数の画素列は、前記各画素列の列方向に交差する短手方向を前記回転体の回転軸と交差する一方向に整合させ、前記各画素列の列方向の画像取得を前記短手方向に隣接する画素列を順次移動させて行うことで前記スキャン画像を取得する。
好ましい方法として、前記スキャン部は、二次元イメージセンサを備え、前記二次元イメージセンサは、並列に並ぶ複数の画素列を有し、各画素列は、ライン状のスキャン範囲の画像を一度の読み込みでスキャンする複数の画素で構成され、前記二次元イメージセンサでは、前記各画素列の列方向に交差する短手方向を前記回転体の回転軸と交差する一方向に整合させ、前記各画素列の列方向の画像取得を前記短手方向に隣接する画素列を順次移動させて行うことで前記スキャン画像を取得する。
このような構成又は方法によれば、複数の画素列を有する二次元イメージセンサによるスキャンによってスキャン画像を読み込むことができるのでスキャン画像の取得が容易になる。ローリングシャッター方式による二次元イメージセンサであれば水平同期速度の周期を調整することでスキャン速度を変更することもできる。
好ましい構成として、前記スキャン部は、ラインスキャナを備え、前記ラインスキャナは、ライン状のスキャン範囲の画像を一度にスキャンするライン状のスキャン光を有し、前記回転体の回転軸と交差する一方向と前記ライン状のスキャン光の短手方向とを整合させて前記ラインスキャナを前記短手方向にスキャンさせて前記スキャン画像を取得する。
好ましい方法として、前記スキャン部は、ラインスキャナを備え、前記ラインスキャナは、ライン状のスキャン範囲の画像を一度にスキャンするライン状のスキャン光を有し、前記スキャン部では、前記ラインスキャナで前記回転体の回転軸と交差する一方向と前記ラインスキャナの短手方向とを整合させて前記ラインスキャナを前記短手方向にスキャンさせて前記スキャン画像を取得する。
このような構成又は方法によれば、ラインスキャナをライン状のスキャン光に対する短手方向に移動させてスキャン画像を取得することができるようになる。
好ましい構成として、前記スキャン部は、前記ライン状のスキャン光を前記回転体に照射する光源部と、前記光源部が前記回転体をスキャンする期間、前記回転体に照射された光を露光し続けるカメラとを備える。
このような構成によれば、カメラを露光させ続けながら、ライン状のスキャン光をスキャンさせることで、回転体を簡単かつ迅速にスキャンして、そのスキャン画像を得ることができる。
好ましい構成として、前記ライン状のスキャン範囲には、前記回転体の回転中の最大外径の幅が含まれる。
このような構成によれば、外周に特徴点があるような回転体について回転速度を計測できる。
好ましい構成として、前記スキャン部は、前記スキャン画像のなかの特徴点における前記短手方向の長さに応じて、前記一定のスキャン速度を設定する。
このような構成によれば、ラインスキャナのスキャン速度が、スキャン画像の短手方向に回転速度に応じた特徴として表れる長さに応じて調整される。回転体をスキャンすると、回転体はスキャン方向の順方向に移動する範囲と、逆方向に移動する範囲とが存在することとなり、順方向の範囲では特徴点及び特徴点間の間隔が長く写り、逆方向の範囲では特徴点及び特徴点間の間隔が短く写る現象が生じる。よって、こうした現象に基づいてスキャン速度を調整することができる。
好ましい構成として、前記推定部は、前記回転体の回転中心を中心とする所定の周上において、特徴点が特徴点の全数の半分の数だけ前記開始範囲から離れた範囲を前記離間範囲とする。
このような構成によれば、離間範囲が開始範囲に対して回転中心を中心として、特徴点が特徴点の全数の半分の数だけ離れた位置になる。回転体をスキャンしたとき、開始範囲とそれに対応する範囲はスキャン方向に対して直交方向への移動量成分が多いことからずれ量を抽出しやすい。
好ましい構成として、前記比較部は、前記ずれ量を前記回転体の回転した角度として算出する。
このような構成によれば、ずれ量を角度で算出することで、回転体の回転速度の計測が容易になる。
好ましい構成として、前記スキャン部は、前記回転体がその回転方向に周期的な特徴点を有するとき、前記一定のスキャン速度を前記ずれ量が前記特徴点の周期の半分未満になる値に設定する。
このような構成によれば、回転体がギアのように周期的な特徴点を有する場合、ずれ量が大きくなると、トラッキングが困難になる。この点、このような構成によれば、特徴点のずれ量が周期の半分未満となる値にスキャン速度が設定されるので周期的な特徴点であれ、特定の特徴点を正確にトラッキングすることが可能になり、回転速度を正しく計測することができる。
好ましい構成として、前記比較部は、前記離間範囲の各特徴点に対し、前記スキャン画像の前記対応範囲における各特徴点をマッチングさせ、前記ずれ量としてマッチングされた特徴点のずれ量を算出する。
回転体が不規則な特徴点を有する場合、画像の変形により離間範囲にある特徴点と対応範囲にある特徴点との対応関係が不明確になる場合がある。この点、このような構成によれば、不規則な特徴点であれ、離間範囲の画像と対応範囲の画像について複数の特徴点に基づくマッチングを行うことで各特徴点の対応関係が求められ、その求められた対応関係からずれ量が取得できる。
上記回転速度計測装置又は回転速度計測方法によれば、非接触での回転体の回転速度計測を容易にすることができる。
回転速度計測装置を具体化した第1の実施形態について、その概略構成を示すブロック図。 同実施形態において、測定対象をスキャンする態様を模式的に示す模式図。 同実施形態において、測定対象の特徴点の形状を模式的に示す模式図。 同実施形態において、静止中の測定対象をスキャンして得られた画像を模式的に示す模式図。 同実施形態において、回転中の測定対象をスキャンして得られた画像を模式的に示す模式図。 同実施形態において、静止中の測定対象をスキャンして得られた画像と、回転中の測定対象をスキャンして得られた画像との比較を模式的に示す模式図。 同実施形態において、準備段階で測定対象の回転領域を特定する処理を説明する説明図。 同実施形態において、準備段階で静止中の測定対象の特徴点を特定する処理を説明する説明図。 同実施形態において、準備段階で回転中の測定対象の回転領域において特徴点を特定する処理を説明する説明図。 同実施形態において、準備段階で測定対象の回転領域において評価関数が大きくなる位置を特定する処理を説明する説明図。 同実施形態において、準備段階で測定対象の特徴点の周期を特定する処理を説明する説明図であって、(a)は角度と強度との関係を示す図、(b)は周期と強度との関係を示す図。 回転速度計測装置を具体化した第2の実施形態について、その測定対象の特徴点を模式的に示す模式図。 同実施形態において、静止中の測定対象をスキャンして得られた画像を模式的に示す模式図。 同実施形態において、準備段階で測定対象の回転領域において評価関数が大きくなる位置を特定する処理を説明する説明図。 同実施形態において、準備段階で測定対象の特徴点の周期を特定する処理を説明する説明図であって、(a)は角度と強度との関係を示す図、(b)は強度分布の特定処理を示す図。 同実施形態において、回転中の測定対象をスキャンして得られた画像を模式的に示す模式図。 同実施形態において、静止中の測定対象をスキャンして得られた画像と、回転中の測定対象をスキャンして得られた画像とのマッチングについて説明するリストを示す図。 回転速度計測装置を具体化した第3の実施形態について、その測定対象の特徴点を模式的に示す模式図。
(第1の実施形態)
図1〜図11を参照して、回転速度計測装置を具体化した第1の実施形態について説明する。回転速度計測装置は、計測対象である回転体100をスキャンして取得したスキャン画像に基づいて、回転体100の単位時間あたりの回転数である回転速度ωを計測する。
まず、回転速度計測装置の概要を説明する。
図1に示すように、回転速度計測装置は、スキャン部10で、回転体100の回転軸101と交差する一方向であるスキャン方向Sxとラインスキャナのライン状のスキャン光L2の短手方向とを整合させてライン状のスキャン光L2を短手方向にスキャンさせる。ライン状のスキャン光L2は、ライン状のスキャン範囲の画像を一度にスキャンする。それによって、スキャン部10で、回転中の回転体100における特徴点が含まれる回転中のスキャン画像としての回転画像120を取得する。また、回転速度計測装置は、推定部22で、静止中の回転体100について予め登録された静止画像110から、静止画像110に含まれる特徴点の配置に基づいて、前記スキャンの開始時の画像を含む開始範囲を特定するとともに、開始範囲から離れた範囲である離間範囲における特徴点の画像を推定する。さらに、回転速度計測装置は、抽出部23で、回転画像120から推定部22で推定した離間範囲に対応する対応範囲における特徴点の画像を抽出し、比較部24で、推定部22が推定した特徴点の画像と抽出部23が抽出した特徴点の画像との間のずれ量を算出する。そして、回転速度計測装置は、計測部25で、比較部24が算出したずれ量とスキャン光L2のスキャン速度vsとに基づいて回転体100の回転速度ωを計測する。
図2を参照して原理を説明すると、長手方向Syに回転体100の直径(最大外径の幅)よりも広い幅を有するライン状のスキャン光L2をライン状のスキャン光L2に対して短手方向であるスキャン方向Sxに所定のスキャン速度vsで移動させて直径Dの回転体100をスキャンして静止画像110又は回転画像120を得る。このとき回転体100は、開始範囲ap1からスキャンが開始され、回転軸101を中心として開始範囲ap1の反対側となる範囲にある離間範囲ap2でスキャンが終了する。また、このスキャンに要する「スキャン時間Δt」は、「直径D/スキャン速度vs」で算出される。ところで、回転体100が回転方向Rd2に回転しているとき、スキャン開始により「開始範囲ap1」がスキャンされたときから「スキャン時間Δt」の間に移動した後の「離間範囲ap2」がスキャンされる。そこで本実施形態では、静止中の回転体100のスキャン画像である静止画像110と回転中の回転体100のスキャン画像である回転画像120とから「スキャン時間Δt」の間の「離間範囲ap2」の回転角度や移動距離に基づいて回転体100の回転速度ωを計測する。
続いて、図1を参照して本実施形態の構成について説明する。
回転速度計測装置は、スキャンに利用される光L0を出力する光源部としての光源11と、光L0をスキャン用の光L1に変更する光学部品12と、光学部品12を通過したスキャン光L2で回転体100をスキャンする回転多面鏡13とを備えている。また、回転速度計測装置は、回転体100のスキャン面102を撮像するカメラ14と、回転体100の回転速度ωを計測する計測部25とを備える。
図2に示すように、計測対象の一例である回転体100は、機械部品などのギア(歯車)であって、回転軸101を回転中心とするときの外周部には回転軸101に対して等角度に配置された複数の凸部103と、隣接する凸部103の間にそれぞれ配置される複数の凹部104とを備えている。回転体100は、そのスキャン面102がスキャン光L2でスキャンされて、外周部の凸部103及び凹部104の配列を特徴点として有するスキャン画像がカメラ14で撮像される。
図1に示す光源11は、スキャン用の光L0を出力する光源であって、レーザ、LEDなどを発光体として有し構成される。光源11は、計測装置20に電気的に接続されており、計測装置20から入力した、光L0の出力のオン/オフなどの指示に応じて作動する。
光学部品12は、光源11から出力した光L0を、ラインスキャンに適したライン状の光L1に変更する光学系の部品であって、シリンドリカルレンズなどを含み構成されている。
回転多面鏡13は、いわゆるポリゴンミラーであって、多角形柱形状の回転体の各側面に配置された鏡面(ミラー)13aから構成される多面鏡を所定の回転方向Rd1に所定の回転速度で回転させる。回転多面鏡13は、各鏡面13aに入射されたライン状の光L1をスキャン面102の方向にライン状のスキャン光L2として反射するとともに、所定の回転方向Rd1に回転することで反射したスキャン光L2をその回転方向Rd1に走査させる。回転多面鏡13の所定の回転方向Rd1への回転で、スキャン光L2の走査方向がスキャン方向Sxと同じ方向になる。例えば、回転多面鏡13は、8面の鏡面13aからなる多面鏡を備え、この多面鏡を高速回転(毎分数千〜数万回転)させる。ここで8面の多面鏡を毎分2万回転で回転させて、毎分1万回転する回転体100を走査させれば、回転体100が約「1/16周」の角度だけ回転する(移動する)間(約22.5°の角度)に1回の走査が完了する。回転多面鏡13は、計測装置20に電気的に接続されており、計測装置20から入力した多面鏡の回転/停止の指示などに応じて作動する。
カメラ14は、グローバルシャッター方式であるCCDカメラなどの撮像部を備え構成されており、回転体100が反射したスキャン光L2を撮像する。グローバルシャッター方式であれば撮像画像に走査に起因するずれが生じないので好適である。なお、走査に起因して生じるずれを補正できるのであればローリングシャッター方式のカメラを用いてもよい。また、カメラ14は、スキャン範囲以上の範囲を撮像できる画角を有している。例えば、カメラ14は、スキャンを開始する開始範囲ap1からスキャンが終了する離間範囲ap2までを撮像範囲に含む画角を有している。なお画角は、カメラ14と回転体100との間の距離に応じて調整される。
カメラ14は、計測装置20に電気的に接続されており、計測装置20からの露光の開始/終了の指示に応じて作動するとともに、撮像した撮像画像を計測装置20へ出力する。本実施形態では、カメラ14は、回転体100のスキャンが開始される前(例えば直前)に露光を開始し、スキャンが終了した後(例えば直後)に露光を終了することで、スキャン光L2が走査した回転中の回転体100のスキャン面102の回転画像120を撮像する。露光時間が長めであるとしても、カメラのゲイン(感度)を低く設定するか照明を暗くすれば適切な回転画像120が撮像される。そしてカメラ14は、撮像した回転画像120を計測装置20へ出力する。なお、カメラ14は、静止中の回転体100をスキャンして静止画像110を撮像し、この撮像した静止画像110を計測装置20へ出力することもできる。あるいは、回転体100が回転中であったとしても、グローバルシャッター方式のカメラにおいて通常照明のもと回転速度に対して十分に短時間の露光で取得した回転体100の画像であれば、静止画像110と同様に利用することができる。
計測装置20は、回転体100の回転速度ωを、回転体100の静止画像110及び回転画像120に基づいて計測する。計測装置20は、演算装置や記憶装置を有する小型コンピュータを含んで構成されている。計測装置20は、記憶装置に記憶されたプログラムやパラメータを演算装置により演算することによって各種制御を行う。本実施形態では、回転速度計測処理プログラムの実行により、回転速度の計測に関する処理が行われる。
計測装置20は、スキャン部10を制御するスキャン制御部21と、静止画像110からスキャン開始時の回転体100における特徴点の配置を推定する推定部22と、回転画像120から特徴点を抽出する抽出部23とを備える。また、計測装置20は、静止画像110と回転画像120との2つの画像を比較する比較部24と、2つの画像の比較結果に基づいて回転体100の回転速度ωを計測する計測部25とを備える。さらに、計測装置20は、静止画像110や回転画像120の記憶部27への読み書きを管理する画像管理部26と、静止画像110や回転画像120などを含む各種データを記憶する記憶部27とを備える。計測装置20において、スキャン制御部21、推定部22、抽出部23、比較部24、計測部25、画像管理部26及び記憶部27は、それぞれ相互に必要な情報の伝達が可能に構成されている。なお、本実施形態では、スキャン部10は、光源11と、光学部品12と、回転多面鏡13と、カメラ14と、スキャン制御部21とから構成される。
記憶部27は、RAM(ランダムアクセスメモリ)などの記憶媒体を備える。記憶部27は、画像管理部26の指示に基づいて静止画像110や回転画像120の記憶、読み出し、削除などを行う。また、記憶部27は、ハードディスクや不揮発性メモリなどの不揮発性記憶媒体をさらに備え、回転体100の回転速度計測に必要な各種パラメータ、例えば、回転体100の直径D、回転多面鏡13の回転速度などを記憶していてもよい。
画像管理部26は、カメラ14から入力した静止画像110や回転画像120を、スキャン制御部21からの書き込み指示などに基づいて記憶部27に記憶させる。また、画像管理部26は、推定部22、抽出部23又は比較部24からの読み出し指示に基づき記憶部27から静止画像110や回転画像120を読み出して出力する。
スキャン制御部21は、回転体100の静止画像110や回転画像120の取得を制御する。スキャン制御部21は、光源11に対してオン/オフを指示したり、回転多面鏡13に回転/停止を指示したり、カメラ14に対して露光の開始/終了を指示したりする。また、スキャン制御部21は、カメラ14から静止画像110や回転画像120を取得し、画像管理部26を介して記憶部27に記憶させる。
スキャン制御部21は、回転速度の計測に先立ち、回転体100の静止画像110を撮像してから記憶部27に記憶させる。また、スキャン制御部21は、回転速度の計測が開始されると、回転体100の回転画像120を撮像し、この撮像した回転画像120を、この回転画像120に関連付けたスキャン方向Sxとともに記憶部27に記憶させる。スキャン方向Sxは、スキャン部10の構造上定まるものであれば予め設定されたものでもよいし、スキャン途中の画像から得られる撮影済みの範囲の境界線の法線方向を設定してもよい。
推定部22は、回転画像120の開始範囲ap1に対応する離間範囲ap2の画像を推定する。開始範囲ap1と離間範囲ap2は、回転軸101を中心としたおおよそ180°の回転で定められる位置関係として定義される。よって、推定部22は、回転画像120の開始範囲ap1に対応する静止画像110の開始範囲ap1から回転で定まる位置関係にある離間範囲ap2までの特徴点配置に対応するように、回転画像120上で特定した開始範囲ap1から離間範囲ap2の方向への円周上の特徴点を順に追っていくことで離間範囲ap2を推定する。なお、開始範囲ap1に対応する離間範囲ap2の推定は、回転体100の特徴点の配置や照明の状態によりその他の方法で推定することもできる。例えば、回転体100が離間範囲ap2側から照明されている場合、開始範囲ap1と離間範囲ap2とを影のかかりかたや、明度の差から推定してもよい。また、回転体の特徴点の分布にばらつきがある場合、回転画像120から回転画像の開始範囲ap1を特定するとともに、静止画像での開始範囲ap1と離間範囲ap2とを決定し、この決定した離間範囲ap2を回転画像120の中から探しだすことで推定するようにしてもよい。
抽出部23は、回転画像120から特徴点を含む離間範囲ap2の画像を抽出する。ここで、離間範囲ap2は、回転体100の回転にかかわらず、開始範囲ap1に対して固定された位置関係の範囲であるはずであるが、スキャン開始から終了までの「スキャン時間Δt」の間に回転体100の特徴点が見かけ上回転方向Rd2に移動する。つまり、抽出部23は、「スキャン時間Δt」の間に、回転体100が回転方向Rd2に回転した結果として、回転移動した特徴点を含む離間範囲ap2の画像を抽出する。
また、抽出部23は、事前にスキャン速度vsを算出する。例えば、抽出部23は、通常の計測時の露光時間よりも短い時間で撮影した画像を取得し、この取得した画像内でスキャン光L2が通過して明るく(適当な輝度レベル)なった矩形領域の幅をこのときの露光時間で除すことで「スキャン速度vs[pixel/s]」を算出する。そして、回転画像120の開始範囲ap1から離間範囲ap2までの距離[pixel]をスキャン速度vsで除することで、その距離をスキャンするのに要した時間「スキャン時間Δt[s]」が算出できる。
なお、「スキャン速度vs[pixel/s]」、「特徴点の回転直径Da」は、準備段階で予め設定されて記憶部27等に記憶されている。本実施形態では、特徴点が回転体100の外周近傍に配置されていることから「回転体100の直径D」と「特徴点の回転直径Da」とは、多くの場合同じものとなることから「特徴点の回転直径Da」を「回転体100の直径D」として扱うことができる。しかし、特徴点の配置によっては「回転体100の直径D」と「特徴点の回転直径Da」との値が大きく異なることもある。
また、「スキャン速度vs」は、回転多面鏡13が反射するスキャン光L2の描く円弧の接線方向の速度であるから「回転多面鏡13の回転速度ωp×回転多面鏡13の鏡面13aから回転体100までの距離L」で算出することもできる。なお、「距離L」の長さが「回転体100の直径D」よりも十分に長い条件下であれば、「回転体100の直径D」に対する「スキャン速度vs」を一定速度に近似できる。「距離L」は、例えばスキャン光L2の照射角度を変化させ、その変化させたときの画像内位置を用いて三角測量の原理に基づいて算出するようにしてもよい。
比較部24は、静止画像110から特定した離間範囲ap2と回転画像120から抽出した対応範囲との比較を通じて、「スキャン時間Δt」の間に離間範囲ap2と対応範囲の画像に生じたずれ量、特に特徴点のずれ量を変化角度や移動距離として算出する。例えば、推定した離間範囲ap2と特徴点を順に追って特定された離間範囲ap2との角度や位置を比較してもよい。また例えば、推定した離間範囲ap2の画像と回転画像120から抽出した対応範囲の画像とを比較してもよい。
計測部25は、比較部24によって算出した変化角度や移動距離と「スキャン時間Δt」とに基づいて回転速度ωを算出する。例えば、回転体100の回転速度ω[rad/s]は、「変化角度/スキャン時間Δt」から算出される。
次に、図3〜図11を参照して、回転体100の回転速度ωを計測する処理について説明する。なお、説明の便宜上、回転体100の特徴部分は、回転体100のスキャン面102において外周に近い位置に回転軸101に対し放射状に配置された12個の線分で示され、この線分の外周寄りが特徴点であるとする。回転体100をギアとすれば、凸部103と凹部104との間の径方向に対する段差部分が各線分に対応する。
図3に示す回転体100は、静止中の回転体100であって、外周に近い位置に回転軸101に対して等間隔の角度θ、かつ、放射状に配置された12個の特徴部分mを有する。
図4は回転体100の静止画像110を示す。静止画像110には、回転体100の外周に近い位置に回転軸101に対して等間隔の角度θ、かつ、放射状に配置された12個の特徴部分m1〜m12が撮像されている。
図5は回転体100の回転画像120を示す。回転画像120には、回転体100の外周に近い位置に放射状に配置された12個の特徴部分n1〜n12が撮像されているが、隣接する特徴部分について回転軸101に対する角度は等間隔ではない。例えば、2つの特徴部分n12,n1の間の角度θ1、及び2つの特徴部分n1,n2の間の角度θ2はそれぞれ、静止画像110の特徴部分の角度θに近い値である。これは、各特徴部分n12,n1,n2の移動方向の成分にはスキャン方向Sxと同じ方向の成分が少ないため、スキャン方向Sxへのスキャンが与える影響が少ないためである。一方、2つの特徴部分n2,n3の間の角度θ3、2つの特徴部分n3,n4の間の角度θ4、及び2つの特徴部分n4,n5の間の角度θ5はそれぞれ相違する値であり、かつ、静止画像110の特徴部分間の角度θよりも大きい値である。これは、各特徴部分n2,n3,n4,n5の移動方向の成分にはスキャン方向Sxと同じ方向への成分が多いため、つまり、スキャン方向Sxと同方向に移動するため、各特徴部分の間隔が間延びするためである。また、2つの特徴部分n5,n6の間の角度θ6、及び2つの特徴部分n6,n7の間の角度θ7もそれぞれ、静止画像110の特徴部分間の角度θに近い値である。これは、各特徴部分n5,n6,n7の移動方向の成分にはスキャン方向Sxと同じ方向の成分が少ないため、スキャン方向Sxへのスキャンが与える影響が少ないためである。また一方、2つの特徴部分n7,n8の間の角度θ8、2つの特徴部分n8,n9の間の角度θ9、2つの特徴部分n9,n10の間の角度θ10、2つの特徴部分n10,n11の間の角度θ11、及び2つの特徴部分n11,n12の間の角度θ12はそれぞれ相違する値であり、かつ、静止画像110の特徴部分間の角度θよりも小さい値である。これは、各特徴部分n7,n8,n9,n10,n11,n12の移動方向の成分にスキャン方向とは逆方向への成分が多いため、つまり、スキャン方向Sxと逆方向に移動するため、各特徴部分の間隔が圧縮されるためである。
なお、図5では、回転画像120は、スキャン開始位置Psの近傍に開始範囲の特徴点cp1が定義され、スキャン終了位置Pfの近傍に離間範囲の特徴点cp6が定義される。
図6は、静止画像110と回転画像120とを重ね合わせた画像を示す。
静止画像110と、回転速度が「0」の回転画像120とにおいて、静止画像110の特徴部分m1〜m12と回転画像120の特徴部分n1〜n12とは、それらのうちの一箇所を重ね合わせれば、他の箇所も重なり合う。本実施形態では、最初に重ね合わせる箇所を静止画像110の2つの特徴部分m1,m12と回転画像120の2つの特徴部分n1,n12とする。この条件で、静止画像110に回転していた回転画像120を重ねると、その特徴部分n2〜n11の位置が静止画像110の特徴部分m2〜m11の位置に対してずれる。詳述すると、図6において回転画像120の下半円部分では、スキャン方向Sxと同方向に移動する特徴部分n2〜n6が静止画像110の特徴部分m2〜m6よりも回転方向Rd2へ徐々に離れるように配置される。一方、図6において回転画像120の上半円部分では、スキャン方向Sxと逆方向に移動する特徴部分n6〜n11が静止画像110の特徴部分m6〜m11に徐々に近づくように配置される。
そして、図6の静止画像110と回転画像120とのずれから回転速度ωが算出される。すなわち、回転画像120の特徴点である特徴部分n6の特徴点cp6は、特徴部分n6に対応する静止画像110の特徴点となる特徴部分m6の特徴点に対して回転方向Rd2に回転し、その角度が回転中心としての回転軸101に対する変化角度(=角度差Δθ)である。つまり、開始範囲の特徴点cp1を一致させた上で、「スキャン時間Δt」の間に「変化角度」だけ角度が変化していることから、この回転体100の回転速度ωは「変化角度/スキャン時間Δt」で算出される。なお、変化角度が十分に小さければ、特徴部分n6の特徴点cp6と特徴部分m6の特徴点との間の距離の差から回転体100の回転速度ωを算出することもできる。
ところで、本実施形態の回転速度計測装置は回転体100の特徴部分及び特徴点を比較するため、計測に先立ち、特徴部分及び特徴点を抽出できるように処理する必要がある。特徴部分及び特徴点を抽出するためには、特徴部分のある範囲を特定する処理と、特定した範囲等から特徴点を抽出する処理とが必要であるから、これら処理について説明する。なお、ここでも回転体100は、図3に示すように、回転体100の外周に回転軸101から等間隔の角度θで12個の特徴部分を有しているとする。また、計測装置20は、上記2つの処理を含む特徴点抽出機能を備えている。
まず、図7〜図9を参照して、特徴部分のある範囲を定める処理について説明する。
図7は特徴部分を含む範囲である円形領域mavを示す。回転体100の特徴部分とは、撮像画像からはっきり認識できる形状であったり、光度や色彩等の違いがはっきり分かる部分のことであり、回転体100を撮像した画像から選択できる部分である。こうした特徴部分は、回転中の回転体100を露光時間を長めにして撮像して得られる領域選択画像130において、特徴部分を含まない部分に比べて異なる輝度等を有する円形領域mavとして現れる。つまり円形領域mavには、回転体100の特徴部分として好ましい形状、光度、色彩等が含まれている。そこで、こうして得られる円形領域mavを静止画像110と回転画像120との比較領域として特定する。また、特定された円形領域mavから回転軸101の位置(中心座標)と、回転半径(直径D)の長さも算出できる。
図8に示すように、例えば、静止画像110に円形領域mavを適用して所定の画像処理を行うと特徴部分mが抽出された抽出画像131を取得できる。また例えば、画像処理として、領域選択画像130と静止画像110との各円形領域mav以外の部分の輝度等を一致させて静止画像110と領域選択画像130との差分の画像を得れば、静止画像110から特徴的では無い部分や背景画像等を弱めたり、除去された抽出画像131を取得できる。
同様に、図9に示すように、領域選択画像130と回転画像120との各円形領域mav以外の部分の輝度等を一致させて回転画像120と領域選択画像130との差分の画像を得れば、回転画像120から特徴的では無い部分や背景等が除かれた抽出画像121を取得できる。
次に、図8〜図11を参照して、特徴点を抽出する処理について説明する。
特徴点を抽出する処理では、静止画像110からの特徴点の抽出と、回転画像120からの特徴点の抽出を行う。例えば、静止画像110から特徴点cp(図8参照)を抽出し、回転画像120から特徴点cp1や特徴点cp6(図9参照)を抽出する。なお、静止画像110と回転画像120とでは、特徴点が抽出される位置が相違するものの、特徴点の抽出方法は同様であるので、以下では、静止画像110から特徴点の抽出する処理について説明し、回転画像120から特徴点を抽出する処理についての説明は割愛する。
図8に示すように、静止画像110に円形領域mavを適用して得られた抽出画像131から特徴点が抽出される。特徴点は、回転軸101からの距離(極座標)で見たとき、回転軸101から最も離れた位置に設定する。つまり、抽出画像131では、特徴部分のうちもっとも外周に近い位置を特徴点cpに設定する。
そして、計測装置20は、抽出画像131に特徴点cpを設定するため、例えば式(1)を用いて、抽出画像131の特徴量G(θ)を算出する。特徴量G(θ)は、周方向の2階微分係数と、径方向の1階微分係数との和で求められる。なお、式(1)において「c」は、重み係数であり、例えば「0.6」などの値を設定することができる。
図10に示すように、円形領域mavの内側より順に(例えば1ピクセル毎に)調査半径raの調査円を設定し、各調査半径raの調査円毎に調査半径raの全周についての特徴量G(θ)を算出する。特徴量は、周方向の2階微分で方向の特定に適した放射状の特徴部分(特徴点)が抽出され、径方向の1階微分で径方向に対するエッジが抽出される。
図11(a)に示すように、調査円ごとに特徴量G(θ)の値を求め、図11(b)に示すように、この特徴量G(θ)を微分係数データとしてFFT(高速フーリエ変換)処理した結果から周期性を調査する。具体的には、FFTの結果から得られた1〜H[Hz]各周波数成分における強度のうち、例えば「1Hz」以下の成分を除いた周波数成分のうちで最大強度を示す周波数成分を選択する。図11(b)では、グラフ上に、特定の周波数成分について最大強度が示されている。
選択された周波数f、それに対応する正規化した周波数強度p、開始方位φ[rad]を保持し、円形領域mav内の各調査半径ra(調査円毎)について上記処理を繰り返すことで、各調査半径raに対応するテーブル「{f,p,φ}ra」を取得する。
取得されたテーブル「{f,p,φ}ra」について、周波数fと周波数強度pとによる評価関数「H(r)」を算出し、もっとも大きな値が得られた調査半径raを記憶する。単純には、周波数強度pのみからなる式「H(r)=p」を用いることもできる。この処理により、抽出画像131において、特徴部分の外周寄りの先端が特徴点cpとして設定される。
そして、計測装置20は、回転画像120を取得する都度、上記特徴点を抽出する処理を取得した回転画像120について実施することで、抽出部23で、回転画像120から特徴点を含む離間範囲ap2の画像を抽出することができるようにしている。
このように静止画像110及び回転画像120からそれぞれの特徴点を抽出することで、静止画像110の特徴点と回転画像120の特徴点とを比較して回転体100の回転速度ωを算出することができる。
回転体100の回転速度ωが不明である場合、静止画像110と回転画像120とが比較できないほど相違するおそれもある。このとき、スキャン制御部21は、スキャン速度を変更して回転画像120を取得することを繰り返す。例えば、スキャン制御部21は、回転画像120のなかの特徴点における短手方向としてのスキャン方向Sxの長さに応じて、スキャン光L2のスキャン速度を調節する。回転体100をスキャンすると、回転体100はスキャン方向Sxの順方向に移動する範囲と、逆方向に移動する範囲とが存在することとなり、順方向の範囲では特徴点が長く写り、逆方向の範囲では特徴点が短く写る現象が生じる。よって、こうした現象に基づいてスキャン速度vsを調整することができる。また、静止画像110の特徴点の配置を考慮することで、少ない回数の撮像、例えば一度のスキャンで適切なスキャン速度vsを算出することもできる。
本実施形態では、静止画像110と回転画像120とから任意の時点の回転速度を算出することが可能であるが、回転体100の特徴点が周期的である場合、さらに簡易的に、離間範囲ap2を推定することで回転速度を算出できる場合もある。
例えば、回転画像120の開始範囲ap1とこれに対応する離間範囲ap2とに対応する範囲を静止画像110において決定し、それぞれの範囲に含まれる特徴点が回転中心に対して張る角度を算出する。次に、回転画像120における開始範囲ap1を決定すれば、静止画像110における「開始範囲ap1−離間範囲ap2」の位置関係に対応する回転画像120の離間範囲ap2は、開始範囲ap1に含まれる特徴点の位置から回転中心に対し上記算出した張る角度だけ回転した近傍の角度にあることが期待される。この上記算出した張る角度とこれに近傍する角度との間の変化角度(角度差Δθ)をスキャン時間Δtで除してやれば、回転速度が得られる。このとき、角度差Δθは、等間隔の特徴点の隣接角度θの半分未満、すなわち、Δθ<(θ/2)となるようにスキャン速度を調整する必要がある。
また例えば、時刻tにおける回転画像120の開始範囲ap1と、これに対応する離間範囲ap2とを特定し、それぞれに含まれる特徴点が回転中心に対して張る角度を算出する。次に時刻t+1における開始範囲ap1を決定すれば、時刻tにおける開始範囲ap1−離間範囲ap2の位置関係に対応する時刻t+1の回転画像120の開始範囲ap1に含まれる特徴点の位置から回転中心に対し上記算出した張る角度だけ回転した近傍の角度にあることが期待される。この上記算出した張る角度と近傍の角度との間の変化角度(角度差Δθ)をスキャン時間Δtで除してやれば、回転速度の増分が得られる。このとき、角度差Δθは、等間隔の特徴点の隣接角度θの半分未満、すなわち、Δθ<(θ/2)となるようにスキャン速度を調整する必要がある。この例の場合、回転速度「0」の静止画像110(例えば時刻「0」)からの速度増分を累積することで時刻t+1における回転速度を得ることができる。ただし、毎時刻の速度増分を累積すると累積誤差による悪影響が予想される。そこで、次回時刻においてΔθ≧(θ/2)が予測される場合だけに速度増分を累積するようにすることで、累積誤差を軽減することもできる。
以上説明したように、本実施形態に係る回転速度計測装置によれば、以下に記載する効果が得られる。
(1)推定部22が推定した離間範囲ap2の特徴点の画像と対応範囲の特徴点の画像との間のずれ量が算出されるため、少ない回数の撮像であっても回転の向きや、回転速度の絞り込みが可能である。また、離間範囲ap2や対応範囲を広くとれば、回転速度をより広範囲の比較で推定可能にもなる。つまり、安定して回転している時間の短い回転体の回転速度であっても計測できる可能性が高まる。よって、非接触での回転体の回転速度の計測を容易にすることができる。
(2)カメラ14を露光させ続けながら、ライン状のスキャン光L2をライン状のスキャン光に対する短手方向に移動させてスキャンさせることで、回転体100を簡単かつ迅速にスキャンして、そのスキャン画像(回転画像120)を得ることができる。
(3)スキャン光L2の長手方向Syの幅は回転体100の直径(最大外径の幅)よりも広い幅を有することから、外周に特徴点があるような回転体100について回転速度を計測できる。
(4)スキャン光L2のスキャン速度vsを、回転画像120のスキャン方向Sx(短手方向)に回転速度ωに応じた特徴として表れる長さに応じて調整する。回転体100をスキャンすると、回転体100はスキャン方向Sxの順方向に移動する範囲と、逆方向に移動する範囲とが存在することとなり、順方向の範囲では特徴点及び特徴点間の間隔が長く写り、逆方向の範囲では特徴点及び特徴点間の間隔が短く写る現象が生じる。よって、こうした現象に基づいてスキャン速度vsを調整することができる。
(5)離間範囲ap2が開始範囲ap1に対して回転軸101を中心として、特徴点が特徴点の全数を表すピッチ数を2で割った整数値個分離れた角度の位置になる。回転体100をスキャンしたとき、開始範囲ap1とそれに対応する離間範囲ap2はスキャン方向Sxに対して直交方向への移動量成分が多いことからずれ量を抽出しやすい。
(6)静止画像110の特徴点と回転画像120の特徴点とのずれ量を変化角度(角度差Δθ)で算出するため回転体100の回転速度ωの計測が容易になる。
(7)回転体100がギアのように周期的な特徴点を有する場合、ずれ量が大きくなると、トラッキングが困難になる。本実施形態では、特徴点のずれ量が周期の半分未満となる値にスキャン時間Δt(つまりスキャン速度vs)が設定されるので周期的な特徴点であれ、特定の特徴点を正確にトラッキングすることが可能になり、回転速度を正しく計測することができる。
(第2の実施形態)
図12〜図17を参照して、回転速度計測装置を具体化した第2の実施形態について説明する。本実施形態は、回転体100Aの特徴点の配置が不等間隔であるため計測装置20が特徴点を抽出する処理が第1の実施形態と相違する。そこで、本実施形態では主に、第1の実施形態と相違する部分について説明し、第1の実施形態と同様の部分については同様の符号を付し、その詳細な説明は割愛する。
図12に示すように、計測対象の一例である回転体100Aは、スキャン面102の外周に近く、かつ、回転軸101から放射状の位置に4つの特徴点m21,m22,m23,m24を有している。静止中の回転体100において、2つの特徴点m21,m22の間の角度は角度θ21、2つの特徴点m22,m23の間の角度は角度θ22、2つの特徴点m23,m24の間の角度は角度θ23、2つの特徴点m24,m21の間の角度は角度θ24であるとともに、角度θ21〜θ24は少なくとも2つ以上の異なる角度からなる。
図13は、計測装置20で、静止中の回転体100Aのスキャンした画像として得られた静止画像110Aを示す。回転体100Aが回転されると、各特徴点m21〜m24は、矢印の方向に移動する。
そして計測装置20は、静止画像110Aに基づいて比較に適した範囲である円形領域mavを取得するとともに、円形領域mavから特徴量G(θ)を算出してから静止画像110Aにおける特徴点の配置を特定する。
つまり、図14に示すように、円形領域mavの内側より順に(例えば1ピクセル毎に)調査半径rbの調査円を設定する。そして、設定した調査円毎に、調査半径rbの全周についての特徴量G(θ)を算出する。特徴量G(θ)は、例えば、前述の式(1)で算出される。
図15(a)に示すように、特徴量G(θ)の値を求め、図15(b)に示すように、この特徴量G(θ)のピークの分布と角度との関係を調査する。本実施形態では、特徴量ピークの分布が周期的ではないため、FFTによる解析ではなく、特徴量のピークを特徴点とし、その特徴点の分布のデータセットを作成する。特徴量のピークは、特徴量の最大値に対して所定割合以上、例えば70%以上となる大きさを有する値の特徴量である。例えば、ある半径rcの特徴量に基づいて正規化された周波数強度p、特徴点(ピーク)のある角度θとからなるデータセット「{p,θ21,θ21+θ22,θ21+θ22+θ23,θ21+θ22+θ23+θ24,・・・}rc」を生成する。なお、角度θは、計測座標において「0[rad]」とする方向に対する角度である。
例えば、計測装置20は、ある半径rxに対して、4つの特徴点を有する以下のデータセットを得る。なお、角度の単位は[rad]である。
{184,1.745,3.578,5.061,6.190}rx
こうしたデータセットは、円形領域mavのなかの調査半径rb毎に生成される。
そして、計測装置20は、生成されたデータセット毎に周波数強度pを評価関数H(r)として、例えば「H(r)=p」として、もっとも大きな値(周波数強度p)が得られた調査半径rb(例えば半径rx)を記憶する。
計測装置20は、周波数強度pを最大とする半径rxに対応するデータセットを比較対象とするデータセットとして選択するとともに、いずれか1つの特徴点の回転軸101に対する方向を「0[rad]」としたとき、隣接する2つの特徴点の間の方向の差(角度差)からなるデータセットを生成する。
{p,Δθ21,Δθ22,Δθ23,Δθ24,・・・}rx
={1.833,1.483,1.129,1.838}rx
次に、図16に示すように、計測装置20は、上述の特徴点を抽出する処理により、回転画像120Aの4つの特徴点n21〜n24を抽出する。つまり、回転画像120Aに基づいて、円形領域mavから特徴量G(θ)を算出して特徴点の配置を特定する。
回転画像120Aにおける2つの特徴点n21,n22の間は角度差Δφ1、2つの特徴点n22,n23の間は角度差Δφ2、2つの特徴点n23,n24の間は角度差Δφ3、2つの特徴点n24,n21の間は角度差Δφ4である。また、これら角度差Δφ1〜Δφ4は少なくとも2つ以上の異なる角度からなる。これより、回転画像120Aについて、例えば下記のデータセットが得られる。
{Δφ1、Δφ2、Δφ3、Δφ4}rx
={1.431,1.833,1.518,1.501}rx
また、回転画像120Aにおいては、「スキャン時間Δt」の影響により、特に、スキャン方向Sxに一致する、特徴点n21〜n24のx方向位置x1〜x4が間延び、又は圧縮されている。回転画像120Aにおいて、2つの特徴点n21,n22のx方向位置x1,x2の間は距離Δx1、2つの特徴点n22,n23のx方向位置x2,x3の間は距離Δx2、2つの特徴点n23,n24のx方向位置x3,x4の間は距離Δx3、2つの特徴点n24,n21のx方向位置x4,x1の間は距離Δx4である。
{Δx1、Δx2、Δx3、Δx4}rx
={1.248,0.397,−1.362,−0.284}rx
こうして、特定された静止画像110Aの特徴点と回転画像120Aの特徴点とが比較されて回転速度ωが算出される。しかし、このままでは、回転画像120Aの特徴点n21〜n24が、静止画像110Aのどの特徴点m21〜m24に対応するのか不明であるし、各特徴点m21〜m24と各特徴点n21〜n24との間の角度も一致しない。
そこで、本実施形態では、比較部24は、静止画像110Aの特徴点m21〜m24に対して、回転画像120Aの特徴点n21〜n24をマッチングさせることで、静止画像110Aと回転画像120Aとから回転体100の回転速度ωを推定する。
例えば、回転体100Aの回転速度が仮定速度u[rad/秒]であるとすると、回転画像120Aの特徴点n21〜n24の間の角度差Δφは、静止画像110Aの特徴点m21〜m24の間の角度差Δθと、特徴点n21〜n24の間の距離Δxとから式(2)で示される。
ここで、スキャン速度vs、静止画像110Aから得られる特徴点の角度差Δθ、回転画像120Aから得られる見かけの座標xと特徴点の角度差Δφは既知である。また、本実施形態の例では、i=1〜4、j=1〜4、k=1〜4である。
そこで、図17の表T1に示すように、「スキャン時間Δt」の影響を最も大きく受けたはずのΔxの最大値、例えば図16において特徴点n23に対応する「k=3」を採用する。そして、静止画像110の角度差Δθの順序を維持する条件の下での全ての順列について回転画像120Aの特徴点の角度差Δφを算出する式(2)に当てはめ、マッチングされた特徴点のずれ量としての「仮定速度uの分散」が最小となる組を検索する。
図17の表T1に示すように、本実施形態では、回転画像120Aの角度差Δφを静止画像110の角度差Δθに対応させる4つの組み合わせについてそれぞれ仮定速度uの分散を算出する。4つの組み合わせは、角度差Δφ1〜Δφ4を、角度差Δθ21〜Δθ24に対応させる組み合わせ、同角度差Δθ22〜Δθ24,Δθ21に対応させる組み合わせ、同角度差Δθ23,Δθ24,Δθ21,Δθ22に対応させる組み合わせ、及び、同角度差Δθ24,Δθ21〜Δθ23に対応させる組み合わせである。
図17に示すように、各組み合わせにおける仮定速度uの分散は、表T1の左から「0.00516」、「0.038692」、「0.015881」、「0.025086」となることから、角度差Δφ1〜Δφ4を、角度差Δθ21〜Δθ24に対応させる組み合わせの仮定速度uの分散が最小となる。
仮定速度uの分散が最小となる組が得られたとき、スキャン速度による画像の歪みを考慮して特徴点がマッチングできたことになる。そこで、マッチングできたときの仮定速度uに対応する表T1の計算値の平均が回転体100Aの回転速度ωとして推定される。
以上説明したように、本実施形態に係る回転速度計測装置は、上記第1の実施形態にて記載した(1)〜(6)の効果に加えて、以下に記載する効果が得られる。
(8)回転体100が不規則な特徴点を有する場合、画像の変形により静止画像110(離間範囲)にある特徴点と回転画像120(対応範囲)にある特徴点との対応関係が不明確になる場合がある。本実施形態では、不規則な特徴点であれ、静止画像110(離間範囲)の画像と回転画像120(対応範囲)の画像について複数の特徴点に基づくマッチングを行うことで各特徴点の対応関係が求められ、その求められた対応関係からずれ量が取得できる。
(第3の実施形態)
図18を参照して、回転速度計測装置を具体化した第3の実施形態について説明する。本実施形態は、回転画像120を取得するスキャン部10の構成が第1の実施形態と相違する。そこで、本実施形態では主に、第1の実施形態と相違する部分について説明し、第1の実施形態と同様の部分については同様の符号を付し、その詳細な説明は割愛する。
図18に示すように、スキャン部10は、二次元イメージセンサを有するカメラ14Aを備える。カメラ14Aは、その撮像範囲に回転体100の全体もしくは一部を含んでいるとともに、撮像した画像を計測装置20に出力する。
カメラ14Aは、二次元イメージセンサとしてローリングシャッター方式で画像情報を読み込むCMOSセンサ141を有する。CMOSセンサ141は、ライン状の領域であるスキャン範囲の画像を一度の読み込みでスキャンする複数の画素列G1〜Gnを有し、それら画素列G1〜Gnを各画素列G1〜Gnの列方向に交差する短手方向に複数並べて構成される。なお、各画素列G1〜Gnの長手方向の長さ(幅)は回転体100の直径(最大外径の幅)よりも広い幅が投影されることが望ましい。
スキャン部10は、回転体100の回転軸101と交差する一方向であるスキャン方向Sxとカメラ14Aの複数の画素列G1〜Gnの整列方向とを整合させる。カメラ14Aは、撮像都度、各画素列G1〜Gnを列の並び順に水平同期信号の間隔で順次選択する。つまり、カメラ14Aは、ライン状の画像取得を短手方向に隣接する画素列を順次移動させて行う。この取得した各画素列G1〜Gnのライン状の画像を短手方向に列の順番に並べることで、回転体100のスキャン画像を取得する。こうして、スキャン部10は、回転中の回転体100の特徴点を含んでいる回転中のスキャン画像としての回転画像120を取得する。
詳述すると、カメラ14Aは、各画素列G1〜Gnを水平同期信号の間隔で順次選択するため、各画素列間では水平同期信号の間隔だけ露光タイミングがずれる。具体的には、露光タイミングは、画素列G1と画素列G2との間では水平同期信号の間隔の時間だけずれ、画素列G1と画素列Gnとの間では「水平同期信号の間隔×(n−1)」の時間だけずれる。よって、カメラ14Aの撮像画像については、露光タイミングのずれからスキャン速度vsが算出できる。
そして、計測装置20は、カメラ14Aから取得した回転画像120に基づいて、回転速度の計測に関する処理を行う。
なお、スキャン制御部21は、回転体100の静止画像110や回転画像120の取得を制御するが、本実施形態では、カメラ14Aに対して撮像の開始/終了を指示するとともに、カメラ14Aから静止画像110や回転画像120を取得し、画像管理部26を介して記憶部27に記憶させることを行う。
そして計測部25は、比較部24が算出したずれ量と、露光タイミングのずれのから算出されるスキャン速度vsとに基づいて回転体100の回転速度ωを計測する。
以上説明したように、本実施形態に係る回転速度計測装置は、上記第1の実施形態にて記載した(1),(5)〜(7)の効果に加えて、以下に記載する効果が得られる。
(9)二次元イメージセンサを有するカメラ14Aによるスキャンによってスキャン画像を読み込むことができるのでスキャン画像の取得が容易になる。CMOSセンサ等のローリングシャッター方式による二次元イメージセンサであれば水平同期速度の周期を調整することでスキャン速度を変更することもできる。
(その他の実施形態)
なお上記各実施形態は、以下の態様で実施することもできる。
・上記第3の実施形態は、そのスキャン部10が第1の実施形態のスキャン部10と置き換わる場合について例示したが、第2の実施形態のスキャン部10と置き換わってもよい。
・上記各実施形態では、カメラ14,14Aで回転体100を撮像する場合について例示しているが、特徴点を抽出することができるのであれば、カメラは、モノクロカメラ、カラーカメラ、又は、非可視光領域を含む1又は複数の周波数領域を撮像可能なカメラであってもよい。こうした構成によれば、様々な状態を特徴点として抽出することができるなど、回転速度計測装置としての適用範囲の拡大が図られるようになる。
・上記各実施形態では、開始範囲ap1と離間範囲ap2とが回転体100の回転軸101を中心として反対側の位置にある、つまりおおよそ180°の回転で定められる位置関係にある場合について例示した。しかしこれに限らず、開始範囲と離間範囲とは、スキャン速度によって特徴点の間延び又は短縮が明らかになる程度離れていればよい。例えば、180°よりも小さい回転で定められる位置関係にあってもよい。
・上記各実施形態では、特徴点は回転軸101からの距離(極座標)で見たとき、回転軸101から最も離れた位置に設定する場合について例示した。しかしこれに限らず、回転速度の計測が可能であるならば、特徴点を回転軸からの距離(極座標)で見たとき、回転軸から最も離れた位置よりも近い位置に設定してもよい。
・上記各実施形態では、スキャン光L2の長手方向Syの幅や各画素列G1〜Gnの長手方向の実像が投影される長さは回転体100の直径(最大外径の幅)よりも広い幅を有する場合について例示した。しかしこれに限らず、回転速度計測ができる静止画像や回転画像を撮像できるのであれば、スキャン光や各画素列に投影される実像の範囲の長手方向の幅は回転体100の直径(最大外径の幅)以下の幅であってもよい。
・上記各実施形態では、測定対象の回転体100のスキャン面102の全範囲の静止画像110と回転画像120とが撮像される場合について例示した。しかしこれに限らず、スキャン速度によって特徴点の間延び又は短縮が明らかになる程度離れている開始範囲と離間範囲とを撮像できるのであれば、静止画像や回転画像が測定対象のスキャン面の一部であってもよい。これにより、全体を撮像することができない測定対象について、回転速度計測が行えるようになる。
・上記第1及び第2の実施形態において、スキャン部10が、光源11、光学部品12、回転多面鏡13、カメラ14及びスキャン制御部21で構成される場合について例示したが、これに限らず、回転体を所定のスキャン速度でスキャンできるのであれば、スキャン機構は他の機構であってもよい。例えば、スキャン部は、ラインセンサーを利用したスキャナであってもよい。
・上記各実施形態では、スキャン画像と比較する特徴点を、静止中の回転体100に基づいて取得して登録する場合について例示した。しかしこれに限らず、スキャン画像と比較することが可能な特徴点を登録できるのであれば、スキャン画像と比較する特徴点を、静止していない回転体から取得してもよい。
・上記各実施形態では、計測装置20に回転体100の静止画像110や回転画像120から特徴点を抽出する特徴点抽出機能が備えられている場合について例示したが、これに限らず、他の装置により抽出された回転体の特徴点が計測装置に設定されてもよい。
・上記各実施形態では、回転体100がギアである場合について例示したが、これに限らず、回転体は、スキャン面にスキャンで検出可能な特徴点を有するものであれば、車輪、回転軸の端面、フライホイール、扇風機、ファン、その他の回転機構やその部分などの回転体であってもよい。
・上記各実施形態では、回転体100の特徴点が回転体100の外周部にある場合について例示したが、これに限らず、スキャン画像から検出可能な特徴点であれば、外周部よりも内側に設けられた、構造、形状、模様、色彩などであってもよい。
10,10A…スキャン部、11…光源、12…光学部品、13…回転多面鏡、13a…鏡面、14,14A…カメラ、20…計測装置、21…スキャン制御部、22…推定部、23…抽出部、24…比較部、25…計測部、26…画像管理部、27…記憶部、100,100A…回転体、101…回転軸、102…スキャン面、103…凸部、104…凹部、110,110A…静止画像、120,120A…回転画像、121…抽出画像、130…領域選択画像、131…抽出画像、L0,L1…光、L2…スキャン光、Pf…スキャン終了位置、Ps…スキャン開始位置、Sx…スキャン方向、Sy…長手方向、vs…スキャン速度。

Claims (13)

  1. 撮像可能な特徴点を有する回転体の回転速度を計測する回転速度計測装置であって、
    一定のスキャン速度によるスキャンで回転中の前記回転体の特徴点を含んでいるスキャン画像を取得するスキャン部と、
    前記回転体について予め登録された特徴点の配置から前記スキャンの開始時の画像を含む開始範囲を特定するとともに、前記開始範囲から離れた範囲である離間範囲における特徴点の画像を推定する推定部と、
    前記スキャン画像から前記離間範囲に対応する対応範囲における特徴点の画像を抽出する抽出部と、
    前記推定部が推定した特徴点の画像と前記抽出部が抽出した特徴点の画像との間のずれ量を算出する比較部と、
    前記比較部が算出したずれ量と前記一定のスキャン速度とに基づいて前記回転体の回転速度を計測する計測部とを備える
    ことを特徴とする回転速度計測装置。
  2. 前記スキャン部は、二次元イメージセンサを備え、
    前記二次元イメージセンサは、並列に並ぶ複数の画素列を有し、各画素列は、ライン状のスキャン範囲の画像を一度の読み込みでスキャンする複数の画素で構成され、
    前記複数の画素列は、前記各画素列の列方向に交差する短手方向を前記回転体の回転軸と交差する一方向に整合させ、前記各画素列の列方向の画像取得を前記短手方向に隣接する画素列を順次移動させて行うことで前記スキャン画像を取得する
    請求項1に記載の回転速度計測装置。
  3. 前記スキャン部は、ラインスキャナを備え、前記ラインスキャナは、ライン状のスキャン範囲の画像を一度にスキャンするライン状のスキャン光を有し、前記回転体の回転軸と交差する一方向と前記ライン状のスキャン光の短手方向とを整合させて前記ラインスキャナを前記短手方向にスキャンさせて前記スキャン画像を取得する
    請求項1に記載の回転速度計測装置。
  4. 前記スキャン部は、前記ライン状のスキャン光を前記回転体に照射する光源部と、前記光源部が前記回転体をスキャンする期間、前記回転体に照射された光を露光し続けるカメラとを備える
    請求項3に記載の回転速度計測装置。
  5. 前記ライン状のスキャン範囲には、前記回転体の回転中の最大外径の幅が含まれる
    請求項2又は4に記載の回転速度計測装置。
  6. 前記スキャン部は、前記スキャン画像のなかの特徴点における前記短手方向の長さに応じて、前記一定のスキャン速度を設定する
    請求項2〜5のいずれか一項に記載の回転速度計測装置。
  7. 前記推定部は、前記回転体の回転中心を中心とする所定の周上において、特徴点が特徴点の全数の半分の数だけ前記開始範囲から離れた範囲を前記離間範囲とする
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の回転速度計測装置。
  8. 前記比較部は、前記ずれ量を前記回転体の回転した角度として算出する
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の回転速度計測装置。
  9. 前記スキャン部は、前記回転体がその回転方向に周期的な特徴点を有するとき、前記一定のスキャン速度を前記ずれ量が前記特徴点の周期の半分未満になる値に設定する
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の回転速度計測装置。
  10. 前記比較部は、前記離間範囲の各特徴点に対し、前記スキャン画像の前記対応範囲における各特徴点をマッチングさせ、前記ずれ量としてマッチングされた特徴点のずれ量を算出する
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の回転速度計測装置。
  11. 撮像可能な特徴点を有する回転体の回転速度を計測する回転速度計測装置で用いる回転速度計測方法であって、
    スキャン部で、一定のスキャン速度によるスキャンで回転中の前記回転体の特徴点を含んでいるスキャン画像を取得し、
    推定部で、前記回転体について予め登録された特徴点の配置から前記スキャンの開始時の画像を含む開始範囲を特定するとともに、前記開始範囲から離れた範囲である離間範囲における特徴点の画像を推定し、
    抽出部で、前記スキャン画像から前記離間範囲に対応する対応範囲における特徴点の画像を抽出し、
    比較部で、前記推定部が推定した特徴点の画像と前記抽出部が抽出した特徴点の画像との間のずれ量を算出し、
    計測部で、前記比較部が算出したずれ量と前記一定のスキャン速度とに基づいて前記回転体の回転速度を計測する
    ことを特徴とする回転速度計測方法。
  12. 前記スキャン部は、二次元イメージセンサを備え、
    前記二次元イメージセンサは、並列に並ぶ複数の画素列を有し、各画素列は、ライン状のスキャン範囲の画像を一度の読み込みでスキャンする複数の画素で構成され、
    前記二次元イメージセンサでは、前記各画素列の列方向に交差する短手方向を前記回転体の回転軸と交差する一方向に整合させ、前記各画素列の列方向の画像取得を前記短手方向に隣接する画素列を順次移動させて行うことで前記スキャン画像を取得する
    請求項11に記載の回転速度計測方法。
  13. 前記スキャン部は、ラインスキャナを備え、前記ラインスキャナは、ライン状のスキャン範囲の画像を一度にスキャンするライン状のスキャン光を有し、
    前記スキャン部では、前記ラインスキャナで前記回転体の回転軸と交差する一方向と前記ラインスキャナの短手方向とを整合させて前記ラインスキャナを前記短手方向にスキャンさせて前記スキャン画像を取得する
    請求項11に記載の回転速度計測方法。
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