JP6880861B2 - 近接センサおよび検知方法 - Google Patents

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Description

本発明は、近接センサおよび近接センサにおいて実行される検知方法に関し、特に、誘導式近接センサおよび誘導式近接センサにおいて実行される検知方法に関する。
磁界を利用して金属製の検出体の有無または位置を検知する近接センサ(誘導式近接センサ)が知られている。
特許文献1には、磁界を発生させるための検出コイルと、検出コイルにパルス状の励磁電流を周期的に供給する励磁回路と、検出コイルへの励磁電流の供給が遮断された後に検出コイルの両端に生じた電圧に基づいて、金属製の検出体の有無または位置を検出する検出回路と、制御回路とを備えた近接センサが開示されている。制御回路は、励磁電流の供給期間が励磁電流の供給遮断期間以上となるように、励磁回路を制御する。
これにより、検出体の材質がアルミニウムに代表される非磁性金属である場合には、検出体の厚さによる検出距離の変動を抑制することが可能になる。また、検出体の材質が鉄の場合とアルミニウムの場合とで、厚さが同じであれば近接センサの検出距離の変動を抑制できる([要約]参照)。
特開2009−59528号公報 特開平8−86773号公報
特許文献1に記載の近接センサでは、検出体の厚さおよび材質による検出距離の変動を低減できる。このような近接センサでは、外部磁界や温度などによって検出コイル特性(インダクタンス成分や抵抗成分)が変化したり、電磁ノイズの発生などにより、検出距離が変動する場合がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、コイル特性変化の影響および/または外乱ノイズの影響を低減可能な誘導式の近接センサおよび誘導式の近接センサにおいて実行される検知方法を提供することにある。
本発明のある局面に従うと、近接センサは、磁界を利用して検出体の有無または位置を検知する。近接センサは、磁界を発生させるための検出コイルと、検出コイルにパルス状の励磁電流を周期的に供給するための送信回路と、励磁電流の周期的な供給によって検出コイルの両端に生じる電圧または電流を検出する受信回路と、検出により得られた時系列信号を利用して検出体の有無または位置を検知する制御部とを備える。制御部は、時系列信号における第1の期間において、検出体の検知に影響を及ぼす第1のファクタを取得する。制御部は、第1のファクタによって、時系列信号における第2の期間の信号を補償する。制御部は、補償後の信号に基づいて検出体の有無または位置を検知する。
好ましくは、制御部は、時系列信号における第3の期間において、検出体の検知に影響を及ぼす第2のファクタを取得する。制御部は、第1のファクタおよび第2のファクタによって、時系列信号における第2の期間の信号を補償する。
好ましくは、第1の期間および第3の期間は、励磁電流を供給している期間に含まれている。第2の期間は、励磁電流の供給を遮断している期間に含まれている。
好ましくは、第1の期間と第2の期間と第3の期間とは、励磁電流を供給している期間に含まれている。
好ましくは、第1の期間と第2の期間と第3の期間とは、励磁電流の供給を遮断している期間に含まれている。
好ましくは、第1のファクタおよび第2のファクタのいずれか一方は、検出コイルのインダクタンス変化に起因する信号であり、他方は検出コイルの抵抗変化に起因する信号である。
好ましくは、第2の期間の信号は、検出体に起因した信号である。制御部は、検出体に起因した信号から、検出コイルのインダクタンス変化に起因する信号と検出コイルの抵抗変化に起因する信号とを差し引くことにより、補償を行う。
好ましくは、第1のファクタは、検出コイルのインダクタンス変化に起因する信号または検出コイルの抵抗変化に起因する信号である。
本発明の他の局面に従うと、検知方法は、磁界を利用して検出体の有無または位置を検知する近接センサにおいて実行される。検知方法は、磁界を発生させるための検出コイルにパルス状の励磁電流を周期的に供給するステップと、励磁電流の周期的な供給によって検出コイルの両端に生じる電圧または電流を検出するステップと、検出により得られた時系列信号における第1の期間において、検出体の検知に影響を及ぼす第1のファクタを取得するステップと、第1のファクタによって、時系列信号における第2の期間の信号を補償するステップと、補償後の信号に基づいて検出体の有無または位置を検知するステップとを備える。
本発明によれば、コイル特性変化の影響および/または外乱ノイズの影響を低減可能となる。
このような近接センサの制御部で実行される処理の概要を説明するための図である。 近接センサの制御部で実行される他の処理の概要を説明するための図である。 本実施の形態に係る近接センサの斜視図である。 図3におけるiv-iv線矢視断面図である。 近接センサの概略構成を説明するためのブロック図である。 近接センサで生成または受信される信号のタイムチャートである。 図6に示した検出コイル電圧を表した電圧信号における時刻T0からT1の要部拡大図である。 図6に示した検出コイル電圧を表した電圧信号における時刻T1からT2の要部拡大図である。 検出コイル電圧を表した電圧信号の一周期に含まれる複数の期間の意味合いを説明するための図である。 励磁期間および遮断期間の信号取得タイミングを表した図である。 近接センサで実行される処理の流れを表したフローチャートである。 検出体がない場合に、期間Txにおける検出コイル電圧の時間的変化を表した図である。 検出体がある場合に、期間Txにおける検出コイル電圧の時間的変化を表した図である。 検出体がある場合における、検出体検知信号をコイルインダクタンス変化なしとして正規化した変化率を表した図である。 検出体がない場合に、時刻Ta以降における検出コイル電圧の時間的変化を表した図である。 検出体がある場合に、時刻Ta以降における検出コイル電圧の時間的変化を表した図である。 検出体がある場合における、検出体検知信号をコイル抵抗変化なしとして正規化した変化率を表した図である。 検出コイルのインダクタンス変化を補償する際の処理を説明するための図である。 検出コイルの抵抗変化を補償する際の処理を説明するための図である。 検出コイルのインダクタンス変化と抵抗変化とを補償する際の処理を説明するための図である。 高周波ノイズを除去するためのノイズ除去回路を表した図である。
以下において、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについては詳細な説明は繰返さない。
<A.処理の概要>
本実施の形態に係る近接センサは、磁界を利用して金属製の検出体の有無または位置を検知する誘導式の近接センサである。詳細については後述するが、本実施の形態に係る近接センサは、検出体の検知の際に従来では用いられていなかった区間の信号を用いて、検出用の信号を補償する。
この近接センサは、少なくとも、検出コイルと、送信回路と、受信回路と、制御部とを備えている。送信回路は、検出コイルにパルス状の励磁電流を周期的に供給する。詳しくは、送信回路は、励磁電流の供給と遮断とを繰り返す。これにより、検出コイルは、磁界を発生させる。受信回路は、励磁電流の周期的な供給によって、コイルの両端に生じる電圧または電流を検出する。制御部は、検出により得られた時系列信号を利用して、検出体の有無または位置を検出する。
(a1.第1の処理例)
図1は、このような近接センサの制御部で実行される処理の概要を説明するための図である。図1を参照して、受信回路の検出処理によって、制御部は、デジタル化された周期的な時系列信号を取得する。周期ΔT内には、励磁電流を供給する励磁期間と、励磁電流の供給を遮断する遮断期間とが含まれる。
励磁期間には、検出体の検出に用いることが可能な時系列信号D2が含まれている。また、励磁期間には、時系列信号D2の前段の信号として、時系列信号D1が含まれている。さらに、励磁期間には、時系列信号D2の後段の信号として、時系列信号D3が含まれている。
遮断期間にも、検出体の検出に用いることが可能な時系列信号D5が含まれている。また、遮断期間には、時系列信号D5の前段の信号として、時系列信号D4が含まれている。さらに、遮断期間には、時系列信号D5の後段の信号として、時系列信号D6が含まれている。
制御部は、励磁期間における時系列信号D1および/または時系列信号D3から、検出体の検出に影響を及ぼすファクタを取得する。典型例として、制御部は、時系列信号D1から、検出コイルのインダクタンス変化に起因する信号VLeを取得する。制御部は、時系列信号D3から、検出コイルの抵抗変化に起因する信号VReを取得する。
制御部は、遮断期間における時系列信号D5から、検出体に起因する信号VLsを取得する。検出体に起因する信号VLsは、時系列信号D5そのものであってもよいし、時系列信号D5の一部であってもよい。さらには、検出体に起因する信号VLsは、時系列信号D5に対して、積算処理などのデータ処理をしたものであってもよい。
制御部は、取得したファクタを用いて、検出体に起因する信号VLsを補償する。典型的には、制御部は、インダクタンス変化に起因する信号VLeおよび検出コイルの抵抗変化に起因する信号VReの少なくとも一方を用いて、検出体に起因する信号VLsを補償する。
具体的には、検出体に起因する信号VLsから、インダクタンス変化に起因する信号VLeおよび/または検出コイルの抵抗変化に起因する信号VReを差し引くことにより、検出体に起因する信号VLsの補償を行う。
制御部は、補償後の信号VLsを用いて、検出体の有無または位置を検知する。
したがって、このような構成の近接センサでは、コイル特性(インダクタンス成分、抵抗成分)の変化の影響を低減することが可能となる。
(a2.第2の処理例)
図2は、近接センサの制御部で実行される他の処理の概要を説明するための図である。図2を参照して、制御部60は、励磁期間における時系列信号D1および/または時系列信号D3から、検出体の検出に影響を及ぼすファクタを取得する。典型的には、制御部60は、時系列信号D1から、検出コイルのインダクタンス変化に起因する信号VLeを取得する。制御部は、時系列信号D3から、検出コイルの抵抗変化に起因する信号VReを取得する。
制御部60は、励磁期間における時系列信号D2から、検出体に起因する信号VLsを取得する。このように、励磁期間における時系列信号D2から信号VLsを取得する点において、図1に示した、遮断期間における時系列信号D5から信号VLsを取得する構成とは異なる。
制御部60は、励磁期間において取得したファクタを用いて、励磁期間において取得した信号VLsを補償する。典型的には、制御部60は、図1の場合と同様、インダクタンス変化に起因する信号VLeおよび検出コイルの抵抗変化に起因する信号VReの少なくとも一方を用いて、検出体に起因する信号VLsを補償する。
このような構成の近接センサでも、コイル特性(インダクタンス成分、抵抗成分)の変化の影響を低減することが可能となる。
なお、図2に示した処理は、励磁期間に着目した構成であるが、遮断期間の時系列信号D4〜D6を用いて検出体に起因する信号VLsを補償してもよい。つまり、制御部60は、遮断期間において取得した上記のファクタを用いて遮断期間において取得した信号VLsを補償し、補償後の信号VLsを用いて検出体の有無または位置を検知してもよい。
以下では、近接センサの構造を図面を参照して説明するとともに、当該近接センサで実行される処理の詳細を図面を適宜参照して説明する。
また、以下では、説明の便宜上、検出体に起因する信号VLsを「検出体検知信号VLs」と称し、インダクタンス変化に起因する信号VLeを「コイルインダクタンス検知信号VLe」と称し、検出コイル11の抵抗変化に起因する信号VReを「コイル抵抗検知信号VRe」とも称する。
<B.センサ構造>
図3は、本実施の形態に係る近接センサ1の斜視図である。図3を参照して、近接センサ1は、本体部5と、本体部5に接続されたリード線6と、ナット7,8と、ナット7とナット8との間に配置された座金9とを備える。
本体部5は、円形の検出面5aと、筒状の筐体5bとを有する。筐体5bの表面には、ナット7,8用のネジ溝が形成されている。なお、検出面5aは、筐体5bに嵌め込まれるキャップの一部分である。
ナット7,8および座金9は、近接センサ1を装置等の支持部材に取り付けるために用いられる。たとえば、ナット7,8との間に取付金具(たとえば、L字状の金具)の一部を挟み込むことによって、本体部5を支持部材に固定することができる。
図4は、図3におけるiv-iv線矢視断面図である。図4を参照して、本体部5は、検出コイル11と、フライトコア15と、基板上に素子が配置された電子回路17(ハイブリットIC)と、図示しない動作表示灯とを有する。本体部5内には、樹脂が充填されている。
検出コイル11は、環状のコイルである。なお、本体部5の中心軸M上に、検出コイル11の中心が位置している。検出コイル11は、電子回路17と電気的に接続されている。電子回路17は、リード線6によって給電されるとともに、外部の電子機器と電気的に接続される。
検出コイル11に励磁電流を流すことによって高周波磁界が生じると、検出体700に渦電流(誘導電流)が流れる。この渦電流によって、検出コイル11の両端には誘起電圧(過渡信号)が発生する。近接センサ1は、これらの誘起電圧を検出する。これにより、近接センサ1は、検出体700の有無を検知する。なお、これに限定されず、近接センサ1は、検出体700の位置を検知する構成であってもよい。
図5は、近接センサ1の概略構成を説明するためのブロック図である。図5を参照して、近接センサ1は、検出部30と、送信回路40と、受信回路50と、制御部60と、出力部70とを備える。送信回路40と、受信回路50と、制御部60と、出力部70とは、電子回路17として実現される。
検出部30は、検出コイル1と放電抵抗12とにより構成される。制御部60は、制御回路61と、演算回路62とを有する。出力部70は、出力回路71により構成される。送信回路40は、励磁回路41により構成される。受信回路50は、フィルタ回路51と、増幅回路52と、A/D(Analog/Digital)変換回路53とを含んで構成される。
制御部60は、近接センサ1の全体の動作を制御する。制御部60の制御回路61は、励磁のタイミングを制御するための励磁制御信号を、送信回路40に送信する。
送信回路40としての励磁回路41は、上記励磁制御信号に基づきパルス状の励磁電流を生成し、検出部30に出力する。
受信回路50は、励磁電流の供給および遮断によって検出部30で発生する電圧または電流を検出する。具体的には、受信回路50は、検出コイル11の両端に生じる電圧(電圧信号)を検出する。受信回路50は、検出結果を制御部60に出力する。受信回路50について、詳しく説明すると、以下のとおりである。
フィルタ回路51には、検出コイル11による検出結果を表すアナログ信号が入力される。フィルタ回路51は、ノイズを除去するため、入力されたアナログ信号に対して所定のフィルタ処理を行なう。
増幅回路52は、フィルタ処理がなされたアナログ信号を増幅し、増幅後のアナログ信号をA/D変換回路53に出力する。
A/D変換回路53は、増幅回路52によって増幅された後のアナログ信号を、デジタル信号に変換する。A/D変換回路53は、当該デジタル信号を演算回路62に出力する。
制御部60の演算回路62は、受信回路50から出力された信号に対して後述する演算を行い、演算結果(信号)を出力部70に対して出力する。
出力部70は、制御部60から送られてきた信号(検知結果)をリード線6によって、近接センサ1の接続元の電子機器に送信する。
以上のように、近接センサ1は、磁界を利用して検出体700の有無または位置を検知する。近接センサ1は、(i)磁界を発生させるための検出コイル11と、(ii)検出コイル11にパルス状の励磁電流を周期的に供給するための送信回路40と、(iii)励磁電流の周期的な供給によって検出コイル11の両端に生じる電圧または電流を検出する受信回路50と、(iv)上記検出により得られた時系列信号を利用して検出体700の有無または位置を検出する制御部60とを備える構成である。
なお、近接センサ1は、検出部30にコイルを複数備えていてもよい。例えば、検出コイル11が送信コイルと受信コイルにより構成されている場合が挙げられる。また、基本は励磁期間に取得されたフィルタ係数に基づくフィルタ処理が制御部でも実行されるが、このフィルタ係数を演算回路62から受信回路50に渡し、受信回路50のフィルタ係数を変化させることによって、制御部60で実行するフィルタ処理を受信回路50で行ってもよい。
<C.データ処理>
以下では、上述した第1の処理例(図1)および第2の処理例(図2)のうち、主として、第1の処理が行われる場合を例挙げて説明する。
(c1.タイムチャート)
図6は、近接センサ1で生成または受信される信号のタイムチャートである。図6を参照して、グラフ(i)に示すように、制御回路61から励磁回路41に送られる励磁制御信号が時刻T0に立ち上がると、励磁回路41から電流が供給される。すると、グラフ(ii)に示すように、検出コイル11では電流が所定の時定数で立ち上がり、グラフ(iii)に示すように、励磁開始時に生じた誘起電圧が所定の時定数で収まっていく。
また、グラフ(i)に示すように、時刻T0からΔTe時間後の時刻T1に励磁電流が遮断されると、グラフ(ii)に示すように、電流が所定の時定数で立ち下がり、グラフ(iii)に示すように、励磁開始時と反対方向に生じた誘起電圧が所定の時定数で収まっていく。
なお、時刻T0から周期ΔT後の時刻T2以降においても、時刻T0から時刻T2までの現象が繰り返される。
(C2.コイル信号取得時間の決定方法)
図7は、図6に示した検出コイル電圧を表した電圧信号(グラフ(iii))における時刻T0から時刻T1の要部拡大図である。図8は、図6に示した検出コイル電圧を表した電圧信号における時刻T1から時刻T2の要部拡大図である。図9は、検出コイル電圧を表した電圧信号の一周期に含まれる複数の期間の意味合いを説明するための図である。
励磁電流を供給開始直後もしくは遮断直後に検出コイル11に生じた誘起電圧は、検出コイル11に並列に接続された放電抵抗12によって急激に低下する。近接センサ1に検出体700が接近している場合には、励磁電流の励磁開始もしくは遮断時に検出体700に生じる渦電流の影響によって、検出コイル11に更に誘起電圧が発生する。
放電抵抗12の抵抗値は、検出体700により生じる誘起電圧の時定数が、検出コイル11と放電抵抗12からなる回路の時定数より大きくなるように設定されている。そのため、励磁電流の励磁開始もしくは遮断からある時間までは、検出コイル電圧として検出コイル11自身の誘起電圧が支配的であり、それ以降の時間では渦電流による誘起電圧が支配的になる。
図7および図8を参照して、点線で示したグラフは、検出コイル電圧を表している。破線で示したグラフは、検出コイル自身の誘起電圧を表している。実線で示したグラフは、検出体による誘起電圧を表している。検出コイル電圧は、検出コイル自身の誘起電圧と、検出体による誘起電圧との和として表される。また、図のハッチグの領域は、検出体700による誘起電圧の積算データである。
図9を参照して、励磁電流の励磁開始からある時間までの期間Tx(時刻T0〜時刻Ta)は、検出コイル電圧として検出コイル11自身の誘起電圧が支配的である。それ以降の期間Ty(時刻Ta〜時刻Tb)では渦電流による誘起電圧が支配的になる。また、励磁電流の遮断からある時間までの期間Tx’(時刻T1〜時刻Tc)は、検出コイル電圧として検出コイル11自身の誘起電圧が支配的である。それ以降の期間Ty’(時刻Tc〜時刻Td)では渦電流による誘起電圧が支配的になる。
直流磁界などによって検出コイルのインダクタンスが変化すると、検出部の時定数が変化する。そのため、演算回路62は、検出コイル自身の誘起電圧が支配的な期間Tx,Tx’(時刻T0〜時刻Ta,時刻T1〜時刻Tc)の電圧変化を用いて、インダクタンスの変化を取得することができる。
また、励磁中であり、検出コイル11および検出体700による誘起電圧が収まった期間Tz(時刻Tb〜時刻T1)には、検出コイル11に発生する電圧は、検出コイル11の直流抵抗値と励磁電流で決まる大きさとなる。よって、演算回路62は、期間Tz(時刻Tb〜時刻T1)の電圧を用いることで、温度変動などによる検出コイル11の抵抗値の変化を取得することができる。
それゆえ、インダクタンス変化を表す信号は、期間Tx(または期間Tx’)内の一部の検出コイル電圧を用いて取得するのがよい。その一方、抵抗変化を表す信号は、期間Tz内の一部の検出コイル電圧を用いて取得するのがよい。
(C3.コイル特性変化の取得方法)
図10は、励磁期間および遮断期間の信号取得タイミングを表した図である。図10を参照して、演算回路62は、期間ΔTgp1における検出コイル電圧を取得する。期間ΔTgp1は、取得するファクタによって選択的に設定される。コイルインダクタンスを取得する場合は、励磁開始時刻T0よりも後に時刻Tgeを設定し、時刻Taより前に時刻Tgfを設定するのがよい。コイル抵抗を取得する場合は、時刻Tbよりも後に時刻Tgeを設定し、遮断期間の開始時刻T1(=T0+ΔTe)よりも前に時刻Tgfを設定するのがよい。コイルインダクタンスとコイル抵抗との両方を取得する場合は、励磁開始時刻T0よりも後に時刻Tgeを設定し、遮断期間の開始時刻T1よりも前に時刻Tgfを設定するのがよい。
演算回路62は、この取得した検出コイル電圧の中から、図9で示した期間Tx(時刻T0〜時刻Ta)の信号に対して所定の処理を施した検知信号(具体的には、コイルインダクタンス検知信号VLe)および図9で示した期間Tz(時刻Tb〜時刻T1)の信号に対して所定の処理を施した検知信号(具体的には、コイル抵抗検知信号VRe)の少なくとも一方を取得する。
また、演算回路62は、期間ΔTgp2における検出コイル電圧を取得する。期間ΔTgp2は、遮断開始時刻T1(=T0+ΔTe)よりも後の時刻Tgsから、励磁期間の開始時刻T2よりも前の時刻Tguまでの期間である。なお、期間ΔTgp2は、時刻Tcから時刻Tdまでの間の信号のうち、検出体による影響を効果的に取得できる時間を選択するのがよい。
演算回路62は、この取得した検出コイル電圧の中から、検出体検知信号VLsを取得する。詳しくは、演算回路62は、図9に示した期間Ty’(時刻Tc〜時刻Td)の間の検出コイル電圧を用いて、検出体検知信号VLsを取得する。
演算回路62は、コイルインダクタンス検知信号VLeおよびコイル抵抗検知信号VReの少なくとも一つを用いて、検出体検知信号VLsを補償する。これにより、演算回路62は、コイル特性変化の影響を受けない検出体判別信号を取得できる。
図11は、近接センサ1で実行される処理の流れを表したフローチャートである。図11を参照して、ステップS1において、励磁回路41は、制御回路61からの励磁制御信号に基づいて、パルス励磁を開始する。ステップS2において、演算回路62は、期間ΔTgp1(図10参照)における信号(検出コイル電圧)を取得する。
ステップS3において、パルス励磁から時間ΔTeが経過すると、励磁回路41はパルス励磁を遮断する。ステップS4において、演算回路62は、期間ΔTgp2(図10参照)における信号(検出コイル電圧)を取得する。
ステップS5において、演算回路62は、コイルインダクタンス検知信号VLeおよびコイル抵抗検知信号VReの少なくとも一つを用いて、検出体検知信号VLsを補償する。演算回路62は、補償後の信号VLsを一時的に記憶する。
ステップS6において、パルスの励磁回数がN回以上(Nは、予め定められた自然数)になったかを判断する。N回未満であると判断された場合(ステップS6においてNO)、処理をステップS1に戻す。N回以上であると判断された場合(ステップS6においてYES)、ステップS7において、N個の補償後の信号VLsを平均化する。
ステップS8において、演算回路62は、平均化された補償後の信号VLsと、予め設定された閾値と比較する。ステップS9において、演算回路62は、比較結果に基づいて検出体700の有無を判断し、その結果を出力部70に出力させる。
なお、演算回路62が検出体700の有無の判断ではなく、検出体700の位置を判断する構成の場合には、ステップS8に示した処理の代わりに、演算回路62は、平均化された補償後の信号VLsを位置情報に変換する。さらに、演算回路62は、ステップS9で示した処理の代わりに、検出体700の位置情報を出力部70に出力させる。
(1)インダクタンス変化の影響
検出コイル11のインダクタンス変化が起こった場合、期間ΔTgp1(図10参照)の検出コイル11自身の誘起電圧が支配的な期間Tx(時刻T0〜時刻Ta間)ではインダクタンス変化が電圧の大きさに現れる。また、期間ΔTgp2では検出コイル11自身の誘起電圧が小さくなり、検出体700による渦電流の影響が支配的に出ている。このとき、期間ΔTgp2での検出体700による渦電流の影響を表す電圧信号にも検出コイル11自身のインダクタンス変化の影響が表れるが、これを期間ΔTgp1で取得した信号によって、補償することができる。
図12は、検出体700がない場合に、期間Tx(時刻T0〜時刻Ta)における検出コイル電圧の時間的変化を表した図である。図13は、検出体700がある場合に、期間Tx(時刻T0〜時刻Ta)における検出コイル電圧の時間的変化を表した図である。
図12を参照して、実線のグラフは、検出体700がない場合における基準の検出コイル電圧を表しており、破線のグラフは、検出体700がない場合において、インダクタンス変化があったときの検出コイル電圧を表している。図13を参照して、実線のグラフは、検出体700がある場合における基準の検出コイル電圧を表しており、破線のグラフは、検出体700がある場合において、インダクタンス変化があったときの検出コイル電圧を表している。
期間ΔTgp1における検出コイル11自身の誘起電圧が支配的な期間Tx(時刻T0〜時刻Ta)の信号で生成したコイルインダクタンス検知信号VLeと、期間ΔTgp2の検出コイル電圧で生成した検出体検知信号VLsとには相関がある。それゆえ、演算回路62は、基準(つまり、インダクタンス変化のない場合)のコイルインダクタンス検知信号VLeからのコイルインダクタンス検知信号VLeの変化量に基づいてインダクタンスによる変化量を算出し、算出された変化量を検出体検知信号VLsから差し引く。これにより、インダクタンス変化の影響を補償する効果が得られる。
図14は、検出体700がある場合における、検出体検知信号VLsをコイルインダクタンス変化なしとして正規化した変化率を表した図である。図14を参照して、インダクタンス変化があった場合に、上記の補償を行うことにより、変化率は、補償しなかったときよりも1に近付く。すなわち、上記の補償によって、インダクタンス変化がなかった場合に近い結果を得ることができる。つまり、上述したように、インダクタンス変化の影響を補償する効果が得られる。
(2)抵抗変化の影響
検出コイル11の抵抗変化が起こった場合、期間ΔTgp1(図10参照)の誘起電圧が起こっていない期間(時刻Tb〜時刻T1)ではコイル抵抗の変化が電圧の大きさに現れる。このとき、期間ΔTgp2での検出体700による渦電流の影響を表す電圧信号にも検出コイル11の抵抗変化の影響が表れるが、これを期間ΔTgp1で取得した信号によって、補償することができる。
図15は、検出体700がない場合に、時刻Ta以降(時刻Tbを含む)における検出コイル電圧の時間的変化を表した図である。図16は、検出体700がある場合に、時刻Ta以降(時刻Tbを含む)における検出コイル電圧の時間的変化を表した図である。
図15を参照して、実線のグラフは、検出体700がない場合における基準の検出コイル電圧を表しており、破線のグラフは、検出体700がない場合において、コイル抵抗変化があったときの検出コイル電圧を表している。図16を参照して、実線のグラフは、検出体700がある場合における基準の検出コイル電圧を表しており、破線のグラフは、検出体700がある場合において、コイル抵抗変化があったときの検出コイル電圧を表している。
期間ΔTgp1の誘起電圧が完全に収まった後(時刻Tb以降)の信号で生成したコイル抵抗検知信号VReと、期間ΔTgp2の電圧信号で生成した検出体検知信号VLsとには相関がある。それゆえ、演算回路62は、基準(つまり、コイル抵抗変化のない場合)のコイル抵抗検知信号VReからのコイル抵抗検知信号VReの変化量に基づいて抵抗による変化量を算出し、算出された変化量を検出体検知信号VLsから差し引く。これにより、コイル抵抗変化の影響を補償する効果が得られる。
図17は、検出体700がある場合における、検出体検知信号VLsをコイル抵抗変化なしとして正規化した変化率を表した図である。図17を参照して、コイル抵抗変化があった場合に、上記の補償を行うことにより、変化率は、補償しなかったときよりも1に近付く。すなわち、上記の補償によって、コイル抵抗変化がなかった場合に近い結果を得ることができる。つまり、上述したように、コイル抵抗変化の影響を補償する効果が得られる。
(C4.補償の方法)
(1)インダクタンス変化の補償
図18は、検出コイル11のインダクタンス変化を補償する際の処理を説明するための図である。つまり、図18は、コイルインダクタンス検知信号VLeを用いて検出体検知信号VLを補償するときの処理を説明するための図である。
図18を参照して、検出コイル11のインダクタンス変化が生じていない基準状態での検出コイル電圧(電圧信号)に対し、コイルインダクタンス検知信号VLeの変化率と、検出体検知信号VLsの変化率との相関式を、近接センサ1の設計段階または製造段階において算出する。
近接センサ1の演算回路62は、検出時には、コイルインダクタンス検知信号VLeの基準信号からの変化率と、予め算出した上記相関式とに基づいて、補償係数を算出する。演算回路62は、この補償係数を用いて、検出体検知信号VLsに対して補償を行なう。
(2)コイル抵抗変化の補償
図19は、検出コイル11の抵抗変化を補償する際の処理を説明するための図である。つまり、図19は、コイル抵抗検知信号VReを用いて検出体検知信号VLを補償するときの処理を説明するための図である。
図19を参照して、検出コイル11の抵抗変化が生じていない基準状態での検出コイル電圧(電圧信号)に対し、コイル抵抗検知信号VReの変化率と、検出体検知信号VLsの変化率との相関式を、近接センサ1の設計段階または製造段階において算出する。
近接センサ1の演算回路62は、検出時には、コイル抵抗検知信号VReの基準信号からの変化率と、予め算出した上記相関式とに基づいて、補償係数を算出する。演算回路62は、この補償係数を用いて、検出体検知信号VLsに対して補償を行なう。
(3)インダクタンス変化およびコイル抵抗変化の補償
図20は、検出コイル11のインダクタンス変化と抵抗変化とを補償する際の処理を説明するための図である。つまり、図20は、コイルインダクタンス検知信号VLeとコイル抵抗検知信号VReとを用いて、検出体検知信号VLを補償するときの処理を説明するための図である。
図20を参照して、検出コイル11のインダクタンス変化および抵抗変化が生じていない基準状態での検出コイル電圧(電圧信号)に対し、コイルインダクタンス検知信号VLeの変化率およびコイル抵抗検知信号VReの変化率と、検出体検知信号VLsの変化率との相関式を、近接センサ1の設計段階または製造段階において算出する。
近接センサ1の演算回路62は、検出時には、コイルインダクタンス検知信号VLeの基準信号からの変化率と、コイル抵抗検知信号VReの基準信号からの変化率と、予め算出した上記相関式とに基づいて、補償係数を算出する。演算回路62は、この補償係数を用いて、検出体検知信号VLsに対して補償を行なう。
<D.高周波ノイズの除去>
検出体検知信号VLsに対する補償の一形態として、外乱による高周波ノイズの除去方法について説明する。
近接センサ1では、検出コイル電圧(電圧信号)に対して、インバータノイズ、輻射ノイズ、電源ラインノイズ等の各種のノイズが定常的に乗り得る。そこで、検出コイル11自身の誘起電圧が支配的な期間Tx,Tx’(図9参照)または検出部30の抵抗値が支配的な期間Tz,Tz’において、ノイズ成分を求める。さらに、検出体700による誘起電圧が支配的な期間Ty,Ty’において、検出コイル電圧から算出されたノイズ成分を差し引く。以下、これらの処理について、具体例を挙げて説明する。
図21は、高周波ノイズを除去するためのノイズ除去回路210を表した図である。図21を参照して、ノイズ除去回路210は、FFT(Fast Fourier Transform)部211と、フィルタ係数算出部212と、フィルタ213とを備える。典型的にはノイズ除去回路210は制御部60の演算回路62で実行されるが、このフィルタ係数を演算回路62から受信回路50に渡し、受信回路50のフィルタ係数を変化させることによって、制御部60で実行するフィルタ処理を受信回路50で行ってもよい。
励磁開始もしくは遮断による誘起電圧が起こっていない期間(たとえば、時刻Tb以降)は、検出コイル電圧(電圧信号)が一定であるため、重畳した高周波ノイズを安定して観測することができる。そこで、FFT部211は、期間ΔTgp1(図10参照)の時刻Tb以降の時系列信号を周波数解析することにより、重畳しているノイズの周波数を算出する。
フィルタ係数算出部212は、算出されたノイズの周波数に対応したフィルタ係数を求める。フィルタ213は、検出部30から取得した時系列信号に対して、算出したフィルタ係数を設定したフィルタをかける。これにより、フィルタ回路51の前段において効果の高いノイズ除去ができる。
なお、演算回路62が、ノイズ成分を特定すれば、フィルタ回路51のフィルタ係数を変更することにより、フィルタ213のよるフィルタ処理は不要となる。それゆえ、フィルタ213は、制御命令によってアクティブまたは非アクティブになるように構成されている。
<E.利点>
近接センサ1により得られる利点を、以下に列挙する。
(1)パルス励磁期間中の電圧の変化の仕方を観測することで、計測時の検出コイル11のインダクタンス成分および/または抵抗成分を取得し、これに応じて、検出体検知信号VLsを補償する。それゆえ、直流磁界等によるインダクタンス変化の影響および/または温度変化等による抵抗変化の影響を低減することができるようになる。さらに、パルス励磁期間中に重畳するノイズの周波数を測定し、フィルタ係数を設定することで、効果的なノイズ除去ができるようになる。
(2)直流磁界や低周波磁界等によるコイルインダクタンス変化、温度変化等によるコイル抵抗変化、電磁ノイズ等の検出信号への重畳が起こったときにおいても、近接センサ1の判別結果がそれらの影響を受けることを防ぐことができる。この現象により、ユーザは、温度変動が起こる環境や磁界環境下で安定した検出が行える。
(3)外部磁界や温度の大きさ、高周波ノイズの周波数をセンシング(出力)できる。また、上述した補償は、近接センサ1の製造段階において、検出コイルのインダクタンス成分や抵抗成分の個体ばらつきの補償にも適用できる。
<F.まとめ>
(1)近接センサ1は、磁界を利用して検出体の有無または位置を検知する。近接センサ1は、磁界を発生させるための検出コイル11と、検出コイル11にパルス状の励磁電流を周期的に供給するための送信回路40と、励磁電流の周期的な供給によって検出コイル11の両端に生じる電圧または電流を検出する受信回路50と、検出により得られた時系列信号を利用して検出体700の有無または位置を検知する制御部60とを備える。
制御部60は、時系列信号における第1の期間において、検出体700の検知に影響を及ぼす第1のファクタを取得する。制御部60は、第1のファクタによって、時系列信号における第2の期間の信号を補償する。制御部60は、補償後の信号に基づいて検出体700の有無または位置を検知する。
このような構成によれば、検出コイル11のコイル特性変化の影響および/または外乱ノイズの影響を低減可能となる。
(2)制御部60は、時系列信号における第3の期間において、検出体の検知に影響を及ぼす第2のファクタを取得する。制御部60は、第1のファクタおよび第2のファクタによって、時系列信号における第2の期間の信号を補償する。
(3)第1の期間および前記第2の期間は、励磁電流を供給している期間(図6の励磁期間ΔTe)に含まれている。第3の期間は、励磁電流の供給を遮断している期間(遮断期間)に含まれている。
別の態様では、図2に示したように、第1の期間と第2の期間と第3の期間とは、励磁電流を供給している期間(励磁期間ΔTe)に含まれている。または、第1の期間と第2の期間と第3の期間とは、励磁電流の供給を遮断している期間(遮断期間)に含まれている。
(4)第1のファクタおよび第2のファクタのいずれか一方は、検出コイル11のインダクタンス変化に起因する信号(コイルインダクタンス検知信号VLe)であり、他方は検出コイル11の抵抗変化に起因する信号(コイル抵抗検知信号VRe)である。
(5)第2の期間の信号は、検出体に起因した信号(検出体検知信号VLs)である。制御部60は、検出体に起因した信号(検出体検知信号VLs)から、検出コイル11のインダクタンス変化に起因する信号(コイルインダクタンス検知信号VLe)と検出コイル11の抵抗変化に起因する信号(コイル抵抗検知信号VRe)とを差し引くことにより、検出体に起因した信号(検出体検知信号VLs)の補償を行う。
(6)第1のファクタは、検出コイルのインダクタンス変化に起因する信号(コイルインダクタンス検知信号VLe)または検出コイルの抵抗変化に起因する信号(コイル抵抗検知信号VRe)である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 近接センサ、5 本体部、5a 検出面、5b 筐体、6 リード線、7,8 ナット、9 座金、11 検出コイル、12 放電抵抗、15 フライトコア、17 電子回路、30 検出部、40 送信回路、41 励磁回路、50 受信回路、51 フィルタ回路、52 増幅回路、53 A/D変換回路、60 制御部、61 制御回路、62 演算回路、70 出力部、71 出力回路、210 ノイズ除去回路、211 FFT部、212 フィルタ係数算出部、213 フィルタ、700 検出体、M 中心軸。

Claims (9)

  1. 磁界を利用して検出体の有無または位置を検知する近接センサであって、
    前記磁界を発生させるための検出コイルと、
    前記検出コイルにパルス状の励磁電流を周期的に供給するための送信回路と、
    前記励磁電流の周期的な供給によって前記検出コイルの両端に生じる電圧または電流を検出する受信回路と、
    前記検出により得られた時系列信号を利用して前記検出体の有無または位置を検知する制御部とを備え、
    前記制御部は、
    前記時系列信号における第1の期間において、前記検出体の検知に影響を及ぼす第1のファクタを取得し、
    前記第1のファクタによって、前記時系列信号における第2の期間の信号を補償し、
    前記補償後の信号に基づいて前記検出体の有無または位置を検知し、
    前記第1の期間は、前記励磁電流を供給している期間に含まれている、近接センサ。
  2. 前記制御部は、
    前記時系列信号における第3の期間において、前記検出体の検知に影響を及ぼす第2のファクタを取得し、
    前記第1のファクタおよび前記第2のファクタによって、前記時系列信号における前記第2の期間の信号を補償する、請求項1に記載の近接センサ。
  3. 記第3の期間は、前記励磁電流を供給している期間に含まれており、
    前記第2の期間は、前記励磁電流の供給を遮断している期間に含まれている、請求項2に記載の近接センサ。
  4. 記第2の期間および前記第3の期間は、前記励磁電流を供給している期間に含まれている、請求項2に記載の近接センサ。
  5. 記第2の期間および前記第3の期間は、前記励磁電流の供給を遮断している期間に含まれている、請求項2に記載の近接センサ。
  6. 前記第1のファクタおよび前記第2のファクタのいずれか一方は、前記検出コイルのインダクタンス変化に起因する信号であり、他方は前記検出コイルの抵抗変化に起因する信号である、請求項2から5のいずれか1項に記載の近接センサ。
  7. 前記第2の期間の信号は、前記検出体に起因した信号であって、
    前記制御部は、前記検出体に起因した信号から、前記検出コイルのインダクタンス変化に起因する信号と前記検出コイルの抵抗変化に起因する信号とを差し引くことにより、前記補償を行う、請求項6に記載の近接センサ。
  8. 前記第1のファクタは、前記検出コイルのインダクタンス変化に起因する信号または前記検出コイルの抵抗変化に起因する信号である、請求項1に記載の近接センサ。
  9. 磁界を利用して検出体の有無または位置を検知する近接センサにおいて実行される検知方法であって、
    前記磁界を発生させるための検出コイルにパルス状の励磁電流を周期的に供給するステップと、
    前記励磁電流の周期的な供給によって前記検出コイルの両端に生じる電圧または電流を検出するステップと、
    前記検出により得られた時系列信号における第1の期間において、前記検出体の検知に影響を及ぼす第1のファクタを取得するステップと、
    前記第1のファクタによって、前記時系列信号における第2の期間の信号を補償するステップと、
    前記補償後の信号に基づいて前記検出体の有無または位置を検知するステップとを備え、
    前記第1の期間は、前記励磁電流を供給している期間に含まれている、検知方法。
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