JP6880808B2 - クリーニングブレード、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、クリーニングブレード、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置では、被清掃部材としての像担持体(以下、「感光体」、「電子写真感光体」、「静電潜像担持体」と称することもある)について、転写紙や中間転写体へトナー像を転写した後の表面に付着した不必要な転写残トナーなどの付着物はクリーニング手段によって除去している。
前記クリーニング手段のクリーニング部材として、一般的に構成を簡単にでき、クリーニング性能も優れていることから、短冊形状のクリーニングブレードを用いたものがよく知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。このようなクリーニングブレードは、例えば、ポリウレタンゴム等の弾性部材で構成され、クリーニングブレードの基端を支持部材で支持して当接部(先端稜線部)を像担持体の周面に押し当て、像担持体上に残留するトナーを堰き止めて掻き落とし除去する。
特許文献1には、クリーニングブレードの先端稜線部が紫外線硬化性組成物を含む樹脂でコーティングされた表面層を有するクリーニングブレードが記載されている。このクリーニングブレードは、ポリウレタンエラストマーからなる弾性部材の被清掃部材との当接部に、鉛筆硬度B〜6Hの皮膜硬度を有する樹脂をコーティングさせた表面層が設けられている。これにより、弾性部材の当接部と被清掃部材である像担持体との摩擦係数を下げることができ、クリーニングブレードの耐摩耗性や、弾性部材の先端稜線部のめくれを良好に抑制することができるとされている。
特許文献1に記載された表面層のみを設ける構成で、硬度が高い表面層の層厚が高いと、表面層の剛性によって弾性部材の弾性が阻害され、弾性部材の当接部の像担持体表面への追随性が低下する。しかしながら、当接部の像担持体表面への追随性を維持するために硬度が高い表面層の層厚を薄くすると経時使用において短時間でクリーニングブレードの弾性部材が露出する程度に表面層が摩耗するという問題がある。
特許文献2には、シリコーンを含有した紫外線硬化組成物を弾性部材に含浸させて膨潤させた後、紫外線照射処理してクリーニングブレードの少なくとも像担持体と当接する先端稜線部に弾性体ブレードよりも硬い表面層を形成したものが記載されている。このように、弾性部材に紫外線硬化組成物を含浸させることで、弾性部材の表面層が経時使用において磨耗しても、弾性部材の紫外線硬化組成物を含浸した部位が被清掃部材と接する。
特許文献2のような態様において、当接部の最表面の硬度が特許文献1のような表面層を設けた構成と同等となるように含浸部分を形成しようとすると、弾性部材の表面を覆うことができる程度に多量の紫外線硬化性組成物を含浸させる必要がある。このように多量の紫外線硬化性組成物を含浸させると、弾性部材の内部に染み込んだ紫外線硬化性組成物の含有量も多くなる。多量の紫外線硬化性組成物が染み込んだ弾性部材に紫外線を照射すると、含浸部分が過剰に硬くかつ過剰に深く形成されて、弾性部材の弾性が阻害されることにより、当接部の像担持体表面への追随性が低下するという問題がある。
一方、弾性部材の当接部の像担持体表面への追随性を維持するために、弾性部材に対する紫外線硬化性組成物の含浸量を少なくすると、弾性部材の表面を紫外線硬化性組成物で覆い切れなくなり、表面層を設けるものに比べて使用開始当初の当接部の最表面の硬度が低くなり、クリーニングブレードと像担持体との摩擦力が大きくなる。像担持体との摩擦力が大きくなると、弾性部材の当接部にめくれが生じ易くなるという問題がある。
これに対し、高い追従性と、めくれやブレード磨耗の両立、及び、長期に渡る良好なクリーニング性の維持を図ることができるクリーニングブレードが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特許文献3には、被清掃部材の表面に当接する先端稜線部が紫外線硬化性組成物による改質部を有するクリーニングブレードにおいて、改質部が、第1の紫外線硬化性組成物を含有する含浸部と、表面に第2の紫外線硬化性組成物で形成された表面層の少なくとも一方であり、ATR−IR法により求められる改質部と未改質部との赤外吸収スペクトルの差スペクトルにおける特定波長範囲のピーク面積値の比として表される硬化率を所定の値以下とすることが開示されている。
上述のような、クリーニングブレードの表面層に改質部を設ける態様においては、改質部における高硬度化が重視されてきた。
一方、クリーニングブレードの表面層を改質するために硬化性組成物を弾性部材に含浸させる態様においては、高硬度化のみならず、改質部に含まれる硬化性組成物の分布のばらつきが抑制されていることが求められる。
含浸した硬化性組成物の硬化物の偏在がみられる場合、機械的特性(例えば、硬度等)にばらつきが生じることとなり、弾性部材に局所的な脆性を生じさせ、クリーニングブレードの欠け等の原因となる。クリーニングブレードの局所的な欠けは、クリーニング不良を招くという問題がある。
そこで本発明は、弾性部材の改質部における硬化性組成物の硬化物の偏在が低減され、クリーニング不良の原因となる局所的な欠けの発生を抑制可能なクリーニングブレードを提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明に係るクリーニングブレードは、被清掃部材の表面に当接し、該被清掃部材表面に付着した付着物を除去する弾性部材を備え、前記弾性部材は、前記被清掃部材の表面に当接する先端部を含む長手方向に対して垂直な断面であるカット面において、表面から含浸した活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物を有するクリーニングブレードであって、赤外吸収スペクトルにおいて、前記弾性部材は1533cm−1付近の吸収ピークを有するポリウレタン化合物からなり、前記活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物は1730cm−1付近の吸収ピークを有し、1種類以上のアクリル前駆体と重合開始剤とを含む組成物に活性エネルギー線を照射して硬化させた硬化物であり、前記弾性部材の切片の透過顕微IR法により得られる1730cm−1のピーク面積値SAと、1533cm−1のピーク面積値SBとの比であるR=SA/SBの値について、(1)前記カット面における前記先端部を点p、該点pを含む2辺に平行で表面から内側へ70μmの距離にある2つの直線の交点を点qとしたとき、点pから点qの間における値Rpqの最大値が3.0以上3.7以下であり、かつ、(2)前記カット面における点pを含む辺上にあり、点pからの距離が300μm以内である任意の点を点a、該点aを通る垂線と点aを含む辺に平行で内側へ70μmの距離にある直線との交点を点bとしたとき、点aから点bの間における値Rabの最大値と最小値の差(Dab)と、点pから点qの間における値Rpqの最大値と最小値の差(Dpq)とが、Dpq/Dab≦1.15の関係を満たすことを特徴とするクリーニングブレードである。
本発明によれば、弾性部材の改質部における硬化性組成物の硬化物の偏在が低減され、クリーニング不良の原因となる局所的な欠けの発生を抑制可能なクリーニングブレードを提供することができる。
本実施形態のクリーニングブレードの一例を模式的に示した斜視図である。 弾性部材のカット面におけるピーク面積値の測定箇所を示す説明図である。 前記弾性部材の切片の透過顕微IR法により得られるピーク面積値の比であるR=SA/SBの値を説明するグラフである。 本実施形態の画像形成装置の要部を示す概略構成図である。 本実施形態の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
以下、本発明に係るクリーニングブレード、プロセスカートリッジ、画像形成装置、画像形成装置の製造方法、画像形成方法、及びクリーニング方法について、図面を参照して説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
<クリーニングブレード>
図1は、本実施形態のクリーニングブレードの斜視図であり、被清掃部材の表面に当接した状態を模式的に示している。
本実施形態のクリーニングブレード62は、短冊形状の弾性部材62aと、金属や硬質プラスチック等の剛性材料からなる平板状の支持部材62bとで構成されている。弾性部材62aは、支持部材62bの一端側に接着剤などにより固定されている。支持部材62bの他端側は、後述するクリーニング装置6のケースに片持ち支持されている。
弾性部材62aは、自由端側の一端である先端稜線部62cが被清掃部材(像担持体3)の表面に長手方向に沿って当接するように配置されている。
被清掃部材(像担持体3)の表面に当接し、該被清掃部材表面に付着した付着物を除去する弾性部材62aは、被清掃部材の表面に当接する先端部を含む長手方向に対して垂直な断面であるカット面620において、表面から含浸した活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物を有する。すなわち、先端稜線部62cを高硬度化するための改質部を有する。
図2は弾性部材62aのカット面620におけるピーク面積値の測定箇所を示す説明図である。以下、図2に示すように、カット面620における先端部を点p、該点pを含む2辺に平行で表面から内側へ70μmの距離にある2つの直線の交点を点q、カット面620における点pを含む辺上にあり、点pからの距離が300μm以内である任意の点を点a、該点aを通る垂線と点aを含む辺に平行で内側へ70μmの距離にある直線との交点を点bとして説明する。
本実施形態のクリーニングブレード62の弾性部材62aは、赤外吸収スペクトルにおいて前記弾性部材は1533cm−1付近の吸収ピークを有するポリウレタン化合物からなる。一方、改質部に含まれる前記活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物は、赤外吸収スペクトルにおいて1730cm−1付近の吸収ピークを有し、1種類以上のアクリル前駆体と重合開始剤とを含む組成物に活性エネルギー線を照射して硬化させた硬化物である。
弾性部材62aの切片の透過顕微IR法により得られる1730cm−1のピーク面積値SAと、1533cm−1のピーク面積値SBとの比であるR=SA/SBの値について、
(1)カット面620における先端部を点p、該点pを含む2辺に平行で表面から内側へ70μmの距離にある2つの直線の交点を点qとしたとき、点pから点qの間における値Rpqの最大値が3.0以上3.7以下であり、かつ、
(2)前記カット面における点pを含む辺上にあり、点pからの距離が300μm以内である任意の点を点a、該点aを通る垂線と点aを含む辺に平行で内側へ70μmの距離にある直線との交点を点bとしたとき、点aから点bの間における値Rabの最大値と最小値の差(Dab)と、点pから点qの間における値Rpqの最大値と最小値の差(Dpq)とが、Dpq/Dab≦1.15の関係を満たす。
図3に、先端部の点p及び対応する点q、並びに任意の点a及び対応する点bにおける上記ピーク面積値の比(Rpq、Rab)と、最大値と最小値の差(Dpq、Dab)の一例を示す。
先端稜線部62cは、弾性部材62aを被清掃部材に対して近接させた際、最初に当接する部位であり、これを含む領域を以下「当接部」ともいう。
本実施形態のクリーニングブレード62は、当接部に含まれる活性エネルギー線硬化型組成物の硬化物が、先端稜線部62cを形成する2面に含まれる活性エネルギー線硬化型組成物の硬化物の1.15倍以下であり、偏在が低減されている。これにより、被清掃部材から受ける摩擦に対して局所的な脆性を生じず、先端稜線部62cを形成する2面の伸びあるいは折れが発生し難くなるため、クリーニングブレード62の局所的な欠けの発生が著しく改善される。
なお、弾性部材62aは、赤外吸収スペクトルにおいて1533cm−1付近の吸収ピークを有するポリウレタン化合物からなり、活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物は、赤外吸収スペクトルにおいて1730cm−1付近の吸収ピークを有し、1種類以上のアクリル前駆体と重合開始剤とを含む組成物に活性エネルギー線を照射して硬化させた硬化物である。
〔透過顕微IR法〕
本実施形態において用いた透過顕微IR法について説明する。
透過顕微IR法は、弾性部材62aの被清掃部材に当接する先端部(当接部)を含む長手方向に対して垂直な断面であるカット面に沿って切削した切片を作製し、これを測定する。切片はクライオミクロトーム(例えば、EM FCS(Leica社製))で作製することができる。液体窒素により弾性部材62aを−100℃に冷却して切削し、シリコンウエハー上に測定面を上方にして設置したものを測定試料とする。切片の厚さは2μmとする。
測定装置としてはパーキン・エルマー社のSpotLight400を用い、波数範囲4000〜700cm−1、分解能8cm−1の条件にてイメージングモードで測定することにより、測定試料全面の赤外吸収スペクトル像を取得することができる。
得られた赤外吸収スペクトル像から、任意の点のアクリル硬化物の赤外吸収ピーク面積値SA(A1730cm−1)、及びポリウレタン化合物の赤外吸収ピーク面積SB(A1533cm−1)を得ることができ、これらの比であるR=SA/SBを求めることができる。
より具体的には、ピ−クが存在する吸収曲線の両端の裾または別の吸収曲線との間の谷を結ぶ線をベースラインとし、ピーク面積を積算する具体的な波数範囲としてはアクリル硬化物では1744cm−1から1709cm−1までとし、ポリウレタン化合物の波数範囲としては1545cm−1から1521cm−1としてピーク面積を積算することができる。
上述のピーク面積比R=SA/SBについて、点aから点bの間における値Rabの最大値と最小値の差Dabと、点pから点qの間における値Rpqの最大値と最小値の差Dpqとをそれぞれ求め、Dpq/Dabの値を算出する。
〔被清掃部材〕
被清掃部材としては、その形状、構造、大きさ等について特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記被清掃部材の形状としては、例えば、ドラム状、ベルト状、平板状、シート状、などが挙げられる。被清掃部材の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、弾性部材62aと同程度の幅を持っていることがより好ましい。
被清掃部材の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属、プラスチック、セラミック、などが挙げられる。
被清掃部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記クリーニングブレードを画像形成装置に適用した場合には、例えば、像担持体、などが挙げられる。
〔付着物〕
前記付着物としては、被清掃部材表面に付着しており、クリーニングブレード62による除去対象となるものであれば特に制限はない。例えば、トナー、潤滑剤、無機微粒子、有機微粒子、ゴミ、埃又はこれらの混合物などが挙げられる。好適な除去対象の例としては、ガラス転移温度が50℃以下の低温定着性のトナーが挙げられる。
〔支持部材〕
支持部材62bとしては、その形状、大きさ、及び材質等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。支持部材62bの形状としては、例えば、平板状、短冊状、シート状、などが挙げられる。支持部材62bの大きさとしては、特に制限はなく、被清掃部材の大きさに応じて適宜選択することができる。
支持部材62bの材質としては、例えば、金属、プラスチック、セラミック、などが挙げられる。これらの中でも、強度の点から金属板が好ましく、ステンレススチール等の鋼板、アルミニウム板、リン青銅板が特に好ましい。
〔弾性部材〕
弾性部材62aの材質としては、高弾性が得られやすい点から、ポリウレタン化合物(例えば、ポリウレタンゴム、ポリウレタンエラストマーなど)が選択される。
弾性部材62aの形状、大きさ、構造などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。弾性部材62aの形状としては、例えば、平板状、短冊状、シート状、などが挙げられる。弾性部材62aの大きさとしては、被清掃部材の大きさに応じて適宜選択することができる。また、弾性部材62aは従来公知の組成、工法により製造することができる。
〔活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物〕
活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物は、1種類以上のアクリル前駆体と重合開始剤とを含む組成物に活性エネルギー線を照射して硬化させた硬化物である。
活性エネルギー線としては、紫外線の他、電子線、α線、β線、γ線、X線等の、組成物中の重合性成分の重合反応を進める上で必要なエネルギーを付与できるものであればよく、特に限定されない。また、紫外線照射の場合、環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。さらに、紫外線発光ダイオード(UV−LED)及び紫外線レーザダイオード(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、紫外線光源として好ましい。
アクリル前駆体としては、活性エネルギー線の照射によって重合物を生成して弾性部材を改質する化合物であれば(メタ)アクリルモノマーやオリゴマーから制限無く選択でき、改質する弾性部材に合わせ適宜選択することができる。例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクレリート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,11−ウンデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,18−オクタデカンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、PEG600ジ(メタ)アクリレート、PEG400ジ(メタ)アクリレート、PEG200ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール・ヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート、オクチル/デシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、1,3−アダマンタンジメタノールジアクリレート、1,3−アダマンタンジメタノールジメタクリレート、1,3,5−アダマンタントリメタノールトリアクリレート、1,3,5−アダマンタントリメタノールトリメタクリレートなどが挙げられる。
アクリル前駆体としては、上述の(メタ)アクリルモノマーやオリゴマーの1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよいが、本実施形態において、アクリル前駆体は2官能以上であることが好ましい。
アクリル前駆体として2官能以上のものを選択することで、改質部における硬化性組成物の硬化物の偏在の低減効果が得られる。すなわち、アクリル前駆体が2つ以上の重合点をもつことによって、活性エネルギー線の照射により硬化する際に3次元的な架橋構造を持ち、アクリル前駆体同士での凝集が発生しにくいため、硬化物が弾性部材62a中に偏在することなく分布する。
また、アクリル前駆体はアミド結合を含むことが好ましい。
アミド結合を含むものを選択することで、同様に改質部における硬化性組成物の硬化物の偏在の低減効果が得られる。すなわち、構造内にアミド結合を含むアクリル前駆体は塩基性を呈し易く、これにより多くの弾性部材とアクリル前駆体が相溶状態となるため、活性エネルギー線の照射により硬化する際にアクリル前駆体同士での凝集が発生しにくく、硬化物が弾性部材62a中に偏在することなく分布する。
重合開始剤としては、活性エネルギー線のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、アクリル前駆体(モノマーやオリゴマー)の重合を開始させることが可能なものであればよい。このような重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤やカチオン重合開始剤、塩基発生剤等を、1種単独もしくは2種以上を組み合わせて用いることができ、中でもラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。また、重合開始剤は、十分な硬化速度を得るために、組成物の総質量(100質量%)に対し、5〜20質量%含まれることが好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物など)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物などが挙げられる。
さらに、重合開始剤としては、硫黄及びリンのいずれかを含むことが好ましい。
硫黄及びリンのいずれかを含むことにより、改質部における硬化性組成物の硬化物の偏在の低減効果が得られる。すなわち、比較的アクリル前駆体の重合速度が遅いリン元素又は硫黄元素を含む開始剤を選択することにより、活性エネルギー線の照射による硬化が緩やかに進行する為、アクリル前駆体同士での凝集を起こしにくく、硬化物が弾性部材62a中に偏在することなく分布する。
リン元素を含む開始剤としては、例えば2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドや2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイドなどのアシルフォスフィンオキサイド化合物、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オンビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド化合物などから選ばれる1種またはその混合物が挙げられる。
硫黄元素を含む開始剤としては、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントンなどのチオキサントン化合物や、6フッ化リン系芳香族スルホニウム塩などの芳香族スルホニウム塩化合物などから選ばれる1種またはその混合物が挙げられる。
本実施形態のクリーニングブレード62は、弾性部材62aの改質部における硬化性組成物の硬化物の偏在が低減され、クリーニング不良の原因となる局所的な欠けの発生を抑制することができる。このため、各種分野に幅広く用いることができるが、以下に説明する画像形成装置、及びプロセスカートリッジに特に好適に用いられる。
なお、弾性部材の組成及び製造方法については、得られる弾性部材が上述のピーク面積比Rpqの最大値が3.0以上3.7以下であり、かつ、上述のピーク面積比の差分Dpq/Dabの値が1.15以下であるという関係を満たす限り、上述のものに限定されず、適宜選択することができる。
<画像形成装置>
本実施形態の画像形成装置について、図4及び図5を参照して説明する。
本実施形態の画像形成装置は、像担持体と、前記像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記像担持体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、前記像担持体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段とを有し、前記クリーニング手段として上述の本発明のクリーニングブレードを備える。
図5は、本実施形態に係る画像形成装置200の一例を示す概略構成図である。この画像形成装置200は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、C、M、Kと記載することがある。)用の4つの作像ユニット1Y,1C,1M,1Kを備えている。これらは、画像を形成する画像形成物質として、互いに異なる色のY,C,M,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。
4つの作像ユニット1の上方には、中間転写体としての中間転写ベルト14を備える転写ユニット60が配置されている。詳細は後述する各作像ユニット1Y,1C,1M,1Kが備える感光体3Y,3C,3M,3Kの表面上に形成された各色のトナー像は、中間転写ベルト14の表面上に重ね合わせて転写される構成である。
また、4つの作像ユニット1の下方に光書込ユニット40が配設されている。潜像形成手段たる光書込ユニット40は、画像情報に基づいて発したレーザ光Lを、各作像ユニット1Y,1C,1M,1Kの感光体3Y,3C,3M,3Kに照射する。これにより、感光体3Y,3C,3M,3K上にY,C,M,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット40は、光源から発したレーザ光Lを、モータによって回転駆動されるポリゴンミラー41によって偏光させながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体3Y,3C,3M,3Kに照射するものである。前記構成のものに代えて、LEDアレイによる光走査を行うものを採用することもできる。
光書込ユニット40の下方には、第1給紙カセット151、第2給紙カセット152が鉛直方向に重なるように配設されている。これら給紙カセット内には、それぞれ、記録媒体Pが複数枚重ねられた紙束の状態で収容されており、一番上の記録媒体Pには、第1給紙ローラ151a、第2給紙ローラ152aがそれぞれ当接している。第1給紙ローラ151aが駆動手段によって図5中反時計回りに回転駆動すると、第1給紙カセット151内の一番上の記録媒体Pが、カセットの図5中右側方において鉛直方向に延在するように配設された給紙路153に向けて排出される。また、第2給紙ローラ152aが駆動手段によって図5中反時計回りに回転駆動すると、第2給紙カセット152内の一番上の記録媒体Pが、給紙路153に向けて排出される。
給紙路153内には、複数の搬送ローラ対154が配設されている。給紙路153に送り込まれた記録媒体Pは、これら搬送ローラ対154のローラ間に挟み込まれながら、給紙路153内を図5中下側から上側に向けて搬送される。
給紙路153の搬送方向下流側端部には、レジストローラ対55が配設されている。レジストローラ対55は、記録媒体Pを搬送ローラ対154から送られてくる記録媒体Pをローラ間に挟み込むとすぐに、両ローラの回転を一旦停止させる。そして、記録媒体Pを適切なタイミングで後述の二次転写ニップに向けて送り出す。
図4は、同画像形成装置の備える作像ユニットの一例であり、4つの作像ユニット1のうちの一つの概略構成を示す構成図である。
図4に示すように、作像ユニット1は、像担持体としてのドラム状の感光体3を備えている。感光体3はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。
感光体3の周囲には、帯電ローラ4、現像装置5、一次転写ローラ7、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10、及び除電ランプ等が配置されている。帯電ローラ4は、帯電手段としての帯電装置が備える帯電部材であり、現像装置5は、感光体3の表面上に形成された潜像をトナー像化する現像手段である。一次転写ローラ7は、感光体3の表面上のトナー像を中間転写ベルト14に転写する一次転写手段としての一次転写装置が備える一次転写部材である。クリーニング装置6は、トナー像を中間転写ベルト14に転写した後の感光体3上に残留するトナーをクリーニングするクリーニング手段である。潤滑剤塗布装置10は、クリーニング装置6がクリーニングした後の感光体3の表面上に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段である。除電ランプは、クリーニング後の感光体3の表面電位を除電する除電手段である。
帯電ローラ4は、感光体3に所定の距離を持って非接触で配置され、感光体3を所定の極性、所定の電位に帯電するものである。帯電ローラ4によって一様帯電された感光体3の表面は、潜像形成手段である光書込ユニット40から画像情報に基づいてレーザ光Lが照射され静電潜像が形成される。
現像装置5は、現像剤担持体としての現像ローラ51を有している。この現像ローラ51には、電源から現像バイアスが印加されるようになっている。現像装置5のケーシング内には、ケーシング内に収容された現像剤を互いに逆方向に搬送しながら攪拌する供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53が設けられている。また、現像ローラ51に担持された現像剤を規制するためのドクタ54も設けられている。供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53の二本スクリュによって撹拌及び搬送された現像剤中のトナーは、所定の極性に帯電される。そして、現像剤は、現像ローラ51の表面上に汲み上げられ、汲み上げられた現像剤は、ドクタ54により規制され、感光体3と対向する現像領域でトナーが感光体3上の潜像に付着する。
クリーニング装置6は、ファーブラシ101、クリーニングブレード62などを有している。クリーニングブレード62は、感光体3の表面移動方向に対してカウンタ方向で感光体3に当接している。なお、クリーニングブレード62は上述の本発明のクリーニングブレードである。
潤滑剤塗布装置10は、固形潤滑剤103や潤滑剤加圧スプリング103a等を備え、固形潤滑剤103を感光体3上に塗布する塗布ブラシとしてファーブラシ101を用いている。固形潤滑剤103は、ブラケット103bに保持され、潤滑剤加圧スプリング103aによりファーブラシ101側に加圧されている。そして、感光体3の回転方向に対して連れまわり方向に回転するファーブラシ101により固形潤滑剤103が削られて感光体3上に潤滑剤が塗布される。感光体への潤滑剤塗布により感光体3表面の摩擦係数が非画像形成時に0.2以下に維持される。感光体3上に塗布された潤滑剤は、ブレード部材たる均しブレード103cにより均される。
帯電装置は、帯電ローラ4を感光体3に近接させた非接触の近接配置方式であるが、帯電装置としては、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)を始めとする公知の構成を用いることができる。これらの帯電方式のうち、特に接触帯電方式、あるいは非接触の近接配置方式がより望ましく、帯電効率が高くオゾン発生量が少ない、装置の小型化が可能である等のメリットを有する。
光書込ユニット40のレーザ光Lの光源や除電ランプ等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。
また、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
これらの光源のうち、発光ダイオード、及び半導体レーザは照射エネルギーが高く、また600[nm]以上800[nm]以下の長波長光を有するため、良好に使用される。
図5に示す転写手段としての転写ユニット60は、中間転写ベルト14の他、ベルトクリーニングユニット162、第1ブラケット63、第2ブラケット64などを備えている。また、4つの一次転写ローラ7Y,7C,7M,7K、二次転写バックアップローラ66、駆動ローラ67、補助ローラ68、テンションローラ69なども備えている。中間転写ベルト14は、これら8つのローラ部材に張架されながら、駆動ローラ67の回転駆動によって図5中反時計回りに無端移動させられる。4つの一次転写ローラ7Y,7C,7M,7Kは、このように無端移動させられる中間転写ベルト14を感光体3Y,3C,3M,3Kとの間に挟み込んでそれぞれ一次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト14の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えば、プラス)の転写バイアスを印加する。中間転写ベルト14は、その無端移動に伴ってY,C,M,K用の一次転写ニップを順次通過していく過程で、そのおもて面に感光体3Y,3C,3M,3K上のY,C,M,Kトナー像が重ね合わせて一次転写される。これにより、中間転写ベルト14上に4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像と称することがある。)が形成される。
二次転写バックアップローラ66は、中間転写ベルト14のループ外側に配設された二次転写ローラ70との間に中間転写ベルト14を挟み込んで二次転写ニップを形成している。先に説明したレジストローラ対55は、ローラ間に挟み込んだ記録媒体Pを、中間転写ベルト14上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで、二次転写ニップに向けて送り出す。中間転写ベルト14上の4色トナー像は、二次転写バイアスが印加される二次転写ローラ70と二次転写バックアップローラ66との間に形成される二次転写電界や、ニップ圧の影響により、二次転写ニップ内で記録媒体Pに一括二次転写される。そして、記録媒体Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。
二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト14には、記録媒体Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、ベルトクリーニングユニット162によってクリーニングされる。なお、ベルトクリーニングユニット162は、ベルトクリーニングブレード162aを中間転写ベルト14のおもて面に当接させており、これによって中間転写ベルト14上の転写残トナーを掻き取って除去するものである。
転写ユニット60の第1ブラケット63は、ソレノイドの駆動のオンオフに伴って、補助ローラ68の回転軸線を中心にして所定の回転角度で揺動するようになっている。画像形成装置200は、モノクロ画像を形成する場合には、前述のソレノイドの駆動によって第1ブラケット63を図5中反時計回りに少しだけ回転させる。この回転により、補助ローラ68の回転軸線を中心にしてY,C,M用の一次転写ローラ7Y,7C,7Mを図5中反時計回りに公転させることで、中間転写ベルト14をY,C,M用の感光体3Y,3C,3Mから離間させる。そして、4つの作像ユニット1Y,1C,1M,1Kのうち、K用の作像ユニット1Kだけを駆動して、モノクロ画像を形成する。これにより、モノクロ画像形成時にY,C,M用の作像ユニット1を無駄に駆動させることによる作像ユニット1を構成する各部材の消耗を回避することができる。
二次転写ニップの図5中上方には、定着ユニット80が配設されている。この定着ユニット80は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加圧加熱ローラ81と、定着ベルトユニット82とを備えている。定着ベルトユニット82は、定着部材たる定着ベルト84、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加熱ローラ83、テンションローラ85、駆動ローラ86、温度センサ等を有している。そして、無端状の定着ベルト84を加熱ローラ83、テンションローラ85及び駆動ローラ86によって張架しながら、図5中反時計回り方向に無端移動させる。この無端移動の過程で、定着ベルト84は加熱ローラ83によって裏面側から加熱される。このようにして加熱される定着ベルト84の加熱ローラ83への掛け回し箇所には、図5中時計回り方向に回転駆動される加圧加熱ローラ81がおもて面側から当接している。これにより、加圧加熱ローラ81と定着ベルト84とが当接する定着ニップが形成されている。
定着ベルト84のループ外側には、温度センサが定着ベルト84のおもて面と所定の間隙を介して対向するように配設されており、定着ニップに進入する直前の定着ベルト84の表面温度を検知する。この検知結果は、定着電源回路に送られる。定着電源回路は、温度センサによる検知結果に基づいて、加熱ローラ83に内包される発熱源や、加圧加熱ローラ81に内包される発熱源に対する電源の供給をオンオフ制御する。
上述した二次転写ニップを通過した記録媒体Pは、中間転写ベルト14から分離した後、定着ユニット80内に送られる。そして、定着ユニット80内の定着ニップに挟まれながら図5中下側から上側に向けて搬送される過程で、定着ベルト84によって加熱され、押圧されることによりフルカラートナー像が記録媒体Pに定着される。
このようにして定着処理が施された記録媒体Pは、排紙ローラ対87のローラ間を経た後、画像形成装置外へと排出される。画像形成装置200本体の筺体の上面には、スタック部88が形成されており、排紙ローラ対87によって画像形成装置外に排出された記録媒体Pは、このスタック部88に順次スタックされる。
転写ユニット60の上方には、Y,C,M,Kトナーを収容する4つのトナーカートリッジ100Y,100C,100M,100Kが配設されている。トナーカートリッジ100Y,100C,100M,100K内のY,C,M,Kトナーは、作像ユニット1Y,1C,1M,1Kの現像装置5Y,5C,5M,5Kに適宜供給される。これらトナーカートリッジ100Y,100C,100M,100Kは、作像ユニット1Y,1C,1M,1Kとは独立して画像形成装置本体に脱着可能である。
次に、画像形成装置200における画像形成動作について説明する。
まず、操作部などからプリント実行の信号を受信すると、帯電ローラ4及び現像ローラ51にそれぞれ所定の電圧又は電流が順次所定のタイミングで印加される。同様に、光書込ユニット40及び除電ランプなどの光源にもそれぞれ所定の電圧又は電流が順次所定のタイミングで印加される。また、これと同期して、駆動手段としての感光体駆動モータにより感光体3が図5中矢印方向に回転駆動される。
感光体3が図5中矢印方向に回転すると、まず、感光体3表面が、帯電ローラ4によって所定の電位に一様帯電される。そして、光書込ユニット40から画像情報に対応したレーザ光Lが感光体3上に照射され、感光体3表面上のレーザ光Lが照射された部分が除電され静電潜像が形成される。
静電潜像の形成された感光体3の表面は、現像装置5との対向部で現像ローラ51上に形成された現像剤の磁気ブラシによって摺擦される。このとき、現像ローラ51上の負帯電トナーは、現像ローラ51に印加された所定の現像バイアスによって、静電潜像側に移動し、トナー像化(現像)される。各作像ユニット1において、同様の作像プロセスが実行され、各作像ユニット1Y,1C,1M,1Kの各感光体3Y,3C,3M,3Kの表面上に各色のトナー像が形成される。
このように、画像形成装置200では、感光体3上に形成された静電潜像は、現像装置5によって、負極性に帯電されたトナーにより反転現像される。本実施形態では、N/P(ネガポジ:電位が低い所にトナーが付着する)の非接触帯電ローラ方式を用いた例について説明したが、これに限るものではない。
各感光体3Y,3C,3M,3Kの表面上に形成された各色のトナー像は、中間転写ベルト14の表面上で重なるように、順次一次転写される。これにより、中間転写ベルト14上に4色トナー像が形成される。
中間転写ベルト14上に形成された4色トナー像は、第1給紙カセット151又は第2給紙カセット152から給紙され、レジストローラ対55のローラ間を経て、二次転写ニップに給紙される記録媒体Pに転写される。このとき、記録媒体Pはレジストローラ対55に挟まれた状態で一旦停止し、中間転写ベルト14上の画像先端と同期を取って二次転写ニップに供給される。トナー像が転写された記録媒体Pは中間転写ベルト14から分離され、定着ユニット80へ搬送される。そして、トナー像が転写された記録媒体Pが定着ユニット80を通過することにより、熱と圧力の作用でトナー像が記録媒体P上に定着されて、トナー像が定着された記録媒体Pは画像形成装置200の外に排出され、スタック部88にスタックされる。
一方、二次転写ニップで記録媒体Pにトナー像を転写した中間転写ベルト14の表面は、ベルトクリーニングユニット162によって表面上の転写残トナーが除去される。
また、一次転写ニップで中間転写ベルト14に各色のトナー像を転写した感光体3の表面は、クリーニング装置6によって転写後の残留トナーが除去され、潤滑剤塗布装置10によって潤滑剤が塗布された後、除電ランプで除電される。
前記画像形成装置200に用いるトナーとしては、画質向上の点から、高円形化、小粒径化がし易い懸濁重合法、乳化重合法、又は分散重合法により製造された重合トナー(ガラス転移温度が50℃以下の低温定着性トナー)を用いることが好ましい。これらの中でも、高解像度の画像を形成する点から、平均円形度が0.97以上、体積平均粒径5.5[μm]以下の重合トナーを用いることが好ましい。
<プロセスカートリッジ>
本実施形態のプロセスカートリッジは、像担持体と、前記像担持体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。詳しくは、プロセスカートリッジは、像担持体と、本発明のクリーニングブレードとを内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、及び除電手段の少なくとも1つの手段を具備し、枠体に収められ、画像形成装置本体から着脱可能とした装置(部品)である。
画像形成装置200の作像ユニット1は、図4に示すように感光体3と、プロセス手段として帯電ローラ4、現像装置5、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10などとが枠体2に収められている。そして、作像ユニット1は、プロセスカートリッジとして図5に示す画像形成装置200本体から一体的に着脱可能となっている。
画像形成装置200では、作像ユニット1がプロセスカートリッジとしての感光体3とプロセス手段とを一体的に交換するようになっているが、感光体3、帯電ローラ4、現像装置5、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10のような単位で新しいものと交換するような構成でもよい。
<画像形成装置の製造方法>
本実施形態の画像形成装置の製造方法は、本発明のクリーニングブレードを備える画像形成装置を製造する、画像形成装置の製造方法であって、弾性部材を活性エネルギー線硬化性組成物に含浸させた後、エネルギー線を照射することによりアクリル前駆体を重合させてクリーニングブレード62を製造する工程を含む。
弾性部材62aに対する活性エネルギー線硬化性組成物の含浸処理は、ハケ塗り、スプレー塗工、ディップ塗工などによって行うことができる。含浸させる場合には、アクリル前駆体の種類、重合開始剤の種類、含浸時間、硬化方法などにより高硬度化される部分の深さや分布が変化する。
<クリーニング方法>
本実施形態のクリーニング方法は、クリーニング手段として本発明のクリーニングブレードを用い、被清掃部材である像担持体の表面に付着した付着物を除去する方法である。
クリーニングブレードの弾性部材は、像担持体表面に対して、10[N/m]以上100[N/m]以下の押圧力で当接することが好ましい。押圧力が、10[N/m]未満であると、クリーニングブレードの弾性部材が像担持体表面に当接する当接部位のトナー通過によるクリーニング不良が発生し易くなり、100[N/m]を超えると、当接部位の摩擦力の増加によりクリーニングブレードが捲れ上がることがある。押圧力は、10[N/m]以上50[N/m]以下が好ましい。
前記押圧力は、例えば、共和電業社製小型圧縮型ロードセルを組み込んだ測定装置を用いて測定することができる。
また、クリーニングブレードの弾性部材が像担持体表面に当接する部位における接線とクリーニングブレードの端面とのなす角度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、65°以上85°以下であることが好ましい。角度θが、65°未満であると、クリーニングブレードの捲れ上りが発生することがあり、85°を超えると、クリーニング不良が発生することがある。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
また、以下の記載においては特に明記しない限り、「部」は「質量部」を示し、「%」は「質量%」を示す。
〔実施例1〕
<クリーニングブレードの作製>
(1)弾性部材の製造
以下の組成により2種類のポリウレタン原液を調製した(特許文献4:特開2011―141449号公報の実施例1参照)。
・ポリウレタン原液A:ポリオール成分としてPCL210N(直鎖状グリコールを開始剤とするポリカプロラクトンジオール、数平均分子量1000;ダイセル化学工業製)を51.44重量部と、イソシアネート成分としてp−MDIを48.56重量部とで予めプレポリマーを製造した。このプレポリマーと、ポリオール成分としてPCL210Nを40.82重量部と、架橋剤であるトリメチロールプロパン3.34重量部、および鎖延長剤である1,4−ブタンジオール5.22重量部とを混合してポリウレタン原液Aを得た。(数値は、プレポリマー全量を100重量部としたときの重量部である。)
・ポリウレタン原液D:ポリオール成分としてPCL220N(直鎖状グリコールを開始剤とするポリカプロラクトンジオール、数平均分子量2000;ダイセル化学工業製)を56.88重量部と、イソシアネート成分としてp−MDIを43.12重量部とで予めプレポリマーを製造した。このプレポリマーと、ポリオール成分としてPCL220Nを63.82重量部と、架橋剤であるトリメチロールプロパン1.93重量部、および鎖延長剤である1,4−ブタンジオール6.97重量部とを混合してポリウレタン原液Dを得た。
ポリウレタン原液A及びDをシート状に注型して反応硬化させて原反シートとし、該原反シートを裁断してポリウレタン弾性体を製造した。シート成形においては遠心成形法を使用した。
得られたポリウレタン弾性体は、ポリウレタン原液Aからなる平均厚み0.3mmのエッジ層、及びポリウレタン原液Dからなる平均厚み1.5mmの基材層からなる積層構造を有する。
得られたポリウレタン弾性体を、所定の支持部材に接着してクリーニングブレードを作製した。
(2)活性エネルギー線硬化型組成物の調製
アクリル前駆体として、テトラヒドロフルフリルアクリレート(日立化成社製)50部、重合開始剤として2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(BASF社製)1部、溶媒としてシクロヘキサノン49部を調製容器に投入し、5分間攪拌して活性エネルギー線硬化型組成物を調製した。組成を表1に示した。
(3)活性エネルギー線硬化型組成物による弾性部材の改質方法
上記(1)の方法により作製したクリーニングブレードの弾性部材(平均厚み1.8mmの平板状)を、上記(2)の方法により調製した活性エネルギー線硬化型組成物に15分間浸漬し、表面から含浸させた。その後、有機溶媒によって弾性部材の表面に付着している活性エネルギー線硬化型組成物を拭取り洗浄した。
洗浄後の弾性部材に対して、フュ−ジョンシステムズジャパン社製UV照射機LH6により、UV−A領域(波長350nm以上400nm以下)に相当する波長域を利用し、1度目の活性エネルギー線照射を行った。1度目の活性エネルギー線照射後の弾性部材を20mm幅の短冊状に切断し、更に、上記と同様の活性エネルギー線硬化型組成物への浸漬、拭取り洗浄、活性エネルギー線照射を行い、総浸漬時間30min、総積算光量60J/cmとなるクリーニングブレード1を作製した。含浸方法及び総浸漬時間について、表1に示した。
(4)赤外吸収ピーク面積比の算出
クリーニングブレードは上記の方法に基づく同一条件で作製した二本を準備し、一本について、クライオミクロトーム(EM FCS(Leica社製))を用いてカット面に沿って切削した切片を作製した。切片はシリコンウエハー上に測定面を上方にして設置し、透過顕微IR法により測定を行った。
測定装置としてはパーキン・エルマー社のSpotLight400を用い、波数範囲4000〜700cm−1、分解能8cm−1の条件にてイメージングモードで測定し、測定試料全面の赤外吸収スペクトル像を取得した。
得られた赤外吸収スペクトル像から、任意の点のアクリル硬化物の赤外吸収ピーク面積値SA(A1730cm−1)、及びポリウレタン化合物の赤外吸収ピーク面積SB(A1533cm−1)を得ることができ、これらの比であるR=SA/SBを求めた。
ピーク面積比R=SA/SBについて、図2に示す点aから点bの間における値Rabの最大値と最小値の差Dabと、点pから点qの間における値Rpqの最大値と最小値の差Dpqとをそれぞれ求め、Dpq/Dabの値を算出した。Rpqの最大値及びDpq/Dabの値を表2に示した。
<画像形成装置の製造、及び画像形成>
(5)画像形成装置の組み立て
上記の方法で作製したクリーニングブレード1を、画像形成装置(カラー複合機:imagio MP C4500、リコー社製)に搭載できるように板金ホルダーに接着剤で固定した。板金ホルダーに固定されたクリーニングブレードを、線圧:20[g/cm]、クリーニング角:79°となるように取り付けて画像形成装置を組み立てた。
(6)評価用トナーの作製
評価用トナーとして、特許文献5(特開2014−92633号公報)に記載の重合法により作製したトナーを用いた。作製したトナーの物性評価についても上記公報記載の方法に基づいて行った。各物性値は、以下のとおりである。
・トナー母体粒子:平均円形度0.98、体積平均粒径4.9[μm]
・外添剤:小粒径シリカ1.5質量部(クラリアント社製、H2000)
小粒径酸化チタン0.5質量部(テイカ社製、MT−150AI)
大粒径シリカ1.0質量部(電気化学工業社製、UFP−30H)
・トナーのガラス転移温度:50℃
(7)画像形成条件
上記(5)の方法により組み立てた画像形成装置を用い、実験室環境:21[℃]で65%RH、通紙条件:画像面積率5[%]チャートを2プリント/ジョブで、被清掃体である像担持体(感光体)の走行距離が10kmとなるまで出力した後、クリーニング性の評価画像を印刷した。また、これらの印刷後のクリーニングブレードを、欠け状態の評価サンプルとした。
<クリーニングブレードの評価>
(8)欠け評価(欠け個数評価)
上記(7)の条件で印刷を行った後のクリーニングブレードを、光学顕微鏡を用いて観察し、欠けの個数を評価した。「欠け」は、幅及び高さのいずれもが5μm以上である欠落を対象としたものであり、「欠け個数」は、クリーニンブブレードの当接部の長さ30cm当りに存在する欠けの数である。観察された欠け個数を、下記の基準で評価した。結果を表2に示した。
[評価基準]
◎:欠け個数が4個未満
○:欠け個数が4個以上7個未満
△:欠け個数が7個以上10個未満
×:欠け個数が10個以上
なお、上記基準における「◎」、「○」及び「△」は許容される欠けとし、「×」は許容できない欠けであるとした。
(9)クリーニング性の評価
評価用画像として、縦帯パターン(紙進行方向に対して)43[mm]幅、3本チャートをA4サイズ横で20枚出力し、得られた画像を目視観察した。クリーニング不良に起因する画像異常の有無を確認し、「クリーニング性」として下記基準で評価した。結果を表2に示した。
[評価基準]
○:印刷紙上にも感光体上にも異物は確認できない。
△:印刷紙上には異物が確認できないが、感光体上には異物が確認できる。
×:印刷紙上にも感光体上にも異物が確認できる。
「異物」とは、具体的にはクリーニング不良ですりぬけたトナーである。
なお、上記基準における「○」及び「△」は許容できるクリーニング性、「×」は許容できないクリーニング性(クリーニング不良)であるとした。
〔実施例2〕
活性エネルギー線硬化型組成物に含まれるアクリル前駆体をベンジルアクリレート(日立化成社製)、重合開始剤を1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製)とした以外は実施例1と同様にしてクリーニングブレード2を作製した。作製したクリーニングブレード2を、実施例1と同様に画像形成装置に取り付け、画像形成装置を組み立てた。また、実施例1と同様にして欠け個数及びクリーニング性を評価し、結果を表2に示した。
〔実施例3〕
活性エネルギー線硬化型組成物に含まれるアクリル前駆体をベンジルメタクリレート(日立化成社製)、重合開始剤を2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(BASF社製)とした以外は実施例1と同様にしてクリーニングブレード3を作製した。作製したクリーニングブレード3を、実施例1と同様に画像形成装置に取り付け、画像形成装置を組み立てた。また、実施例1と同様にして欠け個数及びクリーニング性を評価し、結果を表2に示した。
〔実施例4〕
活性エネルギー線硬化型組成物に含まれるアクリル前駆体をエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業社製)とした以外は実施例1と同様にしてクリーニングブレード4を作製した。作製したクリーニングブレード4を、実施例1と同様に画像形成装置に取り付け、画像形成装置を組み立てた。また、実施例1と同様にして欠け個数及びクリーニング性を評価し、結果を表2に示した。
〔実施例5〕
活性エネルギー線硬化型組成物に含まれるアクリル前駆体をトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業社製)とした以外は実施例2と同様にしてクリーニングブレー5を作製した。作製したクリーニングブレード5を、実施例1と同様に画像形成装置に取り付け、画像形成装置を組み立てた。また、実施例1と同様にして欠け個数及びクリーニング性を評価し、結果を表2に示した。
〔実施例6〕
活性エネルギー線硬化型組成物に含まれるアクリル前駆体をエトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート(新中村化学工業社製)とした以外は実施例3と同様にしてクリーニングブレード6を作製した。作製したクリーニングブレード6を、実施例1と同様に画像形成装置に取り付け、画像形成装置を組み立てた。また、実施例1と同様にして欠け個数及びクリーニング性を評価し、結果を表2に示した。
〔実施例7〕
活性エネルギー線硬化型組成物に含まれるアクリル前駆体をペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学工業社製)とし、重合開始剤をイソプロピルチオキサントン(東京化成工業社製)とした以外は実施例1と同様にしてクリーニングブレード7を作製した。作製したクリーニングブレード7を、実施例1と同様に画像形成装置に取り付け、画像形成装置を組み立てた。また、実施例1と同様にして欠け個数及びクリーニング性を評価し、結果を表2に示した。
〔実施例8〕
活性エネルギー線硬化型組成物に含まれるアクリル前駆体をN−フェニルアクリルアミド(東京化成工業社製)とした以外は実施例3と同様にしてクリーニングブレード8を作製した。作製したクリーニングブレード8を、実施例1と同様に画像形成装置に取り付け、画像形成装置を組み立てた。また、実施例1と同様にして欠け個数及びクリーニング性を評価し、結果を表2に示した。
〔実施例9〕
活性エネルギー線硬化型組成物に含まれるアクリル前駆体をN,N−メチレンビスアクリルアミド(東京化成工業社製)とした以外は実施例7と同様にしてクリーニングブレード9を作製した。作製したクリーニングブレード9を、実施例1と同様に画像形成装置に取り付け、画像形成装置を組み立てた。また、実施例1と同様にして欠け個数及びクリーニング性を評価し、結果を表2に示した。
〔実施例10〕
実施例1と同様にして作製したクリーニングブレードの弾性部材(平均厚み1.8mmの平板状)を短冊状にカットした後、当接部(弾性部材を被清掃部材へ当接するように近づけた際に最初に当接する一辺)にマスキング剤(Vコート、太陽化工社製)を塗布した。マスキング剤の塗布は、あらかじめ平滑なステンレス板にマスキング剤を塗布しておき、弾性部材の当接部を軽く接触させることにより行った。
当接部に活性エネルギー線硬化型組成物が直接接触しないように処理した弾性部材を、実施例4と同様にして調製した活性エネルギー線硬化型組成物に60min浸漬した。
その後、有機溶媒によって表面に付着しているマスキング剤及び活性エネルギー線硬化型組成物を拭取り洗浄した。洗浄後の弾性ブレードに対して、UV照射機LH6により、UV−A領域(波長350nm以上400nm以下)に相当する波長域を利用し、活性エネルギー線照射を行った。このようにして総浸漬時間60min、総積算光量60J/cmとなるクリーニングブレード10を作製した。
作製したクリーニングブレード10を、実施例1と同様に画像形成装置に取り付け、画像形成装置を組み立てた。また、実施例1と同様にして欠け個数及びクリーニング性を評価し、結果を表2に示した。
〔実施例11〕
活性エネルギー線硬化型組成物に含まれるアクリル前駆体をエチレングリコールジメタクリレート及びトリシクロデカンジメタノールジアクリレートを25部ずつ混合した混合物とし、重合開始剤を2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(BASF社製)とした以外は実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化型組成物を調製した。
実施例1と同様にして作製したクリーニングブレードの弾性部材(平均厚み1.8mmの平板状)を短冊状にカットした後、当接部を形成する2面のうち、幅が狭い面にマスキング剤(Vコート、太陽化工社製)を刷毛で塗布した後、上記活性エネルギー線硬化型組成物に15分間浸漬した。
その後、有機溶媒によって表面に付着しているマスキング剤及び活性エネルギー線硬化型組成物を拭取り洗浄した。洗浄後の弾性部材に対し、UV照射機LH6により、UV−A領域(波長350nm以上400nm以下)に相当する波長域を利用し、活性エネルギー線照射を行った。さらに、上記と同様の活性エネルギー線硬化型組成物への浸漬、拭取り洗浄、活性エネルギー線照射を行い、総浸漬時間30分、総積算光量60J/cmとなるクリーニングブレード11を作製した。
作製したクリーニングブレード11を、実施例1と同様に画像形成装置に取り付け、画像形成装置を組み立てた。また、実施例1と同様にして欠け個数及びクリーニング性を評価し、結果を表2に示した。
〔実施例12〕
活性エネルギー線硬化型組成物に含まれる重合開始剤をイソプロピルチオキサントン(東京化成工業社製)とした以外は実施例11と同様にして活性エネルギー線硬化型組成物を調製した。
実施例1と同様にして作製したクリーニングブレードの弾性部材(平均厚み1.8mmの平板状)を短冊状にカットした後、当接部を形成する2面のうち、幅が狭い面にマスキング剤(Vコート、太陽化工社製)を、幅が広い面に上記活性エネルギー線硬化型組成物をそれぞれ刷毛で塗布した後、15分間静置した。
その後、有機溶媒によって表面に付着しているマスキング剤及び活性エネルギー線硬化型組成物を拭取り洗浄した。洗浄後の弾性部材に対し、UV照射機LH6により、UV−A領域(波長350nm以上400nm以下)に相当する波長域を利用し、活性エネルギー線照射を行った。さらに、先にマスキング剤を塗布した面上に活性エネルギー線硬化型組成物を刷毛で塗布した後、15分間静置し、拭取り洗浄、活性エネルギー線照射を行い、総含浸時間30min、総積算光量60J/cmとなるクリーニングブレード12を作製した。
作製したクリーニングブレード12を、実施例1と同様に画像形成装置に取り付け、画像形成装置を組み立てた。また、実施例1と同様にして欠け個数及びクリーニング性を評価し、結果を表2に示した。
〔比較例1〕
実施例1と同様にして作製したクリーニングブレードの弾性部材(平均厚み1.8mmの平板状)及び活性エネルギー線硬化型組成物を用い、弾性部材を短冊状にカットした後、活性エネルギー線硬化型組成物に15分間浸漬した。その後、有機溶媒によって弾性部材の表面に付着している活性エネルギー線硬化型組成物を拭取り洗浄した。
洗浄後の弾性部材に対して、UV照射機LH6により、UV−A領域(波長350nm以上400nm以下)に相当する波長域を利用し、活性エネルギー線照射を行ったい、総浸漬時間15min、総積算光量60J/cmとなるクリーニングブレード13を作製した。
作製したクリーニングブレード13を、実施例1と同様に画像形成装置に取り付け、画像形成装置を組み立てた。また、実施例1と同様にして欠け個数及びクリーニング性を評価し、結果を表2に示した。
〔比較例2〕
活性エネルギー線硬化型組成物の浸漬時間を30分とした以外は比較例1と同様にして、総浸漬時間30分、総積算光量60J/cmとなるクリーニングブレード14を作製した。
作製したクリーニングブレード14を、実施例1と同様に画像形成装置に取り付け、画像形成装置を組み立てた。また、実施例1と同様にして欠け個数及びクリーニング性を評価し、結果を表2に示した。
〔比較例3〕
活性エネルギー線硬化型組成物の浸漬時間を60分とした以外は比較例1と同様にして、総浸漬時間60分、総積算光量60J/cmとなるクリーニングブレード15を作製した。
作製したクリーニングブレード14を、実施例1と同様に画像形成装置に取り付け、画像形成装置を組み立てた。また、実施例1と同様にして欠け個数及びクリーニング性を評価し、結果を表2に示した。
Figure 0006880808
Figure 0006880808
表2の結果から、実施例1〜12のクリーニングブレード1〜12においては、ピーク面積比Rpqの最大値が3.0以上3.7以下であり、かつ、ピーク面積比の差分Dpq/Dabの値が1.15以下である。このように、改質部における活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物の偏在が低減されたクリーニングブレードが得られ、当該クリーニングブレードは、クリーニング不良の原因となる局所的な欠けの発生が抑制され、良好なクリーニング性が得られることがわかった。
1 作像ユニット(プロセスカートリッジ)
2 枠体
3 感光体
4 帯電ローラ
5 現像装置
6 クリーニング装置
7 転写装置
10 潤滑剤塗布装置
14 中間転写ベルト
40 光書込ユニット
51 現像ローラ
52 供給スクリュ
53 攪拌スクリュ
54 ドクタ
62 クリーニングブレード
62a 弾性部材
62b 支持部材
62c 先端稜線部
62d 含浸部分
80 定着ユニット
101 ファーブラシ
103 固形潤滑剤
103a 潤滑剤加圧スプリング
103b ブラケット
103c 均しブレード
200 画像形成装置
特許第3602898号 特開2004−233818号公報 特開2016−126195号公報 特開2011―141449号公報 特開2014−92633号公報

Claims (9)

  1. 被清掃部材の表面に当接し、該被清掃部材表面に付着した付着物を除去する弾性部材を備え、前記弾性部材は、前記被清掃部材の表面に当接する先端部を含む長手方向に対して垂直な断面であるカット面において、表面から含浸した活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物を有するクリーニングブレードであって、
    赤外吸収スペクトルにおいて、前記弾性部材は1533cm−1付近の吸収ピークを有するポリウレタン化合物からなり、前記活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物は1730cm−1付近の吸収ピークを有し、1種類以上のアクリル前駆体と重合開始剤とを含む組成物に活性エネルギー線を照射して硬化させた硬化物であり、
    前記弾性部材の切片の透過顕微IR法により得られる1730cm−1のピーク面積値SAと、1533cm−1のピーク面積値SBとの比であるR=SA/SBの値について、
    (1)前記カット面における前記先端部を点p、該点pを含む2辺に平行で表面から内側へ70μmの距離にある2つの直線の交点を点qとしたとき、点pから点qの間における値Rpqの最大値が3.0以上3.7以下であり、かつ、
    (2)前記カット面における点pを含む辺上にあり、点pからの距離が300μm以内である任意の点を点a、該点aを通る垂線と点aを含む辺に平行で内側へ70μmの距離にある直線との交点を点bとしたとき、点aから点bの間における値Rabの最大値と最小値の差(Dab)と、点pから点qの間における値Rpqの最大値と最小値の差(Dpq)とが、Dpq/Dab≦1.15の関係を満たすことを特徴とするクリーニングブレード。
  2. 前記アクリル前駆体が2官能以上であることを特徴とする請求項1に記載のクリーニングブレード。
  3. 前記アクリル前駆体がアミド結合を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のクリーニングブレード。
  4. 前記活性エネルギー線硬化型組成物に含まれる重合開始剤が、硫黄及びリンのいずれかを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のクリーニングブレード。
  5. 像担持体と、前記像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記像担持体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、前記像担持体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段とを有する画像形成装置において、前記クリーニング手段として請求項1から4のいずれかに記載のクリーニングブレードを備えることを特徴とする画像形成装置。
  6. 像担持体と、前記像担持体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段とを少なくとも有するプロセスカートリッジにおいて、前記クリーニング手段として請求項1から4のいずれかに記載のクリーニングブレードを備えることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  7. 請求項1から4のいずれかに記載のクリーニングブレードを備える画像形成装置を製造する、画像形成装置の製造方法であって、
    前記弾性部材を前記活性エネルギー線硬化性組成物に含浸させた後、エネルギー線を照射することにより前記アクリル前駆体を重合させて前記クリーニングブレードを製造する工程を含むことを特徴とする画像形成装置の製造方法。
  8. 像担持体と、前記像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記像担持体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、前記像担持体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段とを有する画像形成装置を用いた画像形成方法であって、前記クリーニング手段が、請求項1から4のいずれかに記載のクリーニングブレードを備えることを特徴とする画像形成方法。
  9. クリーニング手段として請求項1から4のいずれかに記載のクリーニングブレードを用い、被清掃部材である像担持体の表面に付着した付着物を除去することを特徴とするクリーニング方法。
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