JP6879791B2 - 放射性汚染水処理装置、放射性汚染水処理システム - Google Patents

放射性汚染水処理装置、放射性汚染水処理システム Download PDF

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Description

本発明は、放射性汚染水処理装置、放射性汚染水処理システムに関するものである。
放射性物質は、自然環境への放出について厳しい規制がある。例えば、原子力発電所においては、放射性物質を含む排水が生じることがある。「放射性物質を含む排水」のことを、以下、「放射性汚染水」と称することがある。通常、このような排水は、各種のフィルタにより放射性物質を除去する処理が行われた後、得られた処理水の放射線量を測定し、基準以下の放射性物質を含有する処理水について海洋放出処理を行っている。
このような排水処理においては、排水にイオンの状態で含まれる各種の放射性物質を、イオン交換膜を用いて除去方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、陽イオン交換膜として、種々のものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−28697号公報 米国特許第5580430号明細書
原子力発電所は、原子炉の冷却水の水源として海水を利用すべく、海沿いに建設されることが多い。そのため、原子力発電所においては、放射性汚染水に、海水が含まれることがある。海水を含む放射性汚染水の例としては、福島第一原子力発電所に貯留されている放射性汚染水が挙げられる。
福島第一原子力発電所においては、放射性物質の除去装置(多核種除去設備)を用いて放射性汚染水から放射性物質を除去している。この除去装置においては、内蔵する吸着剤において、62種の放射性物質の除去が可能であるとされている。例えば、この除去装置においては、セシウム(Cs)イオンやストロンチウム(Sr)イオン等の陽イオンとナトリウム(Na)イオンとを交換し、除去している。
しかし、放射性汚染水が海水を含むと、放射性汚染水中のNa濃度が高くなる。そのため、除去装置において海水を含む放射性汚染水を処理する場合、除去対象であるCsイオンやSrイオン等の陽イオンの吸着効率が低下し、処理が進みにくいという問題がある。
また、海水を含む放射性汚染水について、上述の除去装置と同じ原理で放射性物質である陽イオンを除去する際には、放射性汚染水中のNa濃度が高いことに起因して、同様の課題が生じうる。
したがって、海水を含む放射性汚染水からNa濃度を容易に低減させることが可能な技術が求められていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、海水を含む放射性汚染水からナトリウムを容易に低減させることが可能な放射性汚染水処理装置を提供することを目的とする。また、このような放射性汚染水処理装置を有する放射性汚染水処理システムを提供することを併せて目的とする。
一般に、Naイオンを含む排水からNaを分離する方法としては、電気透析法が知られている。しかし、海水を含む放射性汚染水に通常知られた電気透析法を適用すると、陽極か腐食性が高い塩素ガスが発生してしまう。塩素ガスを原子力設備で発生させることは、安全上望ましくないと考えられる。
また、上記特許文献2には、高効率でNaを分離可能な陽イオン交換膜が記載されている。そのため、電気透析法において上記特許文献2に記載の陽イオン交換膜を用いると、海水を含む放射性汚染水からNaイオンを分離すること自体は可能であると考えられる。
しかし、上記特許文献2記載の陽イオン交換膜を用い、海水を含む放射性汚染水からNaイオンを分離すると、Naを分離した後の汚染水の液性が酸性に変化する。ここで、放射性汚染水が酸性となると、配管腐食の懸念が生じることから、中和の必要が生じうる。すると、このような中和作業により、減量すべき放射性汚染水の総量が、逆に増加してしまう懸念がある。
発明者らは、鋭意検討した結果、電気透析法において陽イオン交換膜のみならず、陰イオン交換膜も併用し、海水を含む放射性汚染水からNaイオンと塩素(Cl)イオンとを同時に低減させることで、課題が解決できるとの着想に至り、発明を完成させた。
すなわち、上記の課題を解決するため、本発明の一態様は、海水を含む放射性汚染水を処理する放射性汚染水処理装置であって、前記放射性汚染水を貯留する空間を有する貯留部と、前記貯留部に配置されナトリウムイオンを選択的に透過させる陽イオン交換膜と、前記貯留部に配置され塩素イオンを透過させる陰イオン交換膜と、前記貯留部に配置された陽極と、前記貯留部に配置された陰極と、を有し、前記空間は、前記陽イオン交換膜と前記陰イオン交換膜と前記貯留部の内壁とで囲まれた第1領域と、前記陽イオン交換膜と前記貯留部の内壁とで囲まれた第2領域と、前記陰イオン交換膜と前記貯留部の内壁とで囲まれた第3領域と、に分割され、前記陰極は、前記第2領域に配置され、前記陽極は、前記第3領域に配置されている放射性汚染水処理装置を提供する。
本発明の一態様においては、前記陽極は、マンガン系酸化物電極である構成としてもよい。
本発明の一態様においては、前記陰イオン交換膜は、塩素イオンを透過させる第1膜と、前記第1膜に対して前記第1領域側に設けられ、ヨウ素酸イオンを吸着すると共に塩素イオンを透過させる第2膜と、を有する積層体である構成としてもよい。
本発明の一態様においては、前記陰イオン交換膜は、塩素イオンを透過させる第1膜と、ヨウ素イオンを吸着すると共に塩素イオンを透過させる第3膜と、を有する積層体である構成としてもよい。
本発明の一態様においては、上記の放射性汚染水処理装置と、前記第1領域に海水を含む放射性汚染水を供給する供給ラインと、前記放射性汚染水からナトリウムイオンおよび塩素イオンを低減させた第1処理水を、前記第1領域から排出する第1排出ラインと、前記第2領域に貯留される塩基性の第2処理水を、前記第2領域から排出する第2排出ラインと、前記第3領域に貯留される酸性の第3処理水を、前記第3領域から排出する第3排出ラインと、を有する放射性汚染水処理システムを提供する。
本発明の一態様においては、前記放射性汚染水処理装置を複数有し、上流側に配置された第1の前記放射性汚染水処理装置から排出される前記第1処理水を、下流側に配置された第2の前記放射性汚染水処理装置の前記供給ラインから前記第1領域に供給する構成としてもよい。
本発明の一態様においては、前記第2処理水と前記第3処理水とを混合する混合部を有する構成としてもよい。
本発明の一態様においては、前記放射性汚染水処理装置を複数有し、上流側に配置された第1の前記放射性汚染水処理装置の前記混合部で混合された混合水を、下流側に配置された第2の前記放射性汚染水処理装置の前記供給ラインから前記第1領域に供給する構成としてもよい。
本発明の一態様においては、最下流の前記放射性汚染水処理装置が有する前記混合部に接続され、前記混合部で混合された混合水から放射性物質を除去する除去装置を有する構成としてもよい。
本発明の一態様においては、最下流の前記放射性汚染水処理装置が有する前記第2排出ラインに接続され、排出される前記第2処理水から放射性物質を除去する除去装置を有する構成としてもよい。
本発明の一態様においては、最下流の前記放射性汚染水処理装置が有する前記第3排出ラインに接続され、排出される前記第3処理水から放射性物質を除去する除去装置を有する構成としてもよい。
本発明の一態様においては、最下流の前記放射性汚染水処理装置が有する前記第1排出ラインに接続され、排出される前記第1処理水から放射性物質を除去する除去装置を有する構成としてもよい。
本発明の一態様においては、大気から取り込まれた空気を送気する第1送気ラインと、前記第2領域で発生する水素ガスを送気する第2送気ラインと、を有し、前記第2送気ラインは、前記第1送気ラインに接続され、前記水素ガスを前記空気で希釈して前記放射性汚染水処理装置の外に排出する構成としてもよい。
本発明の一態様においては、前記陽極として、マンガン系酸化物電極を用い、前記第2領域で発生する水素ガスを送気する第2送気ラインと、前記第3領域で発生する酸素ガスを送気する第3送気ラインと、前記第2送気ラインおよび前記第3送気ラインが接続される触媒部と、を有し、前記触媒部は、前記水素ガスと前記酸素ガスとから、燃焼させることなく水を生じさせる反応を触媒する構成としてもよい。
本発明によれば、海水を含む放射性汚染水からナトリウムを容易に低減させることが可能な放射性汚染水処理装置を提供することができる。また、このような放射性汚染水処理装置を有する放射性汚染水処理システムを提供することができる。
第1実施形態の放射性汚染水処理装置を示す模式図。 第2実施形態の放射性汚染水処理システムを示す模式図。
[第1実施形態]
以下、図1を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る放射性汚染水処理装置について説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
図1は、本実施形態の放射性汚染水処理装置10を示す模式図である。以下の説明において、放射性汚染水処理装置10を「処理装置10」と称することがある。
処理対象である放射性汚染水Wは、海水を含んでいる。そのため放射性汚染水Wは、イオンとしてナトリウムイオンC1と、塩素イオンA1とを多く含んでいる。また、放射性汚染水Wは、放射性物質として、放射性の核種を含むCsイオンやSrイオン等のナトリウムイオンC1以外の陽イオンC2を含む。また、放射性汚染水Wは、放射性物質として、放射性のヨウ素を含む。放射性のヨウ素は、ヨウ素酸イオンA2やヨウ素イオンA3の形態で放射性汚染水Wに溶解している。
処理装置10は、海水を含む放射性汚染水Wから、ナトリウムイオンC1と塩素イオンA1とを除去し、放射性汚染水Wが含むイオン濃度を低減させる装置である。
処理装置10は、貯留部11、陽イオン交換膜12、陰イオン交換膜13、陰極14、陽極15を有している。陰極14および陽極15は、外部電源19に接続されている。
貯留部11は、放射性汚染水Wを貯留する空間ARを有する容器である。貯留部11は、放射線を透過させない材料を形成材料とすることが好ましい。貯留部11の形成材料としては、SUS316等のステンレス、繊維強化プラスチック(FRP)等が好ましい。図では、貯留部11は上方が解放されていることとして示したが、これに限らない。貯留部11は、上方が蓋をされ閉じられた構成であってもよい。
陽イオン交換膜12は、放射性汚染水Wに含まれるナトリウムイオンC1を透過させ、その他の陽イオンC2を遮断する。このような陽イオン交換膜12としては、例えばNASICON型の結晶構造を有するカチオン伝導性のセラミック膜(以下、「NASICON型セラミック膜」と略称することがある)を挙げることが出来る。
このようなNASICON型セラミック膜としては、リン酸系のものやシリカ系のものが知られている。カチオン伝導性を有するならば、いずれを用いてもよい。また、結晶構造内にNdやGd等の希土類を入れ、Naの選択性を向上させてもよい。シリカ系のNASICON型セラミック膜であって、結晶構造内に希土類を入れたものとしては、例えばセラマテック社の陽イオン交換膜を用いることができる。
その他、陽イオン交換膜12としては、Nafion A Type324やNafion A Type350(デュポン社製)、セレミオンCSO(AGCエンジニアリング株式会社製)、ネオセプタCIMS(株式会社アストム製)などを用いることができる。
陰イオン交換膜13は、放射性汚染水Wに含まれる塩素イオンA1を透過させる。本実施形態の陰イオン交換膜13は、第1膜131と、第2膜132と、第3膜133との積層体となっている。
第1膜131は、放射性汚染水Wに含まれる塩素イオンA1を透過させる。このような第1膜131としては、例えばセレミオンASV(AGCエンジニアリング株式会社製)、ネオセプタACS(株式会社アストム製)などを用いることが出来る。
第2膜132は、第1膜131に対して陽イオン交換膜12側に設けられている。第2膜132は、ヨウ素酸イオンA2を吸着して遮断すると共に、塩素イオンA1を透過させる。このような第2膜132としては、例えばREAD−Sb(株式会社日本海水製)を用いることが出来る。
第3膜133は、第1膜131に対して陽イオン交換膜12とは反対側に設けられている。第3膜133は、ヨウ素イオンA3を吸着して遮断すると共に、塩素イオンA1を透過させる。このような第3膜133としては、例えばDOWEXタイプI強塩基性アニオン交換樹脂(DOW Chemical company製)、銀ゼオライトなどを用いることが出来る。
貯留部11の空間ARは、陽イオン交換膜12と陰イオン交換膜13と貯留部11の内壁11Wとで囲まれた第1領域AR1と、陽イオン交換膜12と貯留部11の内壁11Wとで囲まれた第2領域AR2と、陰イオン交換膜13と貯留部11の内壁11Wとで囲まれた第3領域AR3と、に分割されている。
陰極14は、第2領域AR2に配置されている。陰極14の形成材料としては、例えばニッケル電極、ステンレス電極を用いることが出来る。ニッケル系材料を形成材料とするニッケル電極は、海水に浸漬した際の耐食性が高い点において好ましい。また、ステンレス系材料を形成材料とするステンレス電極は、ニッケル電極よりも安価である点において好ましい。
陽極15は、第3領域AR3に配置されている。陽極15は、電気透析に使用可能であれば通常知られたものを使用することができる。なかでも、陽極15としては、マンガン酸系酸化物電極を用いることが好ましい。陽極15にマンガン系酸化物電極を採用すると、電極表面で塩素イオンが還元されて塩素ガスが発生する反応を抑制し、陽極15の表面から酸素を発生させることができる。そのため、塩素ガスによる装置の腐食を抑制することができる。
このようなマンガン酸系酸化物電極を採用する陽極15としては、例えば、チタン電極表面にインジウム等の貴金属層を介してマンガン酸化物層が積層された複合電極を用いることができる。
本実施形態においては、陽極15としてマンガン酸系酸化物電極を用いることとする。
陰極14と陽極15とは、それぞれ外部電源19に接続されている。
このような処理装置10は、次のように動作する。
まず、貯留部11の第1領域AR1に放射性汚染水Wを貯留する。また、第2領域AR2、第3領域AR3には、放射性物質を含まない水を貯留する。使用当初は、第2領域AR2、第3領域AR3に、放射性汚染水WよりもNaCl含有量の少ない水を貯留する。使用当初に第2領域AR2、第3領域AR3に貯留する水としては、地下水や濾過水を用いることができる。また、放射性汚染水Wから放射性物質を除去した結果として得られるNaCl含有量の少ない廃液を使用してもよい。
次いで、外部電源19から陰極14および陽極15に電圧を印加して電気透析する。
すると、第1領域AR1の放射性汚染水Wに含まれるナトリウムイオンC1は、陽イオン交換膜12を透過して第2領域AR2に達する。一方で、その他の陽イオンC2は、陽イオン交換膜12を透過することなく第1領域AR1に留まる。
一方、第1領域AR1の放射性汚染水Wに含まれる塩素イオンA1は、陰イオン交換膜13を透過して第3領域AR3に達する。一方で、ヨウ素酸イオンA2は、陰イオン交換膜13が有する第2膜132に吸着されることで遮断される。また、ヨウ素イオンA3は、陰イオン交換膜13が有する第3膜133に吸着されることで遮断される。
このようにして、放射性汚染水Wを電気透析することで、第1領域AR1の放射性汚染水Wは、ナトリウムイオンC1と塩素イオンA1の濃度が低下した第1処理水W1と変化する。
また、第2領域AR2に貯留された水は、ナトリウムイオンC1濃度が増加した第2処理水W2と変化する。ナトリウムイオンC1の濃度が増加した第2処理水W2は、液性が塩基性となる。
また、第3領域AR3に貯留された水は、塩素イオンA1の濃度が増加した第3処理水W3と変化する。塩素イオンA1の濃度が増加した第3処理水W3は、液性が酸性となる。
その際、陽極15はマンガン系酸化物電極を用いているため、陽極15において塩素ガスが生じず、酸素ガスが生じる。これにより、処理装置10が腐食性の塩素ガスで腐食することなく、長期間安定的に使用することが出来る。
得られた第1処理水W1は、ナトリウムイオンC1の濃度が低減している。そのため、放射性物質の除去装置(多核種除去設備)等を用いて適切に放射性物質の除去が可能となる。
また、第1処理水W1は放射性汚染水Wから、ナトリウムイオンC1のみならず塩素イオンA1も低減させているため、第1処理水W1は、液性が過度に酸性や塩基性に偏ることがなく、中性近傍となる。そのため、第1処理水W1から更に放射性物質を除去する際に、液性調整のための処理が不要となり、処理水の体積が増加するおそれも生じない。
また、得られた第2処理水W2にはナトリウムイオンC1が選択的に含まれ、他の陽イオン(水素イオンを除く)は原理的には含まれない。ナトリウムは、放射能を有さない23Naのみが安定同位体であり、放射性同位体の存在比が極めて小さい。そのため、陽イオンとしてナトリウムイオンC1(水素イオンを除く)のみを含む第2処理水W2は、原理的には放射能を有さないこととなる。
同様に、得られた第3処理水W3には塩素イオンA1が選択的に含まれ、他の陰イオン(水酸化物イオンを除く)は原理的には含まれない。塩素は、放射能を有さない35Clのみが安定同位体であり、放射性同位体の存在比が極めて小さい。そのため、陰イオンとして塩素イオンA1(水酸化物イオンを除く)のみを含む第3処理水W3は、原理的には放射能を有さないこととなる。
このような第2処理水W2および第3処理水W3は、液性を中性に調製し、放射線量を適切に測定した後、基準値以下であれば海洋放出処理等により廃棄することが出来る。中和の際には、第2処理水W2と第3処理水W3とを互いに混合することにより中和してもよい。
以上のような構成の放射性汚染水処理装置10によれば、海水を含む放射性汚染水からナトリウムを容易に低減させることが可能となる。
なお、本実施形態においては、陰イオン交換膜13として、第1膜131、第2膜132、第3膜133との積層体を用いることとしたが、第2膜132および第3膜133のいずれか一方または両方を用いないこととしてもよい。
第2膜132および第3膜133のいずれか一方または両方を用いない場合であっても、第1膜131のみからなる陰イオン交換膜13の存在により、第1処理水W1の液性は過度に酸性や塩基性に偏ることがなく、中性近傍となる。
[第2実施形態]
以下、図2を参照しながら、本発明の第2実施形態に係る放射性汚染水処理システムについて説明する。本実施形態の放射性汚染水処理システムは、第1実施形態の放射性汚染水処理装置と一部共通している。したがって、本実施形態において第1実施形態と共通する構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図2は、本実施形態の放射性汚染水処理システム100を示す模式図である。以下の説明において、放射性汚染水処理システム100を「処理システム100」と称することがある。
処理システム100は、2つの処理装置10を有している。処理システム100は、貯留タンク101に貯留された海水を含む放射性汚染水Wを、第1処理装置10A、第2処理装置10B、放射性物質の除去装置121を用いて順次処理することで、放射性汚染水Wから放射性物質を除去する。本実施形態においても、第1処理装置10Aおよび第2処理装置10Bがそれぞれ有する陽極15として、マンガン酸系酸化物電極を用いることとする。
第1処理装置10Aおよび第2処理装置10Bは、第1実施形態で示した処理装置10と同じものを用いることが出来る。第1処理装置10Aは、本発明における「第1の放射性汚染水処理装置」に該当する。第2処理装置10Bは、本発明における「第2の放射性汚染水処理装置」に該当する。また、第2処理装置10Bは、本発明における「最下流の放射性汚染水処理装置」に該当する。
貯留タンク101は、放射性汚染水Wを貯留するタンクである。貯留タンク101には、配管102が接続されており、配管102を介して放射性汚染水Wが払い出される。
配管102は、貯留タンク101と第1処理装置10Aとを接続している。配管102の経路内には、送液ポンプ103が設置されている。送液ポンプ103は、配管102内における放射性汚染水Wの送液に用いられる。配管102は、本発明における「供給ライン」に該当する。
配管102は、端部が第1処理装置10Aの第1領域AR1に接続されている。配管102を介して移動する放射性汚染水Wは、第1処理装置10Aの第1領域AR1に供給される。
第1処理装置10Aの第1領域AR1には、配管104が接続されている。第1処理装置10Aにおいて処理され第1領域AR1に生成する第1処理水W1は、配管104を介して排出される。配管104は、本発明における「第1排出給ライン」に該当する。
第1処理装置10Aの第2領域AR2には、配管105が接続されている。第1処理装置10Aにおいて処理され第2領域AR2に生成する塩基性の第2処理水W2は、配管105を介して排出される。配管105は、本発明における「第2排出給ライン」に該当する。
第1処理装置10Aの第3領域AR3には、配管106が接続されている。第1処理装置10Aにおいて処理され第3領域AR3に生成する酸性の第3処理水W3は、配管105を介して排出される。配管106は、本発明における「第3排出給ライン」に該当する。
配管105および配管106は、三方弁107を介して接続されている。三方弁107は、開度を適宜調整することにより、配管内での第2処理水W2と第3処理水W3との混合比を調整可能である。配管内において第2処理水W2と第3処理水W3との混合比を調整しながら混合することで、混合後の処理水の液性を、酸性から塩基性の間で適宜調整可能である。三方弁107は、本発明における「混合部」に該当する。
三方弁107において第2処理水W2と第3処理水W3とが混合された混合水は、必要に応じて第2処理装置10Bや除去装置121に送液し、混合水に含まれる放射性物質を除去することとしてもよい。
配管104は、端部が下流側に設けられた第2処理装置10Bの第1領域AR1に接続されている。配管104を介して移動する第1処理水W1は、第2処理装置10Bの第1領域AR1に供給される。すなわち、配管104は、第1処理装置10Aの「第1排出ライン」であるとともに、第2処理装置10Bの「供給ライン」に該当する。第1処理装置10Aから排出される第1処理水W1は、第2処理装置10Bにとって「放射性汚染水W」に該当する。
配管104の経路内には、送液ポンプ108が設置されている。送液ポンプ108は、配管104内における第1処理水W1の送液に用いられる。
第2処理装置10Bの第1領域AR1には、配管109が接続されている。第2処理装置10Bにおいて処理され第1領域AR1に生成する第1処理水W1は、配管109を介して排出される。配管109は、本発明における「第1排出給ライン」に該当する。
第2処理装置10Bの第2領域AR2には、配管110が接続されている。第2処理装置10Bにおいて処理され第2領域AR2に生成する塩基性の第2処理水W2は、配管110を介して排出される。配管110は、本発明における「第2排出給ライン」に該当する。
配管110の経路内には、除去装置122が配置されている。除去装置122では、第2処理水W2に含まれる放射性物質の除去(トリチウムを除く)を行う。除去装置122としては、放射性物質を除去可能であれば、フィルタ、イオン交換膜、吸着膜等の種々の構成を採用することができる。上述のように、第2処理水W2は塩基性であるため、用いる除去装置122としては、第2処理水W2の液性で変質や劣化を起こしにくいものを用いることが好ましい。
同様の除去装置122は、配管105の経路内に配置してもよい。
第2処理装置10Bの第3領域AR3には、配管111が接続されている。第2処理装置10Bにおいて処理され第3領域AR3に生成する酸性の第3処理水W3は、配管111を介して排出される。配管111は、本発明における「第3排出給ライン」に該当する。
配管111の経路内には、除去装置123が配置されている。除去装置123では、第3処理水W3に含まれる放射性物質の除去(トリチウムを除く)を行う。除去装置123としては、除去装置122と同様に、放射性物質を除去可能であれば、フィルタ、イオン交換膜、吸着膜等の種々の構成を採用することができる。上述のように、第2処理水W2は酸性であるため、用いる除去装置123としては、第3処理水W3の液性で変質や劣化を起こしにくいものを用いることが好ましい。
同様の除去装置123は、配管106の経路内に配置してもよい。
配管110および配管111は、三方弁112を介して接続されている。三方弁112は、三方弁107と同様に、開度を適宜調整することにより、配管内での第2処理水W2と第3処理水W3との混合比を調整可能である。三方弁112は、本発明における「混合部」に該当する。
三方弁112において第2処理水W2と第3処理水W3とが混合された混合水は、必要に応じて除去装置121に送液し、混合水に含まれる放射性物質を除去することとしてもよい。
配管109は、端部が下流に配置された除去装置121に接続されている。除去装置121としては、例えば、多核種除去設備を採用することができる。第2処理装置10Bの第1領域AR1から排出された第1処理水W1は、ナトリウムイオンC1および塩素イオンA1の濃度が十分に下がったものとなっている。そのため、除去装置121においては、ナトリウムイオンC1や塩素イオンA1に機能を阻害されにくく、第1処理水W1に含まれる放射性物質の除去を好適に行うことができる。
なお、除去装置121において、酸性の水溶液や塩基性の水溶液を用いて、内部のフィルタの洗浄や状態調整を行う必要がある場合には、第1処理装置10Aおよび第2処理装置10Bにおいて生じる塩基性の第2処理水W2および酸性の第3処理水W3を用いることとしてもよい。このように処理水の利用を促進することで、処理水全体の量を増加させることなく、放射性物質の除去ができる。
除去装置121において放射性物質の除去が行われた後の処理水については、液性を中性に調製し、放射線量を適切に測定した後、放射線量が基準値以下であれば海洋放出処理等により廃棄することが出来る。
また、処理システム100においては、第1処理装置10Aは第1ガス処理部150を備えている。また、第2処理装置10Bは、第2ガス処理部160を備えている。第1処理装置10Aおよび第2処理装置10Bでは、各電極からそれぞれ生じるガスを次のようにして処理することができる。
まず、第1処理装置10Aの第1ガス処理部150は、大気から取り込まれた空気Airを送気する第1送気ライン151と、第2領域AR2で発生する水素ガスHを送気する第2送気ライン152と、第3領域AR3で発生するガスGを送気する第3送気ライン153とを有している。第2送気ライン152および第3送気ライン153は、それぞれ第1送気ライン151に接続されている。
本実施形態において、第3領域AR3で発生するガスGは酸素ガスである。
第1処理装置10Aでは、第2領域AR2および第3領域AR3で発生する水素ガスおよび酸素ガスを第1送気ライン151に供給している。第1送気ライン151内では、供給された水素ガスおよび酸素ガスが空気Airで希釈される。
第1ガス処理部150においては、空気Airで希釈された水素ガスの濃度が基準値以下、例えば爆発下限界である4%を下回る濃度となるように管理する。濃度管理は、第1送気ライン151内を流動する空気Airの供給量や、第2送気ライン152から第1送気ライン151に供給される水素ガスの量を制御することにより行うとよい。
第1ガス処理部150においては、上記処理を行うことにより、第2領域AR2から発生する水素ガスを安全に大気放出することができる。
また、第2処理装置10Bの第2ガス処理部160は、触媒部161と、第2領域AR2で発生する水素ガスHを送気する第2送気ライン162と、第3領域AR3で発生するガスGを送気する第3送気ライン163とを有している。第2送気ライン162および第3送気ライン163は、それぞれ触媒部161に接続されている。また、触媒部161と第1領域AR1とを接続する配管164を有している。
本実施形態において、第3領域AR3で発生するガスGは酸素ガスである。
触媒部161は、水素ガスと酸素ガスとを反応させる触媒を有している。触媒部161が有する触媒は、水素ガスと酸素ガスとを燃焼させることなく反応させる反応を促進し、水を生じさせる。以下、触媒部161が有する触媒を「水素再結合触媒」と称することがある。
第2処理装置10Bでは、第2領域AR2および第3領域AR3で発生する水素ガスおよび酸素ガスを触媒部161に供給している。触媒部161内では、供給された水素ガスおよび酸素ガスの少なくとも一部が、水素再結合触媒で水に変換される。
触媒部161で生じる水は、配管164を介して第1領域AR1に送液される。触媒部161で生じた水にトリチウムが含まれない場合、配管164を第1領域AR1に接続することなく、生じた水を廃棄しても構わない。
第2ガス処理部160においては、上記処理を行うことにより、第2領域AR2から発生する水素ガスおよび第3領域AR3から発生する酸素ガスを、水に戻すことができる。また、第2領域AR2から発生する水素ガスにトリチウムが含まれている場合でも、トリチウムは第2ガス処理部160により水に変換され、第1領域AR1に送液される。そのため、トリチウムの放出を抑制することができる。
なお、本実施形態においては、第1処理装置10Aが第1ガス処理部150を備えることとしたが、第2ガス処理部160と同じ構成のガス処理部を備えることとしてもよい。
また、本実施形態においては、第2処理装置10Bが第2ガス処理部160を備えることとしたが、第1ガス処理部150と同じ構成のガス処理部を備えることとしてもよい。
さらに、第1処理装置10Aと第2処理装置10Bとが、同じ構成のガス処理部を備えることとしてもよい。
以上のような放射性汚染水処理システム100によれば、海水を含む放射性汚染水からナトリウムを容易に低減させることが可能となる。
また、本実施形態の処理システム100においては、第1処理装置10Aと第2処理装置10Bとを有する。そのため、第1処理装置10AにおいてナトリウムイオンC1および塩素イオンA1の濃度が所望の濃度にまで低減しなかった場合であっても、下流側の第2処理装置10Bにより、ナトリウムイオンC1および塩素イオンA1の濃度をさらに低減させることが出来る。
なお、本実施形態においては、第1処理装置10Aと第2処理装置10Bとを用いることとしたが、これに限らず、第1処理装置10Aのみ用いることとしてもよい。この場合、第1処理装置10Aの第1領域AR1から排出される第1処理水W1が、下流の除去装置121に供給されることとするとよい。この場合には、第1処理装置10Aは、本発明における「最下流の放射性汚染水処理装置」に該当する。
また、各配管が種々の構成を接続する様子を示したが、各配管は、経路内に配管内を流動する各処理水を貯留するタンクを有することとしてもよい。タンクを有する場合、下流側の構成へは、タンクから払い出した各処理水が供給される。
例えば、配管105および配管106は、三方弁107を介して接続しない構成であってもよい。例えば、三方弁107の代わりに、第2処理水W2と第3処理水W3とを回収し貯留する回収タンクを設け、当該回収タンクに配管105および配管106がそれぞれ接続される構成であってもよい。この場合、回収タンク内で第2処理水W2と第3処理水W3とが混合され混合水が得られる。そのため、回収タンクは、本発明における「混合部」に該当する。また、回収タンクを配管105および配管106のそれぞれに設けることとしても構わない。
また、本実施形態においては、三方弁107,112の下流側の配管内には、除去装置122,123と同様の構成の除去装置を設けても構わない。
また、本実施形態においては、第1処理装置10Aおよび第2処理装置10Bがそれぞれ有する陽極15として、マンガン酸系酸化物電極を用いることとしたが、マンガン酸系酸化物電極を用いない構成とすることもできる。陽極15として、マンガン酸系酸化物電極を用いない場合、第3領域AR3からはガスGとして塩素ガスが生じる。これに対し、第1処理装置10Aおよび第2処理装置10Bが有するガス処理部に、次のような変更を加えるとよい。
まず、第1処理装置10Aが有する陽極15として、マンガン酸系酸化物電極を用いない場合、第1ガス処理部150においては、第1送気ライン151に第2送気ライン152のみ接続することとして、塩素ガスを大気放出しない構成とするとよい。
この場合、生じる塩素ガスは、塩基性の第2処理水W2と混合し中和するとよい。その際、第2処理水W2を貯留するタンクを別途用意すると共に、タンクに第3送気ライン153を接続して、当該タンク内で塩素ガスを中和するとよい。
また、第2処理装置10Bが有する陽極15として、マンガン酸系酸化物電極を用いない場合、第2ガス処理部160においては、触媒部161に第2送気ライン152のみ接続することとするとよい。この場合、第2ガス処理部160に、大気から取り込まれた空気を送気する送気ラインを別途設けて触媒部161に接続し、水素再結合触媒において消費する酸素ガスを空気から取り入れることとするとよい。
生じる塩素ガスは、塩基性の第2処理水W2と混合し中和するとよい。その際、第1処理部150と同様の構成を採用することができる。
また、本実施形態においては、処理システム100が第1処理装置10Aおよび第2処理装置10Bの2つの処理装置10を有することとしたが、これに限らず、さらに多くの処理装置を接続することとしてもよい。その際、複数の処理装置の全てを直列に接続してもよい。また、処理対象である放射性汚染水Wを2以上に分岐し、同時に2以上の処理装置10で処理した後、得られる第1処理水W1を下流にて合わせて処理するように、並列に接続することとしてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
10…放射性汚染水処理装置(処理装置)、11…貯留部、11W…内壁、12…陽イオン交換膜、13…陰イオン交換膜、14…陰極、15…陽極、100…処理システム、100…放射性汚染水処理システム、121,122,123…除去装置、131…第1膜、132…第2膜、133…第3膜、151…第1送気ライン、152,162…第2送気ライン、153,163…第3送気ライン、161…触媒部、A1…塩素イオン、A2…ヨウ素酸イオン、A3…ヨウ素イオン、Air…空気、AR…空間、AR1…第1領域、AR2…第2領域、AR3…第3領域、C1…ナトリウムイオン、C2…陽イオン、G…ガス、H…水素ガス、W…放射性汚染水、W1…第1処理水、W2…第2処理水、W3…第3処理水

Claims (15)

  1. 海水を含む放射性汚染水を処理する放射性汚染水処理装置であって、
    前記放射性汚染水を貯留する空間を有する貯留部と、
    前記貯留部に配置されナトリウムイオンを選択的に透過させる陽イオン交換膜と、
    前記貯留部に配置され塩素イオンを透過させる陰イオン交換膜と、
    前記貯留部に配置された陽極と、
    前記貯留部に配置された陰極と、を有し、
    前記空間は、前記陽イオン交換膜と前記陰イオン交換膜と前記貯留部の内壁とで囲まれた第1領域と、
    前記陽イオン交換膜と前記貯留部の内壁とで囲まれた第2領域と、
    前記陰イオン交換膜と前記貯留部の内壁とで囲まれた第3領域と、に分割され、
    前記陰極は、前記第2領域に配置され、
    前記陽極は、前記第3領域に配置されており、
    前記陰イオン交換膜は、積層体であり、
    前記積層体は、塩素イオンを透過させる第1膜と、
    前記第1膜に対して前記第1領域側に設けられ、ヨウ素酸イオンを吸着すると共に塩素イオンを透過させる第2膜と、を有する放射性汚染水処理装置。
  2. 前記陰イオン交換膜は、塩素イオンを透過させる第1膜と、
    ヨウ素イオンを吸着すると共に塩素イオンを透過させる第3膜と、を有する積層体である請求項に記載の放射性汚染水処理装置。
  3. 海水を含む放射性汚染水を処理する放射性汚染水処理装置であって、
    前記放射性汚染水を貯留する空間を有する貯留部と、
    前記貯留部に配置されナトリウムイオンを選択的に透過させる陽イオン交換膜と、
    前記貯留部に配置され塩素イオンを透過させる陰イオン交換膜と、
    前記貯留部に配置された陽極と、
    前記貯留部に配置された陰極と、を有し、
    前記空間は、前記陽イオン交換膜と前記陰イオン交換膜と前記貯留部の内壁とで囲まれた第1領域と、
    前記陽イオン交換膜と前記貯留部の内壁とで囲まれた第2領域と、
    前記陰イオン交換膜と前記貯留部の内壁とで囲まれた第3領域と、に分割され、
    前記陰極は、前記第2領域に配置され、
    前記陽極は、前記第3領域に配置されており、
    前記陰イオン交換膜は、積層体であり、
    前記積層体は、塩素イオンを透過させる第1膜と、
    ヨウ素イオンを吸着すると共に塩素イオンを透過させる第3膜と、を有する放射性汚染水処理装置
  4. 前記陰イオン交換膜は、塩素イオンを透過させる第1膜と、
    前記第1膜に対して前記第1領域側に設けられ、ヨウ素酸イオンを吸着すると共に塩素イオンを透過させる第2膜と、を有する積層体である請求項に記載の放射性汚染水処理装置。
  5. 前記陽極は、マンガン系酸化物電極である請求項1から4のいずれか1項に記載の放射性汚染水処理装置。
  6. 請求項1からのいずれか1項に記載の放射性汚染水処理装置と、
    前記第1領域に海水を含む放射性汚染水を供給する供給ラインと、
    前記放射性汚染水からナトリウムイオンおよび塩素イオンを低減させた第1処理水を、前記第1領域から排出する第1排出ラインと、
    前記第2領域に貯留される塩基性の第2処理水を、前記第2領域から排出する第2排出ラインと、
    前記第3領域に貯留される酸性の第3処理水を、前記第3領域から排出する第3排出ラインと、を有する放射性汚染水処理システム。
  7. 前記放射性汚染水処理装置を複数有し、
    上流側に配置された第1の前記放射性汚染水処理装置から排出される前記第1処理水を、下流側に配置された第2の前記放射性汚染水処理装置の前記供給ラインから前記第1領域に供給する請求項に記載の放射性汚染水処理システム。
  8. 前記第2処理水と前記第3処理水とを混合する混合部を有する請求項またはに記載の放射性汚染水処理システム。
  9. 前記放射性汚染水処理装置を複数有し、
    上流側に配置された第1の前記放射性汚染水処理装置の前記混合部で混合された混合水を、下流側に配置された第2の前記放射性汚染水処理装置の前記供給ラインから前記第1領域に供給する請求項に記載の放射性汚染水処理システム。
  10. 最下流の前記放射性汚染水処理装置が有する前記混合部に接続され、前記混合部で混合された混合水から放射性物質を除去する除去装置を有する請求項またはに記載の放射性汚染水処理システム。
  11. 最下流の前記放射性汚染水処理装置が有する前記第2排出ラインに接続され、排出される前記第2処理水から放射性物質を除去する除去装置を有する請求項から10のいずれか1項に記載の放射性汚染水処理システム。
  12. 最下流の前記放射性汚染水処理装置が有する前記第3排出ラインに接続され、排出される前記第3処理水から放射性物質を除去する除去装置を有する請求項から11のいずれか1項に記載の放射性汚染水処理システム。
  13. 最下流の前記放射性汚染水処理装置が有する前記第1排出ラインに接続され、排出される前記第1処理水から放射性物質を除去する除去装置を有する請求項から12のいずれか1項に記載の放射性汚染水処理システム。
  14. 大気から取り込まれた空気を送気する第1送気ラインと、
    前記第2領域で発生する水素ガスを送気する第2送気ラインと、を有し、
    前記第2送気ラインは、前記第1送気ラインに接続され、前記水素ガスを前記空気で希釈して前記放射性汚染水処理装置の外に排出する請求項から13のいずれか1項に記載の放射性汚染水処理システム。
  15. 前記陽極として、マンガン系酸化物電極を用い、
    前記第2領域で発生する水素ガスを送気する第2送気ラインと、
    前記第3領域で発生する酸素ガスを送気する第3送気ラインと、
    前記第2送気ラインおよび前記第3送気ラインが接続される触媒部と、を有し、
    前記触媒部は、前記水素ガスと前記酸素ガスとから、燃焼させることなく水を生じさせる反応を触媒する請求項から14のいずれか1項に記載の放射性汚染水処理システム。
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