JP6879700B2 - 摩擦帯電付与部材 - Google Patents

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本発明は、電子写真、静電記録などにおいて静電潜像を現像するために用いられる現像剤(トナー)に対し、キャリアや現像スリーブの如き現像剤担持体、ドクターブレードの如き現像剤層厚規制部材等の摩擦帯電付与部材に関する。
電子写真方式による画像形成プロセスでは、無機または有機材料からなる感光体に静電潜像を形成し、これをトナーにより現像、紙やプラスチックフィルム等に転写、定着して可視潜像を得る。感光体にはその構成により正帯電性と負帯電性があり、露光により印字部を静電荷像として残す場合は逆符号帯電性トナーにより現像する。トナーに電荷を保持させる方法としては、トナー結着樹脂の摩擦帯電性を利用する方法、トナーに電荷制御剤を添加する方法が一般的である。
トナーの結着樹脂の摩擦帯電性を利用してトナーの電荷を保持する方法の場合は、結着樹脂に要求される特性としては十分な摩擦帯電性、定着工程における耐オフセット性及び定着性を同時に満たすことが要求される。しかしながら、一般的に定着性の良い結着樹脂は、摩擦帯電特性が劣る傾向がある。近年、低エネルギーでトナーを定着させる方法として、結着樹脂のガラス転移点(T)や結着樹脂の中の低分子量の樹脂の割合を増やす方法があるが、このような樹脂においても、摩擦帯電性が劣る傾向があった。
一方、電荷制御剤をトナーに添加し、トナーの摩擦帯電性を向上させる方法は、トナー表層に露出した電荷制御剤がトナーから脱落または乖離し、キャリア、ドラム、ブレード、現像スリーブ、その他部材の汚染が生じる。その結果、帯電性が低下し、複写枚数の増加に従い、画像濃度の低下、再現性の低下、カブリ等の問題が生じてくる。
そこで、トナーへの帯電付与を電荷制御剤や結着樹脂だけで解決するのではなく、各種部材とトナーを接触させることにより、摩擦電荷を得る方法が提案されている。主な摩擦帯電部材としては、二成分系現像剤においてはキャリアであり、一成分系現像剤供給部材、撹拌部材、搬送スクリューなどがあげられる。
一成分現像剤に用いられる現像剤層厚規制部材(規制ブレード)は、トナーがブレード間を通過する際にブレードに接触することにより、トナーに摩擦帯電を付与することが知られており、ブレードとしては金属またはウレタン樹脂等のエラストマーが用いられている。正帯電特性のトナーには、主にシリコーン系のエラストマーを、負帯電特性のトナーにはナイロン系のエラストマーをトナーと接触する部材の表層に使用し、トナーに電荷を付与させる方法が知られている。
また、現像スリーブにおいてもその表面にトナーを担持搬送することにより、トナーに摩擦電荷を与えることが知られており、現像スリーブの表層にトナーの摩擦電荷を与えやすい樹脂により被覆する方法も知られている。
上記ブレード類及び現像スリーブの表層は、樹脂で被覆されているが、トナーに摩擦電荷を与えるために、帯電性粒子をブレード等の部材の表層に分散させる方法が提案されている。
二成分系現像剤に用いられる摩擦帯電付与部材であるキャリアにおいては、鉄粉やフェライトが用いられていたが、近年鉄粉やフェライトを芯材として、アクリル樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂等の樹脂で被覆したキャリアが用いられることが多くなっている。これらの樹脂被覆キャリアは、樹脂で被覆されているが、トナーに摩擦電荷を更に与えるために、キャリアの表層に帯電性粒子を分散せせる方法が提案されている。
特許文献1〜2には、前記ブレード、スリーブ、キャリアの表面に帯電性粒子としてフェノキシ酢酸誘導体を分散させた摩擦帯電付与部材が開示されている。しかしながら、前記フェノキシ酢酸誘導体は、高温時に昇華または、分解する傾向があり、摩擦により局所的に高温になるキャリア等の摩擦帯電付与部材として用いるには、耐熱性が要求されていた。また、摩擦帯電付与効果が不十分であり、表面に前記フェノキシ酢酸誘導体を分散させたキャリアでトナーを摩擦帯電させた二成分系のトナーおよび前記フェノキシ酢酸誘導体を表面に分散させたスリーブまたはブレードを用いて摩擦帯電させた一成分系のトナーにおいても、トナーの帯電が不十分という欠点があった。
特開平7−140725号公報 特開2005-215619号公報
本発明は、電子写真、静電記録材等の分野で静電潜像を顕像化するために用いられる画像形成装置に用いられる現像剤(トナー)に対し、摩擦電荷を付与するための摩擦帯電付与部材において、優れた帯電付与効果および耐熱性がある帯電付与部材を提供することである。
本発明は、前記目的を達成するために鋭意研究した結果、電子写真、静電記録材等の分野で静電潜像を顕像化するために用いられる画像形成装置に用いられる現像剤(トナー)に対し摩擦電荷を付与するために、ベンズイミダゾリノン誘導体を含有する摩擦帯電付与部材である。すなわち、本発明は以下のような摩擦帯電付与部材である。
[1]下記一般式(1)で表されるベンズイミダゾリノン化合物を有効成分として含有することを特徴とする摩擦帯電付与部材に関する。
Figure 0006879700
(1)
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし8の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の複素環基または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表すものとする。)
[2]電子写真方式に用いられる摩擦帯電付与部材である。
[3]摩擦帯電付与部材が現像剤担持体であることを特徴とする。
[4]摩擦帯電付与部材がキャリア粒子であることを特徴とする。
[5]摩擦帯電付与部材が現像剤層厚規制部材であることを特徴とする。
本発明の摩擦帯電付与部材は、耐熱性が良好であり、摩擦により局所的に高温になるキャリア等に摩擦帯電付与部材として用いても、十分に耐えることができる。また、本発明の摩擦帯電付与部材は、トナーを帯電させるべく要求される摩擦帯電付与効果についても十分な付与効果を有している。
次に好ましい実施形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
本発明に使用する一般式(1)で表されるベンズイミダゾリノン化合物は、既知の方法によって製造することができる。例えば、相当アミノベンズイミダゾールと相当するイソシアネートとを、縮合することによって、本発明に使用するベンズイミダゾリノン化合物を合成することができる。
一般式(1)中、R1およびR2はそれぞれ独立に、「置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし8の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を表すもの」における「炭素原子数1ないし8の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、2−メチルプロピル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、1,4−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチル−2−メチル−プロピル基、1,1,2−トリメチルプロピル基である。
一般式(1)中、R1およびR2はそれぞれ独立に、「置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし8の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を表すもの」における「置換基」としては、具体的に、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基、炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基で置換されたジアルキルアミノ基、炭素原子数1ないし20の直鎖状もしくは分岐状のアシル基、炭素原子数1ないし20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシカルボニル基、炭素原子数1ないし6のエポキシアルキル基、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フルオレニル基、スチリル基、ピリジル基、ピリドインドリル基、キノリル基、ベンゾチアゾリル基のような基をあげることができ、これらの置換基はさらに置換されていても良い。
一般式(1)中、R1およびR2はそれぞれ独立に、「置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基を表すもの」における「炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」としては、例えば、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロオクチレン基、シクロノニレン基又はシクロデシレン基である。
一般式(1)中、R1およびR2はそれぞれ独立に、「置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基を表すもの」における「置換基」として、具体的には、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基、炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基で置換されたジアルキルアミノ基、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フルオレニル基、スチリル基、ピリジル基、ピリドインドリル基、キノリル基、ベンゾチアゾリル基のような基をあげることができ、これらの置換基はさらに置換されていても良い。
一般式(1)中、R1およびR2はそれぞれ独立に、「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表すもの」における「芳香族炭化水素基」として、例えばフェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオレニル基、インデニル基、ピレニル基のような基をあげることができる。
一般式(1)中、R1およびR2はそれぞれ独立に、「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表すもの」における「置換基」として、具体的には、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基、炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基で置換されたジアルキルアミノ基、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フルオレニル基、スチリル基、ピリジル基、ピリドインドリル基、キノリル基、ベンゾチアゾリル基のような基をあげることができ、これらの置換基はさらに置換されていても良い。
一般式(1)中、R1およびR2はそれぞれ独立に、「置換もしくは無置換の複素環基または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表すもの」における「複素環基」または「縮合多環芳香族基」として、例えば、ピリジル基、トリアジル基、ピリミジル基、フラニル基、ピラニル基、チオフェニル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ナフチリジニル基、フェナントロリニル基、アクリジニル基のような基をあげることができる。
一般式(1)中、R1およびR2はそれぞれ独立に、「置換もしくは無置換の複素環基または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表すもの」における「置換基」として、具体的には、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基、炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基で置換されたジアルキルアミノ基、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フルオレニル基、スチリル基、ピリジル基、ピリドインドリル基、キノリル基、ベンゾチアゾリル基、テノイル基のような基をあげることができ、これらの置換基はさらに置換されていても良い。
本発明に使用する一般式(1)で表されるベンズイミダゾール化合物の中で、好ましい化合物の具体例を以下に示すが、本発明は、これらの化合物に限定されるものではない。
尚、下記構造式では、水素原子は省略して記載している。
Figure 0006879700
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部材に、摩擦帯電付与性を与えるために用いる摩擦帯電付与剤は、一般式(1)で表されるベンズイミダゾリノン化合物を有効成分とするものであり、好ましくは上記例示化合物2〜10を有効成分とするものである。
部材に摩擦帯電付与性を与えるために用いる摩擦帯電付与剤は、一般式(1)で表されるベンズイミダゾリノン化合物を有効成分とするものであり、前記一般式(1)で表される化合物を1種または2種以上併用してもよい。摩擦帯電付与性を与えるベンズイミダゾリノン化合物の融点が300℃以上であるため、従来のフェノキシ酢酸化合物と比べて耐熱性が良い。摩擦帯電付与部材に用いた場合に、摩擦による局部的な発熱に対しても化合物が安定であり、また帯電付与効果においても優れている。
また、本発明で使用するベンズイミダゾリノン化合物は、未反応の原料として少量のアミノベンズイミダゾリノンまたはイソシアネート等の物質または水分を含むことを必ずしも排除するものではない。
前記一般式(1)で表される化合物を部材の表面に含有させる方法については、特に限定されない。例えば、摩擦帯電付与部材の基材に、一般式(1)で表されるベンズイミダゾリノン化合物を含有する塗布液を、ディッピング法、スプレー法、コーティング法などの方法で塗布し乾燥させれば、本発明の摩擦帯電付与部材が得られる。
一般式(1)で表されるベンズイミダゾリノン化合物を含有する塗布液を調整する際に使用する溶剤としては、トルエン系、キシレン系、アルコール系、エステル系、エーテル系、グリコールエーテル系、ケトン系、炭化水素類(脂肪族)、炭化水素類(芳香族)、などが挙げられる。更に具体的に例を挙げると、エステル系には酢酸エチル、酢酸ブチルなどがあり、ケトン系にはアセトン、メチルエチルケトンなどがあり、アルコール系にはエタノール、メタノール、ブタノール、イソプロピルアルコールなどがあり、炭化水素類(脂肪族)にはミネラルスピリット、炭化水素類(芳香族)にはトルエン、キシレンなどがある。
または、一般式(1)で表されるベンズイミダゾリノン化合物を樹脂に分散させ、摩擦帯電付与部材の基材に公知の方法で被覆させる方法等があげられる。
さらに、成形可能な樹脂中に、一般式(1)で表されるベンズイミダゾリノン化合物を公知の方法で分散含有させた後、スリーブ、ドクターブレード等に成形することにより製造することもできる。
前記記載の被覆させるために使用する樹脂またはスリーブ等の摩擦帯電付与部材の基材として成形可能な樹脂としては、一般に公知の樹脂が使用可能である。例えば、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンオキサイド系樹脂、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂、アルキレッド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂、または光硬化性樹脂等を使用することができる。
一般式(1)で表されるベンズイミダゾリノン化合物を樹脂に分散させる割合は、樹脂100質量部に対して、1〜80質量部が好ましい、1〜20質量部がより好ましい、1〜5質量部が特に好ましい。1質量部未満では添加による帯電付与性の向上が見られにくく、80質量部を超えると被膜強度が低下する傾向にある。
本発明において、上記摩擦帯電付与剤は体積平均粒径を0.1〜20μmの範囲内に調整して用いるのが好ましく、0.1〜10μmの範囲内に調整して用いるのが特に好ましい。前記体積平均粒径が0.1μmより小さいと、部材表面に出現する帯電付与剤が極めて少なくなり目的の電荷制御効果が得られなくなり、また20μmより大きいと、部材から欠落する帯電付与剤が増加し、機内汚染などの悪影響が出るため好ましくない。
一般式(1)で表されるベンズイミダゾリノン化合物を樹脂に均一分散させるには、摩擦帯電付与剤の粒度分布はシャープであることは好適である。つまり、摩擦帯電付与剤の大きさを揃えながら上記の体積平均粒径まで調整することが好ましい。具体的に粒度分布におけるD90/D10が4.0以下であることは好ましい。なお、D10、D90はそれぞれ、粒子径の分布を測定することによって得られる値である。D10とは体積基準での10%積算粒径、D90とは体積基準での90%積算粒径であることを意味する。これらの値は、上記体積平均粒径と同様の方法(レーザー回折/散乱式粒度分布測定)によって測定された値である。上記D90/D10は、3.5以下であることがより好ましい。
本発明に使用するキャリア用の芯材は、特に限定はなく、例えば、(1)マグネタイト、マグヘマイト、フェライトの如き磁性酸化鉄、および他の金属酸化物を含む酸化鉄。または、(2)鉄、コバルト、ニッケルのような金属、あるいは、これらの眷属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属との合金。(3)およびこれらの混合物等が用いられる。(4)さらには、ガラス、炭化ケイ素などンセラミック粒子、樹脂紛体、磁性体を含有する樹脂紛体などがあげられる。
磁性酸化鉄として具体的に例示すると、四三酸化鉄(Fe3O4)、三二酸化鉄(γ−Fe2O3)、酸化鉄亜鉛(ZnFe2O4)、酸化鉄イットリウム(Y3Fe5O12)、酸化鉄カドミウム(CdFe2O4)、酸化鉄ガドニウム(Gd3Fe2O4)、酸化鉄銅(CuFe2O4)、酸化鉄鉛(PbFe2O4)、酸化鉄ニッケル(NiFe2O4)、酸化鉄ネオジム(NdFe2O4)、酸化鉄バリウム(BaFe2O4)、酸化鉄マグネシウム(MgFe2O4)、酸化鉄マンガン(MnFe2O4)、酸化鉄ランタン(LaFe2O4)等が挙げられる。
また、異種元素を含有するマグネタイト、マグヘマイト、フェライト等の生磁性酸化鉄およびその混合物も使用できる。例示すると、異種元素としては、リチウム、ベリリウム、ボロン、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、ゲルマニウム、ジルコニウム、スズ、イオウ、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム等が挙げられる。具体的には、マンガン−亜鉛系フェライト、ニッケル−亜鉛系フェライト、マンガン−マグネシウム系フェライトおよびリチウム系フェライト、銅−亜鉛系フェライト等が挙げられる。
異種元素としては、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、ジルコニウムが好ましく、これらは、酸化鉄結晶格子の中に取り込まれていても良いし、酸化物として酸化鉄中に取り込まれていても良いし、表面に酸化物あるいは水酸化物として存在していても良い。
本発明に使用できる現像層厚規制部材の基材は、特に制限はなく、例えば、鉄、ステンレス、ニッケル、アルミニウムなどン金属あるいは合金、およびセラミックス、プラスチックス、ゴムなどの非金属材料などを用い、これらの材料を板状に加工して用いる場合が多いが、ロール形状としても良い。また、金属の基材にゴム板を貼り付けて用いたり、金属の弾性板スリーブと接触する部分にエラストマー材を貼り付けて用いたりもできる。
以下、実施例をもって本発明を説明するが、これらは本発明をなんら制限するものではない。実施例において、「部」は全て「質量部」を表す。
本発明に用いられる一般式(1)で表されるベンズイミダゾリノン化合物の精製はカラムクロマトグラフによる精製、シリカゲル、活性炭、活性白土などによる吸着精製、溶媒による再結晶や晶析法などによって行った。化合物の同定は、NMR分析によって行なった。
[合成例1(例示化合物No.3の合成)]
窒素置換した反応容器に、6.26部の2−アミノ−5−ベンズイミダゾリノン、5.33部の4−メチルフェニルイソシアネート、189部のDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)を加え、撹拌した。攪拌しながら、30℃で4時間、70℃で3時間反応させた。室温まで冷却し、析出した結晶をろ過によって採取した後、メタノールで洗浄を行って、類白色結晶11.0部(収率97%)を得た。
得られた類白色結晶についてNMRを使用して構造を同定した。1H−NMR(DMSO−d)の測定結果は、2.23ppm(3H)、6.79ppm(2H)、7.07ppm(2H)、7.32ppm(3H)、8.45ppm(2H)、10.42ppm(1H)、10.52ppm(1H)であり、得られた類白色結晶は例示化合物No.3であった。
[合成例2(例示化合物No.4の合成)]
窒素置換した反応容器に、2−アミノ−5−ベンズイミダゾリノン 6.26部、シクロヘキシルイソシアネート 5.01部、DMF 189部を加え、撹拌した。攪拌しながら、30℃で3.5時間、70℃で4時間反応させた。室温まで冷却し、析出した結晶をろ過によって採取した後、メタノールで洗浄を行って、白色結晶10.7部(収率98%)を得た。
得られた白色結晶についてNMRを使用して構造を同定した。1H−NMR(DMSO−d)の測定結果は、1.16ppm(3H)、1.30ppm(2H)、1.53ppm(1H)、1.65ppm(2H)、1.79ppm(2H)、3.44ppm(1H)、5.91ppm(1H)、6.66−6.71ppm(1H)、6.75ppm(1H)、7.27ppm(1H)、8.10ppm(1H)、10.33ppm(1H)、10.42ppm(1H)であり、得られた白色結晶は例示化合物No.4であった。
[合成例3(例示化合物No.5の合成)]
窒素置換した反応容器に、2−アミノ−5−ベンズイミダゾリノン 6.26部、トリレン−2,4−ジイソシアネート 3.48部、DMF 189部を加え、撹拌した。攪拌しながら、30℃で4時間、70℃で3.5時間反応させた。室温まで冷却し、析出した結晶をろ過によって採取した後、メタノールで洗浄を行って、薄紫色結晶5.1部(収率54%)を得た。
得られた薄紫結晶についてNMRを使用して構造を同定した。1H−NMR(DMSO−d)の測定結果は、2.18ppm(3H)、6.82ppm(4H)、7.04ppm(1H)、7.17ppm(1H)、7.35ppm(1H)、7.40ppm(1H)、7.78ppm(1H)、7.96ppm(1H)、8.36ppm(1H)、8.53ppm(1H)、8.91ppm(1H)、10.44ppm(2H)、10.55ppm(2H)であり、得られた薄紫結晶は例示化合物No.5であった。
[帯電付与部材の帯電量測定]
[実施例1]
合成例1で得られた化合物を、シリコンコート系のフェライトキャリア(パウダーテック株式会社製、F96−150)100部に対して0.5部の割合で混合して振とうし、合成例1で得られた化合物(例示化合物No.3)を帯電させる。を帯電させた後、ブローオフ帯電量測定機(東芝ケミカル社製、TB−200型)を用いて、温度25℃、湿度50%の雰囲気下(NN環境下)における飽和帯電量の測定を行った。また、ノンコートキャリア((パウダーテック株式会社製、F−150)についても同様の測定を行った。帯電量測定結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1の合成例1で得られた化合物を、合成例2で得られた化合物に変更した以外は同様の測定を行った。帯電量測定結果を表1に示す。
Figure 0006879700
[実施例3]
[ポリエステル樹脂トナーの作製及び帯電量の測定]
[母体トナーの製造:粉砕法]
スチレン−アクリレート系共重合体樹脂(三井化学株式会社製、CPR−100)95部と、カーボンブラック(三菱化学株式会社製、MA−100)5部とを、110℃の加熱混合装置によって溶融混合した。得られた混合物を室温まで冷却した後、ハンマーミルを用いて粗粉砕した。さらに、ジェットミルで微粉砕した後、分級し、レーザー回析・散乱法測定(マイクロトラック粒度分布測定装置)で測定した体積基準の平均粒径が10±0.5μmの母体粉砕トナーを得た。
[電荷付与部材外添型トナーの製造]
前記記載の母体トナー100部にたいして合成実施例1で得られた化合部0.5部をビーカー中で混合した。混合したサンプルを、ポットミル(協立理工社製SK-M10型)に投入し、メモリ70で、1秒(時間)×20回(回数)で間欠運転させて、電荷付与部材外添型トナーを製造した。
[帯電量の測定]
前記で得られた電荷付与部材外添型トナーを、シリコンコート系のフェライトキャリア(パウダーテック株式会社製、F96−150)100部に対して4部の割合で混合して振とうし、トナーを帯電させた後、ブローオフ帯電量測定機(東芝ケミカル社製、TB−200型)を用いて、温度25℃、湿度50%の雰囲気下(NN環境下)における飽和帯電量の測定を行った。帯電量測定結果を表2に示す。
[比較例1]
実施例3に合成例1で得られた化合物を使用しない以外は、同様の測定を行った。帯電量測定結果を表2に示す。
Figure 0006879700
表2の摩擦帯電評価の結果から、合成したベンズイミダゾリノン化合物によりトナーの摩擦帯電付与効果は高いポジ帯電性を示した。ポリエステル樹脂に外添してトナー評価した結果、ネガ性の樹脂をポジ帯電へと制御することができた。また、ベンズイミダゾリノン化合物は300℃以上の高い融点を有しており、耐熱性にも優れている。よって、本発明に用いられる一般式(1)で表されるベンズイミダゾリノン化合物は摩擦帯電付与剤として摩擦帯電付与部材に確実に有用である。
本発明に係る一般式(1)で表されるベンズイミダゾリノン化合物を含有する摩擦帯電付与部材は、耐熱性が良好であり、摩擦により局所的に高温になるキャリア等に摩擦帯電付与部材として用いても、十分に耐えることができる。また、本発明の摩擦帯電付与部材は、トナーを帯電させるべく要求される摩擦帯電付与効果についても十分な付与効果を有している。従って、電子写真、静電記録材等の分野で静電潜像を顕像化するために用いられる画像形成装置に用いられる現像剤(トナー)に対し、摩擦電荷を付与するための摩擦帯電付与部材として好適である。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表されるベンズイミダゾリノン化合物を有効成分として含有することを特徴とする摩擦帯電付与部材。
    Figure 0006879700
    (式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、
    は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし8の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を表すものとする。)
  2. 電子写真方式に用いられる請求項1に記載の摩擦帯電付与部材。
  3. 前記摩擦帯電付与部材が現像剤担持体であることを特徴とする請求項2に記載の摩擦帯電付与部材。
  4. 前記摩擦帯電付与部材がキャリア粒子であることを特徴とする請求項2に記載の摩擦帯電付与部材。
  5. 前記摩擦帯電付与部材が現像剤層厚規制部材であることを特徴とする請求項2に記載の摩
    擦帯電付与部材。
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