以下、本発明を、図1乃至図6に示された一実施の形態に基いて詳細に説明する。
図6は、油圧ショベル型の作業機械10を示す。この作業機械10は、機体11と、キャブ12と、作業装置13とを備えている。
機体11は、下部走行体15と、この下部走行体15上に旋回可能に設けられた上部旋回体16とを備えている。また、この機体11は、下部走行体15を駆動する走行モータ17を備えている。さらに、この機体11は、上部旋回体16を駆動する旋回モータ18を備えている。
キャブ12および作業装置13は、それぞれ機体11(上部旋回体16)に搭載される。作業装置13は、ブーム21と、スティックであるアーム22と、バケット23とをそれぞれ備えている。また、作業装置13は、ブームシリンダ25と、スティックシリンダであるアームシリンダ26と、バケットシリンダ27とを備えている。
ブーム21は、上部旋回体16に基端が上下方向回動自在に軸支されている。アーム22は、ブーム21の先端に回動自在に軸支されている。バケット23は、アーム22の先端に回動可能に軸支されている。そして、ブーム21は、ブームシリンダ25によって回動され、アーム22は、アームシリンダ26により回動され、バケット23は、バケットシリンダ27により回動される。
そして、この図6に示された作業機械10に、図1に示された作業機械10の油圧システムが搭載されている。作動流体は作動油とする。
機体11(図6)に搭載された可変容量型の流体圧ポンプである(第1および第2の)メインポンプ31,32は、機体11(図6)に搭載されたエンジン33により駆動される。これらメインポンプ31,32の吐出ラインL1,L2が、これらメインポンプ31,32から吐出された作動油を分配制御するコントロールバルブ34に接続され、このコントロールバルブ34を構成する複数のアクチュエータ制御用スプールにより方向制御および流量制御される作動油のそれぞれの出力通路が、左右の走行モータ17,17、旋回モータ18、ブームシリンダ25、アームシリンダ26、および、バケットシリンダ27などの各油圧アクチュエータに接続されている。
コントロールバルブ34内のセンタバイパス通路35には、ネガティブフローコントロール圧(以下、ネガコン圧という)を取り出すための(第1および第2の)リリーフ弁36L,36Rおよびネガティブフローコントロール圧通路すなわち(第1および第2の)ネガコン圧通路37L,37Rが設けられている。このセンタバイパス通路35は、タンクTと接続されている。また、メインポンプ31,32は、ネガコン圧通路37L,37Rにより導出されたネガコン圧と(第1および第2の)電磁比例弁38L,38Rの二次圧とのいずれか高圧により制御される(第1および第2の)容量可変手段31a,32aを備えている。すなわち、ネガコン圧通路37L,37Rと電磁比例弁38L,38Rの二次側とは、(第1および第2の)シャトル弁39L,39Rと接続されている。これらシャトル弁39L,39Rにより、コントロールバルブ34のネガコン圧と電磁比例弁38L,38Rの二次圧との高圧が選択され、容量可変手段31a,32aに入力されるようになっている。そして、コントロールバルブ34の各アクチュエータ制御用スプールがアクチュエータを停止させる中立位置に近いほどネガコン圧が大きくなり、容量可変手段31a,32aがメインポンプ31,32の吐出流量を少なくするように制御する。また、電磁比例弁38L,38Rの二次圧が大きいほど、容量可変手段31a,32aがメインポンプ31,32の吐出流量を少なくするように制御する。
また、メインポンプ32には、パイロットポンプ41が接続され、このパイロットポンプ41の吐出口が、バルブブロック42に接続され、このバルブブロック42を介して、パイロットポンプ41から供給される圧油がリモコン弁や電磁比例弁に供給される。
そして、コントロールバルブ34には、アクチュエータ制御用スプールとして、ブームシリンダ25用の(第1および第2の)ブーム流量制御弁45,46、アームシリンダ26用の(第1および第2の)スティック流量制御弁であるアーム流量制御弁47,48、旋回モータ18用の旋回流量制御弁49などが配置されている。なお、走行モータ用の左右の走行流量制御弁や、バケットシリンダ用のバケット流量制御弁については、説明を明確にするために図示を省略する。また、このコントロールバルブ34には、ブーム下げ操作時にブームシリンダ25のボトム室25bの圧油をロッド室25rに再生して作業装置13(図6)が有するエネルギを回生するためのブーム再生弁51が配置されている。さらに、上記油圧システムには、ブーム下げ操作とアームアウト操作の複合時にブームシリンダ25のボトム室25bの戻り油の一部をアームシリンダ26に再生して作業装置13(図6)が有するエネルギを回生するための回生制御弁52が配置されている。また、このコントロールバルブ34には、アーム操作と旋回操作の複合時にアーム流量制御弁47、すなわちアームシリンダ26に供給される作動流体量を制限するための旋回優先弁53が配置されている。そして、例えばブーム流量制御弁46、アーム流量制御弁47、旋回流量制御弁49、左側の走行流量制御弁などがメインポンプ31の吐出ラインL1と接続されてこのメインポンプ31から作動油の供給を受け、ブーム流量制御弁45、アーム流量制御弁48、バケット流量制御弁、右側の走行流量制御弁などがメインポンプ32の吐出ラインL2と接続されてこのメインポンプ32から作動油の供給を受けるようになっている。
ブーム流量制御弁45は、出力通路55,56を介してブームシリンダ25のボトム室25bおよびロッド室25rと接続されている。また、ブーム流量制御弁46は、出力通路55と接続される出力通路58を介してブームシリンダ25のボトム室25bと接続されている。このブーム流量制御弁46は、ブームシリンダ25のボトム室25bからの戻り油をタンクTに導く流量制御弁(リターン流量制御弁)である。さらに、ブーム流量制御弁46は、電磁比例弁59によりブーム下げ動作が制御される。
アーム流量制御弁47は、出力通路61,62を介してアームシリンダ26のボトム室26bおよびロッド室26rと接続されている。また、アーム流量制御弁48は、出力通路61,62と接続される出力通路63,64を介してアームシリンダ26のボトム室26bおよびロッド室26rと接続されている。
旋回流量制御弁49は、出力通路66,67を介して旋回モータ18に接続されている。
ブーム再生弁51は、出力通路55と接続されているとともに、出力通路56に対して逆止弁68を介して接続されている。すなわち、このブーム再生弁51は、出力通路55,56間に接続されている。また、このブーム再生弁51は、電磁比例弁69により動作が制御される。
回生制御弁52は、例えばコントロールバルブ34とは別ブロックで構成されている。この回生制御弁52は、出力通路55から分岐される分岐通路71と接続されているとともに、メインポンプ32の吐出ラインL2(センタバイパス通路35)に対して逆止弁72を介して接続されている。すなわち、この回生制御弁52は、出力通路55と吐出ラインL2との間に接続されている。換言すれば、この回生制御弁52により、ブームシリンダ25のボトム室25bからの作動油がセンタバイパス通路35から分岐されたアーム流量制御弁48の上流側に合流されるようになっている。また、この回生制御弁52は、電磁比例弁73により動作が制御される。
旋回優先弁53は、メインポンプ31の吐出ラインL1から分岐される分岐通路75と接続されているとともに、通路76を介してアーム流量制御弁47と接続されている。この通路76には、センタバイパス通路35が逆止弁77を介して接続されている。また、この旋回優先弁53は、電磁比例弁78により動作が制御される。
また、図6に示された下部走行体15による走行、上部旋回体16の旋回、ブーム21、アーム22、バケット23の回動は、それぞれキャブ12内に着座したオペレータによるレバーやペダルなどの操作体の操作に応じて制御される。例えば、本実施の形態では、操作体として、図1に示されるように、ブーム用操作体としてのブームリモコン弁81、スティック用操作体(アーム用操作体)としてのアームリモコン弁82、および、旋回用操作体としての旋回リモコン弁83などが備えられている。なお、走行を操作する走行用操作体、および、バケット23の回動を操作するバケット用操作体などは、説明を明確にするために図示を省略する。
ブームリモコン弁81は、ブーム上げ・下げ操作のうち、少なくともブーム下げ操作が可能となっている。本実施の形態において、ブームリモコン弁81は、ブーム流量制御弁45のブーム下げ操作をパイロット圧により制御するとともに、ブーム流量制御弁46のブーム下げ操作を、電磁比例弁59を介して制御する。さらに、ブームリモコン弁81によるブーム下げ操作量は、ブーム下げ操作量検出手段としての圧力センサ85によりブームリモコン弁81のブーム下げパイロット圧を検出することで検出される。
アームリモコン弁82は、スティックイン・アウト操作、すなわちアームイン・アウト操作のうち、少なくともアームアウト操作が可能となっている。本実施の形態において、アームリモコン弁82は、アーム流量制御弁47,48のアームアウト操作をパイロット圧によりそれぞれ制御する。さらに、アームリモコン弁82によるアームアウト操作量は、スティックアウト操作量検出手段(アームアウト操作量検出手段)としての圧力センサ86によりスティックアウトパイロット圧であるアームアウトパイロット圧を検出することで検出される。
旋回リモコン弁83は、旋回操作が可能となっている。本実施の形態において、旋回リモコン弁83は、旋回流量制御弁49の操作をパイロット圧により制御する。さらに、旋回リモコン弁83には、左右旋回パイロット圧の高圧を選択するシャトル弁87が接続されている。そして、この旋回リモコン弁83による旋回操作量は、旋回操作量検出手段としての圧力センサ88によりシャトル弁87から出力される旋回パイロット圧を検出することで検出される。また、ブームシリンダ25のボトム室圧、すなわちブームボトム室圧は、ボトム室圧検出手段としての圧力センサ89により検出される。
そして、圧力センサ85,86,88,89は、コントローラ91に接続される。すなわち、図1および図2に示されるように、このコントローラ91には、各圧力センサ85,86,88,89からの検出信号が入力される。
また、このコントローラ91からは、各種電磁比例弁などに対して動作制御信号が出力される。例えば、本実施の形態において、このコントローラ91からは、メインポンプ31,32の電磁比例弁38L,38R、ブーム再生弁51の制御用の電磁比例弁69、回生制御弁52の制御用の電磁比例弁73、ブーム流量制御弁46の電磁比例弁59、旋回優先弁53の電磁比例弁78の各動作制御信号が出力される。すなわち、このコントローラ91は、圧力センサ85,86,88,89の検出がそれぞれ入力され、これら入力された検出に基づき図1に示されたメインポンプ31,32、ブーム再生弁51、回生制御弁52、および、ブーム流量制御弁46のそれぞれの動作制御信号を出力する。
次に、コントローラ91の構成について説明する。
コントローラ91には、第1乃至第3の制御部93〜95が設定されている。
図1乃至図3に示された第1の制御部93は、回生制御弁52と、旋回優先弁53とを制御するものである。この第1の制御部93には、圧力センサ85、圧力センサ86、および、圧力センサ88の検出結果が入力され、制御演算によって、回生制御弁52の制御用の動作制御信号、および、旋回優先弁53の制御用の動作制御信号がそれぞれ個別に出力される。
より詳細に、この第1の制御部93は、圧力センサ88の検出信号である旋回パイロット圧Pswに基づき旋回優先弁53の動作制御信号(パイロット圧)を設定する旋回優先弁パイロット圧テーブルT1(以下、単にテーブルT1という)を備えている。また、この第1の制御部93は、圧力センサ85の検出信号であるブーム下げパイロット圧Pbdに基づき回生制御弁52の開度、すなわち開口面積を設定する回生制御弁開口面積テーブルT2(以下、単にテーブルT2という)を備えている。さらに、この第1の制御部93は、圧力センサ86の検出信号であるアームアウトパイロット圧Paoに基づき回生制御弁52の開口面積を調整するための補償ゲイン(例えば0〜1.0)を設定する回生制御弁補償ゲインテーブルT3(以下、単にテーブルT3という)を備えている。また、この第1の制御部93は、テーブルT2で設定された開口面積と、テーブルT3で設定される補償ゲインとを掛け合わせる乗算器101を備えている。すなわち、ブーム下げ操作量に応じて設定される回生制御弁52の開口面積は、アームアウト操作量に応じて、本実施の形態ではアームアウト操作量が大きいほど大きくなるように重み付けされる。さらに、この第1の制御部93は、乗算器101で求められた回生制御弁52の開口面積に基づき旋回優先弁53の制御用の電磁比例弁78の動作制御信号(パイロット圧)を調整するための補償ゲイン(例えば0〜1.0)を設定する旋回優先弁補償ゲインテーブルT4(以下、単にテーブルT4という)を備えている。また、この第1の制御部93は、テーブルT1で設定される動作制御信号(パイロット圧)とテーブルT4で設定される補償ゲインとを掛け合わせて旋回優先弁53の制御用の電磁比例弁78の動作制御信号を出力する乗算器102を備えている。すなわち、旋回操作量に応じて設定される旋回優先弁53の開度、すなわち開口面積は、アームアウト操作量に応じて重み付けされたブーム下げ操作量に応じた回生制御弁52の開口面積に応じて、本実施の形態では回生制御弁52の開口面積が大きいほど小さくなるように重み付けされる。そして、この第1の制御部93は、乗算器101で求められた回生制御弁52の開口面積をこの回生制御弁52の制御用の電磁比例弁73の動作制御信号(パイロット圧)に変換するための回生制御弁パイロット圧テーブルT5(以下、単にテーブルT5という)を備えている。
また、図1、図2、および、図4に示された第2の制御部94は、ブーム流量制御弁46とブーム再生弁51とを制御するものである。この第2の制御部94には、圧力センサ85、および、圧力センサ86の検出結果が入力され、制御演算によって、ブーム流量制御弁46の制御用の電磁比例弁59の動作制御信号、および、ブーム再生弁51の制御用の電磁比例弁69の動作制御信号がそれぞれ出力される。
この第2の制御部94は、圧力センサ85の検出信号であるブーム下げパイロット圧Pbdに基づきブーム流量制御弁46の開度、すなわち開口面積を設定するブーム流量制御弁開口面積テーブルT6(以下、単にテーブルT6という)を備えている。また、この第2の制御部94は、圧力センサ85の検出信号であるブーム下げパイロット圧Pbdに基づきブーム再生弁51の開度、すなわち開口面積を設定するブーム再生弁開口面積テーブルT7(以下、単にテーブルT7という)を備えている。さらに、この第2の制御部94は、圧力センサ86の検出信号であるアームアウトパイロット圧Paoに基づきブーム流量制御弁46の開口面積を調整するめの補償ゲインを設定するブーム流量制御弁補償ゲインテーブルT8(以下、単にテーブルT8という)を備えている。また、この第2の制御部94は、圧力センサ86の検出信号であるアームアウトパイロット圧Paoに基づきブーム再生弁51の開口面積を調整するための補償ゲインを設定するブーム再生弁補償ゲインテーブルT9(以下、単にテーブルT9という)を備えている。さらに、この第2の制御部94は、テーブルT6で設定された開口面積とテーブルT8で設定された補償ゲインとを掛け合わせる乗算器104を備えている。すなわち、ブーム下げ操作量に応じて設定されるブーム流量制御弁46の開口面積は、アームアウト操作量に応じて、本実施の形態ではアームアウト操作量が大きいほど小さくなるように重み付けされる。また、この第2の制御部94は、テーブルT7で設定された開口面積とテーブルT9で設定された補償ゲインとを掛け合わせる乗算器105を備えている。すなわち、ブーム下げ操作量に応じて設定されるブーム再生弁51の開口面積は、アームアウト操作量に応じて、本実施の形態ではアームアウト操作量が大きいほど大きくなるように重み付けされる。さらに、この第2の制御部94は、乗算器104で求められたブーム流量制御弁46の開口面積をこのブーム流量制御弁46の制御用の電磁比例弁59の動作制御信号(パイロット圧)に変換するブーム流量制御弁パイロット圧テーブルT10(以下、単にテーブルT10という)を備えている。そして、この第2の制御部94は、乗算器105で求められたブーム再生弁51の開口面積をこのブーム再生弁51の制御用の電磁比例弁69の動作制御信号(パイロット圧)に変換するブーム再生弁パイロット圧テーブルT11(以下、単にテーブルT11という)を備えている。
また、図1、図2、および、図5に示された第3の制御部95は、メインポンプ31,32を制御するものである。この第3の制御部95には、圧力センサ85,86,88,89の検出結果が入力され、制御演算によって、メインポンプ31,32の制御用の電磁比例弁38L,38Rの動作制御信号がそれぞれ出力される。
この第3の制御部95は、圧力センサ85の検出信号であるブーム下げパイロット圧Pbdに基づきブーム下げのポンプ流量を設定するブーム下げポンプ要求容量テーブルT12(以下、単にテーブルT12という)を備えている。また、この第3の制御部95は、圧力センサ86の検出信号であるアームアウトパイロット圧Paoに基づきアーム流量制御弁47に供給するポンプ流量を設定する第1のアームポンプ要求容量テーブルT13(以下、単にテーブルT13という)を備えている。さらに、この第3の制御部95は、圧力センサ86の検出信号であるアームアウトパイロット圧Paoに基づきアーム流量制御弁48に供給するポンプ流量を設定する第2のアームポンプ要求容量テーブルT14(以下、単にテーブルT14という)を備えている。また、この第3の制御部95は、圧力センサ88の検出信号である旋回パイロット圧Pswに基づき旋回流量制御弁49に供給するポンプ流量を設定する旋回ポンプ要求容量テーブルT15(以下、単にテーブルT15という)を備えている。さらに、この第3の制御部95は、圧力センサ89の検出信号であるブームボトム室圧Pbbに基づきメインポンプ31,32の流量を制御するための補償ゲイン(例えば0〜1.0)を設定するポンプ流量補償ゲインテーブルT16(以下、単にテーブルT16という)を備えている。また、この第3の制御部95は、圧力センサ85の検出信号であるブーム下げパイロット圧Pbdに基づきアーム流量制御弁47に供給されるポンプ流量を調整する補償ゲイン(例えば0〜1.0)を設定する第1のアームポンプ流量補償ゲインテーブルT17(以下、単にテーブルT17という)を備えている。さらに、この第3の制御部95は、圧力センサ85の検出信号であるブーム下げパイロット圧Pbdに基づきアーム流量制御弁48に供給されるポンプ流量を調整する補償ゲイン(例えば0〜1.0)を設定する第2のアームポンプ流量補償ゲインテーブルT18(以下、単にテーブルT18という)を備えている。
また、この第3の制御部95は、テーブルT12で設定されるポンプ容量とテーブルT16で設定される補償ゲインとを掛け合わせる乗算器107を備えている。さらに、この第3の制御部95は、テーブルT16で設定される補償ゲインとテーブルT18で設定される補償ゲインとを比較して、大きい補償ゲインを選択する最大値選択器108を備えている。また、この第3の制御部95は、テーブルT14で設定されるポンプ容量と最大値選択器108で設定される補償ゲインとを掛け合わせる乗算器109を備えている。さらに、この第3の制御部95は、テーブルT16で設定される補償ゲインとテーブルT17で設定される補償ゲインとを比較して、大きい補償ゲインを選択する最大値選択器111を備えている。また、この第3の制御部95は、テーブルT13で設定されるポンプ容量と最大値選択器111で設定される補償ゲインとを掛け合わせる乗算器112を備えている。さらに、この第3の制御部95は、乗算器107で求められたブーム下げポンプ容量と乗算器109で求められたアーム流量制御弁48のポンプ容量とを比較して大きい値を選択する最大値選択器114を備えている。また、この第3の制御部95は、乗算器112で求められたアーム流量制御弁47のポンプ容量とテーブルT15で設定される旋回のポンプ容量とを比較して大きい値を選択する最大値選択器115を備えている。そして、この第3の制御部95は、最大値選択器114,115で求められたポンプ容量をメインポンプ32,31のネガコン圧を制御する電磁比例弁38R,38Lの動作制御信号にそれぞれ変換する(第1および第2の)ネガコン圧変換テーブルT19,T20(以下、単にテーブルT19,T20という)を備えている。
次に、図示された実施の形態の動作について説明する。
(I)ブーム下げ単独操作
図1、図2、および、図4に示された第2の制御部94において、圧力センサ85から入力されたブーム下げパイロット圧Pbdに基づきテーブルT6の特性に応じてブーム流量制御弁46の開口面積が設定される。同様に、圧力センサ85から入力されたブーム下げパイロット圧Pbdに基づきテーブルT7の特性に応じてブーム再生弁51の開口面積が設定される。
このとき、アームアウト操作をしていないので、圧力センサ86から入力されるアームアウトパイロット圧Paoは0となり、テーブルT8,T9の特性により、このアームアウトパイロット圧Paoに基づきテーブルT8,T9の特性に応じて設定される補償ゲインは、それぞれ1.0となる。
したがって、テーブルT6,T7の特性に応じて設定されたブーム流量制御弁46の開口面積およびブーム再生弁51の開口面積が乗算器104,105からそのまま出力され、テーブルT10を介して生成された動作制御信号によりブーム流量制御弁46の制御用の電磁比例弁59が制御され、またテーブルT11を介して生成された動作制御信号によりブーム再生弁51の制御用の電磁比例弁69が制御される。
このようなブーム下げ単独操作において、ブームシリンダ25のロッド室圧が上昇すると、ブームシリンダ25のロッド室25rに作動油を供給するメインポンプ32の圧力が上昇して無駄なエネルギを消費することになる。そこで、本実施の形態において、ブーム下げ単独操作では、ブーム再生弁51の開口面積を絞り、ブームシリンダ25のボトム室25bからの戻り油をタンクTに逃がすブーム流量制御弁46(ブーム下げ位置46a)のリターン開口面積を広げて、ブームシリンダ25のロッド室圧の上昇を抑制するように、すなわちロッド室圧が低くなるように、テーブルT6,T7の開口特性を設定する。すなわち、コントローラ91は、ブーム下げ操作単独時に、ブームシリンダ25のロッド室圧の上昇を抑制してブームシリンダ25のボトム室25bからロッド室25rに作動油を再生するようブーム再生弁51とブーム流量制御弁46とをそれぞれ個別に動作させる動作制御信号を出力する。
この結果、ブーム流量制御弁45は、ブーム下げ操作量に応じてブーム下げ位置45a側に制御され、ブーム流量制御弁46は、ブーム下げ操作量に応じて電磁比例弁59によりブーム下げ位置46a側に制御され、ブーム再生弁51は、ブーム下げ操作量に応じて電磁比例弁69によりブームシリンダ25のボトム室25bからロッド室25rへの再生流量を絞る位置に制御される。
また、図1、図2、および、図5に示された第3の制御部95において、圧力センサ85から入力されたブーム下げパイロット圧Pbdに基づき、テーブルT12の特性に応じてポンプ容量が設定される。また、圧力センサ89から入力されたブームボトム室圧Pbbに基づき、テーブルT16の特性に応じて補償ゲインが設定され、この補償ゲインが乗算器107でテーブルT12から出力されるポンプ容量と掛け合わされる。乗算器107で求められたポンプ容量は、最大値選択器114を介してテーブルT19に入力され、メインポンプ32の制御用の電磁比例弁38Rによりメインポンプ32のネガコン圧が設定される。
例えば、バケット23(作業装置13)が空中にある場合は、ブームボトム室圧Pbbが相対的に大きいため、テーブルT16の特性により、相対的に小さい補償ゲイン(1.0より小さい値)が設定される。したがって、メインポンプ32から供給される流量が抑制された状態で、ブームシリンダ25のボトム室25bからの戻り油は、開口面積が絞られたブーム再生弁51からブームシリンダ25のロッド室25rに再生されながら、ブーム流量制御弁46のリターン開口(ブーム下げ位置46a)からタンクTに流れる。すなわち、ブームシリンダ25のロッド室25rに供給される作動油は、ボトム室25bからの作動油で100%賄うことができる。
(II)ブーム下げとアームアウトの複合操作
図1、図2、および、図4に示された第2の制御部94において、圧力センサ85から入力されたブーム下げパイロット圧Pbdに基づきテーブルT6の特性に応じてブーム流量制御弁46の開口面積が設定される。同様に、圧力センサ85から入力されたブーム下げパイロット圧Pbdに基づきテーブルT7の特性に応じてブーム再生弁51の開口面積が設定される。
また、圧力センサ86から入力されたアームアウトパイロット圧Paoに基づきテーブルT8,T9の特性に応じて補償ゲインがそれぞれ設定される。
そして、乗算器104でテーブルT6の特性に応じて設定された開口面積とテーブルT8の特性に応じて設定される補償ゲインとが掛け合わされ、テーブルT10を介してブーム流量制御弁46の制御用の電磁比例弁59が制御される。
また、乗算器105でテーブルT7の特性に応じて設定された開口面積とテーブルT9の特性に応じて設定される補償ゲインとが掛け合わされ、テーブルT11を介してブーム再生弁51の制御用の電磁比例弁69が制御される。
テーブルT8の特性により、圧力センサ86から入力されるアームアウトパイロット圧Paoが相対的に大きくなると、このテーブルT8から出力される補償ゲインは、1.0よりも小さい値に設定される。一方、テーブルT9の特性により、圧力センサ86から入力されるアームアウトパイロット圧Paoが相対的に大きくなると、このテーブルT9から出力される補償ゲインは、1.0よりも大きい値に設定される。
したがって、ブーム下げ操作とアームアウト操作の複合時には、テーブルT8,T9の特性を調整して、ブームシリンダ25のボトム室25bからの戻り油をロッド室25rに再生するブーム再生弁51の開口面積を大きくし、ブームシリンダ25のボトム室25bの戻り油をタンクTに逃がすブーム流量制御弁46のリターン側の開口面積を、ブーム下げ単独操作時よりも抑制する。
これらの作用によって、ブームシリンダ25のボトム室25bから戻り油をアームシリンダ26のロッド室26rに効率よく再生できるように、ブームボトム室圧Pbbを高くすることができる。
また、図3に示された第1の制御部93において、圧力センサ85から入力されたブーム下げパイロット圧Pbdに基づきテーブルT2の特性に応じて開口面積が設定される。一方、圧力センサ86から入力されたアームアウトパイロット圧Paoに基づきテーブルT3の特性に応じて補償ゲインが設定される。さらに、これらテーブルT2の特性に応じて設定される開口面積と、テーブルT3の特性に応じて設定される補償ゲインとが乗算器101で掛け合わされ回生制御弁52の開口面積が求められる。乗算器101で求められた開口面積は、テーブルT5の特性に応じてパイロット圧に変換され、回生制御弁52の電磁比例弁73が制御される。
ここで、テーブルT2は、ブーム下げパイロット圧Pbdの増加に伴い開口面積が増加する特性である。一方、テーブルT3は、アームアウトパイロット圧Paoの増加に伴い補償ゲインが増加し、フル操作で1.0になる特性である。
このように、コントローラ91は、ブーム下げ操作とアームアウト操作との複合時に、ブーム下げ操作量とスティックアウト操作量とに基づきブームボトム室圧Pbbを上昇させるようブーム再生弁51とブーム流量制御弁46とをそれぞれ個別に動作させる動作制御信号を出力するとともに、ブーム下げ操作量とアームアウト操作量とに基づき回生制御弁52の開度、すなわち開口面積を制御する動作制御信号を出力する。
この結果、ブーム流量制御弁45は、ブーム下げ操作量に応じてブーム下げ位置45a側に制御され、ブーム流量制御弁46は、アームアウト操作量に基づきテーブルT8で重み付けされたブーム下げ操作量に応じて電磁比例弁59によりブーム下げ位置46a側に制御され、アーム流量制御弁47,48は、アームアウト操作量に応じてスティックアウト位置であるアームアウト位置47a,48a側に制御される。また、ブーム再生弁51は、アームアウト操作量に基づきテーブルT9で重み付けされたブーム下げ操作量に応じて電磁比例弁69によりブームシリンダ25のボトム室25bからロッド室25rへの再生流量を大きくする位置に制御される。さらに、回生制御弁52は、アームアウト操作量に基づきテーブルT3で重み付けされたブーム下げ操作量に応じて電磁比例弁73によりブームシリンダ25のボトム室25bからアームシリンダ26のロッド室26rへの再生流量を設定する位置に制御される。
したがって、ブーム下げ操作とアームアウト操作とを複合すると、ブーム下げ操作量とアームアウト操作量とに応じて回生制御弁52の開口面積が制御され、ブームシリンダ25のボトム室25bの圧油がアームシリンダ26のロッド室26rに再生される。この結果、ブームシリンダ25のロッド室25rに供給される作動油は、ボトム室25bからの作動油で70%程度賄うことができる。
さらに、図5に示された第3の制御部95では、ブーム下げ操作とアームアウト操作とを複合すると、圧力センサ85から入力されたブーム下げパイロット圧Pbdに基づきテーブルT12の特性に応じてポンプ容量が設定される。また、圧力センサ86から入力されたアームアウトパイロット圧Paoに基づき、テーブルT13の特性に応じてアーム流量制御弁47のポンプ容量、テーブルT14でアーム流量制御弁48のポンプ容量がそれぞれ設定される。
また、圧力センサ85から入力されたブーム下げパイロット圧Pbdに基づきテーブルT17,T18の特性に応じてそれぞれ補償ゲインが設定される。さらに、圧力センサ89から入力されたブームボトム室圧Pbbに基づきテーブルT16の特性に応じて補償ゲインが設定される。
さらに、テーブルT16の特定に応じて設定された補償ゲインと、テーブルT18の特性に応じて設定された補償ゲインとを最大値選択器108で比較して大きい補償ゲインが選択され、この選択された補償ゲインがテーブルT14の特性に応じて設定されたポンプ容量と乗算器109で掛け合わされる。すなわち、アームアウト操作量に対するポンプ容量を、ブーム下げ操作量を検出したときには減少させる。
同様に、テーブルT16の特性に応じて設定された補償ゲインと、テーブルT17の特性に応じて設定された補償ゲインとを最大値選択器111で比較して大きい補償ゲインが選択され、この選択された補償ゲインがテーブルT13の特性に応じて設定されたポンプ容量と乗算器112で掛け合わされる。
そして、乗算器107で求められたブーム下げのポンプ容量と乗算器109で求められたアームポンプ容量とを最大値選択器114で比較して大きいポンプ容量を選択し、この選択されたポンプ容量をテーブルT19の特性に基づきネガコン圧に変換して、メインポンプ32の制御用の電磁比例弁38Rを制御する。
同様に、乗算器112で求められたアームポンプ容量とテーブルT15で設定される旋回ポンプ容量とを最大値選択器115で比較して大きいポンプ容量を選択し、この選択されたポンプ容量をテーブルT20の特性に基づきネガコン圧に変換して、メインポンプ31の制御用の電磁比例弁38Lを制御する。
したがって、作業装置13(図6)が空中にある場合、すなわちバケット23(図6)が地面から離れている場合は、ブームボトム室圧Pbbが高いので、テーブルT16の特性から、テーブルT18およびテーブルT17の特性に応じて設定される補償ゲインよりも小さい値が設定される。
このとき、テーブルT17の特性により、ブーム下げパイロット圧が相対的に大きくなると補償ゲインは1.0より小さくなる。
同様に、テーブルT18の特性により、ブーム下げパイロット圧が相対的に大きくなると補償ゲインは1.0より小さくなる。
したがって、ブーム下げ操作量により、各アームポンプ容量が抑制され、メインポンプ31,32からアームシリンダ26のロッド室26rに供給される流量が抑制され、ブームシリンダ25のボトム室25bからの戻り油がアームシリンダ26のロッド室26rに再生される。
すなわち、コントローラ91は、ブーム下げ操作とアームアウト操作との複合時に、ブーム下げ操作量が増加したときにアームシリンダ26に供給する流量を抑制するようメインポンプ31,32を動作させる動作制御信号を出力する。
このように、アームシリンダ26に供給される流量は、ブームシリンダ25のボトム室25bから再生流量で大半をカバーして、ポンプ流量を大幅に低減できるので、エネルギ効率が改善される。
(III)ブーム下げとアームアウトと旋回との複合操作
図1乃至図3に示された第1の制御部93において、上記(II)のブーム下げとアームアウトの複合操作に加えてさらに旋回操作をすると、圧力センサ88から入力された旋回パイロット圧Pswに基づきテーブルT1の特性に応じてパイロット圧が設定される。また、圧力センサ85から入力されたブーム下げパイロット圧Pbdに基づきテーブルT2の特性に応じて回生制御弁52の開口面積が設定される。
また、圧力センサ86から入力されたアームアウトパイロット圧Paoに基づきテーブルT3の特性に応じて回生制御弁52の開口面積を調整するための補償ゲイン(例えば0〜1.0)が設定される。さらに、テーブルT2の特性に応じて設定された開口面積とテーブルT3の特性に応じて設定された補償ゲインとが乗算器101で掛け合わされる。
次いで、乗算器101で求められた回生制御弁52の開口面積に基づき、テーブルT4の特性に応じて旋回優先弁53の動作制御信号(パイロット圧)を調整するための補償ゲイン(例えば0〜1.0)が設定される。そして、テーブルT1の特性に応じて設定されたパイロット圧とテーブルT4の特性に応じて設定された補償ゲインとが乗算器102で掛け合わされ、旋回優先弁53の制御用の電磁比例弁78のパイロット圧が設定される。
旋回優先弁53は、電磁比例弁78のパイロット圧が相対的に大きくなると開口面積が相対的に小さくなる特性であるので、テーブルT1の特性により、圧力センサ88から入力される旋回パイロット圧Pswが相対的に大きくなると電磁比例弁78のパイロット圧が相対的に低下する特性に設定される。
一方、ブームシリンダ25のボトム室25bからの戻り油をアームシリンダ26に再生するための回生制御弁52の開口面積が相対的に大きくなると補償ゲインが1.0より小さくなるようにテーブルT4の特性を設定する。
したがって、ブーム下げ操作とアームアウト操作と旋回操作とを複合した場合は、ブームシリンダ25のボトム室25bからアームシリンダ26に再生する流量に応じて旋回優先弁53の開口面積が調整され、回生制御弁52の開口面積が相対的に大きくアームシリンダ26に再生する流量が増えると、旋回優先弁53を絞ってアーム流量制御弁47に流れる流量を制限し、逆に回生制御弁52の開口面積が相対的に小さくアームシリンダ26に再生する流量が減ると、旋回優先弁53を開いてアーム流量制御弁47に流れる流量を増やす。すなわち、コントローラ91は、ブーム下げ操作とアームアウト操作と旋回操作との複合時に、旋回操作量と回生制御弁52の開度、すなわち開口面積とに基づき旋回優先弁53の開度、すなわち開口面積を制御する動作制御信号を出力する。
この結果、ブーム流量制御弁45は、ブーム下げ操作量に応じてブーム下げ位置45a側に制御され、ブーム流量制御弁46は、アームアウト操作量に基づきテーブルT8で重み付けされたブーム下げ操作量に応じて電磁比例弁59によりブーム下げ位置46a側に制御され、アーム流量制御弁47,48は、アームアウト操作量に応じてスティックアウト位置であるアームアウト位置47a,48a側に制御され、旋回流量制御弁49は、旋回操作量に基づき制御される。また、ブーム再生弁51は、アームアウト操作量に基づきテーブルT9で重み付けされたブーム下げ操作量に応じて電磁比例弁69によりブームシリンダ25のボトム室25bからロッド室25rへの再生流量を大きくする位置に制御される。さらに、回生制御弁52は、アームアウト操作量に基づきテーブルT3で重み付けされたブーム下げ操作量に応じて電磁比例弁73によりブームシリンダ25のボトム室25bからアームシリンダ26のロッド室26rへの再生流量を設定する位置に制御される。また、旋回優先弁53は、ブーム下げ操作量、アームアウト操作量、および、旋回操作量に基づき、すなわちアームアウト操作量に基づきテーブルT3で重み付けされたブーム下げ操作量(回生制御弁52の開度)によりテーブルT4で重み付けされた旋回操作量に応じて電磁比例弁78によりアームシリンダ26のロッド室26rへのメインポンプ31からの供給流量を絞る位置に制御される。
このため、ブーム下げ操作とアームアウト操作と旋回操作との複合時の操作性の向上を図るとともにエネルギ効率の改善を図ることができる。
(IV)バケット接地の動作
バケット23(図6)が接地するとブームボトム室圧Pbbが所定値以下に低下する。図1、図2、および、図5に示された第3の制御部95において、圧力センサ89から入力されたブームボトム室圧Pbbに基づきテーブルT16の特性に応じて補償ゲインが設定される。このとき、テーブルT16の特性により、補償ゲインは1.0になる。したがって、最大値選択器108,111の出力はそれぞれ1.0になり、テーブルT12で設定されたポンプ容量、テーブルT13によって設定されたポンプ容量、テーブルT14によって設定されたポンプ容量がそのまま出力される。
このように、バケット23が接地した状態でブーム下げ操作を行うと、ブームシリンダ25のロッド室25rにメインポンプ32の圧油が供給され、作業機械10の機体11(図6)を持ち上げることができる。
また、バケット23が接地した状態でブーム下げ操作とアームアウト操作を複合すると、ブームシリンダ25のロッド室25rとアームシリンダ26のロッド室26rとにメインポンプ31,32から圧油が供給され、バケット23を接地した状態で前方に押し出して地面を均す作業ができる。
すなわち、コントローラ91は、ブームボトム室圧Pbbが所定値以下の場合に、ブーム下げ操作量に基づきブームシリンダ25のロッド室25rに供給される作動油量を制御するようにメインポンプ32を動作させる動作制御信号を出力するとともに、少なくともアームアウト操作量に基づきアームシリンダ26のロッド室26rに供給される作動油量を制御するようにメインポンプ31,32を動作させる動作制御信号を出力する。換言すれば、バケット23が接地した状態では、ポンプ流量の制限を解除して通常動作ができるようにする。
次に、図示された実施の形態の効果を列記する。
ブーム下げ単独操作では、ブームシリンダ25のロッド室圧の上昇を抑制して、ブームシリンダ25のボトム室25bからロッド室25rに作動油を再生する従来のブーム再生制御と同様の制御を行うことができ、ブーム下げ時のポンプ圧およびポンプ流量を抑制して、エネルギロスを抑制したブーム下げ動作ができる。
例えばバケット23が空中にある状態でブーム下げ操作とアームアウト操作との複合操作時には、ブームシリンダ25のボトム室25bからの戻り油をアームシリンダ26に再生できるようにブームボトム室圧Pbbを昇圧し、かつブーム下げ操作量とアームアウト操作量とに応じて回生制御弁52の開度とポンプ容量とを調整して、アームシリンダ26への再生流量を増やしてポンプ流量を低減することが可能となり、エネルギ効率を大幅に改善できる。また、ブーム下げ操作量とアームアウト操作量とに応じて回生制御弁52とポンプ容量とを調整するので、通常制御から再生制御へと滑らかに移行できる。
ブーム下げ操作とアームアウト操作と旋回操作とを複合した場合は、旋回モータ18に供給する流量がアームシリンダ26のロッド室26rに流れて、ブームシリンダ25のボトム室25bからアームシリンダ26のロッド室26rに流れる再生流量が減らないように旋回優先弁53の開度を調整するので、操作性が確保でき、かつエネルギ効率を改善できる。
さらに、ブームボトム室圧Pbbに基づきバケット23の接地を判定するので、作業装置13の接地、すなわちバケット23の接地などブームボトム室圧Pbbが所定値以下の場合にはブームシリンダ25のロッド室25rに供給する作動油量を制御し、少なくともアームアウト操作量に基づきメインポンプ31,32からアームシリンダ26のロッド室26rへの作動油量を制御するので、作業装置13(バケット23)が非接地状態での動作からバケット23などの接地状態での動作へと速やかに、かつ、滑らかに移行できる。